図1は、FACSを使用したSDF−1競合実験を示す。
図2に、FACSを使用したMab 11G8競合実験を示す。
図3は、原発性腫瘍の切片におけるCXCR7発現の免疫組織化学的分析を示す。
図4は、qPCRによる、頭頸部癌細胞株11B、22A、22B、FaDu、OE、及び93−VU−147におけるCXCR7 mRNAのプロファイリングを示す。
図5は、リガンドCXCL11、CXCL12、ナノボディ09A04、及びネガティブコントロール:無コンペティター(「−」により命名し、全結合(TB)を示している);及びCXCL10(a特異的競合を示している)を用いた、頭頸部癌細胞株11B、22A、22B、FaDu、OE、及び93−VU−147での[125I]−CXCL12競合実験を示す。
図6は、ヌードマウスにおける22A移植片を用いたインビボCXCR7ナノボディ治療を示す:「−」ネガティブコントロール(PBS);ポリペプチドコンストラクトクローン060、クローン083、クローン085、及びクローン093。
図7は、ヌードマウスにおける22A移植片を用いたインビボCXCR7ナノボディ治療を用いた50日間の処置後の腫瘍容積を示す:「−」ネガティブコントロール(PBS);ポリペプチドコンストラクトクローン085及びクローン093。
図8は、2mg/ml HSAの存在における、HEK293T hCXCR7へのSDF−1結合の阻害を示す。
発明の説明
定義:
a)他に示さない又は定義しない限り、使用する全ての用語は、当技術分野におけるそれらの通常の意味を有し、それらは、当業者に明らかであろう。参照が、例えば、WO 08/020079のページ46のパラグラフa)において言及される標準的なハンドブックに作られる。
b)他に示さない限り、用語「免疫グロブリンの単一可変ドメイン」(ISVD)を、一般的な用語として使用し、しかし、限定しないが、抗原結合ドメイン又はフラグメント(例えばVHHドメイン又はVHもしくはVLドメインなど)をそれぞれ含む。用語、抗原結合分子又は抗原結合タンパク質を互換的に使用し、また、用語ナノボディを含む。免疫グロブリンの単一可変ドメインは、さらに、軽鎖可変ドメイン配列(例、VL配列)、又は重鎖可変ドメイン配列(例、VH配列)である;より具体的には、それらは、従来の4鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列又は重鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列でありうる。したがって、免疫グロブリンの単一可変ドメインが、ドメイン抗体(又はドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリン配列)、単一ドメイン抗体(又は単一ドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリン配列)、「dAb」(又はdAbとしての使用のために適している免疫グロブリン配列)、又はナノボディ(しかし、限定しないが、VHH配列を含む)でありうる。本発明は、異なる由来の免疫グロブリン配列を含み、マウス、ラット、ウサギ、ロバ、ヒト、及びラクダ免疫グロブリン配列を含む。免疫グロブリンの単一可変ドメインは、完全にヒト、ヒト化、他に配列最適化又はキメラ免疫グロブリン配列を含む。免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び免疫グロブリンの単一可変ドメインの構造は、しかし、それらに限定されることを伴わず、4つのフレームワーク領域又は「FR」から成ると考えることができるが、それらは、当技術分野において及び本明細書において「フレームワーク領域1」又は「FR1」として;「フレームワーク領域2」又は「FR2」として;「フレームワーク領域3」又は「FR3」として;及び「フレームワーク領域4」又は「FR4」としてそれぞれ言及され;それらのフレームワーク領域は、3つの相補性決定領域又は「CDR」により中断され、それらは、当技術分野において、「相補性決定領域1」又は「CDR1」として;「相補性決定領域2」又は「CDR2」として;及び「相補性決定領域3」又は「CDR3」としてそれぞれ言及される。用語ナノボディ又はナノボディは、Ablynx N.V.の登録商標であり、このように、またナノボディ(登録商標)及び/又はナノボディ(登録商標)として言及されうることが記述されている。
c)他に示さない限り、用語「免疫グロブリン配列」、「配列」「ヌクレオチド配列」、及び「核酸」は、WO 08/020079のページ46のパラグラフb)において記載される通りである。用語ナノボディは、また、WO 08/020079において定義する通りであり、本明細書において記載する通り、一般的に、VHHドメイン(例、ラクダ科において生じる「重鎖だけの」抗体からのVHドメイン)の機能的及び/又は構造的特徴を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメインを指し、そのようなものとして、特に、(天然)VHH、ヒト化VHH又はラクダ化VH(例えばラクダ化ヒトVHなど)でありうる。
