JPH08983B2 - 耐食性に優れたクロメ−ト処理方法 - Google Patents

耐食性に優れたクロメ−ト処理方法

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JPH08983B2
JPH08983B2 JP62048819A JP4881987A JPH08983B2 JP H08983 B2 JPH08983 B2 JP H08983B2 JP 62048819 A JP62048819 A JP 62048819A JP 4881987 A JP4881987 A JP 4881987A JP H08983 B2 JPH08983 B2 JP H08983B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は亜鉛もしくは亜鉛合金メッキ鋼板、アルミメ
ッキ鋼板の耐食性に優れたクロメート処理方法に関する
ものである。
(従来技術) クロメート処理は亜鉛メッキ鋼板、アルミメッキ鋼板
の腐食防止および塗装下地処理として広く使われてい
る。特に近年は材料価格の値上り分を製品コスト内で抑
える必要から、従来塗装部品として使われている部品
を、耐食性の表面処理鋼板に替え、無塗装化する動きが
活発である。従って、従来のクロメートの使命であった
製造からユーザーまでの一次防錆的なものから、ユーザ
ー後の高耐食性までも要求されている。鉄鋼メーカーは
この要求に対して、種々の工夫したクロメートを開発し
クロメートの付着量を上げ提供して来た。しかしなが
ら、塗装省略用途に最も重要な事は外観にある。従来の
クロメートでは必ずしも高耐食性を確保しながら均一な
色調、むらのない外観を得ることが出来ず、家電等のユ
ーザーから、より高級感のある高耐食性クロメートが要
求されている。本発明はこのような目的に即したクロメ
ートの処理方法を提供するものである。
均一外観は無色で透明度の良いものに得られやすく、
この種のクロメート製品としては、ユニクロムメッキと
呼ばれるクロメート処理電気亜鉛メッキがある。この方
法は光沢のある電気亜鉛メッキを無水クロム酸/硫酸/
硝酸を主成分とするエッチング性のクロメート浴中に浸
漬して、有色のクロメート被膜を形成させ水洗したの
ち、アルカリ溶液中に浸漬して、可溶性のクロメート成
分(Cr6+主体の有色被膜成分)を除いて無色化したもの
である。ユニクロムメッキは外観が優れているがCr6+
少いため耐食性が不充分である。
クロメート処理には大きく分けて、クロメート処理後
水洗するエッチングクロメート、電解後水洗する電解ク
ロメートおよび塗布後加熱硬化する塗布型クロメートが
ある。これらの内、塗布型クロメートは設備が簡単で、
排液や水処理が軽減される利点があり、且つ品質的に優
れているため、連続メッキラインのクロメート処理とし
て主流になっている。
公知の技術としては、シリカゾルとクロム酸の水溶液
を用いる特公昭42-14050号、シリカ粉末と部分還元した
水溶液を金属表面に塗布し乾燥する特開昭52-17340号お
よび特開昭52-17341号、シリカの粒径を規定した特公昭
61-1508号、ホワイトカーボンを用いる特開昭53-92339
号がある。これらの公知技術は保存又は輸送中の白錆防
止としては優れているが、近年のクロメートに対する要
求水準に対しては不満足である。
又、特公昭60-18751号に、無水クロム酸とケイ酸コロ
イドにピロリン酸を加えた処理液を、亜鉛メッキおよび
合金化処理したものに用いる塗布型のクロメート処理方
法、特開昭57-174469号の、無水クロム酸とシリカゾル
とリン酸およびコバルトイオンを含む水溶液を用いる、
塗布型のクロメート処理方法が公開されている。しかし
ながら、これらの技術は水溶液中のクロム化合物が6価
クロムで構成されているため、有色被膜が出来易く、外
観の均一化が難しい問題点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は塗装省略用途を目的とした、外観の均一な無
色系統の耐食性に優れたクロメート処理方法を提供する
ものである。これ迄のクロメート処理方法は耐食性重点
の観点から六価クロム例えば無水クロム酸(CrO3)を主
成分とするクロメート処理液を用いて目的を達成して来
