JPH085836B2 - α−アリル化シクロペンタノン誘導体の製造法 - Google Patents

α−アリル化シクロペンタノン誘導体の製造法

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JPH085836B2
JPH085836B2 JP63053682A JP5368288A JPH085836B2 JP H085836 B2 JPH085836 B2 JP H085836B2 JP 63053682 A JP63053682 A JP 63053682A JP 5368288 A JP5368288 A JP 5368288A JP H085836 B2 JPH085836 B2 JP H085836B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈技術分野〉 本発明はα−アリル化シクロペンタノン誘導体の製造
法に関する。更に詳細には、本発明は循環器用薬,抗潰
瘍薬,細胞障害治療剤等の医薬品として有用な6−メチ
レンプロスタグランジンE1類の製造、ならびに各種の有
用なプロスタグランジン類の合成中間体の製造の前駆体
として有用なα−アリル化シクロペンタノン誘導体の製
造法に関するものである。
〈従来技術〉 天然プロスタグランジン(以下PGと略記することがあ
る)類は生物学的及び薬理学的に高度な活性を持つ局所
ホルモン(オータコイド)として知られている。それ
故、PGの持つこれらの生理的な特徴を巧妙に利用して新
しいタイプの医薬品を開発する研究は、天然PG類に関し
てのみならず各種誘導体についても実施されている。
このような研究背景のなかでα−アリル化シクロペン
タノン誘導体は、それ自身、PGの誘導体としての価値が
あるばかりでなく、各種PG誘導体を製造する中間体とし
ても有用である。従来、このようなPG類縁体の製造を意
図したα−アリル化シクロペンタノン誘導体の製造は数
多く報告されているが、代表例を示すと (1)4−置換−2−アリルシクロペンテノン類の3位
にアルキル側鎖を共役付加反応で導入する方法(融ら,
特開昭57−171932号,特開昭57−171965号,特開昭58−
41836号)。
(2)3,4−二置換−2−アリルオキシカルボニルシク
ロペンタノン類をパラジウム触媒存在下に脱炭酸アリル
化する方法(田中ら,特開昭59−44336号,特開昭61−5
6163号,特開昭62−10060号,特開昭62−195358号)。
(3)4−置換−2−シクロペンテノン類の3位にアル
キル側鎖を共役付加反応で導入して得られるエノラート
中間体の2位にアリル化する方法(野依ら,特開昭62−
81344号)。
などが挙げられる。
〈発明の目的〉 本発明の目的は、α−アリル化シクロペンタノン誘導
体の新規な製造法に関する。すなわち、シクロペンタノ
ン環上に2ケ所存在するα位の片側のみに位置特異的に
アリル側鎖を導入する方法について鋭意研究した結果、
α位に発生させたラジカル活性種は位置特異的にアリル
化されることが見出され、本発明に到達した。
〈発明の構成および効果〉 本発明では、下記式[I] で表わされるα−置換シクロペンタノン誘導体と下記式
[II] で表わされるアリルスズ誘導体とを有機溶媒中で光照射
またはラジカル反応開始剤の存在下に加熱することを特
徴とする下記式[III] で表わされるα−アリル化シクロペンタノン誘導体の製
造法が提供される。
本発明において原料として用いられる上記式[I]で
表わされるα−置換シクロペンタノン誘導体の中で、X
が硫黄原子であるものについては、本発明者らが別途提
案した方法により、4−ヒドロキシ−2−シクロペンテ
ノン類から4−ヒドロキシ−2−フェニルチオ−2−シ
クロペンテノン類を経て容易に入手することができる
(例えば、黒住ら,特開昭53−23950号,特開昭53−239
52号,特開昭53−111037号,特開昭57−108065号,およ
び黒住ら,テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett
ers),4091(1976)ならびにケミカル アンド ファー
マシューティカル ブレタン (Chemical and Pharmaceutical Bulletin),33,2359
(1985)などを参照)。すなわち、その製造法を図示す
ると下記のとおりである。
また、Xがセレン原子であるものについてはジェー・
シュバルツ(J.Schwartz)ら,テトラヘドロン レター
ズ(Tetrahedron Letters),21,1497(1980)らの方法
に準じて製造することができる。
