JP3711690B2 - 電子写真感光体用導電性基体、それを用いた電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体用導電性基体、それを用いた電子写真感光体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を使用した電子写真感光体用導電性基体、電子写真感光体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に電子写真感光体は円筒状等の導電性基体上に光導電層を形成したものである。この円筒状基体としてはアルミニウム、鉄、ステンレス、銅、亜鉛、ニッケル、導電化処理したプラスチック、ガラス等が材料として挙げられるが、これらの中では比較的安価、軽量で加工性が良く、電気特性を損なわないアルミニウムまたはアルミニウム合金が広く用いられている。
【0003】
通常、アルミニウムを円筒状の基体として用いる場合は、アルミニウムビレットをポートホール法、マンドレル法等により押し出し管に加工し、続いて所定の肉厚、外径寸法の円筒とするため、引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工、あるいは切削による鏡面加工を行うことで作ることができる。また、「ちりかぶり」(白色面にちりがかかったような画像)等の画像欠陥を防止するために陽極酸化処理を行う場合がある。基体表面には引き抜き油、切削油、防錆油、空気中の各種塵埃等が付着しているため、このままでは均一な感光層を形成することができない。そのため、通常、基体表面を十分に洗浄してこれらを除去した後に光導電層が設けられる。
【0004】
従来、基体の洗浄には、トリクロルエチレンや1,1,1−トリクロルエタン等の塩素系溶剤、フロン113等のフッ素系溶剤、石油系炭化水素系溶剤等及びこれらの混合物を用いて、浸漬洗浄または超音波の作用下での浸漬洗浄、ブラシ、スポンジ等による擦り洗浄、ジェット洗浄、溶剤蒸気洗浄の単独または組み合わせにより洗浄が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの有機溶剤は洗浄力が高く、特に塩素系溶剤およびフッ素系溶剤は不燃性という特性から長所があり、それらの溶剤が用いられることが多かった。しかしながら、近年塩素系溶剤による環境汚染やフッ素系溶剤によるオゾン層破壊等の問題が顕在化されるとともに、これらの有機溶剤の代替洗浄液および代替洗浄法の要求が強まっており、環境問題の少ない水系の洗浄法に転換することが望まれている。
【0006】
水系の洗浄法では界面活性剤を含有した洗浄液を使用した洗浄方法が注目されており、それらの主な洗浄剤としてアルカリ系洗剤、中性洗剤が挙げられる。洗浄対象物がアルミニウム等の金属である場合、アルカリ洗剤では洗浄力は高いものの不均一なエッチングによるムラが発生したり、その後の水洗、乾燥等の処理によっては、洗剤成分の残存による腐食の問題が生ずることがある。中性洗剤を用いた場合でも、エッチングや腐食の問題が発生することが少なくなく、このような洗浄剤で洗浄を行った導電性基体を用いて製造した電子写真感光体には、コピー画像にポチ、白ポチ、ムラ等の欠陥が生じることがある。
【0007】
これらの課題に対して、特開平7−219244号公報には、N−メチル−2−ピロリドンと水を含有する洗浄液で効果的にアルミニウム基体表面の汚れを除去し、基体表面を不均一に腐食することなく洗浄できることが提案されている。また、特願平7−258605号では、1,2−ブタンジオールと水を含有した洗浄液で洗浄することで、特開平7−219244号公報と同様の効果が得られることを提案した。
【0008】
通常、これらの洗浄処理後、基体表面に残留している洗浄液を除去するために、水を用いた濯ぎ処理が行われ、続いて、50〜95℃程度に加温された純水中に所定時間浸漬後、所定速度で引き上げられて乾燥される。
しかしながら、洗浄前の自然酸化皮膜の性状や洗浄処理条件によっては、アルミニウム基体と温純水との水和反応により、その表面に不均一な溶解や水和物等の生成がおこることが多い。そのようなアルミニウム基体に光導電層を形成すると、塗布ムラが発生したり、製造された電子写真感光体は、暗部電位の低下及びバラツキ、明部電位の低下等を招き、その画像特性に黒点、白点、ムラなどの欠陥が生じることがある。
【0009】
また、アルミニウム基体表面の自然酸化皮膜は、一般的に環境変化に対して安定であると言われているが、電子写真感光体においては十分とは言えず、特に水分に対する安定性の向上が望まれている。
