JPH09117388A

JPH09117388A - 浴用織成生地

Info

Publication number: JPH09117388A
Application number: JP7303593A
Authority: JP
Inventors: Toshiji Nagatake; 敏次長竹
Original assignee: MIYAMA ZENSHIYOKU KK
Current assignee: MIYAMA ZENSHIYOKU KK
Priority date: 1995-10-27
Filing date: 1995-10-27
Publication date: 1997-05-06
Anticipated expiration: 2015-10-27
Also published as: JP2761860B2

Abstract

(57)【要約】【課題】経糸に合成繊維紡績糸を用いて特異な組織に
織成することで、液体石鹸を用いても液垂れを起すこと
なく、泡立ちや泡切れ、濯ぎ乾燥の特性を改善し、ボリ
ューム感と刺激性をもった浴用織成生地を提供する。【解決手段】アクリル紡績糸やポリエステル紡績糸等
の合成繊維紡績糸を経糸１とし、合成繊維、合成繊維ク
リンプ糸、合成繊維ウーリー糸、合成繊維紡績糸、綿や
麻そして羊毛等の天然繊維、単独か二種以上採択して緯
糸２とし、当該経糸と緯糸２とにより、蜂巣織とかスポ
ンジ織などの凹凸が表出する織り組織によって織成した
垢すり、タオル等に供し得る浴用織成生地。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は経糸に合成繊維紡績
糸を用い、これに合成繊維や天然繊維による各種の緯糸
を、蜂巣織やスポンジ織などにより織成したり、上記の
緯糸につき、その太さに大小の相差をもたせて織成する
ことにより、垢すりやタオルとして浴用に供し得るよう
にした織成生地の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近の傾向として、特に浴用に液体石鹸
がよく使われるようになっているが、これまでの垢すり
や浴用タオルとして用いられている所謂ナイロンタオル
などは、液体石鹸を当該浴用織成生地に供与した際、こ
れに吸着されにくいことから液垂れを起こしてしまい、
使い勝手が悪く、しかも液体石鹸を無駄に消費してしま
うことになる。

【０００３】一方、既知の綿タオルとか合成繊維と綿糸
とによる綿混タオルなどによれば、上記の如き液垂れは
なくなるものの、液体石鹸に対する泡立ちが悪く、また
泡切れを生じ易いだけでなく、濯ぎが良好でないばかり
か、乾燥性も悪いなどの欠陥があり、さらに、浴用に供
するため湯水につけると、全体のボリューム感が損なわ
れ、かつ柔かくなってしまうため、肌に対する刺激感に
も乏しくなってしまう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の欠
陥を解消するため、請求項１の浴用織成生地にあって
は、これまでに用いられたことのないアクリル紡績糸と
かポリエステル紡績糸等の合成繊維紡績糸を経糸として
採択することにより、合成繊維自体が、それほど吸水性
のないことを活用して、濯ぎや乾燥を行い易くすると共
に、当該合成繊維の紡績糸は、合成繊維を綿状とし、こ
れを紡績して糸にしたものであるため、可成りの吸水性
を発揮させることができ、これによって、液体石鹸の液
垂れをも防止し得るようにし、かつ、当該合成繊維紡績
糸により、湯水につけてもボリューム感が大幅に損なわ
れないようにするのが、第１の目的である。

【０００５】さらに、同上請求項１にあっては、上記の
構成に加えて合成繊維紡績糸を経糸とし、緯糸には合成
繊維や天然繊維を適宜選定するだけでなく、その織成組
織を、凹凸が表出する織り組織によって構成させるよう
にすることで、泡立ちを向上させると共に刺激感を増
し、さらに合成繊維紡績糸の嵩高な特性に加えて、上記
の凹凸表出の組織を組み合わせることで、ボリューム感
の向上を図ろうとするのが第２の目的であり、さらに、
経糸に対する緯糸の選択により、柔らかいものから刺激
感の強いものまで、各種の製品を容易に組織できるよう
にするのが、第３の目的である。

【０００６】次に請求項２にあっては上記の請求項１と
同じく、経糸には合成繊維紡績糸を、緯糸には合成繊維
や天然繊維を適宜選定するのであるが、さらに、当該緯
糸には太い糸と細い糸を夫々用いるなどして、太さに相
違をもたせた二種以上の緯糸を用意し、これらの各種緯
糸を所望本数宛交互に打ち込むことによって、凹凸が表
出されるようにし、このことで、平織りなどの簡易な織
り組織を採択しても、充分にボリューム感や刺激感の確
保を可能とし、かつ安価に提供し得るようにしている。

