JP2005248248A - 表面外観に優れた有機複合被覆鋼板の製造方法 - Google Patents

表面外観に優れた有機複合被覆鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 外観むらのない表面外観に優れる有機複合被覆鋼板を得る。
【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板表面にリン酸及び/又はリン酸化合物をP換算量で0.001〜6.0モル/L含有し、酸化物微粒子を0.001〜3.0モル/L、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの各金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む化合物の中から選ばれる1種以上を、前記金属の金属量換算の合計で0.001〜3.0モル/L含有する酸性水溶液を塗布、乾燥加熱して、膜厚0.005〜4μmのリン酸含有皮膜を形成し、その上に0.1〜5μmの有機皮膜を形成させる有機複合被覆鋼板を製造する際に、前記酸性水溶液中のリン酸及び/又はリン酸化合物のP換算量α(モル/L)とZnイオン量β(ppm)の比、α/βを1.7×10−5以上とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる有機複合被覆鋼板の製造方法に関する。より具体的には、下層に起源する外観むらの発生しない、下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる有機複合被覆鋼板の製造方法に関する。
亜鉛系めっき鋼板のクロメート処理は、亜鉛の白錆を抑制する安価な防錆処理方法として幅広く使用されている。一方、クロメート処理液は6価クロムが含まれるため、従来から環境対策として、クロメート処理時の完全クローズドシステムによる排水処理の採用や、水洗工程を必要としない塗布型クロメート処理技術の開発が行われている。また、クロメート皮膜が微量に含有する6価クロムについても、クロム溶出を防止した有機複合被覆鋼板の開発、塗布型クロメート皮膜の難溶化の検討などが行われてきた。
一方、環境対策面から、6価クロムを使用しないクロムフリー化成処理鋼板の開発が行われ、例えば、以下のような方法が提案されている。
(1)タンニン酸を用いる方法(例えば、特許文献1)
(2)エポキシ樹脂とアミノ樹脂とタンニン酸を混合した熱硬化性塗料を用いる方法(例えば、特許文献2)
(3)水系樹脂と多価フェノールカルボン酸の混合組成物を用いる方法(例えば、特許文献3)
(4)ヒドラジン誘導体水溶液をブリキまたは亜鉛鉄板の表面に塗布する表面処理方法(例えば、特許文献4)
(5)水酸基含有モノマーを共重合成分として含有する有機樹脂とリン酸、金属のリン酸系化合物からなる表面処理用組成物を用いる方法(例えば、特許文献5)
(6)下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる方法(例えば、特許文献6、特許文献7)
以下に先行技術文献情報について記載する。
特開昭51−71233号公報 特開昭63−90581号公報 特開平8−325760号公報 特公昭56−10386号公報 特開平9−208859号公報 特開2001−11645号公報 特開2001−11656号公報
上記の中で、(6)の下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる有機複合被覆鋼板は、従来のクロメート処理鋼板に充分代替出来る特性を有している。しかしながら、酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜を形成させる工程において、安定して均一な表面外観が得難いという問題がある。
本発明は、前記事情を考慮し、下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させて有機複合被覆鋼板を製造するに際し、下層に起源する外観むらの発生しない表面外観に優れる有機複合被覆鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記した下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる有機複合被覆鋼板の製造方法において、安定して均一な表面外観が得られる方法に関して検討を行い、下層の形成に使用する処理液中の亜鉛濃度を規定することによって、外観むらを発生させずに安定して良好な表面外観が得られることを見いだした。本発明はこの知見に基づきなされた。
上記課題を解決する本発明の手段は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板表面に、リン酸及び/又はリン酸化合物をP換算量で0.001〜6.0モル/L含有し、さらに酸化物微粒子を0.001〜3.0モル/L、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの各金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む化合物の中から選ばれる1種以上を、前記金属の金属量換算の合計で0.001〜3.0モル/L含有するpH0.5〜5の酸性水溶液を塗布し、しかる後、乾燥加熱して、膜厚が0.005〜4μmのリン酸含有皮膜を形成し、その上層に0.1〜5μmの有機皮膜を形成させる有機複合被覆鋼板を製造するにあたり、前記酸性水溶液中のリン酸及び/又はリン酸化合物のP換算量α(モル/L)とZnイオン量β(ppm)の比、α/βを1.7×10−5以上とすることを特徴とする表面外観に優れた有機複合被覆鋼板の製造方法である。
