JPH08511160A - 形質転換真カビによってScFvフラグメントを含んでなる融合タンパク質を生産する方法 - Google Patents

形質転換真カビによってScFvフラグメントを含んでなる融合タンパク質を生産する方法

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JPH08511160A
JPH08511160A JP7501340A JP50134095A JPH08511160A JP H08511160 A JPH08511160 A JP H08511160A JP 7501340 A JP7501340 A JP 7501340A JP 50134095 A JP50134095 A JP 50134095A JP H08511160 A JPH08511160 A JP H08511160A
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ヴァン・ゴルコム、ロバート・エフ・エム
ヘッシング、ヨハンナ・ジー・エム
ヴァン・デン・ホンデル、コルネリウス・アントニウス・エム・ジェイ・ジェイ
ムスエルス、ヴーター
ヴェルバケル、ヨハネス・マリア・エー
ヴェルリップス、コルネリス・テオドラス
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ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ
ネーデルランズ・オルガニザティ・フォール・トーゲパスト−ナチュールヴェッテンチャペリィ・オンデルゾーク・トノ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、プロモーター配列、ターミネーター配列及びシグナル配列のコードされたDNA配列並びにこれらの機能的誘導体又は類似物からなる群から選択される少なくとも1つのカビ由来の発現及び/又は分泌調節領域の調節下でScFvフラグメントのコードされたDNA配列を含んでいるような、形質転換されたアスペルギルス属のカビによってScFvフラグメントを含んでなる融合タンパク質を生産する方法を提供する。かかる調節領域はプラスミドpAW14Bに存在するアスペルギルス・ニガー変種アワモリのエンドキシラナーゼII遺伝子(exlA遺伝子)から得ることができるし、或いは共にアスペルギルスのグルコアミラーゼ遺伝子から得られるプロモーター配列とシグナル配列のコードされたDNA配列及びアスペルギルスのtrpC遺伝子のターミネーター配列の組合わせでってもよい。好ましくは、「カビ分泌タンパク質-(KEX2-)ScFv」からなる融合タンパク質を生産する。ScFvフラグメント又はその融合産物を含んでなる新規生産物、このようにして生産される従前及び新規な生産物を含んだ組成物(例えば消費製品)も提供される。好ましくは、当該ScFvフラグメントは人間の生態系に存在する化合物(微生物や酵素など)を認識する。かかる化合物は、例えば歯垢、虫歯、歯肉炎、歯周病又は口臭の形成に関与しているような口腔に存在するものであってもよいし、或いは例えば悪臭、炎症又は抜け毛の形成に関与しているような人間の皮膚に存在するものであってもよいし、或いはHCGのようなホルモンであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】 形質転換真カビによってScFvフラグメント を含んでなる融合タンパク質を生産する方法 本発明は形質転換カビによって単鎖抗体フラグメント(ScFvフラグメント )を生産する方法に関する。本明細書中において、ScFvフラグメントとは、 重鎖の可変部フラグメントがリンカーペプチドによって軽鎖の可変部フラグメン トに連結したものを表す。 発明の背景 ScFvフラグメントを様々な形質転換微生物において生産できることが報告 されているが、その成果の度合いには大きなバラツキがある。例えば、1993 年2月4日公開の公開WO93/02198号(TECH.RES.INST. FINLAND;Terri他)から、重鎖フラグメントと軽鎖フラグメントの 間に特殊なリンカーを用いると、幾つかの宿主生物(ただし、大腸菌(E.co li)及びサッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)について の具体例しか挙げられていない)中でScFvフラグメントを生産し、分泌させ ることができることが知られている。そのリンカーは、天然に分泌されるマルチ ドメインタンパク質又はその類似体の可動ヒンジ部を含んでなるものであって、 重鎖フラグメント又は軽鎖フラグメントのいずれとも相同でない。このWO93 /02198号は文献の援用によって本明細書の内容の一部をなす。WO93/0 2198号に開示された方法の重大な短所は記載された生産レベルが低いことで あり、ScFvフラグメントを消費製品に妥当な価格で利用するのに必要な生産 レベルにははるかに及ばない。こうした消費製品の具体例には、各種洗剤、食品 並びに化粧石鹸や脇下衛生用品のようなパーソナルケア用品が含まれる。したが って、ScFvフラグメントに対するもっと汎用性の高い高収率生産系が必要と されている。細菌である大腸菌中でのScFvフラグメントの生産は比較的収率 が低くなり、しかもその菌体内で産生されたタンパク質を可溶 化し、次いで再生(renaturation)する必要があるので、この方法は、比較的大 量に使用する必要のある抗体フラグメントの生産には向いていない(WO93/ 02198号の第3頁5〜23行参照)。消費製品への経済的応用に十分足りる 量で様々な異種酵素群を産生することの判明している発現系を利用して酵母中で 各種ScFvフラグメントを生産することを試みたが、本発明者らはScFvフ ラグメントが全く或いは極微量でしか分泌されないことを発見した。この結果は WO93/02198号第29〜31頁の実施例2と符合していると思われる。 その実施例2は酵母中でのScFvフラグメントの生産に関するものであるが、その生産量には全く触れられていない 。WO93/02198号には、数多くの 代替リンカーが挙げられているものの、WO93/02198号第6頁には、「 …分泌可能なリンカーペプチドの解析及び設計についての報文は全くない」並び に「…現在に至るまで、宿主の培養培地に分泌されるような、追加の異種リンカ ー配列をもつ新規融合タンパク質についての報告例はない」と記載されている。 別の最近の刊行物、1992年2月6日公開のWO92/01797号(OY ALKO AB)には、カビの一種トリコデルマ(Trichoderma)中 での免疫グロブリンの生産について記載されている。第83〜85頁の実施例2 0及び図27には、CBHIの可動ヒンジ部で連結された軽鎖可変部と重鎖可変 部を含む単鎖抗体をコードする機能的遺伝子の構築及び発現について記載されて いる(CBHIは、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma ree sei)の培養培地中に大量に存在するセロビオヒドロラーゼIである;WO9 2/01797号第3頁参照)。この遺伝子は、トリコデルマ・レエセイcbh iターミネーターとトリコデルマ・レエセイcbhiプロモーター(プラスミド pEN401)又はトリコデルマ・レエセイcbhiターミネーターとアスペル ギルス(Aspergillus)gpdプロモーター(プラスミドpEN40 2)の調節下におかれている。これらのプラスミドでトリコデルマ・レエセイR UT-C-30株(ATCC56765)を形質転換し、形質転換体を2種類の異 なる培地中で増殖させている。免疫反応性単鎖抗体の発現についての試験が培養 液上清で行われているが、その結果については一切触れられていない。 このように、どれくらいの量の単鎖抗体が実際に生成したのか全く実証されてい ない。この結論は、後で発表されたVTT Biotechnical 関連報文と一致する。後者の報文には、23.3kD軽鎖、23.9kD重鎖Fd 及び73.2kDのCBHI-重鎖FdをそれぞれコードするプラスミドpEN3 04、pAJ202及びpEN209(これらのプラスミドはWO92/017 97号にも例示されている)を用いた部分的に同一の実験が記載されている。こ の報文には、トリコデルマ・レエセイによる、各々独立した存在としての軽鎖又 は重鎖の生産(そのまま或いは前駆体として)しか記載されておらず、リンカー ペプチドを介して重鎖と軽鎖とが連結したものを含むScFvの生産については 記載されていない。 したがって、所望のScFvフラグメントを少なくとも妥当な収量で与えるよ うなカビ中でのScFvフラグメントの生産及び分泌系に対するヒーズが依然と して存在する。本発明は、アスペルギルス属の形質転換カビを用いてかかる生産 法を提供する。 M.Ward他の報文(1990)によれば(1990年12月27日公開の GENENCORのWO90/15860号も参照されたい)、所望タンパク質 とカビタンパク質を含んでなる融合タンパク質が生産されるようにすると、アス ペルギルス中での所望タンパク質の生産及びその後の分泌を改善することができ る。その具体例として、プロキモシンのN末端をアスペルギルス・アワモリ(A spergillus awamori)のグルコアミラーゼのC末端に融合し たもののが生産されている。しかし、この刊行物には、このようなアプローチが 微生物宿主によってその生産及び分泌を試みたときに多大な困難を伴うことの知 られている化合物であるScFvフラグメント(前記WO93/02198号参 照)にも適していることを示唆する記載はない。 