JPH0627686A - 電子写真感光体の基体の洗浄方法 - Google Patents

電子写真感光体の基体の洗浄方法

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JPH0627686A
JPH0627686A JP18001392A JP18001392A JPH0627686A JP H0627686 A JPH0627686 A JP H0627686A JP 18001392 A JP18001392 A JP 18001392A JP 18001392 A JP18001392 A JP 18001392A JP H0627686 A JPH0627686 A JP H0627686A
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substrate
cleaning
liquid
surfactant
tank
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JP18001392A
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Masayuki Sakamoto
雅遊亀 坂元
Kazuyuki Arai
和幸 新居
Hiroshi Matsumoto
浩史 松本
Mitsuhiro Shinobu
充弘 忍
Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】公害を発生することのない界面活性剤含有水を
用いた洗浄法において、乾燥ムラ、シミ等のない導電性
基体を生産性良く得る方法を提供すること。 【構成】電子写真感光体用導電性基体表面を界面活性剤
含有水中で浸漬洗浄後、最終の純水洗浄工程で、洗浄後
の基体表面張力が30〜40dyn/cmに保つよう
に洗浄処理をして該導電性基体表面に付着している界面
活性剤を洗い流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機やプリンタ等の
電子写真装置などに用いられる電子写真感光体の製造に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に電子写真感光体は、ドラム上導
電性基体上に感光層を形成したものである。このドラム
状導電性基体は円筒状のアルミニウムを鏡面加工又は板
状のアルミニウムをインパクト成形することにより作成
される。鏡面加工又はインパクト成形中に基体表面に
は、切削油のミスト、空気中のダスト、切粉等が付着す
るため、基体表面を洗浄処理して除去した後に、縮合多
環顔料、アゾ顔料等の電荷発生物質、樹脂の結着剤等か
ら成る電荷発生層及びヒドラゾン系又はアリールアミン
系電荷輸送物質、樹脂の結着剤、酸化防止剤等の添加剤
なとから成る電荷輸送層を順次塗布・積層し、乾燥して
感光層を形成する。
【0003】電荷発生層及び電荷輸送層は、上述した電
荷発生層及び電荷輸送層を構成する物質をそれぞれ含有
する塗工液にドラム状導電性基体を公知の方法で浸漬す
ることによって該基体の表面に形成される。ここでおこ
なう浸漬塗布方法としては、特に制限はなく公知の方法
が使用し得るが、例えば特開昭49-130736 、特開昭57-5
047 及び特開昭59-46171に開示される方法が挙げられ
る。
【0004】浸漬塗布方法において、導電性基体表面の
洗浄及び引上げ時の水切れが不十分であると、その表面
に油、ダスト等が残り、塗布の際にハジキ、シミ等の塗
布欠陥の原因となる。このような電子写真感光体上に発
生した欠陥は、コピー画像に黒ポチ、白ポチ、ハーフト
ン一画像のムラ等となって現われ、画像品質に悪影響を
及ぼし、かような電子写真感光体は実用に適さないもの
である。
【0005】基体表面の洗浄としては、通常有機溶媒
中、必要に応じて加温された有機溶媒中で及び/又は超
音波の作用下で基体を浸漬処理する浸漬洗浄;基体を溶
媒に浸漬中又は基体に溶媒をシャワーリングしながらブ
ラシ、スポンジ等により物理的に擦する接触洗浄;溶媒
を高圧下でスリットより基体表面に噴出するジェット洗
浄及び溶媒蒸気中に基体を挿入する蒸気洗浄が挙げら
れ、これらを単独又は組合せて基体表面の洗浄が行われ
ている。
【0006】ここで使用される溶媒としては、メチレン
クロライド、エチレンクロライド、1.1.1−トリク
ロルエタン、トリクロルエチレン、パークロルエチレン
等の塩素系溶剤、フロン−112、フロン−113等の
フッ素系溶剤、該フッ素系溶剤とメタノール、メチレン
