JPH09101624A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH09101624A
JPH09101624A JP25860595A JP25860595A JPH09101624A JP H09101624 A JPH09101624 A JP H09101624A JP 25860595 A JP25860595 A JP 25860595A JP 25860595 A JP25860595 A JP 25860595A JP H09101624 A JPH09101624 A JP H09101624A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来と同等の洗浄性を有し、水系にもかかわ
らず基体表面を変質させない洗浄法を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に光導電層を設けてなる電
子写真感光体の製造法において、該導電性基体表面を、
少なくとも下記式(1)で示される有機化合物40〜9
5重量%と水を5〜60重量%を含有してなる洗浄液で
洗浄することを特徴とする。 【化1】 R3 −CH(OR1 )−CH(OR2 )−R4 (1) (式(1)において、R1 、R2 は水素原子、アシル基
またはアルキル基であり、R3 、R4 は水素原子または
アルキル基であり、かつ、R3 とR4 の炭素数合計が2
以上である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体の製
造方法に関し、主に電子写真感光体基体の洗浄方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に電子写真感光体は円筒状の導電
性基体上に光導電層を形成したものである。この円筒状
基体としてはアルミニウム、鉄、ステンレス、銅、亜
鉛、ニッケル、導電化処理したプラスチック、ガラス等
が材料として挙げられるが、これらの中では比較的安
価、軽量で加工性が良く、電気特性を損なわないアルミ
ニウムが広く用いられている。
【0003】通常、アルミニウムを円筒状の基体として
用いる場合は、アルミニウムビレットをポートホール
法、マンドレル法等により押し出し管に加工し、続いて
所定の肉厚、外径寸法の円筒とするため、引き抜き加
工、インパクト加工、しごき加工、あるいは切削による
鏡面加工を行うことで作ることができる。また、「ちり
かぶり」(白色面にちりがかかったような画像)等の画
像欠陥を防止するために陽極酸化処理を行う場合があ
る。基体表面には引き抜き油、切削油、防錆油、空気中
の各種塵埃等が付着しているため、このままでは均一な
感光層を形成することができない。そのため、基体表面
を十分に洗浄してこれらを除去した後に光導電層が設け
られる。
【0004】従来、基体の洗浄には、トリクロルエチレ
ンや1,1,1−トリクロルエタン等の塩素系溶剤、フ
ロン113等のフッ素系溶剤、石油系炭化水素等及びこ
れらの混合物を用いて、浸漬洗浄または超音波の作用下
での浸漬洗浄、ブラシ、スポンジ等による擦り洗浄、ジ
ェット洗浄、溶剤蒸気洗浄の単独または組み合わせによ
り洗浄が行われている。
【0005】これらの有機溶剤は洗浄力が高く、特に塩
素系溶剤およびフッ素系溶剤は不燃性という特性から長
所があり、それらの溶剤が用いられることが多かった。
しかしながら、近年塩素系溶剤による環境汚染やフッ素
系溶剤によるオゾン層破壊等の問題が顕在化されるとと
もに、これらの有機溶剤の代替洗浄液および代替洗浄法
の要求が強まっており、環境問題の少ない水系の洗浄法
に転換することが望まれている。
【0006】水系の洗浄法では界面活性剤を含有した洗
浄液を使用した洗浄方法が注目されており、それらの主
な洗浄剤としてアルカリ系洗剤、中性洗剤が挙げられ
る。洗浄対象物がアルミニウム等の金属である場合、ア
ルカリ洗剤では洗浄力は高いものの不均一なエッチング
によるムラが発生したり、その後の水洗、乾燥等の処理
によっては、洗剤成分の残存による腐食の問題が生ずる
ことがある。中性洗剤を用いた場合でも、エッチングや
腐食の問題が発生することが少なくなく、このような洗
浄剤で洗浄を行った導電性基体を用いて製造した電子写
真感光体には、コピー画像にポチ、白ポチ、ムラ等の欠
陥が生じることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
を解決し、塩素系有機溶剤と同等の洗浄力を有し、安全
性及び作業環境衛生が良好で、環境汚染の問題のない洗
浄法による電子写真感光体の製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、導電性基体上に
少なくとも光導電層を設けてなる電子写真感光体の製造
法において、導電性基体表面を、少なくとも下記式
(1)で示される有機化合物40〜95重量%と水5〜
60重量%を含有してなる洗浄液で洗浄することで効果
的に導電性基体表面の汚れを除去し、基体表面を腐食さ
せることなく洗浄できることを見いだし、本発明に到達
した。
【0009】
【化2】 R3 −CH(OR1 )−CH(OR2 )−R4 (1)
【0010】(式(1)において、R1 、R2 は水素原
子、炭素数1〜4のアシル基またはアルキル基であり、
3 、R4 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
であり、かつ、R3 とR4 の炭素数合計が2以上であ
る。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明に用いる洗浄液の主成分は上記式(1)で示
される有機化合物(以下、「化合物(1)」と略す。)
と水である。化合物(1)は、水を混和しうる特定構造
を有するジオールまたはその誘導化合物である。式
(1)において、R1 、R2 は水素原子;ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル等の炭素数1〜4のア
シル基;またはメチル、エチル、ブチル等の炭素数1〜
4のアルキル基である。
【0012】好ましくはR1 、R2 のいずれか一方が水
素原子を有するものである。また、R3 、R4 は水素原
子、またはメチル、エチル、ブチル等の炭素数1〜4の
アルキル基であり、R3 とR4 の炭素数合計が2以上で
ある。更にR3 がエチル、R 4 が水素原子であることが
好ましい。具体的には、1,2−ブタンジオール、1−
メトキシ−2−ブタノール、2−メトキシ−1−ブタノ
ール、1−エトキシ−2−ブタノール、2−エトキシ−
1−ブタノール、1−アセトキシ−2−ブタノール、2
−アセトキシ−1−ブタノール等が例示される。化合物
(1)は単独で用いてもよく、また、2種以上の混合物
で用いてもよい。
【0013】本発明の洗浄液中の化合物(1)の含有量
は40〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、更
に好ましくは60〜85重量%であり、また、水の含有
量は5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、更
に好ましくは15〜40重量%含有する。該洗浄液組成
の適した範囲は、洗浄対象の油分等の性質により変動し
うるものではあるが、水の含有量が上記範囲では脱脂処
理後、脱脂した油分を浮上分離しやすく、該洗浄液の繰
り返し使用が長期間可能となる。
【0014】また、特に水の含有量が約15重量%未満
では、該洗浄液は引火しないので、非危険物として取り
扱うことができるので好ましい。該洗浄液中の水の含有
量が少なすぎると、繰り返し使用する際、油分の洗浄液
への溶解性が高くなるため、洗浄効果が低下しやすい。
また、該洗浄液中の水の含有量が多すぎると洗浄効果が
著しく低下する。
【0015】本発明において用いる電子写真感光体の導
電性基体としては、本発明に適したものであれば特に限
定されないが、主にアルミニウムが使用される。本発明
において用いられるアルミニウム基体は、アルミニウム
ビレットをポートホール法、マンドレル法等により押し
出し管に加工し、続いて所定の肉厚、外径寸法の円筒と
するため、引き抜き加工、インパクト加工、しごき加
工、あるいは切削による鏡面加工を行うことで作ること
ができる。また、ちりかぶり等の画像欠陥を防止するた
めに陽極酸化処理を行う場合がある。基体表面には引き
抜き油、切削油、防錆油、空気中の各種塵埃等が付着し
ているため、光導電層を形成する前に洗浄処理が行われ
る。通常は、洗浄処理に続いて、水洗処理、乾燥処理を
行なう。
【0016】導電性基体の洗浄は、通常、洗浄槽を用い
て行なわれる。洗浄槽には、上記の洗浄液が満たされ、
一般に、所定の温度に一定に保たれている。槽下部に超
音波発振器を備え付け、基体浸漬時に超音波を発振でき
るようにすることが好ましい。超音波の種類としては、
基体表面にできるかぎり均一に超音波を照射し、エロー
ジョン等のダメージを与えないために、多重周波のもの
や周波数を一定周期で変更できるものが好ましい。な
お、必要に応じて浸漬中で基体を揺動させてもよい。
【0017】また、該洗浄液が槽上部からオーバーフロ
ーされるように液循環を行うことが好ましい。このこと
によって、導電性基体を洗浄液から引き上げる際によご
れの再付着が防止される。脱脂液の温度は、通常30〜
95℃、望ましくは40〜80℃の範囲に設定されるこ
とが好ましい。処理温度が30℃より低い場合は脱脂性
が劣り、処理温度が95℃を越える場合は洗浄液中の化
合物(1)や水の蒸発量が急激に増加し、洗浄液成分の
管理上好ましくない。
【0018】洗浄の処理時間は通常、30秒から30
分、好ましくは1分から10分がよい。処理時間が30
秒より短い場合は、よごれの除去が不十分のため、洗浄
ムラが発生しやすく、30分を越える場合は、スループ
ットが下がるため、実生産上、好ましくない。洗浄され
た導電性基体は、好ましくは、付着する洗浄液を除去す
るため、水洗槽で水洗処理が行われる。水洗には、水道
水を用いてもよいが、水道水中に含まれる塩素イオン等
により腐食されることがあるので、純水または脱イオン
水を用いることが好ましい。通常、水洗槽にはこれらの
水が満たされ、所定の温度にほぼ一定に保たれており、
該基体を浸漬して水洗を行う。なお、より効果的に水洗
を行うため、浸漬水洗時に超音波を併用することが好ま
しい。超音波の種類としては、基体表面にできるかぎり
均一に超音波を照射し、エロージョン等のダメージを与