本発明は上記した問題を解決し、塗布ムラ、電気特性、画像特性の均一性や安定性を向上させた電子写真感光体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基体上に少なくとも光導電層を設けてなる電子写真感光体及びその製造法において、該導電性基体表面を少なくとも燐酸イオンを含有する水溶液と接触させることによって、その表面のエックス線光電子分光法で測定したアルミニウム表面の酸化物状態のアルミニウムの金属状態のアルミニウムに対する元素組成比を1乃至2.5の範囲、より好ましくは1.4乃至2.1の範囲、かつ燐のアルミニウムに対する元素組成比を0.02乃至0.1の範囲、より好ましくは0.04乃至0.1の範囲にすることによって、温純水等の乾燥処理や水洗による導電性基体表面の不均一な変質を防止し、さらに製造された導電性基体表面性が均一で安定であるとともに電気特性が改良されることを見いだし、本発明に到達した。
【0011】
即ち、本発明の第一の要旨は、エックス線光電子分光法で測定した表面の酸化物状態のアルミニウム金属状態のアルミニウムに対する元素組成比が1乃至2.5の範囲であり、かつ、燐のアルミニウムに対する元素組成比が0.02乃至0.1の範囲であることを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電子写真感光体用導電性基体に存する。
【0012】
また、本発明の第二の要旨は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基体上に少なくとも光導電層を設けてなる電子写真感光体であって、該導電性基体が上記電子写真感光体用導電性基体であることを特徴とする電子写真感光体に存する。更に、本発明の第三の要旨は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基体上に少なくとも光導電層を設けてなる電子写真感光体の製造法において、導電性基体を少なくともリン酸イオンを含有する水溶液に接触させ、第一の要旨の表面組成にすることを特徴とする電子写真感光体基体の製造方法に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明において用いる電子写真感光体の導電性基体としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金が使用される。アルミニウム製導電性基体の材質としては、例えば、JIS1050、JIS1070、JIS1080等の純アルミニウムまたは、Al−Mn系合金、Al−Mg系合金、Al−Cu系合金、Ai−Si系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Cu−Zn系合金等の種々のアルミニウム合金が挙げられ、より好ましくはAl−Mn系合金であるJIS3003、Ai−Si−Mg系合金であるJIS6063等が挙げられる。なお、本発明において「アルミニウム」という時はアルミニウム合金と分けて表現しない限り、通常、アルミニウム合金も含めた総称を表わす。
【0014】
これらのアルミニウム製導電性基体の製造法は特に限定されないが、アルミニウムビレットをポートホール法、マンドレル法等により押し出し管に加工し、続いて所定の肉厚、外径寸法の円筒とするため、引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工、あるいは切削による鏡面加工を行うことで作ることができる。導電性基体表面には引き抜き油、切削油、防錆油、空気中の各種塵埃等が付着しているため、通常、光導電層を形成する前に洗浄処理が行われる。本発明においては、洗浄処理後に該導電性基体表面を少なくとも燐酸イオンを含有する水溶液と接触させることを特徴とし、通常、その後に続いて、水洗処理、乾燥処理を行う。
【0015】
加工後のアルミニウム製導電性基体は、洗浄処理が行われる。洗浄処理としては塩素系溶剤、フッ素系溶剤、石油炭化水素系の有機溶剤系のものや界面活性剤系の洗剤を用いた公知の処理方法を使用することが出来るが、有機溶剤系洗剤を使用した処理では、環境汚染、オゾン層破壊、可燃性である等の問題があり、また、界面活性剤系の洗剤を使用した処理ではエッチングや腐食の問題が少なくないため、洗浄処理としては、特開平7−219244号公報のN−メチル−2−ピロリドンと水を含有する洗浄剤や特願平7−258605号明細書の1,2−ブタンジオールと水を含有する洗浄剤を使用することが好ましい。
【0016】
上記洗浄処理は、通常、洗浄槽を用いて行われる。洗浄槽には、洗浄液が満たされており、一般的に、所定の温度に一定に保たれている。また、槽下部等には超音波発振器が備え付けられており、基体浸漬時に超音波を発振させて洗浄することが多い。超音波の種類としては、基体表面にできるかぎり均一に超音波を照射し、エロージョン等のダメージを与えないために、多重周波のものや周波数を一定周期で変更できるものが好ましい。なお、必要に応じて浸漬中に基体を揺動や回転させてもよい。また、該洗浄液が槽上部からオーバーフローされるように液循環を行うことが好ましい。このことによって、導電性基体を洗浄液から引き上げる際によごれの再付着が防止される。
