JP2788333B2 - シクロペンタノール類の製造法 - Google Patents

シクロペンタノール類の製造法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はδ,ε−不飽和アルデヒド類を出発原料とす
るシクロペンタノール類の製造法に関する。更に詳細に
はδ,ε−不飽和アルデヒド類を有機媒体中で2価のバ
ナジウム錯体反応させることにより還元的環化生成物で
あるシクロペンタノール類を製造する方法に関する。
<従来技術> カルバサイクリンは生体内整理活性物質であるプロス
タグランジン(PGと略記することがある)I2(PGI2)の
6,9α−位の酸素原子がメチレン基で置換されたプロス
タグランジンI2類縁体であり、分子内にエノールエーテ
ルの部分構造を有する天然のプロスタグランジンI2に比
較して化学的に安定であるために抗血栓剤等の医薬品と
して有用な化合物である。近年、カルバサイクリンの二
重結合異性体の一種であるイソカルバサイクリン、すな
わち、9(O)−メタノールΔ6(9α)−プロスタン
グランジンI1類が、この同族体の中でも最も強い血小板
凝集抑制作用を示すことが発見され、医薬品としての応
用が期待されるようになった[池上ら、テトラヘドロン
・レターズ(Tetrahedron Letters),33,3493および34
97(1983)参照]。
先に本発明者らはかかる9(O)−メタノール−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1(イソカルバサイク
リン)の鍵合成中間体として有用な2−ヒドロキシ−3
−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類とその製造法
を特許出願した(特開昭62−61937号公報参照)。
その概要は次の通りである。
この方法によればアリルアルコール(A)より3工程
をへてアリルアルコール(C)(2−ヒドロキシ−3−
メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類)に誘導される
が、この間の収率は50%で(A)の半分が失われること
になる。この為より効率的なアリルアルコール(C)
(6,7−二置換−2−ヒドロキシ−3−メチレンビシク
ロ[3.3.0]オクタン類)の合成法の開発が望まれてい
る。
また、先に本発明者らはかかる6,7−二置換−2−ヒ
ドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類
の製造法として、下記式(1′) で表わされるプロパルギルシクロペンタン類を、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を用いる還元剤によって
環化せしめる方法(特開昭62−258330号公報参照)およ
びヨウ化サマリウム(SmI2)によって環化せしめる方法
(特開平1−254635号公報参照)および光照射反応せし
める方法(特開平2−104542号公報参照)を特許出願し
たが、これらの方法を改良した、より効率的な合成法の
開発が望まれている。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明の目的は9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プ
ロスタグランジンI1類(イソカルバサイクリン類)の有
用な鍵中間体である2−ヒドロキシ−3−メチレンビシ
クロ[3.3.0]オクタン類の効率的な製造法を提供する
ことにある。
本発明者らは0(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロ
スタグランジンI1類(イソカルバサイクリン類)の有用
な鍵中間体である2−ヒドロキシ−3−メチレンビシク
ロ[3.3.0]オクタン類の、より効率的な製造法に見出
すべく鋭意研究した結果、上記式(1′)で表される
δ,ε−不飽和アルデヒド類の2価のバナジウム錯体と
反応せしめることにより目的とする2−ヒドロキシ−3
−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類が効率的に得
