JPH09106071A - 感光性着色組成物とそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

感光性着色組成物とそれを用いたカラーフィルタ

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JPH09106071A
JPH09106071A JP26596995A JP26596995A JPH09106071A JP H09106071 A JPH09106071 A JP H09106071A JP 26596995 A JP26596995 A JP 26596995A JP 26596995 A JP26596995 A JP 26596995A JP H09106071 A JPH09106071 A JP H09106071A
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monomer
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acrylic resin
photosensitive coloring
composition
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Eriko Sugama
絵理子 須釜
Masahiro Ito
正浩 伊藤
Mizuhito Tani
瑞仁 谷
Yoshihiro Mori
▲吉▼弘 森
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Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
Toppan Inc
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Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で、現像が過剰に行われてもオーバー
ハング形状になりにくく現像管理幅が広く、また、酸素
遮断膜の形成を必ずしも必要としない作業性の良好な感
光性着色組成物およびそれを利用したカラーフィルタ。 【解決手段】 カルボン酸基と不飽和二重結合を有する
単量体および該単量体と共重合可能な他の単量体の共重
合体に、エポキシ基と不飽和二重結合を有する単量体が
付加されたアクリル系樹脂と、顔料と分散剤と光重合性
モノマーと光重合開始剤とを有する。感度が高いので、
少ない露光時間で十分であり、製造時間の短縮を図るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶表示装
置の液晶セル内などに設けられるカラーフィルタに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】種々のカラー液晶表示装置、例えば、T
N(ツイステッド・ネマチック)型液晶表示装置、GH
(ゲスト・ホスト)型液晶表示装置、STN(スーパー
・ツイステッド・ネマチック)型液晶表示装置や、FL
C(強誘電液晶)方式などのカラー液晶表示装置、さら
には、固体撮像素子などのビデオカメラ、カラーFA
X、カラースキャナー、カラーコピー、カラービデオな
ど多くの電子機器等にはカラーフィルタが用いられてい
る。殆どのカラーフィルタは、透明な基板上に、3原
色、すなわち、赤色、緑色、青色の各色の着色層が所定
の位置に、例えば画素電極に対応する位置に形成されて
概略構成される。
【0003】カラーフィルタの製造方法としては、次の
ような方法が知られている。 (1)特開昭60−237403号公報に記載されてい
るものは、まず、顔料をアクリル樹脂中に分散剤などに
より分散して着色組成物を調製し、これをガラス基板上
に塗布し、乾燥後、その上に、感光性レジスト材料(ポ
ジレジスト:例えば、「AZ」ヘキスト(株)製)を被
覆し、乾燥した後、マスクを用いて露光後、現像してレ
ジストのパターンを取り去り、レジストのパターンのな
い部分をエッチングにより除去した後、残ったレジスト
を剥離して、パターン形状の着色層を形成する。
【0004】(2)特開平2−181704号公報に
は、アクリル樹脂中に色素を含有した着色組成物中に、
ビスアジド化合物やジアゾ化合物などの感光剤を添加し
て感光性着色組成物とし、これを基板上に塗布し、乾燥
後、露光、現像を行い所定形状の着色層を得る方法が記
載されている。
【0005】(3)特開平6−201913号公報に
は、着色組成物中に光重合開始剤と光重合性モノマーを
添加して感光化し、基板上に塗布し、乾燥後、着色パタ
ーンを得る方法が記載されている。光重合開始剤として
はトリアジン系化合物に加えて、イミダゾール系化合物
が含有され得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)の
製造方法では、着色組成物自体に感光性がないために、
ポジレジストの被覆、パターニング、その後のエッチン
グ、最後に不要となったポジレジストの剥離等の必要と
される工程が多く、また収率が低いなど、製造コストが
嵩み、製造上不利である。上記(2)の製造方法では、
アクリル樹脂中に色素が含まれていることから、感度が
低く、かなりの露光量を必要としてしまい、製造時間が
長くなってしまい、やはり、製造コストが嵩み、製造上
不利である。また、現像液の一部として有機溶媒を用い
る為、材料コスト、廃液処理、取扱方法などに問題があ
る。
【0007】また、この(1),(2)の製造方法であ
ると、感光性材料が容易に雰囲気中の酸素と反応し、そ
の後の反応に支障をきたすことがあるので、その感光性
材料上に、ポリビニルアルコール(PVA)などからな
