JP2001121094A - 電子写真感光体用導電性基体の洗浄方法および洗浄装置ならびに電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体用導電性基体の洗浄方法および洗浄装置ならびに電子写真感光体の製造方法

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JP2001121094A
JP2001121094A JP30523699A JP30523699A JP2001121094A JP 2001121094 A JP2001121094 A JP 2001121094A JP 30523699 A JP30523699 A JP 30523699A JP 30523699 A JP30523699 A JP 30523699A JP 2001121094 A JP2001121094 A JP 2001121094A
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Japan
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substrate
carbon dioxide
cleaning
conductive substrate
supercritical fluid
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JP30523699A
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English (en)
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Yuko Takeda
祐子 竹田
Masayuki Sakamoto
雅遊亀 坂元
Hiroshi Sugimura
博 杉村
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤、純水および界面活性剤含有水を用
いることなく確実かつ容易に電子写真感光体用導電性基
体を洗浄し、画像欠陥の原因となるハジキやシミなどの
塗布欠陥を生じることなく感光層を形成する。 【解決手段】 カバー5のフレーム6に基体7を懸垂し
た後、該カバー5を容器本体4の開口部4aにその上方
から密着して、容器本体4の内部空間4bを気密に封止
する。液化二酸化炭素は昇圧ポンプ9によってタンク8
から送り出され、加熱器10によって40℃以上に加熱
されて超臨界状態とされ、圧力変換器11によって圧力
が調整されて、容器本体4の内部空間4bに圧入され
る。圧入された超臨界状態の二酸化炭素は基体7と接触
し、該基体7に付着した水分、有機物およびその他の不
純物が超臨界状態の二酸化炭素に溶解する。洗浄終了
後、カバー5を容器本体4から外して洗浄された基体7
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体用
導電性基体の洗浄方法および洗浄装置ならびに電子写真
感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、電子写真感光体(以降、単に
「感光体」ともいう)は円筒状の導電性基体(以降、単
に「基体」ともいう)上に感光層を備える。積層型の場
合、感光層は積層して成る電荷発生層と電荷輸送層とを
備える。電荷発生層は縮合多環顔料やアゾ顔料などの電
荷発生物質と結着剤とを含有し、電荷輸送層はヒドラゾ
ン系やアリールアミン系の電荷輸送物質、結着剤および
酸化防止剤を含有する。
【0003】たとえば円筒状のアルミニウムを鏡面加工
することまたは板状のアルミニウムをインパクト成形す
ることによって作製された導電性基体上には、特開昭4
9−130736号、特開昭57−5047号および特
開昭59−46171号の公報などに開示されている浸
漬塗布法によって感光層が形成される。このとき基体表
面に切削油のミスト、空気中のダストおよび切粉などを
含む有機物や水分が付着していると、形成された感光層
にハジキやシミなどの塗布欠陥が発生する。塗布欠陥を
有する感光体を画像形成装置に搭載して画像形成を行う
と、黒ぽち、白ぽちおよびハーフトーンの画像むらなど
が発生して画像品質が著しく低下する。そこで、作製さ
れた基体は感光層の形成に先立って洗浄されて、付着し
た有機物や水分が除去される。
【0004】基体の洗浄方法としては、必要に応じて加
熱された有機溶剤中に基体を浸漬し、場合によっては超
音波を作用させて洗浄する浸漬法、必要に応じて有機溶
剤でシャワーリングしながらブラシやスポンジなどを用
いて物理的に基体を擦って洗浄する接触法、有機溶剤を
高圧下でスリットから噴出して基体を洗浄するジェット
法および有機溶剤蒸気中に基体を挿入して洗浄する蒸気
法などの、有機溶剤を用いた方法がある。
【0005】これらの洗浄方法において使用可能な有機
溶剤としては、メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、1,1,1−トリクロルエタン、トリクロルエチレ