【０００７】さらに、請求項３では請求項２における太
さに相違をもたせた二種以上の緯糸について、最も太い
ものが、最も細かいものの２〜７倍の径と成るように
し、これにより充分に凹凸を表出させてボリューム感と
刺激感の調和を図ろうとしている。

【０００８】そして、請求項４の場合には、上記の請求
項２において、太さの相違した各種の緯糸を打ち込むに
際し、最も太い緯糸を、単なる平織りではなしに、複数
本の経糸上にあって浮き組織が形成されるよう織成する
ことによって、前記した凹凸表出の度合を大となし、こ
れによりボリューム感と刺激感を、より助長させようと
している。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、請求項１にあってはアクリル紡績糸、ポリ
エステル紡績糸、ナイロン紡績糸などの合成繊維紡績糸
を経糸とし、合成繊維、合成繊維クリンプ糸、合成繊維
ウーリー糸、合成繊維紡績糸、綿や麻そして羊毛などの
動物毛による天然繊維を、単独または二種以上選定して
緯糸とすることにより、蜂巣織やスポンジ織そしてハッ
ク織といった凹凸が表出する織り組織によって織成した
ことを特徴とする浴用織成生地を提供しようとしてい
る。

【００１０】さらに、請求項２にあっては、請求項１と
同じく経糸には合成繊維紡績糸を採択し、緯糸としても
合成繊維、合成繊維クリンプ糸、合成繊維ウーリー糸、
合成繊維紡績糸、綿や麻そして羊毛などの動物毛による
天然繊維を、単独または二種以上選定したものを用いる
が、この際当該緯糸には、互いの太さに相違をもたせた
二種類以上を用意し、これら各種の太さをもった緯糸を
所望本数宛打ち込むことにより織成されることで、太い
緯糸と細い緯糸とにより形成される凹凸が表出されるよ
うにしたことを、その内容としている。

【００１１】また請求項３の場合には、上記請求項２に
あって、太さに相違をもたせた二種以上の緯糸につき、
最も太い緯糸が最も細い緯糸の２倍から７倍の太さであ
るよう選定してあることを、その内容としている。

【００１２】さらに、請求項４にあっては、請求項２に
おける構成に加えて、最も太い緯糸は、一部に前記の合
成繊維紡績糸による複数本の経糸上にあって、浮き組織
が形成されるよう打ち込まれていることを特徴としてい
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明につき図１を参照して以下
説示すると、請求項１の浴用織成生地にあっては、経糸
１としてアクリル紡績糸とかポリエステル紡績糸そして
ナイロン紡績糸などの合成繊維紡績糸を用い、緯糸２と
しては、合成繊維、合成繊維クリンプ糸、合成繊維ウー
リー糸、合成繊維紡績糸、そして綿や麻、羊毛などの動
物毛による天然繊維を、単独または二種以上適宜選定し
たものが採択される。

【００１４】上記の経糸１としては、アクリル紡績糸で
ある毛番手２／６０のものを用い、これに対して緯糸２
としては、太さ３００ｄのナイロンクリンプ糸を使用し
たり、３００ｄのナイロンクリンプ糸と毛番手２／６０
のアクリル紡績糸とによるものを採択したり、また２２
５ｄのナイロンクリンプ糸に２０Ｓ′の綿糸を加えて用
いたりすることもできる。そして、この発明では、上記
の経糸１と緯糸２とによって単なる平織に織成するので
はなく、図１（Ａ）の如き蜂巣織とか、同図（Ｂ）のよ
うな蜂巣織としたり、さらに同図（Ｃ）の如きスポンジ
織といった織成手段によって、凹凸の表出される組織に
より織成して浴用織成生地を得るのである。

【００１５】上記の如き具体例によるときは、その織成
手段が凹凸を表出させることになることになるだけでな
く、上記の具体例では、ナイロンクリンプ糸がよく縮む
ことと相俟って凹凸の表出が、より顕著に表われ、さら
に上記の如くアクリル紡績糸をも加えた緯糸によるとき
は、凹凸感は前者より劣るが、ふっくらとしたボリュー
ム感をもたせることが可能となる。また前記のように綿
糸をも加えた緯糸によれば、ナイロンクリンプ糸が２２
５ｄと細いことと、綿糸の特性を生かして、柔かな感じ
を出すことができる。この際、いずれも図１（Ａ）の蜂
巣織にて織成した。

【００１６】次に、同上請求項１に係る他の具体例を示
すと、経糸には綿番手４０／２^S'のポリエステル紡績糸
を用い、緯糸としては、８００ｄの太さであるポリプロ
ピレンウーリー糸を使用して図１（Ｂ）に示す蜂巣織に
て織成したり、図１（Ｃ）のスポンジ織にて織成した。
このような製品の場合には、凹凸を表出させる組織に加
えて緯糸の太さを大きくすることで、その凹凸を、より
一層顕著に表出することができる。そしてポリエステル
紡績糸による経糸により吸水性をもたせ、かつ、ポリプ
ロピレンウーリー糸が、大変嵩高であることによりスポ
ンジ感覚の製品が得られ、図１（Ｂ）では大きな凹凸が
形成されるのに対し、図１（Ｃ）によるときは、こまか
い凹凸が多数表出されることになる。