られることを見出し、本発明に到達したものである。
また、本発明の今一の目的は、上記記載の2価のバナ
ジウム錯体をδ,ε−不飽和アルデヒド類との反応に拡
張し、環化生成物であるシクロペンタノール類を得るた
めの一般的な合成法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明では下記式(1) で表わされるδ,ε−不飽和アルデヒド類を2価のバナ
ジウム錯体と反応せしめることを特徴とする下記式
(2) で表わされるシクロペンタノール類の製造法が提供さ
れ、本発明方法を下記式(1′) で表わされるδ,ε−不飽和アルデヒド類を出発原料と
して実施すると、下記式(2′) で表わされるイソカルバサイクリンI1類の鍵合成中間体
として有用なシクロペンタノール類の製造法が提供され
る。
上記式(1)においてR1,R2,R3は水素原子またはC1
C4アルキル基であるか、あるいはR1がR2、もしくはR3
結合してないし6員環を形成する基を表わし、Yは基 または、基−≡−R4を表わし、基中、R4は水素原子また
はC1〜C4アルコキシカルボニル基を表わす。
C1〜C4アルキル基としてはメチル基,エチル基,プロ
ピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,sec
−ブチル基,t−ブチル基などがあげられる。
R1がR2、もしくはR3と結合して5ないしは6員環を形
成する基としては、テトラメチレン基,ペンタメチレン
基,およびそれらのC1〜C4アルキル基置換体などがあげ
られる。なお、C1〜C4アルキル基としては上記にあげた
ものがそのまま好適にあげられる。
また、基 または、基−≡−R4中のR4においてC1〜C4アルコキシカ
ルボニル基としては、メトキシカルボニル基,エトキシ
カルボニル基,プロポキシカルボニル基,イソプロポキ
シカルボニル基,ブトキシカルボニル基,イソブチルオ
キシカルボニル基,sec−ブチルオキシカルボニル基,t−
ブトキシカルボニル基などがあげられる。
上記式(1)で表わされるδ,ε−不飽和アルデヒド
類の具体的な化合物は、上記のR1,R2,R3,およびR4に例
示した具体的な基の任意の組み合わせの化合物があげら
れるが、典型的には実施例に記載した化合物が特に好ま
しくあげられる。
上記式(1′)において、R5,R6は同一もしくは異な
り、水素原子,トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基,また
は1−アルコキシアルキル基を表わし、R7は水素原子ま
たはメチル基を表わし、R8は直鎖もしくは分岐鎖のC3
C8アルキル基,アルケニル基,またはアルキニル基,あ
るいはC5〜C6シクロアルキル基を表わし、nは0または
1を表わす。
R5,R6で表わされるトリ(C1〜C7)炭化水素シリル基
としては、例えばトリメチルシリル基,トリエチルシリ
ル基,トリイソプロピリシリル基,t−ブチルジメチルシ
リル基のようなトリ(C1〜C4)アルキルシリル基,t−ブ
チルジフェニルシリル基のようなジフェニル(C1〜C4
アルキルシリル基,ジメチルフェニル基のようなジ(C1
〜C4)アルキルフェニル基、またはトリベンジルシリル
基,トリフェニルシリル基などを好ましいものとして挙
げることができる。トリ(C1〜C4)アルキルシリル,ジ
フェニル(C1〜C4)アルキルシリル,フェニルジ(C1
C4)アルキルシリル基が好ましく、なかでもt−ブチル
ジメチルシリル基が特に好ましい。
R5,R6で表わされる1−アルコキシアルキル基として
は、それが結合する水酸基に由来する酸素原子とともに
アセタール結合を形成する基を意味し、例えばメトキシ
メチル基,1−エトキシエチル基,2−メトキシ−2−プロ
ピル基,2−エトキシ−2−プロピル基,(2−メトキシ
エトキシ)メチル基,ベンジルオキシメチル基,2−テト
ラヒドロピラニル基,2−テトラヒドロフラニル基,また
は6,6−ジメチル−3−オキサ−2−オキソビシクロ
[3.1.0]ヘキス−4−イル基を挙げることができる。
2−テトラヒドロピラニル基,2−テトラヒドロフラニ
ル,1−エトキシエチル,2−エトキシ−2−プロピル,
