JP3247243B2 - 光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロール類の製造法 - Google Patents

光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロール類の製造法

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JP3247243B2 JP03468594A JP3468594A JP3247243B2 JP 3247243 B2 JP3247243 B2 JP 3247243B2 JP 03468594 A JP03468594 A JP 03468594A JP 3468594 A JP3468594 A JP 3468594A JP 3247243 B2 JP3247243 B2 JP 3247243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品の中間体として
有用な光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒ
ドロコレステロール類の製造法に関するものである。さ
らに詳細には3―置換―5,22―コラジエン―24―
アルデヒド類または6β―置換―3α,5―シクロ―5
α―コラン―22―エン―24―アルデヒド類とジイソ
プロピル亜鉛とを光学活性―ジアルキルアミノア
ルコール類の存在下に反応せしめて高度に光学活性な2
4―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロー
ル類を収率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性―ジアルキルアミ
ノアルコール類を不斉触媒として用い、アルデヒド類に
ジアルキル亜鉛を不斉に付加させて、光学活性第2級ア
ルコール類を製造する方法としては、次のような方法が
知られている。 ▲そ▼合ら、特開昭64―68号公報。 小国ら、特開平1―313445号公報。 ▲そ▼合ら、特開平2―142742号公報。 ▲そ▼合ら、特開平2―212452号公報。 および 野依ら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 30, 49 (199
1)およびその引用文献。 ▲そ▼合ら、J. Org. Chem., 56, 4264 (1991)および
その引用文献。
【0003】これら先行技術の内、〜の特許におい
てはジアルキル亜鉛のアルキル基の例示としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、t―ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素
数1〜6の飽和炭化水素基があげられているが、実際に
実施例に記載されているのはメチル基、エチル基、ブチ
ル基であり、第1級アルキル基に限定されていて第2級
アルキル基を用いた実施例は何ら記載されていない。ま
た、先行技術,においてもその研究対象はメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ビ
ニル基が主であり、イソプロピル基の例としてはに一
例あるのみである。その実験例によるとイソプロピル基
を用いた場合は中間活性種の不安定性のためか、収率、
不斉誘起率ともに減少している傾向を示している。
【0004】本発明者らは別途提案したように、飽和ア
ルデヒド類とジイソプロピル亜鉛とを光学活性
ジアルキルアミノアルコール類の存在下に反応せしめる
と、対応するイソプロピル化された生成物が光学活性体
の形で得られることを示した。この時、本発明者らは通
常かかる従来技術で最適であるとされている、光学活性
―ジアルキルアミノアルコール類を飽和アルデヒ
ド類に対して5〜10モル%用いる条件下で不斉イソプ
ロピル化反応を実施したところ、目的とするイソプロピ
ル化生成物は低収率でしか得られず、光学活性
ジアルキルアミノアルコール類の添加量を種々検討した
結果、飽和アルデヒド類に対して20モル%付近に最適
領域のあることを見出した。しかし、この最適条件下に
おいても反応収率は決して満足すべきものではなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、光学活
―ジアルキルアミノアルコール類の存在下にジ
イソプロピル亜鉛を用いて不斉イソプロピル化反応を実
施する時、高い不斉誘起率を保ったまま、さらに反応収
率の向上をめざすべく鋭意検討した結果、飽和アルデヒ
ド類の代わりにα,β―不飽和アルデヒド類を基質に選
べば高立体選択性を保ったまま高収率で不斉イソプロピ
ル化が進行することを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記式(I)
【0007】
【化8】
【0008】[式中、Rは炭素数2〜8のアシル基、ト
リ(炭素数1〜6の炭化水素基)置換シリル基、または
1―(炭素数1〜4のアルコキシ基)置換の炭素数1〜
6のアルキル基を表わし、R′は水素原子または―OR
基を表わす。]で表わされる3―置換―5,22―コラ
ジエン―24―アルデヒド類または下記式(IV)
【0009】
【化9】
【0010】[式中、R”はヒドロキシ基、低級アルコ
キシ基、フェニル低級アルコキシ基、低級アルカノイル
オキシ基またはベンゾイルオキシ基を示す。]で表され
る6β―置換―3α,5―シクロ―5α―コラン―22
―エン―24―アルデヒド類と下記式(II)
【0011】
【化10】
【0012】で表わされるジイソプロピル亜鉛とを光学
活性―ジアルキルアミノアルコール類の存在下に
反応せしめることを特徴とする下記式(III)
【0013】
【化11】
【0014】[式中、R,R’は前記式(I)の定義に
同じであり、*印はその不斉炭素に由来する異性体が一
方の異性体に偏っていることを示す。]また下記式
(V)
【0015】
【化12】
【0016】[式中、R”は前記式(IV)の定義に同じ
であり、*印はその不斉炭素に由来する異性体が一方の
異性体に偏っていることを示す。]で表される光学活性
24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロ
ール類の製造方法である。
【0017】本発明方法において原料として用いられる
3―置換―5,22―コラジエン―24―アルデヒド類
および6β―置換―3α,5―シクロ―5α―コラン―
22―エン―24―アルデヒド類は、例えばスチグマス
テロールより得られる下記の3α,5―シクロ―5α―
スチグマスタン―6β―オル メチルエーテル(例え
ば、J.J. Partridgeら、Helvetica Chimica Acta, Vol.