優先日1991年12月9日を主張して本願優先日後の1993年6月24日 に公開されたUNILEVERのWO93/12237号には、形質転換したカ ビによって所望タンパク質を生産及び分泌するための方法が記載されており、そ の発現及び/又は分泌調節領域はプラスミドpAW14B(WO93/ 12237号の図3参照)に存在するアスペルギルス・ニガー変種アワモリ(A spergillus nigervar.awamori)のエンドキシラナ ーゼII遺伝子(exlA遺伝子)から得られている。このプラスミドpAW14 Bは、ブダペスト条約に基づいてCentraalbureau voor Sc himmelcultures(オランダ国バールン)に受託番号CBS 23 7.90として1990年5月31日付けで寄託された形質転換大腸菌JM10 9株中に存在している。好ましい具体的態様では、所望タンパク質は、当該所望 タンパク質のN末端の前にエンドキシラナーゼIIの少なくとも一部がくっついた 融合タンパク質とすることができる。しかし、ScFvフラグメントの生産につ いては何等記載されていない。 発明の概要 本発明は、形質転換したカビによってScFvフラグメントを含んでなる融合 タンパク質を生産する方法にして、(a)カビがアスペルギルス属に属するもの であり、かつ(b)当該アスペルギルスが、プロモーター配列、ターミネーター 配列及びシグナル配列のコードされたDNA配列並びにこれらの機能的誘導体又 は類似物からなる群から選択される少なくとも1つのカビ由来の発現及び/又は 分泌調節領域の調節下でScFvフラグメントのコードされたDNA配列を含ん でおり、生産後の任意段階として上記融合タンパク質からScFvフラグメント 部分を切り離すためのタンパク分解による開裂段階を含むことを特徴とする方法 を提供する。一つの具体的態様において、「少なくとも1つのカビ由来の発現及 び/又は分泌調節領域」は、アスペルギルスのグルコアミラーゼ遺伝子から得ら れるプロモーター配列及びシグナル配列のコードされたDNA配列並びにアスペ ルギルスのtrpC遺伝子のターミネーター配列又は少なくとも1つのこれらの 機能的誘導体又は類似物を含んでなる。別の具体的態様において、「少なくとも 1つのカビ由来の発現及び/又は分泌調節領域」は、アスペルギルスのエンドキ シラナーゼ遺伝子、特に上記プラスミドpAW14Bに存在するアスペルギルス ・ニガー変種アワモリのエンドキシラナーゼII遺伝子(exlA遺伝子)から得 られるプロモーター、シグナル配列のコードされたDNA配列及びターミネータ ー配 列、又は少なくとも1つのこれらの機能的誘導体又は類似物から選択される。 本発明の好ましい具体的態様では、上記ScFvフラグメントのコードされた DNA配列は融合タンパク質のコードされたキメラ遺伝子の一部を形成していて 、当該ScFvフラグメントのコードされたDNA配列の5′末端の前に、カビ の分泌タンパク質の成熟部分(特にアスペルギルスの成熟型タンパク質、例えば 成熟型グルコアミラーゼ又は成熟型エンドキシラナーゼ)をコードする構造遺伝 子の少なくとも一部分が存在する。かかる融合タンパク質においてScFvフラ グメントがタンパク分解開裂部位(例えばKEX2様部位など)によって上記カ ビ分泌タンパク質又はその一部分と連結又は結合していれば、ScFvフラグメ ントから上記カビタンパク質又はその一部分を取り除いて、得られる抗体フラグ メントをできるだけ小さくすることができ、応用に際して格段の利点をもつ。こ の場合、本発明の方法には、ScFvフラグメント含有融合タンパク質の生産後 、当該融合タンパク質からScFvフラグメント部分を切り離すためのタンパク 分解による開裂段階が含まれる。振盪フラスコでの培養によって、少なくとも4 0mg/l又は60mg/l以上及び最高収量として90mg/lを僅かに上回る ScFvの生産レベルが得られたが(後記の表2参照)、さらに至適化すれば少 なくとも150mg/lの生産レベルを達成することができると考えられる。さ らに、150mg/lを超えるScFvフラグメントの生産レベルが発酵槽中で の培養によって既に得られており、さらに至適化すれば、少なくとも250mg /l、さらには500mg/l以上、おそらくは1g/l以上の生産レベルに達す ると考えられる。 本発明は、また、本発明の方法によって得ることのできるScFvフラグメン ト又はその融合産物を含んでなる新規生産物に関する。このような新規生産物は 、上記ScFvフラグメントが、下等真核生物(特にアスペルギルス属のカビ) によって十分に発現・分泌される別のScFvフラグメントの可変部フラグメン トのフレームワーク領域に相補性決定領域(CDR)を移植した修飾ScFvフ ラグメントであるようなものであってもよい。本発明は、また、本発明の方法に よって生産される生産物又は上記の新規生産物を含む組成物、特に上記に具体例 を挙げた消費製品を提供する。本発明の特定の具体的態様によれば、ScFvフ ラグメントは人間の生態系に存在する化合物を認識するが、かかる化合物は微生 物、酵素その他のタンパク質であり得る。好ましいものの一つは、口腔に存在す る化合物、さらに好ましくは、歯垢、虫歯、歯肉炎、歯周病又は口臭の形成に関 与する化合物である。別の好ましいものは、人間の皮膚に存在する化合物、さら に好ましくは、悪臭、炎症又は抜け毛の形成に関与する化合物である。本発明の 別の特定の具体的態様は、診断目的に使用し得る組成物であり、化合物がホルモ ン、特にヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)であるような組成物である。 本発明の別の具体的態様によれば、ScFvフラグメントは家畜の生態系に存 在する化合物を認識するが、かかる化合物は、動物用飼料、酵素その他のタンパ ク質、又は病原体であり得る。 本発明のさらに別の具体的態様によれば、ScFvフラグメントが病気又は疾 患と肯定的又は否定的な関係をもつ化合物を認識し、例えば検出及び/又はター ゲッティングに用いることのできる組成物が提供される。 本発明は、また、本発明の組成物にして、化学産業、石油産業又は医薬品産業 において触媒として又は検出のために使用することのできる組成物に関する。 本発明は後記の実施例に例示されている通り、アスペルギルス属のカビの中で のScFvフラグメントの生産に基づいて開発されたものであるが、本発明が他 のカビ、特に、ムーコル(Mucor)、ノイロスポラ(Neurospora )及びペニシリウム(Penicillium)属から選択されるカビ、につい ても適用可能であると考えられる。 図面の簡単な説明 図1は、pAN52-10の概略図である。 図2は、pUR4155及びpUR4157の概略図である。 図3は、pAN56-7の概略図である。 図4は、pUR4159及びpUR4161の概略図である。 図5は、ウエスタンブロットである。12.5%のSDS-PAGEゲル上でゲ ル電気泳動した後、Fv-リゾチーム抗血清と反応するタンパクを視覚化した。 レーン1はScFv-リゾチームを含んだ大腸菌抽出液であり、レーン2はFv- 抗リゾチームであり、レーン3〜レーン8はAWC(M)41系形質転換株及び アスペルギルス・ニガー変種アワモリ変異株#40の培地試料であって、レーン 3及び4は形質転換株AWC(M)4161(プレプロ-“glaA2”-KEX -ScFv-HCG)、レーン5はAWC(M)4159(プレプロ-“glaA 2”-KEX-ScFv-LYS)、レーン6は変異株#40、レーン7はAWC (M)4157(18aa glaA−ScFv-HCG)、レーン8はAWC (M)4155(18aa glaA-ScFv-LYS)である。 図6は、アスペルギルス・ニガー変種アワモリのexlA遺伝子が含まれてい る5.3kb SalIフラグメントをpUC19のSalI部位に挿入して得た プラスミドpAW14Bの地図である。 図7は、クーマシーブリリアントブルー染色したポリアクリルアミドゲルであ り、pUR4462で形質転換したアスペルギルス・ニガー変種アワモリの培養 培地中に存在するタンパク質を示す。(i)放出ScFv-LYSフラグメント及 び(ii)glaA-KEX2-ScFv-LYS融合タンパク質及び/又はトラン ケート型glaAタンパク質のバンドが示してある。 発明の詳細な説明 M.Ward他の報文(1990)及びWO90/15860号(その記載に よれば、所望タンパク質のコードされた遺伝子はグルコアミラーゼのコードされ た遺伝子をさらに含んでなるキメラ遺伝子の一部を形成する)に記載された成果 並びに上記の本願出願後に公開されたUNILEVERのWO93/12237 号に記載された発明の上述の好ましい具体的態様(所望タンパク質をコードする 遺伝子はエンドキシラナーゼの少なくとも一部がコードされた遺伝子をさらに含 んでなるキメラ遺伝子の一部を形成する)が、上記所望タンパク質をScFvフ ラグメントとしたScFvフラグメントの生産に有益に利用することができるこ とを今回発見した。これは、特に、融合タンパク質においてタンパク分解開裂部 位がカビ分泌タンパク質部分又はそのフラグメントとScFv部分の間に存在し ている場合に当てはまる。好ましい開裂部位はFuller他の報文(1988 )、Contreras他の報文(1991)及びCalmels他の報文(1 991) に記載されたKEX2様部位であるが、ScFvフラグメントに存在していない 開裂部位であればその他の開裂部位を使用することもできる。