JPH0980766A - 感光体の製造方法 - Google Patents

感光体の製造方法

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JPH0980766A
JPH0980766A JP26477795A JP26477795A JPH0980766A JP H0980766 A JPH0980766 A JP H0980766A JP 26477795 A JP26477795 A JP 26477795A JP 26477795 A JP26477795 A JP 26477795A JP H0980766 A JPH0980766 A JP H0980766A
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JP
Japan
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conductive substrate
cleaning
photosensitive layer
liquid
tanks
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JP26477795A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Tanaka
良明 田中
Makoto Ban
誠 伴
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性基体を複数の洗浄槽で水系の洗浄液に
より洗浄するにあたり、導電性基体の表面に界面活性剤
等の洗剤の膜が部分的に形成されたり、乾燥による境界
が生じないようにし、この導電性基体の表面に感光層が
うまく均一に形成された感光体が得られるようにする。 【解決手段】 導電性基体1を水系の洗浄液3で洗浄し
た後、導電性基体の表面に感光層を形成する感光体の製
造方法において、上記導電性基体を複数の洗浄槽2に導
いて順々に水系の洗浄液で洗浄を行なうにあたり、導電
性基体を洗浄槽間で移送する際に、この導電性基体の表
面に水系の液を供給し、或いは高湿雰囲気下において導
電性基体を洗浄槽間で移送させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の画像形成装置に使用される感光体を製造する感
光体の製造方法に係り、特に、導電性基体を水系の洗浄
液で洗浄した後、この導電性基体の表面に感光層を形成
するようにした感光体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置に使用する感光体としては、一般にアルミニウ
ム等で構成された導電性基体上に感光層を形成したもの
が用いられていた。
【0003】ここで、このような感光体に使用する導電
性基体を得るにあたっては、一般に導電性基体の表面に
切削等の機械的加工を施すため、加工後における導電性
基体の表面には、埃,金属微片,錆,油等の異物が付着
しており、このような異物を十分に除去しないで導電性
基体の表面に感光層を形成すると、このような異物によ
って形成される感光層に欠陥が生じ、この感光体を用い
て画像形成を行なった場合に画像欠損が発生したり、感
光体にクリーニング不良が発生する等の問題があった。
【0004】このため、従来においても、加工後におけ
る導電性基体の表面に付着している埃,金属微片,錆,
油等の異物を除去するため、この導電性基体を洗浄する
ことが行なわれていた。
【0005】そして、従来においては、このような導電
性基体を洗浄する洗浄剤として、一般にフロンや1,
1,1−トリクロロエタン等の溶剤が使用されていた。
【0006】しかし、これらの溶剤は大気中に放出され
ると成層圏のオゾンを破壊する等の問題があり、地球環
境を害するものとして国際的に使用が規制される方向に
あるため、近年においては、このような溶剤を使用しな
いで、導電性基体を洗浄する方法について研究開発が行
なわれ、上記のような導電性基体を水系の洗浄液によっ
て洗浄することが行なわれるようになった。
【0007】ここで、このように導電性基体を水系の洗
浄液で洗浄するにあたっては、一般に図1に示すよう
に、導電性基体1を複数の洗浄槽2に順々に導き、各洗