57, 764 (1974)参照)から下記の反応工程を経て得るこ
とができる。
【0018】
【化13】
【0019】上記式(I)において、R’は水素原子ま
たは―OR基を表わし、―OR基におけるRは下記式
(I―a)において後記するRと同じ定義である。
【0020】R’が水素原子の場合、上記式(I)は下
記式(I―a)
【0021】
【化14】
【0022】[式中、Rは炭素数2〜8のアシル基、ト
リ(炭素数1〜6の炭化水素基)置換シリル基、または
1―(炭素数1〜4のアルコキシ基)置換の炭素数1〜
6のアルキル基を表わす。]で表わされ、R’が―OR
基の場合、上記式(I)は下記式(I―b)
【0023】
【化15】
【0024】[式中、Rの定義はそれぞれ独立に前記式
(I―a)の定義に同じ。]で表わされる。
【0025】上記式(I)(I―a,I―bを含む)に
おいてRは、R,R’のそれぞれの場合に独立に炭素数
2〜8のアシル基、トリ(炭素数1〜6の炭化水素基)
置換シリル基、または1―(炭素数1〜4のアルコキシ
基)置換の炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
【0026】Rの炭素数2〜8のアシル基としては、例
えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバ
ロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベ
ンゾイル基、エトキシカルボニル基などがあげられ、好
ましくはアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、エ
トキシカルボニル基があげられる。
【0027】Rのトリ(炭素数1〜6の炭化水素基)置
換シリル基としては、例えば、トリエチルシリル基、ト
リイソプロピルシリル基、t―ブチルジメチルシリル
基、t―ブチルジフェニルシリル基などがあげられ、好
ましくはt―ブチルジメチルシリル基、t―ブチルジフ
ェニルシリル基があげられる。
【0028】Rの1―(炭素数1〜4のアルコキシ基)
置換の炭素数1〜6のアルキル基は、それが結合してい
る酸素原子とともにアセタール結合を形成するような基
と理解され、かかる基としては、例えば、メトキシメチ
ル基、1―エトキシエチル基、2―メトキシ―2―プロ
ピル基、2―エトキシ―2―プロピル基、(2―メトキ
シエトキシ)メチル基、ベンジルオキシメチル基、2―
テトラヒドロピラニル基などがあげられ、好ましくは、
メトキシメチル基、1―エトキシエチル基、2―エトキ
シ―2―プロピル基、(2―メトキシエトキシ)メチル
基、2―テトラヒドロピラニル基があげられる。
【0029】ここに示したRは水酸基の保護基として機
能している基であり、(1)出発原料である3―置換―
5,22―コラジエン―24―アルデヒド類を合成する
時、(2)ジイソプロピル亜鉛を光学活性―ジア
ルキルアミノアルコール類の存在下にアルデヒド類と反
応させる時、光学活性―ジアルキルアミノアルコ
ール類の効果を発揮させるため、(3)本製造法によっ
て得られる24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロ
コレステロール類の2つの水酸基を区別するために機能
していると理解される。従ってこのような3つの機能を
満足する基であればRの代用となりうるものである。
【0030】かかるRとしては、炭素数2〜8のアシル
基、なかでもアセチル基が好ましく、そしてR及びR’
がORである場合のいずれか一方もしくは双方のRがこ
れらの好ましい基であればよい。
【0031】上記式(IV)において、R”はヒドロキシ
基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基、低
級アルカノイルオキシ基、またはベンゾイルオキシ基を
示す。低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、
エトキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。フェニ
ル低級アルコキシ基としては例えばベンジルオキシ基、
2−フェニルエトキシ基等が挙げられる。低級アルカノ
イルオキシ基としては例えばホルミルオキシ基、アセト
キシ基等が挙げられる。上記の定義における低級なる語
は炭素原子1〜8個、特に好ましくは1〜4個を有する
基を表す。これらの中でもR”としては低級アルコキシ
基、例えばメトキシ基、エトキシ基等のC1〜C3のア
ルコキシ基が好ましい。
【0032】上記式(II)で表わされるジイソプロピル
亜鉛は既知の化合物であり、公知の方法(例えば、C.R.