る酸素遮断膜を成膜する必要がある。したがって、その
分、工程が増加し、また製造コストが嵩むものであっ
た。
【0008】上記(3)の製造方法では、アクリル樹脂
中に色素とトリアジン系の光重合開始剤を含有させてい
るため、感光性材料の酸素との反応が抑えられ、酸素遮
断膜を形成する必要が無く、工程が短くなるものの、基
板との密着性に劣り、オーバーハング形状(逆テーパ形
状)になり、収率がダウンするなどの問題がある。
【0009】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、高感度で、現像が過剰に行われてもオーバー
ハング形状になりにくく現像管理幅が広く、また、酸素
遮断膜の形成を必ずしも必要としない作業性の良好な感
光性着色組成物およびそれを利用したカラーフィルタを
提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の感光性着色組成
物は、 カルボン酸基と不飽和二重結合を有する単量体
および該単量体と共重合可能な他の単量体の共重合体
に、エポキシ基と不飽和二重結合を有する単量体が付加
されたアクリル系樹脂と、顔料と分散剤と光重合性モノ
マーと光重合開始剤とを有することを特徴とするもので
ある。この際、アクリル系樹脂が、カルボン酸基と不飽
和二重結合を有する単量体を15〜80wt%と該単量体
と共重合する他の単量体を20〜85wt%の共重合体
に、エポキシ基と不飽和二重結合を有する単量体が前記
共重合体のカルボン酸基に20〜80モル%付加された
ものであることが望ましい。さらにこの際、アクリル系
樹脂の分子量が10000〜150000であることが
望ましい。また、アクリル系樹脂の酸価が40〜150
であることが望ましい。本発明のカラーフィルタは、本
発明の感光性着色組成物からなる着色樹脂層が基板上に
形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳説する。本発
明の感光性着色組成物では、カルボン酸基と不飽和二重
結合を有する単量体(以下、第1単量体と称する)を有
してなる重合体が必須である。このカルボン酸基と不飽
和二重結合を有する単量体としては、例えば、アクリル
酸、メタアクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、
(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加物、ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレートに無水フタル酸等の酸
無水物を付加させたもの等が挙げられる。このような、
カルボン酸基と不飽和二重結合を有する単量体は、他の
単量体(以下、第2単量体と称する)と共に共重合体を
つくる。そのような共重合体を形成する他の単量体とし
ては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレ
ート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチ
ル(メタ)アクリレート等の芳香族含有(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メト
キシエチル(メタ)アクリレート等の官能基(メタ)ア
クリレート、スチレン及びスチレン誘導体、フェニルマ
レイミド、シクロヘキシルマレイミド等のN置換マレイ
ミド等が挙げられる。これらは1種類でも又2種以上を
組合わせて用いることができる。共重合体中において、
第1単量体は15〜80wt%、第2単量体は85〜20w
t%であることが望ましい。第1単量体の重合比が、15
wt%未満では感度が上がらず、80wt%よりも多いと、後
工程でのモノマー付加量を多くせねばならず、現像性が
低下するからである。
【0012】本発明では、この共重合体にエポキシ基と
不飽和二重結合を有する単量体(以下、第3単量体と称
する)が付加される。第3単量体としては、例えば、グ
リシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチ
ル(メタ)アクリレート、2−メチル−3,4−エポキ
シ−シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。この第3単量体は、上記共重合体のカルボン酸基に
対し、20〜80モル%の範囲で付加される。20モル
%未満では感度が上がらず、80モル%よりも多いと現
像性が低下してしまう。
【0013】こうして調製されたアクリル系樹脂の分子
量は、10000〜150000が好ましく、3000
0〜100000であればより好ましい。分子量が10
000未満では感度が不足し、150000より大きい
と現像性が低下するからである。また、アクリル系樹脂
の酸価は、共重合組成と第3単量体の付加量で決定され
るが、40〜150であることが好ましい。60〜12
0であればより好ましい。酸価40未満では現像性が低
下し、150より多いとレジストの耐水性が低下するか
らである。本発明の感光性着色組成物は、上記アクリル
系樹脂に、顔料、分散剤、溶剤等を添加し、例えば、複
数本(2本、3本またはそれ以上)のロールを用いて混
練しペーストを作製し、そのペーストに光重合性モノマ
ーと光重合性開始剤を添加して製造される。
【0014】顔料としては、限定されるものではなく、
例えば、赤色(Red)としてC.I.Pig.177、C.I.No.9、97、
122、123、149、168、177、180、192、215など、緑色(G
reen)としてはC.I.Pig.7、36、青色(Blue)としてはC.I.