浄槽2内に収容された水系の洗浄液3中に導電性基体1
を浸漬させ、導電性基体1の表面に付着している上記の
異物を超音波やブラシ等により導電性基体1の表面から
除去するようにしたり、また洗浄槽2内において水系の
洗浄液を導電性基体1に吹き付け、導電性基体1の表面
に付着している異物をこのように吹き付けた水系の洗浄
液によって導電性基体1の表面から除去することが行な
われていた。
【0008】しかし、上記のように導電性基体1を複数
の洗浄槽2に順々に導いて洗浄を行なうようにした場
合、導電性基体1を洗浄槽2間において移送させる間
に、導電性基体1に付着していた水系の洗浄液3が部分
的に乾燥し、この水系の洗浄液3に含まれていた界面活
性剤等の洗剤の膜が導電性基体1の表面に部分的に形成
されたり、また導電性基体1を洗浄槽2間において移送
する間に、導電性基体1に付着していた水系の洗浄液が
導電性基体1の上端側から順々に乾燥されると共に、洗
浄槽2からの蒸気や熱等の影響によってその下端側から
も順々に乾燥され、乾燥条件が異なる上端側からの乾燥
と下端側からの乾燥とによって導電性基体1の表面に境
界が生じた。
【0009】そして、上記のように界面活性剤等の洗剤
の膜が部分的に形成されたり、乾燥による境界が生じた
導電性基体1の表面に感光層を形成するようにした場
合、感光層の形成がうまく行なえず、特に、バインダー
樹脂や感光性材料を溶剤に溶解或いは分散させた感光層
用塗液を導電性基体の表面に塗布して感光層を形成する
ようにした場合、上記のように界面活性剤等の洗剤の膜
が形成された部分や、乾燥による境界部分において、感
光層に塗布むらや凝集等が生じたり、導電性基体に対す
る感光層の接着性が悪くなったりし、このようにして得
た感光体を用いて画像形成を行なった場合、形成された
画像に斑点ノイズ等が発生して、画質が低下するという
問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、導電性基
体を水系の洗浄液で洗浄した後、この導電性基体の表面
に感光層を形成して感光体を製造する場合における上記
のような問題を解決することを課題とするものである。
【0011】すなわち、この発明においては、前記のよ
うに導電性基体を複数の洗浄槽に順々に導き、各洗浄槽
内において導電性基体を水系の洗浄液で洗浄するにあた
り、導電性基体を洗浄槽間において移送させる間に、導
電性基体に付着した水系の洗浄液が部分的に乾燥して、
導電性基体の表面に界面活性剤等の洗剤の膜が部分的に
形成されたり、導電性基体の上端側と下端側からそれぞ
れ異なった条件で乾燥されて境界が生じたりすることが
ないようにし、この導電性基体の表面に感光層がうまく
均一に形成された感光体が得られ、この感光体を用いて
画像形成を行なった場合に、上記のように形成された画
像に斑点ノイズ等が発生するということがなく、画質の
良い良好な画像形成が安定して行なえるようにすること
を課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明における第1の
感光体の製造方法においては、上記のような課題を解決
するため、導電性基体を水系の洗浄液で洗浄した後、こ
の導電性基体の表面に感光層を形成する感光体の製造方
法において、上記導電性基体を複数の洗浄槽に導いて順
々に水系の洗浄液で洗浄を行なうにあたり、導電性基体
を洗浄槽間で移送する際に、この導電性基体の表面に水
系の液を供給するようにしたのである。
【0013】また、この発明における第2の感光体の製
造方法においては、導電性基体を水系の洗浄液で洗浄し
た後、この導電性基体の表面に感光層を形成する感光体
の製造方法において、上記導電性基体を複数の洗浄槽に
導いて順々に水系の洗浄液で洗浄を行なうにあたり、高
湿雰囲気下において導電性基体を洗浄槽間で移送させる
ようにしたのである。
【0014】ここで、この発明における第1及び第2の
感光体の製造方法に示すように、導電性基体の表面に感
光層を形成する前に、この導電性基体を複数の洗浄槽に
導いて順々に水系の洗浄液で洗浄を行なうにあたり、導
電性基体を洗浄槽間で移送させる際に、この導電性基体
の表面に水系の液を供給したり、この導電性基体の移送
を高湿雰囲気下で行なうようにすると、導電性基体が洗
浄槽間で移送される間に、この導電性基体に付着した洗