Noller,“Organic Syntheses ”, Coll. Vol.II, p18
4, John Wiley & Sons (1943)) により容易に入手さ
れ、使用される。
【0033】本発明方法ではジイソプロピル亜鉛に配位
し、イソプロピル化反応を促進するとともに、不斉な反
応の場を与えることのできる光学活性―ジアルキ
ルアミノアルコール類の存在下に実施され、目的とする
効果を発揮している。かかる効果を発揮する光学活性
―ジアルキルアミノアルコール類としては、従来
光学活性β―(―ジアルキルアミノ)アルコール
類および光学活性γ―(―ジアルキルアミノ)ア
ルコール類が研究されており、特に光学活性β―(
―ジアルキルアミノ)アルコール類の研究が数多く報
告されている(例えば前述の先行技術文献を参照)。
光学活性β―(―ジアルキルアミノ)アルコール
類の中でも、1―アルキルピロリジン―2―イルメタノ
ール誘導体(先行文献,、および)と2―ジアル
キルアミノ―1―フェニル―1―プロパノール誘導体
(先行文献および、特に)についてはよく研究さ
れている。本発明方法においてはかかる不斉誘起効果を
発揮することが知られている光学活性β―またはγ―
―ジアルキルアミノ)アルコール類ならば本質
的にはいかなるものでも使用することができる。なかで
も、先行技術文献およびに詳細に研究されているよ
うに(1,2)―(−)―もしくは(1,2
―(+)―2―(―ジブチルアミノ)―1―フェ
ニル―1―プロパノールまたは(−)―もしくは(+)
―3―エキソ―(ジメチルアミノ)イソボルネオールは
高い不斉誘起効果をあげることができるので特に好まし
い。
【0034】また、本発明方法において用いられる光学
活性―ジアルキルアミノアルコール類の光学純度
は必ずしも100%ee(エナンチオマ過剰率)に近い
必要はなく、光学純度が低い―ジアルキルアミノ
アルコール類を用いても、高い光学純度の主成物が得ら
れる。用いた不斉源の光学純度よりも、得られた生成物
の光学純度が高くなるこの現象は不斉増幅現象として詳
しく研究されている(例えば、先行技術文献を参
照)。
【0035】本発明の製造法においては、上記式(I)
または(IV)で表わされるアルデヒド類と上記式(II)
で示されるジイソプロピル亜鉛を光学活性―ジア
ルキルアミノアルコール類の存在下に有機溶媒中で反応
せしめることにより、上記式(III) または(V)で表
わされる光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデ
ヒドロコレステロール類の製造を達成することができ
る。
【0036】本発明の製造法において上記式(II)で示
されるジイソプロピル亜鉛は上記式(I)または(IV)
で表わされるアルデヒド類に対して化学量論的には等モ
ル反応を行なうが、一部添加する光学活性―ジア
ルキルアミノアルコール類と反応して錯体活性種を生成
するのに使用されるために、通常1〜3.5当量の範
囲、特に好ましくは2〜2.5当量の範囲で行なわれ
る。なお、3.5当量以上の使用は上記式(I)または
(IV)で表わされるアルデヒド類の還元反応を促進して
しまう傾向があるので好ましくない。
【0037】一方、光学活性―ジアルキルアミノ
アルコール類は、そのイソプロピル化反応促進効果によ
ってその最適使用量が若干異なってくるが、上記式
(I)または(IV)で表わされるアルデヒド類に対し
て、通常、2〜100モル%、好ましくは2〜30モル
%、特に好ましくは3〜25モル%の範囲で使用され
る。
【0038】本発明の製造方法において用いられる有機
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族
炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル系溶媒またはこれらの混合溶媒などが
あげられる。これらのなかでも炭化水素系溶媒、芳香族
炭化水素系溶媒が好ましく、特に、トルエンやヘキサン
が好ましい。かかる有機溶媒の使用量は目的とする反応
が円滑に進行すれば特に大きな制限はないが、通常、m
molで表わされる反応スケールに換算して1〜100
ml、特に好ましくは10ml付近の量の溶媒量が選択
される。
【0039】反応温度は−78℃〜50℃、好ましくは
−30℃〜30℃、特に好ましくは0℃〜室温程度の温
度範囲が採用される。反応時間は用いる不斉配位子触媒
の種類や使用量や反応温度により異なり、通常、薄層ク
ロマトグラフィーなどの分析手段を用いて出発原料の消
失を追跡しながら実施するが、0℃〜室温で数時間〜数
十時間反応させると終結する。
【0040】反応終結後に目的物である上記式(III)
または(V)で表わされる光学活性24―ヒドロキシ―
22,23―ジデヒドロコレステロール類の単離操作は
塩酸などの酸性物質で処理した後、通常の後処理手段、
例えば、抽出、洗浄、乾燥、濃縮などの方法により得ら
れた粗生成物を、クロマトグラフィーや再結晶などの方
法により分離、精製される。なお、本発明の製造法によ
り得られたイソプロピル化体のR/S生成比は生成物そ
のもの、または適当な誘導体に導いた後、液体クロマト
グラフィーなどの分析方法により決定される。
【0041】かくして本発明によれば、下記式(III)
【0042】
【化16】
【0043】[式中、R,R’は前記式(I)の定義に