d)他に示さない限り、具体的に詳細に記載されていない全ての方法、工程、技術、及びマニピュレーションを実施することができ、それ自体が公知の様式において実施されており、当業者に明かであろう通りである。参照が、例えば、再び、標準的なハンドブック及び本明細書において言及する一般的な背景技術に、ならびに、本明細書において引用するさらなる参考文献に;ならびに、例えば、以下の総説、Presta, Adv. Drug Deliv. Rev. 2006, 58 (5-6):640-56;Levin and Weiss, Mol. Biosyst. 2006, 2(1): 49-57;Irving et al., J. Immunol. Methods, 2001, 248(1-2), 31-45;Schmitz et al., Placenta, 2000, 21 Suppl. A, S106-12, Gonzales et al., Tumour Biol., 2005, 26(1), 31-43に作られ、それらは、タンパク質操作のための技術、例えば親和性成熟及びタンパク質(例えば免疫グロブリンなど)の特異性及び他の所望の特性を改善するための他の技術などを記載する。
e)アミノ酸残基は、標準的な3文字又は1文字アミノ酸コードに従って示されうる。参照が、Ablynx N.V.の国際出願WO 08/020079、表題「Immunoglobulin single variable domains directed against IL-6R and polypeptides comprising the same for the treatment of diseases and disorders associated with Il-6 mediated signalling」のページ48の表A−2に作られる。
f)2つ以上のヌクレオチド配列を比較する目的のために、第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列の間の「配列同一性」のパーセンテージを、WO 08/020079(本明細書において参照により組み入れられる)のページ49のパラグラフe)において記載される通りに算出又は決定してもよく、例えば、[第2ヌクレオチド配列中の対応する位置でヌクレオチドと同一である、第1ヌクレオチド配列中のヌクレオチドの数]を[第1ヌクレオチド配列中のヌクレオチドの総数]により割り、[100%]により乗じることによるなど、ここで、第2ヌクレオチド配列中のヌクレオチドの各々の欠失、挿入、置換、又は付加は、第1ヌクレオチド配列と比較し、単一ヌクレオチド(位置)での違いとして考えられる;あるいは、適したコンピューターアルゴリズム又は技術を使用し、再び、WO 08/020079(本明細書において参照により組み入れられる)のページ49のパラグラフe)において記載される通り。
g)2つ以上の免疫グロブリンの単一可変ドメイン又は他のアミノ酸配列(例えば、本発明のポリペプチドなど)を比較する目的のために、第1アミノ酸配列と第2アミノ酸配列の間の「配列同一性」のパーセンテージ(また、本発明において、「アミノ酸同一性」として言及する)を、WO 08/020079(本明細書において参照により組み入れられる)のページ49及び50のパラグラフf)において記載される通りに算出又は決定してもよく、例えば、[第2アミノ酸配列中の対応する位置でアミノ酸残基と同一である、第1アミノ酸配列中のアミノ酸残基の数]を[第1アミノ酸配列中のアミノ酸の総数]により割り、[100%]により乗じることによる、ここで、第2アミノ酸配列中のアミノ酸残基の各々の欠失、挿入、置換、又は付加は、第1アミノ酸配列と比較し、単一アミノ酸残基(位置)での違いとして、即ち、本明細書において定義する通りの「アミノ酸の違い」として考えられる;あるいは、適したコンピューターアルゴリズム又は技術を使用することによる、再び、WO 08/020079(本明細書において参照により組み入れられる)のページ49及び50のパラグラフf)において記載される通り。
また、2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインの間の配列同一性の程度を決定する際、当業者は、いわゆる「保存的」アミノ酸置換を考慮に入れうる(WO 08/020079のページ50に記載する通り)。
本明細書において記載するポリペプチドに適用される任意のアミノ酸置換は、また、Schulz et al., Principles of Protein Structure, Springer-Verlag, 1978により開発された異なる種の相同タンパク質の間のアミノ酸バリエーションの頻度の分析に、Chou and Fasman, Biochemistry 13: 211, 1974及びAdv. Enzymol., 47: 45-149, 1978により開発された潜在能を形成する構造の分析に、ならびにEisenberg et al., Proc. Natl. Acad Sci. USA 81: 140-144, 1984;Kyte & Doolittle;J Molec. Biol. 157: 105-132, 1981、及びGoldman et al., Ann. Rev. Biophys. Chem. 15: 321-353, 1986により開発されたタンパク質における疎水性パターンの分析に基づきうる(全てが、本明細書において、それらの全体において、参照により組み入れられる)。ナノボディの一次、二次、及び三次構造に関する情報を、本明細書における記載において及び上に引用する一般的な背景技術において与える。また、この目的のために、ラマからのVHHドメインの結晶構造を、例えば、Desmyter et al., Nature Structural Biology, Vol. 3, 9, 803 (1996);Spinelli et al., Natural Structural Biology (1996); 3, 752-757;及びDecanniere et al., Structure, Vol. 7, 4, 361 (1999)により与える。従来のVHドメインにおいて、VH/VL界面及び潜在的なラクダ化置換をこれらの位置で形成するアミノ酸残基の一部に関するさらなる情報を、上に引用する先行技術において見出すことができる。