(2−メトキシエトキシ)メチル,6,6−ジメチル−3−
オキサ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキス−4−イ
ル基が特に好ましい。なかでも2−テトラヒドロピラニ
ル基が特に好ましい。
これらのシリル基およびアセタール結合を形成する基
は水酸基の保護基であると理解されるべきである。これ
らの保護基は最終生成物の段階で容易に除去されて薬剤
として有用な遊離の水酸基とすることができる。したが
ってこのような性状を有している水酸基を保護基はシリ
ル基やアセタール結合を形成する基の代わりとして使用
することができる。本発明の環化反応は中性で実施する
こともできるので、かかる保護基は反応中安定に存在す
ることができ、従って本質的に保護基を限定する必要は
ない。
R8で表わされる直鎖もしくは分岐鎖のC3〜C8アルキル
基としては、例えば、プロル基,ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,ヘプチル基,2−ヘキシル基,2−メチル
−2−ヘキシル基,2−メチルブチル基,2−メチルペンチ
ル基,2−メチルヘキシル基,2,2−ジメチルヘキシル基な
どを挙げることができる。ブチル基,ペンチル基,ヘキ
シル基,ヘプチル基,2−ヘキシル基,2−メチル−2−ヘ
キシル基,2−メチルブチル基,2−メチルペンチル基,2−
メチルヘキシル基が好ましい。
R8で表わされる直鎖もしくは分岐鎖のC3〜C8アルケニ
ル基としては、例えばアリル,1−ブチルビニル,2−プロ
ピルアリル,2−ペンテニル,4−ペンテニル,2−メチル−
3−ペンテニル,4−ヘキセニル,1,4−ジメチル−3−ペ
ンテニル,5−ヘプテニル,1−メチル−5−ヘキセニル,6
−メチル−5−ヘプテニル,2,6−ジメチル−5−ヘプテ
ニルなどが好ましい。
R8で表わされる直鎖もしくは分岐鎖のC3〜C8アルキニ
ル基としては、例えば、2−ブチル,2−ペンチニル,3−
ペンチニル,1−メチル−2−ペンチニル,1−メチル−3
−ペンチニルが好ましい。
R8で表わされるC5〜C6シクロアルキル基としてはシク
ロペンチル基,シクロヘキシル基が挙げられる。
上記式(1′)で表わされるδ,ε−不飽和アルデヒ
ド類の具体的な化合物は、上記のR5,R6,R7,R8,およびn
の任意の組み合わせの化合物が挙げられる。
上記式(1)で表わされるδ,ε−不飽和アルデヒド
類の内、後記の実施例に出発原料として用いられた化合
物につき、その製造法を図示すると、 上記式(1′)で表わされるδ,ε−不飽和アルデヒ
ド類は公知化合物で、その製造法は、例えば、特開昭62
−258330号公報などに記載されている。
本発明の製造法においては、上述した上記式(1)ま
たは上記式(1′)で表されるδ,ε−不飽和アルデヒ
ド類を2価のバナジウム錯体と、有機媒体中で反応せし
めることにより、それぞれ目的とする上記式(2)また
は上記式(2′)で表わされるシクロペンタノール類の
製造を達成することができる。
本発明の製造法に用いられる有機媒体としては、ジエ
チルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン,1,2−
ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、ヘキサン,ベ
ンゼン,トルエンなどの炭化水素系溶媒、塩化メチレ
ン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒など
が挙げられる。かかる有機媒体は単独に用いるほか、混
合媒体として用いてもよい。
かかる有機溶媒の使用量は、目的とする反応が円滑に
進行すれば特に大きな制限はないが、通常、上記式
(1)または(1′)で表わされるδ,ε−不飽和アル
デヒド類に対して1〜10,000倍容量、好ましくは10〜1,
000倍容量の範囲で実施される。
本発明の製造法における反応剤は2価のバナジウム錯
体である。2価のバナジウム錯体の調製はジョン H.フ
ロイデンベルガー(John H.Freudenberger)ら、ジャー
ナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.