上記式[I]においてR1は水素原子またはメチル基を
表わす。nが0のときは、R1は水素原子が好ましく、n
が1のときは、R1はメチル基が好ましい。
上記式[I]においてR2は直鎖もしくは分岐鎖C3〜C
10アルキル基,直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10アルケニル
基,直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10アルキニル基,または
置換もしくは非置換のC3〜C10シクロアルキル基を表わ
す。
直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10アルキル基としてはn−
プロピル,n−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシル,n−ヘプ
チル,n−オクチル,n−デシル,1−メチルペンチル,1−メ
チルヘキシル,1,1−ジメチルペンチル,2−メチルペンチ
ル,2−メチルヘキシル,5−メチルヘキシル,2,5−ジメチ
ルヘキシル基等が挙げられ、好ましくはn−ブチル,n−
ペンチル,n−ヘキシル,(R)−もしくは(S)−もし
くは(RS)−1−メチルペンチル,(R)−もしくは
(S)−もしくは(RS)−2−メチルヘキシル基が挙げ
られる。
直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10アルキル基としては2−
ブチニル,2−ペンテニル,3−ペンテニル,2−ヘキセニ
ル,4−ヘキセニル,2−メチル−4−ヘキセニル,2,6−ジ
メチル−5−ヘプテニル基等が挙げられる。
直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10アルキル基としては2−
ブチニル,2−ペンチニル,3−ペンチニル,2−ヘキシニ
ル,4−ヘキシニル,2−オクチニル,5−デシニル,1−メチ
ル−3−ペンチニル,1−メチル−3−ヘキシニル,2−メ
チル−4−ヘキシニル基等が挙げられる。
置換もしくは非置換のC3〜C10シクロアルキル基とし
ては、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチ
ル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロオクチ
ル,(C1〜C5)アルキルシクロペンチル,(C1〜C4)ア
ルキルシクロヘキシル,ジメチルシクロペンチル,ジメ
チルシクロヘキシル,クロロシクロペンチル,ブロモシ
クロヘキシル,ヨードシクロペンチル,フルオロシクロ
ヘキシル基等が挙げられるが、好ましくはシクロペンチ
ル基,シクロヘキシル基である。
上記式[I]において、R3,R4は同一もしくは異な
り、水素原子,トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基、また
は1−アルコキシ(C1〜C10)アルキル基を表わす。
トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基としては、例えば、
トリメチルシリル,トリエチルシリル,トリイソプロピ
ルシリル,t−ブチルジメチルシリル基のようなトリ(C1
〜C4)アルキルシリル基,t−ブチルジフェニルシリル基
のようなジフェニル(C1〜C4)アルキルシリル基,ジメ
チルフェニルシリル基のようなジ(C1〜C4)アルキルフ
ェニルシリル基,またはトリベンジルシリル基などを好
ましいものとして挙げることができる。トリ(C1〜C4
アルキルシリル,ジフェニル(C1〜C4)アルキルシリ
ル,フェニルジ(C1〜C4)アルキルシリル基が好まし
く、なかでもt−ブチルジメチルシリル基,トリメチル
シリル基が特に好ましい。
1−アルコキシ(C1〜C10)アルキル基としては、例
えば、メトキシメチル,1−エトキシエチル,1−メトキシ
−1−メチルエチル,1−エトキシ−1−メチルエチル,
(2−メトキシエトキシ)メチル,ベンジルオキシメチ
ル,2−テトラヒドロピラニル,2−テトラヒドロフラニ
ル,または6,6−ジメチル−3−オキサ−2−オキソビ
シクロ[3.1.0]ヘキス−4−イル基を挙げることがで
きる。2−テトラヒドロピラニル,2−テトラヒドロフラ
ニル,1−エトキシエチル,1−エトキシ−1−メチルエチ
ル,(2−メトキシエトキシ)メチル,6,6−ジメチル−
3−オキサ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキス−4
−イル基が特に好ましい。なかでも2−テトラヒドロピ
ラニル基が特に好ましい。
