JPH0859607A - プロスタグランジンe1 類の製造法、及びその合成中間体 - Google Patents

プロスタグランジンe1 類の製造法、及びその合成中間体

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JPH0859607A
JPH0859607A JP19673094A JP19673094A JPH0859607A JP H0859607 A JPH0859607 A JP H0859607A JP 19673094 A JP19673094 A JP 19673094A JP 19673094 A JP19673094 A JP 19673094A JP H0859607 A JPH0859607 A JP H0859607A
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健一郎 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プロスタグランジンE1 類および7−チアプロ
スタグランジンE1 類のエノールエステル誘導体の簡便
で収率の高い製造法を見出す。 【構成】1)高次銅試薬(Higher Order Cyanocuprate
s)を用いて、トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブ
チルスタニル)エチレンの2つのスタニル基のうち、一
方だけをクプラートとして、1、4共役付加させる反応 2)1、4共役付加の後に生じたエノレートアニオンを
反応混合物に無水酪酸あるいは酪酸ハライドを加えてク
エンチングすることにトラップしてプロスタグランジン
1 類のエノールエステル誘導体を合成する反応 3)ビニルスタナンのスタニル基を立体構造を保ったま
ま、ヨウ素を用いて置換し、ヨードオレフィンに誘導す
る反応 4)塩化クロム(II) (CrCl2 )を用いて、アルケ
ニルハライドとアルデヒドをカップリングさせる方法 を組み合わせることで下記式で表されるプロスタグラン
ジンE1 類を製造する方法。 [式中Aは−S−または−CH2 −を表し、−−−は単
結合または二重結合を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血小板凝集抑制作用、
血管拡張性血圧降下作用等を有することが期待され、医
薬品として有用なプロスタグランジンE1 類の製造法、
およびその合成中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン類は、血小板凝集抑
制作用、血管拡張性血圧降下作用、胃酸分泌抑制作用、
平滑筋収縮作用、細胞保護作用,利尿作用等多彩な生理
作用を有しており、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化、高血
圧症、十二指腸潰瘍、分娩誘発、中絶等の治療または予
防に有用な化合物である。なかでも下記式(VIII) で表
されるプロスタグランジンE1 類は強力な血小板凝集抑
制作用、血管拡張作用を有しており、すでに臨床におい
て用いられている。(以後、化合物の番号付けは、ここ
に示した方法と同様に行った。)
【0003】
【化8】
【0004】一方、7−チアプロスタグランジンE1
は血小板凝集阻害作用、降圧作用、血管拡張作用による
抗血栓、抗狭心症、抗心筋梗塞、抗動脈硬化、悪性腫瘍
転移防止作用を示したり、抗腫瘍作用を示すことが開示
されている。(特開昭53−68753、特開昭58−
110562、特開昭59−29661、特開昭60−
185761、特開昭61−204163号公報)。ま
た、7−チアプロスタグランジンE1 類が糖尿病におけ
る神経症に有用性を示すことが知られている(特開昭6
4−52721号公報)。
【0005】また、プロスタグランジンE1 類縁体とし
てプロスタグランジンE1 のエノール酪酸エステルが知
られている(特開平5−213862号公報)が、高温
下に製剤しても安定であり、プロスタグランジンE1
同等の生理活性が期待できることが示されている。
【0006】従来、かかるプロスタグランジンE1 類の
製造法として、α鎖に対応する側鎖を持つシクロペンテ
ノン誘導体と、ω鎖部分のオルガノリチオアルミネート
類より、2成分連結型の反応でプロスタグランジンE1
類が合成できることが知られている。[M. J. Weiss ら
J. Org. Chem. 44, 1439, (1978)] また、求核試
薬としてω鎖部分のオルガノリチオクプラート類を使用
した2成分連結型の反応による合成例としては下記に挙
げる方法が知られている。[K. G. Untchら、J.Am. Che
m. Soc. 94, 7826,(1972) ]、[R.Pappo, P. W. Colli
ns, Tetrahedron Lett. 4217,(1954) ]、[黒住ら、Che
m. Pharm. Bull. 30, 1102, (1982) ]、[C. K. Sih,
J. Am. Chem. Soc. 97, 865,(1975) ]、[佐藤ら、特開
平1−228933号公報] 同様に、7−チアプロスタグランジンE1 類の合成法と
しては、7−チア型のα鎖を持つシクロペンテノン誘導
体と、ω鎖部分のオルガノリチオクプラート類の、2成
分連結型の反応が知られている。[田中ら、Chem. Phar
m. Bull. 33,2359,(1985) ] また、プロスタグランジン類のエノール酪酸エステル類
の製造法として、(特開平5−213862号公報)に
は下記式(IX)
【0007】
【化9】
【0008】の製造法が記載されている。これによる
と、例えば1−ヨード−3−ヒドロキシ−1−オクテン
の水酸基を保護し、アルキルリチウムと反応させて1−
リチオアルケンとした後、トリアルキルホスフィン−ヨ
ウ化銅(I)錯体と反応させ、オルガノリチオクプラート
とし、次に、このオルガノリチオクプラートを水酸基が
保護された4−ヒドロキシ−2−(6−カルボブトキシ
ヘキシル)−2−シクロペンテン−1−オンに、1、4
共役付加させ、ついで反応混合物に無水酪酸あるいは酪
酸ハライドを加えてクエンチングすることにより製造し
ている。
【0009】一方、高次銅試薬(Higher Order Cyanocu
prates)を用いて、ビニルスタナン型のω鎖部分から in
situ でクプラートを生成させた後、α鎖に対応する側
鎖を持つシクロペンテノン誘導体に1、4共役付加させ
る方法によって、プロスタグランジンE1誘導体である
ミソプロストールが合成できることが知られている。[J
ames R. Behlingら, J. Am. Chem. Soc. 110, 2641,
(1988) ]。この文献には、トランス−1、2−ビス(ト
リ−n−ブチルスタニル)エチレンの2つのスタニル基
のうち、一方だけをクプラートとして、無置換のシクロ
ヘキサノンに1、4共役付加させることが可能であるこ
とが示されている。
【0010】また、ビニルスタナンのスタニル基を立体
構造を保ったまま、ヨウ素を用いて置換し、ヨードオレ
フィンに誘導する方法は例えば、[F. Satoら, Tetrahed
ronLett. 28, 2033, (1987) ]、[G.A. Tolstikovら、
Synthesis. (6), 496, (1986) ]等に記載されている。
【0011】さらに、塩化クロム(II)(CrCl2 )を
用いて、アルケニルハライドを、カルボニル化合物に対
してGrignard型で付加をさせる方法は、野崎らによって
開発されている[Kazuhiko Takaiら, Tetrahedron Lett.
