JP2905024B2 - 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の製造法 - Google Patents

光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の製造法

Info

Publication number
JP2905024B2
JP2905024B2 JP5050633A JP5063393A JP2905024B2 JP 2905024 B2 JP2905024 B2 JP 2905024B2 JP 5050633 A JP5050633 A JP 5050633A JP 5063393 A JP5063393 A JP 5063393A JP 2905024 B2 JP2905024 B2 JP 2905024B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
optically active
methyl
represented
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5050633A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06263667A (ja
Inventor
真人 岡本
利男 田中
隆雄 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP5050633A priority Critical patent/JP2905024B2/ja
Publication of JPH06263667A publication Critical patent/JPH06263667A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2905024B2 publication Critical patent/JP2905024B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品の中間体として
有用な光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―
2―メチル―3―ヘプタノール類の製造法に関するもの
である。さらに詳細には4―(4―置換インデン―1―
イル)ペンタナール類とジイソプロピル亜鉛とを光学活
―ジアルキルアミノアルコール類の存在下に反
応せしめて高度に光学活性な6―(4―置換インデン―
1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類を収率よ
く製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
光学活性―ジアルキルアミノアルコール類を不斉
触媒として用い、アルデヒド類にジアルキル亜鉛を不斉
に付加させて、光学活性第2級アルコール類を製造する
方法としては、次のような方法が知られている。 ▲そ▼合ら、特開昭64―68号公報。 小国ら、特開平1―313445号公報。 ▲そ▼合ら、特開平2―142742号公報。 ▲そ▼合ら、特開平2―212452号公報。 および 野依ら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 30, 49 (199
1)およびその引用文献。 ▲そ▼合ら、J. Org. Chem., 56, 4264 (1991)および
その引用文献。
【0003】これら先行技術の内、〜の特許におい
てはジアルキル亜鉛のアルキル基の例示としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、t―ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素
数1〜6の飽和炭化水素基があげられているが、実際に
実施例に記載されているのはメチル基、エチル基、ブチ
ル基であり、第1級アルキル基に限定されていて第2級
アルキル基を用いた実施例は何ら記載されていない。ま
た、先行技術,においてもその研究対象はメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ビ
ニル基が主であり、イソプロピル基の例としてはに一
例あるのみである。その実験例によるとイソプロピル基
を用いた場合は中間活性種の不安定性のためか、収率、
不斉誘起率ともに減少している傾向を示している。
【0004】また、先行技術〜の研究例において、
不斉触媒として用いられる―ジアルキルアミノア
ルコール類の使用量としては、原料アルデヒドに対して
0.01〜50モル%の範囲と記載されているものの、
実際の使用例は2〜12モル%の範囲で実施されてお
り、2〜6モル%が特に好ましいとされている。
【0005】本発明者らは通常かかる従来技術で最適で
あるとされている条件下においてアルデヒド類に対して
ジイソプロピル亜鉛を用いて、光学活性―ジアル
キルアミノアルコール類を不斉触媒とする不斉イソプロ
ピル化反応を実施したところ、参考例に示したように、
目的とするイソプロピル化生成物は低収率でしか得るこ
とができなかった。
【0006】本発明者らはジイソプロピル亜鉛を用いた
不斉イソプロピル化反応において高度な不斉誘起率を保
ったまま副反応の還元反応を抑制し、目的とするイソプ
ロピル化生成物の収率を向上する方法を鋭意検討した結
果、光学活性―ジアルキルアミノアルコール類の
添加量を20モル%の付近で使用すると最もイソプロピ
ル化生成物の収率が高くなることを見出し、本発明に到
達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記式(I)
【0008】
【化8】
【0009】[式中、Xは酸素原子、(E)―ブロモメ
チレン基、またはα位に水素原子、β位に―OR基が置
換されている場合を表わす(但し、Rは炭素数2〜8の
アシル基、トリ(炭素数1〜6の炭化水素基)置換シリ
ル基、または1―(炭素数1〜4のアルコキシ基)置換
の炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)。]で表わさ
れる4―(4―置換インデン―1―イル)ペンタナール
類と下記式(II)
【0010】
【化9】
【0011】で示されるジイソプロピル亜鉛とを光学活
―ジアルキルアミノアルコール類の存在下に反
応せしめることを特徴とする下記式(III )
【0012】
【化10】
【0013】[式中、Xは前記式(I)に同じであり、
*印はその不斉炭素に由来する異性体が一方の異性体に
偏っていることを示す。]で表わされる光学活性6−
(4−置換インデン−1−イル)−2−メチル−3−ヘ
プタノール類の製造法である。ここで、「不斉炭素に由
来する異性体が一方の異性体に偏っている」とは、一方
の光学異性体のみであるか、または一方の光学異性体と
他方の光学異性体との割合が、再結晶操作により一方の
光学異性体のみを取得できる程度に偏っている混合物で
あることを意味する。
【0014】本発明方法において原料として用いられる
4―(4―置換インデン―1―イル)ペンタナール類
は、例えば、ビタミンD2 のオゾン分解反応を鍵反応と
する下記の工程により、共通の中間体である4―(4―
置換インデン―1―イル)ペンタン酸エステルを経由
し、以下、式中のXの置換様式の差によって個別の反応
ルートにより誘導され、得ることができる。4―(4―置換インデン―1―イル)ペンタン酸エステ
ルの合成
【0015】
【化11】
【0016】[参考文献;E.G. Baggiolini et al., J.