これらのトリ(C1〜C7)炭化水素シリル基,または1
−アルコキシ((C1〜C10)アルキル基は水酸基の保護
基であると理解されるべきである。これらの保護基は最
終生成物の段階で弱酸性から中性の条件で容易に除去さ
れて薬剤として有用な遊離の水酸基とすることができ
る。したがってこのような性状を有している水酸基の保
護基はシリル基や1−アルコキシ(C1〜C10)アルキル
基の代わりとして使用することができるが、本発明の目
的にはトリ(C1〜C7)炭化水素シリル基が特に好まし
い。
Xは硫黄原子またはセレン原子を表わし、は0または
1を表わす。
上記式[I]で表わされる化合物の具体例は、上記
R1,R2,R3,R4,Xおよびnの定義およびその具体例に基
づき、自ずから明らかであろう。
上記式[I]で表わされるα−置換シクロペンタノン
誘導体の5員環上には3種類の不斉炭素が存在するが3
位と4位の置換基どうしはその原料合成の工程から考え
て必ずトランスの位置関係を保持し、かつ、2位はケト
ンのα位であるために2位に由来する両立体異性体は、
通常、互変異性体として存在するために立体異性体を特
定することは困難である。プロスタグランジンに関する
現在までの知識によれば天然のPGと同じ立体異性体を保
有している下記式[I′] で表わされる立体配置をもつα−置換シクロペンタノン
誘導体の方が好ましいが、本発明の製造法では、上記式
[I′]の鏡像体でも、それらの任意の割合の混合物で
も好適に実施される。
上記式[I]で表わされるα−置換シクロペンタノン
誘導体の3位の側鎖上にも、一つの不斉炭素を有してい
るが、いずれの立体異性体でも、それらの任意の割合の
混合物でも同様に実施できる。
本発明の製造法における今一方の出発原料は、上記式
[II]で表わされるアリルスズ誘導体である。かかるア
リルスズ誘導体自身は公知化合物であるが、参考例に示
した方法によっても容易に製造することができる。
上記式[II]において、R5は水素原子,C1〜C10アル
キル基、または−(CH2)m COOR7を表わし、ここでR7
C1〜C4アルキル基を表わし、mは1〜6の整数を表わ
す。R6はメチル基,ブチル基,またはフェニル基を表わ
す。
R5のC1〜C10アルキル基は、前記式[I]のR2につい
て好適に挙げた基およびメチル基,エチル基が挙げられ
る。
R7のC1〜C7アルキル基としては、メチル,エチル,プ
ロピル,イソプロピル,ブチル基などが挙げられるが、
なかでもメチル基,エチル基が好ましい。
mは1〜6の整数であるがプロスタグランジンの骨格
の構成を考慮すると、mは4が最適である。R6はメチル
基,ブチル基,またはフェニル基を表わすがブチル基が
好ましい。
本発明の製造法では、上記式[I]で表わされるα−
置換シクロペンタノン誘導体と上記式[II]で表わされ
るアリルスズ誘導体とを有機溶媒中で光照射またはアゾ
ビスイソブチロニトリルやt−ブチルパーオキサイドの
如きラジカル反応開始剤の存在下に加熱することによっ
て達成される。
該アリルスズ誘導体はα−置換シクロペンタノン誘導
体と化学量論的には等モル反応を行うが、通常、α−置
換シクロペンタノン誘導体に対して0.8〜10モル倍、好
ましくは1〜5モル倍用いて実施される。
反応の実施態様は光照射によるか、ラジカル反応開始
剤の存在下に加熱するかによって異なる。光照射の場合
について説明すると、用いる有機溶媒としては、ベンゼ
ン,四塩化炭素,ヘキサン,ペンタン,ジエチルエーテ
ル,エタノール,メタノール,ブタノールなどが好適に
用いられるが、特にベンゼンが好ましい。かかる有機溶
媒の使用量は反応剤の容量に対して1〜100倍容量、好
ましくは1〜30倍容量用いられる。
反応温度は0〜50℃、好ましくは10〜30℃で実施さ
れ、反応時間は反応剤や反応温度などにより異なるが通
常、数時間反応すれば原料のα−置換シクロペンタノン
誘導体は消失している。
光照射は種々の光反応装置で実施することができる
が、例えば、400Wの高圧水銀灯を用いることにより好適
に達成される。
目的物である上記式[III]で表わされるα−アリル
化シクロペンタノン誘導体の単離方法は、必要ならば通
常の後処理をした後にクロマトグラフィーなどの分離操
作により行うことができる。
ラジカル反応開始剤の存在下に加熱する場合は、用い
る有機溶媒としては、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,
ヘプタン,エーテルなどが好適に用いられる。かかる有
機溶媒の使用量は反応剤の容量に対して1〜100倍容
量、好ましくは1〜30倍容量用いられる。
ラジカル反応開始剤としてはアゾイソブチロニトリル