クロライド等の混合溶剤、ベンゼン、トルエン、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、石油系炭
化水素等及びそれらの混合物が挙げられる。これらの溶
剤中には引火性、発火性を有するもの、人体に有害であ
るので使用許容濃度が低いもの、洗浄能力が低いものが
含まれており、最も一般的に使用されている溶剤は、
1.1.1−トリクロルエタンである。
【0007】しかしながら、1.1.1−トリクロルエ
タンは、洗浄能力は高い、取扱いが容易である等の長所
があるものの、地球温暖化、オゾン層の破壊等を引起す
物質の一つであると推認され、フロンとともに全世界で
その削減が決定されており、1.1.1−トリクロルエ
タンの代替洗浄液の提供又は代替洗浄法の開発が切望さ
れている。
【0008】近年、基体表面をノニオン系界面活性剤及
び/又はアニオン系界面活性剤含有水中で洗浄する所謂
「水洗浄」を行うことによって有機溶剤の使用による大
気汚染、人体の影響、高引火性及び高発火性による爆発
の危険、特に、1.1.1−トリクロルエタン、フロン
の使用による地球温暖化及びオゾン層の破壊等の問題を
解決し得ることが検討されている。
【0009】すなわち、基体表面に付着しているダスト
及び油等を超音波の作用下にて、界面活性剤含有水中で
浸漬洗浄を行い、表面に付着している界面活性剤を純水
で洗い流してしまう方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、常温の
純粋による浸漬洗浄処理後、引上げ乾燥を行うが、その
とき導電性基体表面の表面張力の値が高すぎると、基体
表面に水滴が残り、乾燥ムラ、シミ等が導電性基体表面
に生じたりする傾向があり、この基体を用いて製造した
電子写真感光体は、コピー画像に黒ポチ、白ポチ、ハー
フーンムラ等の画像ムラを生じることが度度ある。
【0011】また表面張力の値が高い基体表面に水滴が
残らないように引き上げるには、基体の引き上げスピー
ドを極端に遅くする必要があり、1本当たりの洗浄タク
トタイムが長くなり、生産性の悪化、コストアップ等を
生じる。
【0012】また、表面張力の値が低く過ぎると、感光
層形成時基体表面に塗液が付着せず、基体上の塗布ヌケ
となり、コピー画像上に黒ポチ、黒スジ、白ポチ等の画
像欠陥を生じ良品率を低下させる。
【0013】そこで本発明では、公害を発生することの
ない界面活性剤含有水を用いた洗浄法において、乾燥ム
ラ、シミ等のない導電性基体を生産性良く得る方法を提
供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では、電子写真感
光体用導電性基体表面を界面活性剤含有水中で浸漬洗浄
後、最終の純水洗浄工程で浸漬洗浄処理をして該導電性
基体表面に付着している界面活性剤を洗い流すに当た
り、洗浄後の基体表面張力が30〜40dyn/cm2
に保つように洗浄する。
【0015】
【作用】図を用いて本発明の作用を説明する。図1は本
発明の洗浄方法の工程を示す概略図である。切削加工又
はインパクト成形された基体1はレール3に配置された
ロボットハンド2に支持されている。第1の洗浄槽11は
界面活性剤が溶解した水、好ましくはイオン交換水又は
純水の洗浄液15で満たされており、該洗浄液はヒーター
10により35℃〜45℃に加熱されており、且つ洗浄槽11底
部には超音波発振器14が備付けられ基体浸漬時に超音波
が発振するようになっている。洗浄槽11にはパイプ17か
ら洗浄液がタンク(図示せず)より定常的に送り込まれ
ている。洗浄によって基体表面から除去された油、ダス
ト、切粉が分散している洗浄液は配管16からポンプ12に
よりフィルター13を経て循環し、ダスト、切粉等はフィ
ルター13に捕足される。基体の浸漬によりオーバーフロ
ーする液は配管18から排出される。排出された洗浄液は
排液処理装置(図示せず)により処理される。
【0016】第2のリンス槽21、第3のリンス槽31及び
第4のリンス槽41にはそれぞれリンス液25,35,45として
水、好ましくはイオン交換水又は純水が満されていて濯
ぎ処理がなされる。それぞれのリンス槽底部には超音波
発振器24,34,44が配備され、各リンス槽のリンス液は、
それぞれ配管26,36,46からポンプ22,32,42によりフィル
ター23,33,43を経て循環し、該フィルターによって、ダ
スト、切粉等が捕足される。リンス液はタンク60よりリ
ンス槽41に供給され、第4のリンス槽41からのオーバー
フローにより第3のリンス槽31にリンス液が供給され、
第3のリンス槽31からのオーバーフローにより、第2の
リンス槽21にリンス液が供給され、且つ第2のリンス槽