h)免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び核酸配列は、それらが、それらの全長にわたり100%配列同一性(本明細書において定義する通り)を有する場合、「厳密に同じ」であると言う。
i)2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを比較する場合、用語「アミノ酸の違い」は、第2配列と比較した、第1配列の位置での単一アミノ酸残基の挿入、欠失、又は置換を指す;2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインが、1、2、以上のそのようなアミノ酸の違いを含みうることが理解されている。
j)ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列が、別のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列をそれぞれ「含む」、あるいは、別のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列「から実質的になる」と言う場合、これは、WO 08/020079のページ51−52のパラグラフi)において与えられる意味を有する。
k)用語「実質的に単離された形態において」は、WO 08/020079のページ52及び53のパラグラフj)において、それに与えられる意味を有する。
l)用語「ドメイン」及び「結合ドメイン」は、WO 08/020079のページ53のパラグラフk)において、それに与えられる意味を有する。
m)用語「抗原決定基」及び「エピトープ」は、それらは、また、本明細書において互換的に使用してもよく、WO 08/020079のページ53のパラグラフl)において、それに与えられる意味を有する。
n)WO 08/020079のページ53のパラグラフm)にさらに記載する通り、(特異的に)結合することができ、特定の抗原決定基、エピトープ、抗原、又はタンパク質について(又は、その少なくとも1つの部分、フラグメント、又はエピトープについて)親和性を有する及び/又は特異性を有するアミノ酸配列(例えば抗体、本発明のポリペプチド、又は、一般的に、抗原結合タンパク質もしくはポリペプチド又はそのフラグメントなど)は、前記の抗原決定基、エピトープ、抗原、又はタンパク質に「対する」又は「対して向けられる」と言われる。
o)用語「特異性」は、WO 08/020079のページ53−56のパラグラフn)において、それに与えられる意味を有する;及び、本明細書において言及する通り、特定の抗原結合分子又は抗原結合タンパク質(例えば本発明のポリペプチドなど)分子が結合することができる異なる型の抗原又は抗原決定基の数を指す。抗原結合タンパク質の特異性は、WO 08/020079(本明細書において参照により組み入れられる)のページ53−56に記載される通り、親和性及び/又は結合力に基づいて決定することができ、それは、また、抗原結合分子(例えば、本発明のポリペプチドなど)と関連抗原の間の結合を測定するための一部の好ましい技術を記載する。典型的には、抗原結合タンパク質(例えば本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び/又はポリペプチドなど)は、それらの抗原に、10−5〜10−12モル/リットル以下、及び、好ましくは10−7〜10−12モル/リットル以下、及び、好ましくは10−8〜10−12モル/リットルの解離定数(KD)を伴い(即ち、105〜1012リットル/モル以上、及び、好ましくは107〜1012リットル/モル以上、及び、より好ましくは108〜1012リットル/モルの会合定数(KA)を伴い)結合しうる。104モル/リットル(又は104M-1より低い任意のKA値)リットル/モルより大きい任意のKD値は、一般的に、非特異的な結合を示すと考えられる。好ましくは、本発明の一価免疫グロブリンの単一可変ドメインは、所望の抗原に、親和性500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満などを伴い結合する。抗原又は抗原決定基への抗原結合タンパク質の特異的な結合は、それ自体が公知の任意の適した様式(例えば、スキャッチャード分析及び/又は競合結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、及びサンドイッチ競合アッセイなど)及び当技術分野においてそれ自体が公知のその異なるバリアント;ならびに本明細書において言及する他の技術において決定することができる。当業者に明かであろう通り、及びWO 08/020079のページ53−56に記載される通り、解離定数は、実際の又は見かけ上の解離定数でありうる。解離定数を決定するための方法は、当業者に明らかであろうが、例えば、WO 08/020079のページ53−56に言及される技術を含む。
