JPH1097084A - 感光体の基板再生方法 - Google Patents

感光体の基板再生方法

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JPH1097084A
JPH1097084A JP24966096A JP24966096A JPH1097084A JP H1097084 A JPH1097084 A JP H1097084A JP 24966096 A JP24966096 A JP 24966096A JP 24966096 A JP24966096 A JP 24966096A JP H1097084 A JPH1097084 A JP H1097084A
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JP
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photoreceptor
tank
rust
layer
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JP24966096A
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English (en)
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Ichiro Sekine
一郎 関根
Tetsutsugu Ikoma
哲嗣 生駒
Makoto Ban
誠 伴
Naoki Yoshie
直樹 吉江
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の保管が可能で、現像画像の良好な感
光体を提供できる感光体基板を提供するための感光体の
基板再生方法を提供すること。 【解決手段】 層を剥離した感光体基板を防錆処理する
ことを特徴とする感光体の基板再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光体の導電性基
板を再利用するための方法、詳しくは導電性基板上に設
けられた有機系または無機系の層を剥離した後、基板を
防錆処理することを含む感光体の基板再生方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の電子
写真装置に使用される電子写真感光体としては、導電性
基板上に感光層を形成させた有機系または無機系感光体
が用いられている。かかる感光体を実機へ搭載し、長期
に亙って使用すると、使用によって感光層の摩耗や劣化
が起こり、画質への悪影響が避けられなくなる。従来は
このような使用済み感光体あるいは製造工程において生
じる不良品を基板ごと廃棄処分していたが、全世界的な
資源保護、環境保護の潮流から基板の再利用が検討され
ている。
【0003】感光体の基板の再利用に際しては、基板上
から感光層、下引層等を剥離する必要がある。剥離方法
としては有機系感光層を有機溶剤に溶解させて除去する
方法(特開平5−341537号公報)、有機系の感光
層表面に溶剤を吹き付けながら同時にブラシで表面を摺
擦して感光層を除去する方法(特開昭61−20945
3号、特開平5−257296号公報)、フッ素を含む
雰囲気中にプラズマを発生させ基体上の非晶質シリコン
を反応によりガス化して除去する方法(特開昭57−2
05769号公報)等が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法により基板上の層をうまく剥離して
も、感光体基板表面は酸化されやすくなっているため、
このままで長期間保管することは困難である。従って、
層を剥離後、該感光体基板を直ちに基板洗浄工程や感光
層形成工程等の通常の感光体製造ラインに送り込まなけ
ればならず、感光体製造業者等はかなりの時間的制約を
受けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基板の長期
間の保管が可能で、再使用しても、基板表面にくもりや
シミがなく、しかも良好な画像が得られる感光体を提供
できる感光体の基板再生方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性基板上
