JPH043391B2 - - Google Patents

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JPH043391B2
JPH043391B2 JP23207385A JP23207385A JPH043391B2 JP H043391 B2 JPH043391 B2 JP H043391B2 JP 23207385 A JP23207385 A JP 23207385A JP 23207385 A JP23207385 A JP 23207385A JP H043391 B2 JPH043391 B2 JP H043391B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式 (式中、R1は置換されていてもよいフエニル
基を表わし、R2は水素原子又は低級アシル基を
表わす。) で示されるビニルスルホン及びその製造方法に関
する。
本発明によつて提供される一般式()で示さ
れるビニルスルホンは後述するように医薬、飼料
添加剤として使用されているビタミンA又はその
アセテートの合成中間体として有用である。
〔従来の技術〕
従来、ビタミンA又はそのアセテートは次に示
すような方法により製造されることが知られてい
る。
〔式中、Acはアセチル基を表わす;Helvetica
Chemica Acta,30,1911(1947)参照〕 〔式中、Phはフエニル基を表わし、Xはハロ
ゲン原子を表わし、Acはアセチル基を表わす;
Chemie Ingeniuor Technik,45,646(1973)参
照〕 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来のビタミンA又はそのアセテートの製
造法はいずれもβ−イオノンを出発原料としてい
る。このβ−イオノンはプソイドイオノンを濃硫
酸を大量に用いて閉環反応させることにより工業
的に製造されているが、収率がそれほど高くない
こと、副生するα−イオノンなどとの蒸留分離の
困難さなどから必ずしも安価に入手できる工業原
料ではない。
しかして、本発明の1つの目的は安価にかつ容
易に入手できる工業原料から好収率でかつ容易に
製造でき、しかもビタミンA、さらにはそのアセ
テートに好収率でかつ容易に誘導される新規な化
合物を提供するにある。本発明の他の目的はその
新規な化合物を製造する方法を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の目的は、前記一般式
()で示されるビニルスルホンを提供すること
によつて達成され、また一般式 (式中、R1及びR2は前記定義のとおりであり、
Xはハロゲン原子を表わす。)で示されるハロス
ルホンを脱ハロゲン化水素剤で処理することを特
徴とする一般式()で示されるビニルスルホン
の製造方法並びに上記一般式()で示されるハ
ロスルホンとして、一般式 (式中、R1は前記定義のとおりであり、R3
低級アシル基を表わす。)で示されるヒドロキシ
スルホンにハロゲン化剤を作用させ、必要に応じ
てその生成物を加水分解することにより製造され
たものを用いる上記のビニルスルホンの製造方法
を提供することによつて達成される。
上記の一般式におけるR1,R2,R3及びXを詳
しく説明する。R1は置換されていてもよいフエ
ニル基を表わし、ここで置換基としてはメチル、
エチル、i−プロピル、n−プロピル、i−ブチ
ル、n−ブチルなどの低級アルキル基;塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子;及びメトキシ、
エトキシ、i−プロポキシ、n−プロポキシ、i
−ブトキシ、n−ブトキシなどの低級アルコキシ
基が例示される。また、置換基はオルト位、メタ
位又はパラ位のいずれの位置にあつてもよく、1
個又は2個以上の複数個であつてもよい。R2
水素原子又はホルミル、アセチル、プロピオニル
などの低級アシル基を表わす。R3はR2と同一の
低級アシル基を表わす。また、Xは塩素、臭素、
ヨウ素などのハロゲン原子を表わす。
本発明に従う一般式()で示されるハロスル
ホンを一般式()で示されるビニルスルホンに
誘導する反応において反応系内に存在させる脱ハ
ロゲン化水素剤としては、例えば、1,8−ジア
ザビシクロ〔5,4,0〕ウンデカ−7−エン、
1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナ−5
−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕
オクタン、N−メチルモルホリンなどの第3級ア
ミン;水素化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属の水酸化物などが使用される。一般
式()においてR2が低級アシル基であるハロ
スルホンに、脱ハロゲン化水素剤として第3級ア
ミンを作用させる場合には一般式()において
R2が低級アシル基であるビニルスルホンが得ら
れ、脱ハロゲン化水素剤としてアルカリ金属の水
酸化物をアルコール類を含む溶媒中で作用させる
場合には一般式()においてR2が水素原子で
あるビニルスルホンが得られる。また一般式
()においてR2が水素原子であるハロスルホン
に上記脱ハロゲン化水素剤を作用させる場合には
一般式()においてR2が水素原子であるビニ
ルスルホンが得られる。脱ハロゲン化水素剤の使
用量は一般式()で示されるハロスルホンの1
モルに対しては約1〜5モルの量が好ましい。こ
の反応は溶媒中で行なうことが有利な結果を与え
る。溶媒は脱ハロゲン化水素剤との組合わせにお
いて適宜選ばれる。脱ハロゲン化水素剤として第
3級アミンを使用する場合、溶媒として例えばベ
ンゼン、トルエンなどの炭化水素類;塩化メチレ
ン、1,2−ジクロロエンなどのハロゲン化炭化
水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などを
使用するのが好ましく、その使用量は一般式
()で示されるハロスルホンの濃度が約0.1〜5
モル/となる程度の量であることが好ましい。
この場合、反応は約0〜100℃の温度範囲内で行
なうのが適当である。また、脱ハロゲン化水素剤
としてアルカリ金属の水酸化物を用いる場合、溶
媒として例えばメタノール、エタノールなどのア
ルコール類、又はこれらのアルコール類と水及
び/又はベンゼン、トルエンなどの炭化水素類と
の混合物などを使用するのが好ましく、その使用
量は一般式()で示されるハロスルホンの濃度
が約0,1〜5モル/となる程度の量であるこ
とが好ましい。溶媒としてアルコール類と水及
び/又は炭化水素類との混合物を使用する場合に
は、該水及び/又は炭化水素類は反応系が相分離
を起こさない程度に用いることが好ましい。この
場合、反応は約−20℃〜+30℃の温度範囲内で行
なうのが適当である。
