JP7455342B1 - 角筒状構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
また、家具の柱や脚部などに紙製の角筒が使用される場合は、強度があるあらかじめ角筒に形成されている紙管が使われ、ジョイントにはプラスチックが用いられるのが一般的である。
家具などに使われる紙管は、木材などと比べ軽量であり再生が可能であるが、ジョイントは再生可能な素材ではない。また、紙管はあらかじめその形に形成されたもので、木材などと同様に場所を取る。
本発明の角筒状構造体は、すべての部材が段ボールまたはボール紙のシート材を使用し、型抜き、筋付け等の加工がされ、折りにより容易に組み立てられる。
基本的な構造は図1Aのように、角筒1の一つの面が左右の角の間で二分割され、二つの分割面1aはそれぞれ分割部分で折りにより角筒1の内側で延長される。そして延長面1bの分割部分の折りに接する部分に設けられたシート材の厚み分の切り欠き1cに、左右の延長面1bを密着させて接合し、二つの分割面1aを一つの水平な面として固定する接合部材2を挿入する。接合部材2には切り欠き1cの下の左右の延長面1bを挟む切り欠き2aが設けられる。
この形態の場合、分割面1aに力が加わると分割部分が内側にへこんでしまうので延長面1bを分割面1aの対面まで延ばし先端に突起を設け、対面に設けた切り欠きで係止し固定する。延長面1b全体を延ばす必要はなく、係止箇所を設ける部分のみ延ばしてもよい。係止箇所は端部でなくてもよく、その場合切り欠きでなく孔とする。
また、接合部材2を延長面1bの対面側から分割面1a側へ斜め下方向に挿入し、接合部材2の先端が分割面1aで係止するように、延長面1bに切り欠き1cを設けた形態としてもよい。これにより側面からの強度を強くすることができる。
図1Cは、分割面1a側に切り欠き2cを持つ挿入部分2bを設け、対面側は切り欠きのない挿入部分2bを設けた蓋状の接合部材2を、切り欠き1cに挿入し延長面1bを密着させて接合する。この場合、図1Bと同様に延長面1bを短くすることができるが、図1Cのような短さにすると、接合部材2の対面側が角筒1の中に落ち込んでしまうので、図1Cのように、対面側には突起を設けるか、延長面1bを落ち込まない長さにする。
図1B、C共に、図1Aのように延長面1bを対面まで伸ばしすことで強度を高めることもできる。この場合図1Cは、接合部材2の対面側は切り欠き2cを持つ挿入部分2bとし、延長面1bにも切り欠きを設け、両側で接合する。
図2Bのように延長面1bに切り欠き1cを設けず、切り欠き1fで二分割された挿入部分1eで挟むだけとすることもできる。これにより分割部分に切り欠き1cによる隙間がなくなり見た目がよくなる。しかし、これにより左右の分割面1aは一つの面として固定されず段差ができる可能性があるので、図2Bのように延長面1bの対面側に突起1hを設け、蓋部1dに孔1gを設け延長面1bを固定する。
図2Cは、分割面1a側と対面側の二箇所に挿入部分2bが設けられた蓋状の接合部材2で、挿入部分2bから上面まで延ばした切り欠き2cに、延長面1bの分割面1a側と対面側に設けられた突起1hを挿入し、延長面1bを密着させ固定し接合する。なお、挿入部分2bのない上面だけのものでも、切り欠き2cで突起1hを固定し、角筒1の断面形状を保持することができる。上面だけでは固定されず取れやすいので、簡易的あるいは一時的なものとしてこのような形態とすることができる。
図4は、蓋部1dを内部で延長された面に設けたもので、図4Aは両方の延長面1bが対面で側面側に折り返され、片側の折り返し面1iに上部に延長された蓋部1dを設ける。接合は蓋部1dの上面まで伸ばした切り欠き1fで延長面1bの突起1hを挟み、延長面1bには切り欠きを設けない。部材は大きくなるが、一つの部材で形成されながら、切り込みによる隙間がない見た目のよいものとなる。図4Bは両方の延長面1bに蓋部1dを設け、それぞれ反対側の開口部に向け交差させ、反対側の延長面1bの突起1hを挟んで密着させ、反対側の開口部に蓋をする。
また、端部ではなく両端の中間で接合することもできる。図6のように両側の延長面1bにそれぞれ外側に突出するように折られ、折りの反動により密着した状態になる突片1jを設け、それぞれの突片1jには折りによりお互いが交差するような固定部1kを設け、密着した状態でそれぞれ反対側の延長面1bの内側に挿入する。この際お互いの固定部1kが引っ掛からないように傾斜をつける。これにより固定部1kの折りが伸ばされつつ挿入され、挿入後反動により折りが戻り反対側の延長面1bに引っ掛かり固定される。これで両側の延長面1bが密着し接合される。この形態は角筒1の断面形状を保持できないので、角筒1が長くなる場合などに、端部での接合と併用するとよい。この形態によりあらかじめ角筒1が形成されていると蓋状の接合部材2は挿入しやすくなる。
このように様々な接合手段があり、切り欠き、孔、角筒の断面などで両側の延長面1bを密着させ接合する。接合には、別部材の接合部材2を用いたり、角筒1の外側の面、あるいは角筒1の内側で延長された面のいずれかの面に設けられた蓋部1dをを用いたりすることで、様々な形態の角筒1を形成することができ、様々な用途、状態での使用が可能となる。
また図8Aのように、分割面1aの左右の長さを変え、延長面1bと外側の面の高さを変えるなどして一つの角筒1を複数の形状の異なる角筒の集合体とすることができる。図8Bのように、分割面1aに段差を持たせ、延長面1bの一部を外側の面とし、凹の角を形成することもできる。図8Cでは、一つの角筒1のそれぞれの角に、下方に伸びたそれぞれ分割面1aを持つ小さい角筒1を形成している。
このように様々な形態とすることができ、図8A、Bは内部を利用した収納箱など、図8Cは物を置く台などとして使用することができる。
蓋をする場合は図10Cのように図2Cと同様の形態の接合部材2を使用し、切り欠きは使用しないが、二つの切り欠きの間をシート材の厚み分低くすることで、両側の面に接する延長面1bを接合し、断面形状も固定する。
図11では、分割面1aを内角とした直角の接続部材3を使用して、垂直方向から水平方向へ延長している。接続部材3は内角を固定するため、内角の延長部分に設けられた孔3aに固定部材4の先端の突起4aを挿入する。垂直、水平両方向から二重に固定する。
図12では、分割面1aが上面の水平な状態で横方向に直角な接続部材3を使用して、横方向に延長している。この場合は内角の延長部分に設けられた孔3aに、孔4bが設けられた突起4cを先端に持つ固定部材4を挿入し、さらに孔4bに直角方向から突起4aを持つ別の固定部材4を挿入し二重に固定する。
図13、14では、図11の角部分に垂直方向への接続ができる部材を取り付けている。これも内角の延長部分に設けられた孔3aに、両側から固定部材4の先端の突起4aを挿入し固定する。
これにより、多方向への延長が可能になる。従来の家具などでではこのような接続部分にはプラスチックの部材を使用していたものが、段ボールなどの厚紙の素材だけで作ることができる。
図15Aは分割面1aが分割部分で内側に折られて延長された部分がもう一度折られ、側面方向に折り返される。そして分割部分の二つの折りの間に切り欠き1cを設ける。折り返し面1iの先端には突起が設けられ、両側面の角には切り欠き1mが設けられ、折り返し面1iの先端の突起がこの切り欠き1mで係止し、分割面1aと折り返し面1iの間がシート材の厚み分の空間を形成するように固定される。接合部材2はこの空間に挿入され、切り欠き1cの下の部分を挟み接合する。これにより分割面1aは平らな一つの面として固定される。接合部材2の左右両側には切り欠き1mの分の突起を設けるとよい。
図15Bは折り返し面1iの先端の突起を、角筒1の端部ではなく両端の間に設け、両側面には切り欠きではなく孔1nを設け、左右の分割部分の二つの折りの間にも孔1oを設け、片側の側面の孔1nから分割面1aを貫通する接合部材5を挿入し、分割面1aを平らな一つの面として接合する。角筒1が長くなる場合はこのような接合もできる。この孔1nが近い場合、両端には切り欠き1mを設けなくてもよい。
図15Cは蓋部1dを設けた場合で、基本的に図15Aと同じような形態となるが、蓋部1dの厚み分、分割面1aより折り返し面1iと両側面を低くして、蓋部1dの上面と分割面1aの上部との高さを揃える。分割面1aと折り返し面1iとに段差ができ、側面との角には切り欠き1mがあるため、挿入部分1eを挿入する際、段差を利用し挿入部分1eの先端で分割面1aの上部を外側に広げることができ、図15A、Bのように折りで広げなくとも挿入できる。このように分割面1aの上部を外側に広げられればよいので、図15Bのような形態でも段差をつけ、側面の角に切り欠きでなく切れ目を入れることでも同様に広げることができる。
挿入部分1eの切り欠きの上に、折りにより挿入方向と反対方向に向いて立ち上がり突出する突片1pが設けられ、挿入部分1eが挿入された分割面1aの突片1pが位置する箇所に、突片1pの大きさに合わせた孔1qを設ける。そして挿入部分1eを挿入する前に突片1pを折って立ち上げておき、挿入部分1eを挿入すると、突片1pは一度倒れて挿入されるが、孔1qのところに来ると、折りの反動により立ち上がり、孔1qの断面に引っ掛かって係止する。このように突片1pを折って挿入するだけで容易に固定することができる。係止を解除するには指の爪で突片1pを押し込み引っ掛かりをなくすだけで容易に解除できる。固定の強度は突片1pの幅を大きくして上げることができる。
蓋部1dに設ける場合、挿入部分1eを引き抜きやすくするため、挿入部分1eの角に突起1rを設けるとよい。分割面1a側の角筒端部には切り欠き1sを設け、指を入れて突起1rを持ち上げやすくする。この場合、切り欠き1sの角に引っ掛からないように挿入部分1eの切り欠きの角には傾斜をつける。梱包材として容易に開封されないようにする場合は、孔1qにシールなどを貼るとよい。
図18のようにシート材の状態の角筒1に物品6を載せ、シートを折り、物品を包むように分割面1aを合わせ、底面に蓋をして起こして、上蓋をして梱包が完成する。分割面1aを上面とした場合は起こす必要はなく、より容易に梱包できる。物品6の取り出しも、挿入部分1eの固定を外せば容易に元のシート材の状態に広げられる。
これにより、シート材の状態で保存し、複数回の使用が可能になる。
接合部材2は二つの面にそれぞれ挿入するが、図19Bのようにそれぞれの接合部材2を反対方向にも接合できるようにして複数の角筒1を接合し延長できる。蓋をする場合は、図19Cのように二つの接合部材2を上端でつないだ形態にする。
またこの場合、図20のように全体の外側の高さを揃え、折り返し面1iに分割部分に向かって傾斜をつけ、分割面1aと段差をつけることで接合部材2を挿入しやすくすることができる。
この形態は図21のように薄く長い空間を持つものとすることもでき、少ないスペースで収納ができる。薄く長くした場合、長くなるほど中間部分が外側に膨らみ、面と面の間隔が均一な空間にならない。これを均一にするため図21のように、中間部分の両面に、折りの反動により両面に直角に密着した状態になる突片1uを設ける。この突片1uの片側には孔1vを設け、もう片側にはこの孔1vに折りにより突出する突起1wを設ける。突起1wの断面が孔1vの断面で係止し、面と面の間隔が固定される。この突片1uはパーティションとして使用することもできる。
図22のように接合部材2を蓋状の内側と外側の二つの部材とし、それぞれ対面の二面ずつ違う方向で接合することで、蓋部材を含めたすべての面が三層構造の箱となる。角筒1は四つの角部材で形成され、角部材7の上下両端は接合部材2を挿入し、三層構造となるよう、それぞれの面の高さを変えた形状とし、それを垂直で反転した形状の角部材8との二種類で形成される。内側の接合部材2には外側との間をシート材の厚み分の空間として保持するため突起2eを設ける。
これにより、物品を梱包した場合、内寸と同寸の物品でも三層構造により緩衝材がなくても保護された梱包とすることができる。
図23のように裏返した凹の角部材9を、通常の角部材と接合し凹の角を持つ面を作る。凹の角を持つ面はバラバラでは組み立てにくいので、面を貫通する接合部材5を使用して一体化させておくとよい。凹の角部材9の端部は、接合される角部材とそれぞれの面の高さを合わせたものとする。これで両端に接合部材2を挿入し凹の角を持つ多角形が形成される。なお、必要に応じて図16のような固定箇所を設ける。
このように、さまざまな形状の多角形を形成することができ、通常ならその物品より大きく無駄なスペースのある四角形の箱で梱包されていたものが、その物品の形状に合わせた梱包とすることにより、省スペースであり、省資源な梱包であり、複数回の使用ができるものとすることができる。
1a 分割面
1b 延長面
1c 延長面の切り欠き
1d 蓋部
1e 蓋部の挿入部分
1f 蓋部の切り欠き
1g 蓋部の孔
1h 延長面の突起
1i 折り返し面
1j 延長面の突片
1k 延長面の突片の固定部
1m 側面の切り欠き
1n 側面の孔
1o 二つの折りの間の孔
1p 突出する突片
1q 突片が突出する孔
1r 挿入部分の角の突起
1s 角筒端部の切り欠き
1t 底面
1u 中間部分の突片
1v 突片の孔
1w 突片の突起
2 接合部材
2a 接合部材の切り欠き
2b 接合部材の挿入部分
2c 接合部材の上面に延びた切り欠き
2d 接合部材の突片
2e 内側の接合部材の突起
3 接続部材
3a 接続部材の内角の延長部分の孔
4 固定部材
4a 固定部材の先端の突起
4b 固定部材の孔
4c 固定部材の孔が設けられた突起
5 分割面を貫通する接合部材
6 物品
7 角部材
8 反転した角部材
9 凹の角部材
Claims (13)
- すべての部材が段ボールまたはボール紙のシート材の接着を伴なわない組み立てで形成される角筒状構造体であって、いずれか一面が、左右の角の間で二分割され、左右の分割面がそれぞれ分割部分の折りによって筒の内側で延長され、両側の延長面を密着させ固定し接合する接合手段を有し、該接合手段に応じた接合機能を持つ、角筒に挿入される別部材で角筒の端の開口部を閉じる蓋状の形態とすることも可能な接合部材、または、角筒の外側の面あるいは内側で延長された面のいずれかの面を延長して設けられた該開口部を閉じる蓋部、を備える角筒状構造体。
- 請求項1の角筒状構造体において、両側の前記延長面にそれぞれ外側に折られ密着する突片が設けられ、密着した状態でそれぞれ反対側の該延長面の内側に挿入され、該突片に設けられた該反対側の延長面で係止する固定部が、両側の該延長面を密着させ固定し接合する角筒状構造体。
- 請求項1の角筒状構造体において、前記角筒の外側の面および前記延長面のいくつかの面の辺全体あるいは辺の部分を縦や横に延長し、折りの場所を変える、あるいは、新たな折りを加えられる形状にして変形させることにより、複数の形状の異なる角筒の集合体を形成可能な角筒状構造体。
- 請求項1の角筒状構造体において、断面が直角三角形で、直角の対辺が二分割され、前記延長面が直角部分で固定される角筒が二つ、それぞれの分割面が密着した状態で、該延長面と二つの角筒とを同時に接合する接合部材を有し、反対方向でも接合できる該接合部材の使用により、複数の角筒を接合し延長可能な角筒状構造体。
- 請求項1の角筒状構造体において、前記延長面が前記分割面の対面で固定され、該分割面と対面との間にそれぞれの面に接しない二つの切り欠きが設けられ、該切り欠きに挿入され、該分割面を一つの面として固定しつつ角筒の断面形状を保持できる接合部材を有し、反対方向でも接合できる該接合部材の使用により、複数の角筒を接合し延長可能で、別方向に角度を変えられる接続部材の使用により多方向への延長も可能な角筒状構造体。
- 請求項1の角筒状構造体において、前記延長面がもう一度の折りにより、前記分割面の両側面方向に折り返され、折り返し面の先端に突起が設けられ、該両側面に、該分割面と該折り返し面との間がシート材の厚み分の空間を形成して該突起が固定される切り欠きあるいは孔が設けられ、分割部分の二つの折りの間に切り欠きが設けられ、該シート材の厚み分の空間に挿入され該分割面を一つの面として固定する接合部材、あるいは、接合機能を持つ蓋部、を備える角筒状構造体。
- 請求項6の角筒状構造体において、前記突起および前記突起が固定される孔が角筒の両端の間に設けられ、同じ位置の前記分割部分の二つの折りの間にも孔が設けられ、側面の該突起が固定される孔の片側から、前記分割面を貫通する接合部材が挿入される角筒状構造体。
- 請求項6の角筒状構造体において、前記接合部材あるいは前記蓋部の挿入部分に、折りにより挿入方向の反対方向に向いて立ち上がり突出する突片が設けられ、該挿入部分が挿入される面に該突片の位置に合わせて、該突片が突出し係止する孔が設けられる角筒状構造体。
- 請求項6または8の角筒状構造体において、対面する二つの面が二分割され、反対方向でも接合できる前記接合部材の使用により、複数の角筒を接合し延長可能な角筒状構造体。
- 請求項9の角筒状構造体において、分割されない二つの面の下端が繋がれて底面が形成される角筒状構造体。
- 請求項10の角筒状構造体において、分割されない二つの面にそれぞれ内側に折られ密着する突片が設けられ、片側の該突片に係止用の突片、もう片側の該突片には係止用の孔あるいは切り欠きが設けられる角筒状構造体。
- 請求項6または8の角筒状構造体において、角筒のすべての面が二分割され、角筒の端の開口部は、蓋状の形態とした前記接合部材二つで、内側と外側との間に該接合部材の厚み分の空間ができるように蓋がされ、蓋がされた面を含めたすべての面が、内側のシート材と、前記接合部材または該接合部材の厚み分の空間と、外側のシート材とからなる三層構造である角筒状構造体。
- 請求項12の角筒状構造体において、すべての角が直角の多角形で、一つ以上の角が凹である角筒状構造体。
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