に層を設けた感光体の基板再生方法であって、層を剥離
した後、基板を防錆処理することを特徴とする感光体の
基板再生方法に関する。
【0006】本発明の感光体の基板再生方法は、少なく
とも導電性基板上に設けられた層を剥離する剥離工程、
及び剥離後の導電性基板を防錆する防錆工程とからな
る。本発明においては、層を剥離した感光体基板を防錆
処理することにより、基板の長期保存が可能となり、且
つ再使用しても新品と同等の特性を有する感光体を提供
することができる。
【0007】
【発明の実施の態様】本発明に適用可能な導電性基板と
しては、従来より一般に使用されている公知のものを用
いることができ、例えば銅、アルミニウム、鉄、ニッケ
ル等の導電性材料で構成されたものが使用可能である。
一般にはアルミニウム(アルミニウム合金、アルマイト
を含む)が最も多く使用されており、本発明における剥
離方法は、アルミニウム基板上に層を設けてなる感光体
の基板再生方法に最も有効である。
【0008】本発明の基板再生方法では、剥離工程にお
いて、導電性基板上に有機系または無機系の層を設けて
なる感光体から、まず導電性基板上に設けられた種々の
層を剥離する。この剥離工程では、後述の如く層を確実
に剥離することができればどのような方法で行ってもよ
い。尚、本発明で言うところの導電性基板上の層とは感
光層に限定されるものではなく、導電性基板上に設けら
れた総ての層をさす。即ち、導電性基板上に下引層と感
光層とを設けた感光体であれば感光層と下引層との両者
を、また感光層と保護層とを設けた感光体であれば感光
層と保護層との両者をいう。
【0009】本発明において、基板上の層を剥離する方
法としては、層を剥離液に浸漬させて膜の形態で剥離す
る方法、感光体を有機溶剤に浸漬して感光層を溶解除去
する方法、感光層を濃硝酸に浸漬して酸化分解除去する
方法、高圧ウォータージェットを噴射して基板から感光
層を剥離する方法、感光層を旋盤で切削、あるいはサン
ドペーパー、砥石等で研削して除去する方法、加熱冷却
を繰り返しセレン層と基体との熱膨張率の差を利用して
剥離する方法、真空中で加熱してセレンを蒸発させる方
法、液中で超音波処理して無機感光層を除去する方法、
プラズマエッチング処理により非晶質シリコンをガス化
させ、非晶質シリコン感光層を除去する方法等が挙げら
れる。
【0010】尚、本発明の基板再生方法が適用される感
光体の形態は特に限定されることはなく、積層型、単層
型のいずれでもよく、下引層や保護層を設けた形態であ
ってもよい。さらに、上記例は感光層の剥離についての
みであるが、本発明で言うところの導電性基板上の層は
感光層のみに限定されるものではない。
【0011】本発明においては、このようにして層を剥
離した後、導電性基板表面を防錆処理する。
【0012】本発明の防錆処理方法としては、例えば、
防錆剤を満たした浸漬槽内に基板を所定時間浸漬後引き
上げること(浸漬塗布法)、あるいは図3で示されるよ
うに例えば、防錆剤を塗布槽5'内にてノズル53より
基体表面101に吹き付けること(スプレー式塗布法)
等により行うことができる。このほか、基板表面に防錆
剤を接触させて防錆処理することができればこれらの方
法に特に制限されない。具体的には、浸漬塗布法では、
感光体基板全体を1〜120秒間防錆剤中に浸漬するこ
とで基板表面の防錆処理をすることができる。浸漬時間
が短すぎると防錆剤の基板表面への付着が不十分となり
十分な防錆効果が得られず、一方必要以上に長すぎても
防錆効果はある程度以上は向上せず時間がかかり過ぎて
生産性が悪くなる。浸漬塗布方法を用いる際、基体の一
部だけを浸漬して、基板を回転させるか基体を逆方向か
ら浸漬すること等により、少量の防錆剤で防錆処理する
ことも可能である。
【0013】本発明の防錆処理工程では、感光体から基
板上の層を剥離した後、基板表面に剥離液が付着したま
まで防錆処理を施すことができる。
【0014】この場合、剥離液が防錆剤と相溶する場合
には浸漬塗布方法、スプレー式塗布方法等により感光体
基板に防錆剤を単に接触させることで防錆処理すること
ができる。一方、剥離液が防錆剤に相溶しない場合に
は、浸漬塗布方法を用いることが望ましい。浸漬塗布方
法では、防錆剤を満たした浸漬槽内部に超音波装置を設
置し、40〜100kHz、好ましくは50〜80kHzの超
音波を印加しながら、10〜120秒間浸漬することに