No.15、22、60、64などが用いられる。さらにまた、黄
色(Yellow)としては、C.I.No.12、20、24、83、86、1
09、110、117、125等が、バイオレット(Violet)とし
ては、C.I.No.19、23、29、30、37、40、50等が、黒色
(Black)としては、C.I.No.7が一般的に用いられる。
これらは、1種のみでも又は複数種を合わせて使用して
も良く、カラーフィルタの分光調整の為など、必要に応
じて、任意の顔料を2〜3点混ぜ合わせて調整する。各
色の顔料は、白色光を分解する役割を担う為、透明性、
耐候性、耐熱性に優れているものがよい。顔料の一次粒
子径は0.3μm以下、さらに0.1μm以下が好ましく、
可視光の波長に対して十分に小さくする。特に、透明性
に優れた顔料として有機顔料が好ましい。
【0015】分散剤は、顔料の凝集を防ぎ、アクリル系
樹脂中に顔料を均一に分散させるために添加される。従
って、分散剤もまた耐熱性を有し、カラーフィルタの諸
特性を阻害しないものが用いられる。分散剤としては広
範囲のものから適宜選択して使用され、例えば、界面活
性剤、顔料の中間体、染料の中間体、「ソルスパース」
(ゼネカ(株)製)などが使用される。好ましくは、有
機色素の誘導体であり、母体となる有機色素としてはア
ゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキ
ノン系、ベリレン系、チオインジコ系、ギオキサン系、
金属錯塩系である。また、これらの有機色素のなかで、
置換基を有し、色素の分散に有効な誘導体であって、水
酸基、カルボキシル基、スルホン基、カルボンアミド
基、スルホンアミド基等のものから選ばれる少なくとも
1種の置換基を有する誘導体が好適である。
【0016】また、本発明に使用する色素と分散剤の母
体有機色素とは、通常は相関係から同一のものが組み合
わせられるが、必ずしも一致している必要はない。これ
らの割合は、特に限定されるものではないが、アクリル
系樹脂に対する顔料の添加量は50〜150重量部、分
散剤は顔料の1〜10重量部程度とすることが好まし
い。
【0017】さらに、感光性とすべく、光重合性モノマ
ーと光重合開始剤が添加される。光重合性モノマーとし
ては、2官能モノマー、3官能モノマー、多官能モノマ
ーがある。2官能モノマーとして、例えば、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレートなどがあ
る。3官能モノマーとして、例えば、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ネートなどがある。多官能モノマーとしては、例えば、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート及びヘキサアクリ
レート等が有る。これらのモノマーは、大阪有機化学工
業(株)、昭和高分子(株)、東亜合成(株)、日本化
薬(株)などで市販されている。光重合性モノマーの添
加量は、特に限定されるものではないが、アクリル系樹
脂の20〜150重量%程度が好ましい。20wt%より
も少ないと、重合が不完全になりやすく、150wt%よ
りも多いと、相対的に色素量が低下し、色の濃さが不足
するからである。
【0018】また、光重合開始剤としては、トリアジン
系化合物として、2,4,6−トリス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)
−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロ
ロメチル)−s−トリアジン、2−(4′−メトキシ−
1′−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジンなど、およびこれらの混合物が適用で
きる。
【0019】さらに、アセトフェノン系化合物として
は、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェ
ニル)プロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−エニル(4−ド
デシル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタ
ノン−1などがある。ベンゾフェノン系化合物として
は、ベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフ
ェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、o−ベンゾフェノン安息香酸メチルなどがある。チ
オキサンソン系化合物としては、2,4−ジエチルチオ
キサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、
2,4−ジメチルチオキサンソンなどがある。
【0020】また、イミダゾール系化合物としては、2
−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジフェニルー
イミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニ
ル)−4,5−ビス(3−メトキシフェニル)−イミダ
ゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,
5−ビス(4−メトキシフェニル)−イミダゾール二量
体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス
(4−クロロフェニル)−イミダゾール二量体、2−
(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジ(2−フリ
ル)−イミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェ
ニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−
ビイミダゾール、「HB22」(保土ケ谷化学(株)
製)などがある。これら光重合開始剤の、トリアジン系
化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化
合物、チオキサンソン系化合物、イミダゾール系化合物
は、併用して用いることもできる。また、トリアジン系
化合物を使用することで、露光工程時に、酸素遮断膜を
不要とすることができるので、その使用が特に好まし
い。
【0021】なお、光重合開始剤の添加量は特に限定さ
れるものではないが、トリアジン系化合物を1種または
2種を用いる場合の添加量は、光重合性モノマーの5〜
50重量%、好ましくは10〜30重量%とすることが
望ましい。また、トリアジン系化合物と他の光重合開始
剤との混合で用いる場合の添加量は、トリアジン系化合
物が、光重合性モノマーの1〜50重量部、好ましくは
5〜30重量部、他のアセトフェノン系化合物、ベンゾ
フェノン系化合物、チオキサンソン系化合物、イミダゾ
ール系化合物については、光重合性モノマーの1〜40
重量部、好ましくは5〜20重量部の割合で添加するこ
とが望ましい。
【0022】また、本発明の感光性着色組成物には、必
要に応じて、溶剤を添加する。溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、トルエン、キシレン、エチルセロソル
ブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブ、
メチルセロソルブアセテート、ジグライム、シクロヘキ
サノン、エチルベンゼン、酢酸イソアミル、酢酸nアミ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレング
リコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、液体
ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテル、乳酸エチルなどが用いられる。これら
は、樹脂のモノマー組成、光重合性モノマー、光重合開
始剤などによって溶解性が異なるので、単一または複数
の溶剤組成の溶剤を適宜選択する。
【0023】また、他の添加物、例えば、アゾビスイソ
ブチルニトリルのような重合開始剤、ベンジルジメチル
アミンのような触媒等を必要に応じて添加することもで
きる。
【0024】本発明の感光性着色組成物であると、露光
に対する感度が高く、しかも、現像性に幅があり、オー
バーハング形状(逆テーパ状)になりにくく、順テーパ
でパターン形状の良いものとなる。
【0025】本発明による感光性着色組成物を用いるこ
と以外において、カラーフィルタの製造方法は、従来か
らの方法を適用することができ、例えば、特開平3−5
3201号公報、特開平2−199403号公報、特開
平2−199404号公報、特開平2−144502号
公報などに記載されている方法を適用することができ
る。すなわち、まず、基板上に、上記本発明の感光性着
色組成物を均一に塗布し、これに、所定形状のパターン
