JPH0873563A - 結晶状エポキシ樹脂、その製造法、それを用いたエポキシ樹脂組成物および硬化物 - Google Patents
結晶状エポキシ樹脂、その製造法、それを用いたエポキシ樹脂組成物および硬化物Info
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- JPH0873563A JPH0873563A JP21551294A JP21551294A JPH0873563A JP H0873563 A JPH0873563 A JP H0873563A JP 21551294 A JP21551294 A JP 21551294A JP 21551294 A JP21551294 A JP 21551294A JP H0873563 A JPH0873563 A JP H0873563A
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Abstract
るエポキシ樹脂を提供する。 【構成】 一般式(1) 【化1】 で表されるエポキシ樹脂であってnが1以上の多量体の
含有量が0.2〜8wt%であり、かつ融点が40℃以
上である結晶状エポキシ樹脂。および、ジヒドロキシジ
フェニルメタン類を過剰のエピクロルヒドリンと反応さ
せ、結晶化させる一般式(1)の結晶状エポキシ樹脂の
製造法。 【効果】 良好な低粘度性によりシリカの高充填化が可
能となり、半導体封止用としての耐クラック性が向上す
る。
Description
優れた硬化物を与える半導体素子に代表される電気・電
子部品等の封止、粉体塗料、積層材料、複合材料等に有
用な結晶状エポキシ樹脂、その製造法、それを用いたエ
ポキシ樹脂組成物およびその硬化物に関するものであ
る。
い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ま
すます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤と
する樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料がある
が、近年、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケー
ジサイズが大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方
式も表面実装化への移行が進展しており、より半田耐熱
性に優れた材料の開発が望まれている。
填化が強く指向されており、かつ低粘度なエポキシ樹脂
が望まれている。低粘度エポキシ樹脂としては、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂等が一般に広く知られているが、これらのエポキ
シ樹脂は通常、常温で液状であり、トランスファー成形
用の樹脂組成物とすることは困難である。特開平5-3040
01号公報には、ジフェニルエーテル系エポキシ樹脂を主
剤とした半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提案されて
いるが、低吸湿性の点で問題がある。また、エポキシ樹
脂系粉体塗料としてはビスフェノールA 型固形エポキシ
樹脂、またはノボラック型固形エポキシ樹脂が広く使用
されてきているが、これらの樹脂は分子量が大きいため
粘度が高く、流動性、平滑性に劣る欠点があった。
は、低粘度性、低吸湿性等に優れた硬化物を与えるエポ
キシ樹脂を提供することにある。
一般式(1)、
5の整数である。)で表されるエポキシ樹脂であって、
nが1以上の多量体の含有量が0. 2〜8wt%であり
かつ融点が40℃以上である結晶状のエポキシ樹脂であ
る。
換体の純度が95wt% 以上である下記一般式(2)、
れるジヒドロキシジフェニルメタン類を金属水酸化物の
存在下に過剰のエピクロルヒドリンと反応させ得られた
エポキシ樹脂を結晶化させることを特徴とする上記結晶
状エポキシ樹脂の製造法である。
化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹
脂成分の一部または全部として上記結晶状のエポキシ樹
脂を用いたエポキシ樹脂組成物である。また、さらに本
発明は上記エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物で
ある。
表される融点が40℃以上の常温で固形である結晶状の
エポキシ樹脂である。本樹脂の成分中、一般式(1)に
おいてnが1以上の多量体の含有量が多いと、エポキシ
樹脂を固形化するための結晶化が困難になるばかりでな
く、結晶化後のエポキシ樹脂の融点が低下し、エポキシ
樹脂の保存中または、エポキシ樹脂組成物とした後にブ
ロッキング等の問題がある。本発明において、nが1以
上の多量体の含有量の含有量は0. 2〜8wt%であ
り、より好ましくは0. 5〜5wt%である。また、好
ましいnの平均値としては、0. 001〜0. 05の範
囲である。
4' −ジヒドロキシジフェニルメタンのジグリシジルエ
ーテルまたは、3, 3' −ジメチル−4, 4' −ジヒドロキ
シジフェニルメタンのジグリシジルエーテルを結晶化さ
せた後の常温固形のエポキシ樹脂である。4, 4' −ジヒ
ドロキシジフェニルメタンのジグリシジルエーテルの場
合の融点は 60 ℃以上であり、好ましくは65℃以上であ
る。また、3, 3' −ジメチル−4, 4' −ジヒドロキシジ
フェニルメタンのジグリシジルエーテルの場合の融点は
40℃以上であり、好ましくは45℃以上である。
キシ樹脂は、ジヒドロキシジフェニルメタン類のエポキ
シ化反応により合成されるが、本発明に用いるエポキシ
樹脂の原料として用いるジヒドロキシジフェニルメタン
類は、具体的には4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン
または3,3'−ジメチル−4,4'- ジヒドロキシジフェニル
メタンであり、たとえば、フェノールまたはo −クレゾ
ールとホルムアルデヒドとの反応により製造される。通
常、これらの方法に従った場合、得られるジヒドロキシ
ジフェニルメタン類は、4,4'−置換体以外に2,2'- 置換
体および2,4'-置換体を含んだ混合物として得られる。
は、4,4'- 置換体の純度が高いものほど好ましいが、本
発明の目的を阻害しない範囲で、2,2'- 置換体および2,
4'-置換体を含んだ混合物の使用が可能であるが、通常
は4,4'- 置換体の純度が90wt%以上のジヒドロキシ
ジフェニルメタン類を原料とすることが好ましく、より
好ましくは4,4'- 置換体の純度が95wt%以上のジヒ
ドロキシジフェニルメタン類が使用される。4, 4'- 置
換体の純度がこれより低いと、エポキシ樹脂を固形化す
るための結晶化が困難になるばかりでなく、得られた固
形エポキシ樹脂の融点が低く、結晶化後のエポキシ樹脂
の融点が低下し、エポキシ樹脂の保存中または、エポキ
シ樹脂組成物とした後にブロッキング等の問題がある。
は、特に限定するものではないが、例えば、4,4'−ジヒ
ドロキシジフェニルメタンを過剰のエピクロルヒドリン
に溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物の存在下に、50〜150℃、好
ましくは、60〜120℃の範囲で1〜10時間反応さ