やt−ブチルパーオキサイドなどを用いることができ
る。かかるラジカル反応開始剤の使用量は0.001〜1.0当
量、好ましくは0.01〜0.2当量用いられる。
反応温度は、0〜150℃、好ましくは70〜120℃の範囲
で行われる。反応時間はラジカル反応開始剤の量や反応
温度により異なり、反応を追跡しながら決定するが、反
応温度100℃程度で30分から十数時間で終了する。後処
理,単離操作は光照射の場合と同様にして実施される。
かくして前記式[III]で表わされるα−アリル化シ
クロペンタノン誘導体が得られるが、出発原料に用いた
前記式[I]で表わされる2−置換シクロペンタノン誘
導体の特に、3位,4位の立体配置はそのまま生成物にも
反映され、2位に新しく導入されたアリル基は通常、熱
力学的により安定な3位の置換基とトランスの関係にあ
る立体配置を有する立体異性体が主として得られること
になる。すなわち、前記式[I′]で表わした2−置換
シクロペンタノン誘導体からは、下記式[III′] で表わされるα−アリル化シクロペンタノン誘導体が得
られることになるが、本発明では前述したように上記式
[III′]で表わされる化合物の鏡像体でも、これらの
任意の割合の混合物でも含むものである。
前記式[III]で表わされる化合物の具体例は、前記
式[I]の具体例と同様、上記R1,R2,R3,R4,R5,お
よびnの定義ならびにその具体例に基づき自ずから明ら
かである。
ここに得られた式[III]で表わされるα−アリル化
シクロペンタノン誘導体のうち、R5が水素原子である下
記式[III−1]、 で表わされる化合物は4−チアプロスタグランジンE1
導体(羽里ら,ケミカル アンド ファーマシューティ
カル ブレタン(Chemical and Pharmaceutical Bullet
in),33,1815(1985)),4−チアプロスタグランジンI1
誘導体(坂内ら,同上雑誌,30,1102(1982)),カルバ
サイクリン(柴崎ら,ジャーナル オブ オーガニック
ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)49,4
096(1984)),およびイソカルバサイクリン(柴崎
ら,テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letter
s),25,5087(1984))などの中間体として有用な化合
物である。
また、R5が(CH2)4COOR7である下記式[III−2] で表わされる化合物は、それ自身、生物活性を有する6
−メチレンプロスタグランジンE1誘導体であると同時に
6−メチルプロスタグランジンI1誘導体に導くことも可
能な化合物として有用である(田中ら,テトラヘドロン
(Tetrahedron),42,6747(1986))。
なお、本発明の製造法に用いたラジカル的アリル化反
応は、従来、アルキルラジカル種においては既知のもの
である(例えば、ジー・イー・ケック(G.E.Keck)ら,
ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ
(Journal of American Chemical Society),104,5829
(1982))。しかし、α位に電子吸引基を有するラジカ
ル種での反応は、あまり報告されておらず、その場合で
も、ハライドをラジカル前駆体としたものである。本発
明においてラジカル種として用いた前記式[I]で表わ
されるα−置換シクロペンタノン誘導体のようなα−チ
オケトン類あるいはα−セレノケトン類をラジカル発生
源として用いたアリル化反応の例はなかった点で本発明
の製造法の新規性を裏づけるものである。
以下、本発明方法を実施例により更に詳細に説明す
る。
参考例 1,3−ビス(トリブチルスタニル)−2−メチレンプ
ロパン270mg(0.43mmol)と4−ヨード酪酸エチル50mg
(0.21mmol)をベンゼン(2ml)中にて光照射した。30
分後にスズ化合物を130mg(0.21mmol)追加し、1時間
後に更に70mg(0.11mmol)を追加してさらに1時間光照
射した。溶媒に0.1%のトリエチルアミンを含んだ混合
溶媒(ヘキサン−ジエチルエーテル−酢酸エチル 97:
2:1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
用い、6−(トリブチルスタニルメチル)−6−ヘプテ
ン酸エチル45mg(0.098mmol)(収率45%)を得た。
NMRスペクトル(CCl4)δ 0.64〜2.41(40H,m),4.04(2H,q), 4.1 〜4.7(2H,m)。
