JP3316018B2 - E型プロスタグランジン類またはそのエステルの製造方法 - Google Patents
E型プロスタグランジン類またはそのエステルの製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα鎖に3重結合を有する
E型プロスタグランジン類またはそのエステルを還元し
て選択的にその3重結合をシスの2重結合に変換する方
法に関する。
E型プロスタグランジン類またはそのエステルを還元し
て選択的にその3重結合をシスの2重結合に変換する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】シスの炭素−炭素2重結合を有する化合
物の一般的な製造方法としては、リンドラー触媒を使用
して炭素−炭素3重結合を有する化合物を還元する方法
が知られている。
物の一般的な製造方法としては、リンドラー触媒を使用
して炭素−炭素3重結合を有する化合物を還元する方法
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、シスの炭素−炭素2重結合を有する化合物の他
にトランスの炭素−炭素2重結合を有する化合物、更に
は飽和の化合物が副生し、高純度のシス−オレフィンを
得ることは困難であった。また、この方法を用いると火
災などの危険性があった。
法では、シスの炭素−炭素2重結合を有する化合物の他
にトランスの炭素−炭素2重結合を有する化合物、更に
は飽和の化合物が副生し、高純度のシス−オレフィンを
得ることは困難であった。また、この方法を用いると火
災などの危険性があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の解決を目的として鋭意研究を進めた結果、α鎖に3重
結合を有するE型プロスタグランジン類またはそのエス
テルを、0価または2価のパラジウム錯体もしくは錯塩
を触媒として用い、ギ酸で還元すると、選択的に、収率
よくかつ容易にα鎖にシスの2重結合を有する化合物を
製造できることを見いだし、本発明を完成した。
の解決を目的として鋭意研究を進めた結果、α鎖に3重
結合を有するE型プロスタグランジン類またはそのエス
テルを、0価または2価のパラジウム錯体もしくは錯塩
を触媒として用い、ギ酸で還元すると、選択的に、収率
よくかつ容易にα鎖にシスの2重結合を有する化合物を
製造できることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、式
【0006】
【0007】[式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4
個のアルキル基または置換基を有していてもよいアリル
基を示し、R4及びR5は同一または異なって水素原子ま
たは水酸基の保護基を示し、A、R6およびR7は反応に
関与しない任意の基を示し、Bは炭素−炭素単結合を示
すかまたは反応に関与しない任意の基を示し、Yはエチ
ニレン基を示す。]で表されるE型プロスタグランジン
類またはそのエステルを、0価または2価のパラジウム
錯体もしくは錯塩の存在下にギ酸と反応させることを特
徴とする式
個のアルキル基または置換基を有していてもよいアリル
基を示し、R4及びR5は同一または異なって水素原子ま
たは水酸基の保護基を示し、A、R6およびR7は反応に
関与しない任意の基を示し、Bは炭素−炭素単結合を示
すかまたは反応に関与しない任意の基を示し、Yはエチ
ニレン基を示す。]で表されるE型プロスタグランジン
類またはそのエステルを、0価または2価のパラジウム
錯体もしくは錯塩の存在下にギ酸と反応させることを特
徴とする式
【0008】
【0009】(式中、R′は、Rが水素原子または置換
基を有していてもよいアリル基の場合には水素原子を示
し、Rが炭素原子数1〜4個のアルキル基の場合には同
じものを示す。また、A、B、Y、R4、R5、R6およ
びR7は前記と同意義である。)で表されるE型プロス
タグランジン類またはそのエステルの製造方法である。
基を有していてもよいアリル基の場合には水素原子を示
し、Rが炭素原子数1〜4個のアルキル基の場合には同
じものを示す。また、A、B、Y、R4、R5、R6およ
びR7は前記と同意義である。)で表されるE型プロス
タグランジン類またはそのエステルの製造方法である。
【0010】本発明において、炭素原子数1〜4個のア
ルキル基とはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖
状または分枝鎖状のアルキル基をいう。また、置換基を
有していてもよいアリル基とは式 −CH2−CR1=CR2R3 (式中、R1及びR2は同一または異なって水素原子また
は低級アルキル基を示し、R3は水素原子、低級アルキ
ル基、アルケニル基またはアリール基を示す。)で表さ
れる基であり、代表的なものとしては、式
ルキル基とはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖
状または分枝鎖状のアルキル基をいう。また、置換基を
有していてもよいアリル基とは式 −CH2−CR1=CR2R3 (式中、R1及びR2は同一または異なって水素原子また
は低級アルキル基を示し、R3は水素原子、低級アルキ
ル基、アルケニル基またはアリール基を示す。)で表さ
れる基であり、代表的なものとしては、式
【0011】
【0012】で表される基などを挙げることができる。
ここで、式(I)においてRが水素原子または炭素原子
数1〜4個のアルキル基である化合物を本反応に供する
と、R′がRに対応する基である式(II)の化合物が得
られるが、式(I)においてRがアリル基である化合物
を本反応に供すると、α鎖の3重結合の還元と同時にア
リル基の加水素分解が起こり、R′が水素原子である式
(II)の化合物が得られる。水酸基の保護基とは、プロ
スタグランジンの分野で通常用いられるものであり、例
えばt−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル
基、フェニルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニル
シリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラ
ニル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基、ベンジ