浄液が乾燥するということがなく、従来のように、導電
性基体の表面において洗浄液が部分的に乾燥して、界面
活性剤等の洗剤の膜が導電性基体の表面に部分的に形成
されたり、導電性基体の上端側からの乾燥と下端側から
の乾燥とによって導電性基体の表面に境界が発生すると
いうこともなくなる。
【0015】そして、この発明に示すようにして導電性
基体を洗浄した後、この導電性基体の表面に感光層を形
成する場合、特に、感光性材料とバインダー樹脂とを溶
剤に溶解又は分散させた感光層用塗液を導電性基体の表
面に塗布して感光層を形成する場合においても、形成さ
れる感光層に塗布むらや凝集等が生じるということがな
く、また導電性基体の表面に対する感光層の接着性が悪
化するということもなく、導電性基体の表面に感光層が
均一に良好な状態で形成されるようになる。
【0016】ここで、この発明において使用する導電性
基体としては、従来より一般に使用されている公知のも
のを用いることができ、例えば、銅,アルミニウム,
鉄,ニッケル等の導電性材料で構成されたものを使用す
ることができる。
【0017】また、この発明において、上記の導電性基
体を複数の洗浄槽において洗浄するにあたっては、洗浄
槽の数は2以上あれば十分であるが、その数が多い方が
導電性基体の洗浄がより十分に行なわれるようになる。
しかし、洗浄槽の数が増えると、導電性基体を移送する
回数が増えるため、導電性基体に付着した洗浄液が乾燥
しやすくなる欠点があるが、この発明に示すようにして
導電性基体を洗浄すると、洗浄槽の数が多い場合におい
ても、導電性基体の表面において洗浄液が部分的に乾燥
して、界面活性剤等の洗剤の膜が導電性基体の表面に部
分的に形成されたり、導電性基体の上端側からの乾燥と
下端側からの乾燥とによって境界部分が発生するという
ことがない。
【0018】そして、上記のように導電性基体を各洗浄
槽内において洗浄するのに使用する水系の洗浄液として
は、従来より一般に使用されている公知のものを用いる
ことができ、例えば、水道水、純水、イオン交換水、ま
たこれらに界面活性剤や炭化水素系溶剤や高級アルコー
ル等を含有させたものや、化学エッチング用の洗浄液等
を使用することができる。
【0019】ここで、上記のように水に界面活性剤等の
洗剤を含有させる場合、切削油等の油性の汚れが十分に
除去されるようにするため、その洗剤濃度が0.5〜3
0vol%、好ましくは4〜15vol%、より好まし
くは1〜10vol%になるようにする。
【0020】また、上記のように導電性基体を洗浄槽間
で順々に移送させて洗浄を行なう場合、最終の洗浄槽に
近づくに従って純度の高い水を使用することが好まし
く、特に、最終の洗浄槽においては不純物の存在しない
純水であって、電気伝導度が5μs/cm以下、好まし
くは1μs/cm以下のものを用いることが好ましい。
【0021】また、上記のような水系の洗浄液により各
洗浄槽内で導電性基体を洗浄する場合、導電性基体の洗
浄が十分に行なわれるようにすると共に、導電性基体を
洗浄槽間で移送させる際に、この導電性基体が乾燥しな
いようにするため、洗浄槽における水系の洗浄液の液温
を15〜65℃、好ましくは30〜50℃にする。
【0022】そして、上記のような水系の洗浄液を用い
て導電性基体を各洗浄槽において洗浄するにあたって
は、例えば、ブラシを導電性基体の表面に押し付けて洗
浄するブラシクラッピング,洗浄液を導電性基体に向け
て高圧で噴出させるジェットスプレー洗浄,超音波を使
用した超音波洗浄等の物理的洗浄を適当に組み合わせて
行なうことができる。
【0023】ここで、ブラシによって導電性基体を洗浄
する場合、そのブラシとしては、導電性基体の表面を傷
つけることなく、導電性基体の表面に付着した埃等が十
分に除去されるようにするため、そのパイル長さが5〜
50mm,パイル太さが2.5〜30.0デニール、好
ましくは3〜10デニール、パイル密度が100本/c
2 以上で、そのブラシの材料には、レーヨン,ナイロ
ン,アクリル,ポリエステル,ポリプロピレン,テトラ
フルオロエチレン等を使用することができ、特に、ナイ
ロン,ポリエステル,獣毛等で構成されたブラシを使用
することが好ましい。
【0024】また、導電性基体を洗浄槽に収容された洗
浄液中に浸漬させて超音波洗浄する場合には、その洗浄
効率を向上させるため、30〜90Hzの超音波を用い