上記の脱ハロゲン化水素反応で得られた一般式
()で示されるビニルスルホンの分離・精製は
通常の方法により行なうことができる。例えば、
反応混合物に希硫酸、塩化アンモニウム溶液など
を加えて残存する脱ハロゲン化水素剤を中和し、
必要に応じて溶媒を留去し、その残渣に水を加え
たのち、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、酢
酸エチルなどで抽出し、抽出液を水洗して無水硫
酸ナトリウムなどで乾燥する、次いで、抽出液か
ら溶媒を留去し、その残渣を例えばカラムクロマ
トグラフイーに付することにより一般式()で
示されるビニルスルホンを単離することができ
る。
原料として使用する一般式()で示されるハ
ロスルホンは新規化合物であり、前述のとおり一
般式()で示されるヒドロキシスルホンにハロ
ゲン化剤を使用させ、必要に応じてその生成物を
加水分解することにより製造される。まず、一般
式()で示されるヒドロキシスルホンにハロゲ
ン化剤を作用させることにより、一般式()に
おいてR2が低級アシル基であるハロスルホンを
製造することができる。ハロゲン化剤としては、
例えば、塩化チオニル、臭化チオニル、三塩化リ
ン、三臭化リンなどが使用される。ハロゲン化剤
の使用量は一般式()で示されるヒドロキシス
ルホンに対して約1〜3当量が好ましい。この反
応は好適には有機溶媒中で第3級アミンの存在下
に行なわれる。有機溶媒としては、例えば、ベン
ゼン、トルエンなどの炭化水素類;塩化メチレ
ン、1,2−ジクロルエタンなどのハロゲン化炭
化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類などが使用される。有機溶媒
の使用量は一般式()で示されるヒドロキシス
ルホンの濃度が約0.1〜5モル/となる程度の
量であることが好ましい。第3級アミンとして
は、例えば、ピリジン、トリエチルアミンなどが
有利に使用される。これらの第3級アミンは一般
式()で示されるヒドロキシスルホンに対して
約0.01〜50当量用いることが好ましいが、さらに
過剰量を用いることによつて該第3級アミンに有
機溶媒としての役割を兼ねさせることもできる。
反応は約−10℃〜30℃の温度範囲内で行なうのが
好ましい。この反応により得られた一般式()
においてR2が低級アシル基であるハロスルホン
の分離は、通常の方法により行なうことができ
る。例えば、反応混合物を水、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、希硫酸などに注いだのち、ベンゼ
ン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、酢酸エチ
ルなどで抽出し、抽出液を水洗して無水硫酸ナト
リウムで乾燥する。次いで、抽出液から低沸点物
を減圧下に留去し、その残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフイーに付することにより一般式
()においてR2が低級アシル基であるハロスル
ホンを単離することができる。
また、一般式()においてR2が水素原子で
あるハロスルホンは、上記の方法により得られた
一般式()においてR2が低級アシル基である
ハロスルホンを加水分解することにより製造され
る。この加水分解反応は、一般式()において
R2が低級アシル基であるハロスルホンにアルカ
リ金属の水酸化物又は炭酸塩を作用させることに
より行なうことができる。アルカリ金属の水酸化
物又は炭酸塩としては、例えば、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カ
リウムなどが使用される。アルカリ金属の水酸化
物又は炭酸塩の使用量は一般式()において
R2が低級アシル基であるスルホンに対して約1
〜2当量が好適である。この反応は溶媒中で行な
うのが好ましく、溶媒としてはメタノール、エタ
ノールなどのアルコール類、又はこれらのアルコ
ール類と水及び/又はベンゼン、トルエンなどの
炭化水素類との混合物などが使用される。溶媒の
使用量は一般式()においてR2が低級アシル
基であるハロスルホンの濃度が約0.1〜10モル/
となる程度の量であることが好ましい。溶媒と
してアルコール類と水及び/又は炭化水素類との
混合物を使用する場合には、該水及び/又は炭化
水素類は反応系が相分離を起こさない程度に用い
ることが好ましい。反応は約−10℃〜30℃の温度
範囲内で行なうのが適当である。この反応により
得られた一般式()においてR2が水素原子で
あるハロスルホンの分離は、通常の方法により行
なうことができる。例えば、反応混合物に飽和塩
化アンモニウム水溶液、希塩酸、希硫酸などを加
えて残存するアルカリ金属の水酸化物又は炭酸塩
を中和し、必要に応じて溶媒として用いたアルコ
ー類を留去し、その残渣に水を加えたのち、ベン
ゼン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、酢酸エ
チルなどで抽出し、抽出液を水洗して無水硫酸ナ
トリウムで乾燥する。次いで、抽出液から低沸点
物を減圧下に留去し、その残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイーに付することにより一般式
()においてR2が水素原子であるハロスルホン
を単離することができる。
一般式()で示されるヒドロキシスルホンも
新規化合物であり、例えば、一般式 (式中、R1は前記定義のとおりである。) で示される化合物と一般式 (式中、R3は前記定義のとおりである。) で示される化合物とをアニオン化剤の存在下に反
応させることにより製造される。使用されるアニ
オン化剤は該一般式()で示される化合物にお
いて−SO2R1基のα位にカルボアニオンを発生さ
せる塩基であり、例えば、メチルリチウム、n−
ブチルリチウムなどの有機リチウム;メチルマグ
ネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリ
ド、エチルマグネシウムブロミドなどのグリニヤ
ール試薬;水素化リチウム、水素化ナトリウム、
水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;
リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムア
ミドなどのアルカリ金属アミド;リチウムメトキ
シド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシ
ド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシ
ドなどのアルカリ金属の低級アルコキシドなどで
ある。アニオン化剤の使用量は一般式()で示
される化合物に対し約0.2〜1モル当量である。