えないために、多重周波のものや周波数を一定周期で変
更できるものが好ましい。なお、必要に応じて浸漬中に
基体を揺動させてもよい。また、基体を洗浄液から引き
上げる際にスプレーでシャワーリング水洗することがよ
ごれの再付着防止上からより好ましい。
【0019】上記水洗処理がなされた導電性基体は、次
いで、乾燥処理される。乾燥方法としては、温純水引き
上げ乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥または、それらの組み
合わせが挙げられる。以上のようにして洗浄処理された
導電性基体上に光導電層が設けられる。光導電層として
は、無機系、有機系の各種光導電層を使用することがで
きるが、電荷発生層、電荷移動層よりなる積層型光導電
層が特に有用である。電荷発生層、電荷移動層等の光導
電層は、層を構成する物質をそれぞれの含有する塗布液
を浸漬法やスプレー法などによって、該基体の表面に形
成される。必要に応じ、導電性基体と光導電層の間に中
間層を設けてもよい。
【0020】積層型光導電体について説明すると、電荷
発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン及びその
合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、その
他の無機光導電体、フタロシアニン、アゾ、キナクリド
ン、多環キノン、ペリレン、インジゴ、ベンズイミダゾ
ール、などの各種有機顔料を使用することができる。特
に無金属フタロシアニン;銅、塩化インジウム、塩化カ
リウム、スズ、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウム、
などの金属、またはその酸化物、塩化物の配位したフタ
ロシアニン類;モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリ
アゾ類などのアゾ顔料が好ましい。
【0021】電荷発生層は、これらの物質の均一層とし
てあるいはバインダー中に微粒子分散した状態で形成さ
れる。ここで使用されるバインダー樹脂としてはポリビ
ニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢
酸ビニル、ポリ塩化ビニル、メチルセルロース、ポリカ
ーボネート樹脂などが挙げられる。
【0022】電荷発生層は、バインダー樹脂100重量
部中に、上記電荷発生物質20〜300重量部含有させ
ることが好ましく、特に30〜150部が好ましい。こ
のような電荷発生層の膜厚は通常5μm以下、好ましく
は0.01〜1μmが適当である。電荷移動層中に用い
る電荷移動物質としては、ポリビニルカルバゾール、ポ
リビニルピレン、ポリアセナフチレン、などの高分子化
合物、または各種ピラゾリン誘導体、オキサゾール誘導
体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、などの低分
子化合物が使用できる。これらの電荷移動物質と共に必
要に応じて、バインダー樹脂が配合される。好ましいバ
インダー樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体及びそ
の共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリサ
ルフォン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン
樹脂などが挙げられ、またこれらの部分的架橋硬化物も
使用される。
【0023】上記電荷移動物質を、バインダー樹脂10
0重量部中に30〜200重量部、特に50〜150重
量部含有させることが好ましい。また、電荷移動層に
は、必要に応じて酸化防止剤、増感剤などの各種添加剤
を含んでもよい。電荷移動層の膜厚は通常10〜40μ
m、好ましくは10〜25μmの厚みで使用される。
【0024】なお、光導電層の他の例として、バインダ
ー樹脂と上記電荷移動物質からなる結合剤中に、前記の
如き電荷発生物質粒子を分散させてなる分散型光導電層
がある。この場合には、電荷発生物質と電荷移動物質の
合計の含有量は、バインダー樹脂100重量部中に対し
て20〜200重量部、特に40〜150重量部が好ま
しい。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、
以下において、「部」とは「重量部」を表す。
【0026】実施例 1,2−ブタンジオール80重量%と純水20重量%か
らなる洗浄液を65℃に加温した洗浄液中に、表面を鏡
面切削加工した肉厚1mmの円筒状アルミニウム基体を
浸漬し、周波数変調式超音波発振機(基幹周波数39k
Hz)を発振させて5分間脱脂洗浄を行った。続いて、
該アルミニウム基体を洗浄槽上部に30秒間静置して液
切りした後、約30℃の脱イオン水(電気伝導度1μS
/cm)中に浸漬し、周波数変調式超音波発振機(基幹
周波数39kHz)を発振させて1分間水洗を行った。
更に水洗槽より引き上げる際に該アルミニウム基体の外
表面を脱イオン水によるスプレー水洗を行った。
【0027】次いで、70℃の脱イオン水が槽下部より
供給され、槽上部よりオーバーフローしている湯上げ乾