ンおよびパークロルエチレンなどの塩素系溶剤、フロン
−112やフロン−113などのフッ素系溶剤、該フッ
素系溶剤とメタノールやメチレンクロライドなどとの混
合溶剤、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、石油系炭化水素およびこ
れらの混合物などが挙げられる。引火性、発火性、人体
への影響および洗浄能力を考慮して1,1,1−トリク
ロルエタンが使用されていたが、環境への悪影響から最
近は使用されない傾向にある。
【0006】そこで、有機溶剤を使用しないで基体を洗
浄する方法として、水洗浄方法が提案されている。たと
えば純水を用いる方法が特開平5−127397号公報
に開示されている。また界面活性剤含有水を用いる方法
が特開平5−61215号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】純水を用いる洗浄方法
に関して、純アルミニウム製の基体を純水で洗浄する
と、純アルミニウムが純水と反応してしまう。そこで通
常はアルミニウムに不純物を混入させているが、このた
めに基体表面が凹凸状になったり、不純物混入部位から
腐食が発生したりして、画像欠陥の原因となる塗布むら
が発生する。界面活性剤含有水を用いる洗浄方法に関し
て、純アルミニウム製の基体を界面活性剤含有水で洗浄
すると、純アルミニウムが界面活性剤含有水と反応し、
基体表面が凹凸状になって画像欠陥の原因となる塗布む
らが発生する。
【0008】また、溶剤を用いる場合は洗浄後の基体を
空気中に放置することによって溶剤が瞬時に蒸発して乾
燥が完了するが、純水や界面活性剤含有水を用いる場合
は常温での水の蒸発速度が遅いので乾燥に時間がかか
る。このため、乾燥中に空気中のダストが基体に付着し
たり、水の乾燥むらやシミが発生したりする。付着した
ダスト、乾燥むらおよびシミは黒ぽち、白ぽちおよびハ
ーフトーンなどの画像欠陥の原因となる。
【0009】純水や界面活性剤含有水を用いた洗浄にお
ける乾燥を短時間で行う手法として、エアーを吹付ける
手法があるが、この手法では円筒状の基体の周方向に均
一にエアーを吹付けるための大掛かりな装置が必要とな
って、洗浄に要するコストが上昇する。また、基体内面
の乾燥が不充分となりやすく、残水分が塗布液に混入す
ると塗液劣化を引起こす。さらに他の手法として、基体
を100℃以上の温度に加熱する手法があるが、この手
法では基体表面が酸化して画像欠陥の原因となる。
【0010】本発明の目的は、電子写真感光体用導電性
基体を有機溶剤、純水および界面活性剤含有水を用いる
ことなく確実かつ容易に洗浄する方法および装置を提供
することである。また本発明の他の目的は、画像欠陥の
原因となるハジキやシミなどの塗布欠陥を生じることな
く基体上に感光層を形成することができる感光体の製造
方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、超臨界流体を
用いて電子写真感光体用導電性基体を洗浄することを特
徴とする電子写真感光体用導電性基体の洗浄方法であ
る。
【0012】本発明に従えば、たとえば円筒状のアルミ
ニウムを鏡面加工することまたは板状のアルミニウムを
インパクト成形することによる導電性基体の製造時にお
いて基体表面には切削油のミスト、空気中のダストおよ
び切粉などを含む有機物や水分が付着するが、基体は超
臨界流体を用いて洗浄されて付着した有機物や水分が除
去される。超臨界流体とは物質固有の臨界温度および臨
界圧力を越えた領域にある流体であり、該流体は気体と
液体の中間の粘度、拡散係数、密度および溶解力を有す
る。このような超臨界流体は有機物や水分に対して大き
な溶解力を有する。したがって、基体に付着した切削油
のミスト、空気中のダストおよび切粉などを含む有機物
や水分を確実かつ容易に除去することができる。
【0013】本発明の基体の洗浄方法は有機溶剤を用い
ないので環境への悪影響はない。また、純水や界面活性
剤含有水を用いないのでアルミニウム製基体との反応は
起こらない。さらに、有機溶剤、純水および界面活性剤
含有水を用いないので乾燥が不要となり、ダスト付着お
よび乾燥むらやシミの発生がなくなり、また比較的低コ
ストで洗浄でき、さらに塗液への水分の混入がなくなる
ので塗液の劣化が防止でき、またさらに基体表面の酸化
がなくなる。したがって、超臨界流体を用いる本発明の
方法によって洗浄された基体上にはハジキやシミなどを
発生することなく感光層を形成することができる。ま
た、このような感光層を備える感光体を画像形成装置に
搭載することによって黒ぽち、白ぽちおよびハーフトー
ンの画像むらなどの少ない高品質な画像を形成すること
ができる。
【0014】なお、半導体装置や液晶表示装置などの微
細加工部品の超臨界流体を用いた洗浄に関する技術が特
開平5−47732号、特開平8−274055号およ
び特開平8−206485号の公報に開示されている。
本発明は、この技術を電子写真感光体用導電性基体の洗
浄に適用して基体に付着した有機物や水を確実に除去す
るために成されたものである。
【0015】また本発明は、前記超臨界流体が二酸化炭
素であることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、超臨界流体として二酸化
炭素が用いられる。二酸化炭素は、温度31.06℃以
上および圧力74.8atm以上の条件で超臨界状態と
なる。超臨界状態の二酸化炭素を用いる洗浄方法は有機
溶剤を用いる洗浄方法に比べて大気汚染、人体への悪影
響および爆発の危険を低減することができる。
【0017】また本発明は、電子写真感光体用導電性基
体を収納する収納手段と、収納手段内部に超臨界流体を
供給する超臨界流体供給手段とを備え、超臨界流体を用
いて導電性基体を洗浄することを特徴とする電子写真感
光体用導電性基体の洗浄装置である。
【0018】本発明に従えば、基体は収納手段に収納さ
れ、超臨界流体供給手段によって収納手段内に供給され
る超臨界流体を用いて該基体が洗浄される。本発明の洗
浄装置では有機溶剤、純水および界面活性剤含有水を用
いることなく基体を確実かつ容易に洗浄でき、洗浄後の
基体上にはハジキやシミなどを発生することなく感光層
を形成することができ、このような感光層を備える感光
体を画像形成装置に搭載することによって黒ぽち、白ぽ
ちおよびハーフトーンの画像むらなどの少ない高品質な
画像を形成することができる。
【0019】また本発明は、前記超臨界流体が二酸化炭
素であることを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、超臨界流体として二酸化
炭素が用いられる。二酸化炭素は上述したような温度お
よび圧力の条件で超臨界状態となる。超臨界状態の二酸
化炭素を用いる洗浄装置は有機溶剤を用いる洗浄装置に
比べて大気汚染、人体への悪影響および爆発の危険を低
減することができる。
【0021】また本発明は、導電性基体上に感光層を備
える電子写真感光体の製造方法において、超臨界流体を
用いて導電性基体を洗浄する工程と、次に導電性基体上
に感光層を形成する工程とを含むことを特徴とする電子
写真感光体の製造方法である。
【0022】本発明に従えば、上述したような超臨界流
体を用いた洗浄方法による洗浄工程において基体に付着
した有機物や水分を除去した後、該基体上に感光層が形
成される。したがって、ハジキやシミなどを発生するこ
となく感光層を形成することができ、このような感光層
を備える感光体を画像形成装置に搭載することによって
黒ぽち、白ぽちおよびハーフトーン画像むらなどの少な
い高品質な画像を形成することができる。
【0023】また本発明は、導電性基体上に感光層を備
える電子写真感光体の製造方法において、導電性基体上
に感光層を形成する工程と、次に超臨界流体を用いて導
電性基体を洗浄する工程とを含むことを特徴とする電子
写真感光体の製造方法である。
【0024】本発明に従えば、基体上に感光層を形成し
た後、上述したような超臨界流体を用いた洗浄方法によ
る洗浄工程において基体が洗浄される。洗浄工程では、
基体に付着した有機物や水分だけでなく先に形成された
感光層をも除去することができる。
【0025】また本発明は、導電性基体上に感光層を備
える電子写真感光体の製造方法において、使用済み電子
写真感光体の導電性基体を超臨界流体を用いて洗浄する
工程を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法
である。
【0026】本発明に従えば、上述したような超臨界流
体を用いた洗浄方法による洗浄工程において使用済み基
体が洗浄される。洗浄工程では、基体に付着した有機物
や水分だけでなく先に形成されて使用済みとなった感光
層をも除去することができる。
【0027】また本発明は、超臨界流体を用いた洗浄工
程の次に導電性基体上に感光層を形成する工程をさらに
含むことを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、洗浄工程において超臨界
流体を用いて基体に付着した有機物や水分だけでなく先
に形成されて使用済みとなった感光層をもが除去された
後、該基体上に再び感光層が形成される。したがって、
ハジキやシミなどを発生することなく感光層を再形成す
ることができ、このような感光層を備える感光体を画像
形成装置に搭載することによって黒ぽち、白ぽちおよび
ハーフトーン画像むらなどの少ない高品質な画像を形成
することができる。
【0029】また本発明は、前記超臨界流体が二酸化炭
素であることを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、超臨界流体として二酸化
炭素が用いられる。二酸化炭素は、上述したような温度
および圧力の条件で超臨界状態となる。超臨界状態の二
酸化炭素を用いる洗浄工程を含む感光体の製造方法は有
機溶剤を用いる洗浄工程を含む製造方法に比べて大気汚
染、人体への悪影響および爆発の危険を低減することが
できる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある洗浄装置を示す図である。該洗浄装置は、大略的
に、洗浄容器1、超臨界流体供給装置2および超臨界流
体回収装置3を備える。洗浄容器1は容器本体4とカバ
ー5とから成る。容器本体4は開口部4aによって上方
