JP4419553B2 - ロール塗布方法 - Google Patents

ロール塗布方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4419553B2
JP4419553B2 JP2003418361A JP2003418361A JP4419553B2 JP 4419553 B2 JP4419553 B2 JP 4419553B2 JP 2003418361 A JP2003418361 A JP 2003418361A JP 2003418361 A JP2003418361 A JP 2003418361A JP 4419553 B2 JP4419553 B2 JP 4419553B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
phosphoric acid
coating
layer
plating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003418361A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005177553A (ja
Inventor
幸太郎 岡本
聡 安藤
晃 松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2003418361A priority Critical patent/JP4419553B2/ja
Publication of JP2005177553A publication Critical patent/JP2005177553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4419553B2 publication Critical patent/JP4419553B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Description

本発明は、塗布ロール、ロール塗布方法及び有機複合被覆鋼板の製造方法に関する。具体的には、亜鉛系めっき鋼板の表面に非酸化性酸性溶液をロール塗布するのに好適な塗布ロール、ロール塗布方法、及び前記溶液を塗布し、加熱乾燥して形成した皮膜を有する有機複合被覆鋼板の製造方法に関する。より詳細には、非酸化性酸性溶液のうちで、特にリン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液を塗布するのに好適な塗布ロール、ロール塗布方法、及び前記処理液を塗布し、加熱乾燥して形成したリン酸含有皮膜を有する有機複合被覆鋼板の製造方法に関する。
亜鉛系めっき鋼板のクロメート処理は、亜鉛の白錆を抑制する安価な防錆処理方法として幅広く使用されている。一方、クロメート処理液は6価クロムが含まれるため、従来から環境対策として、クロメート処理時の完全クローズドシステムによる排水処理の採用や、水洗工程を必要としない塗布型クロメート処理技術の開発が行われている。また、クロメート皮膜が微量に含有する6価クロムについても、クロム溶出を防止した有機複合被覆鋼板の開発、塗布型クロメート皮膜の難溶化の検討などが行われてきた。
一方、環境対策面から、6価クロムを使用しないクロムフリー化成処理鋼板の開発が行われ、例えば、以下のような方法が提案されている。
(1)タンニン酸を用いる方法(例えば、特許文献1)
(2)エポキシ樹脂とアミノ樹脂とタンニン酸を混合した熱硬化性塗料を用いる方法(例えば、特許文献2)
(3)水系樹脂と多価フェノールカルボン酸の混合組成物を用いる方法(例えば、特許文献3)
(4)ヒドラジン誘導体水溶液をブリキまたは亜鉛鉄板の表面に塗布する表面処理方法(例えば、特許文献4)
(5)水酸基含有モノマーを共重合成分として含有する有機樹脂とリン酸、金属のリン酸系化合物からなる表面処理用組成物を用いる方法(例えば、特許文献5)
(6)下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる方法(例えば、特許文献6、特許文献7)
以下に先行技術文献情報について記載する。
特開昭51−71233号公報 特開昭63−90581号公報 特開平8−325760号公報 特公昭56−10386号公報 特開平9−208859号公報 特開2001−11645号公報 特開2001−11656号公報
上記の中で、(6)の下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる有機複合被覆鋼板は、従来のクロメート処理鋼板に充分代替出来る特性を有している。