21からオーバーフローする液は配管27から排出され、排
液処理装置で処理される。図1の工程において界面活性
剤含有水の洗浄液で満された洗浄槽は少なくとも1槽あ
れば良い。
【0017】本発明で使用する界面活性剤としては、基
体を腐蝕することのないノニオン系界面活性剤及び/又
はアニオン系界面活性剤が使用し得、その具体例として
は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコ
ポリマー型及びノニルフェノールポリオキシエチンエー
テルのノニオン系界面活性剤、及びアルキルベンゼン、
高級アルコール、α−オレフィンなどの硫酸塩、ケイ酸
塩、炭酸塩又はリン酸塩などのアニオン系界面活性剤が
挙げられる。
【0018】本発明の洗浄液の界面活性剤の濃度は、
0.5〜30%、好ましくは 4〜15%である。 本発明にお
ける第1の洗浄槽における洗浄時間(浸漬時間)は、
0.5〜10分間、好ましくは 1.5〜5分間で、第2〜第4
のリンス槽における浸漬時間もそれぞれ 0.5〜10分間、
好ましくは 1.5〜5分間である。尚、浸漬中、必要に応
じて、基体を揺動させても良い。
【0019】リンス槽21,31,41で濯ぎ処理がなされた基
体1は、温純水55が満されている温純水浸漬槽51に浸漬
され、引き上げられて、乾燥処理が施される。浸漬槽51
の底部には加熱装置(ヒータ)52が取り付けられてお
り、純水が25〜90℃好ましくは25〜80℃に保たれてい
る。浸漬槽51には、純水供給装置53から純水が供給され
ている。
【0020】純水の温度が90℃を超えると、水により基
体(アルミニウム)の腐食が生じ易くなり、また25℃未
満では、乾燥ムラやシミが生じ易くなる。
【0021】本発明の温純水への浸漬時間は 0.5〜5
分、好ましくは1〜3分である。尚、浸漬中に必要に応
じて基体を揺動させても良い。
【0022】温純水槽から引き上げられた基体は、例え
ばクリーン度100 に保たれたクリーンブース内で放冷さ
れる(図示せず)。
【0023】温純水浸漬槽から引き上げられる際の基体
表面張力の値としては、30〜40dyn/cm2 、好
ましくは、32〜39dyn/cm2 になるよう洗浄す
る。導電性基体洗浄後の表面張力の値を30〜40dy
n/cm2 にするには、下記の方法があげられる。
【0024】1.洗浄液内の界面活性剤含有量を調整す
る。
【0025】2.温純水浸漬洗浄液の液温を高くする。
【0026】3.1.2.の組み合わせによる適正化。
【0027】4.ブラシ等により、基体表面に微小なキ
ズを付ける。
【0028】5.熱或いは薬液等により、基体上の酸化
被膜をコントロールする。
【0029】等が考えられる。
【0030】一方、導電性円筒状基体を界面活性剤含有
水中で浸漬洗浄処理する方法においては、界面活性剤含
有水の浸漬洗浄中に該基体内部も洗浄されてしまうた
め、基体内部のインロー加工部等に付着している切削ク
ズ又は切削加工時使用したミスト油等により洗浄液が汚
染され、洗浄液の劣化が早く、洗浄液の交換が度々必要
となることがある。また、導電性円筒状基体の内部まで
ぬれる為、該基体内部の乾燥が必要となるが、基体内部
は狭く、インロー加工部等複雑な形状となっているの
で、その乾燥が困難である。従って、導電性円筒状基体
の開口部(上下端部)を密封することにより、洗浄液の
浸入を防止することが好ましい。
【0031】図2(A),(B)は下側のフランジ付チ
ャッキング治具の側面図および平面図、図3(A),
(B)は上側のフランジ付チャッキング治具の側面図お
よび下面図であり、図4は円筒状基体にフランジ付チャ
ッキング治具を取り付けた状態を示している。
【0032】下側のフランジ付チャッキング治具101 は
フランジ部101a、内面密着部101b、支持棒101cを有して
いる。フランジ部101aの径は感光体基体103 の径とほぼ
一致し、フランジ付チャッキング治具101 を感光体基体
103 に下側から填め込んだときフランジ部101aが基体底
面に接し、内面密着部101bが感光体基体103 の内壁面に
密着する。支持棒101cはフランジ部および内面密着部か
ら垂直に立設された四角柱で、感光体基体103 の軸方向
長さよりも少し短く形成されている。
【0033】上側のフランジ付チャッキング治具102 は
感光体基体の径とほぼ一致するフランジ部102aとチャッ
キング102bを有している。チャック102aは、例えばエア
ーチャックなどで構成され、図中二点鎖線の状態に移動
して下側フランジ付チャッキング治具の支持棒101cを挟
持する。
【0034】洗浄処理された基体表面に公知の方法で感
光層を形成する。例えば、浸漬塗布法、リング方式塗布