【0017】
上述の洗浄処理は、通常何段かの工程を用いて行われる。そのうち、比較的早い時期に主として脱脂を目的とした処理が行われ、この時に用いられる脱脂液の温度は、通常30〜95℃、望ましくは40〜80℃の範囲に設定されることが好ましい。処理温度が30℃より低い場合は脱脂性が劣り、処理温度が95℃を超える場合は洗浄液成分の蒸発量が急激に増加し、洗浄液成分の管理上好ましくない。洗浄の処理時間は通常30秒から30分、好ましくは1分から10分がよい。処理時間が30秒より短い場合は、よごれの除去が不十分のため、洗浄ムラが発生しやすく、30分を超える場合は、スループットが下がるため、実生産上、好ましくない。
【0018】
脱脂液で洗浄されたアルミニウム製導電性基体は、好ましくは、付着する洗浄液を除去するため、水洗槽で水洗処理が行われる。この水洗は、脱脂に用いた洗浄液が残れば燐酸イオンを含有する水溶液での処理が均一にできなくなる懸念があるために行われる。更には、この水洗は燐酸イオンを含有する水溶液での処理槽の汚染を防ぐ目的もある。水洗には、水道水を用いてもよいが、水道水中に含まれる塩素イオン等により腐食されることがあるので、純水または脱イオン水を用いることが好ましい。通常、水洗槽にはこれらの水が満たされ、所定の温度にほぼ一定に保たれており、該基体を浸漬して水洗を行う。この時の温度は水和反応が生じるよう50℃以下、好ましくは30〜40℃である。一方20℃を下回ると洗浄効果が低下する恐れもある。なお、より効果的に水洗を行うため、浸漬水洗時に超音波を併用することが好ましい。超音波の種類としては、基体表面にできるかぎり均一に超音波を照射し、エロージョン等のダメージを与えないために、多重周波のものや周波数を一定周期で変更できるものが好ましい。おな、必要に応じて浸漬中に基体を揺動や回転させてもよい。また、基体を洗浄液から引き上げる際にシャワーリング水洗することにより汚れの再付着防止が図られより好ましい。
【0019】
通常、上記水洗処理がなされたアルミニウム製導電性基体は、次いで、乾燥処理がなされる。本発明においては、当該乾燥処理の前に少なくとも燐酸イオンを含有する水溶液と接触させ、この処理によって、エックス線光電子分光法で測定したアルミニウム表面の酸化物状態にあるアルミニウムの金属状態にあるアルミニウムに対する元素組成比が1乃至2.5の範囲であり、かつ、燐のアルミニウムに対する元素組成比が0.02乃至0.1の範囲とすることが好ましい。
【0020】
特に基体に鏡面管を用いた場合には、アルミニウム酸化物の金属アルミニウムに対する元素組成比は1〜2.2の範囲が好ましく、一方、粗切削管の場合には、1.8〜2.5の範囲が好ましい。尚、粗切削管とはJIS規格でいうRmaxが0.4μm以上のものをいう。
本発明において用いられる燐酸イオンを発生させる物質としては、リン酸(オルトリン酸)が最も好ましいが、燐酸以外で、燐酸イオンを発生させる化合物としては、具体的には例えばリン酸二水素ナトリウム、亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、次亜リン酸等が挙げられる。
【0021】
本発明の燐酸イオンを含有する水溶液(以下、「燐酸イオン含有水溶液」と略す。)の燐酸イオンを発生させる物質の濃度は、通常0.1mol/l以下、より好ましくは0.000001mol/l乃至0.01mol/l、特には0.0001mol/l乃至0.01mol/lであることが前記2つの元素組成比を所望範囲内に調整し易く、好ましい。濃度が低すぎると、温純水との水和反応抑制効果がやや乏しく、その効果、温純水との接触により表面に不均一な水和酸化物が生成し、所望の電子写真感光体特性が得られない傾向である。また、濃度が高すぎると、該処理液により表面の自然酸化物やアルミニウム金属がエッチングされるため、所望の電子写真感光体特性が得られない傾向にある。
【0022】
本発明に用いられる燐酸イオン含有水溶液とアルミニウム製導電性基体との接触方法としては、浸漬法、スプレー法などが挙げられるが、一般的には、該処理液と均一に接触させるために、処理槽を用いて浸漬処理により行われる。処理槽には、燐酸水溶液が満たされており、所定の温度に保たれている。また、該処理を行うことにより、アルミニウム製導電性基体表面に残存している油分や塵埃等が表面より除去されるので、該処理液が槽上部よりオーバーフローされるように液循環を行い、油分離や濾過を行うことが好ましい。なお、必要に応じて浸漬中に揺動や回転を行ってもよい。
【0023】