しかしながら、亜鉛系めっき鋼板表面にロール塗布によって酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜を形成させる際に、塗布むらが発生し、安定して均一な表面外観を得難いという問題がある。
本発明の目的は、前記問題点を解消し、亜鉛系めっき鋼板の表面に非酸化性酸性溶液を塗布する際に、塗布むらを防止し、均一な表面外観を安定して得ることができる塗布ロール及びロール塗布する方法を提供することである。
また、本発明の目的は、亜鉛系めっき鋼板の表面に非酸化性酸性溶液を塗布する際に発生する塗布むらを防止し、均一な表面外観を安定して得ることができる有機複合被覆鋼板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の要旨は次の通りである。
(1)第1発明は、亜鉛系めっき鋼板の表面に非酸化性酸性溶液をロールコータで塗布するロール塗布方法であって、ピックアップロールに、鋼製ロール表面に、第1層として厚さ1000〜3000μmで、その表面に彫刻加工が施されたNiめっき層と、その上層に第2層として厚さ10〜30μmのCrめっき層を有するグラビアロールを用いることを特徴とするロール塗布方法である。
第2発明は、第1発明において、前記非酸化性酸性溶液は、リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液であることを特徴とするロール塗布方法である。
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記非酸化性酸性溶液のpHは0.5〜5の範囲内にあることを特徴とするロール塗布方法である。
本発明の塗布ロールによれば、非酸化性酸性溶液を塗布した際にロール表面に発生するピット状の疵発生の問題が改善される。発明の塗布ロールは塗布むらの発生を防止する効果がより優れ、さらに塗布ロールを加工して繰り返し使用するときはグラビア加工とCrめっきを行うだけでよいので、塗布ロールの加工コストを低減する効果もある。
亜鉛系めっき鋼板の表面に非酸化性酸性溶液をロール塗布する際に、本発明の塗布ロールを使用することで、塗布むらの発生を防止し、外観むらのない均一な表面外観が得られる。
亜鉛系めっき鋼板上に、下層にリン酸含有皮膜、上層に有機皮膜を有する有機複合被覆鋼板を製造する際に、本発明の塗布ロールを用いて下層のリン酸含有皮膜を形成することで、外観むらのない均一な表面外観の有機複合被覆鋼板を安定製造できる。
以下、本発明の実施の形態について、非酸化性酸性溶液が、リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液である場合を例に挙げて説明する。
リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液は、例えば図1に示す2本の塗布ロールを備えるロールコータを用いて亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布される。図1のロールコータでは、塗料パン1内の処理液2をピックアップロール3で汲み上げ、汲み上げた処理液2をアプリケータロール4に転写し、さらに亜鉛系めっき鋼板6に塗布される。なお、処理液2は、図示されていない循環槽内からポンプで塗料パン1に送られ、余剰の処理液2は循環槽に戻る。ピックアップロール3には、鋼製ロールが使用され、汲み上げる塗液量を調整するために、その表面に彫刻が施されたグラビアロールが使用され、耐摩耗性を向上させるためにその表面にクロムめっきが施されている。またアプリケータロール4にはゴム被覆された鋼製ロールが使用されている。
このロールコータを用いて前記リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液を塗布すると、外観むらが発生する。本発明者らが外観むらの発生原因について種々検討調査した。その結果、外観むらはピックアップロール3表面に微細なピット状の疵が生じることで局部的にウエット膜厚が変化することにより発生することが明らかになった。なお、場合によっては、Crめっき層が剥がれ、所要のウエット膜厚に調整できないこともある。
前記ロールコータは、クロメート処理液の塗布に用いられているものと同じ構成である。本発明が対象とするリン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液は、クロメート処理液と異なり、非酸化性水溶液であるため、クロムめっき層に存在する微細なクラックを介して及び/又はクロムめっき層の摩耗によって、塗液と下地(基材)の鋼が接触して基材の鋼が腐食し、ロール表面にピット状の疵を生じると考えられる。