本発明によれば、下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる有機複合被覆鋼板の製造するにあたり、下層のリン酸含有皮膜の形成に起源する外観むらの発生を防止して、表面外観に優れた有機複合被覆鋼板を製造できる。
本発明において、有機被覆鋼板のベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金めっき鋼板)などを用いることができる。
本発明では、前記ベースとなる亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板に、リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液を塗布し、しかる後、乾燥加熱して、下層のリン酸含有皮膜を形成し、その上層に有機皮膜を形成する。
下層のリン酸塩含有皮膜の形成に用いるリン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液は、(イ)リン酸及び/又はリン酸化合物を含み、さらに(ロ)酸化物微粒子と、(ハ)Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの各金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む化合物の中から選ばれる1種以上と、を含有する処理液である。
前記成分(イ)であるリン酸及び/又はリン酸化合物はとしては、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸などのポリリン酸、メタリン酸及びこれらの無機塩(例えば、第一リン酸アルミニウムなど)、亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩などのリン酸含有の化合物が、水溶液中で溶解した際に生じるアニオン、あるいは金属カチオンとの錯イオンとして存在している形態、遊離酸として存在している形態など全てを含み、本発明におけるリン酸成分の量は酸性水溶液中で存在するこれら全ての形態の合計をP換算として規定する。
処理液中でのリン酸及び/又はリン酸化合物の添加量はP換算で0.001〜6.0モル/L、好ましくは0.02〜1.0モル/L、さらに好ましくは0.1〜0.8モル/Lとする。リン酸及び/又はリン酸化合物の添加量が0.001モル/L未満では添加による効果が十分でなく、耐食性が劣る。一方、添加量が6.0モル/Lを超えると過剰のリン酸イオンが湿潤環境下においてめっき皮膜と反応し、腐食環境によってはめっき素地の腐食を促進し、変色やシミ状錆発生の要因となる。
また、前記成分(イ)としては、耐食性の優れた複合酸化物を得ることができるため、リン酸アンモニウム塩を使用することも有効である。リン酸アンモニウム塩としては、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウムなどの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
前記成分(ロ)である酸化物微粒子としては、酸化ケイ素(SiO微粒子)が最も好ましい。この酸化ケイ素は酸性水溶液中で安定な水分散性のSiO微粒子であればよく、市販のシリカゾルや水分散性のケイ酸オリゴマーなどを用いることができる。但し、ヘキサフルオロケイ酸などのフッ化物は腐食性が強く、人体への影響も大きいため、作業環境への影響などの観点から使用しないことが望ましい。酸化物微粒子としては、上記の酸化ケイ素のほかに、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アンチモンなどのコロイド溶液、微粉末などを用いることもできる。
処理液中での、酸化物微粒子の添加量(酸化ケイ素の場合はSiO量としての添加量)は0.001〜3.0モル/L、好ましくは0.05〜1.0モル/L、さらに好ましくは0.1〜0.5モル/Lとする。酸化物微粒子の添加量が0.001モル/L未満では添加による効果が十分でなく、耐食性が劣る。一方、添加量が3.0モル/Lを超えると皮膜の耐水性が悪くなり、結果的に耐食性も劣化する。
前記成分(ハ)であるMg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの各金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む化合物の中から選ばれる1種以上を処理液中に導入するには、前記金属のリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などの1種又は2種以上を処理液中に添加すればよい。
