JPH0411539B2 - - Google Patents

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JPH0411539B2
JPH0411539B2 JP60273051A JP27305185A JPH0411539B2 JP H0411539 B2 JPH0411539 B2 JP H0411539B2 JP 60273051 A JP60273051 A JP 60273051A JP 27305185 A JP27305185 A JP 27305185A JP H0411539 B2 JPH0411539 B2 JP H0411539B2
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hydrogen atom
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Furan Compounds (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール基
を表わし、R4は水素原子又は水酸基のアセター
ル型保護基を表わし、R21はR4が水素原子を表わ
す場合に低級アルカノイル基を表わし、R4が水
酸基のアセタール型保護基を表わす場合に水素原
子又は低級アルカノイル基を表わす) で示されるスルホン及びその製造方法に関する。 本発明によつて提供される一般式()で示さ
れるスルホンは後述するように医薬、飼料添加剤
として使用されているビタミンA及びそのアセテ
ート、パルミテートに代表されるカルボン酸エス
テルの合成中間体として有用である。 〔従来の技術〕 従来、ビタミンA又はそのカルボン酸エステル
は次に示すような方法により製造されることが知
られている。 〔式中、Acはアセチル基を表わす;Helvetica
Chimica Acta,30,1911(1947)参照〕 〔式中、Phはフエニル基を表わし、Xはハロゲ
ン原子を表わし、Acはアセチル基を表わす;
Chemie Ingeniuor Technik,45,646(1973)参
照〕 〔式中、Rはアリール基を表わし、Mはナトリウ
ム又はリチウムを表わし、Acはアセチル基を表
わす;Helvetica Chimica Acta,59,Fasc.2,
387(1976)参照〕 〔式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表わし、
Arはアリール基を表わし、Buはブチル基を表わ
す;J.Org.Chem,41,3287(1976)参照〕 また、ビタミンA酸メチルの製造方法として、
最近、本発明者らとその共同研究者らによつて下
記のような方法が提案されている。 〔式中、Ph、Bu、p−Ts、R及びEtはそれぞれ
フエニル基、ブチル基、トシル基、テトラヒドロ
ピラン−2−イル基及びエチル基を表わし、
THFはテトラヒドロフランを意味する;J.Am.
Chem.Soc.,106,3670(1984)参照〕 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来のビタミンA又はそのカルボン酸エス
テルの製造方()〜()はいずれもβ−イオ
ノンを出発原料としている。このβ−イオノンは
プソイドイオノンを濃硫酸を大量に用いて閉環反
応させることにより工業的に製造されているが、
収率がそれほど高くないこと、副生するα−イオ
ノンなどとの蒸留分離の困難さなどから必ずしも
安価に入手できる工業原料ではない。 また、上記()のビタミンA酸メチルの製造
方法は、全トランスに立体規制された7−ホルミ
ル−3−メチル−2,6−オクタジエンカルボン
酸メチルを使用するにもかかわらず、最終的には
全トランス体と13−シス体との1対1の混合物で
あるビタミンA酸メチルを与える。従つて、この
方法により得られるビタミンA酸メチルを常法に
より還元したとしても立体規制されたビタミンA
は得られない。 しかして、本発明の1つの目的は安価にかつ容
易に入手できる工業原料から好収率でかつ容易に
製造でき、しかもビタミンA又はそのカルボン酸
エステルに高収率でかつ容易に誘導される新規な
化合物を提供するにある。本発明の他の1つの目
的は立体規制されたビタミンA又はそのカルボン
酸エステルを製造するための合成中間体として有
用な新規な化合物を提供することにある。また、
本発明のもう1つの目的はその新規な化合物を製
造する方法を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明によれば、上記の目的は、前記一般式
()で示されるスルホンを提供することによつ
て達成され、また一般式 (式中、R1は前記定義のとおりである)で示さ
れる化合物と一般式 (式中、R2は低級アルカノイル基を表わす)で
示される化合物とを塩基の存在下に反応させるこ
とにより一般式 (式中、R1及びR2は前記定義のとおりである)
で示される化合物を得、ついで必要に応じて該一
般式(−1)で示される化合物に水酸基のアセ
タール型保護基を導入し、さらに必要に応じて生
成する化合物を非酸性条件下に加溶媒分解せしめ
ることを特徴とする一般式()で示されるスル
ホンの製造方法を提供することによつて達成され
る。 上記の一般式におけるR1、R2、R21及びR4を詳
しく説明する。R1は置換されていてもよいアリ
ール基を表わし、ここで置換基としては、例えば
メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、
イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−
ブチルなどの低級アルキル基;メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、イソブト
キシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどの低級
アルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲ
ン原子などが挙げられる。また、置換基はオルト
位、メタ位又はパラ位のいずれの位置にあつても
よく、1個又は2個以上の複数個であつてもよ
い。置換されていてもよいアリール基の具体例に
は、フエニル基、o−トリル基、m−トリル基、