せる方法が挙げられる。一般式(1)においてnが1以
上の多量体の生成量を少なく抑えるためには、この際の
エピクロルヒドリンの使用量は4,4'- ジヒドロキシジフ
ェニルメタンのフェノール性水酸基量より過剰に用いる
必要があり、通常、フェノール性水酸基1モルに対して
2モル以上であるが、好ましくは3モル以上である。こ
れより少ないとエポキシ樹脂の多量体の生成量が多くな
り粘度が高くなるとともに、エポキシ当量が大きくなる
ことにより耐熱性も低下する。また、アルカリ金属水酸
化物の使用量は、4,4'- ジヒドロキシジフェニルメタン
の水酸基1モルに対して、0.8〜2モル、好ましく
は、0.9〜1.2モルの範囲である。
留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等
の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次
いで溶剤を留去することによりエポキシ樹脂とすること
ができる。しかし、通常、これらのエポキシ樹脂は常温
においても液状であるため、本発明に用いるためには結
晶化を行う必要がある。結晶化の方法としては、溶媒を
用いての結晶化あるいはあらかじめ調整した種結晶を加
えることによる結晶化等の方法がある。溶媒を用いる方
法において、溶媒種としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒が好適に用
いられる。
子蒸留、再結晶等の方法により、一般式(1)において
nが0の単量体の含有量を高めることができる。再結晶
を行う場合の溶媒としては、メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル
等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭
化水素系溶媒またはこれらの混合物が好適に用いられ
る。
ては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られている
ものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、
多価フェノール類、酸無水物類、芳香族および脂肪族ア
ミン類等がある。具体的に例示すれば、多価フェノール
類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、
4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハ
イドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2
価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラッ
ク、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラッ
ク、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフ
ェノール類、さらにはフェノール類、ナフトール類また
は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェ
ノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レ
ゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類
のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデ
ヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレ
ングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノー
ル性化合物等がある。
ラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック
酸、無水トリメリット酸等がある。また、アミン類とし
ては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’
−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシ
リレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。本
発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種または2種
以上を混合して用いることができる。
エポキシ樹脂以外に、分子中にエポキシ基を2個以上有
する通常のエポキシ樹脂を併用してもよい。例を挙げれ
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオレン
ビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−
ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価の
フェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o
−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、
またはテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビ
スフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物
等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以
上を混合して用いることができるが、本発明に関わるエ
ポキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂全体中、5〜100
wt%、好ましくは30〜100wt%の範囲である。
テル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウ
レタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ
樹脂等のオリゴマーまたは高分子化合物を適宜配合して
もよい。また、本発明の樹脂組成物には、無機充填剤、
顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性
向上剤等の添加剤を配合できる。
は、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、
アルミナ粉末、ガラス粉末、またはマイカ、タルク、炭
酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ等が挙げられ、
顔料としては、有機系または無機系の体質顔料、鱗片状
顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒ
マシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレン
ワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができ
る。
て、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。
例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフ
ィン類、ルイス酸等がある。添加量としては、通常、エ
ポキシ樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部の
範囲である。さらに、必要に応じて、本発明の樹脂組成
物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカッ
プリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アン
チモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ス
テアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
に使用される。この場合、本発明に用いるエポキシ樹脂
は高純度のものが好適に使用され、加水分解性塩素量が
1000ppm以下であることが好ましい。本用途の場合、
無機充填剤の配合量を増やすことにより、吸水率、熱膨
張率の低減、熱時強度の向上等を図ることが可能であ
り、大幅に半田耐熱性を向上させることができる。本用
途に使用するエポキシ樹脂組成物に用いる無機充填剤の
配合量は、通常、75wt%以上であるが、低吸湿性、
高半田耐熱性の観点からは80wt%以上であることが
好ましい。本発明のエポキシ樹脂硬化物は、上記のエポ
キシ樹脂組成物を加熱することにより得ることができ、
これは低吸湿性、高半田耐熱性等に優れる。硬化物を得
るための方法としてはトランスファー成形、圧縮成形、
注型等が好適に用いられ、その際の温度としては通常、
140℃〜230℃の範囲である。
説明する。なお、下記実施例における加水分解性塩素の
測定は以下の方法に従った。即ち、樹脂試料0. 5g を
100ml 共栓付三角フラスコに秤量し、ジオキサン3
0mlを加え溶解する。これに1N-KOH 5mlを加え、煮沸
還流する。室温まで冷却後、還流冷却管を10ml MeOH
で洗浄し、全量を200ml のビーカーに移す。さらに
80%アセトン水100ml でフラスコを洗浄し、ビー
カーに移す。次に、conc.HNO3 2ml を加えて、1/500
N-AgNO3 水溶液で電位差滴定を行なうとともにブランク
試験も行なう。また、エポキシ樹脂の純度分析はGPC 測
定により行った。測定は、装置;HLC-82A (東ソー
(株)製)、カラム;TSK-GEL2000 x 3 本およびTSK-GE
L4000 x 1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;THF
、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIである。
シジフェニルメタンを原料に用いた。ジヒドロキシジフ
ェニルメタンの純度の測定条件は、カラム;Shim-pack
CLC-ODS (6mm φ x 150mm)、移動相;アセトニトリル
/水=60/40、流量;1 ml/min、温度;40℃、検出;UV
(254nm)である。上記ジヒドロキシジフェニルメタン1
00gをエピクロルヒドリン925gに溶解し、さらに
ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.2gを
加え、減圧下(約150mmHg、70℃にて48%水
酸化ナトリウム水溶液80.8gを4時間かけて滴下し
た。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸
により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系内
に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。
その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗した
のちエピクロルヒドリンを留去し、淡黄色液状の粗製エ
ポキシ樹脂152gを得た。エポキシ当量は167であ
り、結晶化後の融点は55〜64℃であった。また、加
水分解性塩素は2400ppmであった。
ソブチルケトン300gに溶解し、85℃にて10%−
NaOH水溶液、8.1gを加え2時間反応させた。反応
後、濾過、水洗しメチルイソブチルケトンを留去するこ
とにより、単黄色液状のエポキシ樹脂97gを得た。得
られたエポキシ樹脂の加水分解性塩素は280ppmで
あり、樹脂中におけるn=0に相当する4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルメタンのジグリシジルエーテルの純
度は92.5wt%、n=1の二量体に相当する化合物
の含有量は6.0wt%であり、nが2以上の多量体は
検出されなかった。
た4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンのジグリシ
ジルエーテルの微粉末結晶1gを加えた後、30℃で静
置し樹脂の結晶化を行った。得られた結晶の融点は58
〜65℃であった。融点の測定はキャピラリー法で昇温
速度2℃/分で行った。また、得られたエポキシ樹脂の
エポキシ当量は165であり、m−クレゾール中(固形
分;30w%)での25℃における溶融粘度は36cp
sであった。
より再結晶を行い、白色結晶状エポキシ樹脂64gを得
た。エポキシ当量は162であり、加水分解性塩素は1
85ppmであり、融点は63〜70℃であった。得ら
れたエポキシ樹脂のn=0の化合物の純度は95.9w
t%であり、n=1の化合物の含有量は2.6wt%で
った。また、nが2以上の多量体は検出されなかった。
ルメタンの純度が98.5%であるジヒドロキシジフェ
ニルメタン化合物を原料に用いて実施例1と同様に反応
を行い、淡黄色液状エポキシ樹脂143gを得た。得ら
れたエポキシ樹脂をメタノールから再結晶を行うことに
よりn=0に相当する化合物の含有量が94. 7wt
%、n=1の二量体に相当する化合物の含有量が3. 2
wt%であり、nが2以上の多量体は検出されない白色
結晶状のエポキシ樹脂を得た。エポキシ当量は172、
加水分解性塩素は310ppmであり、融点は43. 2
〜46. 8℃であった。
含有量が10.4wt%、4,4’−体の含有量が8
1.4wt%であるジヒドロキシジフェニルメタンを原
料として実施例1と同様に反応を行った結果、以下の品
質のエポキシ樹脂を得た。エポキシ当量は169、加水
分解性塩素は210ppmであり、n=0の化合物の純
度は90.2wt%であり、nが1以上の化合物の含有
量は6.4wt%でった。得られた樹脂を実施例1と同
様に結晶化を試みた結果、常温でやや柔らかく融点が不
明瞭な白色固体を得た。
シジフェニルメタン100gを原料に用い、エピクロル
ヒドリン278gを用いて実施例1と同様に反応を行っ
た結果、以下の品質の常温でやや柔らかい白色結晶状の
エポキシ樹脂を得た。エポキシ当量は174、加水分解
性塩素は330ppmであり、融点は40〜55℃であ
った。得られたエポキシ樹脂のn=0の化合物の純度は
85.2wt%であり、n=1の化合物の含有量は9.
