JP3665715B2 - 現像方法及び現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)に使われるガラス基板に対して現像処理を施す現像方法及び現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LCDの製造工程においては、LCD用のガラス基板上にITO(Indium Tin Oxide)の薄膜や電極パターンを形成するために、半導体デバイスの製造に用いられるものと同様のフォトリソグラフィ技術が利用される。フォトリソグラフィ技術では、フォトレジストを基板に塗布し、これを露光し、さらに現像する。
【0003】
一般に、上記の現像工程は、ガラス基板上に現像液を供給するものであるが、従来から現像速度を上げるために、或いは現像不良をなくすために、ガラス基板上にスプレー状に現像液を吹き付けるスプレー現像等が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の現像手法は、本質的な現像メカニズムを解明した上での技術とは言い難く、そのため必ずしも的確な手法とはいえなかった。
【0005】
本発明者は、かかる本質的な現像メカニズムを解明し、より的確な手段を見出した。即ち、本発明の目的は、現像速度を上げることができる新規かつ的確な現像方法及び現像装置を提供することにある。また、本発明の目的は、現像の均一性を高めることができる新規かつ的確な現像方法及び現像装置を提供することにある。
【0009】
本発明の現像方法は、攪拌箆を上昇した状態で被処理体に対して現像液を吐出する第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記攪拌箆を下降して前記被処理体上の現像液に接触するようにして前記被処理体に対して現像液を吐出しつつ前記攪拌箆で攪拌する第2の工程とを具備する。この場合、前記第1の工程で、第1の吐出速度で前記現像液を吐出し、前記第2の工程で、前記第1の吐出速度より速い第2の吐出速度で前記現像液を吐出してもよい。
【0013】
本発明の現像装置は、矩形の基板を保持する保持手段と、前記保持手段により保持された基板に対して現像液を吐出する複数の現像液吐出ノズルと、水平方向に配置され、前記複数の現像液吐出ノズルが取り付けられた保持棒と、前記保持棒を走行させる手段と、前記保持棒の走行方向で前記複数の現像液吐出ノズルに隣接するように、前記保持棒に取り付けられ、前記基板に対して気体を吹き付ける複数のエアー噴出ノズルと、前記複数の現像液吐出ノズルと前記複数のエアー噴出ノズルとを静止した基板上を走行させ、前記複数の現像液吐出ノズルにより現像液を吐出させた後、前記複数の現像液吐出ノズルにより現像液を吐出させつつ前記複数のエアー噴出ノズルにより気体を吹き付けさせる制御手段とを具備する。
【0014】
本発明の現像装置は、被処理体を保持する保持手段と、前記保持手段により保持された被処理体に対して現像液を吐出する吐出手段と、前記吐出手段に隣接して昇降自在に設けられ、前記被処理体に吐出された現像液を攪拌する攪拌箆と、前記攪拌箆を上昇した状態で前記吐出手段により現像液を吐出させた後、前記攪拌箆を下降して前記被処理体上の現像液に接触するようにし、前記吐出手段により現像液を吐出させつつ前記攪拌箆により現像液を攪拌させる制御手段とを具備する。この場合、前記制御手段は、前記攪拌箆を上昇させたときに前記吐出手段により第1の吐出速度で前記現像液を吐出し、前記攪拌箆を下降させたときに前記吐出手段により前記第1の吐出速度より速い第2の吐出速度で前記現像液を吐出するように制御するようにしてもよい。
【0015】
即ち、図10は現像メカニズムを説明するための図であって、ガラス基板G上の膜105表面に露光後のポジタイプのレジスト100が形成されている状態を示している。レジスト100のうち符号101はアルカリ(現像液)との反応であるアゾカップリングによるタフスキン層(難溶化層)102を有する未露光部を示しており、符号103は本来溶解すべき部分である露光部を示している。
【0016】
この上から現像液を供給すると、露光部103が未露光部分101と比べて大きく(速く)現像液と反応し、露光部103のみが溶解速度が速くなるのであるが、現像液を供給した初期、即ち反応初期状態において露光部103の表面にもアルカリとの反応によるアゾカップリングで薄いタフスキン層104が形成される。
そして、このような露光部103表面の薄いタフスキン層104があるために、現像速度が遅くなったり、未露光部内部の溶解が進んで現像の均一性に乱れを生じる。
【0017】