p)本発明のアミノ酸配列、化合物、又はポリペプチドの半減期は、一般的に、WO 08/020079のページ57のパラグラフo)に記載する通りに定義することができ、本明細書において言及する通り、アミノ酸配列、化合物、又はポリペプチドの血清濃度が、50%だけ、インビボで、例えば、自然の機構による、配列もしくは化合物の分解及び/又は配列もしくは化合物のクリアランスもしくは隔離に起因して低下するために要する時間を指す。本発明のアミノ酸配列、化合物、又はポリペプチドのインビボでの半減期を、それ自体が公知の任意の様式において、例えば薬物動態解析により決定することができる。適した技術が当業者に明らかであろうが、例えば、一般的には、WO 08/020079のページ57のパラグラフo)に記載される通りでありうる。また、WO 08/020079のページ57のパラグラフo)に言及される通り、半減期は、パラメーター、例えばt1/2アルファ、t1/2ベータ、及び曲線下面積(AUC)などを使用して表すことができる。参照が、例えば、下の実験部分に、ならびに、標準的なハンドブック(例えばKenneth, A et al: Chemical Stability of Pharmaceuticals: A Handbook for Pharmacists and Peters et al, Pharmacokinetic analysis: A Practical Approach (1996)など)に作られる。参照が、また、"Pharmacokinetics", M Gibaldi & D Perron, published by Marcel Dekker, 2nd Rev. edition (1982)に作られる。用語「半減期における増加」又は「増加した半減期」は、また、WO 08/020079のページ57のパラグラフo)において定義する通りであり、特に、t1/2ベータにおける増加(t1/2アルファ及び/又はAUCあるいは両方における増加を伴う又は伴わない)を指す。
q)標的又は抗原に関して、標的又は抗原上の用語「相互作用部位」は、リガンド、受容体、又は他の結合パートナーへの結合のための部位である標的又は抗原上のアミノ酸残基の部位、エピトープ、抗原決定基、部分、ドメイン、又はストレッチ、触媒部位、切断部位、アロステリック相互作用のための部位、標的又は抗原の多量体化(例えばホモ二量体化又はヘテロ二量体化など)に含まれる部位;あるいは標的又は抗原の生物学的作用又は機構に含まれる標的又は抗原上のアミノ酸残基の任意の他の部位、エピトープ、抗原決定基、部分、ドメイン、又はストレッチを意味する。より一般的には、「相互作用部位」は、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドが結合することができ、標的又は抗原(及び/又は、標的もしくは抗原が含まれる任意の経路、相互作用、シグナル伝達、生物学的機構、又は生物学的効果)が調節されるようになる(本明細書において定義する通り)標的又は抗原上のアミノ酸残基の任意の部位、エピトープ、抗原決定基、部分、ドメイン、又はストレッチでありうる。
r)免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドは、第1抗原に、前記アミノ酸配列又はポリペプチドが第2標的又はポリペプチドに結合する親和性よりも、少なくとも10倍、例えば少なくとも100倍、及び、好ましくは、少なくとも1000倍、及び、10,000倍以上良い親和性/結合力(上に記載する通りで、KD値、KA値、Koff速度、及び/又はKon速度として適切に表現される)を用いて結合する場合、第2標的又は抗原と比較し、第1標的又は抗原について「特異的」であると言う。例えば、第1抗原は、標的又は抗原に、前記アミノ酸配列又はポリペプチドが第2標的又はポリペプチドに結合するKDよりも、少なくとも10倍少ない、例えば少なくとも100倍少ない、及び、好ましくは、少なくとも1000倍少ない、例えば10.000倍少ない又はそれよりさらに少ないKD値を用いて結合しうる。好ましくは、免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドが、第2標的又は抗原と比較し、第1標的又は抗原に「特異的」である場合、それは、前記の第1標的又は抗原に対して向けられるが(本明細書において定義する通り)、しかし、前記の第2標的又は抗原に対して向けられない。
s)用語「交差遮断する」、「交差遮断された」、及び「交差遮断している」は、本明細書において互換的に使用され、免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドが、所与の標的への本発明の他の免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドのアロステリック調節を通じて、直接的に又は間接的に結合と干渉する能力を意味する。本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドが、標的への別のものの結合と干渉することができる程度は、従って、それが、本発明に従って交差遮断すると言うことができるか否かをと問わず、競合結合アッセイを使用して決定することができる。1つの特定の適した定量的交差遮断アッセイでは、FACS又はELISAベースのアプローチを使用し、本発明に従った標識(例、Hisタグ付き又は放射活性標識)免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドと他の結合薬剤の間の競合を、標的へのそれらの結合に関して測定する。実験部分は、一般的に、結合分子が、本発明に従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドを交差遮断する又は交差遮断することが可能であるかを決定するための適したFACS、ELISA、又は放射リガンド置換ベースのアッセイを記載する。