に開口し、該開口部4aから容器本体4の内部空間4b
に被洗浄物である電子写真感光体用導電性基体7が収容
される。カバー5は容器本体4の開口部4aにその上方
から密着して内部空間4bを気密に封止する。該カバー
5の底面5aには金属製のフレーム6が取付けられてお
り、基体7は該フレーム6に懸垂される。
【0032】超臨界流体供給装置2は液化二酸化炭素を
貯蔵するタンク8と容器本体4とを連結する導入ライン
12を備え、該導入ライン上に設けられる昇圧ポンプ9
はタンク8から導入ライン12に液化二酸化炭素を送り
出す。送り出された液化二酸化炭素は加熱器10によっ
て40℃以上に加熱されて超臨界状態とされた後、圧力
変換器11によって圧力が調整されて容器本体4に導入
される。なお、昇圧ポンプ9と加熱器10との間には逆
止弁13が設けられ、タンク8と昇圧ポンプ9との間に
はバルブ14が設けられる。また、加熱器10の流体供
給方向下流側にはラプチャディスク15が設けられる。
【0033】超臨界流体回収装置3は容器本体4と超臨
界流体供給装置2のバルブ14および昇圧ポンプ9の間
とを連結する循環ライン16を備える。容器本体4から
排出された超臨界状態の二酸化炭素は循環ライン上に設
けられる冷却器17によって冷却されて液化された後、
フィルタ18によって不純物が除去されて超臨界流体供
給装置2に戻される。なお、冷却器17の流体供給方向
上流側にはバルブ19が設けられ、フィルタ18の流体
供給方向下流側には逆止弁20が設けられる。
【0034】続いて、前記洗浄装置を用いた導電性基体
7の洗浄方法について説明する。まず、カバー5のフレ
ーム6に基体7を懸垂する。次に、該カバー5を容器本
体4の開口部4aにその上方から密着して容器本体4の
内部空間4bを気密に封止する。次に、昇圧ポンプ9に
よってタンク8から液化二酸化炭素を送り出す。次に、
送り出された液化二酸化炭素を加熱器10によって40
℃以上に加熱して超臨界状態とする。次に、超臨界状態
の二酸化炭素の圧力を圧力変換器11によって調整し
て、容器本体4の内部空間4bに圧入する。圧入された
超臨界状態の二酸化炭素は基体7と接触し、該基体7に
付着した水分、有機物およびその他の不純物が超臨界状
態の二酸化炭素に溶解する。
【0035】内部空間4bに超臨界状態の二酸化炭素を
圧入した時点から予め定められる所定時間が経過する
と、該二酸化炭素を内部空間4bから排出する。排出さ
れた超臨界状態の二酸化炭素は冷却器17によって冷却
されて液化二酸化炭素となる。このとき、二酸化炭素が
超臨界状態であるために該二酸化炭素中に溶解していた
水分、有機物およびその他の不純物は二酸化炭素が液化
されたために不溶化されて固形分や液滴となる。次に、
固形分や液滴をフィルタ18で除去する。フィルタ18
を通過した液化二酸化炭素は導入ライン12に戻され、
このようにして容器本体4から二酸化炭素が回収されて
再利用される。洗浄終了後、カバー5を容器本体4から
外して洗浄された基体7を得る。
【0036】本発明に基づく前記洗浄装置を使用した本
発明に基づく上述の洗浄方法によれば、導電性基体7は
超臨界状態の二酸化炭素によって洗浄される。超臨界状
態の二酸化炭素は有機物に対する溶解性が大きいので、
基体7に付着した油などの有機物を確実かつ容易に除去
することができる。また、超臨界状態の二酸化炭素はミ
クロンオーダの間隙にまで侵入することができるので、
基体7の微細な凹凸面を精密に洗浄することができる。
さらに、超臨界状態の二酸化炭素は基体7に付着した水
分をも溶解し除去することができる。
【0037】なお、導電性基体7として公知の装置を用
いて公知の方法によって感光層が既に形成された基体、
すなわち感光層に塗布むらなどの欠陥が生じているため
に実使用に適さない感光体の基体や一度使用して回収さ
れた感光体の基体を用いても構わない。この場合、感光
層の除去と基体の洗浄とを同時に行うことができ、効率
的に基体を再利用することができる。
【0038】洗浄が終了した基体7の上には、たとえば
浸漬塗布法、リング方式塗布法およびスプレー塗布法な
どの公知の塗布方法によって感光層が形成されて感光体
とされる。特に積層型の感光体の場合、洗浄後の基体7
の上に浸漬塗布法、リング方式塗布法およびスプレー塗
布法によって電荷発生層が形成され、次に電荷発生層の
上に浸漬塗布法およびスプレー塗布法によって電荷輸送
層が形成される。
【0039】電子写真感光体用導電性基体7としては、
アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスおよび真鍮製
の円筒状金属体や薄膜シート体を用いることができる。
また、ポリエステル、紙および金属製フィルムから成る
円筒体上にアルミニウム、錫合金および酸化インジウム
などを蒸着したものを用いても構わない。
【0040】導電性基体7と電荷発生層との間には、電
荷発生層の接着性や塗布性の改良および基体の表面欠陥
の被覆による基体から電荷発生層への電荷注入性の改良
を目的として、下引き層を設けても構わない。下引き層
の材料としては、ポリアミド、共重合ナイロン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、セルロースおよびゼラチン
