JP3589890B2 - 現像液供給方法及び現像装置 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、半導体ウエハ等の基板に現像液を液盛りするために基板に現像液を供給する現像液供給方法及びその方法を実施する現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の現像装置としては、例えば、図5に示すような装置がある。
図5に示す現像装置は、基板Wを水平姿勢で保持して鉛直方向の軸芯J周りで回転させるスピンチャック1や、所定の現像液供給位置に位置されて側方に設けられた多数の吐出孔101から基板Wに現像液Qを供給する現像液供給ノズル100を備えている。
【0003】
この従来装置による基板Wへの現像液Qの液盛りは以下のようにして行われる。すなわち、基板Wの中心を軸芯Jに一致させて基板Wがスピンチャック1に保持されると、その基板Wの上方であって、基板Wの中心(軸芯J)から若干ずれた所定の現像液供給位置に現像液供給ノズル100が位置される。そして、スピンチャック1によって基板Wをその中心(軸芯J)周りで回転させながら、現像液供給位置に位置した現像液供給ノズル100の側方の吐出孔101から現像液Qが基板Wに供給される。これにより、基板Wに供給された現像液Qは、基板Wの回転に伴う遠心力によって基板Wの全面にひろげられて基板Wに現像液Qが液盛りされる。
【0004】
基板Wへの現像液Qの液盛りが完了すると、スピンチャック1による基板Wの回転が停止されて、所定の現像時間の間、基板Wは静止される。この間に現像処理が進行して、基板Wに塗布されたフォトレジスト膜に対して露光されて焼き付けられたパターンが得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
近年、パターンの微細化に伴って、フォトレジストの種類が多様化しており、その中には、現像液Qとの密着性が悪い疎水性のフォトレジストも存在する。このような疎水性のフォトレジストが塗布された基板Wに対して、従来装置を用いて従来方法で現像液Qを供給して液盛りした場合、従来方法では、単に基板Wの回転に伴う遠心力で基板W全面(に塗布されたフォトレジスト膜上)に現像液Qをひろげているだけなので、現像液Qとフォトレジスト膜との密着度が弱く、フォトレジスト膜上で現像液Qが弾かれて液盛りされない箇所が発生し、基板Wの全面で現像処理を均一に行えないという問題が発生している。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板全面に現像液を液盛りして現像処理を均一に行うことができる現像液供給方法及び現像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を取る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に現像液を液盛りするために基板に現像液を供給する現像液供給方法であって、基板と接する液面を形成するように、その下端開口面が基板と近接し、基板との間で所定の量の現像液を一時貯留するように構成した筒状部材と、筒状部材と基板と近接させて、その間に現像液を介在させた状態で筒状部材と基板とを相対変位させて基板に現像液を供給することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、基板に現像液を液盛りするために基板に現像液を供給する現像液供給装置であって、基板と接する液面を形成するように、その下端開口面が基板と近接し、基板との間で所定の量の現像液を一時貯留するように構成した筒状部材と、前記筒状部材内に現像液を供給する現像液供給手段と、前記筒状部材の下端開口面と前記基板保持部材に保持された基板とを近接させて、その間に前記現像液供給手段によって供給される現像液を一時的に貯留させ、基板と液面が接した状態で前記筒状部材を基板を相対変位させる相対変位手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の現像装置において、前記相対変位手段は、前記基板保持手段に保持された基板をその中心周りで回転させながら、前記筒状部材を基板保持手段に保持された基板の周縁と中心との間で移動させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の現像装置において、前記相対変位手段は、基板に対して前記筒状部材を回転させることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る現像装置の全体構成を示す平面図であり、図2はその要部の縦断面図、図3は実施例装置に備えた現像供給ノズルの拡大縦断面図である。
【0012】