p−トリル基、p−エチルフエニル基、p−n−
プロピルフエニル基、p−イソプロピルフエニル
基、p−n−ブチルフエニル基、2,4−ジメチ
ルフエニル基、p−メトキシフエニル基、2,4
−ジメトキシフエニル基、p−クロルフエニル
基、p−プロムフエニル基などが挙げられる。こ
れらのうち、R1として特に好適なものはフエニ
ル基及びp−トリル基である。R2は低級アルカ
ノイル基を表わし、R4は水素原子又は水酸基の
アセタール型保護基を表わす。R21はR4が水素原
子を表わす場合に低級アルカノイル基を表わし、
R4が水酸基のアセタール型保護基を表わす場合
に水素原子又は低級アルカノイル基を表わす。
R2及びR21が表わす低級アルカノイル基として
は、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニ
ル基、ブチリル基などが挙げられる。また、水酸
基のアセタール型保護基は、化学反応に際して水
酸基の反応性を一時的に遮蔽するために使用され
る通常のアセタール型保護基が好ましく、具体的
にはテトラヒドロピラン−2−イル基、4−メチ
ルテトラヒドロピラン−2−イル基;テトラヒド
ロフラン−2−イル基;メトキシメチル、1−メ
トキシエチル、1−エトキシエチル、1−n−プ
ロポキシエチル、1−n−ブトキシエチルなどの
低級アルコキシアルキル基などである。なお、本
明細書中、「低級」なる語は、この語が付された
基又は化合物の炭素原子数は6個以下、好ましく
は4個以下であることを意味する。 本発明に従う一般式()で示される化合物と
一般式()で示される化合物との反応は塩基の
存在下に行なわれる。一般式()で示される化
合物は一般に一般式()で示される化合物1モ
ルに対して約0.1〜10モル、好ましくは約1〜2
モルの範囲内で使用される。反応系内に存在させ
うる塩基は該一般式()で示される化合物にお
いて−SO2R1基が結合している炭素原子にカルボ
アニオンを発生させる能力のある塩基であり、例
えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウムなど
の有機リチウム化合物;メチルマグネシウムクロ
ライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチル
マグネシウムクロライド、エチルマグネシウムプ
ロマイドなどの有機マグネシウムハライド(グリ
ニヤール試薬);水素化リチウム、水素化ナトリ
ウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素
化物;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリ
ウムアミドなどのアルカリ金属アミド;リチウム
メトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメ
トキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−
ブトキシドなどのアルカリ金属の低級アルコキシ
ドなどである。これら塩基の使用量は臨界的では
なく、用いる塩基の種類などに応じて変えること
ができるが、一般的にいえば、一般式()で示
される化合物1モルに対して約0.1〜1モル、好
ましくは0.5〜1モルの範囲内で変えることがで
きる。この反応は通常溶媒中で行なわれ、用いう
る溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、ベ
ンゼン、トルエンなどの脂肪族又は芳香族炭化水
素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの鎖状
又は環状エーテル;ジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキ
サメチルホスホリルトリアミドなどの中から用い
る塩基との組合わせにおいて適宜選ばれる。反応
は用いる塩基によつても異なるが、通常約−100
℃〜150℃、好ましくは約−80℃〜50℃の温度範
囲内で行なわれる。また反応はヘリウム、窒素、
アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行なうのが
有利である。反応時間は採用した塩基、溶媒、反
応温度などによつて変化するが、例えば塩基とし
てn−ブチルリチウムを使用し、テトラヒドロフ
ラン溶媒中で約−80℃〜−50℃の温度で反応を行
なう場合には約2〜6時間である。 反応混合液からの一般式(−1)で示される
化合物の分離回収は通常の方法により行なうこと
ができる。例えば、反応混合液を水、塩化アンモ
ニウム水溶液、希塩酸などに注いだのち、有機層
を分離し、その有機層を必要によりこれについて
水洗及び/又は無水硫酸ナトリウムでの乾燥及
び/又は溶媒の減圧下での留去を行なつたのち、
再結晶、クロマトグラフイーなどの精製手段に付
することにより一般式(−1)で示される化合
物を単離する。 一般式(−1)で示される化合物に水酸基の
アセタール型保護基を導入し、必要に応じて生成
する化合物を非酸性条件下に加溶媒分解せしめる
ことにより一般式 (式中、R1は前記定義のとおりであり、R3は水
酸基のアセタール型保護基を表わし、R21は水素
原子又は低級アルカノイル基を表わす)で示され
る化合物が製造される。 一般式(−1)で示される化合物のR21が低
級アルカノイル基を表わす場合の一般式(−
2)で示される化合物への変換は、例えば、一般
式(−1)で示される化合物と3,4−ジヒド
ロ−2H−ピラン、4−メチル−3,4−ジヒド
ロ−2H−ピラン、2,3−ジヒドロフラン、低
級アルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル
類とを酸性触媒の存在下に反応させるか、又は一
般式(−1)で示される化合物に五酸化リンな
どの存在下にメチラールを作用させることにより
行なわれる。一般式(−1)で示される化合物
とビニルエーテル類との反応は、必ずしも溶媒中
で行なうことを必要としないが、通常は塩化メチ
レン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ベンゼンなどの溶媒中で行なうのが好ましい。酸
性触媒としては、例えば、p−トルエンスルホン
酸若しくはそのピリジン塩、硫酸、塩酸などを使