実施例1 4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−
[(3S)−(E)−3−(t−ブチルジメチルシリルオ
キシ)−1−オクテニル]−2−(フェニルチオ)シク
ロペンタノン100mg(0.178mmol)とアリルトリブチルス
ズ118mg(0.356mmol)をベンゼン(2ml)に溶かし、3
時間光照射した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、(3R,4R)−2−アリル−4−(t−ブ
チルジメチルシリルオキシ)−3−[(3R)−(E)−
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−オクテ
ニル]シクロペンタノン69mg(0.141mmol)(収率79
%)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3)δ 0.04(12H,s),0.86(21H,s), 1.1 〜1.5(8H,m) ,1.6 〜2.8(6H,m), 3.8 〜4.3(2H,m) ,4.75〜4.95(1H,m), 4.95〜5.15(1H,m),5.35〜5.60(3H,m)。
1Rスペクトル(液膜,cm-1) 3100,2970,2950,2870,1745,1640, 1460,1360,1255,1110,1000,965,910, 875,835,805,70。
マススペクトル(m/e) 494(M+),479,437,379。
実施例2 (3S,4R)−4−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−3−[(3S)−(E)−3−(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)−3−シクロペンチル−1−ペンテニ
ル]−2−(フェニルセレノ)シクロペンタノン140mg
(0.23mmol)とアリルトリブチルスズ172mg(0.52mmo
l)をベンゼン(2.6ml)中、光照射2.5時間行った。シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3
R,4R)−2−アリル−4−(t−ブチルジメチルシリル
オキシ)−3−[(3R)−(E)−3−(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)−3−シクロペンチル−1−ペン
テニル]シクロペンタノン80mg(0.163mmol)(収率70
%)で得た。
NMRスペクトル(CCl4)δ 0.05(12H,s),0.9(18H,s), 1.0〜3.0(15H,m),3.8〜4.2(2H,m), 4.7〜5.3(2H,m) ,5.3〜6.2(3H,m)。
実施例3 4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−
[(3S)−(E)−3−(t−ブチルジメチルシリルオ
キシ)−3−シクロヘキシル−1−ペンテニル]−2−
(フェニルチオ)シクロペンタノン80mg(0.139mmol)
とアリルトリブチルスズ90mg(0.272mmol)をベンゼン
(1.5ml)中光照射3時間行った。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し2
−アリル−4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−
3−[(E)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−3−シクロヘキシル−1−ペンテニル]シクロペ
ンタノン53mg(0.105mmol)(収率75%)を得た。
NMRスペクトル(CCl4)δ 0.05(12H,s),0.9(18H,s), 1.0〜3.2(17H,m),3.8〜4.2(2H,m), 4.7〜5.3(2H,m) ,5.3〜6.2(3H,m)。
実施例4 4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−[3
−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−シクロヘ
キシル−1−ペンテニル]−2−(フェニルセレノ)シ
クロペンタノン80mgと6−(トリブチルスタニルメチ
ル)−6−ヘプテン酸エチル90mgをベンゼン(1.5ml)
中光照射を3時間行った。ベンゼンを減圧濃縮し、つい
でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、二