24, 5281, (1983)]。この方法は岸らによって更に詳
細に検討され、塩化ニッケル(II)や、酢酸パラジウム(I
I)を触媒量加えることによって、再現性良く高収率で目
的物が得られることが示されている。[Haolun Jinら、
J. Am. Chem. Soc. 108, 5644, (1986) ] また、本発明で使用している上記式(VII)で表される
化合物は新規であり、プロスタグランジン類の合成に使
用されている例は無い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、プロスタグランジンE1類または7−チア
プロスタグランジンE1 類のエノールエステル誘導体の
簡便で収率の高い新規製造法を提供することである。従
来は、あらかじめ合成した13位以降のω鎖部分を用い
て2成分連結反応を行い、生じたエノレートアニオンを
酸無水物または酸ハライドでトラップする方法で、プロ
スタグランジンE1類のエノールエステル誘導体を合成
していた。通常ω鎖部分を合成するのに簡単なものでも
4ステップ以上かかるので、この方法は、ω鎖部分を変
換した誘導体を簡便に数多く合成する目的には適してい
なかった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで我々は、14位ま
でのω鎖をあらかじめ含む共通中間体を合成し、最後に
15位以降の水酸基を含むω鎖部分を導入する方法を案
出し、鋭意研究した結果、前記の反応 1)高次銅試薬(Higher Order Cyanocuprates)を用い
て、トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブチルスタニ
ル)エチレンの2つのスタニル基のうち、一方だけをク
プラートとして、1、4共役付加させる反応 2)1、4共役付加の後に生じたエノレートアニオンを
反応混合物に無水酪酸あるいは酪酸ハライドを加えてク
エンチングすることにトラップしてプロスタグランジン
1類のエノールエステル誘導体を合成する反応 3)ビニルスタナンのスタニル基を立体構造を保ったま
ま、ヨウ素を用いて置換し、ヨードオレフィンに誘導す
る反応 4)塩化クロム(II)(CrCl2 )を用いて、アルケニ
ルハライドとアルデヒドをカップリングさせる反応 をうまく組み合わせることによって、理想的な方法でプ
ロスタグランジンE1類のエノールエステル誘導体が合
成できることを見い出し、本発明に到達した。
【0014】すなわち本発明は、下記式(I)
【0015】
【化10】
【0016】[式中、PはC1〜C6の直鎖状もしくは
分岐したアルキル基またはフェニル基を表す。]で表さ
れる、トランス−1、2−ビス(トリアルキルスタニ
ル)エチレンまたはトランス−1、2−ビス(トリフェ
ニルスタニル)エチレンと、 CuQ [式中、Qはハロゲン原子、シアノ基、フェニルチオ
基、1−ペンチニル基、または1−ヘキシニル基を表
す。] および、C1〜C4の直鎖状もしくは分岐したアルキル
リチウム化合物とから調製した有機銅試薬と、下記式
(II)
【0017】
【化11】
【0018】[式中、Aは2価の硫黄原子(−S−)ま
たはメチレン基(−CH2−)を表し、R1 はトリ(C
1〜C7炭化水素)シリル基、または水酸基の酸素原子
とともにアセタール結合を形成する基を表し、R2 は、
C1〜C10の直鎖状もしくは分岐したアルキル基、C
2〜C10の直鎖状もしく分岐したアルケニル基、置換
もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のC
3〜C10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の
フェニル(C1〜C2)アルキル基を表し、表記−−−
は単結合または二重結合を表す。]で表される2−置換
−2−シクロペンテノン類、またはその鏡像体、あるい
はそれらの任意の割合の混合物とを反応させた後、さら
に、 (R3 CO)2O [式中、R3 はC1〜C10の直鎖状もしくは分岐した
アルキル基、C2〜C10の直鎖状もしくは分岐したア
ルケニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換も
しくは非置換のC3〜C10のシクロアルキル基、また
は置換もしくは非置換のフェニル(C1〜C2)アルキ
ル基を表す。] または R3 COCl [式中、R3 は前記定義と同じ。]と反
応させ、下記式(III )
【0019】
【化12】
【0020】[式中、A、R1 、R2 、R3 ,P、及び
表記−−−は前記定義と同じ。]で表されるビニルスタ
ニル化合物を合成し、さらにこの化合物をX2 [式中、
Xはヨウ素原子または臭素原子を表す。]で表されるハ
ロゲン分子と反応させて、下記式(IV)
【0021】
【化13】
【0022】[式中、A、R1 、R2 、R3 、X、及び
表記−−−は前記定義と同じ。]で表されるハロオレフ
ィン化合物に誘導し、さらにこの化合物と、下記式(V)
【0023】
【化14】
【0024】[式中、R4 はC1〜C10の直鎖状もし
くは分岐したアルキル基、C2〜C10の直鎖状もしく
は分岐したアルケニル基、C2〜C10の直鎖状もしく
は分岐したアルキニル基、置換もしくは非置換のフェニ
ル基、または置換もしくは非置換のC3〜C10のシク
ロアルキル基を表し、さらに、上記アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基は(C1〜C5のアルコキシ基
や、置換もしくは非置換のフェニル基や、置換もしくは
非置換のフェノキシ基や、C3〜C10のシクロアルキ
ル基)で置換されていてもよい。]で表されるアルデヒ
ド類とをCrCl2 を用いて、NiCl2 またはPd
(OAc)2 を触媒として使用/または非使用下、反応
させることを特徴とする、下記式(VI)
【0025】
【化15】
【0026】[式中、A、R1 、R2 、R3 、R4 、及
び表記−−−は前記定義と同じ。]で表されるプロスタ
グランジンE1 類の製造法である。
【0027】上記式(I)で表されるトランス−1、2
−ビス(トリアルキルスタニル)エチレンまたはトラン
ス−1、2−ビス(トリフェニルスタニル)エチレンに
おいて、PはC1〜C6の直鎖状もしく分岐したアルキ
ル基、またはフェニル基を表す。C1〜C6の直鎖状も
しく分岐したアルキル基の好ましい例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、などが
挙げられ、中でもn-ブチル基であるトランス−1、2−
ビス(トリ−n−ブチルスタニル)エチレンが最も好ま
しい。
【0028】上記式CuQ中、Qはハロゲン原子、シア
ノ基、フェニルチオ基、1−ペンチニル基、または1−
ヘキシニル基を表す。この中でもQとしては、シアノ基
が好ましい。C1〜C4の直鎖状もしくは分岐したアル
キルリチウム化合物とは例えば、n−ブチルリチウム、
t−ブチルリチウム等であり、通常CuQに対して、1.
0〜3.0モル倍使用して、有機銅試薬を調製する。特
に、CuCNを用いて高次銅試薬(Higher Order Cyano
cuprates)を調製する場合には、1.8〜2.2モル倍使用
するのが望ましい。一方、上記ビススタニルエチレンに
対して0.3〜0.6モル倍、好ましくは0.5モル倍のアル
キルリチウム化合物を反応させ、モノリチオ体を生成し
た後、CuQを0.5〜2.0モル倍、好ましくは1.0〜1.
