JP3722162B2 - 電子写真感光体基体の洗浄方法、感光体の作製方法及びそれを用いた感光体 - Google Patents

電子写真感光体基体の洗浄方法、感光体の作製方法及びそれを用いた感光体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等に利用される電子写真感光体及びその製造方法に関するものであり、特に電子写真感光体基体の洗浄に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に電子写真感光体は、ドラム状導電性基体上に感光層を形成したものである。このドラム状導電性基体は円筒状のアルミを鏡面加工又は板状のアルミをインパクト成形することにより作製される。鏡面加工、粗面化加工又はインパクト成形中に基体表面には、切削油のミスト、空気中のダスト、切粉等が付着するため、基体表面を洗浄処理して除去した後に、縮合多環顔料、アゾ顔料等の電荷発生物質、樹脂の結着剤等から成る電荷発生層及びヒドラゾン系又はアリールアミン系電荷輸送物質、樹脂の結着剤、及び酸化防止剤等の添加剤から成る電荷輸送層を順次塗布・積層し、乾燥して感光層を形成する。
【0003】
電荷発生層及び電荷輸送層は、上述した電荷発生層及び電荷輸送層を構成する物質をそれぞれ含有する塗布液にドラム状導電性基体を公知の方法で塗布することによって該基体の表面に形成される。ここで行う塗布方法としては、特に制限はなく公知の方法が使用し得るが、例えば特開昭49−130736号、同57−5047号、同59−46171号及び特開昭58−189061号に開示される方法が挙げられる。
【0004】
前記塗布法において、導電性基体表面の洗浄が不十分であると、その表面に油ダスト等が残り、塗布の際にハジキ、シミ等の塗布欠陥の原因となる。このような電子写真感光体上に発生した欠陥は、コピー画像に黒ポチ、白ポチ、ハーフトーン画像のムラ等となって現れ、画像品質に悪影響を及ぼす。かような電子写真感光体は実用に適さないものである。
【0005】
基体表面の洗浄方法としては、通常有機溶媒中、必要に応じて加温された有機溶媒中に基体を浸漬処理及び/又は超音波の作用下で浸漬処理する浸漬洗浄;基体を溶媒に浸漬中又は基体に溶媒をシャワーリングしながらブラシ、スポンジ等により物理的に擦する接触洗浄;溶媒を高圧下でスリットより基体表面に噴出するジェット洗浄及び溶媒蒸気中に基体を挿入する蒸気洗浄が挙げられ、これらの単独又は組み合わせて基体表面の洗浄が行われている。
【0006】
ここで使用される溶媒としては、メチレンクロライド、エチレンクロライド、1,1,1−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、パークロルエチレン等の塩素系溶剤、フロン−112、フロン−113等のフッ素系溶剤、該フッ素系溶剤とメタノール、メチレンクロライド等の混合溶剤、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、石油系炭化水素等及びそれ等の混合物が挙げられる。これらの溶剤中には引火性、発火性を有するもの、人体に有害であるので使用許容濃度が低いもの、洗浄能力が低いものが含まれており、必ずしも望ましいものではない。
【0007】
電子写真感光体の導電性基体としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、真ちゅう等の金属の円筒状基体又は薄膜シート又はアルミニウム、錫合金、酸化インジウム等をポリエステルフィルム或いは紙、金属フィルムの円筒状基体等に蒸着したものが挙げられるが、低価格、加工し易さ、強度及び重量等の観点から、アルミニウムが最も一般的である。アルミニウムは反応性が高く柔らかいという性質を有しており、アルミニウムの純度が高くなるとこの傾向が著しいが、加工し易さ及び感光層との接着性の観点から純度の高いアルミニウムが導電性基体の材料として広く用いられている。
【0008】
このような高純度のアルミニウムから成る導電性基体の表面を洗浄する場合は、基体材料であるアルミニウムの反応性と柔らかさを考慮して、有機溶媒による洗浄が行われるのが通常である。
【0009】
しかしながら、1,1,1−トリクロルエタン等は、洗浄能力が高い、取り扱いが容易等長所があるものの、地球温暖化、オゾン層の破壊等を引き起こす物質の一つであると推考され、フロンと共に全世界でその削減が決定されており、1,1,1−トリクロルエタンの代替洗浄液の提供又は代替洗浄法の開発が切望されている。
【0010】
近年、上記有機溶媒を使う場合の問題点を解消するため、感光体基体を超音波の作用下、純水、ノニオン系又はアニオン系界面活性剤溶液等で浸漬洗浄する方法が開発されている(例えば特開平5−61215号)。しかし、これによる洗浄能力は十分ではなく、洗浄不良と思われる感光層塗布時のハジキ、シミ等を完全に防止することは出来なかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かぶり、黒ポチ又は白ポチ等の感光体性能故障の無い、無公害で取り扱いが簡単な電子写真感光体基体の洗浄方法とそれを用いた感光体の製造方法及び感光体を提供する為になされた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記構成の何れかによって達成される。
【0013】
(1) 電子写真感光体基体上に感光層を形成して電子写真感光体を製造するに際し、基体表面に該感光層を形成する前に、基体表面をノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤の存在下に、pH値が9.5〜13.0の洗剤液で処理することを特徴とする電子写真感光体基体の洗浄方法。
【0014】
(2) 洗剤液中に無機ビルダー又は有機ビルダーを含有する水溶液であることを特徴とする(1)記載の感光体基体の洗浄方法。
【0015】
(3) 感光体基体の切削工程、洗浄工程、水洗工程、乾燥工程の後、感光層塗布乾燥工程を経て作製する感光体の製造方法において、洗浄工程に使用される洗剤液がノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤を含有し、pH値が9.5〜13.0の洗剤液であることを特徴とする電子写真感光体の作製方法。
【0016】
(4) 感光体基体の切削工程、洗浄工程、水洗工程、乾燥工程の後、感光層塗布乾燥工程を経て作製された感光体において、洗浄工程に使用される洗剤液がノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤を含有し、pH値が9.5〜13.0の洗剤液であることを特徴とする電子写真感光体。
【0017】
本発明は電子写真感光体作製の為の各工程、つまり(1)基体の切削工程、(2)洗浄剤による洗浄工程(含、水による洗浄工程と乾燥工程)の後、(3)感光層を塗布する工程の中、主に(2)の工程に関するものである。
【0018】
本発明における感光体基体の材質は特に限定されるものではなく、各種のものに適用可能であるが、現在主にはアルミニウムが用いられている。また、その表面切削、研磨方法も各種のものがあるが、特に限定される事なく本発明の適用が可能である。
【0019】
また、感光層の組成、層構成、塗布方法についても特に限定されず、各種のものが適用可能であるが、主には有機感光物質を用い、電荷輸送機能と電荷発生機能を別の化合物に分担させ、別の層に含有させた、いわゆる機能分離型有機感光層を持つ感光体に最も適している。
【0020】
本発明の感光体基体洗浄の実施態様を説明すれば、下記のごとくである。
【0021】
所定の直径に造られ、一定サイズに切断された切削等で表面加工済みのアルミニウム製感光体基体を洗浄する。洗浄槽は通常3〜10槽程度に別れており、その概要は図1のごとくである。
【0022】
より具体的な説明を、例えば図1の(b)で説明すれば、第1槽1−1は通常0.1〜30%程度の洗剤溶液(洗剤液ともいう)を用い、洗剤溶液の温度は通常10〜60℃であり、槽内には超音波洗浄装置を装備している。第2槽1−2もほぼ同じ構成を有し、感光体基体面に切削時に付いた金属粉や油等の汚れは、第1槽にてかなり洗浄して落とされ、第2槽にて完全に洗浄される。両槽共、処理時間は通常1〜30分で超音波を均一に照射する。又、槽中で基体を回転し及び/又は上下に揺動しても良い。尚、図1において1−1、1−2・・・・は洗剤溶液槽を表し、2−1、2−2・・・・は水洗槽を表す。
【0023】
洗剤溶液成分としては、下記のものが含有される。
【0024】
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類等であり、例えばRO(C24O)nH等のアルキルポリオキシエチレンエーテル型、RO(C24O)m(C36O)nHの構造を有するポリオキシアルキレンブロックコポリマー型(プルロニック型、Rは炭素数4〜25の飽和、不飽和のアルキル基)が代表的なものである。これらのノニオン界面活性剤のHLBは5〜15であり、HLB7〜14が特に好ましい。
【0025】
アニオン界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類等であり、代表的なものとして、例えば炭素数8〜22の飽和、不飽和のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムがある。
【0026】
両性界面活性剤としては、イミダゾリン誘導体型、ベタイン高級アルキルアミノカルボン酸型等があり、「化1」に示すごとき、(A)、(B)のN−アルキルジメチルベタインのごとき、アルキルカルボキシベタイン型(Rは炭素数8〜22の飽和、不飽和アルキル基)、(C)のN−アルキルアミノプロピオン酸塩のごときアルキルアミノカルボン酸型(Rは(1)と同一)、アルキルイミダゾリン型等がある。
【0027】
【化1】
Figure 0003722162
【0028】
又、無機ビルダーとしては、オルトケイ酸ソーダやメタケイ酸ソーダのケイ酸塩等があり、有機ビルダーとしては、D−グルコン酸モノナトリウム塩(C611NaO7)やエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のアルカリ金属塩等がある。
【0029】
さらに、多くの場合加えられているものとしてニトリロトリ酢酸トリナトリウム塩(NTA−Na塩 N(CHCOONa)3)等のキレート剤がある。
【0030】
その他の添加剤として、液安定性向上、洗浄性向上の為グルコン酸ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム塩、p−エチルベンゼンスルホン酸ソーダ、或いはキシレンスルホン酸ソーダ塩等を加えても良い。
【0031】
第1、2槽1−1、1−2共、当初のpH値は通常12〜12.5であり、13.0以下の値をとるし、これ以上ではアルミニウム基体の溶解を伴い、洗浄性能を発揮させる上からはこれ以上とする必要も無い。洗浄が進むに従いコントロールしなければpH値は低下傾向を示すが、9.5未満にまで低下すれば液の活性度も低下することになる。従って、9.5以上にする必要があり、適当なアルカリ剤あるいは弱酸と強アルカリの塩類を添加すると良い。
【0032】
図1の(b)において第3〜5槽2−1、2−2、2−3は、主に第1、2槽にて用いた洗剤等を洗い落とす工程であり、第5槽2−3に純水を注入し、これによりオーバーフローした第5槽液を第4槽4へ注入し、さらに第4槽をオーバーフローした液を第3槽に注入し、第3槽のオーバーフロー液は破棄する構成を採っている。
【0033】
ここにおいて用いる純水は抵抗値0.01〜18×106Ω・cmの純水であり、第5槽に注入される純水は当然抵抗値が高く、15×106Ω・cm程度のものが用いられる。
【0034】
第3〜5槽の温度は、第3、4槽が25〜30℃、又、第3、4槽には、超音波発振器5が設置されている。第5槽は超音波発振器は設置しなくても良い。その代わり温度はかなり高い40〜60℃程度とするのが良い。処理時間は通常1〜30分で基体を回転させながら上下に揺動させるとよい。なお、洗浄のための超音波発振器は周波数25〜60kHz程度で用いられる。
【0035】
これらの第1〜5槽間を感光体基体を搬送しては、浸漬するための機構としては、3本爪による無段取替チャックと3本爪による自動段取替パレットにより、又、第2槽においては液中固定ブラシ4によるスクラブ洗浄を行っても良い。さらに第5槽には、洗浄装置より最終的に基体を取り出す時、付着している槽液を出来るだけ落とすため、エアーナイフ12が設置されているのがよい。第5槽を出た基体は、乾燥炉10にて80〜150℃程度のクリーンエアーにより3〜60分間乾燥され、洗浄工程を終える。これらの構成は図1の他の構成(a)、(c)〜(f)においてもほぼ同様である。
【0036】
このようにして洗浄された感光体基体を用いた感光体は、かぶり、黒ポチ、白ポチ等が出ず、又洗浄廃液は無公害性が高いことがわかった。
【0037】
ここにおいて各槽にはそれぞれ循環経路とポンプが付設されており、その経路中にはフィルターを備え、液中の不溶解物を取り除くシステムにするのが望ましい。
【0038】
洗浄処理された導電性基体表面に公知の方法で感光層を形成する。例えば浸漬塗布法、リング方式塗布法、スプレー塗布法又は円形量規制型塗布法によって、洗浄処理された導電性基体表面に電荷発生層を形成し、次いで、電荷発生層の上に浸漬塗布法又はスプレー塗布法によって電荷輸送層を形成する。
【0039】
感光体層の接着性改良、塗布性改良、基体上の欠陥の被覆及び基体から電荷発生層への電荷注入性改良等のために下引き層が設けられることが有る。下引き層の材料としては、ポリアミド、共重合ナイロン、カゼイン、ポリビニルアルコール、セルロース、ゼラチン等の樹脂が知られている。これらを各種有機溶媒に溶解し、膜厚が0.01〜5μm程度になるように導電性円筒状基体上に塗布される。
【0040】
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生材料を主成分とし、必要に応じて公知の結合剤、可塑剤、増感剤を含有し、膜厚が1.0μm以下(乾燥膜厚)となるように導電性円筒状基体又は下引き層の上に塗布される。
【0041】
電荷発生材料としては、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、フタロシアニン顔料、金属フタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素及びカルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格又はジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料等が挙げられる。
【0042】
電荷輸送層は、電荷発生材料が発生した電荷を受け入れこれを輸送する能力を有する電荷輸送材料及び結着剤を必須成分とし、必要に応じて公知のレベリング剤、可塑剤、増感剤等を含有し、乾燥膜厚5〜70μmとなるように電荷発生層の上に塗布される。
【0043】
電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキソジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体等の電子供与性物質、或いはフルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノン等の電子受容性物質等が挙げられる。
【0044】
電荷輸送層を構成する結着剤としては、電荷輸送材料と相溶性を有するものであれば良く、例えばポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ホリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
【0045】
本発明の方法で製造された電子写真感光体はハジキ、シミ等による画像への黒ポチ、白ポチの発生が殆どなく、良品率が高い。更に、洗浄工程において、有機溶媒を使用しないので、有機溶媒の使用による大気汚染、人体への影響、高い引火性及び発火性による爆発の危険等がない。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を挙げてさらに説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0047】
実施例1
切削加工した円筒状基体を洗浄処理した。洗浄は図1(a)の洗浄工程で行い、第1槽の洗浄液としての洗剤液実−1を用い第2〜4槽の洗浄液として純水を用いた。第1槽の洗浄液温度は40〜45℃、第2〜4槽の洗浄液温度はそれぞれ25〜30℃であった。各槽への浸漬時間はそれぞれ2分間であった。洗浄後、基体を100℃で10分間乾燥した後放冷し感光槽を形成した。
【0048】
実施例2
切削加工した円筒状基体を洗浄処理した。洗浄は図1(b)の工程で行い、第1、2槽の洗浄液として洗剤液実−2を用い第3〜5槽の洗浄液として純水を用いた。第1、2槽の洗浄液温度は25〜30℃、第3、4槽の洗浄液温度はそれぞれ25〜30℃また、第5槽の洗浄液温度は40〜50℃であった。各槽への浸漬時間はそれぞれ2分間であった。洗浄後、基体を100℃で7分間乾燥した後放冷し感光層を形成した。
【0049】
実施例3
切削加工した円筒状基体を洗浄処理した。洗浄は図1(c)の洗浄工程で行い、第1槽の洗浄液として洗剤液実−3を用い第2〜5槽の洗浄液として純水を用いた。第1槽の洗浄液温度は25〜30℃、第2〜4槽の洗浄液温度はそれぞれ25〜30℃また、第5槽の洗浄液温度は40℃〜35℃であった。各槽への浸漬時間はそれぞれ3分間であった。洗浄後、基体を100℃で15分間乾燥した後冷却し感光層を形成した。
【0050】
実施例4
切削加工した円筒状基体を洗浄処理した。洗浄は図1(d)の洗浄工程で行い、第1、2槽の洗浄液として洗剤液実−4を用い第3〜7槽の洗浄液として純水を用いた。第1、2槽の洗剤液温度は35〜45℃、第3〜7槽の洗浄液温度はそれぞれ25〜35℃であった。各槽への浸漬時間はそれぞれ1分間であった。洗浄後、基体と100℃で15分間乾燥した後放冷し感光層を形成した。
【0051】
実施例5
切削加工した円筒状基体を洗浄処理した。洗浄は図1(c)の洗浄工程で行い、第1槽の洗浄液として洗剤液実−5を用い第2〜5槽の洗浄液として純水を用いた。第1槽の洗浄液温度は35〜45℃、第2〜4層の洗浄液温度はそれぞれ25〜30℃また、第5槽の洗浄液温度は40〜50℃であった。各槽への浸漬時間はそれぞれ3分間であった。洗浄後、基体を100℃で10分間乾燥した後放冷し感光槽を形成した。
【0052】
尚、洗剤液実−1、実−2、実−3、実−4、実−5とは洗剤液実施例1〜5の略である。又、下記洗剤液比−1〜3とは洗剤液比較例1〜3を表す。
【0053】
比較例1
切削加工した円筒状基体を洗浄処理した。洗浄は図1(a)の洗浄工程で行い、第1槽の洗浄液として洗剤液比−1を用い第2〜4槽の洗浄液として純水を用いた。第1槽の洗浄液温度は40〜45℃、第2〜4槽の洗浄液温度はそれぞれ25〜30℃であった。各槽への浸漬時間はそれぞれ2分間であった。洗浄後、基体を100℃で10分間乾燥した後放冷し感光層を形成した。
【0054】
比較例2
切削加工した円筒状基体を洗浄処理した。洗浄は図1(c)の洗浄工程で行い、第1槽の洗浄液として洗剤液比−2を用い第2〜5槽の洗浄液として純水を用いた。第1槽の洗浄液温度は30〜35℃、第2〜5槽の洗浄液温度はそれぞれ25〜30℃であった。各槽への浸漬時間はそれぞれ2分間であった。洗浄後、基体を100℃で10分間乾燥した後放冷し感光層を形成した。
【0055】
比較例3
洗浄は図1(d)の洗浄工程において、洗剤液比−3を用いた以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。上記の各洗剤液組成とpHを纏めて表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0003722162
