JPH0680024B2 - イソカルバサイクリン類の製造法 - Google Patents

イソカルバサイクリン類の製造法

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JPH0680024B2
JPH0680024B2 JP61084963A JP8496386A JPH0680024B2 JP H0680024 B2 JPH0680024 B2 JP H0680024B2 JP 61084963 A JP61084963 A JP 61084963A JP 8496386 A JP8496386 A JP 8496386A JP H0680024 B2 JPH0680024 B2 JP H0680024B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は9(O)−メタノプロスタサイクリン類の製造
法に関する。更に詳細には9(O)−メタノプロスタサ
イクリン類をアリールスルホニルイソカルバサイクリン
類から製造する新規製造方法に関する。
<従来の技術> カルバサイクリンは生体内生理活性物質であるプロスタ
グランジン(PGと略記することがある)I2(PGI2)の6,
9−位の酸素原子がメチレン基で置換されたプロスタグ
ランジンI2類縁体であり、分子内にエノールエーテルの
部分構造を有する天然のプロスタグランジンI2に比較し
て化学的に安定であるために抗血栓剤等の医薬品として
有用な化合物である。近年、カルバサイクリンの二重結
合異性体の一種であるイソカルバサイクリン,すなわ
ち、9(O)−メタノ−△6(9α)−プロスタグラン
ジンI1類がこの同族体の中でも最も強い血小板凝集抑制
作用を示すことが発見され、医薬品としての応用が期待
されるようになつた〔池上ら、テトラヘドロン・レター
ズ(Tetrahedron Letters),33,3493,および3497(198
3)ならびに特開昭59−137445および59−210044参
照〕。
従来、かかる9(O)−メタノ−△6(9α)−プロス
タグランジンI1(イソカルバサイクリン)の製法に関し
ては数例知られており、その方法の概要と用いられた鍵
合成中間体、および報告書をまとめて例記すると以下の
通りである。
(1)池上ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Letters),24,3493(1983)およびケミストリー・レ
ターズ(Chemistry Letters),1984,1069: (2)池上ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Letters),24,3497(1983): (3)池上ら、ジヤーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサ
イエテイー,ケミカル・コミユニケーシヨン(J.Chem.S
oc.,Chemical Comunications),1984,1602: (4)柴崎ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Letters),25,5087(1984): (5)柴崎ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Letters),25,1067(1984): (6)小島ら、ケミカル・アンド・フアーマシユーテイ
カル・ブレテイン(Chem.Pharm.Bull),32,2866(198
4): (7)小島ら、特開昭60−28943: これら7種類の方法のうち、方法(1)と方法(5)は
PGE2を出発原料とし、数工程を経て鍵中間体に導びき、
さらに数工程を経て目的物のイソカルバサイクリンを得
るもので工業的な製法とはいいがたい。また、方法
(2)と方法(3)は、いずれも、対応する出発原料,
および鍵中間体を得るために高価なコーリーラクトンか
ら多段階の工程を要し、通算収率も高くなく、必ずしも
工業的に有利な方法とはいえないという難点がある。な
お方法(6)および方法(7)は最終生成物がdl体でし
か得られず医薬品化を意図する製法としては論外の方法
である。
最後に、方法(4)はその出版原料が光学活性な(R)
−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンから容易に得
られるばかりでなく(特開昭57−155116)、その出発原
料から鍵中間体への誘導も工業的に何ら問題なく製造で
きる方法である。しかし、鍵中間体から最終のイソカル
バサイクリン類へ到る工程において、有機水銀化合物の
使用や、位置特異性の喪失等の数々の難点のために全収
率が低くなり実用的,工業的製造法とはなりえないとい
う大きな難点がある。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明者らは上述した諸点に着目し、9(O)メタノプ
ロスタサイクリン類の工業的に有利な新規製造法を見出
すべく鋭意研究した結果、アリールスルホニルイソカル
バサイクリン類を亜ジチオン塩酸と反応せしめることに
より、かかる目的を達成し得ることを見出し、本発明に
到達したものである。
<問題点を解決するための手段> すなわち、本発明では下記式[I] 式中、R11はC1〜C5のアルキル基を表わす。R21,R31は同
一もしくは異なり、トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基を
表わし、R5はC3〜C9のアルキル基を表わす。Arは置換も
しくは非置換のフェニル基を表わす。
で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合の混合物であるアリールスルホニルイソカル
バサイクリン類を亜ジチオン酸ナトリウムと反応せし
め、必要により脱保護反応,加水分解反応に付すことを
特徴とする下記式[II] 式中、R1は水素原子、またはC1〜C5のアルキル基を表わ