この反応はヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トル
エンなどの脂肪族又は芳香族炭化水素;ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどの鎖状又は環状エーテ
ル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
リルトリアミドなどの有機溶媒中で行なうのが好
ましい。溶媒はアニオン化剤との組合わせにおい
て適宜選ばれる。反応は通常約−100℃〜150℃の
温度範囲内で行なわれ、またヘリウム、窒素、ア
ルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行なうのが有
利である。反応時間は採用したアニオン化剤、溶
媒、反応温度などによつて変化するのが、例えば
アニオン化剤としてn−ブチルリチウムを使用
し、テトラヒドロフラン溶媒中で約−78℃〜−50
℃の温度で反応を行なう場合には約4時間であ
る。
一般式()で示される化合物は安価な工業原
料であるリナロールから好収率でかつ容易に製造
することができる。例えば、一般式()におい
てR1がフエニル基である化合物は次の方法によ
り製造される。
すなわち、リナロールに塩化チオニルを作用さ
せることによりゲラニルクロライドを得、該ゲラ
ニルクロライドとベンゼンスルフイン酸ナトリウ
ムとを反応させることによりゲラニルフエニルス
ルホンを得る。ゲラニルフエニルスルホンを酸触
媒、例えば硫酸と酢酸との混合酸の存在下に閉環
反応させることによりβ−シクロゲラニルフエニ
ルスルホンを得る。なお、閉環反応の際にβ−シ
クロゲラニルフエニルスルホンの異性体であるα
−シクロゲラニルフエニルスルホンが副生するこ
とがあるが、両者の生成混合物をヘキサンなどの
溶媒中で晶析することにより高純度のβ−シクロ
ゲラニルフエニルスルホンを得ることができる。
また、α−シクロゲラニルフエニルスルホンはこ
れを上記の閉環反応系にもどすことにより目的と
するβ−シクロゲラニルフエニルスルホンに変換
される。リナロールからのβ−シクロゲラニルフ
エニルスルホンの合計収率は通常約80%である。
また、一般式()で示される化合物はゲラニ
オールの低級カルボン酸エステルに例えば、二酸
化セレンを作用させることにより容易に製造され
る(Tetrahedron Letters,281(1973)参照〕。
一般式()で示されるビニルスルホンは、例
えば次の方法により好収率でかつ容易にビタミン
A、さらにはビタミンAアセテートに誘導でき
る。
(上記式中、R1及びR2は前記定義のとおりで
ある。) すなわち、一般式()で示されるハロスルホ
ンを塩基で処理することによりビタミンAが得ら
れる。塩基としては、例えば、カリウムメトキシ
ド、カリウムエトキシド、カリウムn−ブトキシ
ドなどのカリウムアルコキシド、水酸化カリウム
などが使用される。塩基の使用量は一般式()
で示されるハロスルホン1モルに対して約2〜20
モルの量が好ましい。この反応は有機溶媒中で行
なうのが好ましく、有機溶媒としてはヘキサン、
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化
水素類などが使用される。有機溶媒の使用量は一
般式()で示されるハロスルホンの濃度が約
0.05〜1モル/となる程度の量であることが好
ましい。反応は約10〜120℃の温度範囲内で行な
うのが好適である。反応終了後、反応混合物から
必要に応じて沈殿物を濾別したのち、該反応混合
物に水、飽和塩化アンモニウム水溶液などを加
え、有機層を分離する。得られた有機層を再結
晶、カラムクロマトグラフイーなどの精製手段に
付することによりビタミンAを得ることができ
る。
このようにして得られたビタミンAを通常の方
法によりアセチル化することによりビタミンAア
セテートに誘導することができる。このアセチル
化反応は上記のビタミンAの生成反応によつて得
られた反応混合物から分離されたビタミンAを含
有する有機層又は該有機層から分離精製されたビ
タミンAに好適には有機溶媒中で第3級アミンの
存在下にアセチル化剤を作用させることにより行
なわれる。アセチル化剤としては、例えば、無水
酢酸、塩化アセチルなどが使用される。アセチル
化剤の使用量はビタミンAに対して約1〜10当量
が好ましい。有機溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエンなどの炭化水素類;塩化メチレン、
1,2−ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水
素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルな
どのエステル類などが使用され、これらの有機溶
媒はビタミンAの濃度が約0.1〜5モル/とな
る程度の量を使用することが好ましい。第3級ア
ミンとしては、例えば、トリエチルアミン、ピリ
ジンなどが使用される。これらの第3級アミンは
ビタミンAに対して約1〜10当量用いることが好
ましいが、さらに過剰量を用いることによつて該
第3級アミンに有機溶媒としての役割を兼ねさせ
ることもできる。反応は約−10℃〜30℃の温度範
囲で行なうのが好適である。反応終了後、反応混
合物から必要に応じて沈殿物を濾別したのち、該
反応混合物に希硫酸、水、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液などを加え、有機層を分離する。得られ
た有機層を再結晶、カラムクロマトグラフイーな
どの精製手段に付すことによりビタミンAアセテ
ートを得ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
実施例 1 50ml容なす形フラスコに1−アセトキシ−6−
クロロ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−
トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−
9−フエニルスルホニル−2,7−ノナジエン
1.55g(3.1mmol)、ジエチルエーテル30ml及び
1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデカ
−7−エン0.85ml(6.0mmol)を入れ、この混合
物を加熱還流下に10時間撹拌した。反応混合物に
ジエチルエーテル及び水を加えて分液した。エー
テル層を5%硫酸及び飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で順次洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。エーテル溶液から溶媒を留去し、その残渣
をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフイ
(溶出液:ヘキサンと酢酸エチルとの容量比3対
1の混合液)により精製し、黄色の油状物1.23g
を得た。このものは下記の機器分析データによ
り、1−アセトキシ−3,7−ジメチル−9−
(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン
−1−イル)−9−フエニルスルホニル−2,6,
8−ノナトリエンであることを確認した。収率86
%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.86〜2.27(m,28H),4.51(d,2H),5.25
(t,1H),5.67〜5.90(m,1H),7.14〜7.90(m,
6H) IR(フイルム)ν(cm-1):1745(C=0),1150
(SO2) FD−MASSm/e:470(M+),3.28(M+
C6H5SO2H) 実施例 2 100ml容なす形フラスコに1−アセトキシ−6
−クロロ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6
−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)
−9−フエニルスルホニル−2,7−ノナジエン
2.5347g(5.00mmol)、ベンゼン6ml及びメタノ
ール20mlを入れ、撹拌して溶液を調製した。この
溶液を氷水浴で冷却し、これに水酸化カリウム
(純度85%)1.35g(20mmol)のメタノール15ml
の溶液を加えた。混合物を氷水浴中で5分間、さ
らに室温で18時間撹拌した。反応混合物に飽和塩
化アンモニウム水溶液を加え、次いでジエチルエ
ーテル100mlで3回計300mlで抽出した。この抽出
液を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗滌し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル溶液から
溶媒を留去し、その残渣をシリカゲルを用いたカ
ラムクロマトグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢
酸エチルとの容量比4対1〜3対1の混合液)に
より精製し、黄色の油状物1.5071gを得た。この
ものは下記の機器分析データにより、1−ヒドロ
キシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−ト
リメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9
−フエニルスルホニル−2,6,6−ノナトリエ
ンであることを確認した。収率70%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.90〜2.28(m,26H),4.07(m,2H),5.35
(t,1H),5.67〜5.89(m,1H),7,13〜7.90
(m,6H) IR(フイルム)ν(cm-1):3450(OH),1140
(SO2) FD−MASSm/e:428(M+),287(M+
C6H5SO2) 実施例 3 50ml容なす形フラスコに1−アセトキシ−6−
プロモ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−
トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−
9−フエニルスルホニル−2,7−ノナジエン
2.75g(5.0mmol)、塩化メチレン30ml及び1,
5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナ−5−エ
ン1.2ml(10mmol)を入れ、この混合物の加熱還
流下に5時間撹拌した。反応混合物を実施例1に
おけると同様な操作により処理することにより、
1−アセトキシ−3,7−ジメチル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−9−フエニルスルホニル−2,6,8−
ノナトリエンを1.98g得た。収率84%。
実施例 4 実施例2において1−アセトキシ−6−クロロ
−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメ
チル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9−フ
エニルスルホニル−2,7−ノナジエン2.5347g
(5.00mmol)の代わりに1−アセトキシ−6−ブ
ロモ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−ト
リメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9
−フエニルスルホニル−2,7−ノナジエン2.75
g(5.0mmol)を用いた以外は同様にして反応及
び分離操作を行ない、1−ヒドロキシ−3,7−
ジメチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−
シクロヘキセン−1−イル)−9−フエニルスル
ホニル−2,6,8−ノナトリエンを1.73g得
た。収率73%。
実施例 5 実施例1において1−アセトキシ−6−クロロ
−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメ
チル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9−フ
エニルスルホニル−2,7−ノナジエン1.55g
(3.1mmol)の代りに1−アセトキシ−6−クロ
ロ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9−
(p−トリル)スルホニル−2,7−ノナジエン
(純度89%)1.75g(3.0mmol)を用いた以外は
同様にして反応及び分離操作を行ない、黄色の油
状物1.19gを得た。このものは下記の機器分析デ
ータにより、1−アセトキシ−3,7−ジメチル
−9−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘ
キセン−1−イル)−9−(p−トリル)スルホニ
ル−2,6,8−ノナトリエンであることを確認
した。収率82%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.87〜2.25(m,28H),2.40(s,3H),4.51(d,
2H),5.24(t,1H),5.66〜5.90(m,1H),7.14
〜7.98(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1745(C=0),1150