Am. Chem. Soc., 104, 2945 (1982)。] 上記反応式中、―ORは保護された水酸基を表わし、保
護基としてのRとしては例えば炭素数2〜8のアシル
基、トリ(炭素数1〜6の炭化水素基)置換シリル基、
または1―(炭素1〜4のアルコキシ基)置換の炭素数
1〜6のアルキル基等、水酸基の保護基として従来公知
のものを挙げることができる。また、―COOR0 はカ
ルボン酸エステル基を表わし、アルコキシ基(OR0
のR0 としては、例えば炭素数1〜8のアルキル基等を
あげることができる。
【0017】例えば、上記式(I)で表わされる4―
(4―置換インデン―1―イル)ペンタナールにおいて
置換基Xがオキソ基の場合は、
【0018】
【化12】
【0019】置換基Xが(E)―ブロモメチレン基の場
合は
【0020】
【化13】
【0021】置換基Xがα位に水素原子、β位に保護さ
れた水酸基(―OR)の場合は、
【0022】
【化14】
【0023】の合成ルートを経て、本発明の出発原料と
なる上記式I((I―a),(I―b),(I―c)を
含む)で表わされる4―(4―置換インデン―1―イ
ル)ペンタナール類が得られる。
【0024】上記式(I)において、Xは酸素原子、
(E)―ブロモメチレン基、またはα位に水素原子、β
位に―OR基が置換されている場合を表わす(但し、R
は炭素数2〜8のアシル基、トリ(炭素数1〜6の炭化
水素基)置換シリル基、または1―(炭素数1〜4のア
ルコキシ基)置換の炭素数1〜6のアルキル基を表わ
す。
【0025】Xが酸素原子である場合には、上記式
(I)は上記式(I―a)の形、Xが(E)―ブロモメ
チレン基である場合には、上記式(I)は上記式(I―
b)の形、Xがα位に水素原子、β位に保護された水酸
基である場合には、上記式(I)は上記式(I―c)の
形で表わされる。
【0026】Rの炭素数2〜8のアシル基としては、例
えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバ
ロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベ
ンゾイル基、エトキシカルボニル基などがあげられ、好
ましくはアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、エ
トキシカルボニル基があげられる。
【0027】Rのトリ(炭素数1〜6の炭化水素基)置
換シリル基としては、例えば、トリエチルシリル基、ト
リイソプロピルシリル基、t―ブチルジメチルシリル
基、t―ブチルジフェニルシリル基などがあげられ、好
ましくはt―ブチルジメチルシリル基、t―ブチルジフ
ェニルシリル基があげられる。
【0028】Rの1―(炭素数1〜4のアルコキシ基)
置換の炭素数1〜6のアルキル基は、それが結合してい
る酸素原子とともにアセタール結合を形成するような基
と理解され、かかる基としては、例えば、メトキシメチ
ル基、1―エトキシエチル基、2―メトキシ―2―プロ
ピル基、2―エトキシ―2―プロピル基、(2―メトキ
シエトキシ)メチル基、ベンジルオキシメチル基、2―
テトラヒドロピラニル基などがあげられ、好ましくは、
メトキシメチル基、1―エトキシエチル基、2―エトキ
シ―2―プロピル基、(2―メトキシエトキシ)メチル
基、2―テトラヒドロピラニル基があげられる。
【0029】ここに示したRは水酸基の保護基として機
能している基であり、(1)出発原料である4―(4―
置換インデン―1―イル)ペンタナール類を合成する
時、(2)ジイソプロピル亜鉛を光学活性―ジア
ルキルアミノアルコール類の存在下にアルデヒド類と反
応させる時、光学活性―ジアルキルアミノアルコ
ール類の効果を発揮させるため、(3)本製造法によっ
て得られる6―(4―置換インデン―1―イル)―2―
メチル―3―ヘプタノール類の2つの水酸基を区別する
ために機能していると理解される。従ってこのような3
つの機能を満足する基であればRの代用となりうるもの
である。
【0030】上記式(II)で表わされるジイソプロピル
亜鉛は既知の化合物であり、公知の方法(例えば、C.R.