用することができるが、p−トルエンスルホン酸
若しくはそのピリジン塩を使用するのが好まし
い。この反応において、ビニルエーテル類として
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、4−メチル−
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン又は2,3−ジ
ヒドロフランを用いる場合には、それぞれ一般式
(−2)においてR21が低級アルカノイル基で
ありかつR3がテトラヒドロピラン−2−イル基、
4−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基又は
テトラヒドロフラン−2−イル基である化合物が
得られる。またビニルエーテル類としてメチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどの低
級アルキルビニルエーテルを用いる場合には、一
般式(−2)においてR21が低級アルカノイル
基でありかつR3が1−低級アルコキシエチル基
である化合物が得られる。他方、一般式(−
1)で示される化合物に五酸化リンなどの存在下
にメチラールを作用させることにより、一般式
(−2)においてR21が低級アルカノイル基で
ありかつR3がメトキシメチル基であり化合物が
得られる。 上記の各反応により得られたR21が低級アルカ
ノイル基を表わす場合の一般式(−2)で示さ
れる化合物の反応混合物からの分離回収は通常の
方法により行なうことができる。例えば、反応混
合物を水に注いだのち、ベンゼン、ジエチルエー
テル、酢酸エチルなどで抽出し、抽出液を水洗し
て無水硫酸ナトリウムで乾燥する。ついで、抽出
液から低沸点物を減圧下に留去し、その残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイーに付すること
によりR21が低級アルカノイル基を表わす場合の
一般式(−2)で示される化合物を単離するこ
とができる。 このようにして得られるR21が低級アルカノイ
ル基を表わす場合の一般式(−2)で示される
化合物はそのまま後述のビタミンAの合成反応に
付することができ、又は所望により該化合物を非
酸性条件下に加溶媒分解せしめ、生成するR21
水素原子を表わす場合の一般式(−2)で示さ
れる化合物を後述のビタミンAの合成反応に付す
ることもできる。非酸性条件下での加溶媒分解反
応は、例えばメタノール、エタノールなどのアル
コール類;又はこれらのアルコール類と水及び/
又はベンゼン、トルエンなどの炭化水素類との混
合物などの溶媒中で、好ましくはアルカリ金属の
水酸化物又は炭酸塩の存在下に行なわれる。アル
カリ金属の水酸化物又は炭酸塩としては、例え
ば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
リチウム、炭酸カリウムなどが使用される。アル
カリ金属の水酸化物又は炭酸塩の使用量はR21
低級アルカノイル基を表わす場合の一般式(−
2)で示される化合物に対して約1〜2当量の範
囲内が好適である。溶媒の使用量はR21が低級ア
ルカノイル基を表わす場合の一般式(−2)で
示される化合物の濃度が約0.1〜10モル/とな
る程度の量であることが好ましい。溶媒としてア
ルコール類と水及び/又は炭化水素類との混合物
を使用する場合には、該水及び/又は炭化水素類
は反応系が相分離を起こさない程度に用いること
が好ましい。反応は約−10℃〜30℃の温度範囲内
で行なうのが適当である。この反応により得られ
るR21が水素原子を表わす場合の一般式(−
2)で示される化合物の反応混合物からの分離
は、通常の方法により行なうことができる。例え
ば、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液、
希塩酸、希硫酸などを加えて残存するアルカリ金
属の水酸化物又は炭酸塩を中和し、必要に応じて
溶媒として用いたアルコール類を留去し、その残
渣に水を加えたのち、ベンゼン、塩化メチレン、
ジエチルエーテル、酢酸エチルなどで抽出し、抽
出液を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
次いで、抽出液から必要に応じて低沸点物を減圧
下に留去し、その残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフイーに付することによりR21が水素原子
を表わす場合の一般式(−2)で示される化合
物を単離することができる。 上記一般式(−1)で示される化合物の製造
において出発原料として使用する一般式()で
示される化合物はそれ自体既知の化合物であり
(特許第1168158号参照)、安価な工業原料である
リナロールから好収率でかつ容易に製造すること
ができる。例えば、一般式()においてR1
フエニル基である化合物は次の方法により製造さ
れる。 すなわち、リナロールに塩化チオニルを作用さ
せることによりゲラニルクロライドを得、該ゲラ
ニルクロライドとフエニルスルフイン酸ナトリウ
ムとを反応させることによりゲラニルフエニルス
ルホンを得る。ゲラニルフエニルスルホンを酸触
媒、例えば硫酸と酢酸との混合酸の存在下に閉環
反応させることによりβ−シクロゲラニルフエニ
ルスルホンを得る。なお、閉環反応の際にβ−シ
クロゲラニルフエニルスルホンの異性体であるα
−シクロゲラニルフエニルスルホンが副生するこ
とがあるが、両者の生成混合物をヘキサンなどの
溶媒中で晶析することにより高純度のβ−シクロ
ゲラニルフエニルスルホンを得ることができる。
また、α−シクロゲラニルフエニルスルホンはこ
れを上記の閉環反応系にもどすことにより目的と
するβ−シクロゲラニルフエニルスルホンに変換
される。リナロールからのβ−シクロゲラニルフ
エニルスルホンの合計収率は通常約70〜90%であ
る。 またもう一方の出発原料である一般式()で
示される化合物もリナロールから好収率でかつ容
易に製造することができる。例えば、一般式
()においてR2がアセチル基である化合物は次
の方法により製造される。 すなわち、リナロールに無水酢酸を作用させる
ことにより、ゲラニルアセテートを得、該ゲラニ
ルアセテートを例えば、エタノール溶媒中で還流
下に二酸化セレンに作用させることにより目的と
する8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6