そこで、本発明者らは、彫刻が施されたグラビアロールからなる鋼製のピックアップロール3における微細なピットの発生を防止すべく鋭意検討した。その結果、図2に示すように、基材の鋼製ロール12表面に、第1層として厚さ10〜30μmのNiめっき層13と、前記第1層の上に第2層として厚さ10〜30μmのCrめっき層14を形成してなる2層めっき構造の塗布ロール11を用いることで、前記微細なピット状の疵の発生が従来の塗布ロール(Crめっきロール)に比べて大幅に改善されることを見いだした。
Niめっき層13は、基材の鋼製ロール12とクロムめっき層14の密着性を高めることによってロールのピット状の発生を防止する。その厚さが10μm未満では、彫刻が施されたグラビアロールにおいて、ロールのピット状の疵の発生を防止する効果が不十分になる。またその厚さが30μm超になるとピット状の疵の発生を防止する効果が飽和し、逆にめっきコストが上昇する。そのため、Niめっき層13の厚さは10〜30μmに限定した。
Crめっき層14の厚さが10μm未満になると、彫刻が施されたグラビアロールにおいて、ロールが磨耗してピット状の疵が発生しやすくなる。Crめっき層14の厚さが30μmを超えると、耐摩耗性向上効果とピット状の疵の発生を防止する効果が飽和し、逆にめっきコストが上昇する。そのため、Crめっき層14の厚さは10〜30μmに限定した。Crめっき層14としては、耐摩耗性を向上させる観点から硬質クロムめっきが採用される。
前述の塗布ロール11は、鋼製ロール表面12に、Niめっき、次いでCrめっきを順次行い、第1層として厚さ10〜30μmのNiめっき層13と、前記第1層の上に第2層として厚さ10〜30μmのCrめっき層14を形成して製造される。グラビアロールの場合は、グラビア加工(彫刻加工)後、前述のめっき層を形成する。非酸化性酸性溶液を塗布することで塗布ロール11が磨耗したら、塗布ロール11を再加工する。この場合、Crめっき層14とNiめっき層13を取り除き、前述のNiめっき層13とCrめっき層14を形成する。グラビアロールの場合はグラビア加工を行った後前述のめっき層を形成する。グラビアロールの彫刻の形状、寸法は塗布する塗液と塗布する膜厚に応じて適宜のものが選定される。
前述の2層めっき構造の塗布ロール11を用いることで、従来の塗布ロール(Crめっきロール)に比べて微細なピット状の疵発生の問題は大幅に改善されたが、微細なピット状の疵発生の問題は完全には解消されなかった。さらに検討した結果、微細なピット状の疵の発生を確実に防止するには、第1層のNiめっき層13の厚さを厚くすることが有効であることが明らかになった。
Niめっき層13を厚くした場合、グラビア加工後にNiめっき層13を形成すると、Niめっき後に所要の寸法形状の彫刻模様が得られない。Niめっき層13を形成後グラビア加工することで、彫刻模様を所要の寸法形状にできる。Niめっき層13を厚くすると、塗布ロール11の再加工するときに、Niめっき層13の表層部分のみを除去した後、所要のグラビア加工、Crめっきを行うことができるので、塗布ロール11の再加工コストを低減できる。Niめっき層13を厚くすることで前述の塗布ロール11の再加工を複数回行うことができるようになるので、Niめっき層13を厚くしても塗布ロール11を繰り返し加工して使用するときの平均加工コストも低減される。
係る点からは、Niめっき層13の厚さを1000〜3000μmとするのが有利である。Niめっき層13の厚さが1000μm未満になると、彫刻のための加工代が小さくなり、Niめっき層13の表層部分のみを除去してグラビア加工できる回数が減少し、またNiめっき層13の厚さが3000μmを越えるとNiめっき層13を形成するコストが高くなり、いずれも塗布ロール11の再加工コストを低減する効果が低下するようになる。グラビアロールの彫刻の形状、寸法は塗布する塗液と塗布する膜厚に応じて適宜のものが選定される。
前述のようにすることで、前述の塗布ロールの微細ピットの問題を完全に解消し、塗布後に均一な外観を安定する得ることができるだけでなく、ロール再加工コストの低減が可能になる。
リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液を加熱乾燥して形成した皮膜を第1層とし、その上層に第2層として樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる有機複合被覆鋼板の特性を従来のクロメート処理鋼板に代替可能な優れた特性を確保する観点から、リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液は、次のものを対象とする。
リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液は、(イ)リン酸及び/又はリン酸化合物を含み、または、さらに(ロ)酸化物微粒子と、(ハ)Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの各金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む化合物の中から選ばれる1種以上と、を含有する処理液である。
