JPH0568463U

JPH0568463U - 極細合成繊維紡毛紡績糸織物を用いてなる拭布

Info

Publication number: JPH0568463U
Application number: JP10884891U
Authority: JP
Inventors: 治三郎越田
Original assignee: 株式会社こしだ
Priority date: 1991-11-03
Filing date: 1991-11-03
Publication date: 1993-09-17

Abstract

(57)【要約】【目的】人体の汗や垢を綺麗に拭きとれるハンカチ、
タオル等として、又各種物品殊に従来汚れの拭きとりが
難儀であった仏壇、美術品、飾棚等家具、浴槽、自動車
の各部等もその凹部にひそむ埃まで綺麗に拭きとれるフ
キンとして有効に適用できる拭布を提供する。【構成】０．７〜１．５デニールの極細合成繊維単繊
維を５０％以上含む０．５〜８．０番手（メートル番
手）の紡毛紡績糸を緯糸とし、１．０〜５．０デニール
のポリエステル１００％で緯糸の約１／１０の糸番手の
紡績糸を経糸とし、隣接する緯糸相互間の空隙を大きく
して、平織組織に製織してなる極細合成繊維紡毛紡績糸
織物を、ハンカチ、タオル、フキン等所望の拭布の任意
寸法に裁断し、それぞれその周縁に縁かがりを施して成
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一般家庭等において用いられるフキン、ハンカチ、タオル等として、物品の埃拭きとり、或いは人体の汗、垢の拭きとりに極めて有効な極細合成繊維紡毛紡績糸織物を用いてなる拭布に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のフキン、ハンカチ、タオル等の拭布には、主として木綿、絹、麻等による布帛が用いられていたが、これら天然繊維による素材は吸水量、吸水速度が低く、含気率にも乏しく、従って汚れの拭きとり、吸汗の機能に乏しさがあり、耐久性にも乏しく、又これら天然繊維にあっては、繊維の分子と水の分子とが結合するため、乾燥に時間を要する等の欠点があった。例えば従来のフキンにおいては、台所、事務所等のテーブルを拭く場合拭いた後に水分やシミが残ったりして、汚垢が十分に拭きとれず、殊に仏壇、仏具、飾り棚、箪笥等の家具、置物、ピアノ等を掃除する場合手間を掛ける割には綺麗に汚れが拭きとれないうらみがあった。又、ハンカチ、タオルにおいても十分に汗、垢を拭きとれず、乾燥にも時間を要した。

【０００３】なお、最近化学繊維又は化学繊維と混紡してなる布帛によるハンカチ、タオル等もあるが、これらも上記天然繊維による拭布と大同小異の欠点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来のものの有する歎欠点を解消せんとするものであって、含気率が高く、吸水、吸垢性に優れ、汚れの拭きとり、汗とりに極めて有効で、かつ乾燥し易く、耐久性の有るフキン、ハンカチ、タオル等の拭布を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記の目的を達成するための、次の構成を有する。すなわち、繊度０．７〜１．５デニールの極細合成繊維単繊維を５０％以上含む０．５〜８．０番手（メートル番手）の紡毛紡績糸を緯糸とし、１．０〜５．０デニールのポリエステル１００％で緯糸の約１／１０の糸番手の紡績糸を経糸とし、隣接する緯糸相互間の空隙を大きくして、平織組織に製繊してなる極細合成繊維紡毛紡績糸織物を、フキン、ハンカチ、タオル等所望の拭布の任意寸法に裁断し、それぞれその周縁に縁かがりを施してなり、汚れ拭きとりに極めて有効なフキン及び汗、垢とりに極めて有効なハンカチ、タオル等の極細合成繊維紡毛紡績糸織物を用いてなる拭布を開発するに至り、上記課題を解決し得た。

【０００６】

【作用】

本考案の拭布を構成する織物の緯糸（１）は、０．７〜１．５デニールの極細合成単繊維を５０％以上含む０．５〜８．０番手（メートル番手）の紡毛紡績糸によりなるものであるから、従来の拭布を構成する緯糸（１′）に比し、図３に示すとおり、その対物接触面が数倍大きく、拭きとり対象物に密着し、人体皮膚或いは物品の汚れをあまねく拭きとり、図４に示すように従来の拭布の如く埃等を拭き残すことはない。

【０００７】本考案における上記紡毛紡績糸（ａ）は図４に示すとおり、多数の極細合成単繊維（ａ′）を含む多数の繊維で構成されており、その繊維間の空隙により形成される多数の毛細管（４′）が拭きとり対象物の埃、垢、汗等を吸収、吸上げる作用を発揮する。

【０００８】本考案を構成する織物においては、その隣接する緯糸相互間の空隙を大きくしているため、水分がその空隙により形成される毛細管（４）に入り吸水性が高く吸汗、吸垢に優れた作用効果がある。

【０００９】以上、要約するに、本考案の拭布においては、拭きとり対象物に密着し、その凹部に付着した埃、垢、汗等も余さず綺麗に拭きとれるのみならず物品を磨き、艷出しをもする作用効果がある点に最大の特長を有する。

【００１０】本考案の拭布に用いた極細合成繊維紡績糸織物は、その構成する紡績糸がポリエステルであるので、本来強度が大きく耐久性に富み、ヤング率が大きくて腰があり、弾性回復性に優れているが、この織物による拭布は下記の表１、表２に示す通り吸水性に富むばかりでなく、従来の化学繊維織物に比し通気性にもすぐれているので乾燥し易く、長期間繰返し使用に耐える作用効果がある。