他の開裂部位は、 Matthews及びWellsの報文(1993)に記載された方法に基づい て選択することができる。以下に示す実施例では、プレプログルコアミラーゼの プロ部分にKEX2型認識部位が含まれている。実施例2.4(i)参照。 口腔内又は人間の皮膚に存在する微生物を認識するScFvフラグメントは、 かかる微生物の増殖又は代謝を阻害する能力をもつので、本発明の枠組において 重要である。口腔内に存在するある種の微生物は歯垢、虫歯、歯肉炎又は歯周病 の形成に関与していると考えられており、人間の皮膚に存在する微生物はなかで も悪臭の発生に関与していると考えられている。本発明にしたがって製造される ScFvフラグメントは、そのままでも、或いは上記微生物に対する阻害効果を もつ化合物と結合した形でも、その作用を発揮し得る。 本発明によれば、アスペルギルスにおいて十分に発現・分泌されるScFvフ ラグメントの可変部フラグメントのフレームワーク領域に相補性決定領域(CD R)を移植することによって修飾ScFvフラグメントを製造することもできる と考えられる。例えばJones他の報文(1986)に記載のヒト免疫グロブ リンにおけるCDRの移植法を参照。こうしたCDRは共通の抗体から得ること ができる。あるCDRとScFvの残りの部分の結合特性はランダム又は部位特 異的変異によって至適化することができる。したがって、本発明の方法において は、ある抗体に由来するCDRを、別のScFvフラグメントの可変部フラグメ ントのフレームワーク領域に移植することができる。 本発明の方法で生産されるScFvフラグメント又はその融合タンパク質には 従前のものも含まれているが、大半のScFvフラグメント又はその融合タンパ ク質は新規な産物である。したがって、本発明は、また、本発明の方法で得るこ とのできる新規なScFvフラグメント又はその融合タンパク質も提供する。か かる方法で得られる産物は様々な用途向けの組成物に使用することができる。し たがって、本発明は、また、本発明の方法で生産される産物を含んだ組成物にも 関する。これは従前の産物及び新規な産物双方に適用される。 実施例3及び実施例5に例示されているexlAプロモーターとexlAシグ ナル配列のコードされたDNA配列とexlAターミネーターの組合せの代わり に、他の組合せも使用することができ、例えば、実施例7に例示されているex lAプロモーターとglaAシグナル配列のコードされたDNA配列とexlA ターミネーターなどであるが、一般に、発現及び/又は分泌調節領域としてはカ ビ由来のプロモーター、カビ由来のシグナル配列のコードされたDNA配列及び カビ由来のターミネーター配列から選択できる。特定の具体的態様は、アスペル ギルスのグルコアミラーゼ遺伝子から得られるプロモーター配列とシグナル配列 のコードされたDNA配列とアスペルギルスのtrpC遺伝子のターミネーター 配列である。 本発明による融合タンパク質の一部を形成するカビ分泌タンパク質は、実施例 に例示されているアスペルギルス・ニガー変種アワモリのエンドキシラナーゼII (実施例3及び実施例5参照)及びアスペルギルスのグルコアミラーゼ(実施例 7参照)の他にも、一般に、どんなカビ分泌タンパク質に由来するものであって もよい。 実施例2.6.1bの表2は、カビタンパク質がそのプレプロ部分とその成熟型 タンパク質のかなりの部分で構成されていて、それがKEX2様開裂部位を含ん だカビタンパク質のプレプロ部分によってScFvフラグメントに連結している ときに、最高の発現及び分泌収量が得られることを示している。小リンカーペプ チドがScFvフラグメントとKEX2様開裂部位の間に置かれていてもよいし (プラスミドpUR4159及びpUR4163及び誘導体参照)、或いはKE X2様開裂部位と成熟型カビタンパク質部分の間に置かれていてもよい。したが って、本発明は、最も広義には、形質転換されたカビによってScFvフラグメ ントを含んでなる融合タンパク質を生産する方法にして、カビがアスペルギルス 属に属するものであり、かつ当該アスペルギルスが、プロモーター配列、ターミ ネーター配列及びシグナル配列のコードされたDNA配列並びにこれらの機能的 誘導体又は類似物からなる群から選択される少なくとも1つのカビ由来の発現及 び/又は分泌調節領域の調節下でScFvフラグメントのコードされたDNA配 列を含んでいることを特徴とする方法を提供する。 以下、本発明を実施例によって例示する。 実施例1 VH及びVL領域のコードされた抗体遺伝子フラグメントの単離並びに ScFv遺伝子の構築 ハイブリドーマ細胞系統からのRNAの単離、cDNAの調製並びに抗体の重 鎖可変部(VH)及び軽鎖可変部(VL)をコードする遺伝子フラグメントのPC R法による増幅は、文献記載の公知の常法にしたがって行った。例えばOrla ndi他の報文(1989)参照。実施例に記載された標準的手法は、特記しな い限り、Sambrook他の成書に記載された方法にしたがって行った。 VH及びVL遺伝子フラグメントをクローニングして塩基配列を決定した後、そ れらを、Fv又はScFv抗体フラグメントなどのコードされた発現プラスミド の構築に使用した。ScFv抗体フラグメントでは、VHとVLがペプチドリンカ ーで連結している。かかる構成は、VH鎖及びVL鎖各々をコードする遺伝子フラ グメントがリンカーペプチドをコードするヌクレオチド配列で連結されているよ うな(キメラ)遺伝子を構築することによって達成した。可変部ペプチド鎖の順 序はVH-リンカー-VLでもVL-リンカー-VHでもよい。以下の試験では(GGG GS)3の配列(配列番号:1)のペプチドリンカーを使用した。 1.1 抗リゾチームScFvの構築 プラスミドpScFv-LYS-mycはG.Winter氏から入手したもの で、S.Ward他の報文(1989)に記載されているものである。このプラ スミドはpUC19由来のプラスミドであって、抗ニワトリ卵白リゾチーム抗体 D1.3のVH及びVLフラグメントのコードされた遺伝子フラグメントを含んで いる。そのVHフラグメントの前にはPelB分泌シグナル配列があり、VHフラ グメントとVLフラグメントは(GGGGS)3ペプチドリンカー(配列番号:1 )を介して連結されており、VLフラグメントの後には11アミノ酸残基のmy cタグがくっついている。PelBシグナル配列が前方に、かつmycテールが 後方についたモノクローナル抗リゾチーム抗体のScFvフラグメントのコード されたHindIII-EcoRIフラグメントの塩基配列(配列番号:2)及び推 定アミノ酸配列(配列番号:3)を以下に示す。 pUC19由来pScFv-LYS-mycのmycタグを取り除くため、Xh oI-EcoRIフラグメントを次の配列の別の合成フラグメントで置換して、 VL遺伝子フラグメントの後にTAA翻訳終止コドンを導入した。 得られたプラスミドをpUR4121と名付けた。次に、ScFv-LYSの コードされた約820bpのHindIII-EcoRIフラグメントを単離して、 同じ酵素で切断しておいたpEMBL9由来プラスミド(Dente他の報文( 1983))にクローニングしてプラスミドpUR4129を得た。 1.2 抗ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンScFvのコードされた遺伝子の構築 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)は妊娠ホルモンである。モノクローナ ル抗体による尿中HCGの検出を基準にした妊娠判定テストがUnilever 社によって開発され、Clearblue(登録商標)という商品名でUNIP ATH社から市販されている。ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンに対するモノクロー ナル抗体由来の重鎖及び軽鎖フラグメント各々の可変部のコードされた遺伝子フ ラグメントを、上述の通り、ハイブリドーマ細胞系統から得た。次に、これらの HCG VH及びVL遺伝子フラグメントのプラスミドpUR4129へ のクローニングを、対応PstI-BstEII及びSacI-XhoI抗リゾチー ム遺伝子フラグメントの置換によって行い、プラスミドpUR4138を得た。 抗ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(抗HCG)抗体のScFvフラグメントをコー ドするPstI-XhoI遺伝子フラグメントの塩基配列(配列番号:7)及び 推定アミノ酸配列(配列番号:8)を以下に示す。 実施例2 glaAプロモーター系を用いたScFv発現カセットの構築並びに アスペルギルスへの導入 2.1 グルコアミラーゼの18アミノ酸残基のシグナル配列を用いたScFv 発現カセットの構築(pUR4155及びpUR4157) pEMBL9の多重クローニング部位(EcoRIからHindIII部位まで の範囲)を以下の塩基配列の合成DNAフラグメントで置換した。 上記塩基配列の5′部分はglaAシグナル配列(アミノ酸1〜18)とそれ に続く抗体重鎖可変分の最初の5残基のアミノ酸をコードしている。その3′部 分は抗体軽鎖可変分の最後の5残基のアミノ酸をコードしている。得られたプラ スミドをpUR4153と名付けた。 プラスミドpUR4154とpUR4156を次のようにして得た。プラスミ ドpUR4129(実施例1.1)をPstI及びXhoIで切断し、アガロー スゲルから約0.7kbのDNAフラグメントを単離した。