Noller,“Organic Syntheses ”, Coll. Vol.II, p18
4, John Wiley & Sons (1943)) により容易に入手さ
れ、使用される。
【0031】本発明方法ではジイソプロピル亜鉛に配位
し、イソプロピル化反応を促進するとともに、不斉な反
応の場を与えることのできる光学活性―ジアルキ
ルアミノアルコール類の存在下に実施され、目的とする
効果を発揮している。かかる効果を発揮する光学活性
―ジアルキルアミノアルコール類としては、従来
光学活性β―(―ジアルキルアミノ)アルコール
類および光学活性γ―(―ジアルキルアミノ)ア
ルコール類が研究されており、特に光学活性β―(
―ジアルキルアミノ)アルコール類の研究が数多く報
告されている(例えば前述の先行技術文献を参照)。
光学活性β―(―ジアルキルアミノ)アルコール
類の中でも、1―アルキルピロリジン―2―イルメタノ
ール誘導体(先行文献,、および)と2―ジアル
キルアミノ―1―フェニル―1―プロパノール誘導体
(先行文献および、特に)についてはよく研究さ
れている。本発明方法においてはかかる不斉誘起効果を
発揮することが知られている光学活性β―またはγ―
―ジアルキルアミノ)アルコール類ならば本質
的にはいかなるものでも使用することができる。なかで
も、先行技術文献およびに詳細に研究されているよ
うに(1,2)―(−)―もしくは(1,2
―(+)―2―(―ジブチルアミノ)―1―フェ
ニル―1―プロパノールまたは(−)―もしくは(+)
―3―エキソ―(ジメチルアミノ)イソボルネオールは
高い不斉誘起効果をあげることができるので特に好まし
い。
【0032】また、本発明方法において用いられる光学
活性―ジアルキルアミノアルコール類の光学純度
は必ずしも100%ee(エナンチオマ過剰率)に近い
必要はなく、光学純度が低い―ジアルキルアミノ
アルコール類を用いても、高い光学純度の主成物が得ら
れる。用いた不斉源の光学純度よりも、得られた生成物
の光学純度が高くなるこの現象は不斉増幅現象として詳
しく研究されている(例えば、先行技術文献を参
照)。
【0033】本発明の製造法においては、上記式(I)
で表わされる4―(4―置換インデン―1―イル)ペン
タナール類と上記式(II)で示されるジイソプロピル亜
鉛を光学活性―ジアルキルアミノアルコール類の
存在下に有機溶媒中で反応せしめることにより、上記式
(III )で表わされる光学活性6―(4―置換インデン
―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の製造
を達成することができる。
【0034】本発明の製造法において上記式(II)で示
されるジイソプロピル亜鉛は上記式(I)で表わされる
4―(4―置換インデン―1―イル)ペンタナール類に
対して化学量論的には等モル反応を行なうが、一部添加
する光学活性―ジアルキルアミノアルコール類と
反応して錯体活性種を生成するのに使用されるために、
通常1〜3.5当量の範囲、特に好ましくは2〜2.5
当量の範囲で行なわれる。なお、3.5当量以上の使用
は上記式(I)で表わされる4―(4―置換インデン―
1―イル)ペンタナール類の還元反応を促進してしまう
傾向があるので好ましくない。
【0035】一方、光学活性―ジアルキルアミノ
アルコール類は、そのイソプロピル化反応促進効果によ
ってその最適使用量が若干異なってくるが、上記式
(I)で表わされる4―(4―置換インデン―1―イ
ル)ペンタナール類に対して、通常、2〜100モル
%、好ましくは10〜30モル%、特に好ましくは15
〜25モル%の範囲で使用される。特に、ジエチル亜鉛
を用いたアルデヒド類のエチル化反応において最適とさ
れる2〜10モル%の範囲での使用は、ジイソプロピル
亜鉛を用いる上記式(I)で表わされる4―(4―置換
インデン―1―イル)ペンタナール類のイソプロピルか
反応においては目的とするイソプロピル化体の生成とと
もにアルデヒド基の還元反応が優先して生成することが
見出されたので、本来目的とするイソプロピル化体の収
率向上を目指して種々検討した結果、光学活性
ジアルキルアミノアルコール類の添加量の増量が最も効
果があり、しかも前述の15〜25モル%付近に最適条
件があることが実証されたために本発明に到ったもので
ある。
【0036】本発明の製造方法において用いられる有機
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族
炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル系溶媒またはこれらの混合溶媒などが
あげられる。これらのなかでも炭化水素系溶媒、芳香族
炭化水素系溶媒が好ましく、特に、トルエンやヘキサン
が好ましい。かかる有機溶媒の使用量は目的とする反応
が円滑に進行すれば特に大きな制限はないが、通常、m
molで表わされる反応スケールに換算して1〜100
ml、特に好ましくは10ml付近の量の溶媒量が選択
される。
【0037】反応温度は−78℃〜50℃、好ましくは
−30℃〜30℃、特に好ましくは0℃〜室温程度の温
度範囲が採用される。反応時間は用いる不斉配位子触媒
の種類や使用量や反応温度により異なり、通常、薄層ク
ロマトグラフィーなどの分析手段を用いて出発原料の消
失を追跡しながら実施するが、0℃〜室温で数時間〜数
十時間反応させると終結する。
【0038】反応終結後に目的物である上記式(III )
で表わされる光学活性6―(4―置換インデン―1―イ
ル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の単離操作は塩
酸などの酸性物質で処理した後、通常の後処理手段、例
えば、抽出、洗浄、乾燥、濃縮などの方法により得られ
た粗生成物を、クロマトグラフィーや再結晶などの方法
により分離、精製される。なお、本発明の製造法により
得られたイソプロピル化体の不斉誘起率(%de)は生
成物そのもの、または適当な誘導体に導いた後、液体ク
ロマトグラフィーなどの分析方法により決定される。
【0039】かくして本発明によれば、下記式(III )
【0040】
【化15】
【0041】[式中、Xは前記式(I)における定義に
同じであり、*印はその不斉炭素に由来する異性体が一
方の異性体に偏っていることを示す。]で表わされる光
学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチ
ル―3―ヘプタノール類が製造される。上記式(III )
においてXは前記定義に同じであり、*印はその不斉炭
素に由来する異性体が一方の異性体に偏っていることを
示しており、用いた光学活性―ジアルキルアミノ
アルコール類の不斉に起因してどちらか一方が豊富に生
成し、逆の立体配位を有する光学活性―ジアルキ
ルアミノアルコール類のエナンチオ異性体を使用すると
それとは逆の立体構造を有する上記式(III )で表わさ
れる光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2
―メチル―3―ヘプタノール類の3位の立体のみが逆転
したジアステレオ異性体を豊富に与えることになる。上
記式(III )で表わされる光学活性6―(4―置換イン
デン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の
具体例は前述の式(I)でRとして好適にあげた基が置
換した誘導体がそのままあげられ、3位の立体は体も
体も製造し分けることができるが、3体の方が医薬
品開発という立場からは有用な化合物なので3体を与
える光学活性―ジアルキルアミノアルコール類の
方が有用となってくる。
【0042】
【発明の効果】以上、本発明の製造法を詳細に説明した
ように、上記式(I)で表わされる4―(4―置換イン
デン―1―イル)ペンタナール類に上記式(II)で示さ
れるジイソプロピル亜鉛を用いて光学活性―ジア
ルキルアミノアルコール類の存在下に実施する不斉イソ
プロピル化反応を経る上記式(III )で表わされる光学
活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル
―3―ヘプタノール類の製造法では、ジエチル亜鉛を用
いるアルデヒド類の不斉エチル化反応とは異なり、副反
応の還元体の生成を抑制し、目的とする不斉イソプロピ
ル化体を収率よく製取するために不斉配位子触媒である
光学活性―ジアルキルアミノアルコール類の添加
量を増量して行なう必要があることがはじめて見出され
た。本発明の製造法において示されたかかる不斉配位子
増量効果は、本発明者らの知る限り、現在までに全く報
告されていない実験事実である。
【0043】本発明の製造法により得られる6―(4―
置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノ
ール類の内、Xが酸素原子である下記式(III ―a)
【0044】
【化16】
【0045】[式中、*印はその不斉炭素に由来する異
性体が一方の異性体に偏っていることを示す。]およ
び、Xが(E)―ブロモメチレン基である、下記式(II
I ―b)
【0046】
【化17】
【0047】[式中、*印の定義は上記式(III ―a)
における定義に同じである。]で表わされる6―(4―
置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノ
ール類は、いずれも、インデン骨格の4位の置換基であ
る、オキソ基、または、(E)―ブロモメチレン基を手
掛りとしてビタミンD3 骨格のA環部分を、それ自身既
知反応により、結合させると24(R)―ヒドロキシビ
タミンD3 誘導体に導くことのできる有用な新規出発原
料であり、今までは24体と24体をクロマトグラ
フィーなどの分離操作を用いて分離していたことを考え
ると、本発明の製造法は、高立体選択的、高収率、短工
程、RS分離操作の回避といった諸点から効率的であ
り、工業的にも優れた実用的な製造法を提供するもので
ある。
【0048】また、Xがα位に水素原子、β位に保護さ
れた水酸基である下記式(III ―c)
【0049】
【化18】
【0050】[式中、Rは前記式(I)における定義
に、また*印は前記式(III ―a)における定義に同じ
である。]で表わされる6―(4―置換インデン―1―
イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類は、上記式
(III ―a)および(III ―b)に誘導可能な前駆体と
して有用な新規化合物である。
【0051】
【実施例】以下、実施例、参考例によって本発明をさら
に詳細に説明する。
【0052】
【実施例1】
【0053】
【化19】
【0054】(4R)―4―[(4S,7aS)―4―
ベンゾイルオキシ―7a―メチルインデン―1―イル]
ペンタナール(1)(85mg,0.25mmol)と
(1S,2R)―(−)―2―(N,N―ジブチルアミ
ノ)―1―フェニル―1―プロパノール((−)―DB
NE;13mg,0.05mmol;20モル%)のト
ルエン(2ml)溶液にジイソプロピル亜鉛のトルエン
溶液(0.87M;0.63ml,0.55mmol)
を0℃で滴下し、0〜10℃で29時間攪拌した。反応
終了後、反応混合液に0.5N塩酸(15ml)を加え
て後処理し、酢酸エチル(25ml)で抽出した。分液
した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥濾過
後、濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲ
ル(15g)を用いてカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン:酢酸エチルの比を50:1から1:1に
徐々に変化させて溶出して原料アルデヒドのイソプロピ
ル化生成物である(6R)―6―[(4S,7aS)―
4―ベンゾイルオキシ―7a―メチルインデン―1―イ
ル]―2―メチル―3―ヘプタノール(2)(63m
g,0.16mmol,65%)を得た。 NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.85〜1.0
(19H,m),1.05(3H,s),1.1〜2.
15(18H,m),3.25〜3.4(1H,m),
5.42(1H,br,s),7.4〜7.6(3H,
m),8.0〜8.15(2H,m). IR(neat)cm-1;3500,2870,171
0,1440,1265,1110. 上記イソプロピル化反応における立体選択性の算出は、
生成物のHPLC分析により求め、24R:24Sは9
8.0:2.0と算出された。HPLC分析はZorb
ax SILカラムを用いて行ない、溶離液としてはヘ
キサン:塩化メチレン:エタノール=90:10:0.
