JPH11158120A - シクロペンテン誘導体の製造方法 - Google Patents

シクロペンテン誘導体の製造方法

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JPH11158120A
JPH11158120A JP9326576A JP32657697A JPH11158120A JP H11158120 A JPH11158120 A JP H11158120A JP 9326576 A JP9326576 A JP 9326576A JP 32657697 A JP32657697 A JP 32657697A JP H11158120 A JPH11158120 A JP H11158120A
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JP
Japan
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formula
group
compound
reaction
atom
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JP9326576A
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English (en)
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Masahiro Urushibara
正浩 漆原
Mayumi Makino
まゆみ 牧野
Yoshitomi Morisawa
義冨 森澤
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロスタグランジン(PG)α鎖の修飾体を容
易に製造しうる方法の提供。 【解決手段】メチレンシクロペンタノン誘導体(式2)
と、PGのα鎖に対応する特定構造の化合物(式3)と
を反応させ、つぎに酸無水物または酸ハロゲン化物と反
応させてシクロペンテン誘導体(式1)とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロペンテン誘
導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン(以下、PGとい
う。)類は、1960年にPGE1 、PGE2 、PGE
3 、PGF1 α、PGF2 αおよびPGF3 αの6種の
構造が決定されてから、その類縁化合物であるPG類縁
体の発見が相次ぎ、また生理作用も明らかにされてき
た。このPGおよびPG類縁体(以下、まとめてPG類
と記す。)の生理作用としては、血小板凝集抑制作用、
血管拡張性血圧降下作用、胃酸分泌抑制作用、平滑筋収
縮作用、細胞保護作用、および利尿作用等があることが
見い出され、さらに該生理活性を利用した心筋梗塞、狭
心症、動脈硬化、高血圧症、十二指腸潰瘍、分泌誘発、
および中絶などの治療剤または予防剤として有用である
ことも見い出されている。そして、文献等では、これら
PG類の薬剤の役割が、将来は大きくなると予測されて
いる。
【0003】ところで、PG類は典型的な局所ホルモン
であり、必要に応じて局所で作られ局所で作用する、い
わゆるオータコイドの一種であることから、従来の薬剤
のような全身投与では効果が弱く、一方で全身性副作用
が強く現れるおそれがある。そこで、PG類から調製さ
れる薬剤には、オータコイドとしての特性や化学的性質
を考慮に入れた薬剤放出系(ドラッグデリバリーシステ
ム)が必要であると提案されている。薬剤放出系として
は、PG類の担体としてリピッド・ミクロスフェア(以
下、LMという。)を使用し、LM中にPG類を封入し
た薬剤が検討されている。該薬剤は、実際にはPG類を
含有する脂質の乳化微粒子であると考えられ、脂肪乳剤
とも称されている。以下における脂肪乳剤−PGとは、
PG類を含有する脂質の乳化物をいう。
【0004】従来より、PGE1 を直径2μmのLMに
封入した脂肪乳剤−PGE1 からなるターゲット療法剤
は、生体内での安定性が高く、PGE1 単独より強い血
管拡張作用や血小板凝集抑制作用を示すことが報告され
ている(Sim,A.K.et al.,Arzneim-Forsch/Drug Res., 1
206-1209,1986.)。
【0005】しかし、脂肪乳剤−PGE1 を生体に投与
した場合には、PGE1 が遊離する欠点がある。そこ
で、その遊離量を抑える研究が脂肪乳剤−PGE1 エス
テル類を用いて検討された(五十嵐等、炎症,8、24
3〜246、1988)。具体的には、まず、PGE1
エステル類の活性がないこと、および、PGE1 エステ
ル類は生体内のエステラーゼによりエステル結合が切断
され活性を発揮することを確認した上で、脂肪乳剤−P
GE1 の血中での安定性が検討された。該検討における
PGE1 エステル類としては、メチルエステル、エチル
エステル、ブチルエステル、またはオクチルエステルが
用いられた。PGE1 エステル類の活性は血小板凝集抑
制効果が指標として用いられた。また、血中での安定性
は等張塩中でインキュベートした際のPGE1 の遊離量
の測定することにより測定された。そしてその結果、各