アッセイを、本明細書において記載する免疫グロブリンの単一可変ドメイン又は他の結合薬剤のいずれかと使用することができることが認められるであろう。このように、一般的に、本発明に従った交差遮断するアミノ酸配列又は他の結合薬剤は、例えば、標的に、上の交差遮断アッセイにおいて結合しうるものであり、アッセイの間に、及び本発明の第2アミノ酸配列又は他の結合薬剤の存在において、本発明に従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドの記録された置換が、0.01mM以下の量中に存在しているテストされる潜在的な交差遮断薬剤(交差遮断薬剤は、別の従来のモノクローナル抗体、例えばIgG、古典的な一価抗体フラグメント(Fab、scFv)などでありうる)及び操作バリアント(ダイアボディ、トリアボディ、ミニボディ、VHH、dAb、VH、VL)により、最大の理論的置換(例、交差遮断する必要がある、コールド(例、非標識)免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドによる置換)の60%と100%の間(例、ELISA/放射リガンドベースの競合アッセイにおいて)又は80%と100%の間(例、FACSベースの競合アッセイにおいて)にあるようにする。
t)アミノ酸配列(例えば、本発明に従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドなど)は、2つの異なる抗原又は抗原決定基(例えば哺乳動物の2つの異なる種からの血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン及びカニクイザル血清アルブミンなど)について「交差反応性」であると言う(それが、これらの異なる抗原又は抗原決定基の両方について特異的(本明細書において定義する通り)である場合)。
u)WO 08/020079(本明細書において参照により組み入れられる)のページ58及び59のパラグラフq)においてさらに記載される通り、免疫グロブリンの単一可変ドメインのアミノ酸残基が、Kabat et al.("Sequence of proteins of immunological interest", US Public Health Services, NIH Bethesda, MD, Publication No. 91)により与えられるVHドメインについての一般的なナンバリングに従ってナンバリングされ、Riechmann and Muyldermans, J. Immunol. Methods 2000 Jun 23; 240 (1-2): 185-195の文献においてラクダ科からのVHHドメインに適用される通りであり、したがって、免疫グロブリンの単一可変ドメインのFR1は、位置1〜30のアミノ酸残基を含み、免疫グロブリンの単一可変ドメインのCDR1は、位置31〜35のアミノ酸残基を含み、免疫グロブリンの単一可変ドメインのFR2は、位置36〜49のアミノ酸残基を含み、免疫グロブリンの単一可変ドメインのCDR2は、位置50〜65のアミノ酸残基を含み、免疫グロブリンの単一可変ドメインのFR3は、位置66〜94のアミノ酸残基を含み、免疫グロブリンの単一可変ドメインのCDR3は、位置95〜102のアミノ酸残基を含み、及び、免疫グロブリンの単一可変ドメインのFR4は、位置103〜113のアミノ酸残基を含む。
v)図、配列リスト、及び実験部分/実施例は、本発明をさらに例示するためだけに与え、本明細書において他に明らかに示されない限り、本発明の及び/又は添付の請求項の範囲を任意の方法で限定しているとして解釈又は理解すべきではない。
1. 本発明のポリペプチド及びその使用
1.1. 抗CXCR7ビルディングブロック
本発明のポリペプチドを、一般的に、使用し、CXCL12(及び/又はCXCL11)及び特にヒトCXCL12(NM_000609)ならびに/あるいは特にヒトCXCL11(U66096)へのCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)の結合を調節、ならびに、特に、阻害及び/又は防止し、このように、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)ならびに/あるいはCXCL12(及び/又はCXCL11)及び特にヒトCXCL12(NM_000609)ならびに/あるいは特にヒトCXCL11(U66096)により媒介されるシグナル伝達を調節、ならびに、特に、阻害又は防止し、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)ならびに/あるいはCXCL12(及び/又はCXCL11)及び特にヒトCXCL12(NM_000609)ならびに/あるいは特にヒトCXCL11(U66096)が関与する生物学的経路を調節し、ならびに/あるいは、そのようなシグナル伝達又はこれらの経路に関連する生物学的な機構、応答、及び効果を調節する。