て10〜90秒間洗浄することが好ましい。
【0025】また、上記のように導電性基体を複数の洗
浄槽において洗浄する場合、最終の洗浄槽においては、
導電性基体の最終洗浄とその乾燥とが同時に上手く行な
われるようにするため、導電性基体を洗浄液中に浸漬さ
せた後、この導電性基体を洗浄液中から引き上げながら
水切り乾燥させることが好ましい。なお、この場合、導
電性基体の水切り乾燥がうまく行なわれるようにするた
め、この最終洗浄槽における洗浄液の液温を40〜10
0℃、好ましくは40〜70℃にすると共に、導電性基
体の引き上げ速度を5〜100mm/s、好ましくは5
〜50mm/sにする。但し、この発明においては、最
終の洗浄槽において必ずしも導電性基体を水切り乾燥さ
せる必要はなく、最終の洗浄槽で導電性基体を洗浄した
後、加熱等により導電性基体を乾燥させることも可能で
ある。
【0026】また、この発明における第1の感光体の製
造方法において、導電性基体を洗浄槽間で移送する際
に、この導電性基体の表面に供給する水系の液は、導電
性基体に悪影響を及ぼすことがなく、導電性基体の乾燥
を抑制できるものであればどのような液体であってもよ
いが、各洗浄槽において使用した水系の洗浄液を導電性
基体に吹き付けるようにすることが好ましい。また、導
電性基体の表面に供給する水系の液の量は、液体を導電
性基体の表面に供給する方法や導電性基体の大きさによ
って異なるが、一般には5リットル/分、好ましくは1
〜3リットル/分にし、またこの液体の温度は、導電性
基体の乾燥を抑制するため低温であることが好ましい。
【0027】一方、この発明における第2の感光体の製
造方法において、導電性基体を洗浄槽間で移送させる場
合における高湿雰囲気の条件としては、導電性基体にお
ける乾燥を抑制できる範囲であればよく、絶対湿度が
0.02以上、好ましくは0.02〜0.14、より好
ましくは0.02〜0.14の高湿雰囲気になるように
する。また、乾燥を抑制する点からは、絶対湿度が高い
程よいが、感光層の塗工性、生産性、高湿雰囲気下での
安定性等の点からみて、温度が25〜80℃、相対湿度
が30%以上、好ましくは50%以上に設定することが
適当である。
【0028】次に、上記のようにして導電性基体を洗浄
した後、この導電性基体の表面に感光層を形成する場
合、感光層を構成する材料としては、有機材料又は無機
材料の何れの材料も用いることができ、またこの感光層
の構造は、電荷発生材料と電荷輸送材料とが含有された
単層型の感光層であっても、電荷発生材料が含有された
電荷発生層と電荷輸送材料が含有された電荷輸送層とが
積層された機能分離型の感光層であってもよく、さらに
このような感光層の表面に保護層を設けたり、導電性基
体と感光層との間に中間層や下引層等を設けるようにし
てもよい。
【0029】ここで、上記の電荷発生材料としては、例
えば、ビスアゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チ
アジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、
シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、
アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペ
リレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾ
ール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔
料、フタロシアニン系顔料等の公知の有機系顔料及び染
料等を用いることができる。
【0030】また、上記の電荷輸送材料としては、例え
ば、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化
合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾール化
合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、エナミ
ン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルアミン化