燐酸イオン含有水溶液の温度は、40〜95℃が好ましく、より好ましくは50〜80℃がよい。処理温度が低すぎる場合は、温純水との水和反応抑制効果が乏しく、燐酸イオンとの反応が遅いために処理時間を多く要する。処理温度が高すぎる場合は、反応は速いものの処理液の蒸発量が急激に増加するため、処理液成分の管理上好ましくなく、さらに、処理後のアルミニウム基体表面の乾燥が速く、その後の水洗性が悪くなる可能性がある。また、基体表面の乾燥防止方法としては、基体を該処理液から引き上げる際に、冷却した該処理液を基体表面にスプレーする方法も考えられるが、処理装置が複雑になり好ましくない。
【0024】
燐酸イオン含有水溶液と基体との接触時間は、30秒〜30分、好ましくは1分〜10分がよい。処理時間が短すぎる場合は、基体表面の燐吸着量が不均一になる可能性が高い。接触時間が長すぎる場合は、生産性が下がるため、実生産上好ましくない。
燐酸イオン含有水溶液と接触されたアルミニウム製導電性基体は、好ましくは、付着している該処理液を除去するために水洗槽で水洗処理が行われる。水洗水には水道水等を用いてもよいが、水道水中に含まれる塩素イオン等が吸着することがあるので、純水または脱イオン水を使用することが好ましい。通常、水洗槽にはこれらの水が満たされ、所定の温度に保たれており該基体を浸漬して水洗を行う。また、より効果的に水洗を行うため、浸漬時に超音波を併用することが好ましい。超音波の種類としては、基体表面に出来るかぎり均一に超音波を照射し、エロージョン等のダメージを与えないために、多重周波方式のものや周波数を一定周期で変更出来るものが好ましい。さらに、汚れた水洗液の再付着を防止する目的から、基体を水洗液から引き上げる際にシャワー水洗を行うことや、水洗水の排水方式を槽上部からのオーバーフロー方式とすることがより好ましい。
【0025】
水洗処理がなされたアルミニウム製導電性基体は、次いで乾燥処理される。乾燥手段としては、温純水引き上げ乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥、誘導加熱による乾燥、または、それらの組み合わせが挙げられる。該基体表面の水分を均一に除去する方法であれば手段は問わない。一般的には、乾燥処理面の均一性や装置の簡便性から温純水引き上げ乾燥処理後に熱風乾燥処理がなされる。
【0026】
温純水引き上げ乾燥の場合は、ヒーターにより一定温度に加熱された純水または脱イオン水が満たされた槽内に、アルミニウム製導電性基体を所定時間浸漬後、一定速度で引き上げて乾燥する。一般的に、槽内の温度分布の均一性や清浄度を保つために、純水または脱イオン水は槽下部より導入され、槽上部よりオーバーフローされる。さらに、基体の引き上げ時には、引き上げ直後の基体表面の水膜の均一性を図るために、槽上部よりのオーバーフローを止め、水面の乱れを少なくすることが望ましい。また、必要によっては水面上部の水蒸気を除去するために排気を行ってもよい。
【0027】
熱風乾燥は、熱風乾燥装置により行われる。外部より取り込まれた空気はヒーター室に導入され、電気または蒸気ヒーターによって加熱されつつ、送風ファンにより槽内へ送られる。この際、耐熱ヘパフィルターを通すことにより、熱風中の塵埃を除去し、基体表面への付着を防止する。槽内の温度は、熱風の経路に設置された温度検出器および調節計により制御される。また、アルミニウム製導電性基体表面が熱風の偏流により不均一に加熱されると、基体表面のアルミニウム酸化被膜が不均一に変質する懸念があるため、熱風が出来るかぎり均一に基体表面に当たるようにすることが望ましい。
【0028】
以上のようにして洗浄処理された導電性基体上に光導電層が設けられる。光導電層としては、無機系、有機系の各種光導電層を使用することができるが、電荷発生層、電荷移動層よりなる積層型光導電層が特に有用である。電荷発生層、電荷移動層等の光導電層は、層を構成する物質をそれぞれの含有する塗布液を浸漬法やスプレー法などによって、該基体の表面に形成される。
【0029】
積層型光導電体について説明すると、電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電体、フタロシアニン、アゾ、キナクリドン、多環キノン、ベリレン、インジゴ、ベンズイミダゾール、などの有機顔料を使用することができる。特に銅、塩化インジウム、塩化カリウム、スズ、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウム、などの金属、またはその酸化物や塩化物の配位したフタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、または、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。
【0030】
