JPH0869989A - 基板洗浄装置、基板洗浄具及び基板洗浄方法 - Google Patents

基板洗浄装置、基板洗浄具及び基板洗浄方法

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JPH0869989A
JPH0869989A JP20562294A JP20562294A JPH0869989A JP H0869989 A JPH0869989 A JP H0869989A JP 20562294 A JP20562294 A JP 20562294A JP 20562294 A JP20562294 A JP 20562294A JP H0869989 A JPH0869989 A JP H0869989A
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groove
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Akihiko Morita
彰彦 森田
Masami Otani
正美 大谷
Nobuyasu Hiraoka
伸康 平岡
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄液を洗浄具の下面全面に行き渡らせるこ
とができ、良好な洗浄効率で基板を良好に洗浄できる基
板洗浄装置、基板洗浄具並びに基板洗浄方法を提供す
る。 【構成】 洗浄具10の洗浄部材26には、平坦な下端
面26aとそこに連接する側面26bとが形成され、回
転軸16により回転駆動される。洗浄部材26の下端面
26aには溝状凹部24が形成され、溝状凹部24の端
部は側面26bに開口している。溝状凹部24は、側面
26bでの開口部における溝状凹部24の向きが、洗浄
具10の回転半径方向に対して傾斜している。洗浄部材
26の下端面26aが基板と接触した状態で洗浄が行わ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば半導体ウエ
ハ、液晶表示装置製造用ガラス基板、フォトマスク用ガ
ラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に基板と称す
る)を洗浄する基板洗浄装置、基板洗浄具及び基板洗浄
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の基板洗浄装置としては、従来よ
り例えば実開平1−107129号公報に開示されたも
のが知られている。この種の装置は、基板を鉛直軸まわ
りで回転させつつ基板表面に洗浄液を供給し、洗浄具を
鉛直軸まわりで回転させながら基板表面に摺接もしくは
近接させた状態で基板表面に沿って移動させ、基板表面
を洗浄具によって擦ったりあるいは洗浄具により発生す
る水流によって、基板表面に付着した塵埃等を洗浄除去
するものである。
【0003】上記公報に記載の洗浄装置は、洗浄具は円
筒状であってその円筒軸を中心として回転し、その底面
を基板表面に摺接もしくは近接させて洗浄を行うもので
ある。ところが、かかる装置において、洗浄液は洗浄具
の外方から基板表面に供給されるのであるが、供給され
た洗浄液が洗浄具の下面全面に行き渡りにくく、洗浄具
の面積を有効に利用できていない。特に、洗浄液を洗浄
具の外側へ供給するものにあっては、洗浄具の周辺の洗
浄液には洗浄具の回転にともなう遠心力が作用して洗浄
具から遠ざかる方向への力が働くため、洗浄液が洗浄具
の下面に行き渡りにくいものである。そのため、洗浄効
率が悪く、基板の洗浄の度合いも不十分になりがちであ
るという不都合がある。
【0004】また、特開平5−15857号公報に示さ
れるように、洗浄具の内部側から洗浄液を供給すること
も提案されている。しかし、この場合においても、洗浄
液が洗浄具の下面全面には行き渡りにくく、またこの場
合には洗浄具の内部側に供給された洗浄液が速やかに排
出され難く、同様の不都合がある。また、これらの不都
合は、洗浄具の底面と基板表面とが接触して摺接する状
態で洗浄するものの場合に特に顕著である。
【0005】さらに、基板の状態によっては、洗浄液の
供給状態を加減した方が良好な洗浄状態が得られるもの
もありえるが、従来の装置においてはそのような場合に
は対応できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の事情