合物、テトラフェニルベンジジン化合物、アジン化合物
等の公知の電荷輸送材料を使用することができる。
【0031】また、導電性基体の表面に感光層を形成す
る方法も特に限定されず、この発明のようにして導電性
基体を洗浄すると、前記のように導電性基体の表面に界
面活性剤等の洗剤の膜が部分的に形成されたり、乾燥に
よる境界が発生するということがないため、特にバイン
ダー樹脂や感光性材料を溶媒に溶解又は分散させた感光
層用塗液を導電性基体の表面に塗布して感光層を形成す
る場合に有効である。
【0032】そして、このように導電性基体の表面に感
光層用塗液を塗布する場合、その塗布方法としては、公
知の塗布方法を使用することができ、例えば、浸漬塗布
法,スプレー塗布法,スピナー塗布法,ブレード塗布
法,ローラー塗布法,マイヤーバー塗布法等の様々な方
法を使用することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る感光体の製
造方法の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0034】(実施形態1)この実施形態においては、
円筒状に形成された導電性基体1を洗浄するにあたり、
図2に示すように、第1〜第3の3つの洗浄槽2a,2
b,2cにそれぞれ水系の洗浄液3a,3b,3cを収
容させると共に、それぞれの洗浄槽2a,2b,2c内
に収容された水系の洗浄液3a,3b,3cをそれぞれ
ホンプ4によりフィルター5を通して循環させて、各洗
浄槽2a,2b,2c内における水系の洗浄液3a,3
b,3cをそれぞれ浄化させるようにし、また第1及び
第2の洗浄槽2a,2b内においてはそれぞれ導電性基
体1を超音波洗浄するための超音波発生装置6を設けて
いる。
【0035】また、上記の第1〜第3の洗浄槽2a,2
b,2cの上には導電性基体1を移送させる移送室7を
設け、この移送室7内における温度や湿度を調整できる
ようにすると共に、各洗浄槽2a,2b,2c内に収容
された水系の洗浄液3a,3b,3cをそれぞれホンプ
8a,8b,8cにより汲み上げ、このように汲み上げ
た各洗浄液3a,3b,3cをそれぞれ噴射ノズル9
a,9b,9cから噴射させて、洗浄槽2a,2b,2
c間において移送される導電性基体1に上記の水系の洗
浄液3a,3b,3cを吹き付けるようにしている。
【0036】そして、この実施形態のものにおいて、上
記の導電性基体1を洗浄するにあたっては、この導電性
基体1を移送室7内に導き入れて第1の洗浄槽2aに導
き、この第1の洗浄槽2a内に収容された水系の洗浄液
3a中に浸漬させて上記の超音波発生装置6により所要
時間超音波洗浄した後、この導電性基体1を第1の洗浄
槽2aから引き上げ、移送室7内を移動させて第2の洗
浄槽2bに導き、この第2の洗浄槽2b内に収容された
水系の洗浄液3b中に浸漬させて、第1の洗浄槽2aの
場合と同様に、超音波発生装置6により所要時間超音波
洗浄し、さらにこの導電性基体1を第2の洗浄槽2bか
ら引き上げ、移送室7内を移動させて第3の洗浄槽2c
に導き、この第3の洗浄槽2c内に収容された水系の洗
浄液3c中に浸漬させて洗浄し、この第3の洗浄槽2c
内において導電性基体1を移動させ、この導電性基体1
を第3の洗浄槽2c内に収容された水系の洗浄液3c中
から引き上げながら乾燥させるようにする。
【0037】また、上記のように導電性基体1を移送室
7内において移送させる場合には、各洗浄槽2a,2
b,2c内における水系の洗浄液3a,3b,3cを、
前記のようにそれぞれホンプ8a,8b,8cにより汲
み上げて各噴射ノズル9a,9b,9cからそれぞれ導
電性基体1に吹き付けるようにする。
【0038】このようにすると、導電性基体1を移送室
7内において第1洗浄槽2aから第2洗浄槽2bに、ま
た第2洗浄槽2bから最終の第3洗浄槽2cに移送する
間において、導電性基体1の表面が乾燥するということ
がなく、界面活性剤等の洗剤の膜が導電性基体1の表面
に部分的に形成されたり、導電性基体1の上端側からの
乾燥と下端側からの乾燥とによって導電性基体1の表面
に境界が発生するということがない。
【0039】そして、上記のように第3の洗浄槽2c内
に収容された水系の洗浄液3c中から導電性基体1を引
き上げながら乾燥させた後は、この導電性基体1の表面
に感光層を形成する。