(SO2) FD−MASSm/e:484(M+),328(M+
CH3C6H4SO2H) 実施例 6 実施例2において1−アセトキシ−6−クロロ
−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメ
チル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9−フ
エニルスルホニル−2,7−ノナジエン2.5347g
(5.00mmol)の代りに1−アセトキシ−6−クロ
ロ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9−
(p−トリル)スルホニル−2,7−ノナジエン
(純度89%)2.92g(5.0mmol)を用いた以外は
同様にして反応及び分離操作を行ない、黄色の油
状物1.45gを得た。このものは下記の機器分析デ
ータにより、1−ヒドロキシ−3,7−ジメチル
−9−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘ
キセン−1−イル)−9−(p−トリル)スルホニ
ル−2,6,8−ノナトリエンであることを確認
した。収率66%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.89〜2.27(m,26H),2.40(s,3H),4.06(m,
2H),5.33(t,1H),5.67〜5.89(m,1H),7.13
〜7.99(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3450(OH),1140
(SO2) FD−MASSm/e:4.42(M+),287(M+
CH3C6H4SO2) 参考例 1 窒素ガスで置換した200ml容三つ口フラスコに
β−シクロゲラニルフエニルスルホン10.80g
(38.8mmol)及びトルエン100mlを入れ、ついで
エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル
溶液(1.06mol/)24.2ml(25.6mmol)を内温
20〜25℃に滴下した。滴下終了後、内温40〜45℃
で3時間撹拌した。次に、内温が−40〜−30℃と
なるように冷却し、この溶液に8−アセトキシ−
2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−
アール4.02g(19.1mmol)のトルエン10mlの溶
液を滴下した。滴下終了後、同温度にてさらに2
時間激しく撹拌した。反応混合物に10%塩酸水溶
液を加え、トルエン層を分離した。このトルエン
層を水洗し、さらに飽和塩化ナトリウム水溶液で
洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この
トルエン層からトルエンを留去し、その残渣をシ
リカゲルを用いたカラムクロマトグラフイー(溶
出液:ヘキサンと酢酸エチルとの容量比7対3の
混合液)により精製し、無色透明の油状物8.46g
を得た。このものは下記の機器分析データによ
り、1−アセトキシ−8−ヒドロキシ−3,7−
ジメチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−
シクロヘキセン−1−イル)−9−フエニルスル
ホニル−2.6−ノナジエンのジアステレオマーの
混合物であることを確認した。収率91%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.61〜2.03(m,28H);2.87(br,1H);3.95,
4.20(d,合して1H);4.50(d,2H);4.85,4.97
(d,合して1H);5.25,5.62(m,合して2H);
7.40〜8.03(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1735(C
=O),1140(SO2) FD−MASSm/e:488〔M+〕 実施例 7 100mlに容なす形フラスコに1−アセトキシ−
8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−9−フエニルスルホニル−2,6−ノナ
ジエン7.38g(15mmol)、ベンゼン60ml及びピリ
ジン12mlを入れ、氷水浴で冷却しながら塩化チエ
ニル1.32mlを滴下し、ついで室温で16時間撹拌し
た。反応混合物に氷冷した3%硫酸水溶液を加
え、有機層を分離した。水層をジエチルエーテル
70mlで2回計140mlで抽出した。これらの有機層
を合し、氷冷した3%硫酸水溶液、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で
順次洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
有機層から溶媒を留去し、その残渣をシリカゲル
を用いたカラムクロマトグラフイー(溶出液:ヘ
キサンと酢酸エチルとの容量比5対1の混合液)
により精製し、白色のワツクス状物7.18gを得
た。このものは下記に示す機器分析データによ
り、1−アセトキシ−6−クロロ−3,7−ジメ
チル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)−9−フエニルスルホニ
ル−2,7−ノナジエンであることを確認した。
収率94%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.72〜2.05(m,28H),4.17〜4.57(m,4H),
5.23(t,1H),5.88(m,1H),7.35〜7.91(m,
5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1745(C=O),1150
(SO2),685(C6H5) FD−MASSm/e:506(M+),507(M++1),
470(M+−HCl),365(M+−C6H5SO2 10ml容なす形フラスコに水酸化カリウム(純度
85%)0.0226g(0.342mmol)及びメタノール1
mlを入れ、室温で撹拌して水酸化カリウムのメタ
ノール溶液を調製した。この溶液に1−アセトキ
シ−6−クロロ−3,7−ジメチル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−9−フエニルスルホニル−2,7−ノナ
ジエン0.0373g(0.0736mmol)のメタノール2
mlとベンゼン0.2mlとの混合液に溶かした溶液を
加え、氷水溶中で30分間撹拌した。反応混合物に
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、これより溶
媒を留去し、その残渣に水を加え、ついでジエチ
ルエーテルで抽出した。抽出液を飽和塩化アンモ