た。三価クロム主体のものは耐食性が不足するため、還
元率(Cr3+/Cr3++Cr6+)は0〜0.4で構成されてい
る。しかしながら、今日のように出来る丈低コストで品
質の良い製品が強く求められ、塗装省略用の後処理鋼板
が脚光を浴びる時代である。塗装省略用途を目的とする
ものは、当然従来の塗装製品並の外観と耐久性が要求さ
れる。この意味で6価クロム主成分型のクロメート処理
被膜は、6価クロムの着色度(赤橙色〜ゴールド)のた
め、均一化に多大の努力が必要である。低コスト製品に
対しては、製造ラインで大量に歩留り良く製造すること
が不可欠である。本発明は従来の6価クロム主成分型の
処理浴から脱却し、3価クロム主成分型の無色の耐食性
クロメート処理方法の開発に成功したものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は塗装省略用途に用いる、耐食性に優れた無色
透明のクロメート処理方法を提供するものであり、以下
の方法に要約できる。すなわち、 (1)Cr3+/(Cr3++Cr6+)が0.7〜0.98の水溶性クロ
ム化合物と無機コロイド化合物および無機アニオンを含
む酸性水溶液を金属表面に塗布したのち、乾燥すること
を特徴とする耐食性に優れたクロメート処理方法。
(2)Cr3+/(Cr3++Cr6+)が0.7〜0.98の水溶性クロ
ム化合物と無機コロイド化合物としてシリカゾル、無機
アニオンとしてリン酸もしくは縮合リン酸イオンを使用
する第1項記載の方法。
(3)Cr3+/(Cr3++Cr6+)が0.7〜0.98の水溶性クロ
ム化合物と無機コロイド化合物および無機アニオンを含
み且つ、2価以上の金属イオンを含有する酸性水溶液を
金属表面に塗布したのち、乾燥することを特徴とする耐
食性に優れたクロメート処理方法。
(4)金属イオンとして、Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Al
3+,Zn2+,Cu2+,Sb2+,Bi2+,Ni2+,Co2+,Fe2+,Sn2+
の一種以上を含む第3項記載の方法である。
即ち、クロム化合物、無機コロイド化合物および無機
アニオンで構成されるか、又は更に前記のものに2価以
上の金属イオンを含有させて構成される酸性水溶液を、
金属表面に塗布したのち乾燥するものである。クロム化
合物は3価のクロムを主成分とする。本発明浴では、著
しく耐食性を低下させることなく6価クロムを減少させ
ることが出来、還元率(水浴液中のCr3+/(Cr3++C
r6+)の割合)の増加に伴い、無色の皮膜を得ることが
出来る。好ましい範囲は還元率が0.7〜0.98である。0.7
以上で殆んど無色化するが、0.98では殆んど下地のメッ
キ金属の色調となり、均一の皮膜を簡単に得ることが出
来る。耐食性はJIS Z 2371規定の塩水噴霧試験の連続法
で評価し、電気亜鉛メッキ鋼板に処理した場合、72時間
で白錆の発生を認めなかった。
クロム化合物の供給は次の方法を用いる。
1)高濃度の無水クロム酸水溶液に無機アニオンを加
え、有機還元剤、無機還元剤を少量づつ加えて、3価ク
ロムイオンを得る方法。還元剤としてはでん粉、糖類、
アルコール、ヒドラジン等の有機物還元剤、次亜リン
酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸等の無機還元剤を用い
る。
2)3価クロム化合物を加える方法。3価クロムはリン
酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、フッ化物、有機酸塩を
水溶液化して用いる。
クロム化合物だけでは高耐食性の無色透明なクロメー
トには至らず、無機コロイド化合物と無機アニオンが必
要である。無機コロイドとしては、シリカゾルが好まし
いが、アルミナゾル、チタン化合物ゾル、ジルコニヤゾ
ルでもシリカゾルに近い品質が得られる。これらの化合
物を複合させても良い。
添加量としては、全クロムイオンを無水クロム酸(Cr
O3)換算に対して0.5〜3.0が好ましい。3を超えると、
密着加工性に於て劣化の傾向が見られるためである。無
機アニオンとしてはリン酸イオン、縮合リン酸イオン、
硫酸イオン、硝酸イオン、塩素イオン、フッ素イオン、
フッ素錯イオンが使用される。特にリン酸および縮合リ