【0040】ここで、上記のようにして洗浄された導電
性基体1の表面に感光層を形成する場合、導電性基体1
の表面に界面活性剤等の膜が部分的に形成されたり、導
電性基体1の上端側からの乾燥と下端側からの乾燥とに
よる境界が導電性基体1の表面に発生していないため、
この導電性基体1の表面に十分に接着された状態で感光
層が均一に形成される。
【0041】(実施形態2)この実施形態においても、
上記の実施形態1の場合と同様にして、円筒状に形成さ
れた導電性基体1を洗浄するようになっているが、この
実施形態のものにおいては、図2に示すように、導電性
基体1を移送室7内で移送させるあたって、各洗浄槽2
a,2b,2c内における水系の洗浄液3a,3b,3
cを導電性基体1に吹き付けないようにする一方、導電
性基体1を移送させる移送室7内を絶対湿度が0.02
以上の高湿雰囲気になるように調整する。
【0042】このように移送室7内を高湿雰囲気にする
と、上記の実施形態1の場合と同様に、移送室7内にお
いて導電性基体1を移送する間において、この導電性基
体1の表面が乾燥するということがなく、界面活性剤等
の洗剤の膜が導電性基体1の表面に部分的に形成された
り、導電性基体1の上端側からの乾燥と下端側からの乾
燥とによって導電性基体1の表面に境界が発生するとい
うことがなく、導電性基体1の表面に感光層を形成した
場合に、感光層がこの導電性基体1の表面に十分に接着
された状態で均一に形成されるようになる。
【0043】次に、この発明における感光体の製造方法
をより具体的な実施例に基づいて説明すると共に、実施
例の方法によって製造された感光体とこの発明の条件を
満たしていない比較例の方法によって製造された感光体
とを比較し、実施例の方法によると良好な感光体が得ら
れることを明らかにする。
【0044】(実施例1〜12及び比較例1)この実施
例1〜12及び比較例1においては、導電性基体1とし
て、JIS3003のアルミニウム合金で直径80m
m,長さ350mm,厚み1mmの円筒状に形成された
ものを用いるようにした。
【0045】また、上記の第1の洗浄槽2aにおける洗
浄液3aには、洗剤(第1工業製薬社製,CW−552
0)が5vol%含有された液温40℃の水系洗浄液
を、第2の洗浄槽2bにおける洗浄液3bには、電気伝
導度が1μs/cmになった液温40℃の純水を、第3
の洗浄槽2cにおける洗浄液3cには電気伝導度が1μ
s/cmになった液温60℃の純水を使用した。
【0046】そして、実施例1〜12及び比較例1にお
いて、上記の導電性基体1を各洗浄槽2a,2b,2c
において洗浄するにあたり、第1の洗浄槽2aにおいて
は、導電性基体1を上記の洗浄液3a中に浸漬させると
共に上記の超音波発生装置6から周波数40kHzの超
音波を発信させて導電性基体1を90秒間超音波洗浄
し、また第2の洗浄槽2bにおいては、導電性基体1を
上記の洗浄液3b中に浸漬させると共に上記の超音波発
生装置6から周波数40kHzの超音波を発信させて、
導電性基体1を90秒間超音波洗浄し、さらに第3の洗
浄槽2cにおいては、導電性基体1を上記の洗浄液3c
中に60秒間浸漬させるようにした。
【0047】また、このように導電性基体1を第3の洗
浄槽2c内の洗浄液3c中に60秒間浸漬させた後は、
この導電性基体1を上記の洗浄液3c中から10mm/
sの引上げ速度で引き上げながら、この導電性基体1を
乾燥させるようにした。
【0048】ここで、上記のように導電性基体1を各洗
浄槽2a,2b,2cにおいて順々に洗浄するように、
導電性基体1を移送室7内において順々に移送するにあ
たり、実施例1〜12及び比較例1においては、上記の
移送室7内における絶対湿度を調整し、また実施例1〜
9においては、前記の実施形態1で示したように、移送
室7内において移送される導電性基体1に対し、各洗浄
槽2a,2b,2cにおける各洗浄液3a,3b,3c
の温度を調整して吹き付けるようにした。
【0049】ここで、実施例1,2においては、導電性
基体1に各洗浄液3a,3b,3cを噴霧させるにあた
り、図4(A),(B)に示すように、導電性基体1よ
り径の大きいリング状になった噴射ノズル91を設け、
この噴射ノズル91からそれぞれ洗浄液3a,3b,3
cを導電性基体1に向けて噴射させるようにし、また実
施例3においては、図5(A),(B)に示すように、