3モル倍反応させて、有機銅試薬を調製し使用すること
もできる。有機銅試薬は通常、−100℃〜50℃、特に好
ましくは−78℃〜30℃程度の温度範囲が採用される。反
応時間は反応温度により異なるが、通常−78℃〜 30℃
にて約2時間反応させれば十分である。
【0029】本発明の製造法の第一ステップは、前記の
有機リチウム化合物、CuQ(Qは前記定義と同じ)及
び、トランス−1、2−ビス(トリアルキルスタニル)
エチレンまたはトランス−1、2−ビス(トリフェニル
スタニル)エチレンから調製した有機銅化合物を、非プ
ロトン性不活性有機溶媒存在下、上記式(II)で代表さ
れる2−置換−2−シクロペンテノン類を反応させた
後、酸無水物または酸クロリドと反応させることにより
行われる。
【0030】なお、かかる式(II) で表される化合物の
合成法は、例えばTanakaら、Chem.Pharm.Bull.33 、2
356〜2385(1985)に記載されている。
【0031】上記式(II)において、Aは2価の硫黄原
子(−S−)またはメチレン基(−CH2 −)を表す。
好ましくは、Aが2価の硫黄原子(−S−)である。
【0032】上記式(II)において、R1 はトリ(C1
〜C7炭化水素)シリル基、または水酸基の酸素原子と
ともにアセタール結合を形成する基を表す。かかるトリ
(C1〜C7炭化水素)シリル基の好ましい例として
は、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチ
ルジメチルシリル基の如きトリ(C1〜C4アルキル)
シリル基、t-ブチルジフェニルシリル基の如きジフェニ
ル(C1〜C4)アルキルシリル基またはトリベンジル
シリル基などが挙げられる。水酸基の酸素原子とともに
アセタール結合を形成する基の好ましい例としては、メ
トキシメチル基、1−エトキシエチル基、2−メトキシ
−2−プロピル基、2−エトキシ−2−プロピル基、
(2−メトキシエトキシ)メチル基、ベンジルオキシメ
チル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒド
ロフラニル基、6,6−ジメチル−3−オキサ−2−オ
キソビシクロ [3.1.0] ヘキス−4−イル基などが
挙げられる。これらのなかでも、R1としてはt-ブチル
ジメチルシリル基が特に好ましい。
【0033】上記式(II) においてR2 は、C1〜C1
0の直鎖状もしくは分岐したアルキル基、C2〜C10
の直鎖状もしく分岐したアルケニル基、置換もしくは非
置換のフェニル基、置換もしくは非置換のC3〜C10
のシクロアルキル基、置換もしくは非置換のフェニル
(C1〜C2)アルキル基を表す。かかるC1〜C10
の直鎖状もしく分岐したアルキル基の好ましい例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル
基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基などが挙げられる。C2〜C10の直鎖状もしくは分
岐したアルケニル基の好ましい例としては、ビニル基、
アリル基,3−ブテニル基、2−ブテニル基、4−ペン
テニル基、2−ペンテニル基、プレニル基(3−メチル
−2−ブテニル基)、2,4−ヘキサジエニル基、2,
6−オクタジエニル基、ネリル基、ゲラニル基、シトロ
ネリル基、ファルネシル基、アラキジル基などが挙げら
れる。また、置換もしくは非置換のフェニル基の置換基
の好ましい例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、C2〜C7のアシルオキシ基、ハロゲン原子で置換
されていてもよいC1〜C4のアルキル基、ハロゲン原
子で置換されていてもよいC1〜C4のアルコキシ基、
ニトリル基、カルボキシル基、(C1〜C6)アルコキ
シカルボニル基などが挙げられる。置換もしくは非置換
のC3〜C10のシクロアルキル基の好ましい例として
は、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シク
ロオクチル基、シクロデキシル基などが挙げられる。さ
らに、置換もしくは非置換のフェニル(C1〜C2)ア
ルキル基としては、該フェニル基が上記したと同じ置換
基で置換されているか、または非置換のベンジル基、α
−フェネチル基、β−フェネチル基が挙げられる。これ
らのなかでもR2 としてはC1〜C10の直鎖状もしく
は分岐したアルキル基が好ましく、メチル基であるもの
が特に好ましい。
【0034】上記式(II) において、表記−−−は単結
合または二重結合を表す。この中でも表記−−−が単結
合を表す場合が好ましい。
【0035】上記式(R3 CO)2O 及び、R3 COC
l 中、R3 はC1〜C10の直鎖状もしく分岐したア
ルキル基、C2〜C10の直鎖状もしくは分岐したアル
ケニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もし
くは非置換のC3〜C10のシクロアルキル基、または
置換もしくは非置換のフェニル(C1〜C2)アルキル
基を表す。かかるC1〜C10の直鎖状もしく分岐した
アルキル基の好ましい例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。C
1〜C10の直鎖状もしくは分岐したアルケニル基の好
ましい例としては、ビニル基、アリル基,3−ブテニル
基、2−ブテニル基、4−ペンテニル基、2−ペンテニ
ル基、プレニル基(3−メチル−2−ブテニル基)、
2,4−ヘキサジエニル基、2,6−オクタジエニル
基、ネリル基、ゲラニル基、シトロネリル基、ファルネ
シル基、アラキジル基などが挙げられる。また、置換も
しくは非置換のフェニル基の置換基の好ましい例として
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C2〜C7のアシ
ルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1
〜C6の直鎖状もしくは分岐したアルキル基、ハロゲン
原子で置換されていてもよいC1〜C6の直鎖状もしく
は分岐したアルコキシ基、ニトリル基、カルボキシル
基、(C1〜C6)アルコキシカルボニル基などが挙げ
られる。置換もしくは非置換のC3〜C10のシクロア
ルキル基の好ましい例としては、シクロプロピル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル
基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデキ
シル基などが挙げられる。さらに、置換もしくは非置換
のフェニル(C1〜C2)アルキル基としては、該フェ
ニル基が上記したと同じ置換基で置換されているか、ま
たは非置換のベンジル基、α−フェネチル基、β−フェ
ネチル基が挙げられる。これらのなかでもR3 として
は、C1〜C10の直鎖状または分岐したアルキル基が
好ましく、プロピル基であるものが特に好ましい。
【0036】本発明の方法では有機銅化合物とともに、
三価の有機リン化合物、例えばトリアルキルホスフィン
(例えば、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィ
ンなど)、トリアルキルホスファイト(例えば、トリメ
チルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリイソ
ブチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイトな
ど)、ヘキサメチルホスホラストリアミド、あるいはト
リフェニルホスフィンなどを用いると共役付加反応が円
滑に進行する場合がある。特にトリブチルホスフィン、
ヘキサメチルホスホラストリアミドが好適に用いられ
る。
【0037】上記式(II)で示される2−置換−2−シ
クロペンテノン類と、有機銅化合物とは、化学量論的に
は等モル反応を行うが、通常、2−置換−2−シクロペ
ンテノン類1モルに対し、0.5 〜 5.0モル倍、好ましく
は 0.8〜 2.0モル倍、特に好ましくは 1.0〜 1.7 モル
倍の有機銅化合物を用いて行われる。
【0038】2−置換−2−シクロペンテノン類と有機
銅化合物の共役付加反応の反応温度は-100℃〜50℃、特
に好ましくは−78℃〜 0℃程度の温度範囲が採用され
る。反応時間は反応温度により異なるが、通常−78℃〜
−20℃にて約1 時間反応させれば十分である。
【0039】また、2−置換−2−シクロペンテノン類
と有機銅化合物の共役付加反応で得られた反応中間体
と、酸無水物または酸クロリドとは、化学量論的には等
モル反応を行うが、通常、酸無水物または酸クロリドが
過剰になるようにして反応を行わせる。すなわち、2−
オルガノチオ−2−シクロペンテノン類1モルに対し、
1.0 〜 10.0 モル倍、好ましくは 2.0〜 5.0モル倍の酸
無水物または酸クロリドを使用して反応を行う。
【0040】2−置換−2−シクロペンテノン類と有機
銅化合物の共役付加反応で得られた反応中間体と、酸無
水物または酸クロライドとの反応の反応温度は−30℃〜
50℃、特に好ましくは−20℃〜30℃程度の温度が採用さ
れる。反応時間は反応温度により異なるが、通常 0℃〜
20℃にて約 15 分反応させれば十分である。