に鑑みてなされたものであり、洗浄液を洗浄具の下面全
面に容易に行き渡らせることができ、良好な洗浄効率で
基板を良好に洗浄できる基板洗浄装置、基板洗浄具並び
に基板洗浄方法を提供することを目的とする。また本発
明は、基板の状態に応じて洗浄液の供給状態を調整する
ことができ、良好な洗浄状態が得るための自由度が高い
基板洗浄装置を提供することを別の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板を鉛直軸
まわりで回転させつつ基板表面に洗浄液を供給し、洗浄
具を鉛直軸まわりで回転させながら洗浄具の下端面を基
板表面にそって移動させて基板表面を洗浄する基板洗浄
装置において、洗浄具に、平坦な下端面とその下端面に
連接した側面とを形成し、下端面に溝状凹部を形成する
とともに、溝状凹部の端部を側面に開口させたことを特
徴とする。
【0008】また、洗浄具の溝状凹部を、洗浄具の側面
の開口部における溝状凹部の向きが洗浄具の回転半径方
向に対して傾斜するように形成してもよい。また、洗浄
具の溝状凹部を、その側面の開口部における溝状凹部の
向きが洗浄具の回転方向前方側に向くように形成しても
よい。また、洗浄具の溝状凹部を、その側面の開口部に
おける溝状凹部の向きが洗浄具の回転方向後方側に向く
ように形成するとともに、洗浄具の下端面の中心側部に
開口した吐出口を有し且つ溝状凹部に連通する洗浄液供
給路を形成し、吐出口から洗浄液を吐出するために洗浄
液供給路へ洗浄液を供給する洗浄液供給手段を設けても
よい。
【0009】また、洗浄具を回転させる回転駆動手段と
して、正逆回転可能な回転駆動源を使用してもよい。ま
た、本発明は、基板を鉛直軸まわりで回転させつつ基板
表面に洗浄液を供給し、洗浄具を鉛直軸まわりで回転さ
せながら洗浄具の下端面を基板表面にそって移動させて
基板表面を洗浄する基板洗浄方法において、洗浄具とし
て、平坦な下端面とその下端面に連接した側面を形成
し、下端面に溝状凹部を形成するとともに溝状凹部の端
部を側面に開口させたものを用いて、当該洗浄具の下端
面を基板表面に接触ないし近接させて鉛直軸回りで回転
駆動しつつ基板表面にそって移動させることを特徴とす
る。
【0010】また、本発明は、基板を鉛直軸まわりで回
転させつつ基板表面に洗浄液を供給し、洗浄具を鉛直軸
まわりで回転させながら洗浄具の下端面を基板表面にそ
って移動させて基板表面を洗浄する基板洗浄方法におい
て、洗浄具として、平坦な下端面とその下端面に連接し
た側面を形成し、下端面に溝状凹部を形成するとともに
溝状凹部の端部を側面に開口させ且つその側面における
開口方向が洗浄具の回転半径方向に対して傾斜したもの
を用いて、当該洗浄具を前記鉛直軸回りで第1の方向に
回転駆動しつつ基板表面にそって移動させて行う第1の
工程と、洗浄具を鉛直軸回りで第1の方向と逆方向の第
2の方向に回転駆動しつつ基板表面にそって移動させて
行う第2の工程と、よりなることを特徴とする。
【0011】また、本発明は、回転駆動手段の回転軸が
取り付けられる取付部と、該取付部に取り付けられた洗
浄部材とよりなる基板洗浄具であって、洗浄部材を少な
くとも湿潤時に柔軟性を呈する素材から構成し、当該洗
浄部材に回転軸に対して直交し且つ平坦な端面とその端
面に連接した側面を形成し、端面に溝状凹部を形成する
とともに、溝状凹部の端部を側面に開口させたことを特
徴とする。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、洗浄具に平坦
な下端面とその下端面に連接した側面を形成し、下端面
に溝状凹部を形成するとともに、溝状凹部の端部を側面
に開口させているので、洗浄液は、洗浄具の下端面に形
成された溝状凹部を通って洗浄具の下端面中心側とその
下端面に連接した側面側との間を流通し、溝状凹部から
洗浄具の下端面にひろがって洗浄作用をなす。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、洗浄具の
側面の開口部における溝状凹部の向きが洗浄具の回転半
径方向に対して傾斜するように形成されているので、洗
浄具の回転により洗浄液の溝状凹部での流動が促進さ
れ、洗浄作用が増大する。請求項3に記載の発明によれ
ば、洗浄具の側面の開口部における溝状凹部の向きが洗
浄具の回転方向前方側に向くように形成されているの