法又はスプレー塗布法によって、洗浄処理された円筒状
基体表面に電荷発生層を形成する。次いで、電荷発生層
の上に浸漬塗布法又はスプレー塗布法で電荷輸送層を形
成する。
【0035】本発明で用いる電子写真感光体の導電性基
体としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレ
ス、真ちゅう等の金属の円筒状基体又は薄膜シート、ま
たはアルミニウム、錫合金、酸化インジウム等をポリエ
ステルフィルムあるいは紙、金属フィルムの円筒状基体
などに蒸着したものが挙げられる。次いで、感光体層の
接着性改良、塗布性改良、基体上の欠陥の被覆及び基体
から電荷発生層への電荷注入性改良などのために下引き
層が設けられることが有る。下引き層の材料としては、
ポリアミド、共重合ナイロン、カゼイン、ポリビニルア
ルコール、セルロース、ゼラチン等の樹脂が知られてい
る。これらを各種有機溶媒に溶解し、膜厚が 0.1〜5μ
m程度になるように導電性円筒状基体上に塗布される。
【0036】電荷発生層は、光照射により電荷を発生す
る電荷発生材料を主成分とし、必要に応じて公知の結合
剤、可塑剤、増感剤を含有し、膜厚が 1.0μm以下(乾
燥膜厚)となるように導電性円筒状基体又は下引き層の
上に塗布されている。
【0037】電荷発生材料としては、ペリレンン系顔
料、多環キノン系顔料、フタロシアニン顔料、金属フタ
ロシアニン顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色
素、チアピリリウム色素、及びカルバゾール骨格、スチ
リルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベン
ゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノ
ン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾ
ール骨格又はジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ
顔料などが挙げられる。
【0038】電荷輸送層は、電荷発生材料が発生した電
荷を受け入れこれを輸送する能力を有する電荷輸送材
料、シリコーン系レベリング剤及び結着剤を必須成分と
し、必要に応じて公知の可塑剤、増感剤などを含有し、
乾燥膜厚5〜70μmとなるように電荷発生層の上に塗布
されている。
【0039】電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキソ
ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジ
エチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス
(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリル
アントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾ
ン類、ヒドラゾン誘導体等の電子供与性物質、或いはフ
ルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデ
ノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、イ
ンデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ
[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導
体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタ
ン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノン等の電子受
容性物質などが挙げられる。
【0040】電荷輸送層を構成する結着剤としては、電
荷輸送材料と相溶性を有するものであれば良く、例えば
ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン、ポリビニルケトン、ポルスチレン、ポリアクリ
ルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げら
れる。
【0041】本発明の方法で製造された電子写真感光体
はハジキ、シミ等による画像への黒ポチ、白ポチの発生
がほとんどなく、また生産性においても、タクトタイム