2wt%、n=2の化合物の含有量は0.2wt%でっ
た。また、m−クレゾール中(固形分;30wt%)で
の25℃における溶融粘度は42cpsであった。
脂結晶を粉砕機により最大粒径が1mm以下の粉末状と
した後、硬化剤であるフェノールノボラック樹脂(軟化
点71℃、OH当量107)、充填剤としての破砕シリ
カ(平均粒径、16μm)または球状シリカ(平均粒
径、22μm)、硬化促進剤としてのトリフェニルホス
フィン、シランカップリング剤としてのγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、およびその他の第1表
に示す添加剤と第1表に示す割合(重量部)で配合した
後、混練しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹
脂組成物を用いて175℃にて成形し、175℃にて1
2時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各
種物性測定に供した。また、本エポキシ樹脂組成物を用
いて84ピンICを成形し、ポストキュア後85℃、8
5%RHの条件で24時間、48時間および72時間吸
湿させたときの吸水率(%)、260℃の半田浴に10
秒間浸漬させパッケージのクラック発生率を観察した。
また、調整したエポキシ樹脂組成物を常温に10日間放
置後のブロッキング性を評価した。結果を表1に示す。
配合、混練、成形し評価した。結果を表1に示す。
で得たエポキシ樹脂を用い、実施例1と同様に配合、混
練、成形し評価した。結果を表1に示す。なお、参考例
1、2で得たエポキシ樹脂は常温でやや柔らかい固形樹
脂であるため、粉砕が困難であったためブロック状態の
まま配合し、混練を行い樹脂組成物とした。
ポキシ樹脂(軟化点71℃、加水分解性塩素190pp
m、エポキシ当量197)100部を用い、実施例1と
同様にエポキシ樹脂組成物を得た後、成形を行い評価し
た。結果を表1に示す。
て極めて低粘度であるため優れた成形流動性を保持する
とともに、常温においては結晶状の固体であるため、エ
ポキシ樹脂組成物としたときの保存時の耐ブロッキング
性に優れる。さらに、極めて良好な低粘度性を活かすこ
とによりシリカの高充填化が可能であるため、半導体封
止用樹脂組成物に応用した場合、半導体素子を封止して
得られたパッケージの耐クラック性が大幅に向上する。
Claims (4)
- 【請求項1】下記一般式(1)、 【化1】 (但し、 Rは水素原子またはメチル基を示し、nは0〜
5の整数である。)で表されるエポキシ樹脂であって、
nが1以上の多量体の含有量が0. 2〜8wt%であ
り、かつ融点が40℃以上であることを特徴とする結晶
状エポキシ樹脂。 - 【請求項2】4, 4'- ジヒドロキシ置換体の純度が9
5wt% 以上である下記一般式(2)、 【化2】 (但し、 Rは水素原子またはメチル基を示す。)で表さ
れるジヒドロキシジフェニルメタン類を金属水酸化物の
存在下に過剰のエピクロルヒドリンと反応させ得られた
エポキシ樹脂を結晶化させることを特徴とする請求項1
に記載の結晶状エポキシ樹脂の製造法。 - 【請求項3】エポキシ樹脂および硬化剤よりなるエポキ
シ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分の一部または
全部として下記一般式(1)、 【化3】 (但し、 Rは水素原子またはメチル基を示し、nは0〜
5の整数である。)で表される構造を有し、nが1以上
の多量体の含有量が0. 2〜8wt%でありかつ融点が
40℃以上である結晶状エポキシ樹脂を用いることを特
徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物を硬
化させてなる硬化物。
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---|---|---|---|
JP21551294A JP3539772B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 結晶状エポキシ樹脂、その製造法、それを用いたエポキシ樹脂組成物および硬化物 |
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JPH0873563A true JPH0873563A (ja) | 1996-03-19 |
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