より、基板表面より剥離液を短時間で確実に分離させる
とともに防錆処理を施すことができる。この場合には、
図4のように浸漬槽5の底部に超音波装置52を設置
し、超音波を適用しながら感光体基板101が該装置の
上部にくるようにして所定時間浸漬することが好まし
い。上記の他、防錆剤中に基板を浸漬させた状態で上下
運動させたり、水平方向に回転させることによっても、
付着した剥離液を基板より分離して効果的に防錆処理を
行うことができる。水平方向に基板を回転させる場合に
は、図5のように超音波装置52を立てて設置すること
も可能である。
【0015】感光体基板表面から分離した剥離液は、そ
の比重が防錆剤51のそれより大きい場合には浸漬槽底
部に溜まり、小さい場合には防錆剤液面に浮遊する。底
部に溜まった剥離液は、浸漬槽の底部に排出ドレンを設
けることにより定期的に簡単に除去することができ、防
錆剤も長期にわたって使用することができる。これに対
して、剥離液が浮遊すると基板を引き上げる際、その表
面に再付着する不都合が生じる。この場合、防錆剤をオ
ーバーフローさせる等して浮遊した剥離液を除去するこ
とができるが、取り扱いの点からみて防錆剤の比重は剥
離液のそれより小さい方が好ましい。
【0016】防錆剤としては、導電性基板の腐食を防止
できるものであれば従来より公知のいずれのものでも使
用可能であり、例えば炭化水素系化合物として、灯油、
軽油、テレビン油、この他、n-テトラデカン、n-ヘキサ
デカン等、n-アイコサン、n-テトラコサン等の直鎖状炭
化水素、7−メチルトリデカン、7−n-ヘキシルトリデ
カン、9−n-ヘキシルヘプタデカン等の分岐状炭化水
素、2−シクロヘキシルオクタン、9−シクロヘキシル
ヘプタデカン、1,2−ジシクロヘキシルエタン等の脂
環式炭化水素、2−フェニルオクタン、7−フェニルト
リデカン、1,2−ジフェニルエエタン等の芳香族炭化
水素が挙げられる。この他、脂肪族炭化水素の混合物か
らなる灯油、軽油、テレビン油等が使用可能である。こ
のうち、防錆効果が長期にわたって持続し、取り扱いや
すく、且つ基板の再使用に際して簡単な洗浄により容易
に除去されるものがよく、これらの点からみて本発明に
おいては特に灯油を用いることが好ましい。
【0017】また、本発明においては、剥離工程の後必
要に応じて基板表面をすすぐためのすすぎ工程、すすぎ
後の基板を乾燥させる乾燥工程を追加してもよい。層剥
離後の基板表面をすすぐことにより基板表面を清浄な状
態にしてから防錆工程へとすすむので、防錆効果をより
向上させることができる。剥離工程にて溶剤等の剥離液
を使用して層を剥離する構成では、基板表面に剥離液が
付着しているため、すすぎ工程を経ることは特に有効で
ある。
【0018】すすぎ工程においては、基板表面の付着物
を洗い流すことができればいかなる方法をも採用するこ
とができ、例えば、水圧1〜50kg/cm2のすすぎ液のシ
ャワーにより水量0.2〜10リットル/分にて5〜1
20秒間すすぐ方法、すすぎ液が1〜10リットル/分
にてオーバーフローしている容器に感光体基板を浸漬
し、ブラシ、超音波およびバブリング等を併用しながら
すすぐ方法等が挙げられる。
【0019】すすぎ液としては、剥離工程にて層を剥離
された基板表面を洗い流し、清浄な状態にすることがで
きるものであれば特に限定されず、例えば、純水、イオ
ン交換水、水道水、アルコール等の揮発性溶剤等を使用
することができる。環境安全性、取扱いのよさあるいは
大がかりな設備が不必要である等の点からみて、純水、
水道水、イオン交換水が特に好ましい。
【0020】本発明において、すすぎ後、基板表面にす
すぎ液が付着した状態で防錆工程に進んでもよい。しか
し、前述した剥離液の付着の際と同様の防錆処理工程を
適用したり、防錆処理に先立って乾燥工程を設けること
で、基板表面のすすぎ液を取り除くことができ、防錆工
程での防錆ムラを防止することができる。さらに、すす
ぎの後、導電性基板上にすすぎ液が長時間ついている
と、液が乾燥してもシミとなって残り、これが感光体の
静電特性に悪影響を及ぼす場合がある。すすぎ後に乾燥
工程を経ることにより、基板上に残るシミの発生を避け
ることができる。
【0021】乾燥工程では、すすぎ工程により感光体基
板に付着したすすぎ液を乾燥させる。その方法としては
基板に悪影響を及ぼすことなく基板上のすすぎ液を完全
に蒸発させることのできる方法であれば特に制限され