【0041】反応は有機溶媒の存在下で行われる。反応
温度下で液状であって、反応試剤とは反応しない不活性
の非プロトン性の有機溶媒が用いられる。
【0042】かかる非プロトン性不活性有機溶媒として
は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサンのような飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、
キシレンのような芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、
ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテ
ル系溶媒、その他、ヘキサメチルホスホリックアミド
(HMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,
N-ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)、スルホラン、N-メチルピロリドンの
ようないわゆる非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、二
種以上の混合溶媒として用いることも可能である。ま
た、かかる非プロトン性不活性有機溶媒として、有機銅
化合物を製造するのに用いた不活性溶媒をそのまま用い
ることもできる。すなわち、この場合、有機銅化合物を
製造した反応系内に2−置換−2−シクロペンテノン類
を添加して反応を行えば良い。有機溶媒の使用量は反応
を円滑に進行させるのに十分な量があれば良く、通常は
原料の1〜 100倍容量、好ましくは 2〜20倍容量が用い
られる。
【0043】三価の有機リン化合物は有機銅化合物の前
記した調製時に存在させておくこともでき、その系内に
2−置換−2−シクロペンテノン類を加えて反応を実施
することもできる。
【0044】かくして、前記式(III)で表される化合
物、すなわち11位の水酸基が保護され、かつ1位のカ
ルボン酸がエステルになったビニルスタナン化合物が得
られる。本発明の製造法は立体特異的に進行する反応を
用いているために、上記式(II)で表される立体配置を
持つ出発原料からは上記式(III)で表される立体配置
を持つ化合物が得られ、上記式(II)の鏡像体からは上
記式(III)の鏡像体が得られることになる。
【0045】反応後、得られる生成物は通常の手段によ
り反応液から分離、精製される。例えば抽出、洗浄、ク
ロマトグラフィーあるいはこれらの組み合わせにより行
われる。
【0046】本発明の製造法の第二ステップは、ここで
得られた上記式(III)で表される、11位水酸基が保
護され、かつ1位のカルボン酸がエステルになっている
ビニルスタナン化合物を、X2 で表されるハロゲン分子
0.5〜1.5モル倍、好ましくは1.0モル倍と溶媒存在下
反応させ、上記式(IV)で示されるハロオレフィンへと
導くことによって行われる。本製造法において、X2
び式(IV) 中の、Xはヨウ素原子または臭素原子を表
す。中でもXとしてはヨウ素原子が最も好ましい。この
反応の溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサンのような飽和炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
メトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ルのようなエーテル系溶媒、その他、ヘキサメチルホス
ホリックアミド(HMP)、N,N-ジメチルホルムアミド
(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、N-メチ
ルピロリドンのようないわゆる非プロトン性極性溶媒、
またはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ルのようなアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチル
ケトンのようなケトン系の溶媒、塩化メチレン、クロロ
ホルムのようなハロゲン系の溶媒等が挙げられ、二種以
上の混合溶媒として用いることも可能である。有機溶媒
の使用量は反応を円滑に進行させるのに十分な量があれ
ば良く、通常は原料の 1〜 100倍容量、好ましくは 2〜
20倍容量が用いられる。 反応後、得られる生成物は通
常の手段により反応液から分離、精製される。例えば抽
出、洗浄、クロマトグラフィーあるいはこれらの組み合
わせにより行われる。
【0047】かくして、前記式(IV)で表される化合
物、すなわち11位の水酸基が保護され、かつ1位のカ
ルボン酸がエステルになったアルケニルハライドが得ら
れる。本発明の製造法は立体配置が保持されて進行する
反応を用いているために、上記式(III )で表される立
体配置を持つ出発原料からは上記式(IV)で表される立
体配置を持つ化合物が得られ、上記式(III )の鏡像体
からは上記式(IV)の鏡像体が得られることになる。
【0048】本発明の製造法の第三ステップは、ここで
得られた上記式(IV)で表されるアルケニルハライド
を、上記式(V )で表されるアルデヒド類に対して、C
rCl 2 を用いて、NiCl2 またはPd(OAc)2
を触媒として使用/または非使用条件下、Grignard型の
付加をさせる反応によって、下記式(VI)で示される1
1位の水酸基が保護され、かつ1位のカルボン酸がエス
テルになったプロスタグランジンE1類のエノールエス
テル誘導体へと導くことによって行われる。
【0049】本製造法において、式(V )及び、式(V
I)中のR4 はC1〜C10の直鎖状もしくは分岐した
アルキル基、C2〜C10の直鎖状もしくは分岐したア
ルケニル基、C2〜C10の直鎖状もしくは分岐したア
ルキニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、または
置換もしくは非置換のC3〜C10のシクロアルキル基
を表し、さらに、上記アルキル基、アルケニル基、アル
キニル基は(C1〜C5のアルコキシ基や、置換もしく
は非置換のフェニル基や、置換もしくは非置換のフェノ
キシ基や、C3〜C10のシクロアルキル基)で置換さ
れていてもよい。
【0050】C1〜C10の直鎖状もしくは分岐したア
ルキル基の好ましい例としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基,1−メチル−1−ブチル基、2−メチルヘキシル
基、2−ヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、
2,2−ジメチルペンチル基等が挙げられる。C2〜C
10の直鎖状もしくは分岐したアルケニル基の好ましい
例としては、ビニル基、アリル基,3−ブテニル基、2
−ブテニル基、4−ペンテニル基、2−ペンテニル基、
プレニル基(3−メチル−2−ブテニル基)、2,4−
ヘキサジエニル基、2,6−オクタジエニル基、ネリル
基、ゲラニル基、シトロネリル基、ファルネシル基、ア
ラキジル基などが挙げられる。
【0051】C2〜C10の直鎖状もしくは分岐したア
ルキニル基の好ましい例としては、エチニル基、2−プ
ロピニル基、4−ペンチニル基、1−ペンチニル基、2
−ペンチニル基、3−ペンチニル基、2−エチル−3−
ペンチニル基、3−ヘキシニル基、2−メチル−3−ヘ
キシニル基、1−オクチニル基、2−デシニル基、1−
メチル−3−ヘキシニル基などが挙げられる。置換もし
くは非置換のフェニル基の置換基としては、前記R3
おける置換フェニル基の置換基として挙げたものを好ま
しいものとして挙げることができる。また、置換もしく
は非置換のC3〜C10のシクロアルキル基の好ましい
例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル
基、シクロデシル基などが挙げられる。
【0052】(C1〜C5のアルコキシ基や、置換もし
くは非置換のフェニル基や、置換もしくは非置換のフェ
ノキシ基や、C3〜C10のシクロアルキル基で置換さ
れている)直鎖状もしくは分岐した上記アルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基において、置換基としてのC
1〜C5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキ
シ基、t-ブトキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられ
る。また、置換基としてのフェニル基またはフェノキシ
基が置換されている場合の置換基としては、前記R3
おけるフェニル基についての置換基をそのまま好ましい
ものとして挙げられる。また、置換基としてのC3〜C
10のシクロアルキル基としても前記のR3 ,R2 にお
けるものをそのまま好ましいものとして挙げられる。こ
れらの置換基はそのいずれの位置に結合していてもよ
い。置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基の好ましい例としては、2−フェニルエチル基、4−
フェニルブチル基、2−フェノキシブチル基、1、1−
ジメチル−4−フェニルブチル基、1−メチル−5−フ