などの樹脂が挙げられる。これらの樹脂は各種有機溶剤
に溶解されて、乾燥膜厚が0.1〜5μm程度となるよ
うにして基体7の上に塗布され、このようにして下引き
層が形成される。
【0041】電荷発生層は光照射によって電荷を発生す
る電荷発生材料を主成分とし、必要に応じて公知の結着
剤、可塑剤および増感剤を含有する。電荷発生層は乾燥
膜厚が1.0μm以下となるようにして基体7または下
引き層の上に形成される。
【0042】電荷発生材料としては、ペリレン系顔料、
多環キノン系顔料、フタロシアニン顔料、金属フタロシ
アニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色
素、チアピリリウム色素、およびカルバゾール骨格、ス
チリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベ
ンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレ
ノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジア
ゾール骨格およびジスチリルカルバゾール骨格を有する
アゾ顔料などが挙げられる。
【0043】電荷輸送層は電荷発生層で発生した電荷を
受け入れて輸送する能力を有する電荷輸送材料、結着剤
およびシリコーン系レベリング剤を必須成分とし、必要
に応じて公知の可塑剤および増感剤を含有する。電荷輸
送層は、乾燥膜厚が5〜70μmとなるようにして電荷
発生層上に形成される。
【0044】電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、
オキソジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1
−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、ス
チリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒ
ドラゾン類、およびヒドラゾン誘導体などの電子供与性
物質が挙げられる。また、フルオレノン誘導体、ジベン
ゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェ
ナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チ
オキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、
フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、
テトラシアノキノジメタン、ブロマニル、クロラニルお
よびベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられ
る。
【0045】電荷輸送層を構成する結着剤としては、電
荷輸送材料と相溶性を有するものを用いることができ、
たとえばポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、
ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ
アクリルアミド、フェノール樹脂およびフェノキシ樹脂
などが挙げられる。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、超臨界流
体を用いて電子写真感光体用導電性基体を洗浄するの
で、アルミニウム製などの基体に付着した有機物や水分
を環境へ悪影響を及ぼすことなく、また乾燥工程を設け
ることなく確実かつ容易に除去することができる。
【0047】また本発明によれば、超臨界流体として二
酸化炭素を用いるので、大気汚染、人体への悪影響およ
び爆発の危険を低減して基体を洗浄することができる。
【0048】また本発明によれば、収納手段に基体を収
納し、超臨界流体供給手段によって超臨界流体を収納手
段内に供給して電子写真感光体用導電性基体を確実かつ
容易に洗浄する洗浄装置を提供することができる。
【0049】また本発明によれば、前記洗浄装置におい
て超臨界流体として二酸化炭素を用いるので、大気汚
染、人体への悪影響および爆発の危険を低減して基体を
洗浄することができる。
【0050】また本発明によれば、超臨界流体を用いて
基体を洗浄した後、該基体上に感光層が形成されるの
で、ハジキやシミなどを発生することなく感光層を形成
することができ、またこのような感光層を備える感光体
を画像形成装置に搭載することによって高品質な画像を
形成することができる。
【0051】また本発明によれば、基体上に感光層を形
成した後、超臨界流体を用いて基体が洗浄されるので、
洗浄工程では基体に付着した有機物や水分だけでなく先
に形成された感光層をも除去することができる。
【0052】また本発明によれば、超臨界流体を用いて
使用済み基体が洗浄されるので、洗浄工程では基体に付
着した有機物や水分だけでなく先に形成されて使用済み