このフラグメントは 、N末端アミノ酸5残基とC末端アミノ酸5残基のコードされたDNA配列が失 われたトランケート型ScFv-LYSフラグメントをコードしている。同様に 、プラスミドpUR4138(実施例1.2)から約0.7kbのPstI-Xh oIフラグメントを単離したが、このフラグメントも同様のトランケート型Sc Fv-HCGフラグメントをコードしている。 これらScFvのコードされたフラグメントをglaA分泌シグナル配列のコ ード配列と融合するため、上記で得られたフラグメントをpUR4153にクロ ーニングした。そのため、プラスミドpUR4153をPstI及びXhoIで 切断し、しかる後にアガロースゲルから約4.1kbのベクターフラグメントを 単離した。これを上記の約0.7kbのPstI-XhoIフラグメントの各々と 連結することにより、それぞれプラスミドpUR4154(ScFv-LYS) とpUR4156(ScFv-HCG)を得た。 2.2 pAN52-10の構築 pAN52-10(図1)を、アスペルギルス発現カセットの構築のための出 発ベクターとして使用した。このプラスミドは次の通り構築した。 pAN52-6NotI(Van den Hondel他の報文(1991) )において、アスペルギルス・ニガーN402株のglaAプロモーター中に位 置するNcoI部位(ATGの約2.7kb上流)をNcoI切断で除去し、ク レノウポリメラーゼでフィリング・イン(一本鎖突出端を埋めること)し、pA N52-6NotIdeltaNcoIを得た。pAN52-6NotIdelt NcoIをNotIで切断し、XmnIで限定分解した後、約4.0kbのN otI-XmnI glaAプロモーターフラグメントを単離した。このpAN 52-6NotIdeltaNcoIフラグメント(1)と、アスペルギルス・ニ デュランス(A.nidulans)のtrpCターミネーター (Punt,J.P.他の報文(1991))及びpUC18配列が含まれている pAN52-1NotI(Van den Hondel他の報文(1991)) の約3.4kbのNotI-NcoIフラグメント(2)と、glaAプロモータ ーの3′末端からATG開始コドンまでを含んだ合成XmnI-NcoIフラグ メント(3)の3フラグメント間の連結を行って、プラスミドpAN52-7No tIを得た。上記の合成XmnI-NcoIフラグメントの塩基配列(配列番号 :13〜14)を次に示す。 pAN52-7NotIから約4kbのNotI-NcoIフラグメント(gl aAプロモーターが含まれる)と約3.4kbのNotI-BamHIフラグメン ト(pUC18ベクター及びtrpCターミネーターが含まれる)を単離し、E coRV部位とHindIII部位を含む下記塩基配列(配列番号:15〜16) のNcoI-BamHIリンカーを用いてこれら2つのフラグメントを連結した 。 上記の連結によってプラスミドpAN52-9が得られた。pAN52-9の約 4.0kb NotI-HindIII glaAプロモーターフラグメントとpAN 52-6NotIの約3.3kb HindIII-NotIフラグメント(pUC1 8配列及びアスペルギルス・ニデュランスの約0.7kb trpCターミネータ ーフラグメントが含まれている)との連結によってpAN52-10(図1)を 得た。 2.3 pUR4155及びpUR4157の構築 プラスミドpAN52-10をNcoI及びHindIIIで切断し、約7.5k bの脱リン酸化ベクターフラグメントを単離した。そのNcoI部位はglaA プロモーターの下流に位置していてATG開始コドンと同じ場所にある。プラス ミドpUR4154とpUR4156(実施例2.1)の各々をNcoI及びH indIIIで切断して、ss-glaA及びScFvのコードされた約0.8kb フラグメントを単離した。得られたフラグメントを連結して、それぞれプラスミ ドpUR4155及びpUR4157(図2)を得た。これらのプラスミドにお いて、ScFvフラグメントの発現は、アスペルギルス・ニガーglaAプロモ ーター、18残基のアミノ酸からなるグルコアミラーゼのシグナル配列及びアス ペルギルス・ニデュランスのtrpCターミネーターの調節下に置かれている。 2.4 分泌キャリヤーとしてグルコアミラーゼの一部を利用したScFv発現 28カセットの構築 i) pUR4159及びpUR4161の構築 glaAプレプロ部分と成熟型グルコアミラーゼG1(“glaA2”タンパ ク質)の最初の514残基のアミノ酸とScFvフラグメントとからなる融合タ ンパク質をコードする発現カセットを構築した。これらのカセットにおいて、“ glaA2”タンパク質とScFvフラグメントの間にはグルコアミラーゼのペ プチド(Asn-Val-Ile-Ser-Lys-Arg;配列番号:45)をコ ードする配列が存在する。このペプチドにはKEX2型認識部位(Lys-Ar g)が含まれている。これらのベクターを得るため、pAN52-10の約7.5 kb Ncol-EcoRVフラグメントにpAN56-4の1.9kb NcoI- EcoRVフラグメント(アスペルギルス・ニガーのglaA遺伝子の一部が含 まれている)を挿入することにより、プラスミドpAN56-7(図3)を構築 した。プラスミドpAN56-4は、本願優先日前には公開されていなかったが 、本願出願時にはJournal of Biotechnology31,No .2(1993)135-145のM.P.Boekhuijsen,I.E.Ma ttern,R.Contreras,J.R.Kinghorn 及びC.A.M.J.J.van den Hondelの報文に記載されていた。上 記刊行物は文献の援用によって本発明の内容の一部をなす。また、その原稿は優 先権書類に添付した。 “glaA2”タンパク質とScFvフラグメントのインフレーム(同一枠内 )での融合を行うため、プラスミドpUR4154及びpUR4156の各々を EcoRI及びPstIで切断し、しかる後にアガロースゲルから約4.8kb のベクターフラグメントを単離した。このベクターに、下記塩基配列(配列番号 :17〜19)の合成EcoRI−PstIフラグメントを連結した。 このEcoRI-PstIフラグメントを使用して、glaAシグナル配列の コードされたフラグメント(実施例2.1参照)を置換し、“glaA2”遺伝 子とのインフレーム融合を行った。得られたプラスミドpUR4158及びpU R4160からEcoRV-HindIIIフラグメント(約0.75kb)を単離 して、pAN56-7のEcoRV-HindIIIフラグメント(約9.3kb)に 連結し、pUR4159及びpUR4161(図4、ただし、NcoI部位の近 くにあるアミノ酸24残基からなるプレプロglaA部分のコードされたDNA は示していない)を得た。このタンパク質においては、“glaA2”部分とS cFv部分はKEX2開裂部位を含んだペプチドで連結されている。 ii) pUR4163の構築 同様にして、“glaA2”タンパク(そのプレプロ部分が前方に存在するも の)とScFv-リゾチームがXa因子認識部位を介して融合した融合タンパク 質をコードする発現カセットをもつベクターを構築した。pUR5154のEc oRI-PstIベクターフラグメント(約4.8kb)に、下記塩基配列(配列 番号:20〜22)の合成EcoRI−PstIフラグメントを連結した。 このEcoRI-PStIフラグメントを使用して、glaAシグナル配列の コードされたフラグメントを置換し、“glaA2”遺伝子とのインフレーム融 合を行った。得られるタンパク質においては、“glaA2”部分とScFv部 分がXa因子開裂部位を含んだペプチドで連結されている。得られたプラスミド pUR4162からEcoRV-HindIIIフラグメント(約0.75kb)を 単離して、pAN56-7ベクターフラグメント(約9.3kb)に連結し、pU R4163を得た。 2.5 アスペルギルスの形質転換 構築したベクターには慣用の選択マーカー(例えば、amdS又はpyrG、 ハイグロマイシンなど)を与えることができ、得られたベクターでカビを形質転 換して所望のタンパク質を生産することができる。 一例として、5.0kb NotIフラグメントに位置するアスペルギルス・ニ デュランスamdS遺伝子(Hynes他の報文(1983))をScFv発現 ベクターpUR4155、pUR4157、pUR4159、pUR4161及 びpUR4163に導入して、それぞれ、pUR4155NOT、pUR415 7NOT、pUR4159NOT、pUR4161NOT及びpUR4163N OTを得た(表1)。amdSNotIフラグメントは、pGW325(War nars Kの博士論文(1986))のEcoRIフラグメントのフランキン グ配列として下記の合成オリゴヌクレオチドを与えることによって得た。 こうして構築したベクターpUR41NOT(pUR4155NOT、pU R4157NOT、pUR4159NOT、pUR4161NOT及びpUR4 163NOT)の各々をアスペルギルス・ニガー変種アワモリATCC1135 8株及びアスペルギルス・ニガー変種アワモリ#40株(WO91/19782 ;アスペルギルス・ニガー変種アワモリの変異によって得られたもの)に導入し た。これらのプラスミドpUR41NOTによる形質転換は、 WO91/19782に記載の方法、或いはPunt P.J.及びVan den Hondel C.A.M.J.J.の報文(1992)記載のプラスミドpAN7- 1との同時形質転換によって行った。