PGE1 エステルの脂肪乳剤としての有効性と安定性が
確認されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで脂肪乳剤−P
GE1 エステル類の徐放性を高めるためには、脂肪乳剤
を分散媒に微細に分散させる必要がある。その際、PG
1 エステル類、油脂等の脂質、およびその他の材料を
加熱溶解し、それを80〜90℃程度の高温下で水中に
ホモジナイズするが、このような高温下においてはPG
1 エステル類の急速な分解が生じる問題があった。ま
た、PGE1 エステル類は保存安定性が低いため、商品
流通経路における急速な分解が起こる問題もあった。
【0007】そこで、安定な製剤化が高温下であっても
可能であり、かつ、流通経路における保存安定性に優れ
たPGE1 類縁体の開発が望まれ、9位カルボニル基を
エノールエステルにしたPGE1 エノールエステル体が
報告されている(特許第2602964号公報)。
【0008】PGE1 エノールエステル体を従来の製造
方法で製造する場合、まず、PGのα鎖末端がカルボキ
シル基またはアルコキシカルボニル基であるシクロペン
テノン誘導体を原料とし、これにPGのω鎖部分に相当
する基を有機銅反応剤などを用いて付加反応させること
によりエノラートとし、さらに得られたエノラートをカ
ルボン酸無水物やカルボン酸クロリドのような反応剤と
反応させる方法が採用される。しかし、この方法では、
α鎖部分がシクロペンテノン骨格に結合しているため、
骨格形成後のα鎖の修飾や変換などが困難であり、α鎖
とω鎖とのバリエーションの幅を広げることも困難であ
った。たとえば、PG骨格の2位炭素原子と3位炭素原
子が二重結合で連結されたPG−Δ2 誘導体を製造しよ
うとする場合に、9位カルボニル基と1位カルボニル基
との選択性が乏しいことから、1位カルボニル基のみに
反応を付して二重結合を導入するには、複雑かつ多工程
の反応を行う必要があった。
【0009】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されてものであり、PG骨格におけるα鎖とω鎖とのバ
リエーションの幅を広げることが可能なPG類の製造方
法に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下式
2で表されるメチレンシクロペンタノン誘導体と下式3
で表される化合物とを反応させ、つぎに、(R12
で表される酸無水物またはR12 で表される酸ハライ
ドを反応させることを特徴とする下式1で表されるシク
ロペンテン誘導体の製造方法を提供する。
【0011】ただし、式中の記号は以下の意味を示す。 R1 :アルカノイル基。 R2 :水素原子またはアルキル基。 R3 、R4 :それぞれ同一であっても異なっていてもよ
く、水素原子または水酸基の保護基。 R5 :置換されていてもよいアルキル基。 X1 :ハロゲン原子または−M−Y(ただし、Mは2価
金属原子を、Yはハロゲン原子を示す。)。 X2 :ハロゲン原子。 Q:−CH2 CH2 −または−CH=CH−。
【0012】
【化2】
【0013】
【発明の実施の形態】まず、式中の記号について説明す
る。R1 はアルカノイル基を示し、炭素数は6以下が好
ましく、特に4以下が好ましい。具体例としてはアセチ
ル基、n−プロピオニル基、iso−プロピオニル基、
ブチリル基等が挙げられる。R2 は水素原子またはアル
キル基を示す。アルキル基である場合の炭素数は6以下
が好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、n−
ペンチル基などが挙げられ、特に、n−ブチル基が好ま
しい。
【0014】R3 およびR4 は、それぞれ同一であって
も異なっていてもよく、水素原子または水酸基の保護基
を表す。R3 、R4 いずれも水素原子であるのが、目的
化合物を医薬として使用する場合の有用性の点から好ま
しい。水酸基の保護基としては、Greenらによる著
書(Protective Groups in Organic Synthesis, JohnWi
ley&Sons,1981.)に記載される保護基等が採用されう
る。これらのうち水酸基の保護基としては、低級アルキ
ル基を含むアルカノイル基が好ましく、特にアセチル基
が好ましい。
【0015】R5 は置換されてもよいアルキル基を示
し、炭素数が3〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基
が好ましい。たとえば、n−ブチル基、iso−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルヘキ
シル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げら
れ、特にn−ペンチル基または2−メチルヘキシル基が
好ましい。
【0016】X1 はハロゲン原子または−M−Y(ただ
し、Mは2価金属原子を、Yはハロゲン原子を示す。)
を示す。ここで、ハロゲン原子としては、ヨウ素原子ま
たは臭素原子が好ましい。また、2価の金属原子として
は、2価スズ原子または2価亜鉛原子が好ましい。Q
は、−CH2 CH2 −または−CH=CH−を示す。−