本発明は、かかる見識に基づくもので、ある程度現像を進行させた後に、積極的に上記の露光部103表面の薄いタフスキン層104を取り除きつつ現像を行うようにしたものである。加えて、こうしたタフスキン層の除去ばかりでなく、溶解部で現像液が反応することによる局所的な濃度の変化を無くし、均一にするものである。
【0018】
即ち、被処理体に対して第1の吐出速度より速い第2の吐出速度で現像液を吐出したり、被処理体に対して第1の吐出角度より被処理体に対する角度が小さい第2の吐出角度で現像液を吐出したり、被処理体に対して現像液を吐出しつつ気体を吹き付けたり、被処理体に対して現像液を吐出しつつ攪拌箆で攪拌したり、或いはこれらを組み合わせることで、上記の未露光部103表面の薄いタフスキン層104を取り除きつつ現像を行うようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る塗布・現像処理システムの斜視図である。
図1に示すように、この塗布・現像処理システム1の前方には、ガラス基板Gを、塗布・現像処理システム1に対して搬出入するローダ・アンローダ部2が設けられている。このローダ・アンローダ部2には、ガラス基板Gを例えば25枚ずつ収納したカセットCを所定位置に整列させて載置させるカセット載置台3と、各カセットCから処理すべきガラス基板Gを取り出し、また塗布・現像処理システム1において処理の終了したガラス基板Gを各カセットCへ戻すローダ・アンローダ4が設けられている。図示のローダ・アンローダ4は、本体5の走行によってカセットCの配列方向に移動し、本体5に搭載された板片状のピンセット6によって各カセットCからガラス基板Gを取り出し、また各カセットCへガラス基板Gを戻すようになっている。また、ピンセット6の両側には、ガラス基板Gの四隅を保持して位置合わせを行う基板位置合わせ部材7が設けられている。
【0020】
塗布・現像処理システム1の中央部には、長手方向に配置された廊下状の搬送路10、11が第1の受け渡し部12を介して一直線上に設けられており、この搬送路10、11の両側には、ガラス基板Gに対する各処理を行うための各種処理装置が配置されている。
【0021】
図示の塗布・現像処理システム1にあっては、搬送路10の一側方に、ガラス基板Gをブラシ洗浄すると共に高圧ジェット水により洗浄を施すための洗浄装置16が例えば2台並設されている。また、搬送路10を挟んで反対側に、二基の現像装置17が並設され、その隣りに二基の加熱装置18が積み重ねて設けられている。
【0022】
また、搬送路11の一側方に、ガラス基板Gにレジスト液を塗布する前にガラス基板Gを疎水処理するアドヒージョン装置20が設けられ、このアドヒージョン装置20の下方には冷却用のクーリング装置21が配置されている。また、これらアドヒージョン装置20とクーリング装置21の隣には加熱装置22が二列に二個ずつ積み重ねて配置されている。また、搬送路11を挟んで反対側に、ガラス基板Gの表面にレジスト液を塗布することによってガラス基板Gの表面にレジスト膜を形成するレジスト塗布装置23が配置されている。図示はしないが、これら塗布装置23の側部には、第2の受け渡し部28を介し、ガラス基板G上に形成されたレジスト膜に所定の微細パターンを露光するための露光装置等が設けられる。第2の受け渡し部28は、ガラス基板Gを搬入および搬出するための搬出入ピンセット29および受け渡し台30を備えている。
【0023】
以上の各処理装置15〜18および20〜23は、何れも搬送路10、11の両側において、ガラス基板Gの出入口を内側に向けて配設されている。第1の搬送装置25がローダ・アンローダ部2、各処理装置15〜18および第1の受け渡し部12との間でガラス基板Gを搬送するために搬送路10上を移動し、第2の搬送装置26が第1の受け渡し部12、第2の受け渡し部28および各処理装置20〜23との間でガラス基板Gを搬送するために搬送路11上を移動するようになっている。
【0024】
各搬送装置25、26は、それぞれ上下一対のアーム27、27を有しており、各処理装置15〜18および20〜23にアクセスするときは、一方のアーム27で各処理装置のチャンバから処理済みのガラス基板Gを搬出し、他方のアーム27で処理前のガラス基板Gをチャンバ内に搬入するように構成されている。
【0025】
図2は上記現像装置17の正面図、図3はその平面図、図4はその側面図である。
現像装置17の中心部には、駆動モータ31によって回転可能でかつ上下動可能に構成されたスピンチャック32が設けられている。このスピンチャック32の上面は、真空吸着等によってガラス基板Gを水平状態に吸着保持するように構成されている。
【0026】
このスピンチャック32の下方には下容器33が配置されている。また、スピンチャック32の外周を囲うように外カップ34が配置され、下容器33と外カップ34の間には内カップ35が配置されている。