Am.Chem.Soc.,)111,8014(1989)の報告により達成さ
れる。すなわち、反応系中で三塩化バナジウムのテトラ
ヒドロフラン錯体[VCl3(THF)]と亜鉛とを混合さ
せることにより調製できる。本報告では、こうして得ら
れた2価のバナジウム錯体をアルデヒド類のピナコール
交差カップリング反応に用いているが、δ,ε−不飽和
アルデヒド類の還元的環化反応を用いた例は未だ知られ
ていない。
上記式(1)または(1′)で表されるδ,ε−不飽
和アルデヒド類と2価のバナジウム錯体は、化学量論的
には等量反応を行なうが、2価値のバナジウム錯体が過
剰となってもさしつかえなく、通常、0.8〜10モル倍、
好ましくは1.0〜5.0モル倍、特に好ましくは1.0〜3.0モ
ル倍の範囲で実施される。
反応温度は−100℃〜50℃、好ましくは0℃〜25℃
(室温)の範囲が採用される。反応時間は、用いる2価
のバナジウム錯体の量や反応温度によって異なり、通
常、薄層クロマトグラフィーなどの分析手段を用いて、
出発原料の消失を追跡しながら実施するが、室温の反応
時間では48時間以内で反応は終結する。
反応終結後の目的物である上記式(2)または
(2′)で表わされるシクロペンタノール類の単離操作
は、通常の後処理手段、例えば、反応停止,抽出,洗
浄,乾燥,濃縮により得られた粗生成物を、クロマトグ
ラフィー,蒸留,再結晶などの精製手段により分離し、
製造される。
かくして、本発明の製造法によれば、下記式(2)ま
たは(2′)で表わされるシクロペンタノール類が製造
される。かかるシクロペンタノール類の具体例として
は、前記式(1)または(1′)で表わされるδ,ε−
不飽和アルデヒド類に対応する分子内環化生成物がその
ままあげられる。なお、上記式(2)において記号 は単結合もしくは二重結合を表わし、上記式(1)にお
いてYが基 の時は、対応する上記式(2)の記号 は単結合である生成物を与え、Yが−≡−R4の時は、対
応する上記式(2)の記号 は二重結合を表わす。
以上、本発明の製造法を詳細に説明したように、上記
式(1)または(1′)のδ,ε−不飽和アルデヒド類
を2価のバナジウム錯体と反応せしめる上記式(2)ま
たは(2′)のシクロペンタノール類の製造法は、次の
ような特徴を有している。すなわち、 (1)2価のバナジウム錯体を用いる分子内還元的環化
反応の最初の例であること。
(2)入手容易なバナジウム塩と亜鉛を用いること。
(3)反応が室温〜0℃の範囲で進行し、反応条件が温
和であること。
(4)反応が立体特異的に進行すること。
などであり、そのため、本発明の製造法は、高選択性,
好収率,短工程などといった諸点から効率的な製造法を
提供している。本発明の製造法によって得られるシクロ
ペンタノール類は、プロスタグラジン類をはじめ、各種
の有用天然物,医薬品,香料,農薬などの製造法の鍵反
応として有用である。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例1 乾燥アルゴン置換した10mlの側管付反応器にバナジウ
ム(III)錯体VCl(THF)(560mg,1.5mmol)を採
取し、その中に塩化メチレン(6ml)を加えた。このも
のに亜鉛(98mg,1.5mmol)を加え、室温下に30分間攪拌
し、バナジウム(II)錯体[V2Cl3(THF)[Zn2C
l6]の緑色の溶液を調製した。このバナジウム(II)錯
体溶液に(E)−7−オキソ−2−ヘプテン酸メチル
(76mg,0.5mmol)の塩化メチレン(1ml)溶液を室温下
に加え、20時間攪拌した。反応混合物に、冷5%酒石酸
水溶液を加えて反応を停止させた後、塩化メチレンで3
回抽出した。分液された有機層を飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で3回、次いで飽和食塩水で3回洗浄後、無水
硫酸ナトリウム上で乾燥し、別後溶媒を減圧留去し
た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に付して精製