そのようなものとして、本発明のポリペプチド及び組成物を、本発明の疾患及び障害(本明細書において、また、「本発明の疾患及び障害」)の診断、防止、及び処置のために使用することができ、しかし、限定されないが、癌、例えば、癌腫、神経膠腫、中皮腫、メラノーマ、リンパ腫、白血病、腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、神経膠芽腫、白血病、リンパ腫、前立腺癌、及びバーキットリンパ腫、頭頸部癌、結腸癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、食道の癌、胃癌、膵臓癌、肝胆道癌、胆嚢癌、小腸の癌、直腸癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、陰茎癌、尿道癌、精巣癌、子宮頚癌、膣癌、子宮癌、卵巣癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、膵臓内分泌癌癌、カルチノイド癌、骨癌、皮膚癌、網膜芽細胞腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、多中心性キャッスルマン病又はAIDS関連原発性滲出リンパ腫、神経外胚葉性腫瘍、横紋筋肉腫(追加の癌については、Cancer, Principles and practice (DeVita, V.T. et al. eds 1997)を参照のこと);好ましくは、頭頸部癌、ならびに脳及び神経機能障害、例えばアルツハイマー病及び多発性硬化症など;腎不全、腎同種移植片拒絶;鼻ポリープ;慢性関節リウマチ;心臓の同種移植片拒絶;心機能不全;アテローム性動脈硬化症;喘息;糸球体腎炎;接触性皮膚炎;炎症性腸疾患;炎症性大腸疾患;乾癬;再灌流傷害;ならびに本明細書に記載する他の障害及び疾患を含む。特に、本発明のポリペプチド及び組成物は、CXCR7媒介性転移、走化性、細胞接着、経内皮移動、細胞増殖、及び/又は生存を含む疾患の診断、防止、及び処置のために使用することができる。
一般的に、前記「本発明の疾患及び障害」は、それを必要とする被験者(即ち、疾患もしくは障害又はその少なくとも1つの症状を有する及び/又は疾患もしくは障害を誘引又は発生するリスクのある)に、本発明のポリペプチド又は組成物のいずれかの(及び、特に、その医薬的に活性な量の)ならびに/あるいはCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)又はCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)が含まれる生物学的経路又は機構に対して活性である公知の活性成分の(及び、特に、その医薬的に活性な量の)適した投与により、それぞれ、診断、防止、及び/又は処置することができる疾患及び障害として定義することができる。
特に、本発明のポリペプチドは、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)により媒介される過剰な及び/又は不要なCXCL12及び特にヒトCXCL12シグナル伝達により、あるいはCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)が関与する経路(例、CXCL11/I−TAC−CXCR7軸)により特徴付けられる本発明の疾患及び障害の診断、防止、及び処置のために使用することができる。本発明のそのような疾患及び障害の例は、再び、本明細書における開示に基づき、当業者に明らかであろう。
このように、それに限定されることを伴わず、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドを、例えば、使用し、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)媒介性シグナル伝達(例えば本明細書において引用する先行技術において言及されるものなど)を調節することができる活性成分を用いて、現在、診断、防止、又は処置されている全ての疾患及び障害を診断、防止、及び/又は処置することができる。また、本発明のポリペプチドを使用し、全ての疾患及び障害(それらのために、そのような活性成分を用いた処置が、現在、開発されている、提案されてきた、又は、将来、提案又は開発されるであろう)を診断、防止、及び/又は処置することができることが想定される。また、本明細書においてさらに記載する通りのそれらの有利な特性のため、本発明のポリペプチドが、これらの公知の活性成分が使用されている又は提案もしくは開発されるであろうもの以外の他の疾患及び障害の診断、防止、及び処置のために使用されうること;及び/又は、本発明のポリペプチドが、本明細書において記載する疾患及び障害を処置するための新たな方法及びレジメンを提供しうることが想定される。
本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドの他の適用及び使用は、本明細書におけるさらなる開示から、当業者に明らかになるであろう。
一般的に、本発明の疾患及び/又は障害の診断、防止、及び/又は処置において使用することができる、薬理学的に活性な薬剤、ならびに同を含む組成物を提供すること;そのような薬剤及び組成物の投与及び/又は使用を含む、そのような疾患及び障害の診断、防止、及び/又は処置のための方法を提供することが、本発明の目的である。
特に、当技術分野において現在使用されている及び/又は公知である薬剤、組成物、及び/又は方法と比較し、特定の利点を有するそのような薬理学的に活性な薬剤、組成物、及び/又は方法を提供することが本発明の目的である。これらの利点は、下のさらなる記載から明らかになるであろう。
さらに特に、本発明の疾患及び/又は障害の、ならびに本明細書において言及するさらなる疾患及び障害の診断、防止、及び/又は処置のための薬理学的に活性な薬剤、ならびに同を含む組成物として使用することができる治療的タンパク質を提供すること;ならびに、そのような治療的タンパク質及び組成物の投与及び/又は使用を含むそのような疾患及び障害の診断、防止、及び/又は処置のための方法を提供することが本発明の目的である。