【0027】
外カップ34と内カップ35とは連結部材36により連結され、これら外カップ34及び内カップ35は制御部37の指令に基づき昇降シリンダ38により昇降されるようになっている。外カップ34及び内カップ35の上部はそれぞれ上に行くに従って狭くなるように内側に傾斜して設けられており、外カップ34の上端開口部の直径は内カップ35のそれよりも大きく、かつ、これらの上端開口部の直径はガラス基板Gを水平状態にしたままでカップ内に下降させて収容できる大きさに形成されている。
【0028】
下容器33は、中心部から外に向かって下方向に傾斜する傾斜部39と、その外周に配置された受け皿部40とを備える。受け皿部40の底面には筒状の起立壁42が設けられており、起立壁42は外カップ34と内カップ35との間に介在される。また、内カップ35の傾斜部は起立壁42を超えて起立壁42の外周に延在している。これにより、内カップ35の傾斜部を流れる流体は受け皿部40の起立壁42で仕切られた外側室43に流れ込むようになっている。
【0029】
下容器33の傾斜部39の裏面側には、カップ内を排気するための排気口44が設けられており、排気口44には排気ポンプ((図示を省略))が接続されている。受け皿部40の起立壁42で仕切られた内側室45の下部には排液口46が形成されており、外側室43の下部にドレイン口47が形成されている。そして、排液口46に回収管48を介して使用済み現像液を再生処理する再生処理機構49が接続されている。再生処理機構49は、気液分離する気液分離機構50と使用済み現像液中の不純物を除去する不純物除去機構51とで構成され、現像液収容タンク52に接続されている。ドレイン口47は図示しない回収タンクに接続されている。
【0030】
カップの上部一側方にはガラス基板G表面に対し現像液を吐出するための現像液吐出機構53が配置され、他側方にはガラス基板G表面に対して洗浄液を噴出するための洗浄機構54及びガラス基板G表面に対しリンス液を供給するためのリンス液供給機構55が配置されている。また、カップの上部の手前及び背後には搬送用レール56、57が設けられている。現像液吐出機構53及び洗浄機構54にはそれぞれ搬送用モータ58、59が取り付けられており、制御部37による制御の基で搬送モータ58、59の駆動により現像液吐出機構53及び洗浄機構54が搬送用レール56、57に沿ってカップ内上部に搬送されるようになっている。
【0031】
現像液吐出機構53には、制御部37の制御の基、ポンプ62を介して現像液収容タンク52より現像液が供給される。また、洗浄機構54には、制御部37の制御の基、ポンプ64を介して洗浄液タンク65より洗浄液が供給される。同様に、リンス液供給機構55にも、制御部37の制御の基、ポンプ66を介してリンス液タンク67よりリンス液が供給される。
【0032】
図2及び図4に示すように、現像液吐出機構53では、水平方向に配置された保持棒68に複数の現像液吐出ノズル71が取り付けら、これら現像液吐出ノズル71の走行方向に隣接するように複数のエアー噴出ノズル72が取り付けられている。
【0033】
エアー噴出ノズル72は、スピンチャック32により保持されたガラス基板Gの表面に向けて、不活性ガス、例えば窒素ガスを噴出する。
【0034】
次に動作について説明する。
図5は現像装置17における処理フローを示している。
現像装置17内に搬入され、スピンチャック32によって保持されたガラス基板Gは下降され、外カップ34及び内カップ35は最も高い位置まで上昇され、現像液吐出機構53はガラス基板Gのほぼ中央まで搬送されて静止する。そして、スピンチャック32により保持されたガラス基板Gが回転され、図6(a)に示すように現像液吐出機構53の現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して第1の吐出速度で現像液が吐出される(ステップ501)。なお、このときエアー噴出ノズル72からの窒素ガスの噴出は停止されている。また、ガラス基板Gの外周より飛び散る現像液は内カップ35の内側に当り排液口46より回収され、再利用される。
【0035】
所定時間経過後、図6(b)に示すように、現像液吐出機構53の現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して第1の吐出速度よりも速い第2の吐出速度で現像液が吐出され、更にエアー噴出ノズル72からの窒素ガスの噴出が開始される(ステップ502)。
【0036】
