JPH0619462Y2 - 紙製平パレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は紙特にダンボール製の平パレットの構造に関す
る。

［従来の技術］ 使い捨ての平パレットの材料として木材に代えて紙製例
えばダンボール製のものが用いられるようになってい
る。またいわゆる四方差しと称せられる平パレットすな
わち四角形状のパレットのいずれの側面からもフォーク
を挿入できる形式の紙製のパレットも開発されている。

しかしながら、従来の紙製の平パレットは四角柱状に形
成したものを複数個固着して構成していた。したがっ
て、かかる公知の紙製のパレットは上下対象に構成さ
れ、いわゆる両面使用形であるが、固着するための接着
剤又は固着具の固着の態様によっては強度が低下するこ
と、および底板があるので、収納時に積み重ねたときに
スペースが必要となるという欠点があった。

近時ローラーコンベアの発展に伴い平パレットを搬送す
る場合に、必ずしも底板を必要としなくなったので、両
面使用形ではなく、底板のない単面使用形の方が望まれ
ている。しかしながら、紙製の場合、底板がない単面使
用形では強度上の問題があり、特に四方差しの場合は、
脚部にフォーク挿入用の空間を設けねばならないので問
題があった。

［解決しようとする課題］ したがって本考案の目的は、底板がなく、しかも四方差
しができる紙製平パレットを提供するにある。

［考案の知見］ 本考案者は種々研究の結果、紙製の平パレットの場合
に、本体と脚部とを一体構造の板状体を折り曲げて構成
すれば、強度上問題がなく、また脚部に四方差しのため
の空間を設けても充分に強度的に耐え得ることを見出し
た。すなわち、一枚の板状体を折り曲げて脚部を構成す
ることによって、曲げモーメントや撓みに対して充分な
強度を有することを見出した。

［課題を解決するための手段］ 本考案によれば、本体部と、その本体部の両側に設けた
脚部と、それらの脚部に設けた空間とを備える紙製平パ
レットにおいて、それらの脚部は本体部を構成する一枚
の板状体の両側に第１、第２、第３および第４の折り曲
げ部分で構成された角柱状で構成され、本体部に隣接す
る第１の折り曲げ部にはフォークを挿入する位置に空間
が形成され、第３の折り曲げ部には前記第１の折り曲げ
部と対応する位置に上下の縁部および中心部を切断され
た折り込み部が形成され、前記折り込み部分は内側に折
り込まれたリブを形成し、さらに脚部の両側にはコ字状
の挿入片が挿入されており、かつ本体部の中心にはフォ
ーク挿入用の空間が形成された中空角柱状の第３の脚部
が取付けられている。

［作用］ したがって、品物と支持する本体部と両側の脚部とが一
枚の板状体から一体に形成されているので丈夫であり、
強度的に充分である。また、第３の脚により品物の支持
に対する強度も充分である。

さらに第３の折り曲げ部の折り込み部分はリブとしての
作用をするので、強度がさらに強くなる。

そして本考案に係る平パレットは底体がないので、２つ
の平パレットの脚側をずらせて重ね合せることにより、
在庫時の収納スペースが節約できる。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案を実施した平パレットを示し、第２図は
その展開図である。第１図から解る通り、本考案を実施
した平パレットは例えば積層段ボールのような紙製であ
って、品物を載置する本体部１の両側にそれぞれ中空四
角柱状の第１および第２の脚部２ａ、２ｂが設けられて
いる。そして本体部１の中心には同様な第３の脚部２ｃ
が例えばステップル３のような固着手段で固着されてい
る。これらの脚部２ａ〜２ｃには四方差しを可能にする
ために、フォークを挿入できる孔４ａ、４ｂがそれぞれ
に開口されている。そして各脚部の両端ではコ字状の挿
入片すなわちカバー５が挿入されて閉塞されている。な
お第１および第２の脚２ａ、２ｂも後述の態様で折り曲
げた後にステップル３で固着されている。

第２図は、本体部１および脚部２ａ、２ｂの展開図であ
って、本体部１の両側には脚部２ａおよび２ｂを形成す
る部分が一体的に構成されている。図中点線は折り曲げ
線を示す。実線は切断線を示している。そしてこれらの
脚部２ａ、２ｂは同様に形成されているので、その一方
の脚部２ａについてのみ説明する。

本体部１の側部には４本の折り曲げ線５ａ〜５ｄが設け
られ、折り曲げ線５ａと５ｂとの間が第１の折り曲げ部
６ａであり、折り曲げ線５ｂと５ｃとの間が第２の折り
曲げ部であり、折り曲げ線５ｃと５ｄとの間が第３の折
り曲げ部であり、折り曲げ線５ｄの外側が第４の折り曲
げ部である。これらの折り曲げ線５ａ〜５ｄを折り曲げ
ることによって第１図に示す中空四角柱状の脚部２ａが
形成され、そして最後にステップル３で本体部の線部付
近と第４の折り曲げ部６ｄとを固着することによって脚
部２ａが作られるのである。

第１の折り曲げ部６ａにはフォークを挿入するための孔
４ａ、４ｂが開口されている。この開口は折り曲げ線５
ａ〜５ｄを形成する場合に、同時に打ち抜くものである
が、その切断片５には折り曲げ線８をつけておき、この
折り曲げ線８を折り曲げることによってカバー５が構成
できる。このカバー５は各折り曲げ部の折り曲げにより
その巾寸法が短くてもよいので、折り曲げ線５ｂより本
体側にわずかに離れた切断線９の所で切断されている。

第３の折り曲げ部６ｃには前記の孔４ａ、４ｂと対応す
る位置に孔１０ａ、１０ｂが開けられている。この孔１
０ａ、１０ｂは上下の縁部１１、１２と中心部１３とが
切断されており、したがってリブ片１６、１７が形成さ
れている。これらのリブ片１６、１７はそれぞれ端部１
８、１９と中心付近２０、２１の所折り曲げ線が形成さ
れている。

第３図に示す如くリブ片１６、１７を折り曲げ線１８、
１９、２０、２１でそれぞれ折り曲げることによって図
示の如くリブの作用をさせ、孔４ａ、４ｂの周囲を補強
することができる。

第４図は第３の脚部２ｃの展開図である。一枚の板状体
には平行に４本の折り曲げ部２１ａ〜２１ｄが形成さ
れ、第１ないし第５の折り曲げ部２２ａ〜２２ｅが構成
されている。第１の折り曲げ部２２ａには前記の孔４
ａ、４ｂに対応する位置に切欠部２３ａ、２３ｂが切断
されており、第３の折り曲げ部２２ｃには前記孔１０
ａ、１０ｂと同様な孔２４ａ、２４ｂが形成され、さら
に第５の折り曲げ部２２ｅには前記孔４ａ、４ｂと同様
な孔２５ａ、２５ｂが形成されている。したがって、孔
２５ａ、２５ｂの切断片はカバー５を構成し、また孔２
４ａ、２４ｂはリブ片で補強される。この第３の脚部２
ｃは折り曲げ線で四角柱状に折り曲げることによって形
成できる。

［効果］ 以上の如く本考案によれば、一枚の板状体を折り曲げる
ことによって両側の脚部を形成し、四方差しのための孔
を開孔した部分の材料もリブ片およびカバーとして利用
するので紙製であっても充分強度的にすぐれている。ま
た底板がないので、ひっくり返して２つ一組として載置
すれば収納スペースがほぼ高さ分だけ節約できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した紙製平パレットを示す斜視
図、第２図はその本体部と両側の脚部を構成する前の展
開図、第３図は第１図のIII−III線の断面図、第４図は
第３の脚部の展開図である。 １……本体部、２ａ、２ｂ、２ｃ……脚部、３……ステ
ップル、４ａ、４ｂ……孔、５……カバー、６ａ、６
ｂ、６ｃ、６ｄ……第１ないし第４の折り曲げ部、１
６、１７……リブ片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体部と、その本体部の両側に設けた脚部
   と、それらの脚部に設けた空間とを備える紙製平パレッ
   トにおいて、それらの脚部は本体部を構成する一枚の板
   状体の両側に第１、第２、第３および第４の折り曲げ部
   分で構成された角柱状で構成され、本体部に隣接する第
   １の折り曲げ部にはフォークを挿入する位置に空間が形
   成され、第３の折り曲げ部には前記第１の折り曲げ部と
   対応する位置に上下の縁部および中心部を切断された折
   り込み部が形成され、前記折り込み部分は内側に折り込
   まれたリブを形成し、さらに脚部の両側にはコ字状の挿
   入片が挿入されており、かつ本体部の中心にはフォーク
   挿入用の空間が形成された中空角柱状の第３の脚部が取
   付けられていることを特徴とする紙製平パレット。