図2に示すように、この実施例装置は、基板Wを水平姿勢で保持する基板保持手段に相当するスピンチャック1を備えている。このスピンチャック1は、図示しない真空ラインにつながっていて基板Wを真空吸着保持する基板保持台2を有する。また、基板保持台2は、回転軸3を介して電動モータ4に連動連結されていて、電動モータ4の回転駆動によって、基板Wを保持して状態で鉛直方向の軸芯J周りで回転可能に構成されている。基板Wはその中心が軸芯Jに一致されて基板保持台2に保持されることで、スピンチャック1とともに基板Wをその中心周りで回転せることができるようになっている。
【0013】
スピンチャック1およびそれによって保持された基板Wの周囲にはカップ5が配備されている。このカップ5は、図示しない昇降機講によって昇降可能に構成されている。基板Wの搬入搬出の際には、カップ5は下降されて、スピンチャック1の基板保持台2がカップ5の上方に突出され、スピンチャック1(基板保持台2)と図示しない基板搬送機構の基板搬送アームとの間で基板Wの受渡しが許容される。また、後述するように、基板Wが回転される際には、カップ5が上昇されて、スピンチャック1およびそれに保持された基板Wの周囲にカップ5を配置させ、回転に伴って基板Wから周囲に飛散される現像液などを受け止めて回収するようになっている。
【0014】
カップ5の一方の側部には、アーム駆動機構10によって鉛直方向の軸芯Sを支点として揺動可能に、かつ、昇降可能に支持アーム11が配設されている。この支持アーム11の先端部には支軸12が回転可能に垂設され、この支軸12の下端部に後述する現像液供給ノズル20が支軸12と一体回転可能に連結されている。支持アーム11を軸芯Sの周りに揺動させることで、現像液供給ノズル20を平面視で図1のR1方向に沿って移動させることができ、現像液供給ノズル20を、スピンチャック1に保持された基板Wの周縁と中心との間で移動させることができるようになっている。
【0015】
また、支持アーム11には、電動モータ13が設けられ、この電動モータ13と支軸12とが図示しないベルト伝動機構などを介して連動連結されていて、電動モータ13の回転駆動によって、支軸12とともに現像液供給ノズル20が鉛直方向の軸芯T周りで回転可能に構成され、スピンチャック1に保持された基板Wに対して現像液供給ノズル20を回転(自転)させることができるようになっている。カップ5の支持アーム11側の側部には、待機中の現像液供給ノズル20を待機させるための待機ポット14も設けられている。
【0016】
カップ5の他方の側部には、純水などのリンス液を供給するリンス液供給ノズル15が、昇降可能で、かつ、支持アーム16の揺動によって図1のR2方向に移動可能に配設されている。
【0017】
本発明における筒状部材に相当する現像液供給ノズル20は、その下端がスピンチャック1に保持された基板Wの上面(フォトレジスト膜が塗布された表面)に近接する開口面21を備えている。現像液供給ノズル20内には基板W上面との間で所定量の現像液Qを一時滞留させるように空間23が設けられている。すなわち、当該空間23に一時滞留した現像液Qの基板Wと接する液面を形成するように、その下端開口面21が構成されいるのである。空間23には現像液供給源から支持アームなどに内接された供給管(いずれも図示せず)及び支軸12内に形成された供給路24を介して現像液Qが供給されるようになっている。すなわち、本実施例では、現像液供給ノズル20の下端開口面が現像液Qの基板Wへの供給口にもなっていて、この下端開口面21から現像液Qが吐出されるようになっている。
【0018】
筒状部材の下端開口面は、例えば、直径5mm〜80mm程度の円形に形成されるが、その形状は円形に限らず、楕円形や正方形、長方形、その他の多角形などで形成してもよい。ただし、下端開口面は後述するように現像液Qが基板W(に塗布されたフォトレジスト膜)に擦り付ける力としてより強い力が得られるように、水平面内で互いに直交する2軸方向の各寸法がそれぞれある程度の大きさを有する周囲に広がりを有する面形状であり、その面積もある程度大きくするように形成している。すなわち、例えば、略線状のような形状の対向面の場合、現像液Qを基板W(に塗布されたフォトレジスト膜)に擦り付けるのに十分な力が得られないので、そのような形状は好ましくない。
【0019】
なお、本実施例では、現像液供給源や支持アーム11等に内設された供給管、支軸内に形成された供給路24、(液溜まり)空間23が、本発明の現像液供給手段を構成する。また、電動モータ4、13、アーム駆動機構10が、本発明における相対変位手段を構成する。
【0020】
次に上記構成を有する実施例装置の動作を説明する。