ル基などである。R4及びR5は水素原子または水酸基の
保護基であるが、このうち、t−ブチルジメチルシリル
基が好ましい。
ここで、式(I)においてRが水素原子または炭素原子
数1〜4個のアルキル基である化合物を本反応に供する
と、R′がRに対応する基である式(II)の化合物が得
られるが、式(I)においてRがアリル基である化合物
を本反応に供すると、α鎖の3重結合の還元と同時にア
リル基の加水素分解が起こり、R′が水素原子である式
(II)の化合物が得られる。水酸基の保護基とは、プロ
スタグランジンの分野で通常用いられるものであり、例
えばt−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル
基、フェニルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニル
シリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラ
ニル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基、ベンジ
ル基などである。R4及びR5は水素原子または水酸基の
保護基であるが、このうち、t−ブチルジメチルシリル
基が好ましい。
【0013】A、B、R6及びR7は本反応に関与しない
ものならばいずれでもかまわない(ただし、Bは炭素−
炭素単結合を示すこともある。)。これらの例を挙げる
とするならば、A及びBとしては、例えば炭素原子数1
〜7個の直鎖状のアルキレン基(例えばメチレン基、エ
チレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサ
メチレン基、オクタメチレン基、ヘプタメチレン基な
ど)、炭素原子数3〜9個の直鎖状のアルケニレン基
[例えば式
ものならばいずれでもかまわない(ただし、Bは炭素−
炭素単結合を示すこともある。)。これらの例を挙げる
とするならば、A及びBとしては、例えば炭素原子数1
〜7個の直鎖状のアルキレン基(例えばメチレン基、エ
チレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサ
メチレン基、オクタメチレン基、ヘプタメチレン基な
ど)、炭素原子数3〜9個の直鎖状のアルケニレン基
[例えば式
【0014】
【0015】(式中、n1は1〜5の整数を示し、n2は
1〜4の整数を示し、n3は1〜6の整数を示す。)で
表される基など]、鎖中に1つの酸素原子または硫黄原
子を介している炭素原子数2〜8個の直鎖状のアルキレ
ン基[例えば式
1〜4の整数を示し、n3は1〜6の整数を示す。)で
表される基など]、鎖中に1つの酸素原子または硫黄原
子を介している炭素原子数2〜8個の直鎖状のアルキレ
ン基[例えば式
【0016】
【0017】(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を示
し、n4は1〜5の整数を示し、n5は1〜7の整数を示
す。)で表される基など]、式
し、n4は1〜5の整数を示し、n5は1〜7の整数を示
す。)で表される基など]、式
【0018】
【0019】(式中、n6およびn7は同一または異なっ
て1〜3の整数を示す。)で表される基、式
て1〜3の整数を示す。)で表される基、式
【0020】
【0021】(式中、n8およびn9は同一または異なっ
て1〜3の整数を示す。)で表される基などを挙げるこ
とができる。また、R6としては、例えば水素原子、メ
チル基、エチル基、ビニル基などを挙げることができ
る。R7としては、例えば炭素原子数1〜10個の直鎖
状または分枝鎖状のアルキル基またはアルケニル基(例
えばペンチル基、ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、
2−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、
2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基など)、炭素原子
数3〜10個のシクロアルキル基(例えばシクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基など)、
「フェニル基、フェノキシ基または炭素原子数4〜7個
のシクロアルキル基」で置換された炭素原子数1〜4個
のアルキル基(例えばシクロペンチルメチル基、シクロ
ヘキシルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、3−
シクロペンチルプロピル基、3−シクロヘキシルプロピ
ル基、4−シクロペンチルブチル基、ベンジル基、フェ
ノキシメチル基、2−フェニルエチル基、4−フェニル
ブチル基など)、フェニル基などを挙げることができ
る。
て1〜3の整数を示す。)で表される基などを挙げるこ
とができる。また、R6としては、例えば水素原子、メ
チル基、エチル基、ビニル基などを挙げることができ
る。R7としては、例えば炭素原子数1〜10個の直鎖
状または分枝鎖状のアルキル基またはアルケニル基(例
えばペンチル基、ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、
2−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、
2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基など)、炭素原子
数3〜10個のシクロアルキル基(例えばシクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基など)、
「フェニル基、フェノキシ基または炭素原子数4〜7個
のシクロアルキル基」で置換された炭素原子数1〜4個
のアルキル基(例えばシクロペンチルメチル基、シクロ
ヘキシルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、3−
シクロペンチルプロピル基、3−シクロヘキシルプロピ
ル基、4−シクロペンチルブチル基、ベンジル基、フェ
ノキシメチル基、2−フェニルエチル基、4−フェニル
ブチル基など)、フェニル基などを挙げることができ
る。
【0022】0価または2価のパラジウム錯体もしくは
錯塩とは、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)二