で、洗浄具の回転により洗浄具の側面の開口部から溝状
凹部への洗浄液の流入が促進され、洗浄作用が増大す
る。
【0014】請求項4に記載の発明によれば、洗浄具の
側面の開口部における溝状凹部の向きが洗浄具の回転方
向後方側に向くように形成されており、洗浄具の下端面
の中心側部に開口した洗浄液供給路から溝状凹部に供給
された洗浄液は、洗浄具の回転により洗浄具の中心部側
から溝状凹部を通っての側面の開口部への排出が促進さ
れ、洗浄作用が増大する。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、回転駆動
源の回転を正転、逆転させることにより、溝状凹部にお
ける洗浄液の流入及び排出が随時行われ、洗浄液の供給
状態を調整することができる。請求項6に記載の発明に
よれば、洗浄具として、平坦な下端面とその下端面に連
接した側面を形成し、下端面に溝状凹部を形成するとと
もに、溝状凹部の端部を側面に開口させたものを用いて
いるので、洗浄具の下端面を基板表面に接触ないし近接
させて洗浄する場合においても、洗浄具の下端面に洗浄
液が広がり、洗浄作用が増大する。
【0016】請求項7に記載の発明によれば、洗浄具と
して、平坦な下端面とその下端面に連接した側面を形成
し、下端面に溝状凹部を形成するとともに、溝状凹部の
端部を側面に開口させ且つその側面における開口方向が
洗浄具の回転半径方向に対して傾斜したものを用いて、
洗浄具を第1の方向に回転駆動させて行う第1の工程
と、洗浄具を第1の方向と逆方向の第2の方向に回転駆
動させて行う第2の工程とを有しているので、溝状凹部
における洗浄液の流入及び排出が行われ、洗浄液を適切
に流通させることができ、洗浄作用が増大する。
【0017】請求項8に記載の発明によれば、洗浄部材
に、回転軸に対して直交し且つ平坦な端面とその端面に
連接した側面を形成し、端面に溝状凹部を形成するとと
もに、溝状凹部の端部を側面に開口させているので、端
面を基板表面に接触ないし近接させて洗浄具を回転軸周
りで回転させたとき、洗浄液は、洗浄部材の下端面に形
成された溝状凹部を通って洗浄部材の下端面中心側とそ
の下端面に連接した側面側との間を流通し、溝状凹部か
ら洗浄具の下端面にひろがって洗浄作用をなす。洗浄部
材は、洗浄液を使用した洗浄時には柔軟となり、基板に
傷をつけたりすることがなく、良好な洗浄作用をなす。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して以下に説明
する。図1は本発明の第1の実施例を示す要部の側面断
面図、図2は同平面図である。スピンチャック1は、鉛
直方向に設けられた回転軸2の上端に取り付けられてい
る。回転軸2は、基台3に固定された回転駆動源である
モータ(図示せず)によって回転駆動される。回転軸2
内には、図示しない真空吸引源に接続された吸気通路が
形成され、スピンチャック1の上面には、前記吸気通路
と連通した吸気口が形成され、スピンチャック1は、半
導体ウエハ(以下、基板Wと称する)を吸着保持する。
スピンチャック1の周囲を囲うカップ4は、図示しない
昇降駆動源によって、基台3に対して昇降自在に設けら
れている。カップ4に形成されたドレン開口6は、図示
しない排気源に接続されている。カップ4は、基板Wの
洗浄時には上昇して図1に示す状態で基板Wの周囲を囲
い、前記排気源によってカップ4内を排気することとあ
いまって、洗浄液のカップ4外への飛散を防止する。カ
ップ4によって収容された洗浄液はドレン開口6から排
出され、気液分離の後、廃棄される。カップ4の側方の
基台3上面には、スピンチャック1に保持された基板W
の上面の略中心に向けて洗浄液としての超純水を供給す
る洗浄液ノズル8が設けられている。さらに、異種の洗
浄液等による洗浄処理を供給可能とするよう、副洗浄液
ノズル36,38が付設されている。
【0019】また、カップ4の外側近傍の基台3に立設
された支柱13は、アーム12を支持している。支柱1
3には、図示しない回転駆動源ならびに昇降駆動源が付
設され、アーム12は支柱13により、図1中の矢印H
方向すなわち鉛直方向に昇降可能、且つ矢印S方向すな
わち水平方向に旋回可能に支持されている。アーム12
の先端には、洗浄具10が下向きに設けられている。ア
ーム12には、モータ14が内蔵され、洗浄具10はモ
ータ14によって駆動されて回転する。
【0020】図3は洗浄具10の一部切欠側面図であ