−オクタジエナールを得る。リナロールからの8
−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6−オク
タジエナールの合成収率は通常約60〜80%であ
る。 上記の如くして製造される一般式(−1)で
示される化合物及び一般式(−2)で示される
化合物、すなわち一般式()で示されるスルホ
ンは従来の文献に未載の新規な化合物である。一
般式(−1)で示される化合物のうち、R1
してはフエニル基又はp−トリル基であるもの
が、そしてR2としてはアセチル基であるものが
好適である。また一般式(−2)で示される化
合物のうち、R1としてはフエニル基又はp−ト
リル基であるものが、そしてR21としては水素原
子又はアセチル基であるものが、さらにR3とし
てはメトキシメチル基、1−エトキシエチル基、
1−n−ブトキシエチル基、テトラヒドロピラン
−2−イル基又は4−メチルテトラヒドロピラン
−2−イル基であるものが好適である。 一般式(−2)で示される化合物を塩基で処
理することにより式 で示されるビタミンAが製造される。この処理に
用いられる塩基としては、例えばカリウムメトキ
シド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポ
キシド、カリウムn−プロポキシド、カリウムn
−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸
化カリウムなどのカリウムの低級アルコキシド及
び水酸化物が挙げられる。かかる塩基の使用量は
臨界的ではなく、用いる塩基の種類などに応じて
広範囲にわたり変えることができるが、一般には
一般式(−2)で示される化合物1モルに対し
て約2〜30モル、好ましくは約2〜10モル、さら
に好ましくは約3〜6モルの範囲内とすることが
できる。この反応はヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの脂肪族又は
芳香族の炭化水素などの溶媒中で行なうのが好ま
しい。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、ま
た2種以上の混合溶媒として用いてもよい。溶媒
の使用量もまた臨界的ではないが、一般的には該
溶媒中における一般式(−2)で示される化合
物の濃度が約0.05〜1モル/、好ましくは約
0.1〜0.5モル/の範囲内となるような量で用い
るのが有利である。上記の処理の際の温度は用い
る塩基の種類などに応じて変えることができる
が、一般には約0〜100℃、好ましくは約20〜80
℃の範囲内の温度が適当である。また、この処理
は通常、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性
ガス雰囲気中で行なうのが好ましい。 上記の塩基での処理・反応により、一般式(
−2)で示される化合物からビタミンAが高収率
で生成する。生成するビタミンAの反応混合物か
らの分離回収はそれ自体既知の方法で行なうこと
ができる。例えば、反応混合物を水、塩化アンモ
ニウム水溶液などに加え、有機層を分離し、この
有機層について必要により水洗及び/又は無水硫
酸ナトリウムでの乾燥及び/又は溶媒の減圧下で
の留去を行なうことにより、ビタミンAを分離す
ることができる。必要に応じてさらに、このよう
にして分離されたビタミンAを再結晶などの精製
手段に付することにより高純度のビタミンAを取
得することができる。 また上記の如くして得られるビタミンAを通常
の方法によりアシル化することによりビタミンA
のカルボン酸エステルに誘導することができる。
このアシル化反応は上記のビタミンAの生成反応
によつて得られた反応混合物から分離されたビタ
ミンAを含有する有機層又は該有機層から前述の
如くして分離又はさらに精製されたビタミンAに
好適には有機溶媒中で第3級アミンの存在下にア
シル化剤を作用させることにより行なわれる。ア
シル化剤としては、例えば、無水酢酸、塩化アセ
チル、塩化パルミトイルなどが使用される。アシ
ル化剤の使用量はビタミンAに対して約1〜10当
量、特に1〜3当量の範囲内が好ましい。有機溶
媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの
炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエ
タンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル
類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類な
どが使用され、これらの有機溶媒はビタミンAの
濃度が約0.1〜5モル/となる程度の量を使用
することが好ましい。第3級アミンとしては、例
えば、トリエチルアミン、ピリジンなどが使用さ
れる。これらの第3級アミンはビタミンAに対し
て約1〜10当量用いることが好ましいが、さらに
過剰量を用いることによつて該第3級アミンに有
機溶媒として役割を兼ねさせることもできる。該
アシル化反応は一般に約−10℃〜30℃の温度範囲
内で行なうのが好適である。反応終了後、反応混
合物から必要に応じて沈澱物を濾別したのち、該
反応混合物に希硫酸、水、飽和重曹水などを加
え、有機層を分離する。得られた有機層を、必要
により、適宜水洗、乾燥、溶媒留去などの前処理
を行なうことによりビタミンAのカルボン酸エス
テルを分離することができる。必要に応じてさら
に、このものを再結晶などの精製手段に付するこ
とにより高純度のビタミンAのカルボン酸エステ
ルを得ることができる。 以上述べた方法により一般式(−2)で示さ
れる化合物から誘導されるビタミンA及びそのカ
ルボン酸エステルの立体構造は、本発明の方法に
おいて原料として使用する一般式()で示され
る化合物の立体構造に依存する。 (式中、R2は前記定義のとおりである) すなわち、一般式()において2位及び6位
の炭素−炭素二重結合に基づく立体構造がともに
トランス(E)に規制されている化合物を使用する場
合には、全トランスに立体規制されたビタミン
A、さらにはそのカルボン酸エステルが優先的に
得られ、また一般式()において2−位の炭素
−炭素二重結合に基づく立体構造がトランス(E)に
規制され、6位のそれがシス(Z)に規制されて