次に、スピンチャック32によって保持されたガラス基板Gは下降され、外カップ34及び内カップ35は最も低い位置まで下降される。そして、スピンチャック32により保持されたガラス基板Gが静止状態とされ、洗浄機構54がガラス基板Gの長手方向に走査され、かつ、洗浄機構54よりガラス基板Gに対して洗浄液が吐出される(ステップ503)。なお、ガラス基板Gの外周より飛び散る洗浄液は内カップ35と外カップ34との間を通ってドレイン口47より廃棄される。
【0037】
次に、リンス液供給機構55がガラス基板Gのほぼセンタに搬送される。そして、スピンチャック32により保持されたガラス基板Gが回転され、リンス液供給機構55よりガラス基板Gに対してリンス液が供給される(ステップ504)。なお、ガラス基板Gの外周より飛び散るリンス液は内カップ35と外カップ34との間を通ってドレイン口47より廃棄される。
【0038】
最後に、リンス液供給機構55がカップ外へ搬送され、スピンチャック32によって保持されたガラス基板Gが高速回転されて振り切り乾燥が行われる(ステップ505)。
【0039】
以上のように、この実施の形態によれば、現像処理工程において、まず最初に現像液吐出ノズル71よりガラス基板Gに対して第1の吐出速度で現像液を吐出した後、現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して第1の吐出速度よりも速い第2の吐出速度で現像液を吐出しつつ、エアー噴出ノズル72から窒素ガスを噴出しているので、図10に示した露光部103表面の薄いタフスキン層104を取り除きつつ現像を行うことができる。よって、現像速度を上げることができ、また現像の均一性を高めることができる。
【0040】
なお、上述した現像処理において、ガラス基板Gを回転させながら現像液を吐出していたが、ガラス基板Gを静止状態とし、現像液吐出機構68を、静止したガラス基板上を走行するようにしてもい。
【0041】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図7はこの第2の実施の形態に係る説明図である。
図7に示すように、この第2の実施の形態では、現像液吐出ノズル71を回動可能として点が第1の実施の形態と異なる。また、ここでは、現像処理において、ガラス基板Gを静止状態とし、現像液吐出機構68を、静止したガラス基板上を走行するようにしている。
【0042】
そして、現像処理工程において、図7(a)に示すように、まず現像液吐出ノズル71をこれから吐出される現像液とガラス基板Gとがなす角度がほぼ90°となる状態にし、この現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して現像液を吐出する。
【0043】
次に、図7(b)に示すように、現像液吐出ノズル71から吐出される現像液とガラス基板G(ガラス基板Gの進行方向)とがなす角度が例えば45°となるように現像液吐出ノズル71を回動し、現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して現像液を吐出する。
【0044】
以上のように、この実施の形態によれば、現像処理工程において、まず最初に現像液吐出ノズル71よりガラス基板Gに対して第1の角度で現像液を吐出した後、現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して第1の角度よりも小さい第2の角度で現像液を吐出しているので、図10に示した露光部103表面の薄いタフスキン層104を取り除きつつ現像を行うことができる。よって、現像速度を上げることができ、また現像の均一性を高めることができる。
【0045】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図8はこの第3の実施の形態に係る説明図である。
図8に示すように、この第3の実施の形態では、現像液吐出ノズル71に隣接してガラス基板G上の現像液を攪拌するための攪拌箆73を昇降可能に取り付けている。攪拌箆73が下降したとには、その先端がガラス基板G自体には接触しないがその上の現像液には接触するようになっている。
【0046】
そして、現像処理工程において、図8(a)に示すように、まず攪拌箆73を上昇した状態にし、この現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して現像液を吐出する。
【0047】
次に、図8(b)に示すように、攪拌箆73を下降してガラス基板G上の現像液には接触するようにし、現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して現像液を吐出する。
【0048】