前記成分(イ)であるリン酸及び/又はリン酸化合物としては、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸などのポリリン酸、メタリン酸及びこれらの無機塩(例えば、第一リン酸アルミニウムなど)、亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩などのリン酸含有の化合物が、水溶液中で溶解した際に生じるアニオン、あるいは金属カチオンとの錯イオンとして存在している形態、遊離酸として存在している形態など全てを含み、本発明におけるリン酸成分の量は酸性水溶液中で存在するこれら全ての形態の合計をP25換算として規定する。
処理液中でのリン酸及び/又はリン酸化合物の添加量はP25換算で0.001〜6.0モル/L、好ましくは0.02〜1.0モル/L、さらに好ましくは0.1〜0.8モル/Lとする。リン酸及び/又はリン酸化合物の添加量が0.001モル/L未満では添加による効果が十分でなく、耐食性が劣る。一方、添加量が6.0モル/Lを超えると過剰のリン酸イオンが湿潤環境下においてめっき皮膜と反応し、腐食環境によってはめっき素地の腐食を促進し、変色やシミ状錆発生の要因となる。
また、前記成分(イ)としては、耐食性の優れた複合酸化物を得ることができるため、リン酸アンモニウム塩を使用することも有効である。リン酸アンモニウム塩としては、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウムなどの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
前記成分(ロ)である酸化物微粒子としては、酸化ケイ素(SiO2微粒子)が最も好ましい。この酸化ケイ素は酸性水溶液中で安定な水分散性のSiO2微粒子であればよく、市販のシリカゾルや水分散性のケイ酸オリゴマーなどを用いることができる。但し、ヘキサフルオロケイ酸などのフッ化物は腐食性が強く、人体への影響も大きいため、作業環境への影響などの観点から使用しないことが望ましい。酸化物微粒子としては、上記の酸化ケイ素のほかに、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アンチモンなどのコロイド溶液、微粉末などを用いることもできる。
処理液中での、酸化物微粒子の添加量(酸化ケイ素の場合はSiO2量としての添加量)は0.001〜3.0モル/L、好ましくは0.05〜1.0モル/L、さらに好ましくは0.1〜0.5モル/Lとする。酸化物微粒子の添加量が0.001モル/L未満では添加による効果が十分でなく、耐食性が劣る。一方、添加量が3.0モル/Lを超えると皮膜の耐水性が悪くなり、結果的に耐食性も劣化する。
前記成分(ハ)であるMg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの各金属イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む水溶性イオン、前記金属のうちの少なくとも1種を含む化合物の中から選ばれる1種以上を処理液中に導入するには、前記金属のリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などの1種又は2種以上を処理液中に添加すればよい。
処理液中での上記添加成分(ハ)の添加量は、金属量換算の合計で0.001〜3.0モル/L、好ましくは0.01〜0.5モル/Lとする。これらの合計の添加量が0.001モル/L未満では添加による効果が十分に得られず、一方、添加量が3.0モル/Lを超えると、逆にこれらの成分が皮膜のネットワークを阻害するようになり、緻密な皮膜ができにくくなる。また、金属成分が皮膜から溶出しやすくなり、環境によっては外観が変色するなどの欠陥を生じる。
上記添加成分(ハ)において、Mg、Mnが顕著に耐食性を向上させる。なお、添加成分(ハ)のイオンを金属塩として供給するために、塩素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオンなどのアニオンが処理液中に添加されてもよい。
上記添加成分(ハ)を含む処理液は、酸性水溶液である点が重要である。すなわち、処理液を酸性とすることにより亜鉛などのめっき成分が溶解しやすくなるため、化成処理皮膜とめっき界面に亜鉛などのめっき成分を含むリン酸化合物層が形成され、これにより両者の界面結合が強化される結果、耐食性に優れた皮膜になると推定される。