電荷発生層は、これらの物質の均一層としてまたはバインダー中に微粒子分散した状態で形成される。バインダー樹脂としてはポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、メチルセルロース、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
【0031】
バインダー樹脂100重量部に対して、上記電荷発生物質は20〜300重量部範囲で含有させることが好ましく、特に30〜150部の範囲が好ましい。また、電荷発生層の膜厚は通常5μm以下、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。
電荷移動層中に用いる電荷移動物質としては、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリアセナフチレン等の高分子化合物、または、各種ピラゾリン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体などの低分子化合物が使用でき、低分子化合物が好ましい。これらの電荷移動物質と共に必要に応じて、バインダー樹脂が配合される。好ましいバインダー樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリサルフォン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、これらの部分的架橋硬化物が使用される。
【0032】
上記電荷移動物質は、バインダー樹脂100重量部に対し、30〜200重量部、特に50〜150重量部の範囲含有させることが好ましい。また、電荷移動層には、必要に応じて酸化防止剤、増感剤などの各種添加剤を含んでもよい。電荷移動層の膜厚は通常10〜40μm、好ましくは10〜35μmの範囲とされる。
【0033】
なお、光導電層の他の例として、バインダー樹脂と上記電荷移動物質からなる結合剤中に、前記の如き電荷発生物質粒子を分散させた分散型光導電層がある。この場合、電荷発生物質と電荷移動物質の合計量は、バインダー樹脂100重量部に対して20〜200重量部の範囲が好ましく、特に40〜150重量部の範囲が好ましい。
【0034】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えないかぎり、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」とは「重量部」を表す。
実施例1
表面を鏡面切削加工したアルミニウム基体(JIS6063材ポートホール管、肉厚1mm、切削加工後の表面粗さが最大高さでRmaxで0.3s以下(JIS、B0601 (1982)、JIS、B0031(1982))をトリクロルエチレンを用いて、超音波洗浄、冷浴洗浄、蒸気洗浄を行い、評価用アルミニウム基体を得た。純水に燐酸を加え、0.0001mol/lの燐酸水溶液を調整し、50℃に加温した。該燐酸水溶液に該アルミニウム基体を1分間浸漬後、純水で水洗を行った。燐酸水溶液処理を行った該アルミニウム基体を、80℃に加温した純水に浸漬して、アルミニウム基体表面から水素の気泡が発生するまでの時間を、水和酸化反応開始までの誘導時間(以下、「水和誘導時間」と称する。)として測定した。上記と同様の方法で、燐酸濃度を0.00001〜0.1mol/lまで変化させ、かつ、燐酸水溶液処理温度を60、70、80℃として水和反応誘導時間を測定した。なお、水和誘導時間測定のための観察は、最長3000秒までとした。
【0035】
実施例1の水和誘導時間測定を燐酸水溶液の温度50℃、60℃、70℃、80℃各々で行った結果を図1〜4に示す。これらの結果から明らかなように、燐酸含有量が0.01mol/l以下の水溶液と接触させることによって、水和誘導時間が長くなり、温純水に対する顕著な耐水和酸化性(耐食性)が得られることがわかった。
【0036】
比較例1
該アルミニウム基体を燐酸処理を行わないで、実施例1と同様に80℃に加温した純水に浸漬して、アルミニウム基体表面から水素の気泡が発生するまでの水和誘導時間を測定した。この結果、水和誘導時間は130秒間であった。
【0037】
実施例2
リン酸の代わりに濃度5×10-5mol/l、1×10-4mol/l、5×10-4mol/lのピロリン酸を80℃にて使用し、浸漬を1乃至3分間行った以外は実施例1と同様の実験を行った。この管を80℃の純水中に浸漬したときの水和誘導時間を表−1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003711690
【0039】
実施例3
リン酸の代わりに濃度5×10-5mol/l、1×10-4mol/l、1×10-3mol/lのリン酸二水素ナトリウム水溶液を80℃にて使用し、浸漬は1乃至3分間行った以外は実施例1と同様の実験を行った。この管を80℃の純水中に浸漬したときの水和誘導時間を表−2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 0003711690
