JPH0855484A - 不揮発性強誘電体メモリ - Google Patents

不揮発性強誘電体メモリ

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JPH0855484A
JPH0855484A JP19044894A JP19044894A JPH0855484A JP H0855484 A JPH0855484 A JP H0855484A JP 19044894 A JP19044894 A JP 19044894A JP 19044894 A JP19044894 A JP 19044894A JP H0855484 A JPH0855484 A JP H0855484A
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transistor
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木村  亨
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速動作及び低消費電力を保つと共に、ワード
線の電位制御を単純化し、かつスタンバイ時の自発分極
の反転誤動作を確実に防止する。 【構成】2値情報の論理レベルの高レベル及び低レベル
の中間レベルの電位Vpをプレート線PLに定常的に供
給するプレート線電位供給回路2を設ける。プレート線
の電位Vpとの差がメモリセルMCの容量素子Cの強誘
電体膜の抗電圧より小さく、かつ単一電源の低電源電位
との差がメモリセルのトランジスタTのソース,ドレイ
ンと基板との間のpn接合によるダイオードのターンオ
ン電圧より小さい範囲の電位VsをトランジスタTの基
板に供給する基板電位供給回路3を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不揮発性強誘電体メモリ
に関し、特に1トランジスタ1キャパシタ型のメモリセ
ルを複数個配列した構成の不揮発性強誘電体メモリに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の不揮発性強誘電体メモリについて
説明する前に、この不揮発性誘電体メモリに使用される
メモリセルの構成及び動作原理について、図3(a),
(b)に示された回路図及び断面模式図を参照して説明
する。
【0003】このメモリセルMCは、強誘電体膜FEを
相対向する2つの電極で狭んで形成され一方の電極をプ
レート線PLに接続する容量素子Cと、ゲートGをワー
ド線WLに、ソースS及びドレインDのうちの一方をビ
ット線BLに他方を容量素子Cの他方の電極にそれぞれ
接続するトランジスタTとを備えた構成となっている。
【0004】強誘電体膜は自発分極を起こし、また外部
から電界を印加したときの分極量が図4(a)に示すよ
うなヒステリシス特性を持つ。このヒステリシス特性に
起因して、外部電界が無くなったときに図4(a)のA
点及びC点に示す双安定点が存在する。従って、この強
誘電体を絶縁膜として用いた容量素子Cは2値情報を保
持することができ、かつ、電源を切断した後もその情報
を保持し続けることができる(不揮発性)。
【0005】A点に保持された情報を、C点で保持する
情報に書換えるためには、ワード線WLを高レベルにし
てトランジスタTをオンにし、ビット線BL及びプレー
ト線PLによりこの容量素子Cの強誘電体膜FEに抗電
界Ec以上の正方向の電界を印加し、またこの逆の場合
には強誘電体膜FEに負方向の抗電界−Ec以上の電界
を印加する。
【0006】また、この容量素子Cに保持されている情
報を読出すには、同様に、トランジスタTをオンにして
ビット線BL及びプレート線PLにより、この強誘電体
膜FEに正方向の電界Emaxを印加する。A点に保持
された情報からは、(Pmax+Pr)と対応する電荷
を外部に取出すことができ、また、C点に保持された情
報からは、(Pmax−Pr)と対応する電荷を取出す
ことができる。そして、この電荷量の差を検知すること
により、容量素子Cに保持されていた情報を読出すこと
ができる。しかし、この読出しは、A点の情報に対して
破壊読出しとなるので、A点の情報であることを検知し
たときには、強誘電体膜FEに負方向の電界−Emax
を印加して情報の再書込みを行い、読出し動作を終了す
る。
【0007】なお、図4(b)に示すように、強誘電体
膜FEの膜厚をdとし、電極CP1,CP2間の印加電
圧をVとしたとき、印加電圧Vと電界Eとの間にはV=