【００１７】次に、請求項２に係る浴用織成生地につ
き、図２を参照して説示すると、この場合にあっても、
請求項１と同じく経糸１には合成繊維紡績糸を用い、緯
糸２には合成繊維、合成繊維クリンプ糸、合成繊維ウー
リー糸、合成繊維紡績糸、綿や麻そして羊毛などの動物
毛による天然繊維を、単独または二種以上選定して使用
するのであるが、請求項１の如く蜂巣織やスポンジ織な
どの手段で織成するのではなく、当該緯糸としてその太
さに大小の相差をもたせた二種類以上を用意し、これら
の緯糸により織成するのである。そして、この織成に際
しては、当該複数種の緯糸を、夫々所望本数宛順次打ち
込んで行くように織成する。従って、当該太い緯糸と細
い緯糸との太さの差に基づく凹凸を表出させることがで
きる。

【００１８】ここで、上記の経糸１としては、請求項１
と同じく毛番手２／６０のアクリル紡績糸を用いること
ができ、これに対し緯糸としては例えば、３００ｄの太
さであるナイロンクリンプ糸と、これよりも太い１００
０ｄのポリプロピレンウーリー糸との二種類を用意して
織成することができる。ここで、上記の３００ｄと１０
００ｄの場合には、太い緯糸の太さは、細い糸の太さの
約３倍としてあるが、実際上凹凸を表出させるには、２
倍乃至７倍程度の太さにするのが、その刺激感やボリュ
ーム感からして適切である。

【００１９】そして、上記の具体例にあっては、細い緯
糸２ａであるナイロンクリンプ糸を、図２の如く１２本
と、太い緯糸２ｂであるポリプロピレンウーリー糸を６
本宛で、交互に打ち込むことにより織成している。この
ことで、太い緯糸２ｂを打ち込んだ箇所は凸状となり、
これに対し細い緯糸２ａを打ち込んだ箇所は、それより
も凹状に表出され、浴用織成生地として必要な凹凸が得
られる。

【００２０】ここで、上記の具体例にあっては、細い緯
糸２ａにナイロンクリンプ糸が採用されていることか
ら、その縮みが大となるのに対し、太い緯糸２ｂのポリ
プロピレンウーリー糸は実質的に縮まない性質であるこ
とから、当該ポリプロピレンウーリー糸が弛むこととな
り、この結果、両緯糸２ａ、２ｂの糸の太さに基づく凹
凸の表出以上に、その凹凸感が表出でき、アクリル紡績
糸による吸水性をもち、かつ、ふっくらとしたボリュー
ム感のある製品が得られる。

【００２１】次に、請求項４に係る浴用織成生地につ
き、同上図２によってこれを説示すると、上記の請求項
２のように太さに相差を設定した複数種の緯糸２ａ、２
ｂを交互に打ち込んで行き、この際単に全面的に平織に
より織成して行くのではなしに、一部に前記の合成繊維
紡績糸による複数本、図示例では６本の経糸１上にあっ
て、浮き組織３が形成されるように、最も太い緯糸２ｂ
を打ち込むのであり、このことにより、浮き組織３の箇
所を、平織の箇所よりも、さらに凸状となるよう表出さ
せるようにする。かくして、刺激感とかボリューム感
を、より一層向上させるようにする。

【００２２】さらに、上記の請求項４について、他の具
体例を示すと、綿番手６０／２^S'のポリエステル紡績糸
を経糸として用い、緯糸としては上記と同じく、３００
ｄのナイロンクリンプ糸と１０００ｄのポリプロピレン
ウーリー糸との二種類を用意し、この具体例では図３の
ように経糸１と緯糸２が３本づつ密着するようにしてあ
る。すなわち経糸１は組織ｄ間隔で密着、緯糸２は組織
ｃ間隔で密着し、緯糸２の打ち込み方は、細い緯糸であ
るナイロンクリンプ糸を組織ｃ間隔で６本、太い緯糸で
あるポリプロピレンウーリー糸を組織ｃ間隔で３本とし
てあり、上記のように経糸１が３本づつ密着することに
なるので緯方向に縮み易くなる。この結果、当該具体例
によるときは、ナイロンクリンプ糸が縮み易くなり、ポ
リプロピレンウーリー糸が弛むことで、畝と凹凸がはっ
きりと表出される。また、経糸１と緯糸２とが３本宛密
着するので、経糸１と緯糸２の太さ以上に、ふっくらと
したボリューム感がでると共に、上記３本の糸相互の間
隔があくことになるため、水切れがよくなると共に、メ
ッシュの形成によって泡立ちもよいことになる。