1(流量2.0ml/分)を使用し、254nmのUV
波長で検出し、定量した。また、生成物の3位(以下、
実施例及び参考例においてこの3位を24位として説明
する)の立体構造は、絶対構造がRとして既知の化合物
から誘導し、本実施例における主生成物とHPLC分析
で一致することを確認して、主生成物を24Rと決定し
た。
【0055】
【実施例2】
【0056】
【化20】
【0057】(4R)―4―[(7aS)―7a―メチ
ル―4―オキソインデン―1―イル]ペンタナール
(1)(59mg,0.25mmol)と(−)―DB
NE(13mg,0.05mmol;20モル%)のト
ルエン(2ml)溶液にジイソプロピル亜鉛のトルエン
溶液(0.87M;0.63ml,0.55mmol)
を0℃で滴下し、0〜5℃で23時間攪拌した。反応終
了後、実施例1と同様に後処理とシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによる精製を行ない、(6R)―6―
[(7aS)―7a―メチル―4―オキソインデン―1
―イル]―2―メチル―3―ヘプタノール(2)(34
mg,0.12mmol,49%)を得た。 融点;59〜63℃ NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.60(3H,
s),0.8〜0.95(9H,m),1.15〜2.
5(18H,m),3.25〜3.35(1H,m). IR(KBr)cm-1;3440,2925,168
0. 上記イソプロピル化反応における立体選択性を求めるた
めにイソプロピル化生成物(6mg,0.02mmo
l)をTHF(0.5ml)に溶かし、水素化リチウム
トリ―t―ブトキシアルミニウム(200mg,0.7
8mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応終了
後、注水し、1N塩酸で酸性とした後、酢酸エチル(1
5ml)で抽出した。分液した有機層を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(15ml)、飽和食塩水(15ml)
で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥後濃縮し
て粗生成物を得た。このものを塩化メチレン(0.5m
l)に溶かし、4―ジメチルアミノピリジン(75m
g,0.61mmol)、塩化ベンゾイル(60mg,
0.06ml,0.57mmol)を加えて室温で1
7.5時間攪拌した。反応終了後、1N塩酸を加えて酸
性化し、酢酸エチル(15ml)で抽出後、1N塩酸
(25ml×2)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2
5ml)、飽和食塩水(25ml)で順次洗浄した。得
られた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮
してジオール体を粗生成物として得、このものをシリカ
ゲル(10g)を用いてカラムクロマトグラフィーにか
け、ヘキサン:酢酸エチル=40:1で溶出して対応す
る(6R)―6―[(4S,7aS)―4―ベンゾイル
オキシ―7a―メチルインデン―1―イル]―2―メチ
ル―3―ヘプチルベンゾエート(10mg)を得た。 NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.75〜1.05
(12H,m),1.05〜2.15(18H,m),
4.90〜5.05(1H,m),5.38(1H,
m),7.35〜7.60(6H,m),7.95〜
8.10(4H,m). IR(neat)cm-1;3060,1720,171
0,1270,1110,710. このものをHPLC分析して24R体と24S体の生成
比を絶対構造既知の標品と比較して求めたところ24
R:24S=98.1:1.9と算出された。なお、H
PLC分析はZorbax SILカラムを用いて行な
い、溶離液としてはヘキサン:塩化メチレン:エタノー
ル=90:10:0.1(流量2.0ml/分)を使用
し、254nmのUV波長で検出し、定量した。
【0058】
【実施例3】
【0059】
【化21】
【0060】(4R)―4―[(4S,7aS)―4―
t―ブチルジメチルシリルオキシ―7a―メチルインデ
ン―1―イル]ペンタナール(1)(88mg,0.2
5mmol)と(−)―DBNE(13mg,0.05
mmol;20モル%)のトルエン(2ml)溶液にジ
イソプロピル亜鉛のトルエン溶液(0.87M;0.6
3ml,0.55mmol)を0℃で滴下し、0〜5℃
で22.5時間攪拌した。反応終了後、実施例1と同様
の後処理とシリカゲルクロマトグラフィーにより、(6
R)―6―[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチ
ルシリルオキシ―7a―メチルインデン―1―イル]―
2―メチル―3―ヘプタノール(2)(52mg,0.
13mmol,52%)を得た。 融点;41〜45℃ NMR(CDCl3 ,ppm)δ;−0.02(3H,
s),0.00(3H,s),0.8〜0.95(21
H,m),0.95〜2.0(18H,m),3.35
〜3.45(1H,m),3.97(1H,br,
s). IR(KBr)cm-1;3375,2900,145
0,1242,1016, 上記イソプロピル化反応における立体選択性を求めるた
めにイソプロピル化生成物(13mg,0.03mmo
l)をアセトニトリル(0.5ml)に溶かし、ピリジ
ニウムポリフッ化水素酸(0.2ml)を加えて室温で
2時間攪拌した。反応終了後、水を加え、塩化メチレン
(25ml)で抽出し、水(25ml)、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液(25ml)、飽和食塩水(25m
l)で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾
別した有機層を減圧で濃縮して脱シリル体を粗生成物と
して得た。このものを実施例2と同様のベンゾイル化法
でジベンゾイル化し、得られた(6R)―6―[(4
S,7aS)―4―ベンゾイルオキシ―7a―メチルイ
ンデン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプチルベンゾ
エートをHPLC分析して24R体と24S体の生成比
を絶対構造既知の標品と比較して求めたところ24R:
24S=98.0:2.0と算出された。
【0061】
【実施例4】
【0062】
【化22】
【0063】実施例3と全く同様にして(4R)―4―
[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチルシリルオ
キシ―7a―メチルインデン―1―イル]ペンタナール
(1)(88mg,0.25mmol)と20%eeの
(−)―DBNE(66mg,0.25mmol)のト
ルエン(2ml)溶液にジイソプロピル亜鉛のトルエン
溶液(0.87M;0.63ml,0.55mmol)
を0℃で滴下し、0〜5℃で24時間攪拌した。実施例
3と同様にして(6R)―6―[(4S,7aS)―4
―t―ブチルジメチルシリルオキシ―7a―メチルイン
デン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプタノール
(2)(56mg,0.14mmol,56%)を得
た。このものを実施例3と同様の方法により対応するジ
ベンゾエート体に誘導してHPLC分析した結果、24
R体と24S体の生成比は24R:24S=97.5:
2.5と算出された。
【0064】
【実施例5】
【0065】
【化23】
【0066】実施例3と同様の反応スケールで同条件下
に反応を実施した。但し、不斉配位子として(−)―D
BNEの代わりに(+)―DBNEを用いて0℃で24
時間反応させた。実施例3と同様の後処理により(6
R)―6―[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチ
ルシリルオキシ―7a―メチルインデン―1―イル]―
2―メチル―3―ヘプタノール(2)(60mg,0.