る。洗浄具10は、図3に示すように、モータ14の回
転軸16を取り付け固定すべくその回転軸16が挿入さ
れる挿通孔19が形成された取付部20と、取付部20
に取り付け固定された洗浄部材26および覆い部材28
とからなっている。洗浄部材26は、ポリビニルアルコ
ールを原料としたスポンジ状の多孔質体を素材とし、成
形加工して作られる。かかる素材は、ポリビニルアルコ
ールに酸を触媒としてホルムアルデヒドを結合させるホ
ルマール化反応によりポリビニルホルマールを生成し、
その際、気孔生成剤を加えて気孔形成を行い、不溶性の
多孔質基質が完成後、この気孔生成剤を抽出することに
より製造される。この素材により形成された洗浄部材2
6は、連続的な気孔が形成され、親水性かつ吸水性を有
し、湿潤時には良好な柔軟性、弾力性を呈する。
【0021】洗浄部材26は、略円柱状に形成され、回
転軸16に対して直交し且つ平坦な下端面26aと、そ
の下端面26aに連接した側面26bとを有している。
図4は洗浄部材26を下端面26a側、すなわち図3に
おける矢印A側から見た平面図である。洗浄部材26の
下端面26aは円形であって、その中心から三方に放射
状に且つ同一向きの弧を描くように3本の溝状凹部24
が形成されており、溝状凹部24の端部は側面26bに
開口している。また、モータ14の駆動による洗浄部材
26の回転方向は図3、図4に矢印Bに示す向きである
が、側面26bでの溝状凹部24の開口部24aにおけ
る溝状凹部24の向き(図4に矢印Cで示す)は、洗浄
部材26の回転半径方向(図4に矢印Rで示す)に対し
て傾斜しており、その傾斜の向きは、回転方向へ向かっ
て前方側を向くようになっている。
【0022】覆い部材28は、円筒部30と、円筒部3
0の下端に形成された鍔部32と、鍔部32の外縁から
垂下された垂下部34とからなり、洗浄部材26を覆う
ように取付部20に取り付けられ、モータ14が駆動さ
れると取付部20及び洗浄部材26と一体的に回転す
る。なお、覆い部材28の垂下部34の下端は、洗浄部
材26の下端面26aよりも上方に位置するように構成
される。
【0023】而して、本装置により洗浄動作を行う場
合、まずアーム12が図2に実線で示す位置に退避し、
且つカップ4が下降した位置にある状態で、図示しない
基板搬送手段が基板Wをスピンチャック1に搬送し、両
者の中心が一致するように載置する。続いて、カップ4
が図1に示す位置まで上昇し、一方、スピンチャック1
は、基板Wを吸着保持し、モータにより回転駆動され
る。それとともに、支柱13の回転駆動源が駆動され、
アーム12が図1に2点鎖線で示す位置、すなわち洗浄
具10が基板Wの中心の上方に位置する状態まで旋回す
る。そして、洗浄液ノズル8から基板Wの上面の中心に
向けて超純水DIWが吐出供給される。かかる状態で、
モータ14が駆動されて洗浄具10が矢印B方向に回転
する。そして、洗浄具10が回転した状態で支柱13の
昇降駆動源が駆動され、アーム12が図1に破線で示す
ように下降して、洗浄部材26の下端面26aが基板W
の上面にわずかに接触した状態とされる。そして、洗浄
部材26の下端面26aが基板Wの上面にわずかに接触
した状態を保ってアーム12が水平方向に旋回駆動さ
れ、洗浄具10が基板Wの端から外方へ出るまで移動
し、超純水DIWと洗浄部材26とにより、回転中の基
板Wの上面が洗浄される。洗浄具10が基板Wの端から
外方へ出ると、アーム12は上昇し、再度旋回して基板
Wの中心の上方へ移動し、再び同じ動作が繰り返され
る。かかる動作の繰り返し回数は、基板Wに要求される
洗浄度合いに応じて適宜設定される。
【0024】このとき、洗浄液ノズル8から基板W上に
供給された超純水は、洗浄部材26の側面26bに形成
された開口部24aから取り込まれ、下端面26aに形
成された溝状凹部24を通って洗浄部材26の下端面2
6a中心側まで流通する。そして、洗浄部材26の下端
面26a中心側まできた超純水は溝状凹部24から洗浄
具26の下端面26aにひろがって洗浄作用をなす。こ
のため、洗浄部材26の下端面26aのほぼ全体にまで
超純水を容易に行き渡らせることができ、良好な洗浄効
率で基板Wを良好に洗浄できる。洗浄部材26は、湿潤
時には柔軟であるので、基板Wに傷をつけたりすること
がなく、良好な洗浄作用が得られる。また、本実施例の
如く、側面26bの開口部24aにおける溝状凹部24