す。R2,R3は同一もしくは異なり、水素原子、またはト
リ(C1〜C7)炭化水素シリル基を表わす。R5は前記定義
に同じである。
で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合の混合物である9(O)−メタノプロスタサ
イクリン類の製造法が提供される。かかる本出願に係る
発明は、以下に開示するより広範な発明に包含されるも
のである。すなわち、下記式[I′] [式中、R61はC1〜C5のアルキル基又はアルケニル基を
表わす。R71,R81は同一もしくは異なり、トリ(C1
C7)炭化水素シリル基,または水酸基の酸素原子ととも
にアセタール結合を形成する基を表わし、R9は水素原
子,メチル基,またばビニル基を表わし、R10は酸素原
子を含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C3〜C9アルキ
ル基,アルケニル基もしくはアルキニル基;置換もしく
は非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のフェノキ
シ基;置換もしくは非置換のC3〜C10シクロアルキル
基;またはC1〜C6アルコキシ基,置換されていてもよい
フェニル基,置換されていてもよいフェノキシ基もしく
は置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基で置
換されている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C3アルキル基を表
わし、nは0または1を表わす。Arは置換もしくは非置
換のフェニル基を表わす。] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合の混合物であるアリールスルホニルイソカル
バサイクリン類を亜ジチオン酸ナトリウムと反応せし
め、必要により脱保護反応,加水分解反応に付すことを
特徴とする下記式[II′] [式中、R6は水素原子、C1〜C5のアルキル基又はアルケ
ニル基を表わす。R7,R8は同一もしくは異なり、水素原
子,トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基,または水酸基の
酸素原子とともにアセタール結合を形成する基を表わ
す、R9,R10,nは前記定義に同じである。] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合の混合物である9(O)−メタノプロスタサ
イクリン類の製造法の発明である。
本発明において原料として用いられる上記式〔I〕で代
表されるアリールスルホニルイカルバサイクリン類は本
発明者らが別途に提案した方法によりチヤート1に示す
ごとく製造される。
<チヤート1> 上記式〔I〕においてR11はC1〜C5のアルキル基を表わ
し、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基などが
挙げられ、なかでもメチル基が好ましい。上記式
[I′]においてR61はC1〜C5のアルキル基又はアルケ
ニル基を表わし、メチル基,エチル基,プロピル基,ブ
チル基,2−プロペニル基,3−ブテニル基,などが挙げら
れる。メチル基が好ましい。
上記式[I]においてR21およびR31は同一もしくは異な
り、(C1〜C7)炭化水素シリル基を表わす。
トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基としては、例えば、ト
リメチルシリル基,トリエチルシリル基,トリイソプロ
ピルシリル基,t−ブチルジメチルシリル基のようなトリ
(C1〜C4)アルキルシリル基,t−ブチルジフェニルシリ
ル基のようなジフェニル(C1〜C4)アルキルシリル基,
ジメチルフェニル基のようなジ(C1〜C4)アルキルフェ
ニル基,またはトリベンジルシリル基などを好ましいも
のとして挙げることができる。トリ(C1〜C4)アルキル
シリル,ジフェニル(C1〜C4)アルキルシリル,フェニ
ルジ(C1〜C4)アルキルシリル基が好ましく、なかでも
t−ブチルジメチルシリル基,トリメチルシリル基が特
に好ましい。
上記式[I′]においてR71およびR81は同一もしくは異
なり、水素原子,トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基また
は水酸基の酸素原子とともにアセタール結合を形成する
基を表わす。
トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基としては、例えば、ト
リメチルシリル基,トリエチルシリル基,トリイソプロ
ピルシリル基,t−ブチルジメチルシリル基のようなトリ
(C1〜C4)アルキルシリル基,t−ブチルジメチルシリル
基のようなジフエニル(C1〜C4)アルキルシリル基,ジ
メチルフエニル基のようなジ(C1〜C4)アルキルフエニ
ル基,またはトリベンジルシリル基などを好ましいもの
として挙げることができる。トリ(C1〜C4)アルキルシ
リル,ジフエニル(C1〜C4)アルキルシリル,フエニル
ジ(C1〜C4)アルキルシリル基が好ましく、なかでもt
−ブチルジメチルシリル基,トリメチルシリル基が特に
好ましい。
水酸基の酸素原子と共にアセタール結合を形成する基と
しては、例えば、メトキシメチル基,1−エトキシエチル
基,2−メトキシ−2−プロピル基,2−エトキシ−2−プ
ロピル基,(2−メトキシエトキシ)メチル基,ベンジ
ルオキシメチル基,2−テトラヒドロピラニル基,2−テト
ラヒドロフラニル基,または6,6−ジメチル−3−オキ
サ−2−オキソビシクロ〔3.1.0〕ヘキス−4−イル基
を挙げることができる。2−テトラヒドロピラニル基,2
−テトラヒドロフラニル,1−エトキシエチル,2−エトキ
シ−2−プロピル,(2−メトキシエトキシ)メチル,
6,6−ジメチル−3−オキサ−2−オキソビシクロ〔3.