が長くならず良品率が高い。更に、洗浄工程において、
有機溶媒を使用しないので、有機溶媒の使用による大気
汚染、人体への影響、高い引火性及び発火性による爆発
の危険等がない。
【0042】
【実施例】以下、実施例による本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0043】実施例1 図1で示した工程により、切削加工したアルミニウム製
円筒状基体1を洗浄処理した。図1の工程において、第
1の洗浄槽11の洗浄液として、ノニオン系界面活性剤で
あるポラークリーン690 (商品名)(田中インポートグ
ループ(株)製)の5%純水溶液を用い、第2〜4のリ
ンス槽21〜41のリンス液として、純水を用いた。第1の
洗浄槽11の洗浄液は25℃に保温されており、第1の洗浄
槽11及び第2〜4のリンス槽21〜41のリンス液の温度は
それぞれ25℃であった。第1乃至第4の洗浄槽への浸漬
時間はそれぞれ2分間であった。濯ぎ処理された基体1
を25℃に保たれた温純水が満たされた第5の浸漬槽51中
に30秒間浸漬し、5mm /秒で引き上げ、クリーン度100
に保たれたクリーンブース内で20分間放冷した。引き上
げられた基体の表面張力は、34dyn/cm2 であっ
た。
【0044】得られた円筒状基体1は公知の浸漬塗布方
法により下記A液を円筒状基体1の表面に乾燥後の膜厚
0.5μmになるように浸漬塗布し、75℃の温度で1時間
乾燥し、更に下記B液をA液が塗布された円筒状基体1
の表面に乾燥後の膜厚20μmになるように浸漬塗布し、
75℃の温度で1時間乾燥した。
【0045】A液 ジブロムアンスアンスロン2重量部、ブチラール樹脂
[エスレックBM−2、セキスイ化学(株)製]2重量
部、シクロヘキサノン230 重量部をボールミルにて8時
間分散処理して得られた液。
【0046】B液 ヒドラゾン系電荷輸送材[ABPH、日本化薬(株)
製]1重量部、ポリカーボネート樹脂{パンライトL−
1250、帝人化成(株)製]1重量部をジクロロエタン8
重量部で溶解して得られた液。
【0047】得られた電子写真感光体30本を回転用治具
に装着し複写機[SF−8100、シャープ(株)製]に搭
載してコピーを取り画像評価を行った。結果を表1に示
す。 比較例1 切削加工したアルミニウム製円筒状基体を、有機溶剤と
して60℃の1,1,1−トリクロルエタンを用いた超音
波・温浴洗浄処理を30秒間行った。20℃の1,1,1−
トルクロルエタンで30秒間冷浴した後、1,1,1−ト
リクロルエタンを用いた蒸気洗浄を30秒間行い、クリー
ンルームで20分間放冷した。得られた円筒状基体の表面
に実施例1と同様の方法で感光体層を形成した。得られ
た電子写真感光体30本を実施例と同様の方法で画像評価
を行った。結果を表1に示す。
【0048】この時の引き上げられた基体の表面張力
は、基体の表面張力は、38dyn/cm2 であった。
【0049】比較例2 図1で示した工程により、切削加工したアルミニウム製
円筒状基体を、実施例と同様の条件にて洗浄処理した。
【0050】図1の工程において、第1の洗浄槽の洗浄
液としては、ノニオン系界面活性剤であるサンウォッシ
ュLH−1000(商品名)(ライオン(株))の5%
純粋溶液を用いたほかは、実施例1と同様の洗浄方法に
て洗浄を行った。この時の引き上げられた基体の表面張
力は、29dyn/cm2 であった。得られた円筒状基
体の表面に1と同様の方法で感光体層を形成した。
【0051】得られた電子写真感光体30本を実施例と同
様の方法で画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】比較例3 図1で示した工程により、第1の洗浄槽の洗浄液、サン
ウォッシュLH−1000(商品名)(ライオン
(株))の純粋溶液中の濃度を変更し、洗浄方法は一定
にし、下記表2に示す各表面張力を持つアルミニウム製
円筒状基体を作成し、その表面に実施例1と同様の方法
で感光体層を形成した。得られた電子写真感光体30本を
実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表2
に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】比較例4 洗浄後の基体表面のヌレ性と引き上げスピードによる欠
陥の発生数を図5に示す。
【0056】図5に示すように、ヌレ性を極端に引き上
げると、引き上げ時、水の表面張力により基体表面の水
ヌレ性が大きくなり、水切れが悪く欠陥が増す。引き上
げ時には、図6に示した力が働いていると考えられる。
【0057】γ+mg>γ+V・m+ηγS のと