CH=CH−である場合、トランス二重結合またはシス
二重結合のいずれであってもよく、トランス二重結合が
好ましい。
【0017】つぎに、本発明における各化合物について
説明する。メチレンシクロペンタノン誘導体(式2)
は、公知の反応により合成できる。すなわち、下式2a
で表される2−ジエチルアミノメチル−2−シクロペン
テノン誘導体に、下式2bで表される有機銅反応剤を
1,4付加反応させることにより合成されうる。ここ
で、下式2bで表される有機銅反応剤は、下式2cで表
される1−ヨードアルケン誘導体とt−ブチルリチウム
と2−チエニル(シアノ)銅リチウムとを反応させるこ
とにより合成できる(Lipshutz, B.H., Tetrahedron Le
tt., 28, 945-948,1987.)。ただし、下式中の記号は式
1における意味と同じ意味を示す。
【0018】
【化3】
【0019】メチレンシクロペンタノン誘導体(式2)
中には、不斉炭素原子が存在するため、立体異性体が存
在するが、本発明の製造方法においては、そのいずれを
用いてもよく、または立体異性体の混合物を用いてもよ
い。
【0020】メチレンシクロペンタノン誘導体(式2)
の具体例としては、下記化合物が挙げられる。(3R,
4R)−2−メチレン−3−[(1E,3S,5S)−
3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−5−メチル−1
−ノネニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シ
クロペンタン−1−オン、(3R,4R)−2−メチレ
ン−3−[(1E,3S)−3−(t−ブチルジメチル
シロキシ)−1−オクテニル]−4−(t−ブチルジメ
チルシロキシ)シクロペンタン−1−オン。
【0021】化合物(式3)におけるX1 は、ヨウ素原
子または−M−Iが好ましく、特に−M−Iが好まし
く、とりわけ、Mが2価亜鉛である場合の−M−I、す
なわち−Zn−Iが好ましい。X1 が−M−Iである場
合の化合物(式3)は、公知の方法を適用して合成でき
る(Knochel,P.,J.Org.Chem.,53,2392-2394,1988.) 。た
とえば、X1 が−Zn−Iである場合の化合物(式3)
は、6−ヨードヘキセン酸等のX1 がヨウ素原子である
場合の化合物(式3)を出発物質とし、これに活性化し
た金属亜鉛を反応させることにより合成できる。活性化
した金属亜鉛は、金属亜鉛を1,2−ジブロモメタン、
クロロメチルシラン、またはヨウ素等で活性化すること
により得られる。金属亜鉛量は、化合物(式3)に対し
て0.7〜10当量が好ましい。
【0022】また、該反応は不活性溶媒中で実施するの
が好ましい。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、n−ヘキサン、ジオキサン等が
挙げられる。該反応は、通常は加熱温度条件下により実
施するのが好ましく、30〜200℃が好ましく、特に
30〜80℃が好ましい。該温度は、不活性溶媒の沸点
により適宜変更されうる。
【0023】化合物(式3)の具体例としては、下記化
合物が挙げられる。5−エトキシカルボニル−4−ペン
テニル亜鉛(II)ヨージド、5−ブトキシカルボニル
−4−ペンチル亜鉛(II)ヨージド。
【0024】(R12 Oで表される酸無水物として
は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水吉草
酸、無水イソプロパン酸等が好ましく、特に無水酢酸が
好ましい。また、R12 で表される酸ハライドとして
はX2 が塩素原子である場合の酸クロリドが好ましく、
酢酸クロリド、プロピオン酸クロリド、酪酸クロリド、
吉草酸クロリド、イソプロパン酸クロリド等が挙げら
れ、酢酸クロリドが好ましい。
【0025】式1で表されるシクロペンテン誘導体はP
G類縁体であり、その11、12、および15位の炭素
原子が不斉炭素原子であるため、各種の立体異性体が存
在するが、本発明の製造方法においてはそのいずれかP
G類縁体が生成する場合、および異性体の混合物が生成
する場合の両方を含む。
【0026】シクロペンテン誘導体(式1)の具体例と
しては、下記化合物が挙げられる。9−アセトキシ−1
1α,15S−ジヒドロキシ−17S,20−ジメチル
−2E,8,13E−トリエン−プロスタン酸エチル、
9−アセトキシ−11α,15S−ジヒドロキシ−17
S,20−ジメチル−8,13E−ジエン−プロスタン
酸メチル。
【0027】つぎに本発明の製造方法について説明す
る。本発明の製造方法は、類似の化合物における公知文
献に記載の方法の手順および条件が採用できる。公知文
献としては、Sato,F.et al.,Chem.Lett.,1992,2095-209
8. Sato,F.et al.,TetrahedronLett.,30,4379-4382,198
9, Sato,F.et al.,Tetrahedron Lett.,34,6427-6430,19
93. Knochel,P.,J.Org.Chem.,53,2392-2394,1988. Yosh
ida,Z.et al.,Angew.Chem.Int Ed.Engl.,28,353,1989.