したがって、CXCR7に対して、特に、温血動物からのCXCR7、さらに特に哺乳動物(例えばマウスなど)からのCXCR7に対して、特に、ヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられている免疫グロブリンの単一可変ドメインを提供すること;ならびに、少なくとも1つのそのような免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む又はそれから実質的になるタンパク質及びポリペプチドを提供することが本発明の特定の目的である。
特に、温血動物、特に哺乳動物、さらに特にヒトにおける予防的、治療的、及び/又は診断的使用のために適しているそのような免疫グロブリンの単一可変ドメインならびにそのようなタンパク質及び/又はポリペプチドを提供することが、本発明の特定の目的である。
さらに特に、CXCR7に関連する及び/又はCXCR7により媒介される1つ又は複数の疾患、障害、又は状態(例えば、本明細書において言及する疾患、障害、及び状態など)の防止、処置、軽減、及び/又は診断のために、温血動物において、特に哺乳動物において、さらに特にヒトにおいて使用することができるそのような免疫グロブリンの単一可変ドメインならびにそのようなタンパク質及び/又はポリペプチドを提供することが、本発明の特定の目的である。
また、CXCR7に関連する及び/又は媒介される1つ又は複数の疾患、障害、又は状態(例えば、本明細書において言及する疾患、障害、及び状態など)の防止及び/又は処置のために、温血動物において、特に哺乳動物において、さらに特にヒトにおいて医薬的又は獣医学的組成物の調製物中で使用することができるそのような免疫グロブリンの単一可変ドメインならびにそのようなタンパク質及び/又はポリペプチドを提供することが、本発明の特定の目的である。
本発明において、一般的に、これらの目的は、本明細書において記載する、免疫グロブリンの単一可変ドメイン、タンパク質、ポリペプチド、及び組成物の使用により達成される。
一般的に、本発明は、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられる(本明細書において定義する通り)及び/又はそれに特異的に結合することができる(本明細書において定義する通り)免疫グロブリンの単一可変ドメイン;ならびに、少なくとも1つのそのようなアミノ酸配列を含む、化合物及びコンストラクト、ならびに、特に、タンパク質及びポリペプチドを提供する。
さらに特に、本発明は、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、本明細書において定義する通りである親和性(KD値(実際の又は見かけ上の)、KA値(実際の又は見かけ上の)、Kon速度及び/又はKoff速度として、あるいはIC50値として適切に測定される及び/又は表され、本明細書においてさらに記載する通り)を用いて結合することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチド;ならびに、少なくとも1つのそのようなアミノ酸配列を含む、化合物及びコンストラクト、ならびに、特に、タンパク質及びポリペプチドを提供する。
特定の局面において、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び/又はポリペプチドは、それらは:
− ヒトCXCR7(配列番号1)に、100nMより低い、より好ましくは50nMより低い、さらにより好ましくは20nMより低い、最も好ましくは10nMより低いEC50を伴い、結合FACSアッセイにおいて、例えば、実験部分(実施例8)において記載する通りに結合し、ここで、ポリペプチドは、1つだけのヒトCXCR7結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン単位を含む;
及び/又は、それらは:
− ヒトCXCL12(SDF−1)を、ヒトCXCR7(配列番号1)から、100nM以下の平均Ki値で、より好ましくは20nM以下の平均Ki値で、さらにより好ましくは10nM以下の平均Ki値で、アッセイにおいて、例えば、実験部分(実施例9及び10)に記載する通りに、完全に置換し、ここで、ポリペプチドは、1つだけのヒトCXCR7結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン単位を含み、ここで、完全置換は、約60%〜80%及びそれ以上の平均CXCL12置換を意味し(実施例9のリガンド置換アッセイに従って測定した場合)、又は、ここで、完全置換は、約80%〜100%及びそれ以上の平均CXCL12置換を意味し(実施例10のFACSベースの競合アッセイに従って測定した場合);
及び/又は、それらは:
− ヒトCXCL11(I−TAC)を、ヒトCXCR7(配列番号1)から、1000nM以下の平均Ki値で、より好ましくは平均Ki値500nM以下で、さらにより好ましくは平均Ki値100nM以下で、さらにより好ましくは20nM以下の平均Ki値で、さらにより好ましくは10nM以下の平均Ki値で、アッセイにおいて、例えば、実験部分(実施例9及び10)に記載する通りに、完全に置換し、ここで、ポリペプチドは、1つだけのヒトCXCR7結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン単位を含み、ここで、完全置換は、約60%〜80%及びそれ以上の平均CXCL11置換を意味し(実施例9のリガンド置換アッセイに従って測定した場合)、又は、ここで、完全置換は、約80%〜100%及びそれ以上の平均CXCL12置換を意味し(実施例10のFACSベースの競合アッセイに従って測定した場合);