ェニル−3−ペンチニル基、3−エトキシプロピル基等
があげられる。
【0053】本製造法におけるアルケニルハライドとア
ルデヒドとのカップリング反応は塩化クロム(II)(Cr
Cl2 )を1.0〜10.0モル倍、好ましくは約5.0モル倍
用いて行われる。更に、NiCl2 またはPd(OA
c)2 を触媒として、0.01〜1モル%使用するのが望ま
しい。反応溶媒としては、ヘキサメチルホスホリックア
ミド(HMP)、N,N −ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N −ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、N-メチルピ
ロリドンのようないわゆる非プロトン性極性溶媒が良
く、二種以上の混合溶媒として用いることも可能であ
る。中でもN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)が好ましい。有機溶媒の
使用量は反応を円滑に進行させるのに十分な量があれば
良く、通常は原料の 1〜 100倍容量、好ましくは 2〜20
倍容量が用いられる。本カップリング反応の反応温度は
−30℃〜50℃、特に好ましくは−20℃〜30℃程度の温度
が採用される。反応時間は反応温度により異なるが、通
常 0℃〜30℃にて約 3時間反応させれば十分である。
反応後、得られる生成物は通常の手段により反応液から
分離、精製される。例えば抽出、洗浄、クロマトグラフ
ィーあるいはこれらの組み合わせにより行われる。
【0054】かくして、前記式(VI)で表される化合
物、すなわち11位の水酸基が保護され、かつ1位のカ
ルボン酸がエステルになったプロスタグランジンE1
が得られる。
【0055】前記式(VI)で表される化合物は、必要に
応じて脱保護、加水分解、あるいは塩生成反応に付すこ
とができる。
【0056】水酸基の保護基R1の除去は、保護基が水
酸基の酸素原子と共にアセタール結合を形成する場合に
は、例えば酢酸、p−トルエンスルホン酸のピリジニウ
ム塩、または陽イオン交換樹脂を触媒として、例えば、
水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、アセ
トニトリル等を反応溶媒とすることにより好適に実施さ
れる。反応は通常−78℃〜50℃の温度範囲で10分〜3
日間程度行われる。また、保護基がトリ(C1 〜C7 炭
化水素)シリル基の場合には、例えば酢酸、テトラブチ
ルアンモニウムフロリド、セシウムフロリド、フッ化水
素酸、フッ化水素−ピリジン等を触媒として、上記した
反応溶媒中で同様の温度で同程度の時間実施される。
【0057】1位のカルボシキル基の保護基R2の除
去、すなわち、エステルの加水分解反応は、例えば、リ
パーゼ、エステラーゼ等の酵素を用い、水または水を含
む溶媒中で−10℃〜 60 ℃の温度範囲で10分〜24時間程
度行われる。ただし、9位のエノールエステルもこの条
件で加水分解されるため、反応の進行の確認は頻繁に行
い、9位のエノールエステルが加水分解されるような場
合には、1位のカルボシキル基の保護基(R2 )の除去
が完全に行われるのを待たずに反応を止め、目的のプロ
スタグランジンE1 類が得られるようにしたほうがよ
い。
【0058】または、上記のようにして加水分解反応に
より得られたカルボキシル基を有する化合物は、次いで
必要に応じて、さらに塩生成反応に付され、相当するカ
ルボン酸塩を得ることができる。塩生成反応は、カルボ
ン酸とほぼ等量の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物、あるいはアンモニ
ア、トリメチルアミン、モノエタノールアミン、モルホ
リンとを通常の方法で中和反応させることにより行われ
る。
【0059】本発明の方法において、出発原料としてラ
セミ混合物を用いると、途中の中間体はスキーム中に示
した化合物とその鏡像体との混合物として立体特異的に
合成経路を進んで行く。上記式(II)で示される化合物
が光学活性ならば、適当な段階において分離することに
より各々の立体異性体を純品として単離することができ
る。
【0060】また上記式(III),(IV),(VI)で表さ
れる化合物において、シクロペンテン環上への置換基の
結合態様に関する立体配置は、天然のプロスタグランジ
ンE1 から導かれる立体配置を有しているために、この
化合物は特に有用な立体異性体であるが、本発明方法に
おいては、その鏡像体、あるいはそれらの任意の割合の
混合物をも出発物質として用いることができる。またR
4 が結合している炭素は不斉炭素であるために2種類の
立体異性体が存在するが、本発明によればいずれの立体
異性体も、あるいはそれらの任意の割合の混合物をも得
ることができる。上記式(VI)のR4 が結合している不
斉炭素に由来する2種類の立体異性体は、出発原料とし
て光学活性な上記式(II)で示される化合物を使用した
場合には、上記式(VI)の11位の保護基を除去した段
階において通常、シリカゲルクロマトグラフィー等の方
法で各々容易に純品として単離することができる。
【0061】また本発明は、下記式(VII)
【0062】
【化16】
【0063】[式中、A、R1 、R2 、R3 、及び表記
−−−は前記定義と同じであり、Yは、ハロゲン原子、
または−SnP3 で表される基(ここで、Pは前記定義
と同じである)を表す。]で表される、プロスタグラン
ジンE1 類の合成中間体である。
【0064】ここで、A、R1 、R2 、R3 、表記−−
、及び、Pの好適な具体例としては、前記式(I)か
ら式(VI)における対応する好ましい例をそのまま挙げ
ることができる。Yの好適な具体例としては、ヨウ素原
子または、−Sn(n−Bu) 3で表されるトリ−n−ブ
チルスタニル基があげられる。
【0065】本発明方法で製造されるプロスタグランジ
ンE1 類の好ましい具体例としては、下記の化合物を挙
げることができる。ここであげた化合物は15位の不斉
炭素に由来する2種類の異性体が存在するが、そのいず
れの異性体も、あるいはそれらの任意の割合の混合物を
も含むものである。
【0066】
【化17】
【0067】
【化18】
【0068】また、本発明の、プロスタグランジンE1
類の合成中間体の好ましい具体例としては、下記の化合
物を挙げることができる。
【0069】
【化19】
【0070】
【発明の効果】本発明により、プロスタグランジンE1
類または7−チアプロスタグランジンE1 類のエノール
エステル誘導体の簡便で収率の高い新規製造法が提供さ
れる。また、この方法では、15位以降のω鎖部分を最
後に導入するため、ω鎖部分をフレキシブルに変換して
新規化合物を合成することが可能であるので、新しい薬
理特性を有する新規誘導体の創出に寄与すると考えられ
る。
【0071】
【実施例】
[実施例1] 化合物9の合成 300 mLの2口フラスコにCuCN 1.88 g を入れ、ヒートガ
ンで加熱しながら減圧乾燥した後、系内をアルゴン置換
した。そこへ乾燥テトラヒドロフラン35mLを加え、良
く攪拌して懸濁液とした。この懸濁液を0℃に冷却し、
攪拌下メチルリチウム(1.25 mol /L) 37.0mLを加え、室
温まで温度を上昇させた。さらにそこへ、トランス−
1、2−ビス(トリーn−ブチルスタニル)エチレンの
乾燥テトラヒドロフラン溶液35mLを加え、室温のまま
さらに1.5時間攪拌して銅試薬を生成した。得られた
銅試薬を−78℃に冷却し、(4R)−t−ブチルジメ
チルシロキシ−2−(5−メトキシカルボニルペンチル
チオ)−2−シクロペンテン−1−オン5.60gの乾
燥テトラヒドロフラン溶液30mLを滴下した。この反応
液を1時間かけて−35℃まで昇温し、そのまま30分
間攪拌した。さらにこの反応液に無水酪酸 8.60 mLを加
えて、室温まで反応温度を上げながら3時間攪拌した。
反応溶液を飽和硫酸アンモニウム水溶液と濃アンモニア
水の混液(9:1)300 mLへ注ぎ込み、反応を終了させ
た。その混合液を分液後、水層からエーテル(150mL×3
回)で抽出し、抽出液と有機層を合わせて飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(3〜5 % 酢
酸エチル/ヘキサン)で精製し、純粋な目的化合物9を
10.46 g (収率92 %) 得た。
【0072】化合物9 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDC
l3 ) 0.00 (s, 6H), 0.84 (s, 9H), 0.85 (t, 9H, J = 7.0
Hz ), 0.97 (t, 3H,J = 7.4 Hz ), 1.18 - 1.75
(m, 26 H), 2.26 (t, 2H, J = 7.5 Hz ), 2.39 (t,
2H, J = 7.5 Hz ), 2.4 - 2.7 (m, 3 H), 2.81 (dd,
1H, J = 16.5 Hz, 6.5 Hz), 3.13 - 3.2 (m, 1 H),
3.63 (s, 3H), 4.1 - 4.2 (m, 1 H), 5.80 (dd, 1H,
J = 18.8 Hz, 8.2 Hz), 6.09 (d, 1H, J = 18.8 Hz)
【0073】[実施例2] 化合物10の合成 300 mLのナスフラスコに、ビニルスタニル化合物9を8.