し、油状のトランス−2−ヒドロキシシクロペンチル酢
酸メチル(51.3mg,0.34mmol,68%)を単一生成物として
得た。
IR(液膜,cm-1); 3360(OH),2958,1740(CO),1439,1346,1265,1197,1
178,1139,1096.1 H−NMR(500MHz,CDCl3,δppm); 1.16−1.26(m,1H),1.54−1.64(m,2H),1.67−1.77
(m,1H),1.91−1.99(m,2H),2.03−2.13(m,1H),2.3
6−2.48(m,2H),2.51(brs,1H,OH),3.68(s,3H,OM
e),3.81−3.84(m,1H,OCH).13 C−NMR(126MHz,CDCl3,δppm); 21.81,30.67,34.24,38.16,44.34,51.75,78,83,174.6
2. 実施例2 実施例1と同様にしてバナジウム(III)錯体VCl
(THF)(181mg,0.48mmol)と亜鉛(32mg,0.48mmol)
から調製したバナジウム(II)錯体の塩化メチレン溶液
に、2−アセトキシ−1−(3−ブテニル)シクロヘキ
サンカルボキシアルデヒド(36.2mg,0.16mmol)の塩化
メチレン溶液を室温下に加え、47時間攪拌した。反応終
了後、実施例1と同様に後処理し、得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=10:1)に対して精製し、6−アセトキシ−1−
ヒドロキシ−2−メチルスピロ[4.5]デカン(17.5mg,
0.08mmol,48%)を19%の原料回収とともに得た。
IR(液膜,cm-1); 3424(OH),2942,2868,1717(CO),1450,1379,1257,1
029,737.1 H−NMR(200MHz,CDCl3,δppm); 1.05−2.30(m,15H),2.34(brs,1H,OH),2.09,2.13
(s,3H,COCH3),3.24(dd,1H,3=12.0,4.3Hz),3.68−
3.87(m,1H),4.88−5.08(m,1H).13 C−NMR(50MHz,CDCl3,δppm); 19.58+19.72,21.13+21.17,22.81+23.11,24.48+2
4.53,26.57+26.92,28.33,30.89,38.16+38.48,42.02,5
6.33,59.33,65.40,69.41,74.06+74.17,172.60. 実施例3 実施例1と同様にして、バナジウム(III)錯体VCl
(THF)(560mg,1.50mmol)と亜鉛(98mg,1.50mmo
l)から調製したバナジウム(II)錯体の塩化メチレン
溶液に、7−オキソ−2−ヘプチン酸メチル(77mg,0.5
mmol)のテトラヒドロフラン溶液を氷冷下に加え、20時
間攪拌した。反応終了後、実施例1と同様に後処理し、
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に付して精製し、2
−ヒドロキシシクロペンチリデン酢酸メチル(42.7mg,
0.27mmol,55%)を得た。
IR(液膜,cm-1); 3400(OH),2958,2880,1715(CO),1663,1437,1361,1
305,1209,1143,1100,1025,866.1 H−NMR(500MHz,CDCl3,δppm); 1.48−1.65(m,2H),1.65(brs,1H,OH),1.84−1.92
(m,1H),2.02−2.08(m,1H),2.74−2.90(m,2H),3.6
9(s,3H,OMe),4.46−4.51(m,1H,OCH),5.95−5.97
(m,1H,CH=C).13 C−NMR(126MHz,CDCl3,δppm); 21.07,30.22,34.60,51.07,76.36,112.73,167,35,168.