pAN7-1は、大腸菌のハイグロマイシ ン耐性遺伝子をアスペルギルス発現シグナルのフランキング配列として含んでい る。アスペルギルス・ニガー変種アワモリ(変異株#40)プロトプラストの収 量は1〜5×107/gミセリウムで、生存率は3〜8%であった。1回の形質転 換につき、3〜8×105個の生菌プロトプラストを、キアゲン法で精製したプ ラスミドDNA 10μgとインキュベートした。アセトアミド又はアクリルア ミドを唯一の窒素源とした最少培地を用いた平板上でアスペルギルス・ニガー変 種アワモリの変異株#40 amdS+を選択・精製した。直接選択によって、1 μgのDNA当り最高0.02個の#40変異株が得られた。アスペルギルス・ ニガー変種アワモリの形質転換株は得られなかった。変異株#40の同時形質転 換は、プラスミドpUR41NOTのいずれかとpAN7-1 DNAの重量比 7:3の混合物を用いて実施した。pAN7-1の同時形質転換株は、最初に1 00〜150pg/mlのハイグロマイシン含有最少培地平板上で選択し、次い でアセトアミドを添加した平板状で選択した。HmRコロニーの頻度は約2形質 転換株/μgであったが、アセトアミド添加平板上で十分に増殖したのはHmRコ ロニーのたった5%であった。 アセトアミド添加平板上での直接選択によって得られたアスペルギルス・ニガ ー変種アワモリ#40形質転換株をAWCと呼ぶ。アセトアミド添加平板上で十 分に増殖した変異株#40の同時形質転換株をAWCMと呼ぶ。 以下に示す数の(同時)形質転換株をさらに解析した。 2.6 アスペルギルス形質転換株によるScFvの生産 ScFvフラグメントのコードされた配列を含むアスペルギルス・ニガー変種 アワモリ変異株#40の形質転換株の解析を、誘導物質としてマルトデキストリ ンを含んだ培地中で培養した後で行った。 5%マルトデキストリン(Sigma社のデキストリンコーン・タイプI;D -2006)を添加した最少培地(0.05%MgSO4、0.6%NaNO3、0. 05%KCl、0.15%KH2PO4及び微量元素)中でAWC及びAWCM系 形質転換株を増殖させた。培地は120℃で30分間滅菌した。50ml培地( 300ml振盪フラスコ)に4×105個の胞子を接種して、30℃のインキュ ベーター(300rpm)内で様々な期間培養した。45〜50時間後に培地試 料を採取して、SDS-PAGEで分析した後ウエスタンブロッティング法で分 析した。さらに、ピン-ELISAアッセイにより定量的機能試験を実施した。 2.6.1 ScFv-LYS及びScFv-HCG形質転換株の培地 2.6.1a ウエスタンブロッティング解析及びクーマシーブリリアントブルー 染色ゲル AWC(M)4155(18 a.a.glaAシグナル配列-ScFv-LYS )(同時)形質転換株の培地試料のウエスタンブロッティング(Fv-LYSに 対する抗血清を使用)で、変異株#40の培地中には存在しない分子量約31k Daのバンドが観察された(図5)。予想通りの大きさのタンパク質の位置に泳 動されたこのバンドの存在は、培地中にScFv-LYSが分泌されたことを示 している。 幾つかのAWC(M)4159(プレプロ-“glaA2”-KEX2-ScF v-LYS)(同時)形質転換株の培地でも、同様の格段に濃いバンドがみつか り、これらの形質転換株によってScFv-LYSがさらに効率的に分泌される ことを示していた。このタンパクバンドはクーマシーブリリアントブルー染色ゲ ルでも視認された。 AWC(M)4157(18 a.a.glaAシグナル配列+ScFv-HC G)の培地試料では非常に弱いバンドが観察されたが、AWC(M)4161( プレプ ロ-“glaA2”-KEX2-ScFv-HCG)(同時)形質転換株の培地では バンドがはっきりと視認できた(分子量約31kDa)。非特異的なバンドはS cFv-LYS形質転換株で得られたものと同一であった。結果の幾つかを図5 に示す(ウエスタンブロッティング)。方法 :SDS-PAGEは、ファルマシア(Pharmacia)社製のPha stシステムを用いた8〜25%濃度勾配ゲル又は自家製の均一12.5%SD S-ゲル上で実施した。ウエスタンブロッティング分析は、ScFv-LYS及び ScFv-HCG双方の検出用に、Fv-LYSに対するポリクローナル抗血清を 使用した(1:1500)。 2.6.1b ピン-ELISA法による分析 AWC(M)形質転換株中の機能的ScFv-LYSの量(ピン-ELISAア ッセイで測定)を表2に示す。 AWC(M)4155(18a.a.glaA)形質転換株の培地中のScF v-LYSの量は2〜22mg/lであった。AWC(M)4159(同時)形質 転換株(プレプロ-“glaA2”-KEX2-構築体)は最高約90mg/lを培 地中 に分泌するが、アスペルギルス・ニガー変種アワモリ変異株#40では全く生産 されなかった。ScFv-HCGの測定のための定量的ピン-ELISAアッセイ で、AWC(M)4161(同時)形質転換株(“glaA2”-KEX2-構築 体)が最高4mg/lの機能的ScFv-HCGを培地中に分泌することが判明し た。しかし、AWC4157(18a.a.-glaA-シグナル配列)形質転換株 の培地では、ScFv-HCGは全く検出されなかった。方法 :リゾチーム又はHCGでコートしたピンを(稀釈)培地試料とインキュベ ートした。続いて、これらのピンを各々Fv-LYS及びFv-HCGに対する抗 血清とインキュベートし、次いでアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ウサギ抗体 とインキュベートした。最終的に、リン酸p-ニトロ-フェニルエステルとインキ ュベートして405nmの光学密度を測定することによって、アルカリホスファ ターゼ活性を求めた。Fv-LYS及びFv-HCG各々の標準溶液を用いて、機 能的ScFv-LYS及びScFv-HCGの量を計算した。 実施例3 エンドキシラナーゼのプロモーター及びターミネーター並びにエンド キシラナーゼの分泌シグナル及び成熟型エンドキシラナーゼのコード されたDNA配列を用いた、ScFvフラグメント生産用のアスペル ギルス・ニガー変種アワモリ組込みベクターの構築 この実施例では、成熟型エンドキシラナーゼとScFvフラグメントとの融合 タンパク質をコードする発現プラスミドの構築について説明するが、エンドキシ ラナーゼの一部だけを用いてほぼ同様にして別の発現プラスミドを構築できるこ とは明らかである。 3.1 pUR4158-Aの構築 プラスミドpScFvLYSmyc(実施例1.1参照)をPstI及びXh oIで切断すると、アガロースゲルから約0.7kbのPstI-XhoIフラグ メントを単離することができた。このフラグメントは、N末端アミノ酸5残基と C末端アミノ酸5残基のコードされたるDNA配列が失われたトランケート型単 鎖Fv-LYSフラグメント(配列番号:25の塩基配列参照)をコードしてお り、モノクローナル抗リゾチーム抗体D1.3のScFvフラグメント (ScFv-LYS)をコードする約700bpのPstI-XhoIフラグメン トの推定アミノ酸配列(配列番号:26)を下記に示す。 プラスミドpEMBL9(Dente他の報文(1983))の多重クローニ ング部位(EcoRIからHindIII部位までの範囲)は以下の塩基配列(配 列番号:27〜30)の合成DNAフラグメントで置換できる。 このDNAフラグメントを使用して、プラスミドpEMBL9の多重クローニ ング部位(EcoRIからHindIII部位までの範囲)を置換することができ る。この合成DNAフラグメントのコーディング鎖の5′部分はKEX2部位( ISKR)をコードしており、続いてスペーサー(GGS)、次に抗体重鎖可変 部の最初の5残基のアミノ酸をコードしている。このコーディング鎖の3′部分 は抗体軽鎖可変部の最後の8残基のアミノ酸をコードしている。得られたプラス ミドをPstI及びXhoIで切断すると約4kbのベクターフラグメントを得 ることができる。 上記のpScFvLYSmycの約0.7kbのPstI-XhoIフラグメン トを上記の4kbベクターフラグメントと連結すると、VH及びVL抗体フラグメ ントをコードする修復遺伝子を含んだpUR4158-Aを得ることができる。 3.2 pXYL2の構築 exlA発現シグナル及びScFvフラグメントのコードされた遺伝子を含ん だ一連の発現プラスミドの構築の出発ベクターとしてプラスミドpAW14Bを 使用した。このプラスミドは、アスペルギルス・ニガー変種アワモリ染色体の5 .2kb SalIフラグメントを含んでおり、この5.2kb SalIフラグメ ントには0.7kbのexlA遺伝子が2.5kbの5′-フランキング配列及び 2.0kbの3′-フランキング配列と共に位置している(図6参照;この図は本 願優先日以降に出願されたUNILEVERのWO93/12237号の図3 と同一である)。 pAW14BをXbaI及びBamHIで切断すると、exlAプロモーター 、exlA構造遺伝子及びexlAターミネーター領域の一部を含んだ約3.2 kbのXbaI-BamHIフラグメントを単離することができる。このフラグ メントは、同一酵素対で切断しておいたプラスミドpBluescript(S tratagene社製)にクローニングすることができ、プラスミドpXYL 1が得られる。 下記に示す第1(アンチセンス)プライマー(A)及び同じく下記に示すSc aI部位(exlA遺伝子内に位置する)の上流に位置する第2(センス)プラ イマー(B)を用いて、上記の約3.2kbのXbaI-BamHIフラグメント に対してPCR法を適用することによって、exlA構造遺伝子の3′末端のセ リン及び終止コドンTAAを、BamHI部位GGA TCCとそれに続く別の 8つのコドン(EcoRV及びEcoRI部位を含む)で改変することができる 。