ニウム水溶液で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。この抽出液から溶媒を留去し、黄色の
油状物0.0297gを得た。このものは下記に示す機
器分析データにより、6−クロロ−1−ヒドロキ
シ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9−
フエニルスルホニル−2,7−ノナジエンである
ことを確認した。収率87%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.75〜2.20(m,26H),4.06(d,2H),4.21〜
4.55(m,2H),5.30(t,1H),5.91(m,1H),
7.36〜7.90(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3300(OH),1150
(SO2),685(C6H5) FD−MASSm/e:465(M++1),428(M+
HCl),323(M+−C6H5SO2) 参考例 2 アルゴンガスで置換した200ml容フラスコにβ
−シクロゲラニルフエニルスルホン5.00g
(18.0mmol)及びテトラヒドロフラン60mlを入
れ、−78℃に冷却したのち、n−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(1.5mol/)6.6ml(9.9mmol)
を滴下し、同温度で3時間撹拌した。次に、この
溶液中に8−アセトキシ−2,6−ジメチル−
2,6−オクタジエン−1−アール1.89g
(9.0mmol)のテトラヒドロフラン15mlの溶液を
−78℃で滴下し、同温度で2時間撹拌し、さらに
−50℃で2時間撹拌した。−78℃に冷却したのち、
反応混合物に水を加え、ついで常温まで昇温させ
た。得られた混合物をベンゼン100mlで3回計300
mlで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。この抽出液からベンゼンを留去
し、その残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマ
トグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢酸エチルと
の容量比5対1の混合液)により精製し、無色透
明の油状物4.01gを得た。このものは下記の機器
分析データにより、1−アセトキシ−8−ヒドロ
キシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−ト
リメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9
−フエニルスルホニル−2,6−ノナジエンであ
ることを確認した。収率93%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.62〜1.94(m,28H),3.73(br,1H),3.81(d,
1H),4.41(d,2H),4.90(d,1H),5.21(m,
2H),7.38〜7.99(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1735(C
=O),1140(SO2) FD−MASSm/e:488(M+) 実施例 8 50ml容なす形フラスコに1−アセトキシ−8−
ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,
6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イ
ル)−9−フエニルスルホニル−2,6−ノナジ
エン2.44g(5.0mmol)、ピリジン0.12g及び塩化
メチレン20mlを入れ、氷水浴で冷却しながら、三
臭化リン0.31ml(3.3mmol)を滴下し、ついで同
温度で1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加え、ジエチルエーテル
で抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗滌し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。抽出液から溶
媒を留去し、その残渣をシリカゲルを用いたカラ
ムクロマトグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢酸
エチルとの容量比9対1〜3対1の混合液)によ
り精製し、白色のワツクス状物2.34gを得た。こ
のものは下記の機器分析データにより、1−アセ
トキシ−6−ブロモ−3,7−ジメチル−9−
(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン
−1−イル)−9−フエニルスルホニル−2,7
−ノナジエンであることを確認した。収率85%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 1.71〜2.03(m,28H),4.32〜4.57(m,4H),
5.24(m,1H),5.90(m,1H),7.43〜7.90((m,
5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1730(C=O),1135
(SO2),670(C6H5) FD−MASSm/e:550(M+),470(M+
HBr),409(M+−C6H5SO2) 参考例 3 アルゴンガスで置換した200ml容3つ口フラス
コにβ−シクロゲラニル−p−トリルスルホン
7.01g(24.0mmol)及びテトラヒドロフラン70
mlを入れ、−78℃に冷却したのち、n−ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(1.5mol/9.6ml
(14.4mmol)を滴下し、同温度で2時間撹拌し
た。次に、この溶液中に8−アセトキシ−2,6
−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール
2.52g(12.0mmol)のテトラヒドロフラン15ml
の溶液を−78℃で滴下し、同温度で3時間撹拌し
た。反応混合物に水を加え、常温まで昇温させ
た。得られた混合物をベンゼン50mlで3回計150
mlで抽出し、ベンゼン抽出液を水洗し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。この抽出液から溶媒を
留去し、その残渣をシリカゲルを用いたカラムク
ロマトグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢酸エチ
ルとの容量比5対1〜3対1の混合液)により精