E・dなる関係があり従って、抗電界Ecと抗電圧Vc
との間の関係はVc=Ec・dとなる。また、このよう
なメモリセルMCを配置した不揮発性メモリを単一電源
で駆動する場合、通常、2値情報の低レベルをD点(−
Emax)と対応させて低電源電位レベルとし、高レベ
ルをB点(Emax)と対応させて高電源電位レベルと
する。
【0008】このようなメモリセルMCを複数個配置し
た従来の単一電源駆動型の不揮発性強誘電体メモリの第
1の例を図5に示す。
【0009】この不揮発性強誘電体メモリは、強誘電体
膜を相対向する2つの電極で狭んで形成された容量素子
C、及びソース,ドレインのうちの一方を容量素子Cの
一方の電極と接続するトランジスタTを備え行方向,列
方向に配置された複数のメモリセルMC、これら複数の
メモリセルMCの各行それぞれと対応して設けられ対応
する行の各メモリセルMCのトランジスタTのゲートと
接続して選択レベルのときこれらメモリセルMCを選択
状態とする複数のワード線(WL1,WL2,…)、複
数のメモリセルMCの各列それぞれと対応して設けられ
対応する列の奇数番目及び偶数番目それぞれのメモリセ
ルのトランジスタのソース,ドレインのうちの他方と接
続する複数の第1及び第2のビット線BL11,BL2
1〜BL1n,BL2n、並びに複数のメモリセルMC
の2行に1本の割合で設けられ各2行のメモリセルの容
量素子の他方の電極と接続する複数のプレート線(PL
1,…)を含むメモリセルアレイ1xと、複数のワード
線(WL1,WL2,…)それぞれと対応して設けられ
てゲートと対応するワード線に、ソース,ドレインのう
ちの一方を対応するプレート線にそれぞれ接続し、ソー
ス,ドレインのうちの他方にプレート線用電圧Vplを
受ける複数のトランジスタ(T41,T42,…)を備
え選択レベルのワード線と対応するプレート線にプレー
ト線用電位Vplを供給するプレート線電位供給回路4
とを有する構成となっている。
【0010】次に、この不揮発性強誘電体メモリの読出
し動作について、図6に示された波形図を参照して説明
する。
【0011】ワード線(例えばWL1)が選択レベルに
立上る前のスタンバイ状態において、ビット線BL1
1,BL21〜BL1n,BL2n及びプレート線(P
L1,…)は接地電位レベルとなっている。ワード線W
L1が選択レベルになると、このワード線WL1と接続
するメモリセルMCは選択状態となり、またトランジス
タT41が導通状態となってプレート線PL1にプレー
ト線用電圧Vplが供給される。この結果、これらメモ
リセルMCの記憶情報が第1のビット線BL11〜BL
1nに読出される。これら第1のビット線BL11〜B
L1nそれぞれと対をなす第2のビット線BL21〜B
L2nは、ワード線WL2が非選択レベルでありこのワ
ード線WL2と対応するメモリセルは非選択レベルであ
るため、そのレベルは殆んど変化しない。これらの対を
なす第1及び第2のビット線BL11,BL12〜BL
1n,BL2n間の差電位を増幅することにより、選択
状態のメモリセルの記憶情報を外部へ読出すとができる
(例えば、T.Sumi等による文献、1994年アイ
・イー・イー・イー、インターナショナル・ソリッド・
ステート・サーキット・カンファレンス、ダイジェスト
・オブ・テクニカル・ペーパーズ(1994 IEEE
International Solid−Stat
e Circuits Conference,DIG
EST OFTECHNICAL PAPERS)26
8〜269ページ参照)。この例では、メモリ容量を2
56Kbとし、電源電圧3.0V、消費電流3mAで、
200nsというアクセスサイクル時間が得られてい
る。
【0012】不揮発性強誘電体メモリにおいては、メモ
リセルMCの容量素子Cの強誘電体膜に正負の誘発分極
を与えて情報を記憶し、その誘発分極の状態を検知して
記憶情報を読出すため、前述の例のようにプレート線
(PL1,…)に所定の電位を供給する必要があり、し
かもその容量素子Cの容量値は通常のDRAMに比べて
大きくなるため、このプレート線駆動のための時間が長
くなり高速動作が困難となる(例えば、通常のDRAM
の場合、メモリ容量64Mbで90nsのアクセスサイ
クル時間が達成できる)。また、プレート線の充放電が
行なわれるため、消費電力も増大する。
【0013】これに対し、プレート線の電位を固定する
ようにした例(第2の例)の回路図を図7に示す(例え
ば、特開平2−110895号公報参照)。
【0014】この不揮発性強誘電体メモリは、複数のプ
レート線(PL1,…)を共通接続してPLとした以外