に露光して感光性着色組成物を部分的に光硬化した後
に、現像して光硬化した感光性着色組成物をパターン状
に残して着色樹脂層を形成すれば良い。基板としては、
カラーフィルタに適用できるものであれば特に限定され
るものではないが、通常、ガラス板が用いられる。感光
性着色組成物の基板上への塗布は、グラビアコーター、
グラビアオフセットコーター、グラビアリバースコータ
ー、バーコーター、リップコーター、ナイフコーター、
スピンナー、シルクスクリーンあるいはロールコーター
等によって行い得る。必要に応じて、カラーフィルタ表
面にアクリル樹脂を塗布し乾燥して保護膜を形成する。
本発明のカラーフィルタであると、製造するのに、工程
数が少なく、しかも用いる感光性着色組成物の感度が高
いので、露光時間を短縮することができる。また、光重
合開始剤としてトリアジン系化合物を使用したものであ
ると、酸素遮断膜が不要となり、より工程を短縮化でき
る。しかも、本発明の感光性着色組成物であると、基板
との密着性が高いので、現像時のオーバーハングを抑制
することができる。したがって、生産性が高く、製造コ
ストの低減を図ることができる。
【0026】
【実施例】
A)感光性着色組成物の調製 まず、メタアクリル酸を40部と、ブチルメタクリレー
トを60部をシクロヘキサノン300部の溶剤に溶解し
た。そして、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリ
ル1部を加え、80℃5時間で反応させ、共重合体を得
た。得られた共重合体に、グリシジルメタクリレート3
5部と、ベンジルジメチルアミン0.5部を加え、10
0℃で20時間反応させてアクリル系樹脂を得た。その
アクリル系樹脂の重量平均分子量は、GPC、ポリスチ
レン換算で40000であった。また、その酸価は90
であった。
【0027】次に、そのアクリル系樹脂の濃度が10%
になるようにシクロヘキサノンで希釈した。そして、こ
の希釈樹脂90.1gに対し、顔料(C.I.No.15(青色
用)、C.I.No.177(赤色用)、C.I.No.36(緑色用))
を各9.0g、分散剤として各顔料の誘導体を0.9gを
添加し、3本ロールで十分混練して、青色、赤色、緑色
の各ワニスを調製した。さらに、各ワニスの100gに
対して、光重合性モノマーとしてトリメチロールプロパ
ントリアクリレートを0.4gと、光重合開始剤とし
て、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジンを0.02gとを加
えて良く撹拌し感光性着色組成物を調製した。
【0028】B)カラーフィルタの作製 まず、透明なガラス基板上に、上記調製した赤色の感光
性着色組成物をスピンコート(1000r.p.m、40秒
間)し、乾燥させた。70℃で20分間プリベーク後、
画素サイズ30μm×100μmのマスクを用い、紫外線
露光機を使用して露光した。必要な露光量は、50mJ/c
m2であった。そして、2.5%炭酸ナトリウム溶液で現
像後、良く水洗した。柔らかいスポンジで擦り基板に付
着した顔料を除去し、さらに水洗乾燥後、230℃で1
時間ベークして所定形状のパターンの赤色の着色樹脂層
を定着させてカラーフィルタを作製した。同様に、緑色
の着色樹脂層と、青色の着色樹脂層とを基板上にパター
ニングした。緑色のカラーフィルタの露光量は50mJ/c
m2、青色のカラーフィルタの露光量は、50mJ/cm2であ
った。このように本実施例の感光性着色組成物は、極め
て高感度であった。したがって、本実施例の感光性着色
組成物であると、感度が高いことから、短時間で十分に
光硬化するので、現像性に幅ができる。尚、カラーフィ
ルタとしては、必要に応じて、その表面にアクリル樹脂
を塗布、乾燥して保護膜を形成する。
【0029】(比較例の感光性着色組成物の調製)比較
例の感光性着色組成物は、まず、アクリル樹脂として、
メタクリル酸20部と、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト15部と、メチルメタクリレート10部と、ブチルメ
タクリレート55部とをエチルセロソルブ300部に溶
解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチロニトリル0.
75部を加え、70℃5時間で反応させてアクリル系樹
脂を得た。得られたアクリル系樹脂の濃度が10%にな
るようにエチルセルソルブで希釈した。そして、この希
釈樹脂90.1gに対し、顔料(C.I.No.15(青色用)、
C.I.No.177(赤色用)、C.I.No.36(緑色用))を各9.