となった感光層をも除去することができる。
【0053】また本発明によれば、超臨界流体を用いて
基体に付着した有機物や水分だけでなく先に形成されて
使用済みとなった感光層をもが除去された後、該基体上
に再び感光層が形成されるので、ハジキやシミなどを発
生することなく感光層を形成することができ、またこの
ような感光層を備える感光体を画像形成装置に搭載する
ことによって高品質な画像を形成することができる。
【0054】また本発明によれば、電子写真感光体の製
造方法は超臨界流体として二酸化炭素を用いて導電性基
体を洗浄する洗浄工程を含むので、大気汚染、人体への
悪影響および爆発の危険を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である洗浄装置を示す図
である。
【符号の説明】
1 洗浄容器 2 超臨界流体供給装置 3 超臨界流体回収装置 4 容器本体 4a 容器本体の開口部 4b 容器本体の内部空間 5 カバー 5a カバーの底面 6 フレーム 7 導電性基体 8 タンク 9 昇圧ポンプ 10 加熱器 11 圧力変換器 12 導入ライン 13,20 逆止弁 14,19 バルブ 15 ラプチャディスク 16 循環ライン 17 冷却器 18 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉村 博 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA51 BA02 EA05 EA14 3B201 AA46 AB01 BB02 BB82 BB90 BB92 CB01 CD22 CD36

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界流体を用いて電子写真感光体用導
    電性基体を洗浄することを特徴とする電子写真感光体用
    導電性基体の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記超臨界流体が二酸化炭素であること
    を特徴とする請求項1記載の電子写真感光体用導電性基
    体の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 電子写真感光体用導電性基体を収納する
    収納手段と、 収納手段内部に超臨界流体を供給する超臨界流体供給手
    段とを備え、 超臨界流体を用いて導電性基体を洗浄することを特徴と
    する電子写真感光体用導電性基体の洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記超臨界流体が二酸化炭素であること
    を特徴とする請求項3記載の電子写真感光体用導電性基
    体の洗浄装置。
  5. 【請求項5】 導電性基体上に感光層を備える電子写真
    感光体の製造方法において、 超臨界流体を用いて導電性基体を洗浄する工程と、 次に導電性基体上に感光層を形成する工程とを含むこと
    を特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 導電性基体上に感光層を備える電子写真
    感光体の製造方法において、 導電性基体上に感光層を形成する工程と、 次に超臨界流体を用いて導電性基体を洗浄する工程とを
    含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 導電性基体上に感光層を備える電子写真
    感光体の製造方法において、 使用済み電子写真感光体の導電性基体を超臨界流体を用
    いて洗浄する工程を含むことを特徴とする電子写真感光
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 超臨界流体を用いた洗浄工程の次に導電
    性基体上に感光層を形成する工程をさらに含むことを特
    徴とする請求項7記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記超臨界流体が二酸化炭素であること
    を特徴とする請求項5〜7のうちのいずれかに記載の電
    子写真感光体の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003173997A (ja) * 2001-12-04 2003-06-20 Ryusyo Industrial Co Ltd 超臨界流体洗浄装置
JP2008158371A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体の製造方法、該感光体及びこれを使用した画像形成装置
CN100421778C (zh) * 2003-06-20 2008-10-01 大金工业株式会社 表面活性剂的回收方法
JP2008310307A (ja) * 2007-05-17 2008-12-25 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
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