同じであり、*印はその不斉炭素に由来する異性体が一
方の異性体に偏っていることを示す。]または下記式
(V)
【0044】
【化17】
【0045】[式中、R”は前記式(IV)の定義に同じ
であり、*印はその不斉炭素に由来する異性体が一方の
異性体に偏っていることを示す。]で表わされる光学活
性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステ
ロール類が製造される。上記式(III) ,(V)におい
てR、R’およびR”は前記式(I)または(IV)の定
義に同じであり、*印はその不斉炭素に由来する異性体
が一方の異性体に偏っていることを示しており、用いた
光学活性―ジアルキルアミノアルコール類の不斉
に起因してどちらか一方が豊富に生成し、逆の立体配位
を有する光学活性―ジアルキルアミノアルコール
類のエナンチオ異性体を使用するとそれとは逆の立体構
造を有する上記式(III) または(V)で表わされる光
学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレ
ステロール類の24位の立体のみが逆転したジアステレ
オ異性体を豊富に与えることになる。上記式(III) で
表わされる光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジ
デヒドロコレステロール類の具体例は前述の式(I)で
Rとして好適にあげた基が置換した誘導体がそのままあ
げられ、24位の立体はR体もS体も製造し分けること
ができるが、24S体の方が医薬品開発という立場から
は有用な化合物なので24S体を与える光学活性
―ジアルキルアミノアルコール類の方が有用となってく
る。
【0046】
【発明の効果】以上、本発明の製造法を詳細に説明した
ように、上記式(I)または(IV)で表わされるアルデ
ヒド類に上記式(II)で示されるジイソプロピル亜鉛を
用いて光学活性―ジアルキルアミノアルコール類
の存在下に実施する不斉イソプロピル化反応を経る上記
式(III) または(V)で表わされる光学活性24―ヒ
ドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロール類の
製造法では、ジイソプロピル亜鉛を用いる飽和アルデヒ
ド類の不斉イソプロピル化反応とは異なり、高収率かつ
高立体選択的に目的とする不斉イソプロピル化生成物を
得ることができ、このような事実は、かかる組み合わせ
においては現在までに全く報告されていない新事実であ
る。
【0047】本発明の製造法により得られる上記式(II
I) または(V)で表わされる光学活性24―ヒドロキ
シ―22,23―ジデヒドロコレステロール類の内、2
4位の立体構造がS体である化合物は、既知の化合物
(例えば、池川ら、特開平1―117897号公報参
照)であり、その後、数工程を経て24(R)―ヒドロ
キシビタミンD3 誘導体に導くことのできる有用な新規
出発原料であり、今までは24R体と24S体をクロマ
トグラフィーなどの分離操作を用いて分離していたこと
を考えると、本発明の製造法は、高立体選択的、高収
率、短工程、RS分離操作の回避といった諸点から効率
的であり、工業的にも優れた実用的な製造法を提供する
ものである。
【0048】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0049】[実施例1]
【0050】
【化18】
【0051】3β―t―ブチルジメチルシリルオキシ―
5,22―コラジエン―24―アルデヒド(1)(11
7mg,0.25mmol)と(1S,2R)―(−)
―2―(N,N―ジブチルアミノ)―1―フェニル―1
―プロパノール((−)―DBNE;13mg,0.0
5mmol;20モル%)のトルエン(2ml)溶液に
ジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(0.87M;0.
63ml,0.55mmol)を0℃で滴下し、0〜5
℃で24時間攪拌した。反応終了後、反応混合液に1N
塩酸(25ml)を加えて後処理し、酢酸エチル(25
ml)で抽出した。分液した有機層を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウム上で乾燥、濾過後、濃縮して粗生成物を得た。
このものをシリカゲル(20g)を用いてカラムクロマ
トグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=80:
1→10:1)を行ない、イソプロピル化生成物である
3β(0)―t―ブチルジメチルシリル―24―ヒドロ
キシ―22,23―ジデヒドロコレステロール(2)
(116mg,0.23mmol,91%)を得た。
【0052】融点;125.4〜125.6℃ NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.04(6H,
s),0.69(3H,s),0.85〜0.95(6
H,m),0.88(9H,s),1.00(3H,
s),1.04(3H,d,J=6Hz),1.05〜
2.4(23H,m),3.35〜3.55(1H,
m),3.7〜3.8(1H,m),5.25〜5.5
5(3H,m) IR(KBr)cm-1;2959,2857,125
6,1088.