導電性基体1の軸方向に沿って直線状に伸びた噴射ノズ
ル92を導電性基体1の両側に設け、この両側の噴射ノ
ズル92からそれぞれ洗浄液3a,3b,3cを導電性
基体1に向けて噴射させるようにし、また実施例4,5
においては、図6(A),(B)に示すように、導電性
基体1の軸方向に沿って直線状に伸びた噴射ノズル92
を導電性基体1の片側に設け、この噴射ノズル92から
それぞれ洗浄液3a,3b,3cを導電性基体1に向け
て噴射させると共に導電性基体1を回転させるように
し、また実施例6〜9においては、上記実施例4,5の
場合と同様に、導電性基体1の片側に設けられた噴射ノ
ズル92からそれぞれ洗浄液3a,3b,3cを導電性
基体1に向けて噴射させるようにしたが、導電性基体1
を回転させないようにした。
【0050】そして、実施例1〜12及び比較例1にお
いては、導電性基体1を移送させる上記の移送室7内に
おける絶対湿度,室温,相対湿度を下記の表1に示すよ
うに調整すると共に、実施例1〜9のものにおいては、
それぞれの噴射ノズル91,92から噴射させる各洗浄
液3a,3b,3cの温度及び流量を同表に示すように
調整し、前記のようにしてそれぞれ導電性基体1を洗浄
するようにした。
【0051】
【表1】
【0052】次に、上記のようにして洗浄した各導電性
基体1の表面に感光層を形成して、感光体を製造するよ
うにした。
【0053】ここで、各導電性基体1の表面に感光層を
形成するにあたっては、先ず、電荷発生材料として下記
の化1に示すビスアゾ顔料を使用し、このビスアゾ顔料
1重量部とポリエステル樹脂(東洋紡社製,バイロン−
200)1重量部とをシクロヘキサノン98重量部に加
え、これらをサンドグラインダーで粉砕及び分散処理し
て電荷発生層用塗液を調製し、この電荷発生層用塗液を
浸漬塗布法により各導電性基体1の表面に乾燥後の膜厚
が0.3μmになるように塗布して各導電性基体1の表
面に電荷発生層を形成した。
【0054】
【化1】
【0055】次に、電荷輸送材料として下記の化2に示
すブタジエン誘導体を用い、この電荷輸送材料13重量
部とポリカーボネート樹脂(帝人化成社製,K−130
0)13重量部とをジクロメタン87重量部に溶解させ
て電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を
上記のように電荷発生層が形成された各導電性基体1上
に浸漬塗布法により乾燥後の膜厚が20μmになるよう
に塗布し、これを乾燥させて、それぞれ導電性基体1の
表面に電荷発生層と電荷輸送層とが積層された実施例1
〜12及び比較例1の各感光体を得た。
【0056】
【化2】
【0057】次に、このようにして得た実施例1〜12
及び比較例1の各感光体を市販の複写機(ミノルタ社
製,EP−4050)に搭載して画像形成を行ない、ハ
ーフトーン部分における画像の状態を調べその結果を下
記の表2に示した。なお、表2においては、濃度むらが
発生しなかった場合を○で、若干濃度むらが発生したが
実用上問題がない場合を△で、濃度むらが多く発生して
実用上問題がある場合を×で示した。
【0058】
【表2】
【0059】この結果から明らかなように、導電性基体
1を移送室7内において移送させる際に、導電性基体1
に各洗浄液3a,3b,3cを吹き付けず、またその移
送室7内の雰囲気を高湿雰囲気ではない絶対湿度0.0
1の条件に設定して洗浄を行なった導電性基体1を用い
た比較例1の感光体においては、形成されたハーフトー
ンの画像に濃度むらが多く発生したのに対し、この発明
の条件を満たしている実施例1〜12のものにおいて
は、比較例のものに比べて良好な画像が得られるように
なった。
【0060】また、実施例1〜9のものを比較した場
合、導電性基体1に各洗浄液3a,3b,3cを吹き付
けるにあたって、図4及び図6に示すようにして、各洗
浄液3a,3b,3cが導電性基体1の全面にうまく吹
き付けられるようにすることが好ましく、また導電性基
体1に吹き付ける洗浄液3a,3b,3cの液温につい
ては、その温度が高くなると、導電性基体1に吹き付け
られた洗浄液3a,3b,3cが乾燥しやすくなるた
め、吹き付ける洗浄液3a,3b,3cの液温を低くす
ることが好ましかった。
【0061】なお、上記の各実施形態及び実施例におい
ては、導電性基体1を第1〜第3の3つの洗浄槽2a,