15mmol,60%)を得た。このものを実施例3と
同様の方法により対応するジベンゾエート体に誘導して
HPLC分析した結果、24R体と24S体の生成比は
24R:24S=2.1:97.9と算出された。
【0067】
【実施例6】
【0068】
【化24】
【0069】実施例3と全く同じ反応スケールで同一基
質に対する反応を実施した。但し、不斉配位子として
(−)―DBNEの代わりに(−)―3―エキソ―ジメ
チルアミノイソボルネオール(10mg,0.05mm
ol)を用いて0℃で24時間反応させた。反応終了
後、実施例3と同様に後処理、カラムクロマトグラフィ
ー分離を行なって(6R)―6―[(4S,7aS)―
4―t―ブチルジメチルシリルオキシ―7a―メチルイ
ンデン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプタノール
(2)(64mg,0.16mmol,64%)を得
た。このものを実施例3と同様の方法により対応するジ
ベンゾエート体に誘導してHPLC分析した結果、24
R体と24S体の生成比は24R:24S=98.5:
1.5と算出された。
【0070】
【実施例7】
【0071】
【化25】
【0072】(4R)―4―[(7aS),(4E)―
4―ブロモメチレン―7a―メチルインデン―1―イ
ル]ペンタナール(1)(113mg,0.375mm
ol)と(−)―DBNE(19.7mg,0.075
mmol;20モル%)のトルエン(4ml)溶液にジ
イソプロピル亜鉛のトルエン溶液(0.87M;0.9
5ml,0.825mmol)を0℃で滴下し、0℃で
18時間攪拌した。反応終了後、反応混合物に0.5N
塩酸(20ml)を加えて後処理し、酢酸エチル(35
ml)を用いて抽出した。分液した有機層を飽和硫酸水
素カリウム水溶液(12ml×2)、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液(12ml×2)、飽和食塩水(12ml
×2)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃
縮して136mgの粗生成物を得た。この粗生成物をシ
リカゲル(30g)を用いてカラムクロマトグラフィー
に付し、ヘキサン:酢酸エチルの比を30:1から5:
1に徐々に変化させて溶出し、原料アルデヒドのイソプ
ロピル化生成物である(6R)―6―[(7aS),
(4E)―4―ブロモメチレン―7a―メチルインデン
―1―イル]―2―メチル―3―ヘプタノール(2)
(86mg,0.249mmol,66%)を得た。 NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.56(3H,
s),0.7〜1.0(9H,m),1.1〜1.8
(15H,m),1.8〜2.1(3H,m),2.8
〜2.95(1H,m),3.25〜3.4(1H,
m),5.65(1H,m). IR(neat)cm-1;3370,3070,162
5,1460,1375,1260,995,840,
765,695.13 C―NMR(CDCl3 ,ppm)δ;11.9,1
7.3,18.8,18.9,22.1,22.6,2
7.7,30.6,31.1,32.0,33.6,3
6.0,39.9,45.6,55.8,55.9,7
7.1,97.4,145.2. 上記イソプロピル化反応における立体選択性を求めるた
めに、イソプロピル化生成物(43.8mg,0.12
7mmol)をメタノール(15ml)、塩化メチレン
(50ml)の混合溶媒に溶かし、−78℃に冷却して
オゾンを吹き込んだ。過剰のオゾンで反応液が着色する
のを確認した後、反応液に水素化ほう素ナトリウム(5
00mg)を加え、冷却液を取り去って室温で18時間
攪拌した。反応終了後飽和塩化アンモニウム水溶液(3
0ml)と酢酸エチル(50ml)を加えて抽出し、分
液した有機層を飽和食塩水(15ml×2)で洗浄後濃
縮して50mgの粗生成物を得た。このものをシリカゲ
ル(20g)を用いてカラムクロマトグラフィー(溶離
液;ヘキサン:酢酸エチル=30:1→1:1)による
精製を行ない、対応するジオール体(実施例2のジオー
ル体と同じ)を粗生成物として得た。このものを実施例
2と同様にベンゾイル化し、実施例2と同一のジベンゾ
エート体である(6R)―6―[(4S,7aS)―4
―ベンゾイルオキシ―7a―メチルインデン―1―イ
ル]―2―メチル―3―ヘプチルベンゾエート(31m
g,0.064mmol,50%)を得た。このものを
実施例2と同一のHPLC分析条件下でR/S生成比を
分析した結果、24R:24S=97.5:2.5と算
出された。
【0073】
【参考例1】
【0074】
【化26】
【0075】実施例1と全く同じ実験操作により(4
R)―4―[(4S,7aS)―4―ベンゾイルオキシ
―7a―メチルインデン―1―イル]ペンタナール
(1)(85mg,0.25mmol)とジイソプロピ
ル亜鉛のトルエン溶液(0.87M;0.63ml,
0.55mmol)とを5モル%の(−)―DBNE
(3.3mg,0.013mmol;5モル%)の存在
下にトルエン中0℃で20時間反応した。実施例1と同
様の後処理とシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離
により実施例1と同じイソプロピル化生成物(35m
g,0.09mmol,36%)を得た。イソプロピル
化の立体選択性の算出は、実施例1と同様のHPLC分
析法により実施し、24R:24S=95.3:4.7
と算出された。
【0076】
【参考例2】
【0077】
【化27】
【0078】実施例2と全く同じ実験操作により(4
R)―4―[(7aS)―7a―メチル―4―オキソイ
ンデン―1―イル]ペンタナール(1)(59mg,
0.25mmol)とジイソプロピル亜鉛のトルエン溶
液(0.87M;0.63ml,0.55mmol)と
を5モル%の(−)―DBNE(3.3mg,0.01
3mmol;5モル%)の存在下にトルエン中0℃で2