74 g入れ、エーテル90mLを加えて溶解させた。この溶
液にヨウ素 2.92 gを加え、室温で1時間攪拌して反応
させた。反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液 50mL
を加えて脱色した後、エーテル 250mLで抽出した。エー
テル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥して減圧濃縮すると、黄色の油状物が 10.45 g得ら
れた。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(5 % 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、純粋な目的化
合物10を 6.44 g (収率94 %) 得た。
【0074】 化合物10 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.05 (s, 6H), 0.87 (s, 9H), 1.00 (t, 3H, J = 7.4
Hz ), 1.2 - 1.75 (m, 8 H), 2.31 (t, 2H, J = 7.3
Hz ), 2.42 (t, 2H, J = 7.4 Hz ), 2.4 -2.7 (m,
3 H), 2.84 (dd, 1H, J = 16.5 Hz, 6.9 Hz), 3.1 -
3.15 (m, 1 H), 3.67 (s, 3H), 4.05 - 4.15 (m, 1
H), 6.28 (d, 1H, J = 14.5 Hz) 6.45 (dd, 1H, J
= 14.5 Hz, 8.3 Hz)
【0075】[実施例3] 化合物1の合成 30 mL の2口フラスコに塩化クロム(II) 307mg と塩化
ニッケル0.3mgを入れ、ヒートガンで加熱しながら減圧
乾燥した後、系内をアルゴン置換した。そこへ乾燥 DMF
3.0 mL を加えてよく攪拌し、懸濁液とした。この懸濁
液に室温攪拌下、化合物10を 298mgとフェノキシアセ
トアルデヒド136mg のDMF溶液 2.0mLをシリンジで加え
た。室温のままさらに1時間攪拌した後、水 70mLを加
えて反応を終了させた。その混合液を分液後、水層から
エーテル(50mL ×3)で抽出し、抽出液と有機層を合わ
せて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。減圧下濃縮後、得られた黄色の油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(15% 酢酸エチル/ヘキサ
ン)で精製し、ジアステレオ混合物として目的化合物1
の11位水酸基がt-ブチルジメチルシリル基で保護され
ている化合物を 183mg (収率60 %) 得た。
【0076】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 1.5H), 0.06 (s, 1.5H),
0.88 (s, 4.5H), 0.89(s, 4.5H), 1.00 (t, 3H, J =
7.4 Hz ), 1.2 - 1.8 (m, 8 H), 2.29 (t, 2H, J =
6.5 Hz ), 2.43 (t, 2H, J = 7.3 Hz ), 2.4 - 2.7
(m, 1H), 2.80- 2.95 (m, 1H), 3.2 (br, 1H), 3.6
6 (s, 3H), 3.89 (dd, 1H, J = 9.4 Hz,7.5 Hz), 4.0
1 (dd, 1H, J = 9.4 Hz, 3.4 Hz), 4.15 - 4.25 (m, 1
H), 4.5 - 4.6 (m, 1 H), 5.79 (d-like, 2H, J =
4.5 Hz), 6.85 - 7.00 (m, 3 H), 7.25 - 7.33 (m,
2 H) テフロン製試験管にアセトニトリル 1.5mLとピリジン
0.4 mL を入れ、氷冷した。そこへHF−ピリジン溶液
0.4 mL を加えた。その溶液に氷冷下、上記t−ブチル
ジメチルシリル保護体 172 mg のピリジン 0.4 mL 溶
液、及びアセトニトリル 1.5mLを加え、氷浴を外して室
温もどしながら15時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチ
ルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合液(1:1)5
0mLに注ぎ込んだ。有機層を分離後、水層から酢酸エチ
ル(30 mL)で再抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:1)で精製して、化合物1のクロマトグラフィーで
先に溶出される異性体、および後に溶出される異性体
を、無色油状物質としてそれぞれ49 mg (収率37%)
と、56 mg (収率40%)得た。
【0077】 化合物1のクロマトグラフィーで先に溶出される異性体 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 1.01 (t, 3H, J = 7.4 Hz ), 1.2 - 1.8 (m, 8 H),
2.29 (t, 2H, J = 7.4Hz ), 2.44 (t, 2H, J = 7.3
Hz ), 2.5 - 2.75 (m, 3 H), 2.97 (ddd, 1H, J = 1
6.5 Hz, 6.6 Hz, 1.3 Hz), 3.26 (m, 1H), 3.66
(s, 3H), 3.89 (dd, 1H, J = 9.6 Hz, 7.3 Hz), 4.0
1 (dd, 1H, J = 9.6 Hz, 3.6 Hz), 4.13- 4.23 (m, 1
H), 5.81 (d-like, 2H, J = 4.0Hz), 6.88 -7.00
(m, 3 H), 7.22 - 7.35 (m, 2 H) 化合物1のクロマトグラフィーで後に溶出される異性体 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 1.00 (t, 3H, J = 7.6 Hz ), 1.3 - 1.8 (m, 8 H),
2.28 (t, 2H, J = 7.3Hz ), 2.43 (t, 2H, J = 7.3
Hz ), 2.45 - 2.72 (m, 3 H), 2.7 (br-s, 1H), 2.
94 (ddd, 1H, J = 16.5 Hz, 6.9 Hz, 1.3 Hz), 3.25
(m, 1H), 3.66(s, 3H), 3.90 (dd, 1H, J = 9.6 Hz,
7.2 Hz), 4.00 (dd, 1H, J = 9.6 Hz, 3.6 Hz),
4.15 - 4.25 (m, 1 H), 4.5 - 4.6 (m, 1 H), 5.78 -
5.81 (m,2 H), 6.88 -7.00 (m, 3 H), 7.22 - 7.35
(m, 2 H)
【0078】[実施例4] 化合物2の合成 30 mL の2口フラスコに塩化クロム(II) 307mg と塩化
ニッケル0.3mgを入れ、ヒートガンで加熱しながら減圧
乾燥した後、系内をアルゴン置換した。そこへ乾燥 DMF
3.0 mL を加えてよく攪拌し、懸濁液とした。この懸濁
液に室温攪拌下、化合物10 298mgと5−フェニルバレ
ルアルデヒド162 mgのDMF溶液 2.0mLをシリンジで加え
た。室温のままさらに 3時間攪拌した後、水 70mLを加
えて反応を終了させた。その混合液を分液後、水層から
エーテル(50mL ×3)で抽出し、抽出液と有機層を合わせ
て飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下濃縮後、得られた黄色の油状物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(15% 酢酸エチル/ヘキサ
ン)で精製し、ジアステレオ混合物として目的化合物2
の11位水酸基がt-ブチルジメチルシリル基で保護され
ている化合物を 263 mg (収率83 %) 得た。
【0079】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.03 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 1.00
(t, 3H, J = 7.3 Hz ),1.2 - 1.8 (m, 14 H), 2.29
(t, 2H, J = 7.3 Hz ), 2.42 (t, 2H, J = 7.5 Hz ),
2.4 - 2.65 (m, 5H), 2.86 (dd, 1H, J = 16.0 Hz,
7.1 Hz), 3.1- 3.15 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 4.02
- 4.15 (m, 2 H), 5.52 (ddd, 1H, J= 15.5 Hz, 8.