いる化合物を使用する場合には、13−位の炭素−
炭素二重結合に基づく立体構造がシスに規制され
たビタミンA、さらにはそのカルボン酸エステル
が優先的に得られる。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。 実施例 1 窒素ガスで置換した200ml容三つ口フラスコに
β−シクロゲラニルフエニルスルホン(1〜)
10.80g(38.3mmol)及びトルエン100mlを入れ、
ついでエチルマグネシウムブロミドのジエチルエ
ーテル溶液(1.06mol/)24.2ml(25.6mmol)
を内温20〜25℃で滴下した。滴下終了後、内温40
〜45℃で3時間撹拌した。次に、内温が−40〜−
30℃となるように冷却し、この溶液に8−アセト
キシ−2,6−ジメチル−2(E),6(E)−オクタジ
エン−1−アール(2〜−1)4.02g(19.1mmol)
のトルエン10mlの溶液を滴下した。滴下終了後、
同温度にてさらに2時間激しく撹拌した。反応混
合物に10%塩酸水溶液を加え、トルエン層を分離
した。このトルエン層を水洗し、さらに飽和塩化
ナトリウム水溶液で洗滌し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。このトルエン層からトルエンを留
去し、その残渣をシリカゲルを用いたカラムクロ
マトグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢酸エチル
との容量比7対3の混合液)により精製し、無色
透明の油状物(3〜−1)8.46gを得た。このもの
は下記の機器分析データにより、1−アセトキシ
−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−9−フエニルスルホニル−2(E),6(E)−
ノナジエンのジアステレオマーの混合物であるこ
とを確認した。収率91%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.61〜2.03(m,28H);2.87(br,1H);3.95,
4.20(d,合して1H);4.50(d,2H);4.85,
4.97(d,合して1H);5.25,5.62(m,合して
2H);7.40〜8.03(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1735 (C=O),1140(SO2) FD−MASSm/e:488(M+ 100ml容なす形フラスコに化合物(3〜−1)
2.67g(5.5mmol)及びメチラール9.65ml(110
mmol)を入れ、撹拌して溶液とした。この溶液
に五酸化リン0.22g(1.54mmol)を添加して室
温下で撹拌した。五酸化リン添加の2時間後及び
5時間後にそれぞれ五酸化リン0.21gを加えて24
時間反応させた。分液ロートに飽和重曹水を入
れ、この中に反応混合物の溶液部分を加えて分液
した。一方、その残渣にトルエンと飽和重曹水と
を加え、撹拌することによりタール分を溶解させ
た。得られた水層と有機層とを分液ロートに移し
て分液した。有機層を合し、飽和重曹水で洗滌
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸
マグネシウムを濾別したのち、40℃で溶媒を留去
することにより赤色の油状物を得た。この油状物
をシリカゲルクロマトグラフイー(展開液:酢酸
エチルとヘキサンとの容量比1対6〜1対4の混
合液)に付することにより、生成物2.68gを得
た。このものは下記の機器分析データにより、1
−アセトキシ−3,7−ジメチル−8−メトキシ
メトキシ−9−フエニルスルホニル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−2(E),6(E)−ノナジエン(4〜)であるこ
とを確認した。収率92%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.69〜1.99(m,28H);3.16,3.35(s,
3H);3.96〜5.60(m,8H):7.38〜8.01(m,
5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1730(C=O),1140
(SO2) FD−MASSm/e:532(M+ 100ml容なす形フラスコに化合物(4〜)2.68g
(5.04mmol)及びメタノール11mlを入れて溶液
としたのち、この溶液に、水酸化ナトリウム0.33
gを加えて室温下で1.5時間撹拌した。反応混合
液を分液ロートへ移し、これに大量の水及びトル
エンを加えて抽出した。トルエン抽出液を飽和塩
化アンモニウム水及び水で洗滌し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾
別したのち、40℃のトルエンを減圧下に留去し
て、赤色の油状物を得た。この油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフイー(展開液:酢酸エチ
ルとヘキサンとの容量比1対4〜1対1の混合
液)に付することにより、生成物2.34gを得た。
このものは下記の機器分析データにより、1−ヒ
ドロキシ−3,7−ジメチル−8−メトキシメト
キシ−9−フエニルスルホニル−9−(2,6,
6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イ
ル)−2(E),6(E)−ノナジエン(5〜)であること
を確認した。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.68〜2.04(m,26H);3.15,3.36(s,
3H);3.95〜5.60(m,8H):7.40〜8.00(m,
5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1140(SO2) 参考例 1 窒素ガス雰囲気下、50ml容褐色なす形フラスコ
に実施例1で得た化合物(5〜)0.5121g(1.05m
mol)及びトルエン5mlを入れ、撹拌して溶液と
した。この溶液にカリウムメトキシド0.21g
(3.15mmol)を加え、室温で5分間、さらに40
℃で2時間撹拌した。反応混合物にヘキサン20ml
及び水15mlを加え、得られた混合液を分液ロート