製し、白色の固型物4.88gを得た。このものは下
記の機器データにより、1−アセトキシ−8−ヒ
ドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6
−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)
−9−(p−トリル)スルホニル−2,6−ノナ
ジエンであることを確認した。収率81%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.61〜2.01(m,28H),2.37(s,3H),3.71(br.,
1H),3.94(d,1H),4.49(d,2H),4.97(d,
1H),5.16(m,2H),7.26(d,2H),7.86(d,
2H) IR(フイルム)ν(cm-1):3480(OH),1735(C
=O),1140(SO2) 実施例 9 100ml溶なす形フラスコに1−アセトキシ−8
−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,
6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イ
ル)−9−(p−トリル)スルホニル−2,6−ノ
ナジエン4.27g(8.82mmol)、ピリジン6.7ml
(84mmol)及びベンゼン50mlを入れ、氷水浴で
冷却しながら、塩化チオニル0.77ml(11mmol)
を加え、ついで室温で16時間撹拌した。反応混合
物に1N塩酸及びベンゼンを加えて分液した。有
機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
のち、これより溶媒を留去して黄色の油状物4.41
gを得た。このものは下記の機器分析データによ
り、1−アセトキシ−6−クロロ−3,7−ジメ
チル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)−9−(p−トリル)スル
ホニル−2,7−ノナジエンであることを確認し
た。なお、NMR分析から該油状物の純度は89%
であることが判明した。収率88%。
NMRδCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.70〜1.93(m.28H),2.40(s,3H),4.15〜4.43
(m,4H),5.17(t,1H),5.82(d,1H),7.21
(d,2H),7.64(d,2H) IR(フイルム)ν(cm-1):1740(C=O),1150
(SO2) 参考例 4 アルゴンガスで置換した50ml容フラスコに1−
アセトキシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,
6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イ
ル)−9−フエニルスルホニル−2,6,8−ノ
ナトリエン0.4812g(1.02mmol)、シクロヘキサ
ン15ml及びカリウムメトキシド0.70gを入れ、こ
の混合物を38℃で2時間撹拌した。反応混合物に
ジイソプロピルエーテル30ml及び飽和塩化アンモ
ニウム水溶液15mlを加え、分液した。水層をジイ
ソプロピルエーテル20mlで抽出した。有機層を合
し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗滌し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から有
機溶媒を留去し、その残渣を2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフエノールの0.05重量%濃度の
ヘキサン溶液4ml及びトリエチルアミン1.1mlと
ともに、アルゴンガスで置換した100ml容フラス
コに入れた。この混合物に無水酢酸0.68mlを加
え、室温で1日撹拌した。反応混合物にヘキサン
50ml及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加
え、しばらく撹拌したのち、ヘキサン層を分離し
た。このヘキサン層を飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。このヘキサン溶液からヘキサンを留去するこ
とにより、赤色の油状物0.3276gを得た。この油
状物をFD−MASS分析に付したところ、m/e
=328のピークが検出された。これより該油状物
の主成分はビタミンAアセテートであることが確
認された。次に、高速液体クロマトグラフイーを
用いてステアリン酸メチルを内部標準として生成
したビタミンAアセテートを定量したところ、ビ
タミンAアセテートの収率は1−アセトキシ−
3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメチ
ル−1−シクロヘキセン−1−イル)−9−フエ
ニルスルホニル−2,6,8−ノナトリエンを基
準として74%であつた。
参考例 5 参考例4において1−アセトキシ−3,7−ジ
メチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シ
クロヘキセン−1−イル)−9−フエニルスルホ
ニル−2,6,8−ノナトリエン0.4812g
(1.02mmol)の代りに1−ヒドロキシ−3,7−
ジメチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−
シクロヘキセン−1−イル)−9−フエニルスル
ホニル−2,6,8−ノナトリエン0.4495g
(1.05mmol)を用いた以外は同様にして反応及び
分離操作を行ない。赤色の油状物0.3285gを得
た。参考例4と同様にして高速液体クロマトグラ
フイーにより生成したビタミンAアセテートを定
量したところ、ビタミンAアセテートの収率は1
−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,
6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イ
ル)−9−フエニルスルホニル−2,6,8−ノ
ナトリエンを基準として77%であつた。
参考例 6 参考例4において1−アセトキシ−3,7−ジ
メチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シ
クロヘキセン−1−イル)−9−フエニルスルホ
ニル−2,6,8−ノナトリエン0.4812g
(1.02mmol)の代りに1−アセトキシ−3,7−
ジメチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−
シクロヘキセン−1−イル)−9−(p−トリル)
スルホニル−2,6,8−ノナトリエン0.5227g