【0053】上記イソプロピル化反応における立体選択
性を求めるためにイソプロピル化生成物(30mg,
0.06mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)に
テトラブチルアンモニウムフルオライドのテトラヒドロ
フラン溶液(1M;2ml)を加え、室温で3.5時間
攪拌した。反応終了後、水(20ml)を加え、酢酸エ
チル(20ml)で抽出した。分液した有機層を水、飽
和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾
燥、濾過後、濃縮して24―ヒドロキシ―22,23―
ジデヒドロコレステロールの粗生成物を得た。この粗生
成物を塩化メチレン(2ml)に溶かし、4―ジメチル
アミノピリジン(300mg)、塩化ベンゾイル(0.
25ml)を加えて40℃で45分間攪拌した。反応混
合物に1N塩酸を加えて酸性にし、酢酸エチル(30m
l)で抽出した。分液した有機層を1N塩酸(30ml
×2)、飽和食塩水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウム上で乾燥後濃縮して粗生成物を得た。この粗
生成物をシリカゲル(10g)を用いてカラムクロマト
グラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=80:1
→60:1)を行ない、3β(0)―ベンゾイル―24
―ベンゾイルオキシ―22,23―ジデヒドロコレステ
ロールを得た。このジベンゾイル化体(5mg)の酢酸
エチル(1ml)溶液に触媒量の5%パラジウム/活性
炭を加えて水素雰囲気下室温で8時間接触還元した。反
応後、触媒を濾別し、濾液を濃縮して3β(0)―ベン
ゾイル―24―ベンゾイルオキシコレステロールを得
た。このものは別途合成した標品と各種スペクトルが完
全に一致した。
【0054】NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.6
4(3H,s),0.85〜1.05(9H,m),
1.06(3H,s),1.1〜2.1(24H,
m),2.4〜2.5(2H,d),4.75〜5.0
5(2H,m),5.35〜5.45(1H,d),
7.37〜7.65(6H,m),8.0〜8.1(4
H,m).
【0055】このものをHPLC分析して24R体と2
4S体の比を標品と比較して求めたところ、24R:2
4S=95:5と算出されたので、実施例1におけるイ
ソプロピル化生成物の立体選択性は24S:24R=9
5:5と算定された。HPLC分析はZorbax S
ILカラムを用いて行ない、溶離液の組成はヘキサン:
塩化メチレン:エタノール=90:10:0.1(流量
2.0ml/分)を使用し、254nmのUV波長で検
出し、定量した。
【0056】[実施例2]実施例1と同様に、3β―t
―ブチルジメチルシリルオキシ―5,22―コラジエン
―24―アルデヒド(117mg,0.25mmol)
を5モル%の(−)―DBNE(3.3mg,0.01
3mmol;5モル%)の存在下に実施例1と同量のジ
イソプロピル亜鉛とトルエン中で0〜5℃で24時間反
応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理とシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーを行ない、3β(0)
―t―ブチルジメチルシリル―24―ヒドロキシ―2
2,23―ジデヒドロコレステロール(115mg,
0.23mmol;90%)を得た。このものの各種物
性値は実施例1のそれと同一であった。
【0057】イソプロピル化反応における立体選択性の
決定は、実施例1の方法と同様に、イソプロピル化生成
物を脱シリル、ジベンゾイル化、接触水添して、3β
(0)―ベンゾイル―24―ベンゾイルオキシコレステ
ロールに誘導し、HPLC分析によって24R:24S
=96:4と算定されたので、実施例2におけるイソプ
ロピル化生成物の立体選択性は24S:24R=96:
4と算定された。
【0058】[実施例3]
【0059】
【化19】
【0060】実施例1と全く同様に3β―t―ブチルジ
メチルシリルオキシ―5,22―コラジエン―24―ア
ルデヒド(1)(117mg,0.25mmol)を出
発原料として実施した。但し、不斉配位子は実施例1の
(−)―DBNEから(+)―DBNE(13mg,
0.05mmol;20モル%)に代えて0〜5℃で2
4時間反応させた。イソプロピル化生成物の単離は実施
例1と同様に行ない、3β(0)―t―ブチルジメチル
シリル―24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコ
レステロール(2)(114mg,0.22mmol;
89%)を得た。このものの各種スペクトルデータは実
施例1のそれと一致した。
【0061】イソプロピル化反応における立体選択性の
決定も実施例1と全く同様にイソプロピル化生成物の脱
シリル、ジベンゾイル化、接触水添反応を経て、3β
(0)―ベンゾイル―24―ベンゾイルオキシコレステ
ロールに誘導し、HPLC分析によって24R:24S
=4:96と算出されたので、実施例3におけるイソプ
ロピル化生成物の立体選択性は24S:24R=4:9