等が挙げられる。
【0028】本発明の製造方法においては、まず、メチ
レンシクロペンタノン誘導体(式2)、化合物(式3)
とを反応させる。反応温度は、−78〜20℃が好まし
く、特に−78〜0℃が好ましい。また、該反応は不活
性溶媒の存在下に実施するのが好ましい。不活性溶媒と
しては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、n−
ヘキサン、ジオキサン等が挙げられる。
【0029】また、化合物(式3)のXがヨウ素原子で
あるものを用いてメチレンシクロペンタノン誘導体(式
2)と反応させる場合には、有機スズ反応剤の存在下反
応させるのが好ましい。すなわち、化合物(式3)に有
機スズ反応剤を作用させて下式(ただし、式中の記号
は、式1における意味と同じ意味を示す。)で表される
ラジカル活性種を生成させて、該ラジカル活性種をメチ
レンシクロペンタノン誘導体(式2)のメチレン基に付
加させるのが好ましい。有機スズ反応剤としては、(n
−C493 SnH、Ph3 SnH(ただし、Phは
フェニル基を示す)、(n−C493 Sn−Sn
(C49 −n)3 等が挙げられる。また、該ラジカル
活性種との反応は、必要に応じてラジカル活性剤の存在
下に実施してもよく、ラジカル活性剤としてはアゾイソ
ブチロニトリル等が挙げられる。
【0030】
【化4】
【0031】化合物(式3)のXが−M−Yであるもの
を用いてメチレンシクロペンタノン誘導体(式2)と反
応させる場合には、シアン化銅(I)・2塩化リチウ
ム、またはシアン化銅(I)・2臭化リチウムの存在下
に反応させるのが好ましい。
【0032】メチレンシクロペンタノン誘導体(式2)
と化合物(式3)との反応はベンゼン等の不活性溶媒中
で実施するのが好ましい。また、反応温度は30℃〜不
活性溶媒還流温度が好ましく、特に不活性溶媒還流温度
で実施するのが好ましい。
【0033】反応に用いる化合物(式3)の量は、メチ
レンシクロペンタノン誘導体(式2)に対して0.5〜
5倍モルが好ましく、特に1〜3倍モルが好ましい。不
活性溶媒を用いる場合には、メチレンシクロペンタノン
誘導体(式2)に対して1〜500倍量が好ましく、特
に2〜100倍量が好ましい。ラジカル活性剤を用いる
場合の量は、化合物(式3)に対して0.01〜10倍
モルが好ましい。
【0034】メチレンシクロペンタノン誘導体(式2)
と化合物(式3)との反応においては、化合物(式3)
がメチレンシクロペンタノン誘導体(式2)のメチレン
基へ付加反応し、エノラート(式4)が生成するものと
推定される。ただし、式4中の記号は、式1における意
味と同じ意味を示す。
【0035】
【化5】
【0036】前記の反応において生成する反応粗生成物
は、そのまま次の反応に用いてもよく、目的に応じてエ
ノラートを単離してもよいが、本発明においてはエノラ
ートを単離せずに、そのままつぎの反応に用いるのが効
率的であり好ましい。
【0037】つぎに、本発明の製造方法においては、前
記反応についで、(R12 Oで表される酸無水物また
はR12 で表される酸ハライドと反応させることによ
り、シクロペンテノン誘導体(式1)とする。該反応の
反応温度は−78〜40℃が好ましく、特に−20〜2
0℃が好ましい。
【0038】酸無水物を用いる場合の量は、メチレンシ
クロペンタノン誘導体(式2)に対して0.5〜30倍
モルが好ましく、特に1〜10倍モルが好ましい。ま