【0041】
実施例4
実施例1と同様に、表面を鏡面仕上げしたアルミニウム基体(JIS6063材ポートホール管、肉厚1mm)をトリクロルエチレンを用いて、超音波洗浄、冷浴洗浄、蒸気洗浄を行い、評価用アルミニウム基体を得た。純水に燐酸を加え、0.00001、0.0001、0.001、0.01mol/lの濃度の燐酸水溶液をそれぞれ調整し、80℃に加温した。各濃度の該燐酸水溶液に該アルミニウム基体を1分間または10分間浸漬処理後、純水で水洗を行い、自然乾燥した。
【0042】
上記の処理を行った資料について、装置名“SHIMADZU/KRATOS”社製XSAM800pciを使用して、エックス線光電子分光法によって、基体表面の酸化物の状態にあるアルミニウムと金属状態にあるアルミニウムの元素組成比および燐とアルミニウムの元素組成比を測定した。なお、測定は、エックス線源;MgKα(14kV、20mA)、pass energy;20ev、走査幅;step 0.1eVの条件で行った。
【0043】
実施例4のアルミニウム表面の酸化物の状態のアルミニウムと金属状態のアルミニウムの元素組成比(図中、「アルミニウム酸化物/アルミニウム金属」と記す。)および燐とアルミニウムの元素組成比の測定結果を燐酸水溶液への浸漬処理時間1分について図5、10分について図6に示す。これらの図から、温純水に対する顕著な耐水和酸化性(耐食性)が得られる条件で処理したアルミニウム基体表面の元素組成は、酸化物の状態のアルミニウムの金属状態のアルミニウムに対する元素組成比が1.4乃至2.1の範囲にあり、かつ、燐のアルミニウムに対する元素組成比が0.04乃至0.10の範囲にあることが判明した。なお、処理温度を50、60、70℃に変えて同様の測定を行ったところ、アルミニウム表面の酸化物状態のアルミニウムと金属状態のアルミニウム金属の元素組成比および燐とアルミニウムの元素組成比は上記測定結果の範囲であった。
【0044】
実施例5
1,2−ブタンジオール85重量%と純水15重量%からなる洗浄液を65℃に加温した洗浄液中に、表面を鏡面切削加工した肉厚1mmの円筒状アルミニウム基体を浸漬し、周波数変調式超音波発振機(基幹周波数39kHz)を発振させて5分間脱脂洗浄を行った。
【0045】
続いて、該アルミニウム基体を洗浄槽上部に静置して液切りした後、常温の脱イオン水中に浸漬し、周波数変調式超音波発振機(基幹周波数39kHz)を発振させて30秒間水洗を行い、更に脱イオン水を振り掛けながらブラシ洗浄を行った。続いて、燐酸水溶液に該アルミニウム基体を浸漬して接触処理を行った。なお、処理条件としては次の5種類を行った。
(A)燐酸含有量;0.0020mol/l、温度80℃、時間;1分
(B)燐酸含有量;0.0010mol/l、温度80℃、時間;1分
(C)燐酸含有量;0.0010mol/l、温度70℃、時間;1分
(D)燐酸含有量;0.0002mol/l、温度50℃、時間;10分
(E)燐酸含有量;0.0001mol/l、温度80℃、時間;1分
【0046】
その後、常温の脱イオン水(電気伝導度1μS/cm)中に浸漬して1分間水洗を行った。更に水洗槽より引き上げる際に該アルミニウム基体の外表面を超音波を印加させた脱イオン水によるスプレー水洗を行った。
次いで、80℃の脱イオン水が槽下部より供給され、槽上部よりオーバーフローしている湯上げ乾燥槽に、上記水洗後の該アルミニウム基体を5秒間浸漬した後、10mm/秒の速度で引き上げた。その後、120℃のクリーンオーブンで1分間加熱乾燥して、電子写真感光体用導電性基体を得た。
【0047】
電荷発生物質として下記一般式〔I〕に示すビスアゾ化合物1部を用い、これにジメトキシエタン20部を加え、サンドグラインダーで分散処理で分散した。ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業社製、商品名 電化ブチラール#6000C)0.5部をジメトキシエタン10重量部に溶解した溶液に上記の分散液を加え、電化発生層用分散液を得た。
【0048】
【化1】
Figure 0003711690
【0049】
上記の電荷発生層用分散液に燐酸処理を行って製造した該電子写真感光体用導電性基体を浸漬し、乾燥後の膜厚が0.63μmとなるように電荷発生層を設けた。
一方、テトラヒドロフラン500重量部に、電荷移動材料として〔II〕に示すヒドラゾン化合物110重量部、〔III 〕に示す繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量;約22000)100重量部およびフェノール化合物8重量部を溶解させた。
【0050】
【化2】