このセンスプライマーは、本願優先日以降に出願されたUNILEVERのW O93/12237号の図1のヌクレオチド824〜843(exlA遺伝子の 一部を形成する)に対応する。得られたPCR生成物をScaI及びEcoRI で消化すると、約175bpのScaI-EcoRIフラグメントを単離するこ とができる。pXYL1をScaI及びEcoRIで共に限定分解すると、無傷 のpBluescript由来DNAとexlAプロモーター領域とexlA構 造遺伝子の大半が含まれた約6kbのScaI-EcoRIフラグメントを単離 することができる。 上記の約175bpのScaI-EcoRIフラグメントを上記のpXYL由 来の約6kbのScaI-EcoRIフラグメントと連結すると、pXYL2と 呼ばれるプラスミドが得られる。このpXYL2は、exlA遺伝子の3′末端 及びターミネーターフラグメントが新たに得られたScaI-EcoRI PCR フラグメントで置換されている点でpXYL1と異なる。 3.3 pUR4455及びpUR4456の構築 pAW14Bから出発して、pUC19由来のEcoRI部位を除去してNo tI部位を導入することによってpAW14B-10を構築した。 これは、pAW14BをEcoRIで限定分解して脱リン酸化した後、7.9 kbのEcoRIプラスミドを単離して下記“EcoRI”-NotIリンカー の存在下で再連結することによって遂行した。 exlA構造遺伝子の上流領域にEcoRI部位を依然として含んでいるプラ スミドを選択して、pAW14B-10を得た。かかる選択法は当業者には周知 である。 次に、AflIIでpAW14B-10を限定分解し、その付着末端をフィリン グインした後、単離された線状化プラスミドを再連結することによって、exl Aターミネーターの下流に位置しているAflII部位を取り除き、exlA遺伝 子の終始コドンの近くにAflII部位を依然として含んでいるプラ スミドを選択することによってプラスミドpAW14B-11を得た。かかる選 択法は当業者には周知である。このプラスミドpAW14B-11は、エンドキ シラナーゼ又はその一部とScFvフラグメントからなる融合タンパク質をコー ドするDNAフラグメントを含む一連の発現プラスミドの構築に使用することが できる。好ましくは、上記2つのタンパクフラグメントはプロテアーゼ認識部位 (例えばKEX2開裂部位など)で連結される。 (i) pAW14B-11をNotI及びAflIIで切断すると、pUC1 9ベクターとexlAターミネーターの一部を含んだ約4.7kbフラグメント が単離できる。 (ii) pXYL2をNotI及びEcoRVで切断すると、約3.2kbの フラグメントが単離できる。別法では、ほぼ同じ鎖長のNotI-BamHIフ ラグメントを単離することもできる。 (iii) pUR4158-AをEcoRV及びAflIIで切断すると、KEX 2開裂部位とスペーサー(GGS)を含んだ短い(リンカー)ペプチドが前方に 付いたScFv-LYSをコードする約0.8kbのフラグメントが単離できる。 別法では、ほぼ同じ鎖長のBamHI-AflIIフラグメントを単離することが できるが、このフラグメントにはKEX2開裂部位のコードされたDNAフラグ メントは含まれていない。 A) 成熟型エンドキシラナーゼとScFv-LYSからなる融合タンパク質 をコードする発現プラスミドの構築には、pAW14B-11の約4.7kb N otI-AflIIとpXYL2の約3.2kb NotI-BamHIフラグメント とpUR4158-Aの約0.75kb BamHI-AflIIフラグメントを連結 して、pUR4455を得る。 B) KEX2開裂部位で連結された成熟型エンドキシラナーゼとScFv- LYSからなる融合タンパク質をコードする発現プラスミドの構築には、pAW 14B-11の約4.7kb NotI-AflIIとpXYL2の約3.2kb No tI-EcoRvフラグメントとpUR4158-Aの約0.75kb EcoRV -AflIIフラグメントを連結して、pUR4456を得る。 このようにして構築された発現ベクターは従来の同時形質転換法を用いてカビ (例えば、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニガー変種アワモリ、ア スペルギルス・ニデュランスなど)に導入することができ、エンドキシラナーゼ IIプロモーターの誘導によって所望ScFvフラグメントのコードされたDNA 配列を含むキメラ遺伝子を発現させることができる。上記構築ベクターには、対 応遺伝子を非反復NotI制限部位に導入することなどによって従来の選択マー カー(例えば、amdS又はpyrG、ハイグロマイシンなど)を与えることも でき、本願優先日以降に公開されたUNILEVERのWO93/12237号 の実施例2に記載された方法と基本的に同じ方法で、得られたベクターでカビを 形質転換して所望タンパク質を生産することもできる。 実施例4 (口腔)微生物に対する抗体の遺伝子フラグメントの単離 口腔微生物に対するモノクローナル抗体は文献(De Soet他(1990 ))に記載されており、その一例は連鎖球菌に対するOMVU10である。これ らのモノクローナル抗体に由来するScFvフラグメントを生産するためには、 重鎖及び軽鎖の可変部をコードする遺伝子フラグメントを単離する必要がある。 ハイブリドーマ細胞系統からのRNAの単離、cDNAの調製並びに抗体の可変 部をコードする遺伝子フラグメントのPCR法による増幅は、文献記載の公知の 常法にしたがって行った。例えばOrlandi他の報文(1989)参照。P CR増幅には、下記のオリゴヌクレオチドを使用した。 重鎖フラグメントのPCR増幅には次のオリゴヌクレオチド対を使用した。 軽鎖フラグメント(κ)のPCR増幅には次のオリゴヌクレオチド対を使用し た。 こうして得られた重鎖PCRフラグメントをPstI及びBstEIIで切断し て、約0.33kbのPstI-BstEIIフラグメントを単離した。こうして得 られたフラグメントはpUR4158-Aにクローニングすることができる。そ れには、pUR4158-AをPstI及びBstEIIで切断して、約4.4kb のベクターフラグメントを単離すればよい。上記のOMVU10重鎖フラグメン トと約4.4kbベクターフラグメントを連結すればpUR4158-A10Hが 得られる。このプラスミドにおいては、当初存在していたリゾチーム抗体の重鎖 フラグメントがOMVU10抗体の重鎖フラグメントによって置換されている。 同様にして得られた軽鎖PCRフラグメントをSacI及びXhoIで切断し て、約0.3kbのSacI-XhoIフラグメントを単離した。pUR4158 -A10HをSacI及びXhoIで切断すると、約4.4kbのベクターフラグ メントが得られる。このベクターフラグメントを上記のOMVU10軽鎖フラグ メントと連結すれば、pUR4457が得られる。このプラスミドにおいては、 リゾチーム抗体の重鎖フラグメント及び軽鎖フラグメントが共にOMVU10抗 体の適切な重鎖及び軽鎖フラグメントによって置換されている。こうして得られ たOMVU10のScFvフラグメントをコードする遺伝子を含むpUR445 7に存在するPstI-XhoIフラグメントの塩基配列(配列番号:41)及 び推定アミノ酸配列(配列番号:42)を下記に示す。最初の5つのコドン及び 最後の5つのコドンは上述の実施例3.1で示したものであり、PstI及びX hoI部位と重複している。 実施例5 OMVU10 ScFvフラグメントの生産のための発現カセットの 構築 pUR4457(実施例4参照)をEcoRV及びAflIIで切断すると、K EX2開裂部位及びGGSスペーサーを含んだ短い(リンカー)ペプチドが前に 付いたScFv-OMVU10をコードした約0.8kbのフラグメントが単離で きる。別法では、KEX2開裂部位を含まない融合タンパク質をコードした発現 プラスミドの構築用に、約0.75kbのBamHI-AflIIフラグメントを単 離することができる。 このようにして得られるフラグメントを、上記3.3の(i)及び(ii)で得 られたフラグメントと上記3.3のB)及びA)に記載された方法と同様にして 連結する と、エンドキシラナーゼとScFvOMVU10フラグメントを含んでなる融合 タンパク質のコードされたDNA配列を含む発現プラスミドでKEX2開裂部位 を含むプラスミド(pUR4460)とKEX2開裂部位を含まないプラスミド (pUR4459)を得ることができる。 実施例3記載の方法と同様にして、得られたプラスミド(場合によって選択マ ーカーを追加したもの)をアスペルギルスに導入することができる。 実施例6 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)に対する抗体の遺伝子フラグ メントの単離 実施例4とほぼ同様にして、抗HCG抗体の重鎖可変部及び軽鎖可変部をコー ドする遺伝子フラグメントを単離したが、これらのフラグメントはプラスミドp UR4158-Aにクローニングしてプラスミド4458を得ることができる。 ScFv-HCGフラグメントのコードされたPstI-XhoIフラグメントの 塩基配列(配列番号:7)及び推定アミノ酸配列(配列番号:8)は実施例1. 2に記載した。 