処理液(水溶液)のpHは0.5〜5、好ましくは2〜4とすることが適当である。処理液がpH0.5未満では処理液の反応性が高くなり過ぎるため皮膜に微細な欠陥部が形成され、耐食性が低下する。一方、処理液がpH5を超えると処理液の反応性が低くなり、めっき皮膜と複合酸化物皮膜との界面の結合が不十分となり、この場合も耐食性が低下する。
本発明では、ベースとなるめっき鋼板に前記成分(イ)を含有する処理液、または成分(イ)、(ロ)及び(ハ)を含有する処理液を本発明で規定する塗布ロールを用いて塗布し、しかる後、加熱乾燥して、めっき鋼板表面に、
(a)リン酸及び/又はリン酸化合物、
または、さらに、
(b)酸化物粒子と、
(c)Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Feの中から選ばれる1種又は2種以上の金属(但し、化合物として含まれる場合を含む)と、を含有し、膜厚が0.005〜4μmのリン酸含有皮膜を形成する。
前記皮膜の膜厚を0.005〜4μmに限定したのは、膜厚が0.005μm未満では耐食性性が低下し、4μmを超えると溶性性などの導電性が低下するためである。膜厚は0.005〜3μmが好ましく、0.01〜2μがさらに好ましい。
なお、皮膜中でのリン酸、リン酸化合物の存在形態も特別な限定はなく、また、結晶若しくは非結晶であるか否かも問わない。また、皮膜中でのリン酸、リン酸化合物のイオン性、溶解度についても特別な制約はない。耐食性および溶接性などの観点から上記成分(a)の好ましい付着量はP25量換算で0.01〜3000mg/m2、より好ましくは0.1〜1000mg/m2、さらに好ましくは1〜500mg/m2である。
耐食性および溶接性の観点から上記成分(b)の好ましい付着量は0.01〜3000mg/m2、より好ましくは0.1〜1000mg/m2、さらに好ましくは1〜500mg/m2である。
上記成分(c)である特定の金属成分(Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Al、Fe)が皮膜中で存在する形態は特に限定されず、金属として、あるいは酸化物、水酸化物、水和酸化物、リン酸化合物、配位化合物などのイオン性、溶解度などについても特に限定されない。
耐食性および皮膜外観の低下防止の観点から上記成分(c)の好ましい付着量は金属量換算で0.01〜1000mg/m2、より好ましくは0.1〜500mg/m2、さらに好ましくは1〜100mg/m2である。
従来のクロメート処理鋼板に代替可能な優れた特性を得るには、前記で形成した皮膜の上層に、膜厚が0.1〜5μmの有機皮膜を形成させる。上層の膜厚を0.1〜5μmに限定したのは、0.1μm未満では耐食性が不十分になり、5μmを超えると、導電性、加工性が低下するためである。
図1に示したロールコータでは、2本の塗布ロールを備えるロールコータであるが、ロールコータの塗布ロールは3本またはそれ以上であってもよい。この場合、ピックアップロールに本発明で規定する2層構造のめっき層を有する塗布ロールを使用し、その他の塗布ロールはゴム被覆ロールを使用してもよい。またピックアップロールにはゴム被覆ロールを使用し、ピックアップロールが汲み上げた塗液が塗布される中間ロール、またはピックアップロールが汲み上げた塗液量を調整するドクターロールに本発明で規定する2層構造のめっき層を有する塗布ロールを使用してもよい。
本発明において、ベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金めっき鋼板)などを用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明を説明する
参考例1)
種々のサイズの電気亜鉛めっき鋼板に、第1のロールコータとして、図1に示したロールコータを用いて、基準浴として、リン酸(P換算):0.32モル/L、コロイダルシリカ(SiO換算):0.50モル/L、Mn:0.16モル/Lを含み、pH:2.7の処理液を用いて連続塗布し、しかる後図示されていない加熱炉で加熱乾燥して乾燥膜厚が0.2〜0.6μmの範囲のリン酸含有皮膜(第1層)を形成した。Mnは第一リン酸塩で供給した。
ピックアップロールとして、鋼製ロール表面に、第1層として厚さ30μmのNiめっき層、第2層として厚さ20μmのCrめっき層を形成したグラビアロールを使用し、アプリケータロールにはゴム被覆ロールを使用した。グラビア加工はNiめっき層を形成する前に行い、グラビア寸法はR100(斜線型セル、1インチ当たりの溝数が100)とした。図1中、矢印は鋼板通板方向、ロールの回転方向を示している。
次いで、図示されていない第2のロールコータを用いて、エポキシ系樹脂を含有する有機樹脂溶液を塗布し、しかる後加熱乾燥して乾燥膜厚が1μmの有機皮膜(第2層)を形成した。