Figure 0003711690
【0051】
【化3】
Figure 0003711690
【0052】
この溶液を用いて先に電荷発生層を設けた電子写真感光体用導電性基体を浸漬し、125℃で20分間乾燥した後の膜厚が21μmとなるように電荷移動層を設け、電子写真感光体を得た。
比較例2
実施例5と同じ鏡面切削加工した肉厚1mmの円筒状のアルミニウム基体を、トリクレン洗浄機を用いて洗浄処理を行った。なお、条件は第1槽;液温40℃のトリクレン中で超音波を併用した浸漬、揺動洗浄、4分間、第2槽;第1槽と同一条件、第3槽;液温30℃のトリクリン中で浸漬洗浄、3分間、第4槽;87℃のトリクレン蒸気中で静置洗浄、3分間とした。その後、実施例5と同様の方法で感光層を形成し、電子写真感光体を製造した。
【0053】
〔評価1〕
実施例5で得た電子写真感光体(A)〜(E)の処理条件各4本および比較例2で得た電子写真感光体2本について、気温25℃、湿度50%RHの暗所にて、スコロトロン帯電器により−600Vに帯電させた後、1.13 lux・sec.および2.43 lux・sec.の白色光で露光したときの表面電位を測定した。それらの結果を表−3に示す。
【0054】
【表3】
Figure 0003711690
【0055】
表−3から、本発明の燐酸水溶液に接触処理を行った電子写真感光体を使用した場合、比較例2と比較して同一露光量(特に2.43 lux・sec.)における表面電位値が低く、感光体の感度が改良されることが分かった。
〔評価2〕
実施例5と比較例2で製造した電子写真感光体を、市販の複写機に装着して、白ベタ、黒ベタ、ハーフトーンで画像評価を行った。その結果、実施例5及び比較例2で両者の差は見られず、良好であった。
【0056】
実施例6
N−メチル−2−ピロリドン85重量%と純水15重量%からなる洗浄液を60℃に加温した洗浄液中に、表面を鏡面切削加工した肉厚1.0mmの円筒状アルミニウム基体を浸漬し、周波数変調式超音波発振機(基幹周波数39kHz)を発振させて5分間脱脂洗浄を行った。
【0057】
続いて、該アルミニウム基体を洗浄槽上部に静置して液切りした後、常温の脱イオン水中に浸漬し、周波数変調式超音波発振機(基幹周波数39kHz)を発振させて30秒間水洗を行い、更に脱イオン水を振り掛けながらブラシ洗浄を行った。続いて、燐酸水溶液に該アルミニウム基体を浸漬して接触処理を行った。なお、処理条件としては次の2種類を行った。
(F)燐酸含有量;1×10-4mol/l、温度70℃、時間;3分
(G)燐酸含有量;2×10-4mol/l、温度70℃、時間;3分
【0058】
その後、常温の脱イオン水(電気伝導度1μS/cm)中に浸漬して1分間水洗を行った。更に水洗槽より引き上げる際に該アルミニウム基体の外表面を超音波を印加させた脱イオン水によるスプレー水洗を行った。
次いで、80℃の脱イオン水が槽下部より供給され、槽上部よりオーバーフローしている湯上げ乾燥槽に、上記水洗後の該アルミニウム基体を5秒間浸漬した後、10mm/秒の速度で引き上げた。その後、120℃のクリーンオーブンで1分間加熱乾燥して、電子写真感光体用導電性基体を得た。
これにCGL塗布液Aを用い、乾燥後の重量が0.4g/m2 となる量を塗布し、電荷発生層を形成した。この上に下記CTL塗布液Aを用い、膜厚17μmとなるよう電荷移動層を設け、電子写真感光体とした。
【0059】
CGL塗布液A調液方法
オキシチタニウムフタロシアニン10重量部に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製:デンカブチラール#6000−C 2.5重量部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)2.5重量部、1,2−ジメトキシエタン500重量部を加え、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行ってCGL塗布液Aを調液した。
CTL塗布液A
次に示すヒドラゾン化合物56重量部と
【0060】
【化4】
Figure 0003711690
【0061】
次に示すヒドラゾン化合物14重量部、
【0062】
【化5】
Figure 0003711690
【0063】
及び下記に示すポリカーボネート樹脂100重量部を1,4−ジオキサン1000重量部に溶解させた液
【0064】
【化6】
Figure 0003711690
【0065】
比較例3
実施例6と同じ鏡面切削加工した肉厚1mmの円筒状のアルミニウム基体を、トリクレン洗浄機を用いて洗浄処理を行った。なお、条件は第1槽;液温40℃のトリクレン中で超音波を併用した浸漬、揺動洗浄、4分間、第2槽;第1槽と同一条件、第3槽;液温30℃のトリクリン中で浸漬洗浄、3分間、第4槽;87℃のトリクレン蒸気中で静置洗浄、3分間とした。その後、実施例5と同様の方法で感光層を形成し、電子写真感光体を製造した。