0g、分散剤として各顔料の誘導体を0.9gを添加
し、3本ロールで十分混練して、青色、赤色、緑色の各
ワニスを調製した。
【0030】さらに、ワニスの100gに対して、光重
合性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリ
レートを0.4gと、トリアジン系重合開始剤として、
2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリク
ロロメチル)−S−トリアジンを0.02gと、2,
2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,
5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールを0.
02g加えて撹拌し感光性着色組成物を調製した。そし
て、この感光性着色組成物を用いて、上記実施例と同様
にしてカラーフィルタを作製した。カラーフィルタの各
色別の感度は各色とも150mJ/cm2であった。また、各
色のパターン形状を上記同様に観察したところ、特に青
色と緑色の部分でオーバーハング現象がみられ、精確な
パターン形状の着色樹脂層が形成されていなかった。
【0031】(必要露光量試験)必要露光量の試験は、
残膜率、即ち、現像時に膜厚が成膜時の98%以上とな
るように光硬化させるのに必要な露光量を調べたもので
ある。上記実施例および比較例の感光性樹脂組成物につ
いて測定した。測定結果を表1に示す。 (テーパ形状試験)上記実施例および比較例のカラーフ
ィルタについて、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、
各パターンのテーパ形状(傾斜角)を観察した。観察結
果を表1に示す。
【表1】 表1から、従来からある比較例のものであると、多量の
露光量を必要とし、長い露光時間が必要となるが、本実
施例のものであると感度が2.5倍以上高く、少ない露
光量で十分とされ、短時間で十分に光硬化するので、現
像性に幅ができることがわかる。また、本実施例のもの
であると、オーバーハングは認められず、順テーパー状
となっており、高精度なパターン形状の着色樹脂層が形
成されていたが、比較例のものであると、オーバーハン
グ形状が認められ、精確なパターン形状の着色樹脂層が
形成されていなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明の感光性着色組成物を用いれば、
少ない工程数でカラーフィルタの着色樹脂層を製造する
ことができ、しかも感度が高いので、少ない露光時間で
十分であり、製造時間の短縮を図ることができる。ま
た、そのような特性を生かしつつトリアジン系の光重合
開始剤を用いることができるので、感光性材料の酸素と
の反応が抑えられ、酸素遮断膜を必ずしも形成する必要
がない。しかも現像管理幅が広く、オーバーハング現象
が起きにくく、精確なパターン形状のカラーフィルタが
製造され得る。よって、本発明は、液晶ディスプレイな
どの各種の電装機器に用いられるカラーフィルタの製造
における作業性、生産性を向上させ、技術的価値の非常
に高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 瑞仁 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 森 ▲吉▼弘 大阪府大阪市中央区安土町1丁目7番20号 大阪有機化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸基と不飽和二重結合を有する
    単量体および該単量体と共重合可能な他の単量体の共重
    合体に、エポキシ基と不飽和二重結合を有する単量体が
    付加されたアクリル系樹脂と、顔料と分散剤と光重合性
    モノマーと光重合開始剤とを有することを特徴とする感
    光性着色組成物。
  2. 【請求項2】 前記アクリル系樹脂が、カルボン酸基と
    不飽和二重結合を有する単量体を15〜80wt%と該単
    量体と共重合する他の単量体を20〜85wt%の共重合
    体に、エポキシ基と不飽和二重結合を有する単量体が前
    記共重合体のカルボン酸基に20〜80モル%付加され
    たものであることを特徴とする請求項1記載の感光性着
    色組成物。
  3. 【請求項3】 前記アクリル系樹脂の分子量が1000
    0〜150000であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の感光性着色組成物。
  4. 【請求項4】 前記アクリル系樹脂の酸価が40〜15
    0であることを特徴とする請求項1または2記載の感光
    性着色組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性
    着色組成物からなる着色樹脂層が基板上に形成されてい
    ることを特徴とするカラーフィルタ。
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