処理液中での上記添加成分(ハ)の添加量は、金属量換算の合計で0.001〜3.0モル/L、好ましくは0.01〜0.5モル/Lとする。これらの合計の添加量が0.001モル/L未満では添加による効果が十分に得られず、一方、添加量が3.0モル/Lを超えると、逆にこれらの成分が皮膜のネットワークを阻害するようになり、緻密な皮膜ができにくくなる。また、金属成分が皮膜から溶出しやすくなり、環境によっては外観が変色するなどの欠陥を生じる。
また、上記添加成分(ハ)において、Mg、Mnが顕著に耐食性を向上させる。
なお、添加成分(ハ)のイオンを金属塩として供給するために、塩素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオンなどのアニオンが処理液中に添加されてもよい。
上記添加成分(ハ)を含む処理液は、酸性水溶液である点が重要である。すなわち、処理液を酸性とすることにより亜鉛などのめっき成分が溶解しやすくなるため、化成処理皮膜とめっき界面に亜鉛などのめっき成分を含むリン酸化合物層が形成され、これにより両者の界面結合が強化される結果、耐食性に優れた皮膜になると推定される。
処理液(水溶液)のpHは0.5〜5、好ましくは2〜4とすることが適当である。処理液がpH0.5未満では処理液の反応性が高くなり過ぎるため皮膜に微細な欠陥部が形成され、耐食性が低下する。一方、処理液がpH5を超えると処理液の反応性が低くなり、めっき皮膜と複合酸化物皮膜との界面の結合が不十分となり、この場合も耐食性が低下する。
本発明では、ベースとなるめっき鋼板に前記成分(イ)を含有する処理液、または成分(イ)、(ロ)及び(ハ)を含有する処理液を塗布し、しかる後、加熱乾燥して、めっき鋼板表面に第1層皮膜(下層)として、
(a)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(b)酸化物粒子と、
(c)Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの中から選ばれる1種又は2種以上の金属(但し、化合物として含まれる場合を含む)と、を含有し、膜厚が0.005〜4μmのリン酸含有皮膜を形成する。
下層皮膜の膜厚を0.005〜4μmに限定したのは、膜厚が0.005μm未満では耐食性性が低下し、4μmを超えると溶性性などの導電性が低下するためである。膜厚は0.005〜3μmが好ましく、0.01〜2μがさらに好ましい。
なお、皮膜中でのリン酸、リン酸化合物の存在形態も特別な限定はなく、また、結晶若しくは非結晶であるか否かも問わない。また、皮膜中でのリン酸、リン酸化合物のイオン性、溶解度についても特別な制約はない。耐食性および溶接性などの観点から上記成分(a)の好ましい付着量はP量換算で0.01〜3000mg/m、より好ましくは0.1〜1000mg/m、さらに好ましくは1〜500mg/mである。
耐食性および溶接性の観点から上記成分(b)の好ましい付着量は0.01〜3000mg/m、より好ましくは0.1〜1000mg/m、さらに好ましくは1〜500mg/mである。
上記成分(c)である特定の金属成分(Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Fe)が皮膜中で存在する形態は特に限定されず、金属として、あるいは酸化物、水酸化物、水和酸化物、リン酸化合物、配位化合物などのイオン性、溶解度などについても特に限定されない。
耐食性および皮膜外観の低下防止の観点から上記成分(c)の好ましい付着量は金属量換算で0.01〜1000mg/m、より好ましくは0.1〜500mg/m、さらに好ましくは1〜100mg/mある。
本発明では、前記下層皮膜の上層に、膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を形成させる。上層の膜厚を0.1〜5μmに限定したのは、0.1μm未満では耐食性が不十分になり、5μmを超えると、導電性、加工性が低下するためである。
下層皮膜を形成する処理液として、前記成分(イ)、(ロ)及び(ハ)を含有する処理液を用い、前記のようにして製造された有機複合被覆鋼板は、従来のクロメート処理鋼板に代替可能な優れた特性を有している。しかし、前記のようにして有機複合被覆鋼板を製造する際に、下層皮膜を形成させる工程において、処理液を塗布することに起因する外観むらが発生しやすいという問題のあることが明らかになった。
そこで、本発明者らは、下層皮膜を形成する処理液の処理条件と外観むらの発生状況について詳細に調査した。その結果、下層皮膜を形成するときに塗布する処理液中に含まれるZnイオン量が外観むらの発生と関係があり、処理液中のZnイオン量を、酸性水溶液中のリン酸及び/又はリン酸化合物の量との関係において規定することが外観むらの発生を防止する上で効果的なことが明らかになった。Znイオンは元来処理液には添加されていない。前記処理液は、亜鉛めっき鋼板などのめっき鋼板との反応性が低い塗布型処理液であるが、処理液が酸性水溶液であるため、めっき皮膜中のZnが少量ずつ溶解し処理液中に蓄積されることで、外観むらが発生すると考えられる。
前記酸性水溶液中のリン酸及び/又はリン酸化合物のP換算量α(モル/L)とZnイオン量β(ppm)の比、α/βが1.7×10−5未満になると外観むらが発生しやすくなるので、外観むらを防止するには、前記α/βを1.7×10−5以上にする必要がある。
