JPH088683Y2 - 組立棚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、折畳み状態から組立可
能なシート材より製作される組立棚に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】このような簡易型の組立棚としては、販
売店においてフロアに設置することにより商品を載置さ
せる厚紙製の組立式陳列棚が種々周知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、分離し
たパーツが多かったり、組立操作が面倒であったり或は
組立状態が強固でない等で、改良の余地がそれぞれ残さ
れている。

【０００４】本考案は、厚紙等のシートから簡単に製作
され、かつ折畳み状態から容易に組立てることができ、
しかも組立状態の強度も確保できる特に陳列棚に適した
組立棚を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、この目的を達
成するために、前後板及び３枚以上のシートを積層して
形成された両側板で方形状に形成され、かつその各コー
ナ部が可撓性シートのインテグラルヒンジ部を介して連
結された基部と、背板の両側端に側板及び表面に棚板が
それぞれ可撓性シートのインテグラルヒンジ部を介して
連結した棚本体とより構成され、基部の両側板の上部の
一部には、両最外部のシートを残して内部のシートを切
欠くことにより係入溝をそれぞれ形成し、棚本体の両側
板には、部分的に下方へ延長させることにより係入溝へ
係入させる係入片をそれぞれ突設し、棚板の両側端に
は、部分的に側方へ延長させることにより係入片を形成
すると共に、棚本体の両側板には、棚板の係入片を係入
させて突出させる係入穴をそれぞれ形成した。

【０００６】

【作用】不使用時には、基部は前後板が互に接近するよ
うにインテグラルヒンジ部で折曲げて畳む。棚本体の側
板はインテグラルヒンジ部で開くか又は背板へ対接する
ように折畳み、棚板はインテグラルヒンジ部で背板へ対
接するように折畳む。

【０００７】使用時には、基部を方形状に広げると共
に、棚本体の棚板及び側板を背板に対して直交方向へ回
動させ、棚板の係入片を側板の係入穴から突出させる。
次いで、棚本体の両側板を基部の両側板に載置させるよ
うに、上方からその係入片を係入溝へ係入させる。

【０００８】

【実施例】図１乃至図４は、本考案の一実施例による特
に陳列棚として用いることのできる組立棚を示す。

【０００９】この組立棚は、横幅６０×奥行３８×高さ
３５ｃｍの基部１０と、高さ７５ｃｍの棚本体２０とよ
り２分割のセパレート式に段ボールで製作され、外観を
保つために最外部の段ボールには表面が白紙のものを使
用する。

【００１０】基部１０は、１枚の段ボールを正面で折返
してその間に２枚の段ボールを挿入・貼着させて４枚に
積層された側板１１と、両側のコーナ部でインテグラル
ヒンジ部１２ａを介して延長されて形成された貼着片で
側板１１の内面に同一面状に貼着された後板１２と、両
側のコーナ部で同様に延長によりインテグラルヒンジ部
１３ａを介した貼着片で両側板１１の内面に貼着された
前板１３とより、方形状に形成されている。

【００１１】前板１３には、インテグラルヒンジ部１４
ａを介して延長することにより、棚板として機能する蓋
１４が形成されている。側板１１の上部の中央部分に
は、両外側２枚を残して中２枚の段ボールを部分的に切
欠くことにより係入溝１５が形成されている。

【００１２】基部１０の内部には、図２に示すように、
蓋１４の厚みだけ高さの低い縦方向の補強板１６及び横
方向の補強板１７が交差状に組込まれている。補強板１
６はインテグラルヒンジ部１６ｄを介したコの字形部分
の貼着部１６ａで前板１３に貼着され、インテグラルヒ
ンジ部１６ｅを介したＬ字形部分の貼着部１６ｂで後板
１２に貼着され、上向きの切込み１６ｃが形成されてい
る。２枚の補強板１７には、下向きの切込み１７ｃが形
成されている。そして、切込み１６ｃから切込み１７ｃ
を係入させることにより、両側板１１間及び前後板１
３、１２間に橋渡しされて、基部１０を補強すると共
に、蓋１４の支持機能も果たす。

【００１３】棚本体２０は、２枚の段ボールで形成され
た背板２１と、その内側の段ボールを途中の２個所でイ
ンテグラルヒンジ部２１ａを介して前方へ延長して正面
で折返され、かつその間に２枚の段ボールを追加挿入し
て貼着された４枚積層の２段の棚板２２と、背板２１の
両側端の外側の段ボールをインテグラルヒンジ２１ｂを
介して延長された貼着片２１ｃに貼着され、かつ自由端
で折返されてその間に２枚の段ボールを挿入貼着された
４枚積層の両側の側板２３とより形成されている。

【００１４】側板２３の下端には、中２枚を下方へ延長
することにより係入片２４が形成されている。背板２１
の下端では、部分的に外側の段ボールを延長して連結ひ
れ部３８が形成されている。棚板２２の両側端部の中間
部分には、それぞれ延長されることにより、係入片２５
が突設されている。両側板２３には、係入片２５を係入
させて突出させる係入穴２６がそれぞれ形成されてい
る。各係入片２５の係入穴２６からの突出部分には、最
上部の段ボールを残して残り３枚の段ボールを切欠くこ
とによりロック溝２７（図３Ａ）が形成され、係入穴２
６の下周面には、その最も外の段ボールを上方へ延長さ
せることによりロック溝２７に係入させるロックひれ部
２８（図３Ｂ）が形成されている。

【００１５】３０、３０ａは、段ボール４枚積層の補強
機能を兼ねる仕切板であり、上下端にそれぞれ中２枚の
段ボールを延長することにより、係入片３２、３２ａ、
３３、３３ａが形成されている。上側の棚板２２の中間
位置には、係入片３２を係入させる係入溝３５が形成さ
れ、下側の棚板２２には、上半分に係入片３３、下半分
に係入片３２ａを係入させる係入穴３６が形成され、蓋
１４には係入片３３ａを係入させる係入穴１４ｂが形成
されている。

【００１６】このように形成された組立棚の組立方法及
び各部の動作は次の通りである。不使用時には、基部１
０は、蓋１４を上方へ開放した状態で前後板１３、１２
が互に接近するように、補強板１６、１７と共に折畳ん
でおく。棚本体２０は、両側板２３を背板２１の裏面に
折畳み、棚板２２は背板２１の表面に対接するように折
畳んでおく。これにより、組立棚は、２分割されて平坦
状に折畳まれる。

【００１７】使用時には、基部１０を方形状に広げ、蓋
１４を水平位置に回動させて補強板１６、１７へ載置す
る。次いで、棚本体２０の上下の棚板２２を背板２１に
対して直交方向へ回動させ、その間に仕切板３０の上下
の係入片３２、３３をセットする。側板２３も背板２１
に対して直交方向へ回動させ、その係入片２５を係入穴
２６に係入させる。

【００１８】仕切板３０ａの係入片３２ａを下側の棚板
２２にセットし、係入片３３ａを蓋１４の係入穴１４ｂ
に、また両側板２３の係入片２４を係入溝１５へ係入さ
せる。さらに、連結ひれ部３８は、両面粘着テープで後
板１２の内面の段ボール１枚の切欠に同一面状に貼着さ
せる。４個所の係入片２５の突出部分のロック溝２７に
ロックひれ部２８を屈曲させて押し込んで係入させるこ
とにより、側板２３は開かないようにロックされる。

【００１９】この状態で、棚板２２はその係入片２５が
側板１１で、その途中が仕切り板３０、３０ａで支持さ
れる。連結状態は、係入片２４の対応形状の係入溝１５
への係入で基本的に強固に確保され、さらに係入片２５
の全周の拘束及びロック具２７、２８の拘束でより強固
になり、連結ひれ部３８で棚本体２０が上方へ抜けるこ
もない。

【００２０】これにより、蓋１４、上下の棚板２２に
は、重い商品でも安定して載置できる。補強板１６、１
７の挿入で基部１０の周面が変形することもなく、固定
された平行状態の係入片２４が係入溝１５に係合するこ
とにより、方形状が保持される。

【００２１】尚、前述の実施例において、蓋１４の水平
位置への支持部材は、場合により補強板１６、１７に代
えて、蓋１４自体、側板１１或は後板１２に形成するこ
とも考えられる。また、図５は蓋１４の変形例を示すも
ので、開閉式でなく、独立に分離された方形状の棚板用
蓋３４を用意し、さらに補強板１６、１７の高さを僅か
に低くすることにより、基部１０の上端部を周壁として
利用し、商品を滑落させないようにしてある。段ボール
に代えて、耐水性を持たせるようにシート状合成樹脂で
製作したり、インテグラルヒンジ部を形成しない部分の
シートは可撓性を持たせずに、例えばベニヤ板等で一層
強度を高めることもできる。

【００２２】

【考案の効果】以上、請求項１の考案によれば、シート
の切断、ヒンジ加工及び貼着等により安価、かつ簡単に
製作され、保管時には平坦状に折畳み可能となる。組立
は、多数のパーツ無しで、回動操作及び係入操作により
簡単に行える。棚板が側板に確実に支持され、その支持
状態は側板の係入片が基部の係入溝へ係入し、さらに突
出することにより確実に拘束される。したがって、組立
状態も強固になり、安定して、また重い物でも載置でき
る。

【００２３】請求項２によれば、２分割式でも棚本体に
任意の段数の棚板が取り付けられる。請求項３によれ
ば、簡単な構造で棚板を追加できる。請求項４によれ
ば、シート材を利用したロック具により、組立状態がよ
り強固になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による組立棚の分解斜視図で
ある。

【図２】同組立棚の補強板の分解斜視図である。

【図３】同組立棚のロック具を示す斜視図である。

【図４】同組立棚の組立状態を示す斜視図である。

【図５】同組立棚の基部の変形例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ 基部 １１、２３ 側板 １２ 後板 １３ 前板 １４ 蓋 １５ 係入溝 ２０ 棚本体 ２１ 背板 ２２ 棚板 ２４ 係入片 ２６ 係入穴

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後板及び３枚以上のシートを積層して
   形成された両側板で方形状に形成され、かつその各コー
   ナ部が可撓性シートのインテグラルヒンジ部を介して連
   結された基部と、背板の両側端に側板及び表面に棚板が
   それぞれ可撓性シートのインテグラルヒンジ部を介して
   連結した棚本体とより構成され、 前記基部の前記両側板の上部の一部には、両最外部のシ
   ートを残して内部のシートを切欠くことにより係入溝を
   それぞれ形成し、 前記棚本体の前記両側板には、部分的に下方へ延長させ
   ることにより前記係入溝へ係入させる係入片をそれぞれ
   突設し、 前記棚板の両側端には、部分的に側方へ延長させること
   により係入片を形成すると共に、前記棚本体の前記両側
   板には、前記棚板の前記係入片を係入させて突出させる
   係入穴をそれぞれ形成したことを特徴とする組立棚。
2. 【請求項２】 背板の表面に、複数段の棚板がそれぞれ
   可撓性シートのインテグラルヒンジ部を介して連結され
   たことを特徴とする請求項１の組立棚。
3. 【請求項３】 基部に、棚板として機能する蓋を付属さ
   せたことを特徴とする請求項１の組立棚。
4. 【請求項４】 棚板の各係入片の係入穴からの突出部分
   には、切欠によりロック溝を形成すると共に、棚本体の
   両側板の各係入穴の下周面には、少なくとも最も外側の
   シートを上方へ延長させることにより前記ロック溝に係
   入させるロックひれ部を形成したことを特徴とする請求
   項１の組立棚。