ン酸イオンが優れている。
縮合リン酸化合物は、Pが2個以上結合したP2O7 2-
P2O5 4-,P3O10 5-,P4O13 6-,P6O13 8-のポリリン酸と言
われる酸や、2価以上の金属塩即ち、アルカリ土類金属
塩例えばカルシウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウ
ム塩、バリウム塩やその他の金属塩(Al3+,Zn2+,F
e2+,Co2+,Ni2+,Sn2+)である。又、金属イオンはリ
ン酸、もしくはポリリン酸、もしくはクロメート浴に、
酸化物、水酸化物、炭酸塩の形で加えて溶解しても良
い。有機化合物とリン酸の結合したフイチン酸類も本発
明に含まれる。無機アニオンの添加量はクロム付着量、
色調によって異るが、好ましくは全クロムイオンの無水
クロム酸(CrO3)換算1に対してリン酸イオン、縮合リ
ン酸イオンの場合1〜3である。他の硫酸イオン、硝酸
イオン、塩素イオンは0.05〜1.0が好ましい。無機アニ
オンの量が多すぎるとクロメート被膜が水に溶解し易く
なり、吸湿、耐食不良、経時による色調変化、処理時の
メッキとの反応むらが生ずる。少なすぎると耐食性が低
下し、無色透明の被膜が得られ難くなる。
次に金属イオンについて述べる。本発明に用いる金属
イオンは、2価以上の金属イオン、例えばMg2+,Ca2+
Sr2+,Ba2+,Al3+,Zn2+,Cu2+,Bi2+,Sb2+,Ni2+,Co
2+,Fe2+,Sn2+等である。添加量は目的に応じて異る
が、無機アニオンとの比がモル比で1以下が好ましい。
1モル以上では沈澱が生ずるためである。添加金属の効
果は、得られるクロメート皮膜の水に対する不溶解化度
を高め、より高度の耐食性を与える。又、金属イオンに
よっては、クロメート皮膜に白や有色の色調を与えるこ
とも出来る。クロメート皮膜が3価クロムで構成されて
おり、無色透明であるため得られる色調は美麗なものが
得られ易い。
金属イオンの供給方法は、無機アニオンの塩や酸化
物、水酸化物、炭酸塩、金属から溶解させる方法が採用
できる。
クロメートの付着量としては、目的の外観、耐食性か
ら決められる。一般的には全Cr付着量として20〜100mg/
m2、望ましくは外観と耐食性のバランスが良い30〜60mg
/m2が適当である。塗布の方法は、従来行われている方
法で可能である。例えばロールコーター法、絞りロール
法、エアーナイフ法、バーコーター法、流しぬり、ミス
ト法等がある。乾燥は公知の方法、例えば熱風乾燥、ガ
スもしくは電気加熱、赤外線加熱法等を用い、板温60℃
以上で焼付けるのが望しい。
本発明は次の方法も含まれる。
対象となるメッキ鋼板として、電気亜鉛メッキ鋼板お
よび電気亜鉛合金メッキ鋼板、例えばNi-Zn,Fe-Zn,Co-Z
n,Zn-Sn等の合金メッキ、溶融メッキ鋼板では溶融亜鉛
メッキ鋼板、溶融亜鉛合金メッキ鋼板、例えばZn-Al,Zn
-Fe,Zn-Mg等の合金メッキ鋼板、溶融アルミメッキ鋼
板、ターンメッキ鋼板を用いることができる。
本発明を用いて各種メッキ鋼板をクロメート処理後、
薄い有機被膜や無機皮膜を被覆するケースも本発明に含
まれる。
(作用) 本発明の特徴である3価クロムを主体とするクロメー
ト被膜の耐食性および無色透明化の作用について以下述
べる。
本発明においては、酸性および6価クロムが少い浴組
成のため、メッキ表面と塗布液間で化学反応が生じ易
く、メッキの溶解に伴う界面のpH上昇によって難溶性の
被膜を下層に形成する。上層にはクロムと無機アニオン
およびシリカからなる皮膜が、加熱により重合化して被
膜を形成する。特に無機アニオンとしてリン酸を用いる
と、リン酸とシリカおよびクロム酸化物が配位結合し、
耐食性に優れた無機皮膜を形成する。塩水噴霧試験の如
き環境にさらされると、外部から腐食イオン(塩素イオ
ン、水、酸素)が侵入するが、メッキ表面に形成した皮
膜は、これらのイオンの遮断皮膜として作用し、侵入し
たイオンを吸着、腐食した亜鉛イオンをリン酸塩で固定
化し封鎖する。
無色透明化のメカニズムは、皮膜が3価クロム主体で
あること、及び3価クロムとシリカおよびリン酸からな
る皮膜が透明度の高い皮膜であるためである。
第1図は、でん粉を用いてクロム酸を還元し、還元率
の異るクロメート浴(組成CrO3/SiO2/H3PO4=50/100/