(1.08mmol)を用いた以外は同様にして反応及び
分離操作を行ない、赤色の油状物0.3156gを得
た。参考例4と同様にして高速液体クロマトグラ
フイーにより生成したビタミンAアセートを定量
したところ、ビタミンAアセートの収率は1−ア
セトキシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,6
−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)
−9−(p−トリル)スルホニル−2,6,8−
ノナトリエンを基準として70%であつた。
参考例 7 参考例4において1−アセトキシ−3,7−ジ
メチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シ
クロヘキセン−1−イル)−9−フエニルスルホ
ニル−2,6,8−ノナトリエン0.4812g
(1.02mmol)の代りに1−ヒドロキシ−3,7−
ジメチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−
シクロヘキセン−1−イル)−9−(p−トリル)
スルホニル−2,6,8−ノナトリエン0.4464g
(1.01mmol)を用いた以外は同様にして反応及び
分離操作を行ない、赤色の油状物0.3201gを得
た。参考例4と同様にして高速液体クロマトグラ
フイーにより生成したビタミンAアセートを定量
したところ、ビタミンAアセテートの収率は1−
ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,6,
6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イ
ル)−9−(p−トリル)スルホニル−2,6,8
−ノナトリエンを基準として74%であつた。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば上記の実施例から明らか
なとおり安価にかつ容易に入手できる工業原料か
ら好収率でかつ容易に一般式()で示されるビ
ニルスルホンを製造することができる。また本発
明の一般式()で示されるビニルスルホンは上
記の参考例から明らかなとおり好収率でかつ容易
にビタミンA、さらにはそのアセテートに誘導さ
れる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、R1は置換されていてもよいフエニル
    基を表わし、R2は水素原子又は低級アシル基を
    表わす。) で示されるビニルスルホン。 2 一般式 (式中、R1は置換されていてもよいフエニル
    基を表わし、R2は水素原子又は低級アシル基を
    表わし、Xはハロゲン原子を表わす。) で示されるハロスルホンを脱ハロゲン化水素剤で
    処理することを特徴とする一般式 (式中、R1及びR2は前記定義のとおりであ
    る。) で示されるビニルスルホンの製造方法。 3 一般式()で示されるハロスルホンが、一
    般式 (式中、R1は置換されていてもよいフエニル
    基を表わし、R3は低級アシル基を表わす。) で示されるヒドロキシスルホンにハロゲン化剤を
    作用させ、必要に応じてその生成物を加水分解す
    ることにより製造されたものである特許請求の範
    囲第2項記載の製造方法。
JP23207385A 1985-01-10 1985-10-16 新規なビニルスルホン及びその製造方法 Granted JPS6289652A (ja)

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EP85115268A EP0187259B2 (en) 1985-01-10 1985-12-02 Process for producing vitamin A or its carboxylic acid esters, and intermediate compounds useful for the process
US06/804,252 US4825006A (en) 1985-01-10 1985-12-03 Process for producing vitamin A or its carboxylic acid esters, and intermediate compounds useful for the process
FI860094A FI84264C (fi) 1985-01-10 1986-01-09 Foerfarande foer framstaellning av vitamin-a och karboxylsyraestrar daerav och vid foerfarandet anvaendbara mellanprodukter.
DK009486A DK171415B1 (da) 1985-01-10 1986-01-09 Fremgangsmåde til fremstilling af Vitamin A
US07/215,167 US4876400A (en) 1985-01-10 1988-07-05 Process for producing vitamin A or its carboxylic acid esters, and itermediate compounds useful for the process
DK91653A DK65391D0 (da) 1985-01-10 1991-04-11 Mellemprodukt til fremstilling af vitamin a eller estere deraf samt fremgangsmaade til dets fremstilling
DK065191A DK65191A (da) 1985-01-10 1991-04-11 Mellemprodukt til fremstilling af vitamin a eller estere deraf samt fremgangsmaade til dets fremstilling
DK91652A DK65291D0 (da) 1985-01-10 1991-04-11 Mellemprodukt til fremstilling af vitamin a eller estere deraf samt fremgangsmaade til dets fremstilling
DK91654A DK65491D0 (da) 1985-01-10 1991-04-11 Mellemprodukt til fremstilling af vitamin a eller estere deraf samt fremgangsmaade til dets fremstilling

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