実施例7 エンドキシラナーゼのプロモーター及びターミネーター並びにプレプ ロ-“glaA2”をコードするDNA配列を使用したScFvフラ グメントの生産のための発現カセットの構築 7.1 pAW14B-12の構築 pAW14B-11(実施例3.3参照)を出発材料としてプラスミドpAW1 4B-12を構築した。pAW14B-11をAflII(exlA終止コドンに位 置)及びBglII(exlAプロモーター内に位置)で切断して、exlAプロ モーターの一部及びexlA遺伝子を含む2.4kbのAflII-BglIIフラグ メントを単離した。このフラグメントをBspHI(exlAプロモーター内及 びexlA開始コドンに位置)で限定分解した後、単離された1.8kbのBg lII-BspHI exlAプロモーターフラグメント(ATGまで)を、下記合 成オリゴヌクレオチドの存在下で、exlAターミネーターを含んだpAW14 B-11の5.5kbAflII-BglIIフラグメントと連結し て、pAW14B-12を得た。 7.2 発現カセットの集成 (i) pAW14B-12をBbsI(限定分解)及びAflIIで切断した後、 約7.3kbのBspHI-AflIIベクターフラグメントを単離した。 (ii) プラスミドpAN56-4(上述のM.P.Broekhuijsen他 の報文)から、ATG開始コドン(NcoI部位と同じ位置にある)で始まるg laA遺伝子の一部を含み、かつグルコアミラーゼプレプロ部分と成熟型グルコ アミラーゼの最初の514残基のアミノ酸(“glaA2”)のコードされた約 1.9kbのNcoI-EcoRVフラグメントを単離した。 (iii)プラスミドpUR4158-A(KEX2認識部位とGGSスペーサーが 前に付いたScFv-LYSフラグメントをコードする;実施例3.1参照)、p UR4457(KEX2認識部位とGGSスペーサーが前に付いたScFv-O MVU10フラグメントをコードする;実施例4参照)、及びpUR4458( KEX2認識部位とGGSスペーサーが前に付いたScFv-HCGフラグメン トをコードする;実施例6参照)の各々から、約0.8kbのEcoRV-Afl IIフラグメントを単離した。 (i)BspHI-AflIIベクターフラグメントと(ii)NcoI-EcoR VglaAフラグメント(NcoI付着末端はBspHI付着末端と結合し得る )と(iii)上記EcoRV-AflII ScFvフラグメントのいずれかとを連 結すると、次の一群の発現プラスミドを得ることができる。 pUR4462 PexlA-プレプロ-“glaA2”-KEX2-ScFv-LYS pUR4463 PexlA-プレプロ-“glaA2-KEX2”-ScFv-HCG pUR4464 PexlA-プレプロ-“glaA2-KEX2”-ScFv-OMVU10 それらのNotI部位にamdS選択マーカーを挿入した後、得られたプラス ミドを実施例3と同様にしてアスペルギルスに導入した。 7.3 ScFv-LYSの生産 pUR4462で形質転換したアスペルギルス・ニガー変種アワモリを10l 発酵槽で増殖させ、培養培地をポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。図 7にクーマシーブリリアントブルーで染色したゲルを示す。図中の矢印は分泌さ れたScFv-LYSフラグメントと融合タンパク質及び/又はトランケート型 glaAタンパク質を示す。「活性」ScFv-LYSの量は約250mg/lと 測定された。発酵条件又は生産菌株の変異をさらに至適化するとさらに高い生産 レベルが得られることは明白である。参照文献
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年3月23日 【補正内容】 請求の範囲 1.形質転換されたカビによってScFvフラグメントを含んでなる融合タンパ ク質を生産する方法にして、 (a)カビがアスペルギルス属に属するものであり、かつ (b)当該アスペルギルスが、プロモーター配列、ターミネーター配列及びシ グナル配列のコードされたDNA配列並びにこれらの機能的誘導体又は類似物か らなる群から選択される少なくとも1つのカビ由来の発現及び/又は分泌調節領 域の調節下でScFvフラグメントのコードされたDNA配列を含んでおり、 生産後の任意段階として上記融合タンパク質からScFvフラグメント部分を 切り離すためのタンパク分解による開裂段階を含むことを特徴とする方法。 2.請求項1記載の方法において、上記「少なくとも1つのカビ由来の発現及び /又は分泌調節領域」が、アスペルギルスのグルコアミラーゼ遺伝子から得られ るプロモーター配列及びシグナル配列のコードされたDNA配列の両方並びにア スペルギルスのtrpC遺伝子のターミネーター配列の組合わせであることを特 徴とする方法。 3.請求項1記載の方法において、上記「少なくとも1つのカビ由来の発現及び /又は分泌調節領域」が、プラスミドpAW14Bに存在するアスペルギルス・ ニガー変種アワモリのエンドキシラナーゼII遺伝子(exlA遺伝子)から得ら れることを特徴とする方法。 4.請求項1記載の方法において、上記ScFvフラグメントのコードされたD NA配列が融合タンパク質のコードされたキメラ遺伝子の一部を形成していて、 当該ScFvフラグメントのコードされたDNA配列の5′末端の前にカビの分 泌タンパク質の成熟部分をコードする構造遺伝子の少なくとも一部分が存在して いることを特徴とする方法。 5.請求項4記載の方法において、上記構造遺伝子がエンドキシラナーゼ又はグ ルコアミラーゼをコードしていることを特徴とする方法。 6.請求項4記載の方法において、上記融合タンパク質において、上記 ScFvフラグメントがタンパク分解開裂部位によって上記カビの分泌タンパク 質又はその一部と結合していることを特徴とする方法。 7.請求項6記載の方法において、上記開裂部位がKEX2様部位であること を特徴とする方法。 8.請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法において、上記カビを、 ScFvフラグメントの収量が40mg/l以上、好ましくは60mg/l以上、 さらに好ましくは90mg/l以上、さらに一段と好ましくは150mg/l以上 となるような条件下で培養することを特徴とする方法。 9.請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法で得られたScFvフラ グメント又はその融合タンパク質を含んでなる新規生産物。 10.請求項9記載の新規生産物において、上記ScFvフラグメントが、下等 真核生物によって十分に発現・分泌される別のScFvフラグメントの可変部フ ラグメントのフレームワーク領域に相補性決定領域(CDR)を移植したものか らなる修飾ScFvフラグメントであることを特徴とする新規生産物。 11.請求項10記載の新規生産物において、上記下等真核生物がアスペルギル ス属のカビであることを特徴とする新規生産物。 12.請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法で生産される生産物又は 請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の新規生産物を含んだ組成物。 13.請求項12記載の組成物において、当該組成物が消費製品であることを特 徴とする組成物。 14.請求項12記載の組成物において、上記ScFvフラグメントが人間の生 態系に存在する化合物を認識する(当該化合物は微生物、酵素その他のタンパク 質であってもよい)ことを特徴とする組成物。 15.請求項14記載の組成物において、上記化合物が口腔に存在するものであ ることを特徴とする組成物。 16.請求項15記載の組成物において、上記化合物が歯垢、虫歯、歯肉炎、歯 周病又は口臭の形成に関与するものであることを特徴とする組成物。 17.請求項14記載の組成物において、上記化合物が人間の皮膚に存在するも のであることを特徴とする組成物。 18.請求項17記載の組成物において、上記化合物が悪臭、炎症又は抜け毛の 形成に関与するものであることを特徴とする組成物。 19.請求項14記載の組成物において、上記化合物がホルモンであって、当該 組成物が診断目的に使用し得ることを特徴とする組成物。 20.請求項19記載の組成物において、上記ホルモンがヒト絨毛性性腺刺激ホ ルモン(HCG)であることを特徴とする組成物。 21.請求項12記載の組成物において、上記ScFvフラグメントが家畜の生 態系に存在する化合物を認識する(当該化合物は、動物用飼料、酵素その他のタ ンパク質、又は病原体であってもよい)ことを特徴とする組成物。 22.請求項12記載の組成物において、上記ScFvフラグメントが病気又は 疾患と肯定的又は否定的な関係をもつ化合物を認識するものであって、検出及び /又はターゲッティングに使用し得るものであることを特徴とする組成物。 23.請求項12記載の組成物において、当該組成物が化学産業、石油産業又は 医薬品産業において触媒として又は検出のために使用することができるものであ ることを特徴とする組成物。 24.