に移して分液した。水槽をヘキサン15mlで抽出し
た。ヘキサン層を合し、水で2回洗滌したのち、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグ
ネシウムを濾別し、35℃で減圧下に溶媒を留去し
て、オレンジ色の油状物(6〜−1)を得た。この
もののIRスペクトルは市販のビタミンAのそれ
と一致した。 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色なす形フラス
コに上記の油状物、ヘキサン4ml及びトリエチル
アミン1.1mlを入れ、氷水浴で冷却した。この混
合物に無水酢酸0.68mlを加え、冷却下に20分間、
さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合物にヘ
キサン25mlを加え、氷水浴中で冷却したのち、こ
れに飽和重曹水10mlを加えた。15分間撹拌したの
ち、混合物を分液ロートに移し、これにヘキサン
15ml及び飽和重曹水10mlを加えて分液した。ヘキ
サン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し
たのち、溶媒を35℃で減圧下に留去して、オレン
ジ色の油状物0.3723gを得た。このものは高速液
体クロマトグラフイー分析(カラム:μ−ポラシ
ル、展開液:ヘキサンとイソプロピルエーテルと
の容量比9対1の混合液)の結果、ビタミンAア
セテート(7〜−1)(全トランス体比率95%)を
0.2755g含んでいた。化合物(5〜)からの合計収
率は80%であつた。 実施例 2 アルゴンガスで置換した200ml容フラスコにβ
−シクロゲラニルフエニルスルホン(1〜)5.00g
(18.0mmol)及びテトラヒドロフラン60mlを入
れ、−78℃に冷却したのち、n−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(1.5mol/)6.6ml(9.9mmol)
を滴下し、同温度で3時間撹拌した。次に、この
溶液中に8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2
(E),6(E)−オクタジエン−1−アール(2〜−1)
1.89g(9.0mmol)のテトラヒドロフラン15mlの
溶液を−78℃で滴下し、同温度で2時間撹拌し、
さらに−50℃で2時間撹拌した。−78℃に冷却し
たのち、反応混合物に水を加え、ついで常温まで
昇温させた。得られた混合物をベンゼン100mlで
3回計300mlで抽出した。抽出液を水洗し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。この抽出液からベン
ゼンを留去し、その残渣をシリカゲルを用いたカ
ラムクロマトグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢
酸エチルとの容量比5対1の混合液)により精製
し、無色透明の油状物(3〜−1)4.01gを得た。
このものは下記の機器分析データにより1−アセ
トキシ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9
−(2,6,6−トリメチル−1−ジクロヘキセ
ン−1−イル)−9−フエニルスルホニル−2(E),
6(E)−ノナジエンであることを確認した。収率93
%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.62〜1.94(m,28H);3.73(br,1H);3.81
(d,1H),4.41(d,2H),4.90(d,1H),
5.21(m,2H),7.38〜7.99(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1735 (C=O),1140(SO2) FD−MASSm/e:488(M+ 100ml容フラスコに1−アセトキシ−3,7−
ジメチル−8−ヒドロキシ−9−フエニルスルホ
ニル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)−2(E),6(E)−ノナジエ
ン(3〜−1)1.36g(2.8mmol)、触媒量のp−
トルエンスルホン酸ピリジン塩及び塩化メチレン
15mlをとり、氷水で冷却した。この溶液中に3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン0.73ml(8.4mmol)
を滴下し、氷冷下で3時間撹拌した。反応混合液
中に重曹水を注ぎ、塩化メチレンで抽出した。塩
化メチレン抽出液を水洗したのち、無水硫酸ナト
リウム上で乾燥した。抽出液から塩化メチレンを
エバポレーターで留去したのち、残つた油分をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイー(展開液:酢
酸エチルとn−ヘキサンとの1対5の混合液)に
かけ、1−アセトキシ−3,7−ジメチル−8−
(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ−9−
フエニルスルホニル−9−(2,6,6−トリメ
チル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2(E),
6(E)−ノナジエン(8〜−1)を1.59g得た。収率
99%。生成物の機器分析データを次に示す。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.62〜2.03(m,34H);3.23〜5.36(m,
9H);7.43〜8.15(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1745(C=O),1150
(SO2) FD−MASSm/e:573(M++1),572(M+) 参考例 2 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色フラスコに実
施例2で得た化合物(8〜−1)1.59g及びトルエ
ン15.9mlを入れ、撹拌して溶液とした。この溶液
に内温を27℃に保ちながらカリウムメトキシド
0.97gを加え、その温度で0.3時間、さらに内温
38℃で1.5時間撹拌した。反応混合物にヘキサン
60ml及び水45mlを加えて撹拌したのち、混合液を