6 Hz, 2.6 Hz), 5.67 (dd, 1H, J = 15.5 Hz, 6.1
Hz),7.1 - 7.3 (m, 5 H) テフロン製試験管にアセトニトリル 2mLとピリジン 0.5
mL を入れ氷冷した。そこへHF−ピリジン溶液 0.5 m
L を加えた。その溶液に氷冷下、上記t-ブチルジメチル
シリル保護体 243 mg のピリジン 0.5 mL 溶液、及びア
セトニトリル 2mLを加え、氷浴を外して室温もどしなが
ら15時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルと飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液の混合液(1:1)50mLに注ぎ込
んだ。有機層を分離後、水層から酢酸エチル(30 mL)で
再抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製
して、化合物2のクロマトグラフィーで先に溶出される
異性体、および後に溶出される異性体を、無色油状物質
としてそれぞれ 70 mg (収率36%)と、73 mg (収率37
%)得た。
【0080】 化合物2のクロマトグラフィーで先に溶出される異性体 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 1.01 (t, 3H, J = 7.3 Hz ), 1.2 - 1.85 (m, 14 H),
2.30 (t, 2H, J = 7.4 Hz ), 2.43 (t, 2H, J =
7.3 Hz ), 2.45 - 2.75 (m, 5 H), 2.94 (ddd,1H, J
= 16 Hz, 6.2 Hz, 1.3 Hz), 3.21 (d-like, 1H, J =
7.5 Hz), 3.66(s, 3H), 4.1 - 4.2 (m, 2 H), 5.5
4 (dd, 1H, J = 15.5 Hz, 7.8 Hz), 5.70 (dd, 1H, J
= 15.5 Hz, 6.6 Hz), 7.1 - 7.35 (m, 5 H)
【0081】 化合物2のクロマトグラフィーで後に溶出される異性体 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 1.01 (t, 3H, J = 7.4 Hz ), 1.2 - 1.8 (m, 14 H),
1.85 (br, 1H, ), 2.30 (t, 2H, J = 7.2 Hz ),
2.43 (t, 2H, J = 7.4 Hz ), 2.4 - 2.7 (m, 5H),
2.92 (ddd, 1H, J = 16.5 Hz, 6.6 Hz, 1.3 Hz), 3.2
0 (d-like, 1H, J= 7.5 Hz), 3.66 (s, 3H), 4.1 -
4.2 (m, 2 H), 5.55 (dd, 1H, J = 15.5Hz, 7.9 Hz),
5.68 (dd, 1H, J = 15.5 Hz, 6.4 Hz), 7.1 - 7.35
(m, 5 H)
【0082】[実施例5] 化合物3の合成 30 mL の2口フラスコに塩化クロム(II) 246mg と塩化
ニッケル0.3mgを入れ、ヒートガンで加熱しながら減圧
乾燥した後、系内をアルゴン置換した。そこへ乾燥 DMF
2.0 mL を加えてよく攪拌し、懸濁液とした。この懸濁
液に室温攪拌下、化合物10を239 mgとイソバレルアル
デヒド 69mgのDMF溶液 3.0mLをシリンジで加えた。室温
のままさらに 17 時間攪拌した後、水 50mLを加えて反
応を終了させた。その混合液を分液後、水層からエーテ
ル(50mL ×3)で抽出し、抽出液と有機層を合わせて飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下濃縮後、得られた黄色の油状物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(15% 酢酸エチル/ヘキサン)で精
製し、ジアステレオ混合物として目的化合物3の11位
水酸基がt-ブチルジメチルシリル基で保護されている化
合物を 127 mg (収率57 %) 得た。
【0083】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.04 (s, 6H), 0.88 (s, 9H), 0.7 - 1.0 (m, 9 H),
1.1 - 1.8 (m, 11 H),2.30 (t, 2H, J = 7.3 Hz ),
2.42 (t, 2H, J = 7.2 Hz ), 2.3 - 2.7 (m, 3H),
2.84 (dd, 1H, J = 16.0 Hz, 7.1 Hz), 3.05 - 3.15
(m, 1H), 3.65(s, 3H), 4.0 - 4.2 (m, 2 H), 5.57
(ddd, 1H, J = 16 Hz, 8.6 Hz, 2.6Hz), 5.67 (d
d, 1H, J = 16 Hz, 6.5 Hz) テフロン製試験管にアセトニトリル 1.5 mL とピリジン
0.4 mL を入れ、氷冷した。そこへHF−ピリジン溶液
0.4 mL を加えた。その溶液に氷冷下、上記t-ブチルジ
メチルシリル保護体 123 mg のピリジン 0.4 mL 溶液、
及びアセトニトリル 1.5 mL を加え、氷浴を外して室温
にもどしながら15時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチ
ルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合液(1:1) 5
0 mLに注ぎ込んだ。有機層を分離後、水層から酢酸エチ
ル(30 mL)で再抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:1)で精製して、化合物3のクロマトグラフィー条
件で先に溶出される異性体、および後に溶出される異性
体を、無色油状物質としてそれぞれ 34 mg (収率35%)
と、37 mg (収率38 %)得た。
【0084】 化合物3のクロマトグラフィーで先に溶出される異性体 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.92 (dd, 6H, J = 6.6 Hz, 2.3 Hz), 1.01 (t, 3H, J
= 7.4 Hz ), 1.2 - 1.8 (m, 11 H), 2.31 (t, 2H,
J = 7.4 Hz ), 2.44 (t, 2H, J = 7.2 Hz ),2.5 -
2.75 (m, 3 H), 2.97 (ddd, 1H, J = 16.5 Hz, 6.5 H
z, 1.3 Hz), 3.21 (d-like, 1H, J = 7 Hz), 3.67
(s, 3H), 4.1 - 4.25 (m, 2 H), 5.58(dd, 1H, J = 1
5.6 Hz, 7.9 Hz), 5.72 (dd, 1H, J = 15.6 Hz, 6.1
Hz)
【0085】 化合物3のクロマトグラフィーで後に溶出される異性体 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.92 (dd, 6H, J = 6.6 Hz, 2.3 Hz), 1.01 (t, 3H, J
= 7.3 Hz ), 1.2 - 1.8 (m, 11 H), 2.31 (t, 2H,
J = 7.4 Hz ), 2.43 (t, 2H, J = 7.2 Hz ),2.5 -
2.75 (m, 3 H), 2.94 (ddd, 1H, J = 16.6 Hz, 6.9 H
z, 1.3 Hz), 3.21 (d-like, 1H, J = 7 Hz), 3.67
(s, 3H), 4.1 - 4.25 (m, 2 H), 5.57(dd, 1H, J = 1
5.6 Hz, 7.7 Hz), 5.68 (dd, 1H, J = 15.6 Hz, 6.3
Hz)
【0086】[実施例6] 化合物4の合成 30 mL の2口フラスコに塩化クロム(II) 246mg と塩化
ニッケル0.3mgを入れ、ヒートガンで加熱しながら減圧
乾燥した後、系内をアルゴン置換した。そこへ乾燥 DMF
2.0 mL を加えてよく攪拌し、懸濁液とした。この懸濁
液に室温攪拌下、化合物10を200 mgとシクロヘキシル
アセトアルデヒド126mg のDMF溶液 2.0mLをシリンジで
加えた。室温のままさらに3.5時間攪拌した後、水 5
0mLを加えて反応を終了させた。その混合液を分液後、
水層からエーテル(50mL ×3)で抽出し、抽出液と有機層
を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。減圧下濃縮後、得られた黄色の油状物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(15% 酢酸エチル/
ヘキサン)で精製し、ジアステレオ混合物として目的化
合物4の11位水酸基がt-ブチルジメチルシリル基で保
護されている化合物を145 mg (収率71 %) を得た。
【0087】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.04 (s, 6H), 0.87 (s, 9H), 0.8 - 1.0 (m, 2 H),
1.00 (t, 3H, J = 7.4Hz), 1.1 - 1.8 (m, 19 H),
2.30 (t, 2H, J = 7.4 Hz ), 2.42 (t, 2H, J= 7.5 H
z ), 2.4 - 2.7 (m, 3H), 2.8 - 2.95 (m, 1H), 3.
1 - 3.2 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 4.2 - 4.25 (m, 2
H), 5.53 (dd, 1H, J = 15.5 Hz, 8.6 Hz), 5.66
(ddd, 1H, J = 15.5 Hz, 6.3 Hz, 2.0 Hz) テフロン製試験管にアセトニトリル 1.5 mL とピリジン
0.4 mL を入れ、氷冷した。そこへHF−ピリジン溶液
0.4 mL を加えた。その溶液に氷冷下、上記t-ブチルジ
メチルシリル保護体 140 mg の ピリジン 0.4 mL 溶
液、及びアセトニトリル 1.5 mL をを加え、氷浴を外し
て室温もどしながら15 時間攪拌した。反応溶液を酢酸
エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合液(1:
1) 50 mLに注ぎ込んだ。有機層を分離後、水層から酢
酸エチル(30 mL)で再抽出した。有機層を合わせて無水
硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:1)で精製して、化合物4のクロマトグラフィ
ーで先に溶出される異性体、および後に溶出される異性
体を、無色油状物質としてそれぞれ 44 mg (収率40%)
と、48 mg (収率43 %)得た。
【0088】 化合物4のクロマトグラフィーで先に溶出される異性体 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.8 - 1.0 (m, 2H), 1.01 (t, 3H, J = 7.5 Hz ),
1.1 - 1.85 (m, 19 H),2.31 (t, 2H, J = 7.5 Hz ),
2.44 (t, 2H, J = 7.3 Hz ), 2.45 - 2.75 (m, 3 H),
2.97 (ddd, 1H, J = 16.5 Hz, 6.6 Hz, 1.3 Hz),
3.22 (d-like, 1H, J = 7.9 Hz), 3.67 (s, 3H), 4.