【００１１】

【表１】

【表２】

【００１２】

【実施例】本考案の一実施例を、拭布をハンカチとした場合について、図面に基いて説明する。

【００１３】図４に示す通り、繊度の０．７デニールの極細合成繊維単繊維（ａ′）を６０％含む繊維長４４ｍ／ｍの１００％ポリエステル短繊維をミュール紡毛紡績方式により４番手（メートル番手）の紡績糸（ａ）に紡績し、これを２本撚合わせて双子とした撚合糸を緯糸（１）とし、繊度２．５デニール、繊維長５１ｍ／ｍのポリエステル短繊維紡績糸（４０番手双糸）を経糸（２）とし、隣接する緯糸相互間の空隙を大きくして、平織組織に製織して成る図２に示す極細合成繊維紡毛紡績糸織物（３）を、３０ｃｍ×３０ｃｍの寸法に裁断し、その周縁に任意の縁かがり（５）を施すことにより本考案によるハンカチ（Ｈ）が完成する。

【００１４】しかして、本考案による拭布がハンカチの場合には長さ約２５ｃｍ〜５０ｃｍ、横巾約２５ｃｍ〜４０ｃｍ等のものが考えられ、タオルの場合は長さ約８０ｃｍ〜１００ｃｍ、横巾約３０ｃｍ〜４０ｃｍ、フキンの場合には長さ約３０ｃｍ〜５０ｃｍ、横巾３０ｃｍ〜５０ｃｍ等のものが考えられ、何れも寸法、デザインを異にするのみで同様に本考案が適用できる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の拭布は、拭きとり対象物が人体の場合には皮膚に、家具、什器等の場合はその物品表面に密着し、拭布に用いる織物が帯有する静電気、その織物を構成する隣接緯糸相互間の空隙及び緯糸（紡毛紡績糸）を構成する多数の短繊維間の空隙が形成する毛細管により、人体皮膚或いは物品表面の凹所に存する埃、垢までも綺麗に拭きとる作用効果があり、従来のハンカチ、タオル、フキン等に比し格段の拭浄効果を有し、あらゆる物品殊に従来拭きとりに難儀であった仏壇、美術品、置物、飾り棚、楽器、眼鏡、自動車の各部、浴槽等を手間を掛けずに容易に綺麗に拭き取ると共に物品を磨いて艷を出すことが実証されている。

【００１６】又本考案の拭布は、耐久性に富み長期使用に耐えられる効果があり、従来のハンカチ、タオル、フキン等に比し、経済的で極めて有効な拭布であることを実験により証し得た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるハンカチの完成平面図である。

【図２】本考案に用いる極細合成繊維紡毛紡績糸織物の
構成を示す斜視図である。

【図３】（Ａ）は従来の拭布に用いられた織物を構成す
る緯糸の対物接触状態を示す断面図である。（Ｂ）は本
考案に用いる極細合成繊維紡毛紡績糸織物を構成する緯
糸の対物接触状態を示す断面図である。

【図４】本考案に用いる織物の緯糸を構成する紡毛紡績
糸と、従来拭布における緯糸を構成する糸との埃、垢、
汗等吸とり状態（機能）比較図である。

【図５】本考案に用いる織物の緯糸の隣接する糸相互間
の空隙で形成される毛細管により、埃、垢、汗等の吸
収、吸上げ経過を示す断面図である。

【図６】本考案のその他の実施例で、拭布をタオルに用
いた場合の完成平面図である。

【符号の説明】

Ｈハンカチａ紡毛紡績糸ａ′ 極細合成繊維単繊維１緯糸２経糸３極細合成繊維紡毛紡績糸織物４毛細管４′ 毛細管５縁かがり６拭きとり対象物表面７対物接触面８埃、垢、汗等Ｔタオルｂ従来織物における緯糸の構成糸１′ 従来織物における緯糸２′ 従来織物における経糸

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｄ０５Ｂ 35/02 7152−3Ｂ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】繊度０．７〜１．５デニールの極細合成
繊維単繊維を５０％以上含む０．５〜８．０番手（メー
トル番手）の紡毛紡績糸を緯糸とし、１．５〜５．０デ
ニールのポリエステル１００％で緯糸の約１／１０の糸
番手の紡績糸を経糸とし、隣接する緯糸相互間の空隙を
大きくして、平織組織に製織してなる極細合成繊維紡毛
紡績糸織物を所望の拭布の任意寸法に裁断し、その周縁
に縁かがりを施して成る極細合成繊維紡毛紡績糸織物を
用いてなる拭布。
【請求項２】拭布が、長さ約３０ｃｍ〜５０ｃｍ、横
巾約３０ｃｍ〜５０ｃｍ等の任意の寸法に形成されたフ
キンである、実用新案登録請求の範囲第１項記載の極細
合成繊維紡毛紡績糸織物を用いてなる拭布。
【請求項３】拭布が、長さ約２５ｃｍ〜５０ｃｍ、横
巾約２５ｃｍ〜４０ｃｍ等の任意の寸法に形成されたハ
ンカチである、実用新案登録請求の範囲第１項記載の極
細合成繊維紡毛紡績糸織物を用いてなる拭布。
【請求項４】拭布が、長さ約８０ｃｍ〜１００ｃｍ、
横巾約３０ｃｍ〜４０ｃｍ等の任意の寸法に形成された
タオルである、実用新案登録請求の範囲第１項記載の極
細合成繊維紡毛紡績糸織物を用いてなる拭布。