は第1の例と同一構成のメモリセルアレイ1yと(ただ
し、メモリセルMCは2個、ビット線はBL11,BL
21の1対のみ表示)、対をなすビット線(例:BL
1,BL2)間の差電位それぞれを制御信号SEP,S
ENに従って所定のタイミングで増幅する複数のセンス
増幅器(SA1,…)と、ビット線プリチャージ信号に
従ってビット線(BL1,BL2,…)を中間電位レベ
ルにプリチャージするプリチャージ回路6と、ビット線
の論理的な“1”レベル及び“0”レベルの中間の中間
電位を発生しプレート線PL及びプリチャージ回路6へ
供給する中間電位発生回路5と、ワード線(例えばWL
1)が選択レベルとなる直前にビット線電位設定信号B
LSTに従ってビット線(BL11,BL21,…)を
接地電位レベルに設定し、ワード線(WL1)が選択レ
ベルになるとこれと同期して選択レベルとなるダミーワ
ード線(DWL1)により選択状態のメモリセルMCの
記憶情報が読出されるビット線(BL11)と対をなす
ビット線(BL21)に基準レベルを供給する基準レベ
ル発生回路7とを有する構成となっている。
【0015】次にこの不揮発性強誘電体メモリの読出し
動作について図8に示された波形図を併せて参照し説明
する。
【0016】メモリセルMCのアクセスが開始されるま
でのスタンバイ状態においては、対をなすビット線(B
L11,BL21,…、以下BL11,BL21につい
てのみ記載する)はプレート線PLとほぼ同一の中間電
位にプリチャージされている。
【0017】アクセスが開始されてワード線WL1が選
択レベルとなる直前には、ビット線電位設定信号BLS
Tがアクティブとなり、ビット線BL11,BL21は
接地電位レベル(電源電位レベルでもよい)に設定され
る。この後、ワード線WL1及びダミーワード線DWL
1が選択レベルとなり、ビット線BL11には選択状態
のメモリセルMCの記憶情報が読出され、ビット線BL
21には基準レベル発生回路7から基準レベルが供給さ
れる。この後は、通常のDRAMと同様に、ビット線B
L11,BL21間の差電位がセンス増幅器SA1によ
り増幅され外部へ出力される。
【0018】ここで、スタンバイ状態において、メモリ
セルMCのトランジスタTがオフ状態となっていてこの
トランジスタTと容量素子Cとの接続点のセルノードN
mcがフローティング状態になっていると、このセルノ
ードNmcと基板(Sub)等との間には、たとえわず
かとは言えリークが存在するため、通常、接地レベル又
は電源電位レベルの基板とのリークは、最終的にはセル
ノードNmcを接地電位レベル,電源電位レベルとし、
メモリセルMCの自発分極を反転させる結果となる。そ
こでこの例では、ワード線(WL1等)を選択レベルと
非選択レベルとの間の所定のレベルとしてトランジスタ
Tをわずかにオンさせ、セルノードNmcの電荷が基板
等にリークするのをビット線から補うようにしてセルノ
ードNmcをプレート線PLと同程度の中間電位とし、
自発分極の反転を防止している。
【0019】なお、この例では、基準レベル発生回路7
により対をなすビット線の基準レベルを設定している
が、第1の例のような方法もある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の不揮発
性強誘電体メモリは、第1の例では、アクセスごとにプ
レート線を所定の電位に駆動する構成となっているの
で、プレート線駆動のための時間が長く、高速動作が困
難な上、プレート線の充放電により消費電力が増大する
という問題点があり、また、第2の例では、プレート線
には常時所定の電位が供給されているため、第1の例の
ような問題点はないものの、セルノードからの基板等へ
のリークによりメモリセルの容量素子の強誘電体膜の自
発分極が反転してしまうのを防止するため、スタンバイ
状態の間、ワード線を選択レベルと非選択レベルとの間
の所定のレベルとしてメモリセルのトランジスタをわず
かにオンさせ、セルノードのリークをビット線から補っ
てプレート線と同程度の電位に保持する構成となってい
るので、ワード線電位制御が複雑になるほか、製造ばら
つき等によってメモリセルのトランジスタがオンしない
こともあり、この場合、セルノードのリークを補うこと
ができず、自発分極を反転してしまうという問題点があ
る。
【0021】本発明の目的は、高速動作及び低消費電力
を保ちつつワード線の電位制御を単純化し、かつ確実に
スタンバイ時の自発分極の反転誤動作を防止することが
できる不揮発性強誘電体メモリを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の不揮発性強誘電