1 - 4.3 (m, 2 H), 5.57 (dd, 1H, J =15.5 Hz, 8.0H
z), 5.72 (dd, 1H, J = 15.5 Hz, 6.3 Hz)
【0089】 化合物4のクロマトグラフィーで後に溶出される異性体 1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3 ) 0.8 - 1.0 (m, 2H), 1.01 (t, 3H, J = 7.5 Hz ),
1.0 - 1.8 (m, 19 H),2.31 (t, 2H, J = 7.6 Hz ),
2.43 (t, 2H, J = 7.3 Hz ), 2.4 - 2.75 (m,3 H),
2.94 (ddd, 1H, J = 16.5 Hz, 6.9 Hz, 1.3 Hz), 3.2
1 (dd, 1H, J =8.0 Hz, 1.5 Hz), 3.67 (s, 3H),
4.15 - 4.3 (m, 2 H), 5.55 (dd, 1H,J = 15.5 Hz,
7.6 Hz), 5.68 (dd, 1H, J = 15.5 Hz, 6.4 Hz)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 [式中、PはC1〜C6の直鎖状もしくは分岐したアル
    キル基またはフェニル基を表す。]で表される、トラン
    ス−1、2−ビス(トリアルキルスタニル)エチレンま
    たはトランス−1、2−ビス(トリフェニルスタニル)
    エチレンと、 CuQ [式中、Qはハロゲン原子、シアノ基、フェニルチオ
    基、1−ペンチニル基、または1−ヘキシニル基を表
    す。]および、C1〜C4の直鎖状もしくは分岐したア
    ルキルリチウム化合物とから調製した有機銅試薬と、下
    記式(II) 【化2】 [式中、Aは2価の硫黄原子(−S−)またはメチレン
    基(−CH2 −)を表し、R1 はトリ(C1〜C7炭化
    水素)シリル基、または水酸基の酸素原子とともにアセ
    タール結合を形成する基を表し、R2 はC1〜C10の
    直鎖状もしくは分岐したアルキル基、C1〜C10の直
    鎖状もしくは分岐したアルケニル基、置換もしくは非置
    換のフェニル基、置換もしくは非置換のC3〜C10の
    シクロアルキル基、置換もしくは非置換のフェニル(C
    1〜C2)アルキル基を表し、表記−−−は単結合また
    は二重結合を表す。]で表される2−置換−2−シクロ
    ペンテノン類、またはその鏡像体、あるいはそれらの任
    意の割合の混合物とを反応させた後、さらに、 (R3 CO)2 O [式中、R3 はC1〜C10の直鎖状もしくは分岐した
    アルキル基、C2〜C10の直鎖状もしくは分岐したア
    ルケニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換も
    しくは非置換のC3〜C10のシクロアルキル基、また
    は置換もしくは非置換のフェニル(C1〜C2)アルキ
    ル基を表す。]またはR3 COCl [式中、R3 は前記定義と同じ。]と反応させ、下記式
    (III ) 【化3】 [式中、A、R1 、R2 、R3 、P、及び表記6−−−
    は前記定義と同じ。]で表されるビニルスタニル化合物
    を合成し、さらにこの化合物をX2 [式中、Xはヨウ素
    原子または臭素原子を表す。]で表されるハロゲン分子
    と反応させて、下記式(IV ) 【化4】 [式中、A、R1 、R2 、R3 、X、及び表記−−−
    前記定義と同じ。]で表されるハロオレフィン化合物に
    誘導し、さらにこの化合物と、下記式(V) 【化5】 [式中、R4 はC1〜C10の直鎖状もしくは分岐した
    アルキル基、C2〜C10の直鎖状もしくは分岐したア
    ルケニル基、C2〜C10の直鎖状もしくは分岐したア
    ルキニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、または
    置換もしくは非置換のC3〜C10のシクロアルキル基
    を表し、さらに、上記アルキル基、アルケニル基、アル
    キニル基は(C1〜C5のアルコキシ基や、置換もしく
    は非置換のフェニル基や、置換もしくは非置換のフェノ
    キシ基や、C3〜C10のシクロアルキル基)で置換さ
    れていてもよい。]で表されるアルデヒド類とをCrC
    2 を用いて、NiCl2 またはPd(OAc)2 を触
    媒として使用/または非使用下、反応させることを特徴
    とする、下記式(VI) 【化6】 [式中、A、R1 、R2 、R3 、R4 、及び表記−−−
    は前記定義と同じ。]で表されるプロスタグランジンE
    1 類の製造法。
  2. 【請求項2】 上記式[II],[III], [IV],[VI] にお
    いて、Aが2価の硫黄原子(−S−)である請求項1記
    載のプロスタグランジンE1 類の製造法。
  3. 【請求項3】 上記式[II],[III], [IV],[VI] にお
    いて、R11 がトリ(C1〜C7炭化水素)シリル基、
    2 がC1〜C10の直鎖状もしくは分岐したアルキル
    基、Xがヨウ素原子、表記−−−が単結合をそれぞれ表
    す請求項2記載のプロスタグランジンE1 類の製造法。
  4. 【請求項4】 上記式[II],[III], [IV],[VI] にお
    いて、R1 が t- ブチルジメチルシリル基、R2 がメチ
    ル基、R3 がC1〜C6アルキル基、Pがn−ブチル基
    をそれぞれ表す請求項3記載のプロスタグランジンE1
    類の製造法。
  5. 【請求項5】 下記式(VII) 【化7】 [式中、A、R1 、R2 、R3 、及び表記−−−は前記
    定義と同じであり、Yはハロゲン原子、または−SnP
    3 で表される基(ここで、Pは前記定義と同じである)
    を表す。]で表される、プロスタグランジンE1 類の合
    成中間体。
  6. 【請求項6】 上記式[VII]において、Aが2価の硫黄
    原子(−S−)である請求項5記載のプロスタグランジ
    ンE1 類の合成中間体。
  7. 【請求項7】 上記式[VII]において、R1 がトリ(C
    1〜C7炭化水素)シリル基、R2 がC1〜C10の直
    鎖状もしくは分岐したアルキル基、Yが−SP3 で表さ
    れる基、表記−−−が単結合をそれぞれ表す請求項6記
    載のプロスタグランジンE1 類の合成中間体。
  8. 【請求項8】 上記式[VII]において、R1 がトリ(C
    1〜C7炭化水素)シリル基、R2 がC1〜C10の直
    鎖状もしくは分岐したアルキル基、Yがハロゲン原子、
    表記−−−が単結合をそれぞれ表す請求項6記載のプロ
    スタグランジンE1 類の合成中間体。
  9. 【請求項9】 上記式[VII]において、R1 が t- ブチ
    ルジメチルシリル基、R2 がメチル基、R3 がC1〜C
    6アルキル基、Yが−Sn(n−ブチル)3で表される基
    をそれぞれ表す請求項7記載のプロスタグランジンE1
    類の合成中間体。
  10. 【請求項10】 上記式[VII]において、R1 が t- ブ
    チルジメチルシリル基、R2 がメチル基、R3 がC1〜
    C6アルキル基、Yがヨウ素原子をそれぞれ表す請求項
    8記載のプロスタグランジンE1 類の合成中間体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999062877A1 (fr) * 1998-06-04 1999-12-09 Asahi Glass Company Ltd. Procede de production d'un derive de prostaglandine purifie
WO2000015608A1 (en) * 1998-09-14 2000-03-23 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. φ-SUBSTITUTED PHENYL-PROSTAGLANDIN E DERIVATIVES AND DRUGS CONTAINING THE SAME AS THE ACTIVE INGREDIENT

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