【0066】
〔評価3〕
実施例6で得た電子写真感光体(F)、(G)の処理条件各2本および比較例3で得た電子写真感光体2本について、気温25℃、湿度50%RHの暗所にて、スコロトロン帯電器により−600Vに帯電させた後、2.5μJ/cm2 のバンドパスフィルターにより780nmに単色化したハロゲンランプの光で露光したときの表面電位(VL )を測定した。それらの結果を表−4に示す。
【0067】
又、暗所にて感光体を一定速度(36mm/sec)で回転させ、スコロトロン帯電により一定電圧(−600V)に帯電させた。次に、この感光体にバンドパスフィルターによって780nmに単色化したハロゲンランプの光を照射して、感光体表面電位が初期帯電電位より半減するのに必要な露光量をE1/2として求めた。
【0068】
【表4】
Figure 0003711690
【0069】
実施例7
表面を切削加工したアルミニウム基体(JIS6063材ポートホール管、肉厚0.75mm、切削加工後の表面粗さが最大高さRmaxで約0.8s(JIS、B0601 (1982)、JIS、B0031(1982))を用いたこと及びリン酸の濃度が1×10-5、5×10-5、1×10-4、2×10-4、1×10-3mol/lとした以外は実施例4と同様にして実験を行った。結果を図7に示す。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、水系洗浄における水洗処理や温純水乾燥処理時におこる、不均一なアルミニウム基体表面の溶解や水和物等の生成等に起因した電子写真感光体特性の劣化を防止し、電子写真感光体用導電性基体表面の均一、安定が図られるとともに、優れた耐腐食性をもつことから高い環境安定性を期待することが出来る。さらに、電子写真感光体の電気特性を改良することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における燐酸水溶液50℃での水和誘導時間測定結果。
【図2】実施例1における燐酸水溶液60℃での水和誘導時間測定結果。
【図3】実施例1における燐酸水溶液70℃での水和誘導時間測定結果。
【図4】実施例1における燐酸水溶液80℃での水和誘導時間測定結果。
【図5】実施例4における燐酸水溶液処理1分での元素組成比測定結果。
【図6】実施例4における燐酸水溶液処理10分での元素組成比測定結果。
【図7】実施例7における燐酸水溶液処理1分での元素組成比測定結果。

Claims (7)

  1. X線光電子分光法で測定した表面の酸化物の状態のアルミニウムの金属状態のアルミニウムに対する元素組成比が1乃至2.5の範囲であり、かつ、リンのアルミニウムに対する元素組成比が0.02乃至0.1の範囲であることを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電子写真感光体用導電性基体。
  2. 導電性基体上に少なくとも光導電層を設けてなる電子写真感光体であって、該導電性基体が請求項1記載の電子写真感光体用導電性基体であることを特徴とする電子写真感光体。
  3. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基体上に少なくとも光導電層を設けてなる電子写真感光体の製造方法において、導電性基体を少なくともリン酸イオンを含有する水溶液に接触させ、X線光電子分光法で測定した表面の酸化物の状態のアルミニウムの金属状態のアルミニウムに対する元素組成比が1乃至2.5の範囲であり、かつ、リンのアルミニウムに対する元素組成比が0.02乃至0.1の範囲とした後に光導電層を設けることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  4. リン酸イオンがリン酸由来のものである請求項3記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 該水溶液中のリン酸の含量が、0.01mol/l以下であることを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. リン酸イオンを含有する水溶液と接触させる前に、1,2−ブタンジオールを含む液で洗浄することを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. リン酸イオンを含有する水溶液と接触させる前に、N−メチル−2−ピロリドンを含む液で洗浄することを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体の製造方法。
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