1.0〕ヘキス−4−イル基が特に好ましい。なかでも2
−テトラヒドロピラニル基が特に好ましい。
これらのシリル基およびアセタール結合を形成する基は
水酸基の保護基であると理解されるべきである。これら
の保護基は最終生成物の段階で弱酸性から中性の条件で
容易に除去されて薬剤として有用な遊離の水酸基とする
ことができる。したがつてこのような性質を有している
水酸基の保護基はシリル基やアセタール結合を形成する
基の代わりとして使用することもできる。
上記式[I′]においてR9は水素原子,メチル基,また
はビニル基を表わす。
上記式〔I〕においてR5はC3〜C9のアルキル基を表わ
す。かかるC3〜C9のアルキル基としては、プロピル基,
ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,2−ヘ
キシル基,2−メチル−2−ヘキシル基,2−メチルブチル
基,2−メチルペンチル基,2−メチルヘキシル基,2,2−ジ
メチルヘキシル基などを挙げることができる。ブチル
基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,2−ヘキシル
基,2−メチル−2−ヘキシル基,2−メチルブチル基,2−
メチルペンチル基が好ましい。
上記式[I′]においてR10は酸素原子を含んでいても
よい直鎖もしくは分枝鎖C3〜C8アルキル基,アルケニル
基もしくはアルキニル基;置換もしくは非置換のフエニ
ル基;置換もしくは非置換のフエノキシ基;置換もしく
は非置換のC3〜C10シクロアルキル基;またはC1〜C6
ルコキシ基,置換されていてもよいフエニル基,置換さ
れていてもよいフエノキシ基もしくは置換されていても
よいC3〜C10シクロアルキル基で置換されている直鎖も
しくは分枝鎖C1〜C5アルキル基を表わす。
酸素を含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C3〜C9アル
キル基としては2−メトキシエチル基,2−エトキシエチ
ル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル
基,ヘプチル基,2−ヘキシル基,2−メチル−2−ヘキシ
ル基,2−メチルブチル基,2−メチルペンチル基,2−メチ
ルヘキシル基,2,2−ジメチルヘキシル基などを挙げるこ
とができる。ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプ
チル基,2−ヘキシル基,2−メチル−2−ヘキシル基,2−
メチルブチル基,2−メチルペンチル基が好ましい。
酸素原子を含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C3〜C9
アルケニル基としては、例えば、1−ブチルビニル,2−
プロピルアリル,2−ペンンテニル,4−ペンテニル,2−メ
チル−3−ペンテニル,4−ヘキセニル,1,4−ジメチル−
3−ペンテニル,5−ヘプテニル,1−メチル−5−ヘキセ
ニル,6−メチル−5−ヘプテニル、2,6−ジメチル−5
−ヘプテニルなどが好ましい。
酸素原子を含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C3〜C9
アルキニル基としては、例えば、2−ブチニル,2−ペン
チニル,3−ペンチニル,1−メチル−2−ペンチニル,1−
メチル−3−ペンチニルが好ましい。
置換フエニル基,置換フエノキシ基,もしくはC3〜C10
の置換シクロアルキル基の置換基として、例えばハロゲ
ン原子,保護された水酸基(例えばシリルオキシ基,C1
〜C6アルコキシ基など),C1〜C4アルキル基などが挙げ
られる。C3〜C10のシクロアルキル基としては、例え
ば、シクロプロピル基,シクロペンチル基,シクロヘキ
シル基,シクロヘキセニル基,シクロヘプチル基,シク
ロオクチル基,シクロデシル基などを挙げることができ
る。シクロペンチル基,シクロヘキシル基が好ましい。
C1〜C6アルコキシ基,置換されていてもよいフエニル
基,置換されていてもよいフエノキシ基,もしくは置換
されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基で置換され
ている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基において、
C1〜C6アルコキシ基としては、例えばメトキシ基,エト
キシ基,プロピルオキシ基,イソプロピルオキシ基,ブ
トキシ基,t−ブトキシ基,ヘキシルオキシ基などが挙げ
られる。置換されていてもよいフエニル基,置換されて
いてもよいフエノキシ基,もしくは置換されていてもよ
いC3〜C10シクロアルキル基の置換基およびC3〜C10シク
ロアルキル基としては前述の例示と同じものを挙げるこ
とができる。直鎖もしくは分枝鎖C1〜C5アルキル基とし
ては、例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,イソ
プロピル基,ブチル基,イソプチル基,sec−ブチル基,t
−ブチル基,ペンチル基などを挙げることができる。か
かるR5としてはブチル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチ
ル,2−ヘキシル,2−メチル−2−ヘキシル,2−メチルブ
チル,2−メチルペンチル,シクロペンチル,シクロヘキ
シル,フエニル,フエノキシ,シクロペンチルメチル,
シクロヘキシルメチル基などを好ましいものとして挙げ
ることができる。なお、置換基はその任意の位置に結合
していてもよい。
Arは置換もしくは非置換のフエニル基を表わし、その置
換基の例としては前述したものが挙げられるが、好まし
くはフエニル基が好ましい。
上記式〔I〕で表わされる化合物においてビシクロ〔3.