分液ロートに移して分液した。水槽をヘキサン45
mlで抽出した。ヘキサン層を合し、水で2回洗滌
したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無
水硫酸マグネシウムを濾別し、35℃の減圧下に溶
媒を留去し、オレンジ色の油状物(6〜−1)を得
た。 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色なす形フラス
コに上記の油状物、ヘキサン10.6ml及びトリエチ
ルアミン2.9mlを入れ、氷水浴で冷却した。この
混合物に無水酢酸1.8mlを加え、冷却下に20分間、
さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合物にヘ
キサン70mlを加え、氷水浴中で冷却したのち、こ
れに飽和重曹水27mlを加えて15分間撹拌した。こ
の混合物を分液ロートに移し、これにヘキサン40
ml及び飽和重曹水27mlを加えて分液した。ヘキサ
ン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別した
のち、溶媒を35℃で減圧下に留去して、オレンジ
色の油状物を得た。このものは高速液体クロマト
グラフイー分析(カラム:μ−ポラシル、展開
液:ヘキサンとイソプロピルエーテルとの容量比
9対1の混合液)の結果、ビタミンAアセテート
(7〜−1)(全トランス体比率95%)を0.70g含ん
でいた。化合物(8〜)からの合計収率は77%であ
つた。 参考例 3 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色なす形フラス
コに実施例1(E)で得た1−アセトキシ−3,7−
ジメチル−8−メトキシメトキシ−9−フエニル
スルホニル−9−(2,6,6−トリメチル−1
−シクロヘキセン−1−イル)−2(E),6(E)−ノ
ナジエン(4〜)2.68g及びシクロヘキサン80mlを
入れて撹拌して溶液とした。この溶液にカリウム
メトキシド3.53gを加え、内温39℃で1.8時間撹
拌した。反応混合物にヘキサン96ml及び水72mlを
加えて撹拌したのち、混合液を分液ロートに移し
た。水層をヘキサン96mlで抽出した。ヘキサン層
を合し、水で2回洗滌したのち、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別
し、35℃で減圧下に溶媒を留去して、オレンジ色
の油状物(6〜−1)を得た。 次に窒素ガス雰囲気下、300ml容褐色なす形フ
ラスコに上記の油状物、ヘキサン19.2ml及びトリ
エチルアミン5.3mlを入れ、氷水浴で冷却した。
この混合物に無水酢酸3.26mlを加え、冷却下に20
分間、さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合
物にヘキサン120mlを加え、氷水浴中で冷却した
のち、これに飽和重曹水48mlを加えた。15分間撹
拌したのち、混合物を分液ロートに移し、これに
ヘキサン72ml及び重曹水48mlを加えて分液した。
ヘキサン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾
別したのち、溶媒を35℃で減圧下に留去して、オ
レンジ色の油状物を得た。このものは高速液体ク
ロマトグラフイー分析(カラム:μ−ポラシル、
展開液:ヘキサンとイソプロピルエーテルとの容
量比9対1の混合液)の結果、ビタミンAアセテ
ート(7〜−1)(全トランス体比率95%)を1.29
g含んでいた。化合物(4〜)からの合計収率は78
%であつた。 実施例 3 アルゴンガスで置換した200ml容3つ口フラス
コにβ−シクロゲラニル−p−トリルスルホン
(9〜)7.01g(24.0mmol)及びテトラヒドロフラ
ン70mlを入れ、−78℃に冷却したのち、n−ブチ
ルリチウムのヘキサン溶液(1.5mol/)9.6ml
(14.4mmol)を滴下し、同温度で3時間撹拌し
た。次に、この溶液中に8−アセトキシ−2,6
−ジメチル−2(E),6(E)−オクタジエン−1−ア
ール(2〜−1)2.52g(12.0mmol)のテトラヒ
ドロフラン15mlの溶液を−78℃で滴下し、同温度
で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、常温
まで昇温させた。得られた混合物をベンゼン50ml
で3回計150mlで抽出し、ベンゼン抽出液を水洗
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この抽出
液から溶媒を留去し、その残渣をシリカゲルを用
いたカラムクロマトグラフイー(溶出液:ヘキサ
ンと酢酸との容量比5対1〜3対1の混合液)に
より精製し、白色の固型物4.88gを得た。このも
のは下記の機器分析データにより、1−アセトキ
シ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−
(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン
−1−イル)−9−(p−トリル)スルホニル−2
(E),6(E)−ノナジエン(10〜)であることを確認し
た。収率81%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.61〜2.01(m,28H),2.37(s,3H),3.71
(br.,1H),3.94(d,1H),4.49(d,2H),
4.97(d,1H),5.16(m,2H),7.26(d,2H),
7.86(d,2H) IR(フイルム)ν(cm-1):3480(OH),1735 (C=O),1140(SO2 100ml容なす形フラスコに化合物(10〜)1.00g
(1.99mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
0.52ml、塩化メチレン10ml及び触媒量のp−トル
エンスルホン酸を入れ、0℃で6時間撹拌した。
分液ロートに飽和重曹水を入れ、この中に反応混
合物の溶液部分を加えて分液した。水層を塩化メ
チレンで抽出した。塩化メチレン層を合し、水洗
したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無
水硫酸マグネシウムを濾別したのち、塩化メチレ