の向きが洗浄具の回転半径方向に対して傾斜するように
形成されることにより、洗浄具10の回転にともなう超
純水の溝状凹部24での流動が促進され、洗浄作用が増
大する。特に、側面26bの開口部24aにおける溝状
凹部24の向きが洗浄具10の回転方向前方側に向くよ
うに形成すれば、洗浄具10の回転にともなう超純水の
取り込みが効率よく行われ、より良好な洗浄作用が得ら
れる。
【0025】なお、洗浄部材26の回転により、超純水
DIWの一部は極く微細な水滴、いわゆるミストとなっ
て周囲に飛散しようとするが、洗浄部材26及び基板W
の被洗浄部位は覆い部材28によって覆われているの
で、かかるミストの多くは覆い部材28によって受けと
められ、ミストの飛散は顕著に抑制される。覆い部材2
8の垂下部34の下端が洗浄部材26の下端面26aよ
りも上方に位置しているので、覆い部材28が洗浄部材
26の洗浄の妨げになることはない。また、基板Wから
飛散する超純水DIWはカップ4に受けとめられる。
【0026】続いて、本発明の他の実施例を以下に説明
する。なお、以下の説明においては、上述した第1の実
施例と同一もしくは対応する部分の説明は省略し、異な
る部分のみを説明する。図5は本発明の第2の実施例に
おける洗浄具110の一部切欠側面図である。洗浄具1
10は、図5に示すように、モータ14の回転軸116
を取り付け固定すべくその回転軸116が挿入される挿
通孔119が形成された取付部120と、取付部120
に取り付け固定された洗浄部材126および覆い部材2
8とからなっている。
【0027】洗浄部材126は、略円柱状に形成され、
回転軸116に対して直交し且つ平坦な下端面126a
と、その下端面126aに連接した側面126bとを有
している。図6は洗浄部材126を下端面126a側、
すなわち図5における矢印A側から見た平面図である。
この第2実施例においては、モータ14の駆動による洗
浄部材126の回転方向は第1の実施例のものと同一で
あるが、洗浄部材126の下端面126aに形成された
3本の溝状凹部124それぞれが描く弧の向きは第1の
実施例と逆になっている。そして、側面126bでの溝
状凹部124の開口部124aにおける溝状凹部124
の向き(図6に矢印Cで示す)は、洗浄部材126の回
転半径方向(図6に矢印Rで示す)に対して傾斜してお
り、その傾斜の向きは、回転方向へ向かって後方側を向
くようになっている。さらに、回転軸116、取付部1
20および洗浄部材126には、互いに連通する洗浄液
供給路100が形成され、洗浄液供給路100は下端面
126aの中心に形成された吐出口101を介して3本
の溝状凹部124へ連通している。洗浄液供給路100
へは、アーム12および中空状の回転軸116を介して
図示しない洗浄液供給手段から超純水が供給され、3本
の溝状凹部124へ送られる。
【0028】而して、本装置による洗浄動作時には、洗
浄具110が回転し、洗浄部材126の下端面126a
が基板Wの上面にわずかに接触した状態でアーム12が
旋回駆動され、洗浄部材126が回転しつつ基板Wの上
面を移動する。かかる状態で、洗浄液供給路100から
供給された超純水は吐出口101から洗浄部材126の
下端面126aに形成された溝状凹部124を流通し、
側面126bの開口部124aから排出される。その
間、超純水は溝状凹部124から洗浄部材126の下端
面126aにひろがって洗浄作用をなす。このため、洗
浄部材126の下端面126aのほぼ全体にまで超純水
を容易に行き渡らせることができ、良好な洗浄効率で基
板Wを良好に洗浄できる。また、洗浄部材126の中央
部に供給された超純水は、洗浄部材126の回転にとも
なって溝状凹部124から円滑に外部へ流出するので、
洗浄部材126の中央部には常に新しい超純水が供給さ
れるようになり、良好な洗浄作用が得られる。なお、本
実施例によるアーム12等の動作は第1の実施例と同一
であり、また第1の実施例で行われていた洗浄液ノズル
8からの超純水の吐出は、行っても行わなくても良い。
【0029】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
この第3の実施例では、第1の実施例におけるモータ1
4を正逆回転可能なものを使用し、図3、図4に示した
洗浄具10を使用する。その他は第1の実施例の構成と
同じである。かかる構成の装置を使用して基板Wの洗浄
を行う方法として以下に例を挙げる。第1に、洗浄され