体メモリは、強誘電体膜を相対向する2つの電極で狭ん
で形成され前記強誘電体膜の分極状態により2値情報を
記憶,保持する容量素子とソース,ドレインのうちの一
方を前記容量素子の一方の電極と接続するトランジスタ
とを備え行方向,列方向に配置された複数のメモリセ
ル、これら複数のメモリセルの各行それぞれと対応して
設けられ対応する行の各メモリセルのトランジスタのゲ
ートと接続して選択レベルのときこれらメモリセルを選
択状態とする複数のワード線、前記複数のメモリセルの
各列それぞれと対応して設けられ対応する列の各メモリ
セルのトランジスタのソース,ドレインのうちの他方と
接続する複数のビット線、及び前記複数のメモリセルの
容量素子それぞれの他方の電極と接続するプレート線を
含むメモリセルアレイと、前記2値情報の論理レベルの
高レベル及び低レベルの中間レベルの電位を前記プレー
ト線に定常的に供給するプレート線電位供給回路と、前
記プレート線の電位との差が前記メモリセルの容量素子
の強誘電体膜の抗電圧より小さい範囲の電位を前記メモ
リセルのトランジスタのソース,ドレインが形成されて
いる基板に供給する基板電位供給回路とを有している。
【0023】また、メモリセルアレイ,プレート線電位
供給回路、及び基板電位供給回路を含む各部が単一電源
で駆動され、前記基板電位供給回路からの基板への供給
電位を、前記単一電源の第1及び第2の電源電位の何れ
か一方との差が、メモリセルのトランジスタのソース,
ドレインと基板との間のpn接合によるダイオードのタ
ーンオン電圧より小さくなるようにし、また、メモリセ
ルのトランジスタをnチャネル型とし、基板電位供給回
路からの基板への供給電位を、プレート線の電位との差
が前記メモリセルの容量素子の強誘電体膜の抗電圧より
小さく、かつ単一電源の低電源電位との差が、前記メモ
リセルのトランジスタのソース,ドレインと基板との間
のpn接合によるダイオードのターンオン電圧より小さ
い範囲となるようにし構成を有している。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0025】図1は本発明の一実施例を示す回路図であ
る。
【0026】この実施例は、強誘電体膜を相対向する2
つの電極で狭んで形成され上記強誘電体膜の分極状態に
より2値情報を記憶,保持する容量素子とソース,ドレ
インのうちの一方を容量素子Cの一方の電極と接続する
nチャネル型のトランジスタTとを備え行方向,列方向
に配置された複数のメモリセルMC、これら複数のメモ
リセルMCの各行それぞれと対応して設けられ対応する
行の各メモリセルのトランジスタTのゲートと接続して
選択レベルのときこれらメモリセルを選択状態とする複
数のワード線(WL1,WL2,…)、上記複数のメモ
リセルMCの各列それぞれと対応して設けられ対応する
列の奇数番目及び偶数番目それぞれのメモリセルのトラ
ンジスタTのソース,ドレインのうちの他方と接続する
複数の第1及び第2のビット線BL11,BL21〜B
L1n,BL2n、及び上記複数のメモリセルMCの容
量素子Cそれぞれの他方の電極と接続するプレート線P
Lを含むメモリセルアレイ1と、上記2値情報の論理レ
ベルの高レベル及び低レベルの中間レベルの電位(V
p)をプレート線PLに定常的に供給するプレート線電
位供給回路2と、プレート線PL1の電位との差がメモ
リセルMCの容量素子Cの強誘電体膜の抗電圧(Vc)
より小さく、かつこの不揮発性強誘電体メモリを駆動す
る単一電源の低電源電位との差が、メモリセルMCのト
ランジスタTのソース,ドレインとこれらソース,ドレ
インが形成されている基板との間のpn接合によるダイ
オードのターンオン電圧(Vton)より小さい範囲と
なるような電位(Vs)を上記基板(以下、トランジス
タTの基板という)に供給する基板電位供給回路3とを
有する構成となっている。
【0027】この実施例の各部の電位とメモリセルMC
の容量素子Cの印加電界E対分極量Pのヒステリシス特
性との対応関係をV=E・dなる関係式を用いて図示す
ると図2のとおりとなる。図2において、単一電源の低
電源電位を接地電位GNDの0Vとし、書込み時の2値
情報の論理レベルの低レベルVlをヒステリシス特性の
D点と対応する印加電界−Emaxと対応させて0Vと
し、高レベルVhをB点と対応する印加電界Emaxと
対応させて(Vdd−Vt)としている(Vddは単一
電源の高電源電位、VtはメモリセルMCのトランジス
タTのしきい値電圧である。書込み時、容量素子Cに印