た、酸ハライドを用いる場合の量は、メチレンシクロペ
ンタノン誘導体(式2)に対して0.5〜50倍モルが
好ましく、特に1〜10倍モルが好ましい。
【0039】本発明の製造方法の目的化合物は、シクロ
ペンテノン誘導体(式1)である。また、式1中のR3
およびR4 がそれぞれ水酸基の保護基である場合、該保
護基は公知の脱保護反応により水酸基に変換されうる。
【0040】本発明の目的化合物であるシクロペンテノ
ン誘導体(式1)は、必要に応じた形態の薬剤に調整し
て用いられうる。たとえば、特許公報2602964記
載の方法にしたがって、脂肪乳剤に調整されうる。
【0041】
【実施例】[合成例1](3R,4R)−2−メチレン
−3−[(1E,3S,5S)−3−(t−ブチルジメ
チルシロキシ)−5−メチル−1−ノネニル]−4−
(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−
オンの合成例
【0042】(1E,3S,5S)−1−ヨード−3−
(t−ブチルジメチルシロキシ)−5−メチル−1−ノ
ネン(3.64g、9.18ml)をテトラヒドロフラ
ン(38.1ml)に溶解し、窒素気流下、−78℃で
t−ブチルリチウム(1.43Mペンタン溶液12.0
ml、17.2mmol)を加えた。同温度で10分間
撹拌した後、2−チエニルシアン化銅リチウム(0.2
5Mテトラヒドロフラン溶液44.1ml、11.0m
mol)を加え、同温度で50分間撹拌した。この溶液
に−78℃で、(4R)−2−(N,N−ジエチルアミ
ノ)メチル−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シク
ロペント−2−エン−1−オン(3.0g、10.1m
mol)のエーテル溶液(162ml)を滴下し、0℃
まで1時間かけて昇温した。反応液を飽和硫酸アンモニ
ウム水溶液(300ml)に注ぎ、有機層と分離した
後、水層をエーテル(200ml)で抽出し、合わせた
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製し、
表掲化合物を得た(2.6g、収率60.2%)。
【0043】
【化6】
【0044】[実施例1] 9−アセトキシ−11α,15S−ジヒドロキシ−17
S,20−ジメチル−2E,8,13E−トリエン−プ
ロスタン酸エチルの合成例
【0045】窒素気流下、−10℃において5−カルボ
エトキシ−4−ペンテニル亜鉛(II)ヨージド(7.6
6mmolテトラヒドロフラン溶液3.07ml)にシ
アン化銅(I)・2塩化リチウム(1.0Mテトラヒド
ロフラン溶液6.76ml、6.76mmol)を加
え、0℃で10分間撹拌した。この溶液に−78℃で合
成例1で得た化合物(2.62g、5.55mmol)
のエーテル(3.07ml)溶液をゆっくり滴下し、−
78℃で3時間撹拌した。1時間かけて0℃まで昇温
し、無水酢酸(1.45ml、15.36mmol)を
添加した後、室温で一夜撹拌した。反応液を20%硫酸
アンモニウム水溶液(20ml)に注ぎ、有機層と分離
した後、水層をエーテル(20ml)で抽出し、合わせ
た有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減
圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜20:
1)で精製し、付加体を得た(1.87g、収率49.