る基板Wに応じて、洗浄具10の回転方向を変更する方
法である。すなわち、洗浄されるべき半導体ウエハであ
る基板Wには、半導体素子製造の過程で、フォトリソグ
ラフィ等の手法によって様々な処理が施されあるいは様
々な薄膜等が形成されたりする。そのため、基板Wの表
面状態も様々なものとなっており、かかる基板Wを洗浄
する方法も様々な要求がある。例えば、基板Wが特殊な
表面状態となっている場合には、洗浄部材26の部分へ
の超純水の供給の程度を加減した方が、より洗浄が良好
に行える場合も考えられる。かかる基板Wを洗浄する場
合には、図4に示す洗浄具10を矢印Dの方向に回転さ
せるようにモータ14を逆転駆動すれば、溝状凹部24
は洗浄部材26の下端面26a部分から排水する作用を
なし、洗浄部材26の部分は超純水の供給が比較的少な
い状態で行うことになる。そして、通常の基板Wを洗浄
する場合には、図4に示す洗浄具10を矢印Bの方向に
回転させるようにモータ14を正転駆動すれば、既述の
ように溝状凹部24は洗浄部材26の下端面26a部分
へ超純水を取り込む作用をなし、洗浄部材26の下端面
26aのほぼ全体にまで超純水を容易に行き渡らせるこ
とができ、良好な洗浄効率で基板Wを良好に洗浄でき
る。本実施例では、このように基板Wに応じて洗浄具1
0の回転を正転、逆転させることにより洗浄液の供給状
態を調整することができ、洗浄作用を増大させるための
自由度が増す。
【0030】第2に、アーム12の旋回によって洗浄具
10がある1枚の基板Wの表面を移動しつつある間に、
洗浄具10の回転向きを1回ないし数回、反転させる方
法である。すなわち、洗浄部材26が基板Wのある部位
を洗浄しているときに、その途中で洗浄部材26の回転
方向を反転させる方法である。具体的には、洗浄具10
が基板Wの表面を移動しつつあるときに、洗浄具10を
第1の方向である矢印B方向に回転駆動させて行う第1
の工程と、洗浄具10を第1の方向と逆方向の第2の方
向である矢印Dに回転駆動させて行う第2の工程とを、
所定の周期で繰り返して行う。これにより、その被洗浄
部位において、溝状凹部24へは超純水の取り込みと排
出が交互に行われ、超純水が洗浄具10の近傍で良好に
流動し、洗浄液を適切に流通させることができ、洗浄作
用が増大する。
【0031】なお、ここで第2の実施例について補足説
明を加えておくと、超純水の供給が比較的少ない状態で
洗浄することのみについては、第2の実施例の構成で、
洗浄液供給路100からの超純水の供給は行わず、洗浄
液ノズル8から超純水を供給し、洗浄具126を矢印B
方向に回転させれば、溝状凹部124は洗浄部材126
の下端面126a部分から排水する作用をなし、同様に
行うことができる。また、第2の実施例の洗浄具126
の場合にもモータ14として正逆回転可能なものを使用
し、洗浄液供給路100からの超純水の供給は行わず、
洗浄液ノズル8から超純水を供給し、洗浄具126を矢
印D方向に回転させれば、溝状凹部124は開口部12
4aから超純水を取り込む作用をなし、上述の第1実施
例と同様の動作も行うことができる。
【0032】図7は本発明の第4の実施例である基板洗
浄具の洗浄部材226の下面を示す平面図である。この
洗浄部材226は、略円柱状に形成され、平坦な下端面
226aと、その下端面226aに連接した側面226
bとを有する。下端面226aは円形であって、その中
心から若干ずれた位置を通る3本の溝状凹部224が形
成されており、溝状凹部224の端部は側面226bに
開口している。側面226bでの溝状凹部224の開口
部224aにおける溝状凹部224の向き(図7に矢印
Cで示す)は、洗浄部材226の回転半径方向(図4に
矢印Rで示す)に対して傾斜している。
【0033】図8は本発明の第5の実施例である基板洗
浄具の洗浄部材326の下面を示す平面図である。この
洗浄部材326では、側面326bでの溝状凹部324
の開口部324aにおける溝状凹部324の向き(図8
に矢印Cで示す)が、洗浄部材326の回転半径方向
(図4に矢印Rで示す)に対して傾斜しており、その傾
斜の向きが図7に示した第4の実施例と逆である。
【0034】これら図7、図8に示した洗浄部材22
6、326も、上述した第1、第3の実施例に準じて使
用される。そのときの使用方法、洗浄部材226、32
6の回転の向きや、その動作についても同様である。ま