ず、例えば、水温30〜80℃の純水に感光体基板を浸
漬し、5〜50mm/秒の速度で引き上げる温純水乾燥
法、アルコール、炭化水素等の水きり溶剤に浸漬させて
自然乾燥させる溶剤乾燥法、温度40〜90℃のクリー
ンエアーを風速1〜5m/秒にて15〜180秒間吹き付
けて乾燥させる温風乾燥法等が挙げられる。好ましく
は、温純水乾燥法であり、この場合水蒸気による二次付
着を防止するため風速0.5〜2.0m/秒にて排気した
り、水質の劣化を防止するため水の電気伝導度が10μ
s/cm以下になるよう水量1〜20リットル/分にてオー
バーフローさせる必要がある。乾燥した感光体基板は前
述した防錆工程へと送られる。
【0022】防錆工程にて防錆処理された後の導電性基
板は、通常6〜12カ月間、表面が酸化されることなく
長期保存することが可能である。保存終了後は、基板表
面の防錆剤をおとした後、この上に、再利用した基板を
使用しない通常の感光体を製造する場合と同様の方法で
速やかに下引層、感光層、あるいは保護層等の層を各々
形成する。これにより、良好な画像を提供できる感光体
を得ることができる。
【0023】防錆剤を落とす方法としては、製造工程の
短縮化の点からみて通常の感光体の製造ラインの基板洗
浄工程を適用することが最も好ましい。以下に通常の感
光体の製造工程における基板洗浄工程の一例を挙げる。
【0024】例えば、洗浄槽内に収容された洗浄液中に
基板を浸漬させて洗浄するか、洗浄槽内において洗浄液
を基板に吹き付けるなどして基板の表面を洗浄する。洗
浄液としては、従来用いられている液が使用可能である
が、環境性の面からみて水系の液を用いることが主流で
あり、例えば水道水、純水、イオン交換水、またこれら
に界面活性剤や炭化水素系溶剤や高級アルコール等を含
有させたものや、化学エッチング用の洗浄液等を使用す
る。
【0025】また、基板を洗浄するにあたり、洗浄の最
終段階に近付くにつれて純度の高い水を使用することが
好ましく、電気伝導度が5μs/cm以下、好ましくは1μ
s/cm以下のものを用いることが好ましい。洗浄液の液温
は15〜65℃、好ましくは30〜50℃にする。洗浄
は、ブラシ、スポンジ、ゴム等を基板表面に接触させて
洗浄したり、洗浄液を基板に向けて高圧で噴出させるジ
ェットスプレー洗浄、超音波を使用した超音波洗浄等の
物理的洗浄を適宜組み合わせて行う。
【0026】以上のような感光体製造過程における基板
洗浄により洗浄した後は、必要に応じて基板を乾燥させ
る。本過程における乾燥方法としては、従来の感光体製
造において行われている乾燥を適用すればよい。尚、前
述した基板再生の乾燥工程と同様の方法にて乾燥を行う
こともできる。本発明を以下の実施例によりさらに詳し
く説明する。
【0027】
【実施例】実施例1および比較例1 図1は、本発明に係る有機感光体の基板再生方法の工程
を示す概略図である。この装置は、浸漬槽1、ブラシ槽
2、すすぎ槽3、水きり槽4、防錆処理槽5及び保管槽
6から構成されている。
【0028】浸漬槽1内には酢酸ジエチレングリコール
モノエチルエーテルを体積比5倍の水で希釈した60℃
の剥離液11が収容されている。液の温度コントロール
はヒーター16により行われている。この剥離液11中
に市販のミノルタ社製EP−470Z用の使用済み感光
体100を60分間浸漬して感光層を膨潤させた後、次
のブラシ槽2に移した。浸漬槽1からブラシ槽2へ、並
びに後述する各槽への感光体100または基板101の
移送は、レール110に配置されたロボットハンド12
0に支持されて行われる。尚、本実施例で用いた上記感
光体100は、アルミニウム基板101上にビスアゾ顔
料、ポリブチラール樹脂及びフェノキシ樹脂を含む電荷
発生層と、ヒドラゾン誘導体及びポリカーボネート樹脂
を含む電荷輸送層とを順次形成した積層型感光体であ
る。
【0029】ブラシ槽2内には浸漬槽1内と同一の剥離
液21が収容されており、感光体100をこの液21に
浸漬しながら、感光体100の長手方向に並行に配置さ
れた円柱形状ブラシ26を50rpmで回転させながら感
光体表面を30秒間摺擦して基板上から感光層を剥離し
た。ブラシはパイル長さ30mm、太さ8デニール、密度
200本/cm2のナイロン製のブラシである。本実施例に
おいては、ブラシ槽2内で感光層は剥離液にほとんど溶
け込まずに膜の状態で剥離させることができた。浸漬槽