パラジウム(0)クロロホルム、ビス(ジベンジリデン
アセトン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(アセチルアセ
トナート)パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニ
トリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニト
リル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(II)、π−アリルパラジウム
(II)クロリド錯体、塩化パラジウム、リチウムテトラ
クロロパラダート、酢酸パラジウムなどである。これら
の使用量は原料となる式(I)の化合物に対して0.0
1〜0.5当量である。ギ酸の使用量は原料となる式
(I)の化合物に対して1当量〜過剰量である。
錯塩とは、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)二
パラジウム(0)クロロホルム、ビス(ジベンジリデン
アセトン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(アセチルアセ
トナート)パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニ
トリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニト
リル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(II)、π−アリルパラジウム
(II)クロリド錯体、塩化パラジウム、リチウムテトラ
クロロパラダート、酢酸パラジウムなどである。これら
の使用量は原料となる式(I)の化合物に対して0.0
1〜0.5当量である。ギ酸の使用量は原料となる式
(I)の化合物に対して1当量〜過剰量である。
【0023】本発明においては「0価または2価のパラ
ジウム錯体もしくは錯塩」にすでにホスフィン類が配位
している場合を除き、ホスフィン類を加えることが好ま
しい。ホスフィン類としては、例えばトリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリ(p−トルエンオキシ)ホスフィン、トリエト
キシホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジ
フェニルホスフィノ)ブタン、ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)フェロセンなどを挙げることができる。また、必
要に応じて塩基として有機アミン類(例えば、トリエチ
ルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、ジイソ
プロピルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチ
ルアミン、ピペリジン、ピロール、ピロリジン、モルホ
リン、N−メチルモルホリン、ジメチルアニリン、ピリ
ジン、O−メチルエタノールアミン、アニリン、ピペラ
ジンなど)またはアンモニアを適当量添加することがで
きる。さらに、必要に応じて溶媒[エーテル類(例えば
ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、ジエチルエーテル、ジグリムなど)、エステル類
(例えば酢酸エチル、酢酸メチル、バレロラクトンな
ど)、アミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドンなど)、ジメチルスルホキシドな
ど]を加えることができる。反応温度は、0℃〜溶媒の
還流温度、好ましくは室温〜100℃である。
ジウム錯体もしくは錯塩」にすでにホスフィン類が配位
している場合を除き、ホスフィン類を加えることが好ま
しい。ホスフィン類としては、例えばトリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリ(p−トルエンオキシ)ホスフィン、トリエト
キシホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジ
フェニルホスフィノ)ブタン、ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)フェロセンなどを挙げることができる。また、必
要に応じて塩基として有機アミン類(例えば、トリエチ
ルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、ジイソ
プロピルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチ
ルアミン、ピペリジン、ピロール、ピロリジン、モルホ
リン、N−メチルモルホリン、ジメチルアニリン、ピリ
ジン、O−メチルエタノールアミン、アニリン、ピペラ
ジンなど)またはアンモニアを適当量添加することがで
きる。さらに、必要に応じて溶媒[エーテル類(例えば
ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、ジエチルエーテル、ジグリムなど)、エステル類
(例えば酢酸エチル、酢酸メチル、バレロラクトンな
ど)、アミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドンなど)、ジメチルスルホキシドな
ど]を加えることができる。反応温度は、0℃〜溶媒の
還流温度、好ましくは室温〜100℃である。
【0024】本発明により製造した式(II)の化合物の
うち、水酸基が保護されている化合物[式(II)におい
てR4及びR5が水素原子以外の基の化合物]は常法を用
いて容易に脱保護し、末梢循環障害をはじめとする種々
の疾患の治療に有用であるプロスタグランジンE型化合
物(あるいはその誘導体)とすることができる。
うち、水酸基が保護されている化合物[式(II)におい
てR4及びR5が水素原子以外の基の化合物]は常法を用
いて容易に脱保護し、末梢循環障害をはじめとする種々
の疾患の治療に有用であるプロスタグランジンE型化合
物(あるいはその誘導体)とすることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明により、選択的に(Yのエチニレ
ン基は還元されずに、また、8−β体などの異性体も生