つの水酸基がt−ブチルジメチルシリル基で保護された
6−メチレンプロスタグランジンE1エチルエステル55mg
(収率68%)を得た。
NMRスペクトル(CCl4)δ 0.05(12H,s),0.9(21H,s), 1.0〜2.8(25H,m),4.0(2H,q,J=7Hz), 3.8〜4.2(2H,m) ,4.4〜4.8(2H,m) , 5.4〜5.5(2H,m) 。
実施例5 (3S,4R)−4−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−3−[(3S)−(E)−3−(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)−1−オクテニル]−2−(フェニル
チア)シクロペンタノン150mg(0.267mmol)と6−(ト
リブチルスタニルメチル)−6−ヘプテン酸メチル238m
g(0.534mmol)をベンゼン(3ml)に溶かし、3時間光
照射した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製し、11,15−0−ビス(t−ブチルジメチルシリ
ル)−6−メチレンプロスタグランジンE1メチルエステ
ル133mg(0.22mmol)(収率81%)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3)δ 0.05(12H,s),0.85(21H), 1.0 〜2.8(22H,m),3.55(3H,s), 3.8 〜4.2(2H,m) ,4.55(2H,m), 5.3 〜5.5(2H,m) 。
IRスペクトル(液膜,cm-1) 3080,1745,1640,1255,1120,1090, 1005,970,870,835,775。
実施例6 (3S,4R)−4−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−3−[(3S)−(E)−3−(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)−3−シクロペンチル−1−ペンテニ
ル]−2−(フェニルセレノ)シクロペンタノン80mg
(0.132mmol)と6−(トリブチルスタニルメチル)−
6−ヘプテン酸エチル90mg(0.196mmol)をベンゼン
(1.3ml)中光照射を行った。3時間後シリカゲルカラ
ムクトマトグラフィーにより精製し二つの水酸基がt−
ブチルジメチルシリル基で保護された15−シクロペンチ
ル−6−メチレン−16,17,18,19,20−ペンタノルプロス
タグランジンE1エチルエステル60mg(0.097mmol)(収
率74%)を得た。
NMRスペクトル(CCl4)δ 0.05(12H,s),0.9(18H,s), 1.0〜2.8(26H,m),4.0(2H,q,J=7Hz), 3.8〜4.2(2H,m) ,4.4〜4.8(2H,m) , 5.4〜5.6(2H,m) 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 7/18 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] で表わされるα−置換シクロペンタノン誘導体と下記式
    [II] で表わされるアリルスズ誘導体とを有機溶媒中で光照射
    またはラジカル反応開始剤の存在下に加熱することを特
    徴とする下記式[III] で表わされるα−アリル化シクロペンタノン誘導体の製
    造法。
  2. 【請求項2】R5が−(CH2)m COOR7である請求項1記載
    のα−アリル化シクロペンタノン誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】R5が水素原子である請求項1記載のα−ア
    リル化シクロペンタノン誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】R1が水素原子である請求項1記載のα−ア
    リル化シクロペンタノン誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】nが0である請求項1記載のα−アリル化
    シクロペンタノン誘導体の製造法。
  6. 【請求項6】ラジカル反応開始剤が、アゾビスイソブチ
    ロニトリル又はt−ブチルパーオキサイドである請求項
    1記載のα−アリル化シクロペンタノン誘導体の製造
    法。
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