6と算定された。
【0062】[実施例4]
【0063】
【化20】
【0064】実施例1と全く同様に3β―t―ブチルジ
メチルシリルオキシ―5,22―コラジエン―24―ア
ルデヒド(1)(117mg,0.25mmol)を出
発原料として実施した。但し、不斉配位子の光学純度は
実施例1の100%eeの(−)―DBNEから20%
eeの(−)―DBNE(66mg,0.25mmo
l)に代えて0〜5℃で24時間反応させた。イソプロ
ピル化生成物の単離は実施例1と同様に行ない、3β
(0)―t―ブチルジメチルシリル―24―ヒドロキシ
―22,23―ジデヒドロコレステロール(2)(11
2mg,0.22mmol;88%)を得た。このもの
の各種物性値は実施例1のそれと完全に一致した。
【0065】イソプロピル化反応における立体選択性の
決定も実施例1と全く同様にイソプロピル化生成物の脱
シリル、ジベンゾイル化、接触水添反応を経て、3β
(0)―ベンゾイル―24―ベンゾイルオキシコレステ
ロールに誘導し、HPLC分析によって24R:24S
=95:5と算出されたので、実施例3におけるイソプ
ロピル化生成物の立体選択性は24S:24R=95:
5と算定された。
【0066】[実施例5]
【0067】
【化21】
【0068】実施例1と全く同様に3β―t―ブチルジ
メチルシリルオキシ―5,22―コラジエン―24―ア
ルデヒド(1)(117mg,0.25mmol)を出
発原料として実施した。但し、不斉配位子は実施例1の
(−)―DBNEから(−)―3―エキソ―ジメチルア
ミノイソボルネオール(2)((−)―DAIB;10
mg,0.05mmol;20モル%)に代えて0〜5
℃で24時間反応させた。イソプロピル化生成物の単離
は実施例1と同様に行ない、3β(0)―t―ブチルジ
メチルシリル―24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒ
ドロコレステロール(2)(117mg,0.23mm
ol;92%)を得た。このものの各種物性値は実施例
1のそれと完全に一致した。
【0069】イソプロピル化反応における立体選択性の
決定も実施例1と全く同様にイソプロピル化生成物の脱
シリル、ジベンゾイル化、接触水添を経て、3β(0)
―ベンゾイル―24―ベンゾイルオキシコレステロール
に誘導し、HPLC分析によって24R:24S=9
7:3と算出されたので、実施例3におけるイソプロピ
ル化生成物の立体選択性は24S:24R=97:3と
算定された。
【0070】〔実施例6〜10〕実施例1において3β
―t―ブチルジメチルシリルオキシ―5,22―コラジ
エン―24―アルデヒド(0.25mmol)の代わり
に下記のアルデヒド類(0.25mmol)に対して、
実施例1と全く同一の条件下にジイソプロピル亜鉛
(0.55mmol)と(−)―DBNE(0.05m
mol;20モル%)を用いて0℃で24時間反応させ
た。反応終了後、実施例1と全く同様の後処理とシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより生成物を分離し、
対応するイソプロピル化体の収率を求めた。このイソプ
ロピル化生成物の立体選択性は、実施例1の方法に準拠
して水酸基の脱保護、ジベンゾイル化、接触水添反応に
より3β(0)―ベンゾイル―24―ベンゾイルオキシ
コレステロールに誘導し、実施例1と同一のHPLC条
件で分析して24R:24S比を求め、その値から各実
施例におけるイソプロピル化生成物の立体選択性(24
S:24R)を算定した。各実施例で用いたアルデヒド
類と生成物の収率および24S:24R比、ならびに生
成物のスペクトルデータを下記に示した。
【0071】[実施例6] 原料アルデヒド:3β―アセトキシ―5,22―コラジ
エン―24―アルデヒド生成物:3β(0)―アセチル
―24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステ
ロール(91%,24S:24R=96:4) NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.67(3H,
s),0.85〜0.95(9H,m),1.0(3
H,s),1.1〜2.4(23H,m),2.03
(3H,s),3.35〜3.55(1H,m),4.
5〜4.7(1H,m),5.25〜5.55(3H,
m). IR(KBr)cm-1;3400,1730,144
0,1360,1235,1025.
【0072】[実施例7] 原料アルデヒド:3β―ベンゾイルオキシ―5,22―
コラジエン―24―アルデヒド 生成物:3β(0)―ベンゾイル―24―ヒドロキシ―
22,23―ジデヒドロコレステロール(91%,24
S:24R=96:4) NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.67(3H,
s),0.85〜0.95(9H,m),1.0(3
H,s),1.1〜2.4(23H,m),3.35〜
3.55(1H,m),4.8〜5.0(1H,m),
5.25〜5.55(3H,m),7.4〜7.6(3
H,m),8.0〜8.1(2H,m). IR(KBr)cm-1;3450,3080,172
0,1440,1360,1235,1020.