じることなく)、かつ容易に、α鎖にシスの2重結合を
有するE型プロスタグランジン類を短時間で収率よく製
造できるようになった。
ン基は還元されずに、また、8−β体などの異性体も生
じることなく)、かつ容易に、α鎖にシスの2重結合を
有するE型プロスタグランジン類を短時間で収率よく製
造できるようになった。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1(Z)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,
18,19,20−テトラノル−16−シクロペンチル
−PGE 1 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシ
リル)エーテルの製造 注)化合物の命名中、「17,18,19,20−テト
ラノル」とは、17〜20位の炭素鎖がないことを意味
する。ギ酸(31μl,0.7mmol)およびトリエ
チルアミン(83μl,0.6mmol)のテトラヒド
ロフラン(2ml)溶液に、トリス(ジベンジリデンア
セトン)二パラジウム(0)クロロホルム複合体(21
mg,0.02mmol)およびトリブチルホスフィン
(20μl,0.08mmol)を加え、室温で10分
間攪拌した。この中に、WO92/18472号 実施
例42(1)に記載の2,2,3,3,13,14−ヘ
キサデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−
16−シクロペンチル−PGE1 11,15−ビス
(t−ブチルジメチルシリル)エーテル アリルエステ
ル(125.8mg,0.2mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液(2ml)を加え、50℃で3時間攪拌し
た。室温に冷却した後、飽和食塩水(4ml)を加え、
n−ヘキサンで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮して得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:エーテル=2:1)により精製し、標記化
合物94.6mgを得た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz) δppm;
0.09,0.10,0.11 and 0.12(4s,
12H),0.89 and 0.90(2s,18H),
1.01〜2.02(m,17H),2.07〜2.2
6(m,2H),2.53〜2.74(m,4H),
4.22〜4.40(m,2H),5.79(d,J=
11.5Hz,1H),6.31(dt,J=7.5H
z,11.5Hz,1H)
説明する。 実施例1(Z)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,
18,19,20−テトラノル−16−シクロペンチル
−PGE 1 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシ
リル)エーテルの製造 注)化合物の命名中、「17,18,19,20−テト
ラノル」とは、17〜20位の炭素鎖がないことを意味
する。ギ酸(31μl,0.7mmol)およびトリエ
チルアミン(83μl,0.6mmol)のテトラヒド
ロフラン(2ml)溶液に、トリス(ジベンジリデンア
セトン)二パラジウム(0)クロロホルム複合体(21
mg,0.02mmol)およびトリブチルホスフィン
(20μl,0.08mmol)を加え、室温で10分
間攪拌した。この中に、WO92/18472号 実施
例42(1)に記載の2,2,3,3,13,14−ヘ
キサデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−
16−シクロペンチル−PGE1 11,15−ビス
(t−ブチルジメチルシリル)エーテル アリルエステ
ル(125.8mg,0.2mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液(2ml)を加え、50℃で3時間攪拌し
た。室温に冷却した後、飽和食塩水(4ml)を加え、
n−ヘキサンで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮して得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:エーテル=2:1)により精製し、標記化
合物94.6mgを得た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz) δppm;
0.09,0.10,0.11 and 0.12(4s,
12H),0.89 and 0.90(2s,18H),
1.01〜2.02(m,17H),2.07〜2.2
6(m,2H),2.53〜2.74(m,4H),
4.22〜4.40(m,2H),5.79(d,J=
11.5Hz,1H),6.31(dt,J=7.5H
z,11.5Hz,1H)
【0027】実施例2
実施例1と実質的に同様にして、(2Z,17S)−
2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,20−ジ
メチル−PGE1 11,15−ビス(t−ブチルジメ
チルシリルエーテル) メチルエステルを得た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz) δppm;
0.83〜0.98(m,24H),1.09〜1.9
0(m,15H),2.10〜2.36(m,4H),
2.56〜2.68(m,1H),2.75(dd,J
=7.3Hz,18.4Hz,1H),3.72(s,
3H),4.20〜4.38(m,1H),4.47
(t,J=5.7Hz,1H),5.79(d,J=1
1.4Hz,1H),6.30(dt,J=7.4H
z,11.4Hz,1H)
2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,20−ジ
メチル−PGE1 11,15−ビス(t−ブチルジメ
チルシリルエーテル) メチルエステルを得た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz) δppm;
0.83〜0.98(m,24H),1.09〜1.9