4時間反応した。実施例2と同様に後処理して、実施例
2と同一のイソプロピル化生成物(28mg,0.07
3mmol,29%)を得た。このものを実施例2と同
一の還元反応とベンゾイル化反応にかけて実施例2と同
一のジベンゾイル化体に誘導し、実施例2と同じHPL
C条件下で分析した結果、24位の立体選択性は24
R:24S=94.6:5.4と算出された。
【0079】
【参考例3】
【0080】
【化28】
【0081】実施例3と全く同じ実験操作により(4
R)―4―[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチ
ルシリルオキシ―7a―メチルインデン―1―イル]ペ
ンタナール(1)(88mg,0.25mmol)とジ
イソプロピル亜鉛のトルエン溶液(0.87M;0.6
3ml,0.55mmol)とを5モル%の(−)―D
BNE(3.3mg,0.013mmol;5モル%)
の存在下にトルエン中0℃で24時間反応した。実施例
3と同様に後処理して、実施例3と同一のイソプロピル
化生成物(26mg,0.065mmol,26%)を
得た。このものを実施例3と同一の脱シリル化とベンゾ
イル化反応にかけて実施例3と同一のジベンゾイル化体
に誘導し、実施例3と同じHPLC分析を実施した結
果、24位の立体選択性は、24R:24S=95.
5:4.5と算出された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/78 C07C 69/78 C07F 7/18 C07F 7/18 A // B01J 31/02 102 B01J 31/02 102X C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 C07M 7:00 (56)参考文献 Tetrahedron Lette rs,1992,33(44)p.6683−6686 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 33/05 C07C 33/44 C07C 29/40 C07C 45/68 C07C 49/513 C07C 67/293 C07C 69/78 C07F 7/18 C07B 53/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 [式中、Xは酸素原子、(E)−ブロモメチレン基、ま
    たはα位に水素原子、β位に−OR基が置換されている
    場合を表わす(但し、Rは炭素数2〜8のアシル基、ト
    リ(炭素数1〜6の炭化水素基)置換シリル基、または
    1−(炭素数1〜4のアルコキシ基)置換の炭素数1〜
    6のアルキル基を表わす。)。]で表わされる4−(4
    −置換インデン−1−イル)ペンタナール類と下記式
    (II) 【化2】 で示されるジイソプロピル亜鉛とを光学活性N,N−ジ
    アルキルアミノアルコール類の存在下に反応せしめるこ
    とを特徴とする下記式(III) 【化3】 [式中、Xは前記式(I)に同じであり、*印はその不
    斉炭素に由来する異性体が一方の異性体に偏っているこ
    とを示す。]で表わされる光学活性6−(4−置換イン
    デン−1−イル)−2−メチル−3−ヘプタノール類の
    製造法。
  2. 【請求項2】 光学活性N,N−ジアルキルアミノアル
    コール類を式(I)で表わされる4−(4−置換インデ
    ン−1−イル)ペンタナール類に対して10〜30モル
    %の範囲で使用する請求項1記載の光学活性6−(4−
    置換インデン−1−イル)−2−メチル−3−ヘプタノ
    ール類の製造法。
  3. 【請求項3】 光学活性N,N−ジアルキルアミノアル
    コール類を式(I)で表わされる4−(4−置換インデ
    ン−1−イル)ペンタナール類に対して15〜25モル
    %の範囲で使用する請求項1記載の光学活性6−(4−
    置換インデン−1−イル)−2−メチル−3−ヘプタノ
    ール類の製造法。
  4. 【請求項4】 式(II)で示されるジイソプロピル亜鉛
    を式(I)で表わされる4−(4−置換インデン−1−
    イル)ペンタナール類に対して1〜3.5当量の範囲で
    使用する請求項1記載の光学活性6−(4−置換インデ
    ン−1−イル)−2−メチル−3−ヘプタノール類の製
    造法。
  5. 【請求項5】 式(I)で表わされる4−(4−置換イ
    ンデン−1−イル)ペンタナール類が下記式(I−a) 【化4】 で表わされる請求項1〜4のいずれか1項記載の光学活
    性6−(4−置換インデン−1−イル)−2−メチル−
    3−ヘプタノール類の製造法。
  6. 【請求項6】 式(I)で表わされる4−(4−置換イ
    ンデン−1−イル)ペンタナール類が下記式(I−b) 【化5】 で表わされる請求項1〜4のいずれか1項記載の光学活
    性6−(4−置換インデン−1−イル)−2−メチル−
    3−ヘプタノール類の製造法。
  7. 【請求項7】 式(I)で表わされる4−(4−置換イ
    ンデン−1−イル)ペンタナール類が下記式(I−c) 【化6】 [式中、Rの定義は前記式(I)における定義と同じで
    ある。]で表わされる請求項1〜4のいずれか1項記載
    の光学活性6−(4−置換インデン−1−イル)−2−
    メチル−3−ヘプタノール類の製造法。
  8. 【請求項8】 Rが炭素数2〜8のアシル基である請求
    項7記載の光学活性6−(4−置換インデン−1−イ
    ル)−2−メチル−3−ヘプタノール類の製造法。
  9. 【請求項9】 Rがアセチル基である請求項7記載の光
    学活性6−(4−置換インデン−1−イル)−2−メチ
    ル−3−ヘプタノール類の製造法。
  10. 【請求項10】 光学活性N,N−ジアルキルアミノア
    ルコール類が光学活性β−(N,N−ジアルキルアミ
    ノ)アルコール類である請求項1〜3のいずれか1項記