3.0〕オクタン環自身およびそのビシクロ〔3.3.0〕オク
タン環上に結合している置換基の結合している炭素は不
斉な環境のために立体異性体が存在するが本発明ではい
ずれの立体異性体をも含むものであり、またこれらの任
意の割合の立体異性混合物でもさしつかえない。また式
で代表される化合物とはこれらの立体異性体すべて、お
よびそれらの異性体の任意の割合の混合物をあらわす
が、式であらわされた立体構造を有する化合物が最も好
ましいものとしてあげられる。
本発明方法においてはまず上述した上記式〔I〕で代表
されるアリールスルホニルイソカルバサイクリンを亜ジ
チオン酸塩と反応せしめ、必要に応じて脱保護反応,加
水分解反応に付すことにより目的とする式〔II〕で代表
される9(O)−メタノプロスタサイクリン類に誘導さ
れる。この反応は基本的にはテトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Lett.,23,3265(1982),M.Juliaら)の
方法に準じて実施される。使用される亜ジチオン酸塩と
しては亜ジチオン酸ナトリウムが好適に用いられる。そ
の使用量は式〔I〕で代表されるアリールスルホニルイ
ソカルバサイクリン類1モルに対して0.3〜50モル倍、
好ましくは1モル〜10モル倍用いて行なわれ、反応温度
は0℃〜250℃、好ましくは20℃〜150℃で実施され、反
応時間は反応温度,触媒の有無,反応溶媒により異なる
が、100℃で2時間から3時間程度である。
かかる反応は水および有機媒体中で行なわれる。かかる
有機媒体としてはヘキサン,ベンゼン,トルエン,テト
ラヒドロフラン,ジメトキシエタン,エーテルジオキサ
ン,塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素,N,N−ジ
メチルホルムアミド,メタノール,エタノール,イソプ
ロピルアルコール,などが用いられ、水と混じりあわな
い有機媒体を用いるときは相関移動触媒を用いる。水と
有機媒体の比は0.1:1〜1:0.1程度である。反応は塩基存
在下に行なわれ用いられる塩基は炭酸水素ナトリウム,
炭酸ナトリウム等が用いられ、その使用量は原料1モル
に対して0.5〜20モル倍、好ましくは1〜20モル倍であ
る。相関移動触媒としては4級アンモニウム塩を用いる
が、例えばメチルトリアルキル(C8〜C10)アンモニウ
ムクロリド等が用いられる。使用量は原料1モルに対し
て1〜5倍モルである。
かくして得られた反応液の処理は、通常行なわれる方法
に準じて後処理すればよい。例えばヘキサン,ペンタ
ン,石油エーテル,エチルエーテル,酢酸エチルなどの
水に難溶の有機溶媒を加えて得た有機混合物を必要に応
じて食塩水などで洗浄し、無水硫酸マグネシウム,無水
硫酸ナトリウム,無水塩化カルシウムなどの乾燥剤にて
乾燥後,有機媒体を減圧除去して粗生成物が得られる。
粗生成物は、所望により、カラムクロマトグラフイー,
薄層クロマトグラフイー,液体クロマトグラフイーなど
の精製手段により、精製することが出来る。
本発明方法ではさらにここで得られた生成物を、必要に
応じて脱保護反応,加水分解反応に付すことにより最後
的に下記式[II] 式中、R1は水素原子、またはC1〜C5のアルキル基を表わ
す。R2,R3は同一もしくは異なり、水素原子、またはト
リ(C1〜C7)炭化水素シリル基を表わす。R5は前記定義
に同じである。
で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合の混合物である9(O)−メタノプロスタサ
イクリン類が製造される。上記式[I′]で表わされる
化合物を上記式[II′]で表わされる化合物とする方法
においても同一の反応条件、後処理方法が用いられる。
水酸基の保護基の除去は、保護基が水酸基の酸素原子と
共にアセタール結合を形成する基の場合には、例えば酢
酸,P−トルエンスルホン酸のピリジニウム塩または陽イ
オン交換樹脂等を触媒とし、例えば水,テトラヒドロフ
ラン,エチルエーテル,ジオキサン,アセトン,アセト
ニトリル等を反応溶媒とすることにより好適に実施され
る。反応は通常−78℃〜+30℃の温度範囲で10分〜3日
間程度行なわれる。また、保護基がトリ(C1〜C7)炭化
水素シリル基の場合には、例えば酢酸,テトラブチルア
ンモニウムフルオライド,セシウムフルオライド,フツ
化水素水,ピリジン−フツ化水素の存在下に、上記した
ような反応溶媒中で同様の温度で同様の時間実施され
る。
かくして上記式〔I〕で代表されるアリールスルホニル
イソカルバサイクリン類を出発物として本発明方法によ