50g/l)を、電気亜鉛メッキ鋼板にナチュラルコーター
にて塗布し、熱風にて板温60℃で焼付乾燥して得た、ク
ロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板の還元率と外観の関係
を示したものである。図中の曲線(1)は黄色度(Y
I)、(2)は白色度(W)との関係を示したものであ
る。YI,Wは、JIS Z 8721で規定されたスペクトルの三刺
激値を色差計を用いて測定し、 YI=100(1.28X−1.06Z)/Y W=100−〔(100-L)2+a2+b21/2 で計算したものである。YI値の数値が大きいほど黄色、
W値の数値が大きいほど白いことを意味する。
第1図から明らかな如く、クロムの還元率が高い(3
価クロム比が多い)ほど黄色度の低い、W値の大きい白
い外観のクロメート処理亜鉛メッキ鋼板が得られる。特
に還元率が0.7以上で急激に無色化する。還元率が高い
0.7以上の皮膜は付着量を上げても無色であるが、還元
率の低いクロメート浴の場合、付着量増に伴い着色とす
る。耐食性に関しては第1図の全試料が塩水噴霧試験72
時間で白錆発生なく良好であった。
(実施例) 実施例1 無水クロム酸350g、濃リン酸35g、水750gの水溶液
〔A〕を建浴し別に第1表に示すでん粉と水のスラリー
を作成し、それぞれを90℃に加熱した。水溶液〔A〕に
でん粉スラリーを少量づつ加えて反応させ、10時間後Cr
6+およびCr3+を分析し、第1表に示す還元率を有するク
ロメート浴を得た。
得られた浴を無水クロム酸(CrO3)換算で35gになる
ように分取し、これにシリカゾルをSiO2として70gおよ
び水を加えて、CrO3(CrO3換算の還元したクロメート
浴)/H3PO4/SiO2=35/45/70g/lの組成の処理液を得
た。
この処理液をナチュラルコーターを用いて電気亜鉛メ
ッキ鋼板(目付量20g/m2)に塗布したのち、200℃の熱
風で板温60℃に加熱乾燥しクロメート処理メッキ鋼板を
得た。
評価は外観として目視による均一性、色差計で黄色度
(YI値)、白色度(W値)を測定した。付着量は全付着
量Crを蛍光X線で測定した。耐食性は平板のエッジを密
ロウでシールしたのち、塩水噴霧試験72時間実施し発生
した白錆等の錆を面積率で目視評価した。
No.1〜3は6価クロム比の高いクロメート浴成分で構
成され、Cr付着量が50mg/m2以上ではYI値、W値共に、
本発明のNo.4〜9に比べ高く有色である。No.1はエッチ
ング力が強く反応むらが生じていた。No.4〜7は本発明
の全Cr付着量が50mg/m2近傍の結果、No.8,9はCr付着量7
5,90mg/m2の例である。いずれも外観が無色透明で光沢
があり、耐食性についても耐食クロメートの品質を備え
ている。
実施例2 実施例1のNo.4,5および6の条件の内、第2表に示し
た無機コロイド化合物を含有させたクロメート浴を同様
に処理して評価した。結果を第2表に示す。
No.10〜14は、還元率0.7のクロメート浴に無機コロイ
ドとしてコロイダルチタン、コロイダルジルコニヤ、硫
酸ジルコニウム、重リン酸アルミニウムを加えたもの
で、いずれも無色の光沢外観を得た。耐食性も良好であ
った。No.12はシリカを含まない浴であるが、品質は良
かったが浴の粘度が上がり、濃度を1/2に稀釈して処理
する必要があった。No.15〜16は、還元率0.8,0.9の浴に
コロイダルチタンを加えて処理したもので品質は外観、
耐食性いずれも良好の結果を得た。
実施例3 第3表に示す3価および6価のクロム化合物、および
金属化合物と無機アニオン、およびシリカゾル構成され
るクロメート液を、実施例1と同様に処理して試料を作
成したのち評価し、第3表の如き結果を得た。
本実施例は3価のクロムの供給を、リン酸クロム(Cr
PO4)およびフッ化クロム(CrF3)として建浴したもの
である。No.17は、6価クロムとして無水クロム酸(CrO
3)を加え還元率を0.9としたもので、無色で耐食性のあ
るクロメート皮膜を得た。No.18は、No.17にCa2+を加え
たもの、No.19は、Ni2+およびCrO3を加えた浴の例でい
ずれも無色の外観を得た。又、No.20は無機アニオンと
してポリリン酸(縮合リン酸)を加えた例である。