【００２３】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されるもので
あるから、請求項１によるときは合成繊維紡績糸の経糸
と合成繊維や天然繊維等により適切に選定した緯糸とに
より、蜂巣織などの凹凸が表出する織り組織によって織
成するようにしたから、液体石鹸使用時による液垂れな
る不具合を、合成繊維紡績糸の特性により解消させるこ
とができ、しかも、蜂巣織などにより凹凸を表出させる
ようにしたので、泡立ち、泡切れ、濯ぎ、そして乾燥な
どの点につき、すべて従来製品の欠陥を改善でき、水に
つけてもボリューム感が損なわれず、刺激感のあるスポ
ンジ感覚の浴用織成生地をも提供でき、凹凸を表出する
組織の選定や、緯糸の選定によって、柔らかいタイプの
ものから刺激感の大なるタイプのものまで各種の製品が
得られる。

【００２４】次に請求項２にあっては、蜂巣織などの特
種な組織で織成しなくとも、緯糸について太さに相差を
もたせた複数種のものを用意し、これを順次打ち込むよ
うにして織成したから、単なる平織によっても凹凸を表
出して、容易にして安価に製品のボリューム感を発揮さ
せ得ることになる。そして請求項３では、上記の緯糸に
つき、太い緯糸を細い緯糸の２〜７倍の太さに形成する
ことで、より一層請求項２における浴用織成生地の使い
勝手を向上することが可能となる。

【００２５】さらに、請求項４によるときは、上記請求
項２の構成に加えて、最も太い緯糸を、部分的に経糸上
にあって、浮き組織となるよう打ち込むようにしたか
ら、さらにボリューム感をもち、水につけても、これを
保有でき、刺激感を持ったスポンジ感覚のものを提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の請求項１に係る浴用織成生地を示し、
（Ａ）は蜂巣織による組織図、（Ｂ）は他の蜂巣織によ
る組織図で、（Ｃ）はスポンジ織による組織図である。

【図２】本発明の請求項２と請求項４に係る浴用織成生
地を示した組織図である。

【図３】同上請求項２に係る浴用織成生地の他の具体例
を示した組織図である。

【符号の説明】

１経糸２緯糸２ａ細い緯糸２ｂ太い緯糸３浮き組織

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アクリル紡績糸、ポリエステル紡績糸、
ナイロン紡績糸などの合成繊維紡績糸を経糸とし、合成
繊維、合成繊維クリンプ糸、合成繊維ウーリー糸、合成
繊維紡績糸、綿や麻そして羊毛などの動物毛による天然
繊維を、単独または二種以上選定して緯糸とすることに
より、蜂巣織やスポンジ織そしてハック織といった凹凸
が表出する織り組織によって織成したことを特徴とする
浴用織成生地。
【請求項２】アクリル紡績糸、ポリエステル紡績糸、
ナイロン紡績糸などの合成繊維紡績糸を経糸とし、合成
繊維、合成繊維クリンプ糸、合成繊維ウーリー糸、合成
繊維紡績糸、綿や麻そして羊毛などの動物毛による天然
繊維を、単独または二種以上選定して、互いの太さに相
違をもたせた二種類以上を緯糸となし、これら各種の太
さをもった緯糸を所望本数宛打ち込むことにより織成さ
れることで、太い緯糸と細い緯糸とにより形成される凹
凸が表出されるようにしたことを特徴とする浴用織成生
地。
【請求項３】太さに相違をもたせた二種類以上の緯糸
につき、最も太い緯糸が最も細い緯糸の２倍から７倍の
太さである請求項２に記載の浴用織成生地。
【請求項４】アクリル紡績糸、ポリエステル紡績糸、
ナイロン紡績糸などの合成繊維紡績糸を経糸とし、合成
繊維、合成繊維クリンプ糸、合成繊維ウーリー糸、合成
繊維紡績糸、綿や麻そして羊毛などの動物毛による天然
繊維を、単独または二種以選定して、互いの太さに相違
をもたせた二種類以上を緯糸となし、これら各種の太さ
をもった緯糸を所望本数宛打ち込むことにより織成され
ることで、太い緯糸と細い緯糸とにより形成される凹凸
が表出されると共に、最も太い緯糸は、一部に前記の合
成繊維紡績糸による複数本の経糸上にあって、浮き組織
が形成されるよう打ち込まれていることを特徴とする浴
用織成生地。