り上記式〔II〕で代表される9(O)−メタノプロスタ
サイクリン類が得られる。
<実施例> 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 ビニルスルホン体7.6mg(0.0104mmol)亜ジチオン酸ナ
トリウム14.3mg(0.082mmol)及び炭酸水素ナトリウム7
mg(0.082mmol)及びメチルトリオクチルアンモニウム
クロリド11mg(0.027mmol)をベンゼン:水=1:1(2ml
の溶液とし、80℃で有機層を無水硫酸マグネシウム上で
乾燥した。有機層を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグ
ラフイー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)に供し、イソ
カルバサイクリンメチルエステルジシリル体2.3mg(37
%)および原料回収3.6mg(47%)を単離した。イソカ
ルバサイクリンメチルエステルジシリル体は標品とTLC
C Rf=0.6,n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)HPLC(Zorb
ax-S:L:0.05%エタノール,ヘキサン1ml/分保持時間=1
2.8分)で一致した。
実施例2 ビニルスルホン体3.5mg(0.0048mmol),亜ジチオン酸
ナトリウム2.5mg(0.014mmol)および炭酸水素ナトリウ
ム2.4mgをDMF:水=1:1(1ml)の溶液とし、120℃に加熱
して2時間撹拌した。エーテル抽出を行ない、有機層を
シリカゲルカラムクロマトグラフイーに供し、イソカル
バサイクリンメチルエステルジシリル体にTLC C Rf=0.
6,n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で一致する部分を
得、実施例1と同様にHPLC分析したところ、イソカルバ
サイクリンメチルエステルジシリル体に一致した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01J 31/00 X 8017−4G C07B 61/00 300 C07F 7/18 Z 8018−4H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
    任意の割合の混合物であるアリールスルホニルイソカル
    バサイクリン類を亜ジチオン酸塩と反応せしめ、必要に
    より脱保護反応,加水分解反応に付すことを特徴とする
    下記式 [II] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
    任意の割合の混合物である9(O)−メタノプロスタサ
    イクリン類の製造法。
  2. 【請求項2】反応を相間移動触媒存在下に行なう特許請
    求の範囲第1項記載の9(O)−メタノプロスタサイク
    リン類の製造法。
  3. 【請求項3】相間移動触媒が4級アンモニウム塩である
    特許請求の範囲第2項記載の9(O)−メタノプロスタ
    サイクリン類の製造法。
  4. 【請求項4】4級アンモニウム塩がメチルトリオクチル
    アンモニウムクロリドである特許請求の範囲第3項記載
    の9(O)−メタノプロスタサイクリン類の製造法。
  5. 【請求項5】反応の溶媒が水およびベンゼン又はシクロ
    ヘキサン又はDMFである特許請求の範囲第1項〜第4項
    のいずれか1項記載の9(O)−メタノプロスタサイク
    リン類の製造法。
  6. 【請求項6】上記式[I]において、Arがフェニル基で
    ある特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項記載
    の9(O)−メタノプロスタサイクリン類の製造法。
  7. 【請求項7】上記式[I]において、R5がペンチル基,
    または2−メチルヘキシル基である特許請求の範囲第1
    項〜第6項のいずれか1項記載の9(O)−メタノプロ
    スタサイクリン類の製造法。
  8. 【請求項8】R11がメチル基であり、R21,R31がt−ブチ
    ルジメチルシリル基である特許請求の範囲第1項〜第7
    項のいずれか1項記載の9(O)−メタノプロスタサイ
    クリン類の製造法。
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