1及びブラシ槽2内よりオーバーフローした剥離液1
1、21は、それぞれ配管14、24からフィルター1
3、23を経てポンプ12、22により循環される。該
フィルターによって剥離した膜状の感光層等の浮遊物及
び不純物が捕捉されるため、液は長期にわたって清浄な
状態に保たれる。尚、槽1、2の底部には排出ドレン1
5、25及び排出バルブ15'、25'が設けられてお
り、槽1、2中の液の交換等を行うのに使用される。
【0030】このようにして感光層を剥離した感光体基
板101をすすぎ槽3に移す。すすぎ槽3では側壁部に
設置されたノズル32より、水圧10kg/cm2で水量5リ
ットル/分の水道水31をシャワーして60秒間すすい
だ。すすぎ後の液は排出ドレン35により排出される。
次に、すすいだ感光体基板101を水きり槽4に移し
た。水きり槽4内には純水41が収容されており、ヒー
ター42によって水温70℃に保たれている。基板10
1を、この水温70℃の純水に浸漬し、30mm/秒の速
度で引き上げる温純水乾燥を行った。この時、風速1m/
秒にて排気を行いながら、水量10リットル/分にてオ
ーバーフローさせ、オーバーフローした液は排出ドレン
45より排出させた。水の電気伝導度は1μs/cmを保っ
ていた。乾燥させた基板101を防錆処理槽5に移し
た。防錆処理槽5内には防錆剤51として灯油が収容さ
れている。尚、防錆処理槽5には排出ドレン55が設け
られており、防錆槽5底部に溜まった水、その他不純物
をここから排出することができる。基板101を40kH
zの超音波52を適用しながら灯油に20秒間浸漬する
ことにより防錆処理し、もう1つは比較例として防錆処
理を施さなかった。それぞれの感光体を保管槽6として
のダンボール箱内の台座61上に載置し、室温にて1日
間保管した。
【0031】その後、各々の基板を図2に示すように洗
浄した。界面活性剤(第1工業製薬社製、CW−552
0)が5vol%含有された液温40℃の水系洗浄液70
aを満たした洗浄槽7a内に基板101を浸漬して、洗
浄槽内に設置された超音波発振子71より周波数40kH
zで1分間超音波洗浄した後、純水70bを満たした純
水槽7bに基板101を移し純水中でブラシ72にてこ
すり洗浄した。その後、すすぎ槽7c内にて電気伝導度
が5μS/cm以下の純水70cで基板101をすすぎ洗浄
した。次に、基板101を70℃の温純水70dを満た
した温純水槽7dに移送し浸漬した後引き上げ水きり乾
燥した。尚、各洗浄槽7a〜7dに収納された液70a
〜70dは、それぞれポンプ73によりフィルター74
を通して循環され、浄化されている。
【0032】上記各々の再生基板101上に電荷発生層
と電荷輸送層とを順次形成し、市販のミノルタ社製複写
機EP−470Z用の感光体を再び作製した。これで各
々における1回目の再生手段が終了した。
【0033】以上の感光体の基板再生手段を同条件にて
同じ剥離液を使用して3回繰り返した。3回目に再生さ
れた感光体を複写機(コピアEP−470Z:ミノルタ
(株)社製)にそれぞれ搭載し、初期の画像形成を行っ
た後の画像ノイズを調べた。さらに、3回目に再生され
た感光体の初期静電特性を調べた。さらにまた、3回目
の再生において感光層を形成する直前の各々の基板の表
面状態を観察した。各項目について、再生基板ではない
新品の基板を用いた通常のEP−470Z用感光体と比
較を行い、◎、○、×の3段階で評価した。各々の評価
は以下に従い行った。尚、表中「◎」は通常品と同等、
「○」は劣るが使用上問題ない程度、「×」は使用不可
能を表す。
【0034】(基板表面状態)基板表面のくもり、凹
凸、水滴痕の様子を目視により確認し、◎、○、×の3
段階で評価した。 (画像ノイズ)初期の画像(ハーフ画像)において、画
像ノイズ(黒スジ、黒斑点)の発生を目視により確認
し、◎、○、×の3段階で評価した。
【0035】(初期静電特性)初期における感光体10
0の静電特性を図6に示す感光体テスターを用いて測定
した。感光体を周速110mm/secで回転させながら、チ
ャージャー85の印加電圧を−6kVでコロナ帯電させた
時の表面電位V0(V)を電位プローブ82で測定し、さ
らに露光81により表面電位V0が1/2まで減衰する
のに要した露光量(半減露光量)E1/2(lux・sec)
および暗中での5秒後における表面電位の減衰率DDR