    載の光学活性6−(4−置換インデン−1−イル)−2
    −メチル−3−ヘプタノール類の製造法。
  11. 【請求項11】 光学活性N,N−ジアルキルアミノア
    ルコール類が光学活性γ−(N,N−ジアルキルアミ
    ノ)アルコール類である請求項1〜3のいずれか1項記
    載の光学活性6−(4−置換インデン−1−イル)−2
    −メチル−3−ヘプタノール類の製造法。
  12. 【請求項12】 光学活性N,N−ジアルキルアミノア
    ルコール類が(1S,2R)−(−)−または(1R,
    2S)−(+)−2−(N,N−ジブチルアミノ)−1
    −フェニル−1−プロパノールである請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の光学活性6−(4−置換インデン−1
    −イル)−2−メチル−3−ヘプタノール類の製造法。
  13. 【請求項13】 光学活性N,N−ジアルキルアミノア
    ルコール類が(−)−または(+)−3−エキソ−(ジ
    メチルアミノ)イソボルネオールである請求項1〜3の
    いずれか1項記載の光学活性6−(4−置換インデン−
    1−イル)−2−メチル−3−ヘプタノール類の製造
    法。
JP5050633A 1993-03-11 1993-03-11 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の製造法 Expired - Fee Related JP2905024B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5050633A JP2905024B2 (ja) 1993-03-11 1993-03-11 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5050633A JP2905024B2 (ja) 1993-03-11 1993-03-11 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06263667A JPH06263667A (ja) 1994-09-20
JP2905024B2 true JP2905024B2 (ja) 1999-06-14

Family

ID=12864376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5050633A Expired - Fee Related JP2905024B2 (ja) 1993-03-11 1993-03-11 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2905024B2 (ja)

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Tetrahedron Letters,1992,33(44)p.6683−6686

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06263667A (ja) 1994-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tanikaga et al. Stereochemical behavior of intermediary compounds in the amine-catalyzed Knoevenagel reaction.
EP0106652B1 (en) Beta-lactam compounds and production thereof
US3984455A (en) Prostaglandin E1 analogs
JPH09328498A (ja) 24,25−ジヒドロキシコレステロールの製造法およびその合成中間体
JP2905024B2 (ja) 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―3―ヘプタノール類の製造法
JP3471067B2 (ja) 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法
JP2680231B2 (ja) 光学活性24―ヒドロキシコレステロール類の製造法
JPH029857A (ja) ハロスルホンの製造方法
JP3247243B2 (ja) 光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロール類の製造法
JPH0358335B2 (ja)
JP2536516B2 (ja) ヒドロキシシクロペンタノン類
US4235779A (en) Bicyclic lactones
JP3446225B2 (ja) シクロペンタン誘導体及びその製造方法
JP2579547B2 (ja) アルコキシカルボニル化合物の製法
JP2848937B2 (ja) 置換メチレンシクロペンタン類の製造法
JPS6259A (ja) 新規なスルホン及びその製造方法
JP2737214B2 (ja) 4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法
JP3770678B2 (ja) 光学活性アルコール及びそのカルボン酸エステル
JP3266701B2 (ja) 2,3−ジヒドロポリプレノールの製造法
JPS632251B2 (ja)
JPH07233175A (ja) 金属置換シクロプロピルメタノール誘導体の不斉製造法
JPH08277239A (ja) ヒドロキシシクロペンタノン類の製法
JPS6032760A (ja) 4−ヒドロキシ−2−オルガノチオ−2−シクロペンテノン類の製造法
JPH04305548A (ja) ハロゲノアリルアルコール誘導体
JP2000186056A (ja) 光学活性α−置換シクロアルカノン誘導体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees