JPH06102676A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH06102676A
JPH06102676A JP24972092A JP24972092A JPH06102676A JP H06102676 A JPH06102676 A JP H06102676A JP 24972092 A JP24972092 A JP 24972092A JP 24972092 A JP24972092 A JP 24972092A JP H06102676 A JPH06102676 A JP H06102676A
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water
conductive substrate
rinsing
cleaning
surfactant
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JP24972092A
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English (en)
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Hiroshi Matsumoto
浩史 松本
Makoto Kurokawa
誠 黒川
Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
Yoshihide Shimoda
嘉英 下田
Tomoko Otsuki
朋子 大槻
Rikiya Matsuo
力也 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子写真感光体の洗浄工程を水洗浄にした場
合でも切削油のミストの残存を抑え、感光層のハジキ、
シミ等の塗布欠陥のない電子写真感光体をえる。 【構成】 アルミニウムからなる導電性基体1上に感光
層が形成されてなる電子写真感光体の製造方法におい
て、該導電性基体1上に感光層を形成する前に、導電性
基体1を界面活性剤含有水(洗浄槽11)に浸漬し、続
いてこの導電性基体1を濯ぎ用水(第1、第2及び第3
の濯ぎ槽21,31,41)に浸漬して濯ぐ。ここで前
記界面活性剤含有水及び濯ぎ用水に用いられる水が脱酸
素処理が施された水であり、前記界面活性剤含有水及び
濯ぎ用水には常時酸素より溶解度の高い不活性ガス、特
にヘリウムガスが注入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、プリンタ等に用
いられる電子写真感光体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真感光体は、導電性基体上
に感光層を形成したものである。この導電性基体は円筒
状のアルミニウム表面を切削して鏡面加工又はインパク
ト成形することにより整形される。切削時又はインパク
ト成形時には一般に灯油ナフサ等の鉱物油が使用され
る。これは切削時又はインパクト成形時に発生する熱の
冷却、潤滑工具の摩耗の防止、切削又はインパクト成形
した導電性基体面の面精度の向上のためである。鏡面加
工又はインパクト成形中に導電性基体表面には、切削油
のミスト、空気中のダスト、切粉等が付着する。従って
導電性基体表面を洗浄処理してこれらを除去した後に、
縮合多環顔料、アゾ顔料等の電荷発生層、樹脂の結着
剤、酸化防止剤等の添加剤などからなる電荷輸送層を順
次塗布、積層し、乾燥して感光層を形成する。
【0003】電荷発生層及び電荷輸送層は、上述した電
荷発生層及び電荷輸送層を構成する物質をそれぞれ含有
する塗工液に導電性基体を公知の方法で浸漬することに
よって該導電性基体の表面に形成される。ここで行う浸
漬塗布方法としては、特に制限はなく公知の方法が使用
できるが、例えば特開昭49−130736,特開昭5
7−5047及び特開昭59−46171号公報に開示
される方法が挙げられる。
【0004】浸漬塗布方法において、導電性基体表面の
洗浄が不十分であると、その表面に油、ダスト等が残
り、塗布の際にハジキ、シミ等の塗布欠陥の原因とな
る。このような電子写真感光体上に発生した欠陥は、こ
の電子写真感光体を用いた複写機の複写画像に黒ぽち、
白ぽちハーフトーン画像のむら等となって現れ、画像品
質に悪影響を及ぼす。
【0005】導電性基体表面の洗浄方法としては、通常
必要に応じて加熱された有機溶媒中に導電性基体を浸漬
処理及び/又は超音波の作用中下で浸漬処理する浸漬洗
浄、導電性基体を溶媒に浸漬中又は導電性基体に溶媒を
シャワーリングしながらブラシ、スポンジ等によって物
理的に擦する接触洗浄、溶媒をスリットより導電性基体
表面に噴出するジェット洗浄、溶媒蒸気中に導電性基体
を挿入する蒸気洗浄が挙げられ、これらの単独、又は組
み合わせによって導電性基体表面の洗浄を行っている。
【0006】ここで使用される溶媒としては、メチルク
ロライド、エチレンクロライド、1.1.1−トリクロ
ルエタン、トリクロルエチレン、パークロルエチレン、
等の塩素系溶剤、フロン−112、フロン−113等の
フッ素系溶剤、該フッ素溶剤とメタノール、メチレンク
ロライド等の混合溶剤、ベンゼン、トルエン、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、石油系炭化
水素等及びそれらの混合物が挙げられる。これらの溶剤
中には引火性、発火性を有するもの、人体に有害である
ので使用許容濃度が低いもの、洗浄能力がひくいものが
含まれており、最も一般的に使用されているものは1.
1.1−トリクロルエタンである。
【0007】電子写真感光体の導電性基体としては、ア
ルミニウム、銅、真ちゅう、ニッケル、ステンレス等の
金属の円筒状基体又は薄膜シート、又は、アルミニウ
ム、錫合金、酸化インジウム等をポリエステルフィルム
あるいは紙、金属フィルムの円筒状基体に蒸着したもの
が挙げられるが、低価格、加工の容易性、強度及び重量
等の観点からアルミニウムが最も一般的である。
【0008】しかしながら1.1.1−トリクロルエタ
ンは洗浄能力が高い、取り扱いが容易である等の長所が
あるものの、地球温暖化、オゾン層の破壊等を引き起こ
す物質の1つであるとかんがえられており、フロンとと
もに全世界でその削減が決定され、1.1.1−トリク
ロルエタンの代替洗浄剤、代替洗浄方法の開発が切望さ
れている。
【0009】近年、これらの代替洗浄方法として導電性
基体表面を市水、純水、イオン交換水又は、ノニオン系
界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤含有水中で
洗浄する水洗浄が検討されている。
【0010】これは導電性基体表面に付着した油及びダ
ストを超音波の作用下にてミセル化した界面活性剤含有
水に浸漬することにより洗浄を行い、その後、水浴に浸
漬することにより表面に付着している界面活性剤を濯ぐ
方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらアルミニ
ウムからなる導電性基体を水洗浄すると水と反応して導
電性基体表面に腐食が生じる。このメカニズムは次式の
反応によると考えられている。
【0012】Al→Al3++3e- 1/2O2+H2O+2e-→2OH- 3Al3++mOH-→Al(OH)3+Al23・nH2
O 上式より明らかなように水中に酸素が多く存在するとア
ルミニウムが水酸化物や酸化物となる腐食が促進され
る。そこでこの腐食を防止するために洗浄に脱酸素処理
を施した水を用いることが提案されている。
【0013】しかしながらこの脱酸素水は不安定であ
り、時間の経過と共に空気中の酸素がここに溶け込み、
安定した洗浄効果が得られないという問題が生じる。
【0014】また、界面活性剤含有水及び濯ぎ用水に不
活性ガスを注入して、これと溶解している酸素とを置換
して水中の溶存酸素濃度を低減させることも提案されて
いるが、酸素との置換効率が良くなく、十分な効果が得
られていない。
【0015】本発明は上記点に鑑み、電子写真感光体に
用いる導電性基体の洗浄方法として水洗浄を行った場合
でも、洗浄水及び濯ぎ用水への酸素の溶け込みを防止し
て安定した洗浄効果を得、導電性基体のシミ、感光層の
塗布ヌケ等の欠陥の発生を抑えて、複写画像欠陥を生じ
させない電子写真感光体の製造方法を提供するものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明はアルミニウムか
らなる導電性基体上に感光層が形成されてなる電子写真
感光体の製造方法において、該円筒状導電性基体上に感
光層を形成する前に、導電性基体を界面活性剤含有水に
浸漬する工程と、前記界面活性剤含有水に浸漬した導電
性基体を濯ぎ用水に浸漬して濯ぐ工程とを包含し、前記
界面活性剤含有水及び濯ぎ用水に用いられる水が脱酸素
処理が施された水であり、前記界面活性剤含有水及び濯
ぎ用水には常時酸素より水への溶解度の高い不活性ガス
が注入されていることを特徴とするものである。
【0017】特に前記不活性ガスにはヘリウムガスが適
当である。
【0018】
【作用】図3に脱酸素処理を施した水中の溶存酸素濃度
の経時変化を示す。ここでAは不活性ガスを注入してい
ない場合、Bはヘリウムガスを注入した場合である。図
2より明らかなように不活性ガスであるヘリウムを注入
することによって溶存酸素濃度の増加が抑えられてい
る。
【0019】酸素より溶解度の高い不活性ガスはこれ自
身が水に溶解することによって空気中の酸素が水に溶解
することを防止している。また、溶解している酸素に関
しては前述のごとく、酸素とヘリウムが置き換わって酸
素を水中から追い出す働きもしている。
【0020】このように脱酸素処理を施した水は前記不
活性ガスの2つの働きによって初期の低い溶存酸素濃度
を長期に渡って保持することができる。
【0021】また、もともとの水の溶存酸素濃度が低い
ので、不活性ガスの後者の働きである酸素との置換の効
率が良くなくても、少量で効果を発揮することができ
る。
【0022】尚、不活性ガスとしては水への溶解度が高
いという点でヘリウムが適している。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】(実施例1)図1は本実施例に用いる洗浄
装置の概略図である。従来道りの方法で切削加工又はイ
ンパクト成形された導電性基体1はレール3に配置され
たロボットバンド2に支持されている。
【0025】洗浄槽11は界面活性剤が溶解した脱酸素
処理された純水の洗浄液18で満たされており、該洗浄
液18はヒーター16により40〜60℃、ここでは5
0℃に加熱されており、かつ洗浄槽11底部には超音波
発振器17が備え付けられ、基体浸漬時に超音波が発振
するようになっている。洗浄槽11はパイプ12から洗
浄液がタンク(図示せず)より定常的に送り込まれてい
る。洗浄により導電性基体1表面から除去された油、ダ
スト、切粉が分散している洗浄液は配管19からポンプ
14によりフィルター15を経て循環し、ダスト、切粉
はフィルター15に補足される。導電性基体1の浸漬に
よりオーバーフローする液は配管13から排出される。
排出された洗浄液は排液処理装置(図示せず)により処
理される。
【0026】第1の濯ぎ槽21,第2の濯ぎ槽31及び
第3の濯ぎ槽41はそれぞれ濯ぎ用水25,35,45
として25℃の脱酸素処理された純水で満たされてい
る。各濯ぎ槽の濯ぎ液は、それぞれ配管26,36,4
6からポンプ22,32,42によりフィルター23,
33,43を経て循環し、該フィルターによってダス
ト、切粉は補足される。濯ぎ液はタンク60より濯ぎ槽
41に供給され、第3の濯ぎ槽41からオーバーフロー
により第2の濯ぎ槽31に濯ぎ液が供給され、第2の濯
ぎ槽31からオーバーフローにより、第1の濯ぎ槽21
に濯ぎ液が供給され、かつ第1の濯ぎ槽21からオーバ
ーフローする液は配管27から排出され、排液処理装置
で処理される。
【0027】洗浄槽11及び濯ぎ槽21,31,41の
各槽には不活性ガスが注入されている。図2に洗浄槽1
1でのこのようすを示す。不活性ガスは不活性ガスボン
ベ70より圧力栓71にて保たれている圧力にて洗浄槽
11の上部から配管72,焼結フィルターを通して洗浄
液18に注入される。この配管72は不活性ガスボンベ
70より同様に各濯ぎ槽にも設けられている。不活性ガ
スの流量は既に脱酸素処理された水を用いているので、
10ml/分程度の少量で十分である。
【0028】ここで脱酸素処理とは水を攪拌しながら吸
引することによって行われ、溶存酸素濃度を0.5pp
m以下したものである。
【0029】不活性ガスとしては酸素より水への溶解度
の高いものであればよく、Ar,Ne,N2等を用いる
ことができる。ここでは特に溶解度の高いという点でH
eを用いた。
【0030】洗浄槽11の洗浄液18のPHは6.0〜
9.0、好ましくは6.5〜8.0である。これは円筒
状導電性基体1がアルミニウムの場合には、該洗浄液の
PHを6.0〜9.0に制御すると、アルミニウム基体
表面を腐食する水酸化物、酸化物、水和物の生成が抑制
され、該反応生成物によるぬれ性等の物理的特性の変化
が生じることがないので、塗布の際のハジキ、シミ、塗
布ヌケ等の塗布欠陥の発生を抑えることができるからで
ある。
【0031】洗浄液18に使用する界面活性剤は、アル
ミニウムからなる導電性基体を腐食することのないノニ
オン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤が使
用でき、具体的にはポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレ
ン、ブロックコポリマー型及びノニルフェノールポリオ
キシエチルエーテルのノニオン系界面活性剤及びアルキ
ルベンゼン、高級アルコール、α−オレフィンなどの硫
酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩又はリン酸塩のアニオン系界面
活性剤があげられる。なかでもPHが6.0〜9.0の
洗浄液を形成する界面活性剤としては、ヘンケル白水
(株)製のT−180,ライオン(株)製のFM−10
及びライオミックスL,ライオミックス−H、ケミック
ス(株)製のCA01及び花王(株)製のクリンスルー
750Lが挙げられる。
【0032】この洗浄液18の界面活性剤の濃度は0.