加される高レベルVhの電位は、トランジスタTのしき
い値電圧分だけ低下する)。
【0028】ヒステリシス特性のB点及びD点における
原点0に対する印加電界はEmax,−Emaxとなっ
ているので、プレート線電位Vpは、 Vp=(Vh−Vl)/2=Vh/2=(Vdd−Vt)/2 ……(1) となる。また基板電位Vsは、 (Vp−Vc)<Vs<Vton ……(2) となる範囲に設定される。
【0029】(1),(2)式を満足するようにプレー
ト線電位Vp及び基板電位Vsを保持することにより、
メモリセルMCのセルノートNmcとトランジスタTの
基板との間にリークが存在しても、スタンバイ時、セル
ノードNmcの電位が容量素子Cの強誘電体膜に対する
抗電界(−Ec)を発生させるまでに至らず、従ってこ
の強誘電体膜の自発分極を反転させるとはない。また、
基板電位Vsが高すぎると、基板とソース,ドレインと
の間のpn接合によるダイオードに順方向電流が流れ、
セルノードNmcやビット線(BL11,BL21〜B
L1n,BL2n)の電位がこの基板電位Vsで抑えら
れて所定の電位まで上昇しないが、本実施例ではVs<
Vtonとなっているので、セルノードNmc及びビッ
ト線の電位を所定の電位まで到達させることができる。
【0030】ソース及びドレインの電荷が失なわれる例
としては、上記のほかに、ソース(ドレイン)/基板/
ドレイン(ソース)より成るnpn型のバイポーラトラ
ンジスタが活性化され、ドレインからソースに向って電
流が流れ、セルノードNmcの記憶情報が破壊されると
いう現象も一般的にはよく発生するが、本実施例では、
メモリセルMCの非選択時にはそのトランジスタTのゲ
ート電位Vg(非選択ワード線)は接地電位GND(=
0V)であり、しかも基板電位は正であるので、ゲート
直下の基板部分では電子が排除され、非選択状態におけ
る一般的な条件、Vg=Vs=GNDのトランジスタに
比べドレイン,ソース間には更に電流が流れにくくな
り、ドレイン,ソース間に電流が流れることはない。
【0031】この実施例における各部の具体的な数値例
を上げると、電源電圧Vddを5.0V、トランジスタ
Tのしきい値電圧を1.0V、pn接合によるダイオー
ドのターンオン電圧Vtonを0.8Vとし、強誘電体
として膜厚300nmのPZT(PbZrTio:酸化
鉛ジルコニウムチタン)を想定するとその抗電圧Vcは
約1.5Vとなるので、前述の(1),(2)式を満足
するプレート電圧Vp及び基板電位Vsは、例えば、 Vp=2.0V,Vs=0.7V となる。ここで、VtonとVsの電位差は0.1Vし
かないが、Vtonの値はバイポーラトランジスタのタ
ーンオン電圧と同様、10mV単位で正確に制御でき
る。また、Vsに関しては、不揮発性強誘電体メモリの
動作中であっても、変化しない一定電位であるため、通
常のDRAMで用いられているように、メモリセルアレ
イ外部に定電圧発生回路を用意することで正確に制御で
きるので問題はない。
【0032】この実施例では、図7,図8に示された従
来の第2の例と同様、アクセスが開始されワード線(W
L1)が選択レベルとなる直前にビット線(BL11,
BL21)を接地レベルGND又は電源電位Vddレベ
ルにプリチャージした後、ワード線(WL1)を選択レ
ベルとすることにより、選択状態のメモリセルMCの記
憶情報をビット線(BL11,BL21)間に読出すこ
とができる。
【0033】また、記憶情報の読出し,書込みが行なわ
れるアクセス期間を除くスタンバイ期間では、ワード線
(WL1等)は常に非選択レベルの接地電位GNDレベ
ルに固定される。従って、従来の第2の例のようなワー
ド線の複雑な電位制御が不要となり、メモリセルMCの
トランジスタTが製造ばらつき等によってオンすること
もなく、確実にメモリセルMCの容量素子Cの自発分極
の反転誤動作を防止できる。
【0034】更に、図5,図6に示された従来の第1の
例のようにプレート線電位をアクセスの都度変化させる
必要がなく、常時固定電位となっているので、高速動作
及び低消費電力を保つことができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、プレート
線の電位を2値情報の論理レベルの高レベル及び低レベ
ルの中間レベルの電位に固定し、メモリセルのトランジ
スタの基板の電位を、プレート線の電位との差がメモリ
セルの容量素子の強誘電体膜の抗電圧より小さく、かつ
単一電源の第1及び第2の電源電位の何れか一方との差
がメモリセルのトランジスタのソース,ドレインと基板