No.21〜23はCr3+化合物として、フッ化クロムを用い
た本実施例である。No.21は、No.17のCr3+化合物をCrPO
4からフッ化クロム(CrF3)に変えたものであり、No.22
はNo.21に更にMg2+を加えたもの、No.23は、No.22のリ
ン酸をポリリン酸に変えた浴で処理したものである。い
ずれも無色の耐食性の優れたクロメート処理メッキ鋼板
を得た。
実施例4 実施例1、No.7の条件浴にMgO,Ca(OH)2,Sr(OH)2,Al(O
H)3,Zn(OH)2,CoCO3,SnCO3を別々に5g/l加えた浴を作
成し、同条件で電気亜鉛メッキ鋼板に処理した。得られ
たクロメート処理メッキ鋼板は、YI値が−9.0以下、W
値70以上の無色の皮膜で、耐食性についても塩水噴霧試
験72時間で白錆の発生を認めなかった。
実施例5 実施例1のNo.4の条件でメッキ鋼板として、Al-Siの
溶融アルミ合金メッキ鋼板、通常レベルの溶融亜鉛メッ
キ鋼板、5%Al-Znの溶融金属メッキ鋼板および電気メ
ッキ鋼板として12%Ni-Zn合金メッキ鋼板、20%Fe-Zn合
金メッキ鋼板に処理した。メッキ量は厚みとして溶融系
が10μ、電気メッキは3μで行った。いずれも殆んど無
処理板の黄色度差(処理前後のYI値)が1.0以下の無色
のクロメート処理メッキ鋼板を得た。
(発明の効果) 本発明は前述した如く塗装省略鋼板として、品質を維
持しながら低コスト製品を供給する目的に合致するもの
であり、家電製品、自動車等の部品の低コスト化に貢献
する。又、無色透明の皮膜の特性を利用することによ
り、色調の変化を恐れる各種の着色鋼板の後処理技術と
しても効果が期待できる。
更に6価クロム主成分型の従来クロメートに比べ低公
害型の皮膜であり、無公害で耐食性のある化成処理とし
ての価値がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は電気亜鉛メッキ鋼板を処理した、クロメート浴
中の全CrとCr3+の割合(還元率)と色調の関係を示した
ものである。曲線(1)は黄色の尺度である黄色度曲
線、(2)は白色度を示したものである。還元率が1に
近いほどYI値の低い、W値の高い外観になる。特に0.7
以上で急激に改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−20880(JP,A) 特開 昭53−115625(JP,A) 特開 昭54−142141(JP,A) 特開 昭52−68036(JP,A) 特開 昭50−158535(JP,A) 特開 昭53−92339(JP,A) 特開 昭57−174469(JP,A) 特公 昭45−31368(JP,B1)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr3+/(Cr3++Cr6+)が0.7〜0.98の水溶
    性クロム化合物と無機コロイド化合物および無機アニオ
    ンを含む酸性水溶液を金属表面に塗布したのち、乾燥す
    ることを特徴とする耐食性に優れたクロメート処理方
    法。
  2. 【請求項2】Cr3+/(Cr3++Cr6+)が0.7〜0.98の水溶
    性クロム化合物と無機コロイド化合物としてシリカゾ
    ル、無機アニオンとしてリン酸もしくは縮合リン酸イオ
    ンを使用する特許請求の範囲第1項記載の耐食性に優れ
    たクロメート処理方法。
  3. 【請求項3】Cr3+/(Cr3++Cr6+)が0.7〜0.98の水溶
    性クロム化合物と無機コロイド化合物および無機アニオ
    ンを含み且つ、2価以上の金属イオンを含有する酸性水
    溶液を金属表面に塗布したのち、乾燥することを特徴と
    する耐食性に優れたクロメート処理方法。
  4. 【請求項4】金属イオンとして、Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba
    2+,Al3+,Zn2+,Cu2+,Sb2+,Bi2+,Ni2+,Co2+,F
    e2+,Sn2+の一種以上を含む特許請求の範囲第3項記載
    の耐食性に優れたクロメート処理方法。
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