5〜30%、好ましくは4〜15%である。本実施例で
は田中インポートグループ(株)社製のポーラクリン6
90の5%純水水溶液を用いた。
【0033】また、洗浄助剤(ビルダー)として、炭酸
ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機
ビルダー、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ース、有機アミン等の有機ビルダーを洗浄液18に添加
してもよい。
【0034】洗浄槽11では導電性基体1を0.5〜1
0分、好ましくは1.5分〜5分間浸漬洗浄する。ここ
ではそれぞれ2分間づつ浸漬した。
【0035】第1及び第2及び第3の濯ぎ槽21及び3
1及び41では導電性基体1をそれぞれ0.5〜10
分、好ましくは1.5分〜5分間浸漬する。ここではそ
れぞれ2分間行った。
【0036】洗浄された円筒状導電性基体1はクリーン
度100に保たれたクリーンブース60内で80℃のク
リーンエアーを吹き付けて乾燥させる。
【0037】この円筒状導電性基体1表面に公知の方法
で感光層を形成する。例えば、浸漬塗布方法、リンク方
式塗布法又は、スプレー塗布法によって、洗浄処理され
た導電性基体1表面に電荷発生層を形成し、次いで、電
荷発生層の上に浸漬塗布法又は、スプレー塗布法によっ
て電荷輸送層を形成する。
【0038】電荷発生層は光照射により電荷を発生する
電荷発生材料を主成分とし、必要に応じて公知の結合
剤、可塑剤、増感剤を含有し、膜厚が1.0μm以下と
なるように導電性基体1上に塗布する。電荷発生材料と
しては、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、フタロシ
アニン系顔料、金属フタロシアニン系顔料、スクエアリ
ウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、及
びカルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフ
ェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格オキサジア
ゾール骨格、フルオロノン骨格、ビススチルベン骨格ジ
スチルオキサジアゾール骨格又はジスチルカルバゾール
骨格を有するアゾ顔料等が挙げられる。
【0039】ここでは下記A液を膜厚0.5μmになる
ように浸漬塗布し、75℃で1時間乾燥して電荷発生層
とした。
【0040】電荷輸送層は、電荷発生材料が発生した電
荷を受けてこれを輸送する能力を有する電荷輸送材料及
び結着剤を必須成分とし、必要に応じて公知のレベリン
グ剤、可塑剤、増感剤等を含有し、乾燥膜厚5〜70μ
mとなるように電荷発生層上に塗布する。
【0041】電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナトレンオキサゾール誘導体、オキソジア
ゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−
ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアント
ラセン、スチルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、ヒ
ドラゾン誘導体等の電子供与物質、或いはフルオレノン
誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェ
ン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリ
ジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ(c)シン
ノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシ
アノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニ
ル、クロラニル、ベンゾキノン等の電子受容性物質が挙
げられる。電荷輸送層を構成する結着剤としては電荷輸
送材料と相容性を有するものであればよく、例えばポリ
カーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルア
ミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。
【0042】ここでは下記B液を膜厚20μmになるよ
うに浸漬塗布し75℃で1時間乾燥して電荷輸送層とし
た。
【0043】A液 ジブロムアンスアンスロン2重量部、ブチラール樹脂
(積水化学株式会社製エスレックBM−2)2重量部、
シクロヘキサノン230重量部をボールミルにて8時間
分散処理して得られた溶液。
【0044】B液 ヒドラゾン系電荷輸送材(日本化薬株式会社製 ABP
H)1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化学株式会
社製 パンライトL−1250)1重量部をジクロルエ
タン8重量部で溶解して得られた溶液。
【0045】尚、感光層の接着性改良、塗布性改良、導
電性基体1の欠陥の被覆及び導電性基体1から電荷発生
層への電荷注入性改良等のために下引き層を設けても良
い。下引き層の材料としては、ポリアミド、共重合ナイ
ロン、カゼイン、ポリビニルアルコール、セルロース、
ゼラチン等の樹脂が知られている。これらを各種有機溶
媒に溶解し、膜厚0.1〜5.0μm程度になるように
塗布する。
【0046】このようにして形成した電子写真感光体3
0本を複写機(シャープ株式会社製SF−8100)に