7%)。
【0046】得られた付加体(1.87g、2.76m
mol)をアセトニトリル(25.4ml)に溶解し、
0℃で46%フッ化水素酸水溶液(6.65ml)を加
え、同温度で1時間撹拌した。反応液を20%炭酸カリ
ウム水溶液(80ml)と塩化メチレン(70ml)の
混液に注ぎ、有機層を抽出後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー (塩化メチレン:アセトン=
5:1)で精製し、表掲化合物を得た(225mg、収
率18.3%)。
【0047】1H-NMR(CDCl3,TMS) δ(ppm):0.8-0.92(6H,
m), 1.05-2.1(20H,m), 2.2(3H,s),2.45(1H,dd,J=14Hz),
2.9(1H,dd,J=14Hz), 3.05(1H,dd,J=7Hz), 4.1-4.3(4
H,m), 5.5(1H,dd,J=14Hz), 5.6(1H,dd,J=14Hz), 5.8(1
H,d,J=14Hz), 6.9(1H,dd,J=7Hz)。
【0048】
【化7】
【0049】[実施例2] 9−アセトキシ−11α,15S−ジヒドロキシ−17
S,20−ジメチル−8,13E−ジエン−プロスタン
酸メチルの合成例
【0050】実施例1において、5−カルボエトキシ−
4−ペンテニル亜鉛(II)ヨージドの代わりに5−カル
ボメトキシ−4−ペンチル亜鉛(II)ヨージドを用い、
この溶液に−78℃で合成例1で得た化合物をゆっくり
滴下し、実施例1と同様に精製して、表掲化合物を得た
(350mg、収率28.8%)。
【0051】1H-NMR(CDCl3,TMS) δ(ppm):8-0.95(6H,
m),1.0-2.9(18H,m),2.05(3H,s),3.05(3H,s),3.65(3H,
s),4.0-4.2(2H,m),5.45(1H,dd,J=7Hz),5.6(1H,dd,J=7H
z) 。
【0052】[実施例3] 9−ブチロキシ−11α,15S−ジヒドロキシ−8,
13E−ジエン−プロスタン酸ブチルの合成 実施例1において、5−カルボエトキシ−4−ペンテニ
ル亜鉛(II)ヨージドの代わりに5−カルボブトキシ−
4−ペンチル亜鉛(II)ヨージドを用い、この溶液に−
78℃で合成例1で得た化合物(ただし、(1E,3
S,5S)−1−ヨード−3−(t−ブチルジメチルシ
ロキシ)−5−メチル−1−ノネンの代わりに(1E,
3S)−1−ヨード−3−(t−ブチルジメチルシロキ
シ)−1−オクテンを滴下し、さらに実施例1(ただ
し、無水酢酸の代わりに無水酪酸を用いた)と同様に精
製して、表掲化合物を得た(403mg、収率30
%)。
【0053】1H-NMR(CDCl3,TMS) δ(ppm):0.86(9H,m),
1.2-2.42(29H,m),2.8-2.95(1H,m),3.0-3.1(1H,m),4.0-
4.2(4H,m),5.4-5.7(2H, m)。
【0054】
【発明の効果】本発明の製造方法は任意のα鎖が導入で
きる方法であることから、α鎖が修飾された種々のシク
ロペンテン誘導体を容易に製造できる利点がある。そし
て、本発明の製造方法によれば、PG骨格におけるα鎖
とω鎖との組み合わせが異なる種々のシクロペンテン誘
導体を目的に応じて容易かつ効率的に製造しうることか
ら、本発明の製造方法は汎用性および応用性に優れた製
造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 405/00 506 C07C 405/00 506T

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式2で表されるメチレンシクロペンタノ
    ン誘導体と下式3で表される化合物とを反応させ、つぎ
    に、(R12 Oで表される酸無水物またはR12
    表される酸ハライドを反応させることを特徴とする下式
    1で表されるシクロペンテン誘導体の製造方法。ただ
    し、式中の記号は以下の意味を示す。 R1 :アルカノイル基。 R2 :水素原子またはアルキル基。 R3 、R4 :それぞれ同一であっても異なっていてもよ
    く、水素原子または水酸基の保護基。 R5 :置換されていてもよいアルキル基。 X1 :ハロゲン原子または−M−Y(ただし、Mは2価
    金属原子を、Yはハロゲン原子を示す。)。 X2 :ハロゲン原子。 Q:−CH2 −CH2 −または−CH=CH−。 【化1】
  2. 【請求項2】式3中のMが2価亜鉛原子である請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】式3中のX1 がヨウ素原子である請求項1
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】式2で表されるメチレンシクロペンタノン
    誘導体、および式3で表される化合物とを、有機スズ反
    応剤の存在下に反応させる請求項3記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6632958B1 (en) 1998-06-04 2003-10-14 Mitsubishi Pharma Corporation Process for producing a purified prostaglandin derivative

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