まず、現像液供給ノズル20が待機ポット14内に待機されているとともに、リンス液供給ノズル15がカップ5の側方に待機され、カップ5が下降されている状態で、図示しない基板搬送機構の基板搬送アームによって搬入されたきた基板Wを、その中心を軸芯Jと一致させて基板保持台2で受け取って保持する。スピンチャック1(基板保持台2)が基板を保持し、基板搬送機構の基板搬送アームが退避されると、カップが上昇されて、スピンチャック1及びそれによって保持された基板Wの周囲にカップ5が配置される。
【0021】
次に、アーム駆動機構10によって、支持アーム11が上昇されて現像液供給ノズル20が待機ポット14から引き上げられ、さらに、図1のR1方向に沿って反時計方向に所定量移動されて、カップ5の内側であって、スピンチャック1に保持された基板Wの周縁の外側の所定の準備位置P0(図1、図2参照)にまで移動されると、支持アーム11を下降させて現像液供給ノズル20を走査高さSHに位置させる。この走査高さSHは、下端開口面21とスピンチャック1に保持された基板Wの表面と近接させ、下端開口面21とスピンチャック1に保持された基板Wの表面との間に現像液Qを介在させた状態で相対変位し得る高さ位置であり、下端開口面21とスピンチャック1に保持された基板Wの表面との間隔Bが、0mm<B≦10mm程度の範囲に収まる高さである。
【0022】
そして、下端開口面21から現像液Qの吐出を開始し、電動モータ4を回転駆動させて基板Wをその中心周りに回転させながら、支持アーム11を軸芯S周りに揺動させて、走査高さSHを維持しながら、現像液供給ノズル20をスピンチャック1に保持された基板Wの周縁と中心との間で所定回数(往復)移動させる。このとき、電動モータ13を回転駆動させて現像液供給ノズル20を軸芯T周りで回転させながら、基板Wの周縁と中心との間を移動させてもよい。
【0023】
以上の動作により、図4に示すように、スピンチャック1に保持された基板Wに対向する現像液供給ノズル20の下端開口面21とスピンチャック1に保持された基板Wとを近接させて、その間に順次供給される現像液Qを介在させた状態で現像液供給ノズル20(端縁下部21)と基板Wとを相対変位させて基板Wに現像液Qを供給して基板Wに現像液Qを液盛りすることができる。
【0024】
このような方法で基板Wに現像液Qを供給することにより、現像液供給ノズル20の下端開口面21と基板W間に介在した現像液Q全体で広い面積にわたって基板W(に塗布されたフォトレジスト膜)に現像液Qを擦り付けるようにして現像液Qを供給することができ、その供給過程で基板W(に塗布されたフォトレジスト膜)に現像液Qを強制的に密着させることができる。従って、疎水性のフォトレジストが塗布された基板Wに対して現像液Qを供給して液盛りする場合でも、フォトレジスト膜上で現像液Qを液盛りすることができる。
【0025】
また、スピンチャック1に保持された基板Wをその中心周りで回転させながら、現像液供給ノズル20をスピンチャック1に保持された基板Wの周縁と中心との間で移動させて、基板Wに現像液Qを供給するので、基板Wよりも小さい現像液供給ノズル20であっても基板Wの全面に隈なく現像液供給ノズル20を近接対向させて現像液Qを供給することができる。
【0026】
さらに、基板Wに対して現像液供給ノズル20を軸芯周りで回転させながら基板Wに現像液Qを供給すれば、現像液供給ノズル20と基板Wとの間に一時貯留した現像液Qが現像液供給ノズル20の回転により、渦流を生じ、その結果、現像液をより強く基板W(詳しくは、基板Wに塗布されたフォトレジスト膜)に擦り付けることができ、基板Wと現像液Qとをより強固に密着させることができ、フォトレジスト膜上で現像液Qが弾かれることをより一層抑制することができる。
【0027】
基板Wの全面への現像液Qの供給を終えると、アーム駆動機構10によって現像液供給ノズル20が、準備位置P0に戻され、下端開口面21からの現像液Qの吐出が停止される。その後、アーム駆動機構10によって、支持アーム11が上昇され、さらに、待機ポット14の上方まで現像液供給ノズル20を待機ポット14内に待機させる。
【0028】
一方、基板Wへの現像液Qを液盛りした後は、電動モータ4の回転駆動を停止して、スピンチャック1による基板Wの回転が停止され、所定の現像時間の間、基板Wは静止される。この間に現像処理が行われる。現像時間が経過すると、電動モータ4を回転駆動して基板Wを高速に回転させ、基板W上の現像液Qが振り切られる。その後、リンス液供給ノズル15を基板Wの上方に移動させてそのノズル15からリンス液を回転中の基板W上に供給して、基板W上に残留する現像液Qを洗い流すリンス処理が行われる。所定時間リンス処理を行うと、リンス液の供給を停止してリンス液供給ノズル15をカップ5の外側に戻す。そして、基板Wに付着しているリンス液を振り切り乾燥した後、スピンチャック1の回転を停止する。その後、カップ5を下降させ、基板搬送機構の基板搬送アームによって基板Wが搬出され、一連の現像処理を終了する。