た、図示はしていないが、これら洗浄部材226、32
6に対して、第2の実施例で説明したような洗浄液供給
路および吐出口を形成し、第2の実施例の如くに使用す
ることもできる。
【0035】なお、以上の第1ないし第5の実施例にお
いて、洗浄部材の下端面が例えば直径15〜20mm程
度のものの場合、溝状凹部の幅および深さは例えば2m
m程度とすることができる。図9は本発明の第6の実施
例である基板洗浄具の洗浄部材426の下面を示す平面
図である。この洗浄部材426は、略円柱状に形成さ
れ、平坦な下端面426aと、その下端面426aに連
接した側面426bとを有する。下端面426aは円形
であって、その中心から六方に放射状に且つ同一向きの
弧を描くように6本の溝状凹部424が形成されてお
り、溝状凹部424の端部は側面426bに開口してい
る。側面426bでの溝状凹部424の開口部424a
における溝状凹部424の向きは、洗浄部材426の回
転半径方向に対して傾斜している。洗浄部材426の回
転方向は、駆動するモータ14の回転方向により何れに
でも設定でき、その回転方向に応じて溝状凹部424の
作用が変化することは先の実施例での説明と同様であ
る。また、その溝状凹部424が集中する回転中心部に
洗浄液供給路の吐出口を設ければ、第2の実施例と同様
に使用することもできる。
【0036】図10は本発明の第7の実施例である基板
洗浄具の洗浄部材526の下面を示す平面図である。こ
の洗浄部材626は、略円柱状に形成され、平坦な下端
面526aと、その下端面526aに連接した側面52
6bとを有する。下端面526aは円形であって、その
中心には図示しない洗浄液供給路の吐出口501が形成
され、その吐出口501から四方に放射状に直線的に4
本の溝状凹部524が形成される。またとなりあった溝
状凹部524の間には、前記洗浄液供給路と連通した吐
出口502が形成され、その吐出口502からも側面5
26bに向かって溝状凹部525が形成される。溝状凹
部524、525の端部は側面526bに開口してい
る。この実施例では、側面526bでの溝状凹部52
4、525の開口部524a、525aにおける溝状凹
部524、525の向きは、洗浄部材526の回転半径
方向を向いている。洗浄時には、前記洗浄液供給路から
吐出口501、502を介して洗浄液が供給される。こ
の実施例において、溝状凹部524、525の向きは、
洗浄部材526の回転半径方向に対して傾斜はしていな
いが、吐出口501、502から供給された洗浄液は洗
浄部材526の回転にともなう遠心力により溝状凹部5
24、525を通って洗浄部材526の下端面526a
に広がり、洗浄が良好に行われる。
【0037】また、以上の実施例は、いずれも洗浄専用
の装置であったが、本発明は、例えば基板に形成された
感光膜の現像処理とその現像処理直後に引き続いて行う
洗浄処理とを同一のカップにおいて行う現像・洗浄兼用
の装置にも適用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、洗浄液を洗浄具の下面
全面に容易に行き渡らせることができ、良好な洗浄効率
で基板を良好に洗浄できる基板洗浄装置、基板洗浄具並
びに基板洗浄方法を提供することができる。また本発明
によれば、基板の状態に応じて洗浄液の供給状態を調整
することができ、良好な洗浄状態が得るための自由度が
高い基板洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の基板洗浄装置を示す
要部の側面断面図。
【図2】図1に示した第1の実施例の基板洗浄装置を示
す平面図。
【図3】図1に示した第1の実施例の基板洗浄装置の洗
浄具を示す一部切欠側面図。
【図4】図1に示した第1の実施例の基板洗浄装置の洗
浄部材の下面の平面図。
【図5】この発明の第2の実施例の基板洗浄装置の洗浄
具を示す一部切欠側面図。
【図6】図5に示した第2の実施例の基板洗浄装置の洗
浄部材の下面の平面図。
【図7】この発明の第4の実施例の基板洗浄具の洗浄部
材の下面の平面図。
【図8】この発明の第5の実施例の基板洗浄具の洗浄部
材の下面の平面図。
【図9】この発明の第6の実施例の基板洗浄具の洗浄部
材の下面の平面図。
【図10】この発明の第7の実施例の基板洗浄具の洗浄
部材の下面の平面図。
【符号の説明】
10、110 基板洗浄具 14 モータ 16 回転軸 24、124、224、324、424、524、52
5 溝状凹部 26、126、226、326、426、526 洗浄
部材 26a、126a、226a、326a、426a、5
26a 下端面 26b、126b、226b、326b、426b、5
26b 側面 100 洗浄液供給路 101、501、502 吐出口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を鉛直軸まわりで回転させつつ基板
    表面に洗浄液を供給し、洗浄具を鉛直軸まわりで回転さ
    せながら洗浄具の下端面を基板表面にそって移動させて
    基板表面を洗浄する基板洗浄装置において、 前記洗浄具に、平坦な下端面と該下端面に連接した側面
    とを形成し、前記下端面に溝状凹部を形成するととも
    に、該溝状凹部の端部を前記側面に開口させたことを特
    徴とする基板洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記洗浄具の溝状凹部を、前記洗浄具の
    側面の開口部における溝状凹部の向きが前記洗浄具の回
    転半径方向に対して傾斜するように形成した請求項1記
    載の基板洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記洗浄具の溝状凹部を、その側面の開
    口部における溝状凹部の向きが前記洗浄具の回転方向前
    方側に向くように形成した請求項2記載の基板洗浄装
    置。
  4. 【請求項4】 前記洗浄具の溝状凹部を、その側面の開
    口部における溝状凹部の向きが前記洗浄具の回転方向後
    方側に向くように形成するとともに、前記洗浄具の下端
    面の中心側部に開口した吐出口を有し且つ前記溝状凹部
    に連通する洗浄液供給路を形成し、前記吐出口から洗浄
    液を吐出するために前記洗浄液供給路へ洗浄液を供給す
    る洗浄液供給手段を設けた請求項2記載の基板洗浄装
    置。
  5. 【請求項5】 前記洗浄具を回転させる回転駆動手段と
    して、正逆回転可能な回転駆動源を使用した請求項1な
    いし請求項4の何れかに記載の基板洗浄装置。
  6. 【請求項6】 基板を鉛直軸まわりで回転させつつ基板
    表面に洗浄液を供給し、洗浄具を鉛直軸まわりで回転さ
    せながら洗浄具の下端面を基板表面にそって移動させて
    基板表面を洗浄する基板洗浄方法において、 前記洗浄具として、平坦な下端面とその下端面に連接し
    た側面を形成し、前記下端面に溝状凹部を形成するとと
    もに、該溝状凹部の端部を前記側面に開口させたものを
    用いて、当該洗浄具の下端面を前記基板表面に接触ない
    し近接させて前記鉛直軸回りで回転駆動しつつ基板表面
    にそって移動させることを特徴とする基板洗浄方法。
  7. 【請求項7】 基板を鉛直軸まわりで回転させつつ基板
    表面に洗浄液を供給し、洗浄具を鉛直軸まわりで回転さ
    せながら洗浄具の下端面を基板表面にそって移動させて
    基板表面を洗浄する基板洗浄方法において、 前記洗浄具として、平坦な下端面とその下端面に連接し
    た側面を形成し、前記下端面に溝状凹部を形成するとと
    もに、該溝状凹部の端部を前記側面に開口させ且つその
    側面における開口方向が前記洗浄具の回転半径方向に対
    して傾斜したものを用いて、当該洗浄具を前記鉛直軸回
    りで第1の方向に回転駆動しつつ基板表面にそって移動
    させて行う第1の工程と、 前記洗浄具を前記鉛直軸回りで前記第1の方向と逆方向
    の第2の方向に回転駆動しつつ基板表面にそって移動さ
    せて行う第2の工程と、よりなることを特徴とする基板
    洗浄方法。
  8. 【請求項8】 回転駆動手段の回転軸が取り付けられる
    取付部と、該取付部に取り付けられた洗浄部材とよりな
    る基板洗浄具であって、 前記洗浄部材を少なくとも湿潤時に柔軟性を呈する素材
    から構成し、当該洗浄部材に前記回転軸に対して直交し
    且つ平坦な端面とその端面に連接した側面を形成し、前
    記端面に溝状凹部を形成するとともに、該溝状凹部の端
    部を前記側面に開口させたことを特徴とする基板洗浄
    具。
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