【0073】[実施例8] 原料アルデヒド:3β―ピバロイルオキシ―5,22―
コラジエン―24―アルデヒド 生成物:3β(0)―ピバロイル―24―ヒドロキシ―
22,23―ジデヒドロコレステロール(90%,24
S:24R=95:5) NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.68(3H,
s),0.8(9H,s),0.85〜0.95(9
H,m),1.0(3H,s),1.1〜2.4(23
H,m),3.30〜3.55(1H,m),4.5〜
4.7(1H,m),5.25〜5.55(3H,
m). IR(KBr)cm-1;3400,1735,144
0,1360,1235,1025.
【0074】[実施例9] 原料アルデヒド:3β―エトキシカルボニルオキシ―
5,22―コラジエン―24―アルデヒド 生成物:3β(0)―エトキシカルボニル―24―ヒド
ロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロール(90
%,24S:24R=95:5) NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.67(3H,
s),0.85〜0.95(9H,m),1.0(3
H,s),1.1〜2.4(26H,m),3.35〜
3.55(1H,m),4.1〜4.3(2H,m),
4.45〜4.55(1H,m),5.25〜5.55
(3H,m). IR(KBr)cm-1;3420,1745,144
0,1360,1235,1030.
【0075】[実施例10] 原料アルデヒド:3β―メトキシメトキシ―5,22―
コラジエン―24―アルデヒド 生成物:3β(0)―エメトキシメチル―24―ヒドロ
キシ―22,23―ジデヒドロコレステロール(89
%,24S:24R=95:5) NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.67(3H,
s),0.85〜0.95(9H,m),1.0(3
H,s),1.1〜2.4(23H,m),3.20
(3H,s),3.33〜3.55(1H,m),3.
60(1H,m),5.25〜5.55(3H,m),
5.4(2H,s). IR(KBr)cm-1;3400,1440,136
0,1235,1115,1000.
【0076】[実施例11]
【0077】
【化22】
【0078】6β―メトキシ―3α,5―シクロ―5α
―コラン―22―エン―24―アルデヒド(1)(92
mg,0.25mmol)と(1S,2R)―(−)―
2―(N,N―ジブチルアミノ)―1―フェニル―1―
プロパノール((−)―DBNE;13mg,0.05
mmol;20モル%)のトルエン(2ml)溶液にジ
イソプロピル亜鉛のトルエン溶液(0.87M;0.6
3ml,0.55mmol)を0℃で滴下し、0〜5℃
で24時間攪拌した。反応終了後、反応混合液に1N塩
酸(25ml)を加えて後処理し、酢酸エチル(25m
l)で抽出した。分液した有機層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネ
シウム上で乾燥、濾過後、濃縮して粗生成物を得た。こ
のものをシリカゲル(20g)を用いてカラムクロマト
グラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=40:1
→2:1)を行ない、イソプロピル化生成物である24
―ヒドロキシ―6β―メトキシ―3α,5―シクロ―5
α―コレスト―22―エン(2)(89mg,0.22
mmol,86%)を得た。
【0079】NMR(CDCl,ppm)δ;0.
04(6H,s),0.72(3H,s),0.85〜
0.95(6H,m),1.00(3H,s),1.0
3(3H,d,J=6Hz),0.35〜2.4(23
H,m),2.7〜2.8(1H,m),3.31(3
H,s),3.55〜3.7(1H,m),5.25〜
5.55(3H,m) IR(KBr)cm−1;2960,2850,147
5,1455,1095.
【0080】上記イソプロピル化反応における立体選択
性を求めるためにイソプロピル化生成物(10mg,
0.02mmol)のエタノール(1ml)溶液に触媒
量の5%白金/活性炭を加えて水素雰囲気下室温で2時
間接触還元した。反応後、触媒を濾別し、濾液を濃縮し
て、24―ヒドロキシ―6β―メトキシ―3α,5―シ
クロ―5α―コレスタンを得た。このもの全量をジオキ
サン(1ml)に溶かし、水(0.5ml)、p―トル
エンスルホン酸一水和物(5mg)を加えて80℃で1
時間撹拌した。反応混合物に水を15ml加え、酢酸エ
チル(15ml)で抽出した。分液した有機層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液(15ml×2)、飽和食塩水
(15ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥
して24―ヒドロキシコレステロールを得た。このもの
を塩化メチレン(1ml)に溶かし、4―ジメチルアミ
ノピリジン(120mg)、塩化ベンゾイル(0.10
ml)を加えて40℃で30分間攪拌した。反応混合物
に1N塩酸を加えて酸性にし、酢酸エチル(25ml)
で抽出した。分液した有機層を1N塩酸(25ml×
2)、飽和食塩水(25ml)で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウム上で乾燥後濃縮して粗生成物を得た。この粗生
成物をシリカゲル(10g)を用いてカラムクロマトグ
ラフィー(溶離液;ヘキサン:エーテル=40:1)を
行ない、3β(0)―ベンゾイル―24―ベンゾイルオ
キシコレステロールを得た。実施例1の方法と同様に、
このもののHPLC分析によって24R:24S=9
7:3と算定されたので実施例11におけるイソプロピ