0(m,15H),2.10〜2.36(m,4H),
2.56〜2.68(m,1H),2.75(dd,J
=7.3Hz,18.4Hz,1H),3.72(s,
3H),4.20〜4.38(m,1H),4.47
(t,J=5.7Hz,1H),5.79(d,J=1
1.4Hz,1H),6.30(dt,J=7.4H
z,11.4Hz,1H)
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フロントページの続き
(72)発明者 亀尾 一弥
東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正
製薬株式会社内
(72)発明者 田名見 亨
東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正
製薬株式会社内
(72)発明者 武藤 賢
東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正
製薬株式会社内
(72)発明者 小野 直哉
東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正
製薬株式会社内
(72)発明者 五藤 准
東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正
製薬株式会社内
(56)参考文献 特開 平5−345758(JP,A)
特開 平5−255128(JP,A)
特開 平5−117230(JP,A)
特開 昭63−139144(JP,A)
特開 昭62−81344(JP,A)
特開 昭60−155154(JP,A)
国際公開93/16041(WO,A1)
国際公開92/18472(WO,A1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07C 405/00
Claims (2)
- 【請求項1】 式 [式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル
基または置換基を有していてもよいアリル基を示し、R
4及びR5は同一または異なって水素原子または水酸基の
保護基を示し、A、R6およびR7は反応に関与しない任
意の基を示し、Bは炭素−炭素単結合を示すかまたは反
応に関与しない任意の基を示し、Yはエチニレン基を示
す。]で表されるE型プロスタグランジン類またはその
エステルを、0価または2価のパラジウム錯体もしくは
錯塩の存在下にギ酸と反応させることを特徴とする、式 (式中、R′は、Rが水素原子または置換基を有してい
てもよいアリル基の場合には水素原子を示し、Rが炭素
原子数1〜4個のアルキル基の場合には同じものを示
す。また、A、B、Y、R4、R5、R6およびR7は前記
と同意義である。)で表されるE型プロスタグランジン
類またはそのエステルの製造方法。 - 【請求項2】 0価または2価のパラジウム錯体もしく
は錯塩と共にホスフィン類を存在させた条件で反応を行
うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02644293A JP3316018B2 (ja) | 1992-03-13 | 1993-02-16 | E型プロスタグランジン類またはそのエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5560992 | 1992-03-13 | ||
JP4-55609 | 1992-03-13 | ||
JP02644293A JP3316018B2 (ja) | 1992-03-13 | 1993-02-16 | E型プロスタグランジン類またはそのエステルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310689A JPH05310689A (ja) | 1993-11-22 |
JP3316018B2 true JP3316018B2 (ja) | 2002-08-19 |
Family
ID=26364228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02644293A Expired - Fee Related JP3316018B2 (ja) | 1992-03-13 | 1993-02-16 | E型プロスタグランジン類またはそのエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3316018B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1992018472A1 (en) | 1991-04-22 | 1992-10-29 | Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. | Prostaglandin e1 analogue |
WO1993016041A1 (en) | 1992-02-05 | 1993-08-19 | Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. | Process for producing prostaglandin e |
-
1993
- 1993-02-16 JP JP02644293A patent/JP3316018B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1992018472A1 (en) | 1991-04-22 | 1992-10-29 | Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. | Prostaglandin e1 analogue |
WO1993016041A1 (en) | 1992-02-05 | 1993-08-19 | Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. | Process for producing prostaglandin e |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05310689A (ja) | 1993-11-22 |
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