5(%)および、イレーサ83でイレース(50lux・se
c)後の残留電位VR(V)を測定した。この結果を◎、
○、×の3段階で評価した。これらの結果を表1にまと
めて示す。
【0036】実施例2および比較例2 保管期間を1週間にした以外は、実施例1と同様にし
て、防錆処理を施した基板および防錆処理を施していな
い基板を使用した2つの感光体を作製した。また、保管
終了後の感光体基板表面および作製した感光体の諸特性
を実施例1と同様にして評価した。その結果をまとめて
表1に示す。
【0037】実施例3および比較例3 保管期間を1カ月間にした以外は、実施例1と同様にし
て、防錆処理を施した基板および防錆処理を施していな
い基板を使用した2つの感光体を作製した。また、保管
終了後の感光体基板表面および作製した感光体の諸特性
を実施例1においてと同様にして評価した。その結果を
まとめて表1に示す。
【0038】実施例4および比較例4 保管期間を6カ月間にした以外は、実施例1と同様にし
て、防錆処理を施した基板および防錆処理を施していな
い基板を使用した2つの感光体を作製した。また、保管
終了後の感光体基板表面および作製した感光体の諸特性
を実施例1においてと同様にして評価した。その結果を
まとめて表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明により、長期間の保管が可能で、
再使用しても基板表面にくもりやシミがなく、しかも良
好な画像が得られる感光体を提供できる感光体再生基板
を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る感光体の基板再生方法の一連の
工程を表す概略図を示す。
【図2】 本発明において採用される洗浄工程の一例を
表す概略図を示す。
【図3】 スプレー式塗布法により感光体基板を防錆処
理する際の概略図の一例を示す。
【図4】 超音波装置を用いて感光体基板を防錆処理す
る際の概略図の一例を示す。
【図5】 超音波装置を用いて感光体基板を防錆処理す
る際の概略図の一例を示す。
【図6】 感光体の静電特性を測定するための感光体テ
スターの概略構成図を示す。
【符号の説明】
1:浸漬槽、2:ブラシ槽、3:すすぎ槽、4:水きり
槽、5:防錆処理槽、5':塗布槽、6:保管槽、7
a:洗浄槽、7b:純水槽、7c:すすぎ槽、7d:温
純水槽、11、21:剥離液、12、22:ポンプ、1
3、23:フィルター、14、24:配管、15、2
5、35、45、55:排出ドレン、15'、25'、5
5':排出バルブ、16:ヒーター、26:ブラシ、3
1:水道水、32:ノズル、41:純水、42:ヒータ
ー、51:防錆剤、52:超音波装置、53:ノズル、
61:台座、70a:水系洗浄液、70b、70c:純
水、70d:温純水、71:超音波発振子、72:ブラ
シ、73:ポンプ、74:フィルター、81:露光、8
2:電位プローブ、83:イレーサ、85:チャージャ
ー、100:感光体、101:感光体基板、110:レ
ール、120:ロボットハンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴 誠 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 吉江 直樹 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板上に層を設けた感光体の基板
    再生方法であって、層を剥離した後、基板を防錆処理す
    ることを特徴とする感光体の基板再生方法。
  2. 【請求項2】 上記層が感光層であることを特徴とす
    る、請求項1記載の感光体の基板再生方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000066426A (ja) * 1998-08-20 2000-03-03 Yamao Kosakusho:Kk Opcドラムの再生装置
JP2010237369A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Yamanashi Electronics Co Ltd 電子写真感光体の再生方法及び再生された電子写真感光体

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