燥槽に、上記水洗後の該アルミニウム基体を5秒間浸漬
した後、10mm/秒の速度で引き上げた。その後、1
20℃のクリーンオーブンで2分間加熱乾燥した。電荷
発生物質としてビスアゾ化合物1部を用い、これにジメ
トキシエタン20部を加え、サンドグラインダーで分散
処理をした後、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工
業社製,商品名 電化ブチラール#6000C)0.5
部をジメトキシエタン10部に溶解した溶液に加え電荷
発生層形成用分散液を得た。この分散液を用いて、先に
洗浄処理を行ったアルミニウム基体に浸漬法によって、
乾燥後の膜厚が0.63μmとなるように電荷発生層を
形成した。上記の電荷発生層上に電荷移動物質として下
記構造を有するヒドラゾン化合物110部、
【0028】
【化3】
【0029】下記の繰り返し構造単位を有するポリカー
ボネート樹脂(粘度平均分子量:約22000)100
部、
【0030】
【化4】
【0031】および、フェノール化合物8部をテトラヒ
ドロフラン500部に溶解した溶液を作製し、この溶液
を用いて先に電荷発生層を形成したアルミニウム基体に
浸漬法によって、乾燥後の膜厚が21μmとなるように
電荷移動層を形成し、電子写真感光体を製造した。
【0032】比較例1 市販の中性脱脂剤、NG−30 (キザイ(株)製)の4
0g/l水溶液を55℃に加温した洗浄液中に、表面を
鏡面切削加工した肉厚1mmの円筒状アルミニウム基体
を浸漬し、周波数変調式超音波発振機(基幹周波数39
kHz)を発振させて5分間脱脂洗浄を行った以外は実
施例と同様に水洗、乾燥を行った。その後、実施例と同
様な処理を行って感光層を形成し、電子写真感光体を製
造した。
【0033】比較例2 表面を鏡面切削加工した肉厚1mmの円筒状アルミニウ
ム基体を、トリクロルエチレン中で浸漬超音波洗浄を5
分、冷液浸漬洗浄3分、蒸気洗浄3分の洗浄を行った。
その後、実施例と同様な処理を行って感光層を形成し、
電子写真感光体を製造した。
【0034】[評価1]実施例と比較例1、2で製造し
た電子写真感光体を、暗中においてコロナ帯電器で−6
00Vに帯電し、次いでハロゲンランプで1 lux・
sec.、5lux・sec.でそれぞれ露光したとき
の表面電位VH、VRと更に−600Vに帯電したまま
暗中に5秒間放置したときの暗減衰DDRを測定し電気
特性を評価した。その結果、実施例と比較例1、2の間
に有意差は見られなかった。
【0035】[評価2]実施例と比較例1、2で製造し
た電子写真感光体を、市販の複写機に装着して、白ベ
タ、黒ベタ、ハーフトーンで画像評価を行った。その結
果、実施例及び比較例2の画像は良好であったが、比較
例1には白ポチ、黒ポチ、ムラが見られた。
【0036】[評価3]実施例と比較例1、2の、感光
層を形成する前のアルミニウム基体表面を、走査電子顕
微鏡で、10000倍、50000倍の倍率で表面観察
を行った。その結果、実施例と比較例2の表面には腐食
様の変化はなく、両者の差は見られなかったが、比較例
1には表面がエッチングされた様な模様が見られた。
【0037】[評価4]実施例と比較例1、2の、感光
層を形成する前のアルミニウム基体表面を、X線光電子
分光法で表面から深さ約5nmまでのアルミニウム酸化
物とアルミニウム金属の放出電子の強度比を測定した。
その結果、実施例と比較例2の強度比の約1.1に対し
て、比較例1の強度比は約1.5でありアルミニウム酸
化物が増加しており、表面の変質が確認された。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、トリクロルエチ
レン等の塩素系有機溶剤と同等の洗浄性が得られ、水系
でありながら中性洗剤に見られる表面の変質も見られ
ず、塩素系有機溶剤を使用した洗浄法の代替が可能とな
った。また、本発明の洗浄液は引火性をもたず、更に低
毒性かつ生分解性が良好なため環境に対しても優しい。
従って、塩素系有機溶剤による環境汚染、フッ素系溶剤
によるオゾン層破壊の問題のない電子写真感光体の製造
が可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくとも光導電層を設
    けてなる電子写真感光体の製造法において、該導電性基
    体表面を、少なくとも下記式(1)で示される有機化合
    物40〜95重量%と水5〜60重量%を含有してなる
    洗浄液で洗浄することを特徴とする電子写真感光体の製
    造方法。 【化1】 R3 −CH(OR1 )−CH(OR2 )−R4 (1) (式(1)において、R1 、R2 は、水素原子、炭素数
    1〜4のアシル基またはアルキル基であり、R3 、R4
    は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、か
    つ、R3 とR4 の炭素数合計が2以上である。)
  2. 【請求項2】 該有機化合物が、1,2−ブタンジオー
    ルであることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光
    体の製造方法。
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