以上のように、この実施の形態によれば、現像処理工程において、まず最初に現像液吐出ノズル71よりガラス基板Gに対して現像液を吐出した後、現像液吐出ノズル71よりこのガラス基板Gに対して現像液を吐出しつつ攪拌箆73によりこの現像液を攪拌するようにしているので、図10に示した露光部103表面の薄いタフスキン層104を取り除きつつ現像を行うことができる。よって、現像速度を上げることができ、また現像の均一性を高めることができる。
【0049】
なお、本発明は上述した実施の形態には限定されない。
例えば、基板としてはLCD用のガラス基板Gばかりでなく、半導体ウェハ等の基板についても本発明を当然適用できる。
また、現像液吐出ノズルについては、図9に示すようにE2タイプ(スリット状に吐出孔も持つ。)のノズル91を用いても当然かまわない。
【0050】
次に、第4の実施の形態について説明する。
図11はこの第4の実施の形態に係る説明図である。
図11に示すように、この第4の実施の形態では、液吐出機構53により現像液吐出ノズル71からガラス基板G上に現像液を供給する手順を示す。この手順としては、まず第1の工程として、図11の(a)に示す位置から液吐出機構53が矢印X方向に移動し、図11の(b)に示す位置に液吐出機構53が移動する。この際、液吐出機構53の全ての現像液吐出ノズル71からは、現像液が吐出し、第1の現像液供給領域、例えば全面に亘って現像液が供給される。
【0051】
この後、第2の工程として、図11の(c)に示す位置から液吐出機構53が矢印X方向に移動し、図11の(d)に示す位置に液吐出機構53が移動する。この際、液吐出機構53の現像液吐出ノズル71の内の一部、例えば稼動する現像液吐出ノズル71群としての稼動現像液吐出ノズル領域199から、現像液が吐出し、非稼動現像液吐出ノズル領域198からは、現像液を吐出しない。このような選択される現像液吐出ノズル領域と液吐出のタイミングとにより、前述の第1の現像液供給領域よりも狭い領域、例えばガラス基板Gの中央部にのみ現像液を供給する。
【0052】
このように、部分的な複数回、例えば2度塗りを行うと、部分的に2度塗りを行った現像液は表面張力等によりガラス基板Gの周縁部方向Aに攪拌して行くことになる。したがって、図10に示した露光部103表面の薄いタフスキン層104を取り除きつつ現像を行うことができる。よって、現像速度を上げることができ、また現像の均一性を高めることができる。
【0053】
また、攪拌をより促進する手段の一つとして、図12に示すように、スピンチャック32に圧電素子202を内蔵させ、この圧電素子202にはその電力を供給する電力機構としての直流電源203が接続されている。
この電力機構203を制御する例として、図13に示すように、電力をONにするタイミングとしては、前述の第1の工程の開始から第2の工程が終了し、その後現像のプロセスが終了するまでの所定のタイミングでONするものである。
【0054】
この動作のタイミングとしては、第1の工程の後及び/または第2の工程の後に、おこなっても良いし、第1の工程の途中及び/または第2の工程中の所定時間に、また第1の工程の前及び/または第2の工程の前にもおこなっても良く、被処理体の処理プロセスの条件によって対応する事が可能であり、攪拌をより促進することができる。
【0055】
次に、攪拌の他の実施の形態について説明をおこなう。
この攪拌は、図14に示すように、スピンチャック32の内部に、第1の電極206を絶縁状態で内蔵し、ガラス基板Gの上方位置には第2の電極207が配置されており、これらの電極には電力を供給する電力機構としての交流電源208が接続されている。
この交流電源208の稼動のタイミングは前述と同様ガラス基板Gの処理プロセスに応じて設定されるものである。このような電界による攪拌でも同様の効果を生じることができる。また、電界に限らず、磁界による攪拌でも良いことは言うまでもない。
【0056】
さらに、攪拌の他の実施の形態について説明をおこなう。
この攪拌は、図15に示すように、第2の工程の後、スピンチャック32を矢印の角方向θに移動させるものである。この移動は、反復の移動でも良く、一方向のみの移動でもよい。このような攪拌でも同様の効果を生じることができる。また、各方向に移動したが、線運動としての矢印の方向Yに移動させる攪拌でも良いことは言うまでもない。
【0057】
さらに、攪拌の他の実施の形態について説明をおこなう。
