JPS6219543Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は段ボール紙で形成されたパレツトラン
ナーに関するものである。

通常使用されているパレツトランナーは柱状に
形成された木材が多く、この木材のランナーを上
下のデツキ間に挾んで釘或はビス止めするように
構成されている。これらのランナーはコンテナで
の運搬時に、フオークリフトのフオークが挿し込
まれるスペースを形成するものであり、多くのパ
レツトに使用されている。最近の傾向として、コ
ンテナは木製或は金属製のものに代つて段ボール
製のものが使用されており、このコンテナを載置
するパレツトが木製或は金属製であるとそれだけ
で重量で重くなり強度的には超過乗であり、更に
は著しいコストアツプにつながる。

本考案はこのような実情に鑑みなされたもので
あつて、その目的は適度の強度があり、製造が容
易であると共に極めて安価なパレツトランナーを
提供しようとするものである。

上記目的を達成するためになされた本考案の構
成は、長方形状を呈する段ボール紙の略中央部に
長手方向に沿つて帯状の中心板を設け、該中心板
の両側に夫々折目を介して側面板と、接着板と、
折込板とを順次連設し、前記中心板にＨ状の切込
を適宜の間隔をもつて複数個形成し、該Ｈ状の切
込によつて夫々横方向に対向して起立し且つ自由
端部に係合用切り込みを有する起立係合片を形成
し、該起立係合片の起立位置に合わせて前記両折
込板の端縁に係合用切込を設け、前記中心板の起
立係合片を夫々起立させ、該起立係合片を取り囲
むようにして前記側面板、接着板及び折込板を折
り上げ、前記折込板を合掌状態にし係合用切込を
介して前記起立係合片と直交状態に係合させたこ
とを特徴とするパレツトランナーであつて、前記
起立係合片と前記折込板とが直交するように位置
することで耐圧性に優れたものとなるのである。

以下本考案を図示の実施例により更に詳しく説
明すると、長方形状を呈する段ボール紙の略中央
部に長手方向に沿つて帯状の中心板１を設け、該
中心板の両側に夫々折目２，３を介して帯状の側
面板４，５を連設すると共に、これら側面板に更
に折目６，７を介してやはり帯状を呈する接着板
８，９が連設される。更に又、接着板には折目１
０，１１を介して帯状の折込板１２，１３が一体
的に連設されている。

前記中心板１には、Ｈ状の切込１４が複数個
（図においては３個）適宜の間隔をもつて形成さ
れ、該切込みによつて帯状の中心板１を横切る方
向に起立し且つ対向する一対の起立係合片１５，
１６が形成される。これら起立係合片の頂部とな
る部分の中央部に係合用切欠部１５ａ，１６ａが
形成されている。

前記折込板１２，１３の端縁には、前記起立係
合片１５，１６の起立位置に対応させて夫々係合
用切込１７，１８，１９，２０を形成しておき、
組立時に前記した係合用切欠１５ａ，１６ａと相
互に係合するようになつている。折込板１２，１
３における係合用切欠間、即ち、Ｈ状切込１４の
間隔部分に位置する切込間の端縁１２ａ，１３ａ
は使用される段ボール紙の厚み分だけ切除してあ
り、他の端縁１２ｂ，１３ｂよりも低くなつてい
る。

このように形成したパレツトランナーの組立て
にあつては、第２図に示したように中心板１に対
し、起立係合片１５，１６を起立させると共に両
側面板４，５も起立させ、夫々の接着板８，９及
び折込板１２，１３も内側へ巻込むようにして折
畳むと、折込板１２，１３の係合切込１７，１
８，１９，２０が夫々対応する起立係合片１５，
１６の係合切欠部１５ａ，１６ａに係合するよう
になる。そしてランナー全体として角柱状に形成
され、折込板の端縁１２ａ，１３ａは中心板１と
内側において当接し、他の端縁１２ｂ，１３ｂは
中心板１の外側において面一となり、強度的に優
れた角柱状になる。

このように形成されたランナーを上下のデツキ
２１，２２と結合させてパレツトを形成する場合
には、接着板８，９と下部デツキ２２とを接着剤
により一体的に接着し、中心板１と上部デツキ２
１とを同じように接着剤で接着させる。この場
合、使用される上下のデツキはベニア板でも良
く、又強化段ボールが使用されても良い。そして
段ボール紙同志の接着である場合には、ランナー
の取付けが極めて容易に行える。更に、パレツト
の全体的な強度を考えて、ランナーを複数個使用
し、各ランナーの間隔はフオークリフトのフオー
クが挿入できる程度の間隔をあければ良い。いづ
れにしても、ランナーの取付けは側面板４，５の
起立状態と、折込板１２，１３の起立状態とで上
下のデツキ間を支えるようになり、縦方向に位置
する４枚の板によつて強度的に優れたものにな
る。

以上説明したように本考案に係るパレツトラン
ナーは長方形状の段ボール紙を折り曲げて角柱状
に形成するものであり、この角柱状の形成にあつ
て、中心板に起立係合片が設けられ、該係合片に
両側の折込板が係合保持されるため角柱状の形状
保持が安定し、しかも２枚の側面板と２枚の折込
板とが縦方向に位置し、これに直交して起立係合
片が位置するので、構成が簡単でありながら、上
下方向の耐圧性が著しく優れたものとなり、上下
のデツキを安定して支持すると云う優れた効果を
奏する。更に、その組立ても簡単であり、段ボー
ル紙の使用によつて全体的に軽量で安価に提供で
きると云う種々の優れた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るパレツトランナーの展開
平面図、第２図はパレツトランナーの組立途上を
示す一部の拡大斜視図、第３図は上下のデツキと
の結合状態を示す分解斜視図である。 １……中心板、４，５……側面板、８，９……
接着板、１２，１３……折込板、１２ａ，１３
ａ，１２ｂ，１３ｂ……端縁、１４……Ｈ状切
込、１５，１６……起立係合片、１５ａ，１６ａ
……係合切欠部、１７，１８，１９，２０……係
合切込、２１……上部デツキ、２２……下部デツ
キ、２，３，６，７，１０，１１……折目。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長方形状を呈する段ボール紙の略中央部に長手
   方向に沿つて帯状の中心板を設け、該中心板の両
   側に夫々折目を介して側面板と、接着板と、折込
   板とを順次連設し、前記中心板にＨ状の切込を適
   宜の間隔をもつて複数個形成し、該Ｈ状の切込に
   よつて夫々横方向に対向して起立し且つ自由端部
   に係合用切り込みを有する起立係合片を形成し、
   該起立係合片の起立位置に合わせて前記両折込板
   の端縁に係合用切込を設け、前記中心板の起立係
   合片を夫々起立させ、該起立係合片を取り囲むよ
   うにして前記側面板、接着板及び折込板を折り上
   げ、前記折込板を合掌状態にし係合用切込を介し
   て前記起立係合片と直交状態に係合させたことを
   特徴とするパレツトランナー。