き、素管に水滴は付着しない。
【0058】γ+mg<γ+V・m+ηγS のと
き、素管に水滴が付着する。
【0059】よって、素管の表面張力が高くなった場
合、引き上げスピード、液体の表面張力のどちらかを変
更する必要があり、液体の表面張力を変える場合は、液
温を上昇させる必要があり、その場合温度の上昇と共に
白点、黒点の不良が増加する。上記不良を回避するた
め、液温を下げた状態で水切れ良く基体を引き上げるに
は、引き上げ速度を遅くする必要がある。この場合、図
5に示すように、基体の表面張力が上がれば、34〜3
8dyn/cm2 で引き上げスピードが5mm /秒にて、
83%の良品率が得られるのに対して、50dyn/c
2 では、引き上げスピードが0.1mm /秒に変更しない
と同程度の良品率が得られず、1本当たりのタクトタイ
ムが50倍掛り、生産効率が非常に悪くなる。
【0060】
【発明の効果】本発明の方法により、洗浄不良によるハ
ジキ、シミ及び乾燥ムラ、シミ等の発生が抑制され、か
つ効率の良いタクトタイムで生産でき、良品率において
も、従来の1,1,1−トリクロルエタン洗浄液を使用
する場合とほぼ同等の良品率を維持することができ、良
品率の低下が防止されて、実用可能な高収率で電子写真
感光体が得られる。更に、洗浄液として有機溶剤を使用
しないので、有機溶剤の使用による大気汚染、人体への
影響、高い引火性及び高い発火性による爆発の危険、特
に1,1,1−トリクロルエタン、フロンの洗浄液とし
ての使用による地球温暖化及びオゾン層の破壊等の問題
が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄方法の工程を示す概略図である。
【図2】本発明で使用するフランジ付チャッキング治具
の下側部の概略図である。
【図3】本発明で使用するフランジ付チャッキング治具
の上側部の概略図である。
【図4】本発明で使用するフランジ付チャッキング治具
を導電性基体に取り付けた状態を示す図である。
【図5】洗浄後の基体表面のヌレ性と引き上げスピード
による欠陥の発生数との関連を示す図である。
【図6】引き上げ状態にある素管と浸漬液との界面状態
を示す概念図である。
【符号の説明】
1 導電性基体 11 第1の洗浄槽 14 第1の洗浄槽の超音波発振器 15 第1の洗浄槽の洗浄液 21 第2のリンス槽 31 第3のリンス槽 41 第4のリンス槽 51 温純水浸漬槽 10,52 加熱装置 101 フランジ付チャッキング治具 V 素管の引き上げ速度 γ S 素管の表面張力 γ L 液体の表面張力 η 液体と素管の粘性 mg 液体に掛かる重力加速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 忍 充弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森田 竜廣 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体用導電性基体表面を界面
    活性剤含有水中で浸漬洗浄後、最終の純水洗浄工程で浸
    漬洗浄処理をして該導電性基体表面に付着している界面
    活性剤を洗い流すに当たり、洗浄後の基体の表面張力が
    30〜40dyn/cm2 に保つように該基体を浸漬洗
    浄することを特徴とする電子写真感光体用導電性基体の
    洗浄方法。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体用導電性基体が、円筒状
    であることを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 円筒状基体の開口部が密封してあること
    を特徴とする請求項2記載の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 円筒状基体の開口部にフランジ付きチャ
    ッキング治具を取り付けることにより密封することを特
    徴とする請求項3記載の洗浄方法。
JP18001392A 1992-07-07 1992-07-07 電子写真感光体の基体の洗浄方法 Pending JPH0627686A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU762932B2 (en) * 1999-01-21 2003-07-10 Shigeo Nakao Blocks for wall surface of houses

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