【0057】
なお、感光層塗布に当たっては、まず下引層を感光体基体上に塗布し、さらに電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した。各層液の構成は下記のごとくである。
【0058】
〔下引層〕
エチレン−酢酸ビニル−メタアクリル酸共重合体
(ELVAX4260 三井デュポンケミカル社製) 50g
トルエン 1770ml
メチルエチルケトン 180ml
からなる液を用い、感光体基体上に乾燥膜厚0.4μmになるように設けた。
【0059】
〔電荷発生層〕
τ型無金属フタロシアニン顔料 50g
シリコ−ン樹脂(KR−5240 信越化学社製) 50g
メチルエチルケトン 2400ml
上記組成物液をサンドミルを用いて2時間分散した。この液を用いて前記下引層上に浸漬塗布し、0.5μmの膜厚の電荷発生層を形成した。
【0060】
〔電荷輸送層〕
スチリル系化合物(EL−26 下記化2の構造) 1400g
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製) 2300g
シリコーンオイル(KF−54 信越化学社製) 0.5g
IRGANOX1010(チバガイギー社製) 70g
からなる混合物を1,2−ジクロロエタン10000mlに溶解した塗布液を用いて、前記電荷発生層上に浸漬塗布して後、90℃で60分乾燥し、平均膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0061】
【化2】
Figure 0003722162
【0062】
性能評価
A 実写画像テスト
Konica9028(コニカ社製、半導体レーザー光源使用、有機光導電体使用感光体、反転現像法採用機)に本発明による感光体ドラムを装着し、5000コピー実写後の画像を、黒ポチ、ハーフトーンムラの有無という観点から肉眼にて観察した。
【0063】
◎:黒ポチ、ハーフトーンムラ共ほとんど認められず、全く問題なし
○:やや認められるが、実用上は問題なし
△:実用上問題ある
×:明らかに実用上問題ある。
【0064】
B 電位安定性
Konica9028の現像器の代わりに電位計を設置し、低温低湿(10℃20%RH)環境下においての感光体帯電電位を測定した。
【0065】
初期と5000コピー後の未露光部帯電電位(VH)の差を下記のごとくして求めた。
【0066】
電位安定性(%)
={(初期VH)ー(5000コピー後VH)}/(初期VH)×100
◎:7%未満で全く問題なし
○:7%以上10%未満で実用上は問題なし
△:10%以上15%未満で実用上問題ある
×:15%以上で明らかに実用上問題ある。
【0067】
結果は下記表2に記載した。
【0068】
【表2】
Figure 0003722162
【0069】
表2から明らかなごとく、本発明内の実施例1〜5は実写画像テスト、電位安定性共良好な特性を示すが、比較例1〜3は実用に適さないことがわかる。
【0070】
【発明の効果】
本発明により、かぶり、黒ポチ又は白ポチ等の感光体性能故障の無い、無公害で取り扱いが簡単な電子写真感光体基体の洗浄方法とそれを用いた感光体の製造方法及び感光体を提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄装置の概念図。
【符号の説明】
1−1 第1槽
1−2 第2槽
2−1 第3槽
2−2 第4槽
2−3 第5槽
6 感光体基体
10 乾燥炉

Claims (4)

  1. 電子写真感光体基体上に感光層を形成して電子写真感光体を製造するに際し、基体表面に該感光層を形成する前に、基体表面をノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤の存在下に、pH値が9.5〜13.0の洗剤液で処理することを特徴とする電子写真感光体基体の洗浄方法。
  2. 洗剤液中に無機ビルダー又は有機ビルダーを含有する水溶液であることを特徴とする請求項1記載の感光体基体の洗浄方法。
  3. 感光体基体の切削工程、洗浄工程、水洗工程、乾燥工程の後、感光層塗布乾燥工程を経て作製する感光体の製造方法において、洗浄工程に使用される洗剤液がノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤を含有し、pH値が9.5〜13.0の洗剤液であることを特徴とする電子写真感光体の作製方法。
  4. 感光体基体の切削工程、洗浄工程、水洗工程、乾燥工程の後、感光層塗布乾燥工程を経て作製された感光体において、洗浄工程に使用される洗剤液がノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤を含有し、pH値が9.5〜13.0の洗剤液であることを特徴とする電子写真感光体。
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