ル化生成物の立体選択性は24S:24R=97:3と
算定された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−131998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07J 75/00 C07J 9/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 [式中、Rは炭素数2〜8のアシル基、トリ(炭素数1
    〜6の炭化水素基)置換シリル基、または1―(炭素数
    1〜4のアルコキシ基)置換の炭素数1〜6のアルキル
    基を表わし、R’は水素原子または―OR基を表わ
    す。]で表わされる3―置換―5,22―コラジエン―
    24―アルデヒド類と下記式(II) 【化2】 で表わされるジイソプロピル亜鉛とを光学活性
    ジアルキルアミノアルコール類の存在下に反応せしめる
    ことを特徴とする下記式(III) 【化3】 [式中、R,R’は前記式(I)の定義に同じであり、
    *印はその不斉炭素に由来する異性体が一方の異性体に
    偏っていることを示す。]で表わされる光学活性24―
    ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロール類
    の製造法。
  2. 【請求項2】 下記式(IV) 【化4】 [式中、R”はヒドロキシ基、低級アルコキシ基、フェ
    ニル低級アルコキシ基、低級アルカノイルオキシ基また
    はベンゾイルオキシ基を示す。]で表される6β―置換
    ―3α,5―シクロ―5α―コラン―22―エン―24
    ―アルデヒド類と前記式(I)で示されるジイソプロピ
    ル亜鉛とを光学活性―ジアルキルアミノアルコー
    ル類の存在下に反応せしめることを特徴とする下記式
    (V) 【化5】 [式中、R”は前記式(IV)の定義に同じであり、*印
    はその不斉炭素に由来する異性体が一方の異性体に偏っ
    ていることを示す。]で表される光学活性24―ヒドロ
    キシ―22,23―ジデヒドロコレステロール類の製造
    法。
  3. 【請求項3】 式(II)で示されるジイソプロピル亜鉛
    を式(I)または式(IV)で表わされる化合物に対して
    1〜3.5当量の範囲で使用する請求項1または2に記
    載の光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒド
    ロコレステロール類の製造法。
  4. 【請求項4】 光学活性―ジアルキルアミノアル
    コール類を式(I)または式(IV)で表わされる化合物
    に対して2〜30モル%の範囲で使用する請求項1また
    は2に記載の光学活性24―ヒドロキシ―22,23―
    ジデヒドロコレステロール類の製造法。
  5. 【請求項5】 式(I)で表わされる3―置換―5,2
    2―コラジエン―24―アルデヒド類が下記式(I―
    a) 【化6】 [式中、Rの定義は前記式(I)の定義に同じ。]で表
    わされる請求項1または3に記載の光学活性24―ヒド
    ロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロール類の製
    造法。
  6. 【請求項6】 式(I)で表わされる3―置換―5,2
    2―コラジエン―24―アルデヒド類が下記式(I―
    b) 【化7】 [式中、Rの定義はそれぞれ独立に前記式(I)の定義
    に同じ。]で表わされる請求項1または3に記載の光学
    活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレス
    テロール類の製造法。
  7. 【請求項7】 Rがそれぞれ独立に炭素数2〜8のアシ
    ル基である請求項1、3〜6のいずれか1項記載の光学
    活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコレス
    テロール類の製造法。
  8. 【請求項8】 Rがそれぞれ独立にアセチル基である請
    求項1、3〜6のいずれか1項記載の光学活性24―ヒ
    ドロキシ―22,23―ジデヒドロコレステロール類の
    製造法。
  9. 【請求項9】 光学活性―ジアルキルアミノアル
    コール類が光学活性β―(―ジアルキルアミノ)
    アルコール類である請求項1〜8のいずれか1項記載の
    光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒドロコ
    レステロール類の製造法。
  10. 【請求項10】 光学活性―ジアルキルアミノア
    ルコール類が光学活性γ―(―ジアルキルアミ
    ノ)アルコール類である請求項1〜8のいずれか1項記
    載の光学活性24―ヒドロキシ―22,23―ジデヒド
    ロコレステロール類の製造法。
  11. 【請求項11】 光学活性―ジアルキルアミノア
    ルコール類が(1S2R)―(−)―または(1
    )―(+)―2―(―ジブチルアミノ)―1
    ―フェニル―1―プロパノールである請求項1〜8のい
    ずれか1項記載の光学活性24―ヒドロキシ―22,2
    3―ジデヒドロコレステロール類の製造法。
  12. 【請求項12】 光学活性―ジアルキルアミノア
    ルコール類が(−)―または(+)―3―エキソ―(ジ
    メチルアミノ)イソボルネオールである請求項1〜8の
    いずれか1項記載の光学活性24―ヒドロキシ―22,
    23―ジデヒドロコレステロール類の製造法。
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