14. 実施例4 乾燥アルゴン置換した10mlの側管付反応器にバナジウ
ム(III)錯体VCl(THF)(221mg,0.6mmol)を秤
取し、その中に塩化メチレン(6ml)を加えた。このも
のに亜鉛(39mg,0.6mmol)を加え、室温下に30分間攪拌
し、バナジウム(II)錯体[V2Cl3(THF)[Zn2C
l6]の緑色溶液を調製した。このバナジウム(II)錯体
溶液に(1S,2R,3R,4R)−4−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ−3−{(S,E)−3−t−ブチルジメチルシ
リルオキシ−1−オクテニル}−2−(2−プロピニ
ル)シクロペンタンカルボキシアルデヒド(100mg,0.2m
mol)の塩化メチレン(1ml)溶液を氷冷下に加え、3時
間攪拌した。反応終了後、実施例1と同様に後処理し、
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に供給して生成し、
油状の環化生成物を2種のジアステレオマー(合計42.6
mg,0.086mmol,43%)の形で得た。
低極性異性体(6.9mg,0.014mmol,7%)−(1S,2S,5R,
6R,7R)−7−t−ブチルジメチルシルルオキシ−6−
{(S,E)−3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1
−オクテニル}−2−ヒドロキシ−3−メチレンジシク
ロ[3.3.0]オクタン; ▲[α]23 D▼+32.1゜(C0.74,MeOH)。
IR(液膜,cm-1); 3420,3080,1665,1255,1110,1000,965,935,835,770.1 H−NMR(CDCl3,δppm); 0−0.1(12H),0.8−1.0(21H),1.2−1.35(6H,
m),1.35−1.55(2H,m),1.61−1.70(1H,m),1.82−1.
91(1H,m),1.98−2.05(1H,m),2.10−2.24(2H,m),
2.35−2.45(1H,m),2.63−2.73(1H,m),3.86(1H,q,J
=6Hz),4.03(1H,m),4.36(1H,d,J=8.7Hz),4.95(1
H,bs),5.06(1H,bs),5.43(2H,m).13 C−NMR(CDCl3,δppm); −4.7,−4.6,−4.5,14.1,18.1,18.3,22.7,25.1,25.9,
26.0,31.9,34.3,35.4,38.6,43.6,44.3,57.9,73.3,74.6,
79.2,106.6,130.8,134.1,153.7. EI−MS(m/e); 451(M−57),433,359. 高分解能MS; 測定値 451.3058 (計算値 451.3063,C25H47O3Si2). 高極性異性体(35.7mg,0.072mmol,36%)−(1S,2R,5R,
6R,7R)−7−t−ブチルジメチルシリルオキシ−6−
{(S,E)−3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1
−オクテニル}−2−ヒドロキシ−3−メチレンビシク
ロ[3.3.0]オクタン; ▲[α]23 D▼−15.5゜(C0.84,MeOH)。
IR(液膜,cm-1); 3350,3080,1660,1460,1258,1115,1000,968,935,835,7
75.1 H−NMR(CDCl3,δppm); 0−0.1(12H),0.8−1.0(21H),1.20−1.36(7H,
m),1.36−1.54(2H,m),1.88−1.97(1H,m),2.08(1
H,d,J=15Hz),2.12−2.30(3H,m),2.61−2.70(1H,
m),3.76(1H,m),4.04(1H,m),4.16(1H,bs),4.96
(1H,bs),5.08(1H,bs),5.46(2H,m).13 C−NMR(CDCl3,δppm); −4.6,−4.5,−4.4,14.1,18.2,18.3,22.7,25.2,25.9,
26.0,31.9,35.2,38.7,39.2,43.0,47.2,56.9,73.2,78.4,
82.0,108.5,130.5,134.6,153.9. EI−MS(m/e); 451(M−57),319,305. 高分解能MS; 測定値 451.3115 (計算値 451.3063,C25H47O3Si2).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07F 7/18 C07F 7/18 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 35/06 C07C 35/31 C07C 29/56 C07C 29/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) で表わされるδ,ε−不飽和アルデヒド類を2価のバナ
    ジウム錯体と反応せしめることを特徴とする下記式
    (2) で表わされるシクロペンタノール類の製造法。
  2. 【請求項2】下記式(3) で表わされるδ,ε−不飽和アルデヒド類を2価のバナ
    ジウム錯体と反応さしめることを特徴とする下記式
    (4) で表わされるシクロペンタノール類の製造法。
  3. 【請求項3】2価のバナジウム錯体が3価のバナジウム
    錯体と亜鉛とから調製される2価のバナジウム錯体であ
    る請求項1または2記載のシクロペンタノール類の製造
    法。
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