搭載してコピーをとり、画像評価を行った。結果を表1
に示す。ここで評価は30本の感光体について0.5m
m以上の大きさの画像上での黒ぽち、白ぽちの個数及び
ハーフトーン画像でのむらの発生の有無によって行っ
た。
【0047】(比較例1)実施例1において図1に示す
洗浄装置を用いて水洗浄する代わりに、洗浄剤に60℃
の1.1.1−トリクロルエタンを用いた超音波,温浴
洗浄処理を30秒間おこなったあと、1.1.1−トリ
クロルエタンによる蒸気洗浄を30秒間行い、クリーン
度100のクリーンブースで20分間放冷した。
【0048】他は実施例1と同様にして電子写真感光体
を作成し、得られた電子写真感光体30本を複写機(シ
ャープ株式会社製 SF−8100)に搭載してコピー
をとり、画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】(比較例2)実施例1において、洗浄槽1
1及び各濯ぎ槽21,31,41にHeガスを注入せず
に、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成
し、得られた電子写真感光体30本を複写機(シャープ
株式会社製 SF−8100)に搭載してコピーをと
り、画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0050】(比較例3)実施例1において、洗浄液1
8及び濯ぎ用水25,35,45に使用した水の脱酸素
処理を行わず、且つ洗浄槽11及び各濯ぎ槽21,3
1,41にHeガスを注入せずに、その他は実施例1と
同様にして電子写真感光体を作成し、得られた電子写真
感光体30本を複写機(シャープ株式会社製 SF−8
100)に搭載してコピーをとり、画像評価を行った。
結果を表1に示す。
【0051】(比較例4)実施例1において、洗浄液1
8及び濯ぎ用水25,35,45に使用した水の脱酸素
処理を行わず、且つ洗浄槽11及び各濯ぎ槽21,3
1,41に注入するHeガスを実施例1より大きい圧力
である0.5kgF/m3に変更し、その他は実施例1
と同様にして電子写真感光体を作成し、得られた電子写
真感光体30本を複写機(シャープ株式会社製 SF−
8100)に搭載してコピーをとり、画像評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】実施例1及び比較例1から4より明らかな
ように、アルミニウムからなる導電性基体の洗浄に脱酸
素処理を施した水を用い、且つここに不活性ガスを常時
注入することによって長期に渡って使用する水の酸素溶
存濃度を低く抑えることができるので、導電性基体の腐
食を防止することができる。従って電子写真感光体とし
た場合の良品率を上げることができる。
【0054】また、不活性ガス使用量も従来に比べて非
常に少ない量で前記効果を奏することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば電子写真感光体の洗浄工
程で、長期に渡って使用する水の酸素溶存濃度を低く抑
えることができるので、アルミニウムからなる導電性基
体の腐食を防止することができる。作成された電子写真
感光体の感光層のハジキ、シミ等の塗布欠陥による複写
画像への白ぽち、黒ぽちの発生が抑えられ、良品率が向
上する。
【0056】また、洗浄工程で使用する不活性ガス使用
量も従来に比べて非常に少ない量で前記効果を奏するこ
とができるので製造コストを低下させることができる。
【0057】更に、洗浄工程において有機溶媒を使用し
ないので、大気汚染、人体への影響、引火、発火による
爆発の危険性も解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いられる洗浄装置の概略
図である。
【図2】本発明の一実施例に用いられる洗浄装置の要部
概略図である。
【図3】脱酸素処理された水の溶存酸素濃度の経時変化
を示す図である。
【符号の説明】 1 導電性基体 11 洗浄槽 21 第1の濯ぎ槽 31 第2の濯ぎ槽 41 第3の濯ぎ槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下田 嘉英 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 大槻 朋子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 松尾 力也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムからなる導電性基体上に感光
    層が形成されてなる電子写真感光体の製造方法におい
    て、該導電性基体上に感光層を形成する前に、 導電性基体を界面活性剤含有水に浸漬する工程と、 前記界面活性剤含有水に浸漬した導電性基体を濯ぎ用水
    に浸漬して濯ぐ工程とを包含し、 前記界面活性剤含有水及び濯ぎ用水に用いられる水が脱
    酸素処理が施された水であり、前記界面活性剤含有水及
    び濯ぎ用水には常時酸素より水への溶解度の高い不活性
    ガスが注入されていることを特徴とする電子写真感光体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記不活性ガスがヘリウムガスであること
    を特徴とする請求項1記載の電子写真感光体の製造方
    法。
JP24972092A 1992-09-18 1992-09-18 電子写真感光体の製造方法 Pending JPH06102676A (ja)

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