リン酸及び/又はリン酸化合物のP換算量α(モル/L)とZnイオン量β(ppm)の比、α/β、さらにZnイオン量βを前記で規定した範囲にすることによって、外観むらを防止できる理由は明らかではないが、次のように推測される。すなわち、処理されるめっき皮膜の表面性状は、必ずしも均一とはいえず、部分的に活性な部分と不活性な部分が混在する場合がある。このような鋼板にリン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液処理液を塗布すると、処理液温度や鋼板温度が高い場合に、処理液に含まれるリン酸及び/又はリン酸化合物が、めっき鋼板表面の活性な部分で亜鉛と僅かに反応し、外観むらになると推測される。処理液中で、溶解したZnイオン量のリン酸及び/又はリン酸化合物量に対する割合が多くなることで、表面の活性な部分でリン酸及び/又はリン酸化合物と亜鉛との反応が促進されることで外観むらの発生が顕著になるものと推測される。
また、処理液中へのZnイオンの溶解を低減し、まためっき表面の活性な部分でリン酸及び/又はリン酸化合物と亜鉛との反応を抑制し、もって外観むらを防止する観点から、好ましくは処理液温度は25℃以下であり、及び/又は、処理液を塗布されるめっき鋼板の温度は50℃未満、より好ましくは40℃以下であることが好ましい。
また、前記有機複合被覆鋼板を製造するにあたり、必要に応じて、下層を形成するための処理液を塗布する前に、予めめっき皮膜表面にアルカリ脱脂、溶剤脱脂、表面調整処理(アルカリ性の表面調整処理、酸性の表面調整処理)などの処理を施しておいてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
第一リン酸、コロイダルシリカ、及びMnを含有する、表1に記載の成分組成の下層皮膜用処理液A、Bを建浴した。Mnは第一リン酸塩で供給した。厚さ0.8mm×幅1200mm、めっき量20/20g/mの電気亜鉛めっき鋼板に、ピックアップロールとアプリケータロールを備える第1ロール塗布装置を用いて、表1に記載の成分組成の下層皮膜用処理液を用いて、乾燥膜厚で0.2〜0.6μmになるように塗布し、しかる後に140℃で焼き付け処理を行い、下層のリン酸含有皮膜を形成した。下層皮膜用処理液温度は25℃以下、処理液を塗布する鋼板温度は45℃以下とした。次いで、ピックアップロールとアプリケータロールを備える第2ロール塗布装置を用いて、有機樹脂を含む処理液を塗布し、しかる後に140℃で加熱乾燥して厚さ1.0μmの有機皮膜を形成する有機複合被覆鋼板を、処理液A、Bについて製造チャンスを分けて連続製造した。なお、第1ロール塗布装置、第2ロール塗布装置は、鋼板表面用、裏面用を各々1基ずつ有する。
有機複合被覆鋼板を製造途中で下層皮膜用処理液の成分組成、pHを測定し、同時に有機複合被覆鋼板の外観むらを観察した。また処理液成分組成、pHの測定結果に基づき、処理液の補充、pH調整を行った。下層皮膜用処理液の補給は、表1に記載の建浴した処理液と同じ成分組成の処理液A又はBを用いて行った。
有機複合被覆鋼板の外観むらを以下のように評価した。
(処理むらの評価基準)
○:外観むらが認めらないもの
△:軽度の外観むらが認められるもの
×:著しい外観むらが認められるもの
各製造チャンス毎の下層皮膜用処理液条件の測定結果、めっき鋼板の外観むらの評価結果を表2に示す。
Figure 2005248248
Figure 2005248248
酸性水溶液中のリン酸及び/又はリン酸化合物のP換算量α(モル/L)とZnイオン量β(ppm)の比、α/βが1.7×10−5未満では外観むらが発生したが、1.7×10−5以上では外観むらの発生がない。
本発明は、下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる有機複合被覆鋼板の製造方法として利用することができる。

Claims (1)

  1. 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板表面に、リン酸及び/又はリン酸化合物をP換算量で0.001〜6.0モル/L含有し、さらに酸化物微粒子を0.001〜3.0モル/L、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの各金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む化合物の中から選ばれる1種以上を、前記金属の金属量換算の合計で0.001〜3.0モル/L含有するpH0.5〜5の酸性水溶液を塗布し、しかる後、乾燥加熱して、膜厚が0.005〜4μmのリン酸含有皮膜を形成し、その上層に0.1〜5μmの有機皮膜を形成させる有機複合被覆鋼板を製造するにあたり、前記酸性水溶液中のリン酸及び/又はリン酸化合物のP換算量α(モル/L)とZnイオン量β(ppm)の比、α/βを1.7×10−5以上とすることを特徴とする表面外観に優れた有機複合被覆鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020063480A (ja) * 2018-10-17 2020-04-23 日鉄日新製鋼株式会社 化成処理めっき鋼板の製造方法及び製造設備

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