形質転換されたカビによってScFvフラグメントを含んでなる融合タン パク質を生産する方法にして、 (a)カビがムーコル属、ノイロスポラ属及びペニシリウム属のうちの1種 であり、かつ (b)カビが、プロモーター配列、ターミネーター配列及びシグナル配列の コードされたDNA配列並びにこれらの機能的誘導体又は類似物からなる群から 選択される少なくとも1つのカビ由来の発現及び/又は分泌調節領域の調節下で ScFvフラグメントのコードされたDNA配列を含んでおり、 生産後の任意段階として上記融合タンパク質からScFvフラグメント部分 を切り離すためのタンパク分解による開裂段階を含んでおり、 所望により、上記カビを、ScFvフラグメントの収量が40mg/l以上 、 好ましくは60mg/l以上、さらに好ましくは90mg/l以上、さらに一段と 好ましくは150mg/l以上となるような条件下で培養する ことを特徴とする方法。 25.請求項24記載の方法で得られたScFvフラグメント又はその融合タン パク質を含んでなる新規生産物。 26.請求項24記載の方法で生産される生産物又は請求項25記載の新規生産 物を含んだ組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI //(C12P 21/02 C12R 1:685) (31)優先権主張番号 93201706.4 (32)優先日 1993年6月14日 (33)優先権主張国 欧州特許機構(EP) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AM,AT,AU,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,F I,GB,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LK,LU,LV,MD,MG,MN,MW, NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 フレンケン、レオン・ゲラルダス・ジョゼ フ オランダ国、エヌエル―3011 エムピー、 ロッテルダム、ゲルダースストラート 90 (72)発明者 ヴァン・ゴルコム、ロバート・エフ・エム オランダ国、エヌエル―2622 ディーイ ー、デルフト、リベリアストラート 7 (72)発明者 ヘッシング、ヨハンナ・ジー・エム オランダ国、エヌエル―2624 ピージー、 デルフト、アデマ・ヴァン・シュルテマプ レーン 38 (72)発明者 ヴァン・デン・ホンデル、コルネリウス・ アントニウス・エム・ジェイ・ジェイ オランダ国、エヌエル―2804 ピーゼッ ト、ゴーダ、ヴァテルレリー 124 (72)発明者 ムスエルス、ヴーター オランダ国、エヌエル―3141 アールディ ー、マースルイス、ヴィッペルスパルク 138 (72)発明者 ヴェルバケル、ヨハネス・マリア・エー オランダ国、エヌエル―3155 ジーシー、 マースランド、インゲランド 9 (72)発明者 ヴェルリップス、コルネリス・テオドラス オランダ国、エヌエル―3142 ケイビー、 マースルイス、ハーグドルン 18

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.形質転換されたカビによってScFvフラグメントを含んでなる融合タンパ ク質を生産する方法にして、 (a)カビがアスペルギルス属に属するものであり、かつ (b)当該アスペルギルスが、プロモーター配列、ターミネーター配列及びシ グナル配列のコードされたDNA配列並びにこれらの機能的誘導体又は類似物か らなる群から選択される少なくとも1つのカビ由来の発現及び/又は分泌調節領 域の調節下でScFvフラグメントのコードされたDNA配列を含んでおり、 生産後の任意段階として上記融合タンパク質からScFvフラグメント部分を 切り離すためのタンパク分解による開裂段階を含むことを特徴とする方法。 2.請求項1記載の方法において、上記「少なくとも1つのカビ由来の発現及び /又は分泌調節領域」が、アスペルギルスのグルコアミラーゼ遺伝子から得られ るプロモーター配列及びシグナル配列のコードされたDNA配列の両方並びにア スペルギルスのtrpC遺伝子のターミネーター配列の組合わせであることを特 徴とする方法。 3.請求項1記載の方法において、上記「少なくとも1つのカビ由来の発現及び /又は分泌調節領域」が、プラスミドpAW14Bに存在するアスペルギルス・ ニガー変種アワモリのエンドキシラナーゼII遺伝子(exlA遺伝子)から得ら れることを特徴とする方法。 4.請求項1記載の方法において、上記ScFvフラグメントのコードされたD NA配列が融合タンパク質のコードされたキメラ遺伝子の一部を形成していて、 当該ScFvフラグメントのコードされたDNA配列の5′末端の前にカビの分 泌タンパク質の成熟部分をコードする構造遺伝子の少なくとも一部分が存在して いることを特徴とする方法。 5.請求項4記載の方法において、上記構造遺伝子がエンドキシラナーゼ又はグ ルコアミラーゼをコードしていることを特徴とする方法。 6.請求項4記載の方法において、上記融合タンパク質において、上記 ScFvフラグメントがタンパク分解開裂部位によって上記カビの分泌タンパク 質又はその一部と結合していることを特徴とする方法。 7.請求項6記載の方法において、上記開裂部位がKEX2様部位であること を特徴とする方法。 8.請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法において、上記カビを、 ScFvフラグメントの収量が40mg/l以上、好ましくは60mg/l以上、 さらに好ましくは90mg/l以上、さらに一段と好ましくは150mg/l以上 となるような条件下で培養することを特徴とする方法。 9.請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法で得ることのできるSc Fvフラグメント又はその融合タンパク質を含んでなる新規生産物。 10.請求項9記載の新規生産物において、上記ScFvフラグメントが、下等 真核生物によって十分に発現・分泌される別のScFvフラグメントの可変部フ ラグメントのフレームワーク領域に相補性決定領域(CDR)を移植したものか らなる修飾ScFvフラグメントであることを特徴とする新規生産物。 11.請求項10記載の新規生産物において、上記下等真核生物がアスペルギル ス属のカビであることを特徴とする新規生産物。 12.請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法で生産される生産物又は 請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の新規生産物を含んだ組成物。 13.請求項12記載の組成物において、当該組成物が消費製品であることを特 徴とする組成物。 14.請求項12記載の組成物において、上記ScFvフラグメントが人間の生 態系に存在する化合物を認識する(当該化合物は微生物、酵素その他のタンパク 質であってもよい)ことを特徴とする組成物。 15.請求項14記載の組成物において、上記化合物が口腔に存在するものであ ることを特徴とする組成物。 16.請求項15記載の組成物において、上記化合物が歯垢、虫歯、歯肉炎、歯 周病又は口臭の形成に関与するものであることを特徴とする組成物。 17.請求項14記載の組成物において、上記化合物が人間の皮膚に存在するも のであることを特徴とする組成物。 18.請求項17記載の組成物において、上記化合物が悪臭、炎症又は抜け毛の 形成に関与するものであることを特徴とする組成物。 19.請求項14記載の組成物において、上記化合物がホルモンであって、当該 組成物が診断目的に使用し得ることを特徴とする組成物。 20.請求項19記載の組成物において、上記ホルモンがヒト絨毛性性腺刺激ホ ルモン(HCG)であることを特徴とする組成物。 21.請求項12記載の組成物において、上記ScFvフラグメントが家畜の生 態系に存在する化合物を認識する(当該化合物は、動物用飼料、酵素その他のタ ンパク質、又は病原体であってもよい)ことを特徴とする組成物。 22.請求項12記載の組成物において、上記ScFvフラグメントが病気又は 疾患と肯定的又は否定的な関係をもつ化合物を認識するものであって、検出及び /又はターゲッティングに使用し得るものであることを特徴とする組成物。 23.請求項12記載の組成物において、当該組成物が化学産業、石油産業又は 医薬品産業において触媒として又は検出のために使用することができるものであ ることを特徴とする組成物。 24.形質転換されたカビによってScFvフラグメントを含んでなる融合タン パク質を生産する方法にして、 (a)カビがムーコル属、ノイロスポラ属及びペニシリウム属のうちの1種 であり、かつ (b)カビが、プロモーター配列、ターミネーター配列及びシグナル配列の コードされたDNA配列並びにこれらの機能的誘導体又は類似物からなる群から 選択される少なくとも1つのカビ由来の発現及び/又は分泌調節領域の調節下で ScFvフラグメントのコードされたDNA配列を含んでおり、 生産後の任意段階として上記融合タンパク質からScFvフラグメント部分 を切り離すためのタンパク分解による開裂段階を含んでおり、 所望により、上記カビを、ScFvフラグメントの収量が40mg/l以上 、 好ましくは60mg/l以上、さらに好ましくは90mg/l以上、さらに一段と 好ましくは150mg/l以上となるような条件下で培養することを特徴とする 方法。 25.請求項24記載の方法で得ることのできるScFvフラグメント又はその 融合タンパク質を含んでなる新規生産物。 26.請求項24記載の方法で生産される生産物又は請求項25記載の新規生産 物を含んだ組成物。
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