2b,2cにおいて洗浄させるようにしたが、洗浄槽2
の数を増加させたり、また洗浄槽2の数を2つにするこ
とも可能である。
【0062】また、移送室7内において移送される導電
性基体1の表面に洗浄液3a,3b,3cを供給する方
法も、特に上記の実施例に示した方法に限られず、導電
性基体1の表面全体にうまく洗浄液3a,3b,3cを
供給できるようになっていればどのような方法であって
もよい。
【0063】さらに、導電性基体1を各洗浄槽2a,2
b,2cにおいて洗浄する方法も、上記の各実施形態及
び実施例に示した方法に限られず、各洗浄槽2a,2
b,2c内において導電性基体1にそれぞれの洗浄液3
a,3b,3cを噴射させて洗浄させたりする等の公知
の方法を使用することができる。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
感光体の製造方法においては、導電性基体の表面に感光
層を形成する前に、この導電性基体を複数の洗浄槽にお
いて順々に洗浄するにあたり、導電性基体を洗浄槽間に
おいて移送する際に、この導電性基体の表面に水系の液
を供給したり、この導電性基体の移送を高湿雰囲気下で
行なうようにしたため、この導電性基体が洗浄槽間で移
送される際に、この導電性基体の表面が乾燥するという
ことがなく、従来のように導電性基体の表面に界面活性
剤等の洗剤の膜が部分的に形成されたり、また導電性基
体の上端側からの乾燥と下端側からの乾燥とによって境
界が生じるということがなく、このように洗浄した導電
性基体の表面に感光層が十分に接着された状態で均一に
形成されるようになった。
【0065】この結果、この発明の方法によって製造し
た感光体を用いて画像形成を行なった場合、形成される
画像に斑点ノイズ等が発生したり、濃度むらが生じたり
するということがなく、良好な画像が安定して得られる
ようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光体を製造するにあたって、導電性基体を複
数の洗浄槽において順々に洗浄する従来の方法を示した
概略説明図である。
【図2】この発明における感光体の製造方法の実施形態
1において、導電性基体を複数の洗浄槽において順々に
洗浄する状態を示した概略説明図である。
【図3】この発明における感光体の製造方法の実施形態
2において、導電性基体を複数の洗浄槽において順々に
洗浄する状態を示した概略説明図である。
【図4】この発明における感光体の製造方法の実施例に
おいて、リング状になった噴射ノズルから洗浄液を導電
性基体に向けて噴射させる状態を示した概略説明図であ
る。
【図5】この発明における感光体の製造方法の実施例に
おいて、導電性基体の両側における噴射ノズルからそれ
ぞれ洗浄液を導電性基体に向けて噴射させる状態を示し
た概略説明図である。
【図6】この発明における感光体の製造方法の実施例に
おいて、導電性基体の片側における噴射ノズルから洗浄
液を導電性基体に向けて噴射させる状態を示した概略説
明図である。
【符号の説明】
1 導電性基体 2,2a,2b,2c 洗浄槽 3,3a,3b,3c 洗浄液 7 移送室 8a,8b,8c ホンプ 9a,9b,9c,91,92 噴射ノズル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体を水系の洗浄液で洗浄した
    後、この導電性基体の表面に感光層を形成する感光体の
    製造方法において、上記導電性基体を複数の洗浄槽に導
    いて順々に水系の洗浄液で洗浄を行なうにあたり、導電
    性基体を洗浄槽間で移送する際に、この導電性基体の表
    面に水系の液を供給することを特徴とする感光体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 導電性基体を水系の洗浄液で洗浄した
    後、この導電性基体の表面に感光層を形成する感光体の
    製造方法において、上記導電性基体を複数の洗浄槽に導
    いて順々に水系の洗浄液で洗浄を行なうにあたり、高湿
    雰囲気下において導電性基体を洗浄槽間で移送させるこ
    とを特徴とする感光体の製造方法。
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