前記で製造した有機複合被覆鋼板の表面外観を目視観察して第1のロールコータのピックアップロールの微細なピット状の疵に起因する外観むらの発生有無を調査したところ、10000トン塗布処理するまでピックアップロールの微細なピット状の疵に起因する外観むらは発生しなかった。
(比較例1)
参考例1において、第1のロールコータのピックアップロールを、鋼製ロール表面に厚さ20μmのCrめっき層のみを形成したグラビアロール(グラビア寸法は参考例1と同じである)に代えた以外は、参考例1と同様にして第1層、第2層を形成した。前記で製造した有機複合被覆鋼板の表面外観を目視観察したところ、1000〜3000トン塗布処理すると、第1のロールコータのピックアップロールの微細なピット状の疵に起因する外観むらが発生した。
(発明例
参考例1において、第1のロールコータのピックアップロールを、鋼製ロール表面に厚さ3000μmのNiめっき層、厚さ20μmのクロムめっき層を形成したグラビアロールに代えた以外は参考例1と同様にして第1層、第2層を形成した。グラビア加工はNiめっき後に行い、グラビア寸法は参考例1と同じである。前記で製造した有機複合被覆鋼板の表面外観を目視観察したところ、20000トン塗布処理した時点で、ロール磨耗により塗布ロールを取り外したが、その時点でピックアップロールのピット状の疵の発生がなく、従ってピット状の疵に起因する外観むらも発生しなかった。
取り外した第1のロールコータのピックアップロールを再加工するときは、Crめっき層、及びNiめっき層の表層部分を25〜30μm程度除去した後グラビア加工を行い、次いで再度クロムめっき層を形成すればよい。本発明例のピックアップロールは、Niめっきを行うことなくその表層部分を除去するだけで引き続きグラビア加工とクロムめっきを行うことができ、Niめっき層に彫刻のための加工代がなくなるまでこのようなロールの再加工を複数回行うことができることから、塗布ロールの再加工コストを低減でき、また厚さ3000μmのNiめっき層を形成したロールの初期加工コストとその後の再加工コストを合わせたロールの平均加工コストも低減できる。
本発明の塗布ロールは、亜鉛系めっき鋼板の表面に非酸化性酸性溶液を塗布する塗布ロールとして、特に亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液を塗布する塗布ロールとして好適に利用できる。
本発明のロール塗布方法は、亜鉛系めっき鋼板の表面に非酸化性酸性溶液をロール塗布する方法として、特に亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液を塗布する方法として好適に利用できる。
本発明の有機複合被覆鋼板の製造方法は、下層にリン酸含有皮膜、上層に有機皮膜を有し、外観むらのない優れた表面外観を有する有機複合被覆鋼板を製造する方法として利用できる。
本発明の実施例で使用したロールコータの要部を示す図である。 本発明の塗布ロールの構造を説明する一部断面図を含む概略図ある。
符号の説明
1 塗料パン
2 塗液(リン酸及び/又はリン酸化合物含有塗液)
3 ピックアップロール
4 アプリケータロール
5 バックアップロール
6 鋼板(亜鉛系めっき鋼板)
11 塗布ロール
12 鋼製ロール(基材)
13 Niめっき層
14 Crめっき層

Claims (3)

  1. 亜鉛系めっき鋼板の表面に非酸化性酸性溶液をロールコータで塗布するロール塗布方法であって、ピックアップロールに、鋼製ロール表面に、第1層として厚さ1000〜3000μmで、その表面に彫刻加工が施されたNiめっき層と、その上層に第2層として厚さ10〜30μmのCrめっき層を有するグラビアロールを用いることを特徴とするロール塗布方法。
  2. 前記非酸化性酸性溶液は、リン酸及び/又はリン酸化合物を含有する処理液であることを特徴とする請求項に記載のロール塗布方法。
  3. 前記非酸化性酸性溶液のpHは0.5〜5の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載のロール塗布方法。
JP2003418361A 2003-12-16 2003-12-16 ロール塗布方法 Expired - Fee Related JP4419553B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003418361A JP4419553B2 (ja) 2003-12-16 2003-12-16 ロール塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003418361A JP4419553B2 (ja) 2003-12-16 2003-12-16 ロール塗布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005177553A JP2005177553A (ja) 2005-07-07