との間のpn接合によるダイオードのターンオン電圧よ
り小さくなる範囲とすることにより、セルノードと基板
等との間にリークが存在しても、また、製造ばらつきが
存在しても、メモリセルの容量素子の自発分極の反転誤
動作を確実に防止することができ、かつ高速動作及び低
消費電力を保つことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図である。
【図2】図1に示された実施例の各部の電位とメモリセ
ルの容量素子の強誘電体膜の印加電界対分極量のヒステ
リシス特性との関係を示す図である。
【図3】従来の不揮発性強誘電体メモリに使用されるメ
モリセルの構成及び動作原理を説明するための回路図及
び断面図である。
【図4】図3(a),(b)に示されたメモリセルの印
加電界対分極量のヒステリシス特性及び印加電圧と電
界,分極量との関係を示す図である。
【図5】従来の不揮発性強誘電体メモリの第1の例を示
す回路図である。
【図6】図5に示された不揮発性強誘電体メモリの動作
を説明するための各部信号の波形図である。
【図7】従来の不揮発性強誘電体メモリの第2の例を示
す回路図である。
【図8】図7に示された不揮発性強誘電体メモリの動作
を説明するための各部信号の波形図である。
【符号の説明】
1,1x,1y メモリセルアレイ 2 プレート線電位供給回路 3 基板電位供給回路 4 プレート線電位供給制御回路 5 中間電位発生回路 6 プリチャージ回路 7 基準レベル発生回路 BL,BL11,BL21〜BL1n,BL2n ビ
ット線 C 容量素子 DWL1,DWL2 ダミーワード線 MC メモリセル PL,PL1 プレート線 T トランジスタ WL,WL1,WL2 ワード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11C 17/00 A H01L 27/10 451

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体膜を相対向する2つの電極で狭
    んで形成され前記強誘電体膜の分極状態により2値情報
    を記憶,保持する容量素子とソース,ドレインのうちの
    一方を前記容量素子の一方の電極と接続するトランジス
    タとを備え行方向,列方向に配置された複数のメモリセ
    ル、これら複数のメモリセルの各行それぞれと対応して
    設けられ対応する行の各メモリセルのトランジスタのゲ
    ートと接続して選択レベルのときこれらメモリセルを選
    択状態とする複数のワード線、前記複数のメモリセルの
    各列それぞれと対応して設けられ対応する列の各メモリ
    セルのトランジスタのソース,ドレインのうちの他方と
    接続する複数のビット線、及び前記複数のメモリセルの
    容量素子それぞれの他方の電極と接続するプレート線を
    含むメモリセルアレイと、前記2値情報の論理レベルの
    高レベル及び低レベルの中間レベルの電位を前記プレー
    ト線に定常的に供給するプレート線電位供給回路と、前
    記プレート線の電位との差が前記メモリセルの容量素子
    の強誘電体膜の抗電圧より小さい範囲の電位を前記メモ
    リセルのトランジスタのソース,ドレインが形成されて
    いる基板に供給する基板電位供給回路とを有することを
    特徴とする不揮発性強誘電体メモリ。
  2. 【請求項2】 メモリセルアレイ,プレート線電位供給
    回路、及び基板電位供給回路を含む各部が単一電源で駆
    動され、前記基板電位供給回路からの基板への供給電位
    を、前記単一電源の第1及び第2の電源電位の何れか一
    方との差が、メモリセルのトランジスタのソース,ドレ
    インと基板との間のpn接合によるダイオードのターン
    オン電圧より小さくなるようにした請求項1記載の不揮
    発性強誘電体メモリ。
  3. 【請求項3】 メモリセルのトランジスタをnチャネル
    型とし、基板電位供給回路からの基板への供給電位を、
    プレート線の電位との差が前記メモリセルの容量素子の
    強誘電体膜の抗電圧より小さく、かつ単一電源の低電源
    電位との差が、前記メモリセルのトランジスタのソー
    ス,ドレインと基板との間のpn接合によるダイオード
    のターンオン電圧より小さい範囲となるようにした請求
    項2記載の不揮発性強誘電体メモリ。
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