【0029】
以上のようにこの実施例装置によれば、基板Wの全体に現像液Qを液盛りして、基板Wの全面で現像処理を均一に行うことができる。
【0030】
なお、上記実施例においては現像液供給ノズル20全体が回転する構成で説明したが、それに限らず、少なくともその一部、具体的には現像液供給ノズル20の下端開口面21付近の筒状部材が回転する構成としても同様の効果を奏する。
【0031】
また、本発明は、半導体ウエハのような円形基板に限らず、液晶表示器用のガラス基板にも適用することができる。
さらに、
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明に係る現像液供給方法によれば、基板と接する液面を形成するように、その下端開口面が基板と近接し、基板との間で所定の量の現像液を一時貯留するように構成した筒状部材と、筒状部材と基板と近接させて、その間に現像液を貯留介在させた状態で筒状部材と基板とを相対変位させて基板に現像液を供給して基板に現像液を液盛りするので、筒状部材の下端開口面全体で広い面積にわたって基板に現像液を擦り付けるようにして現像液を供給することができ、その供給過程で、基板に現像液を強制的に密着することができる。従って、疎水性のフォトレジストが塗布された基板に対して現像液を供給して液盛りする場合でも、フォトレジスト膜上で現像液が弾かれることを抑制することができ、基板全面に現像液を液盛りすることができ、基板全面に現像液を液盛りすることができ、基板全面で現像処理を均一に行なうことができる。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、上記請求項1に記載の現像液供給方法を好適に実施する現像装置を実現することができる。
【0034】
請求項3に記載の発明に係る現像装置によれば、請求項2に記載の現像装置において、相対変位手段は、基板保持手段に保持された基板をその中心周りで回転させながら、筒状部材を基板保持手段に保持された基板の周縁と中心との間で移動させるので、基板よりも小さい下端開口面であっても基板全面に隈なく下端開口面を近接させて現像液を供給することができる。
【0035】
請求項4に記載の発明に係る現像装置によれば、請求項2ないし4に記載の現像装置において、相対変位手段は、基板に対して筒状部材を回転させるので、筒状部材の下端開口面と基板との間の現像液をより強く基板に擦り付けることができ、基板と現像液とをより強固に密着させることができ、フォトレジスト膜上で現像液が弾かれることを一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る現像装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】実施例装置の要部の縦断面である。
【図3】実施例装置を備えた現像液供給ノズルの拡大縦断面図である。
【図4】実施例装置による現像液Qの供給状態を示す縦断面図である。
【図5】従来装置および従来方法を示す正面図である。
【符号の説明】
1 スピンチャック
4、13 電動モータ
10 アーム駆動機構
20 現像液供給ノズル
21 下端開口面
23 空間
24 供給路
W 基板
Q 現像液
Claims (4)
- 基板に現像液を液盛りするために基板に現像液を供給する現像液供給方法であって、
基板と接する液面を形成するように、その下端開口面が基板と近接し、基板との間で所定の量の現像液を一時貯留するように構成した筒状部材と、筒状部材と基板と近接させて、その間に現像液を貯留介在させた状態で筒状部材と基板とを相対変位させて基板に現像液を供給することを特徴とする現像液供給方法。 - 基板に現像液を供給して基板に現像液を液盛りし、現像処理を行う現像装置であって、
基板を保持する基板保持手段と、
基板と接する液面を形成するように、その下端開口面が基板と近接し、基板との間で所定の量の現像液を一時貯留するように構成した筒状部材と、
前記筒状部材内に現像液を供給する現像液供給手段と、
前記筒状部材の下端開口面と前記基板保持部材に保持された基板とを近接させて、その間に前記現像液供給手段によって供給される現像液を一時的に貯留させ、基板と液面が接した状態で前記筒状部材を基板を相対変位させる相対変位手段と、
を備えたことを特徴とする現像装置。 - 請求項2に記載の現像装置において、
前記相対変位手段は、前記基板保持手段に保持された基板をその中心周りで回転させながら、前記筒状部材を基板保持手段に保持された基板の周縁と中心との間で移動させることを特徴とする現像装置。 - 請求項2または3に記載の現像装置において、
前記相対変位手段は、基板に対して前記筒状部材を回転させることを特徴とする現像装置。
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