ンをエバポレーターで留去して、粘稠な油分1.47
gを得た。この油分をシリカゲルクロマトグラフ
イー(展開液;酢酸エチルとヘキサンとの容量比
1対3の混合液)に付することにより、生成物
1.09gを得た。このものは下記のIRスペクトルに
より、1−アセトキシ−3,7−ジメチル−8−
(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ−9−
(p−トリル)スルホニル−9−(2,6,6−ト
リメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2
(E),6(E)−ノナジエン(11〜)であることを確認し
た。収率93%。 IR(フイルム)ν(cm-1):2930,1740,1600,
1450,1380,1365,1300,1230,1140,1080,
1020,960,815 参考例 4 100ml容褐色なす形フラスコにカリウムメトキ
シド0.60g(8.53mmol)及びトルエン25mlを入
れ、アルゴン雰囲気下としたのち、実施例3で得
た化合物(11〜)1.00g(1.71mmol)を5mlのト
ルエンに溶かした溶液を室温下で加えた。室温で
30分間、さらに40℃で2時間撹拌した。反応混合
物を塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、ジエチルエ
ーテルで抽出した。抽出液を水洗し、さらに飽和
食塩水で洗滌したのち、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別したの
ち、ジエチルエーテル及びトルエンを留去して、
赤黄色の油分(6〜−1)0.76gを得た。 次いで、上記の油分を5mlのピリジンに溶か
し、この溶液に無水酢酸5ml及び触媒量のジメチ
ルアミノピリジンを加えて、室温下で2時間撹拌
した。反応混合物の多量の水に注ぎ、ヘキサンで
抽出した。ヘキサン抽出液を80%のメタノール水
溶液で洗滌し、さらに水で3回洗滌したのち、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネ
シウムを濾別したのち、ヘキサンを留去して、赤
黄色の油分0.64gを得た。この油分は液体クロマ
トグラフイー分析の結果、ビタミンAアセテート
(7〜−1)(全トランス体比率95%)を0.34g含ん
でいた。化合物(11〜)からの合計収率は61%であ
つた。 実施例 4〜6 実施例2(A)で得た1−アセトキシ−3,7−ジ
ジメチル−8−ヒドロキシ−9−フエニルスルホ
ニル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)−2(E),6(E)−ノナジエ
ン(3〜−1)1.36g(2.8mmol)及び塩化メチレ
ン15mlを使用して第1表に示す条件を採用する以
外は実施例2(B)におけると同様にして反応及び処
理を行ない、対応するアセタール類(12〜〜14〜)を
得た。結果を第1表に示す。
【表】 参考例 5〜7 実施例4〜6で得た化合物(12〜)〜(14〜)の
1.05mmol及びカリウムメトキシド5.25mmolを
用いて第2表に示す条件を採用する以外は参考例
1におけると同様にして反応及び処理を行ない、
ビタミンAアセテート(7〜−1)を得た。結果を
第2表に示す。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、上記の実施例から明ら
かなとおり、安価な工業原料であるリナロールか
ら容易にかつ好収率でともに製造される一般式
()で示される化合物及び一般式()で示さ
れる化合物の塩基の存在下での反応により高収率
でかつ容易に一般式(−1)で示される化合物
を製造することができ、さらには該一般式(−
1)で示される化合物から高収率でかつ容易に一
般式(−2)で示される化合物を製造すること
ができる。また本発明の一般式(−2)で示さ
れる化合物は上記の参考例から明らかなとおり塩
基による処理により高収率でかつ容易に、しかも
本発明の方法において原料として用いる一般式
()で示される化合物の立体構造に依存する立
体規制されたビタミンA、さらにはそのカルボン
酸エステルに誘導される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール基
    を表わし、R4は水素原子又は水酸基のアセター
    ル型保護基を表わし、R21はR4が水素原子を表わ
    す場合に低級アルカノイル基を表わし、R4が水
    酸基のアセタール型保護基を表わす場合に水素原
    子又は低級アルカノイル基を表わす) で示されるスルホン。 2 R1がフエニル基又はp−トリル基を表わす
    特許請求の範囲第1項記載のスルホン。 3 R21が水素原子又はアセチル基を表わす特許
    請求の範囲第1項記載のスルホン。 4 R4が水素原子、メトキシメチル基、1−エ
    トキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、テ
    トラヒドロピラン−2−イル基又は4−メチルテ
    トラヒドロピラン−2−イル基を表わす特許請求
    の範囲第1項記載のスルホン。 5 一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール基
    を表わす) で示される化合物と一般式 (式中、R2は低級アルカノイル基を表わす) で示される化合物とを塩基の存在下に反応させる
    ことにより一般式 (式中、R1及びR2は前記定義のとおりである。) で示される化合物を得、ついで必要に応じて該一
    般式(−1)で示される化合物に水酸基のアセ
    タール型保護基を導入し、さらに必要に応じて生
    成する化合物を非酸性条件下に加溶媒分解せしめ
    ることを特徴とする一般式 (式中、R1は前記定義のとおりであり、R4は水
    素原子又は水酸基のアセタール型保護基を表わ
    し、R21はR4が水素原子を表わす場合に低級アル
    カノイル基を表わし、R4が水酸基のアセタール
    型保護基を表わす場合に水素原子又は低級アルカ
    ノイル基を表わす) で示されるスルホンの製造方法。
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