JP4419553B2 true JP4419553B2 (ja) 2010-02-24

Family

ID=34780593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003418361A Expired - Fee Related JP4419553B2 (ja) 2003-12-16 2003-12-16 ロール塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4419553B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008094013A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Nippon Steel & Sumikin Coated Sheet Corp 意匠性に優れた塗装金属板とその製造方法
JP4972794B2 (ja) * 2008-03-26 2012-07-11 Jfeスチール株式会社 ロール塗布方法およびロール塗布装置
JP5596721B2 (ja) * 2012-02-23 2014-09-24 尾池工業株式会社 導電性高分子樹脂フィルムの製造方法
JP6868406B2 (ja) * 2017-01-31 2021-05-12 株式会社ミマキエンジニアリング 立体物造形装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005177553A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007023353A (ja) 亜鉛系めっき部材のノンクロム反応型化成処理
JP4845951B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法、表面処理鋼板、および表面処理鋼板に有機樹脂を被覆してなる樹脂被覆表面処理鋼板
JP3987633B2 (ja) 金属の保護皮膜形成用処理剤と形成方法
JP2008133502A (ja) クロムフリー化成処理液および処理方法
JP4349149B2 (ja) 導電性に優れる表面処理鋼板の製造方法
JPH10251509A (ja) 金属表面処理液および表面処理金属板
JP6441655B2 (ja) 下地処理液、下地処理液を用いた有機被覆亜鉛めっき鋼管の製造方法、及び、有機被覆亜鉛めっき鋼管
JP4419553B2 (ja) ロール塗布方法
JP2000144444A (ja) 耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法
JP4846988B2 (ja) 六価クロムを含まない化成皮膜の仕上げ剤
JP3584937B1 (ja) 6価クロムフリー黒色防錆皮膜と表面処理液および処理方法
JP2001011645A (ja) 耐食性に優れた有機被覆鋼板およびその製造方法
JPS60103185A (ja) 耐食性および潤滑性に優れた2層クロメ−ト処理鋼板
JP4848652B2 (ja) 耐食性と外観色調に優れた表面処理鋼板の製造方法
JP5946358B2 (ja) 6価クロムフリー有機被覆鋼材の製造方法
JP2004269921A (ja) 有機複合被覆鋼板の製造方法
JP4179527B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法、表面処理鋼板、および表面処理鋼板に有機樹脂を被覆してなる樹脂被覆表面処理鋼板
JP2005248248A (ja) 表面外観に優れた有機複合被覆鋼板の製造方法
JP4419555B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法
JP3330423B2 (ja) 陰極電解樹脂クロメート型金属表面処理方法
JP4117203B2 (ja) 耐食性亜鉛系めっき鋼板
JP3892642B2 (ja) 表面処理鋼板およびその製造方法
JP4344155B2 (ja) 表面処理亜鉛めっき鋼板および表面処理液
JPH08983B2 (ja) 耐食性に優れたクロメ−ト処理方法
JP3367454B2 (ja) 有機樹脂フィルム密着性および耐エッジクリープ性に優れたクロメート処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060921

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131211

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees