JPH0335703Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は表裏両面が波形面をなす特殊構造の段
ボールを折曲げて形成される包装箱に関するもの
である。

［従来の技術と問題点］ 従来から、片面段ボールのように一側面を波形
面で形成した包装箱は知られているが、従来のこ
の種の包装箱は一枚の片面段ボールで形成される
ため腰が弱くて、極く小型の箱の深さの浅いもの
か成型できず、重量のある物品を収容させる箱や
大型或いは深いものは、トムソン製箱機等で折曲
げ成型することができなかつた。

また、素材としても側面が波形面をなすものは
前記した片面段ボール以外には見受けられず、一
般には一枚の波形紙を表裏二枚の平面状ライナー
で挾んだ両面段ボール（一層）や片面段ボールと
両面段ボールを貼合わせた複両面段ボール（二
層）のように波形面が表面に現われないものが使
われていた。

［考案の目的］ 本考案は、包装箱の表面のみならず、内側面も
波形面をなし、しかも十分な強度を持ち、優れた
緩衝力を持ち、さらには意匠的にも美しい、段ボ
ール製包装箱を提供することを目的とするもので
ある。

［考案の構成］ 平面状ライナーの一側面に波形紙を貼合わせた
片面段ボールの二枚を互いに平面状ライナーを貼
合せて両面波形段ボールを形成し、該両面波形段
ボールを折曲げて上面で開口した箱体を形成する
と共に、該箱体の一側辺に蓋板を延設し、該蓋板
で前記開口を開閉させるように構成する。

［作用］ 両面波形段ボールは二枚の平面状ライナーが貼
合わされることで腰が強くてしかも形体が安定
し、該ライナーの表裏両面に配される波形紙によ
りライナーの表裏両面にクツシヨン性を保持さ
せ、箱体に形成した状態で表面は波形面により斬
新な意匠美を発揮し、箱体内側では緩衝力によつ
て収納物品をソフトに保護して、詰物等を使用す
ることなく、収納物品を安定させる。

［実施例］ 第３図は本考案の包装箱に使用する両面波形段
ボール１の一部を断面で示したものであり、該両
面波形段ボール１は第４図に示したように平面状
ライナー２の一側面に波形紙３を貼合わせた二枚
の片面段ボール４ａ，４ｂの、各平面状ライナー
２，２を貼合わせて一体に形成されている。

所要面積を有するこの両面波形段ボール１の一
側面に第５図に示すように折線５ａ，５ｂを平行
に設けて底板６を形成すると共に該折線５ａ，５
ｂの夫々外側に折線５ｃ，５ｄを設けて左右側壁
７ａ，７ｂを連設する。さらに折線５ｃの左側に
両面波形段ボール１の厚さの２〜３倍程度の間隔
を隔てて折線5eを設け、該折線５ｅを介して内側
壁８を連設して該内側壁８左端中央部に両面波形
段ボール１の厚さ程度の高さでかつ所長さの突起
９を延設すると共に前記折線５ａ沿いで底板６に
該突起９を嵌合させる係合溝１０を開設する。一
方、前記折線５ｄの右側に底板６と略同じ面積の
蓋板１１を連設すると共に、該蓋板１１の先端に
折線５ｆを介して差込片１２を延設している。

さらに、底板６の前後両端に横折線１３ａ，１
３ｂを介して前後側壁７ｃ，７ｄを連設し、該前
後側壁７ｃ，７ｄには夫々左右両端に折線１４を
介して折重片１５ａ，１５ｂを延設する。これら
の折重片の一方の折重片１５ａ，１５ａの長さは
夫々、底板６の前後両端から係合孔１０に達する
長さより若干短かく形成し、他方の折重片１５
ｂ，１５ｂの長さは夫々底板６の長さの1/2より
若干長く形成すると共に底部６の長さの1/2位置
で互いに係合させる切込溝１６ａ，１６ｂを対向
状に設けている。前後側壁７ｃ，７ｄの先端には
夫々横折線１７を介してフラツプ１８を延設して
いる。

次に、組立て順を説明するに先ず、前後側壁７
ｃ，７ｄを夫々直立させ、各折重片１５ａ，１５
ｂを互いに内側へ折曲げ、対向する折重片１５
ｂ，１５ｂは切込溝１６ａ，１６ｂを互いに係合
させて連結する。次いで左側壁７ａを直立させ、
さらに折線５ｃ，５ｅを夫々内側へ折曲げ左側壁
７ａと内側壁８の間に折重片１５ａ，１５ａを挾
ませた状態で突起９を底部６に設けた係合溝１０
に嵌合させることで上面で開口した箱体Ａを形成
させる。そして、折線５ｂで折曲げて右側壁７ｂ
を起立させ、続いて折線５ｄ，５ｆで順に内側へ
折曲げ、差込片１２を内側壁８の内側沿いに差込
むことで箱体Ａの開口を閉塞する。

この組立てに際し、右側壁７ｂ、蓋板１１及び
差入片１２は折線５ｂ，５ｄ及び５ｆが包装箱の
内側面に現われる波形紙３の筋目に直交するよう
に設けられていることで、折曲げ角度が直角を超
えることはないために、組立てを完成した包装箱
の稜角を直角に保つて正確な形の六面体とするこ
とができる。

このように構成される本考案の包装箱は二枚の
片面段ボール４ａ，４ｂの平面状ライナー２，２
どうしを互いに貼合わせた両面波形段ボール１の
一枚を使用するものであるから腰が強くて伸縮し
たりすることなく形態が安定しており、例えばト
ムソン製箱機により折曲げ成型することができ、
全体的に強靭でしかも緩衝性に優れていて、特に
収容物品は箱体Ａ内側の各面で波形紙３によりク
ツシヨン性よく保護される。そして、箱体Ａの外
側面もまた全側面が波形面を呈して斬新な美観を
呈する。さらに、これらの波形面は予かじめ所望
の着色をした波形紙３を使用して形成すれば色彩
美を相乗させることができる。

また、第７図に示したものは両面波形段ボール
１の表裏両面に現われる波形面の筋目が互いに直
交するように表裏で方向を違えて構成した実施例
であり、第８図に示すように各片面段ボール４
ａ，４ｂを貼合わせるに際して夫々の波形紙３，
３の筋目が互いに直交するように重ね合わせた状
態で各平面状ライナー２，２を貼合わせて形成さ
れる。

このように波形面の筋目が直交状に重なつたも
のは押圧等の荷重を受けても波形面が押潰された
りすることがなく、十分な緩衝力を保持し続け、
また、美観を低下させることもない。さらに、包
装箱の内側と外側で波形面の筋目の向きが異なる
ことで、特に蓋を開放した状態等で、包装箱全体
の意匠効果を高める効果も発揮する。

［考案の効果］ 以上に述べたように本考案の表裏両面が波形面
をなす段ボール製包装箱は、二枚の片面段ボール
の平面状ライナーどうしを貼合わせて形成した両
面波形段ボールを折曲げて構成するものであるか
ら、トムソン製箱機等により機械的に折曲げ成型
するのに十分な腰の強さを持つていて、大型のも
のや深い箱も生産性よく製作することができる。

そして、組立てられた包装箱は二枚重ねの平面
状ライナーの表裏両面に存在する波形面の緩衝力
が発揮され、特に包装箱の内側では収納物品に直
接々してソフトに保護する。また、包装箱の外側
では底面を含めて各側面が波形面を呈して斬新な
意匠効果を発揮することは勿論のこと滑り止め効
果をも発揮するといつた多くの利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例に係わるもので第１図は包
装箱の外観斜視図、第２図は蓋板を開放した状態
の斜視図、第３図は両面波形段ボールの断面図、
第４図は同上分解斜視図、第５図は包装箱の展開
平面図、第６図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第７
図は両面波形段ボールの他の実施例を示す断面
図、第８図は同上分解斜視図である。 １……平面波形段ボール、２，２……平面状ラ
イナー、３，３……波形紙、４ａ，４ｂ……片面
段ボール、１１……蓋板、Ａ……箱体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 平面状ライナーの一側面に波形紙を貼合わせ
   た片面段ボールの二枚を互いに平面状ライナー
   を貼合せて両面波形段ボールを形成し、該両面
   波形段ボールを折曲げて上面で開口した箱体を
   形成すると共に、該箱体の一側辺に蓋板を延設
   し、該蓋板で前記開口を開閉させるように構成
   した表裏両面が波形面をなす段ボール製包装
   箱。 ２ 二枚の片面段ボールを波形紙の筋目が直交す
   るように互いに向きを違えて貼合わせたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の表裏両面が波形面をなす段ボール製包装箱。