この攪拌は、図16に示すように、第2の工程の後、ガラス基板Gの下方位置から基板に対して近接する、振動子、例えば超音波振動子を備えた振動板210をガラス基板Gの一部の領域、例えば周縁部に作用させるものである。これにより、例えば第2の工程でのガラス基板Gの中央部から周縁部に拡散する現像液の攪拌を促進したり、現像が進行しにくい部分を補うのにより効果的である。したがって、ガラス基板Gの全面に亘ってより均一な処理を行うことが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の主たる発明によれば、ある程度現像を進行させた後に、第1の吐出速度より速い第2の吐出速度で現像液を吐出したり、被処理体に対して第1の吐出角度より被処理体に対する角度が小さい第2の吐出角度で現像液を吐出したり、被処理体に対して現像液を吐出しつつ気体を吹き付けたり、被処理体に対して現像液を吐出しつつ攪拌箆で攪拌したり、或いはこれらを組み合わせることで、積極的に露光部表面の薄いタフスキン層を取り除きつつ現像を行うようにしたので、現像速度を上げることができ、また現像の均一性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る塗布・現像処理システムの斜視図である。
【図2】 図1に示した現像装置の正面図である。
【図3】 図1に示した現像装置の平面図である。
【図4】 図1に示した現像装置の側面図である。
【図5】 第1の実施形態に係る処理フローである。
【図6】 第1の実施形態に係る動作説明図である。
【図7】 第2の実施形態に係る動作説明図である。
【図8】 第3の実施形態に係る動作説明図である。
【図9】 本発明の変形例に係る斜視図である。
【図10】 本発明の原理を説明するための図である。
【図11】 第4の実施形態に係る動作説明図である。
【図12】 攪拌の他の実施形態に係る説明図である。
【図13】 図12の攪拌に係る動作説明図である。
【図14】 攪拌の他の実施形態に係る説明図である。
【図15】 攪拌の他の実施形態に係る説明図である。
【図16】 攪拌の他の実施形態に係る説明図である。
【符号の説明】
17 現像装置
71 現像液吐出ノズル
72 エアー噴出ノズル
73 攪拌箆
G ガラス基板G
Claims (6)
- 攪拌箆を上昇した状態で被処理体に対して現像液を吐出する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記攪拌箆を下降して前記被処理体上の現像液に接触するようにして前記被処理体に対して現像液を吐出しつつ前記攪拌箆で攪拌する第2の工程と
を具備することを特徴とする現像方法。 - 請求項1に記載の現像方法であって、
前記第1の工程で、第1の吐出速度で前記現像液を吐出し、
前記第2の工程で、前記第1の吐出速度より速い第2の吐出速度で前記現像液を吐出することを特徴とする現像方法。 - 矩形の基板を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された基板に対して現像液を吐出する複数の現像液吐出ノズルと、
水平方向に配置され、前記複数の現像液吐出ノズルが取り付けられた保持棒と、
前記保持棒を走行させる手段と、
前記保持棒の走行方向で前記複数の現像液吐出ノズルに隣接するように、前記保持棒に取り付けられ、前記基板に対して気体を吹き付ける複数のエアー噴出ノズルと、
前記複数の現像液吐出ノズルと前記複数のエアー噴出ノズルとを静止した基板上を走行させ、前記複数の現像液吐出ノズルにより現像液を吐出させた後、前記複数の現像液吐出ノズルにより現像液を吐出させつつ前記複数のエアー噴出ノズルにより気体を吹き付けさせる制御手段と
を具備することを特徴とする現像装置。 - 被処理体を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された被処理体に対して現像液を吐出する吐出手段と、
前記吐出手段に隣接して昇降自在に設けられ、前記被処理体に吐出された現像液を攪拌する攪拌箆と、
前記攪拌箆を上昇した状態で前記吐出手段により現像液を吐出させた後、前記攪拌箆を下降して前記被処理体上の現像液に接触するようにし、前記吐出手段により現像液を吐出させつつ前記攪拌箆により現像液を攪拌させる制御手段と
を具備することを特徴とする現像装置。 - 請求項4に記載の現像装置であって、
前記制御手段は、前記攪拌箆を上昇させたときに前記吐出手段により第1の吐出速度で前記現像液を吐出し、前記攪拌箆を下降させたときに前記吐出手段により前記第1の吐出速度より速い第2の吐出速度で前記現像液を吐出するように制御することを特徴とする現像装置。 - 被処理体の全面にわたって現像液を吐出する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記被処理体の中央部のみに現像液を吐出する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記被処理体の周縁部のみに対応する振動子を作用させて被処理体上の現像液を攪拌させる工程と
を具備することを特徴とする現像方法。
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