及び/又は、それらは:
− ヒトCXCL12(SDF−1)を、ヒトCXCR7(配列番号1)から、100nM以下の平均Ki値で、より好ましくは20nM以下の平均Ki値で、さらにより好ましくは10nM以下の平均Ki値で、アッセイにおいて、例えば、実験部分(実施例9及び10)に記載する通りに、部分的に置換し、ここで、ポリペプチドは、1つだけのヒトCXCR7結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン単位を含み、ここで、部分的置換は、約40%〜60%の平均CXCL12置換を意味し(実施例9のリガンド置換アッセイに従って測定した場合)、又は、ここで、部分的置換は、約50%〜80%の平均CXCL12置換を意味し(実施例10のFACSベースの競合アッセイに従って測定した場合);
及び/又は、それらは:
− ヒトCXCL11(I−TAC)を、ヒトCXCR7(配列番号1)から、1000nM以下の平均Ki値で、より好ましくは平均Ki値500nM以下で、さらにより好ましくは平均Ki値100nM以下で、さらにより好ましくは20nM以下の平均Ki値で、さらにより好ましくは10nM以下の平均Ki値で、アッセイにおいて、例えば、実験部分(実施例9及び10)に記載する通りに、部分的に置換し、ここで、ポリペプチドは、1つだけのヒトCXCR7結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン単位を含み、ここで、部分的置換は、約40%〜60%の平均CXCL11置換を意味し(実施例9のリガンド置換アッセイに従って測定した場合)、又は、ここで、部分的置換は、約50%〜80%の平均CXCL12置換を意味し(実施例10のFACSベースの競合アッセイに従って測定した場合);
及び/又は、それらは:
− ヒトCXCR7(配列番号1)に、100nM以下の平均Kd値を伴い、より好ましくは50nM以下の平均Kd値で、さらにより好ましくは40nM以下、例えば30未満、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、3nM以下など、例えば1nM未満など、あるいは、最も好ましくはさらに0.1nM未満の平均Kd値で結合する。
(ヒト)CXCR7への本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び/又はポリペプチドの結合は、本明細書において記載する通り、(ヒト)CXCR7からの(ヒト)CXCL11及び/又はCXCL12の置換をもたらしうることが認められるはずである。(ヒト)CXCR7への本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び/又はポリペプチドの結合は、本明細書において記載する通り、その同族受容体、例えば(ヒト)CXCR7などへの(ヒト)CXCR11及び/又はCXCR12の結合の阻害をもたらしうることがさらに認められるはずである。
既に言及した通り、一部の特定の、しかし、非限定的な局面(本明細書においてより詳細に記載する)において、本発明は以下を提供する:
CXCR7に対して向けられている(本明細書において定義する通り)及びリガンド結合を阻害又は遮断(完全に又は部分的に、本明細書においてさらに記載する通り)すること、ならびに、特に、CXCR7へのSDF−1の結合(本明細書においてさらに記載する通り)を阻害又は遮断(完全に又は部分的に、本明細書においてさらに記載する通り)することが可能であるアミノ酸配列。これらのアミノ酸配列は、また、本明細書において、「CXCR−7結合アミノ酸配列」又は「CXCR7結合ブロック」として言及される。好ましくは、これらのCXCR7結合アミノ酸配列はISVD(本明細書において記載する通り)であり、その場合において、それらは、また、「CXCR7結合ISVD」として言及される。好ましくは、任意のCXCR7結合アミノ酸配列、CXCR7結合ビルディングブロック、又はCXCR7結合ISVDは、それらが、遮断活性を有する、即ち、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断するようにし、それは、当業者に公知の任意の適したアッセイにより、、例えばAlphascreenアッセイにより又はFACS競合アッセイ(例、本明細書において記載する通り)により決定することができる。好ましくは、遮断活性を、実施例9に記載する通り、FACS競合アッセイにより決定する。好ましくは、ISVDは、NIH3T3−hCXCR7細胞において、CXCR7への遮断又は競合SDF−1結合の遮断活性又は競合能力を有し、600nM未満、しかし、好ましくは、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM又はさらにそれより低い平均Kiを伴う。
− 例えば、01C10様ISVDは、このアッセイにおいて遮断活性又は競合能力を有し、100nM未満、より好ましくは75nM、50nM未満、又はさらにそれより低く、例えば40nM又は30nM、25nM又は24nM未満など、あるいはさらにより好ましくは22nM未満の平均Kiを伴う。
− 例えば、14G03様ISVDは、このアッセイにおいて遮断活性又は競合能力を有し、150nM未満、より好ましくは100nM、90nM、80nM未満、又はさらにそれより低く、例えば70nM又は60nM、50nM又は40nM、30nM、20nM、15nM又は10nM、5nM、あるいはさらにより好ましくは4nM未満の平均Kiを伴う。
1つの特定の、しかし、非限定的な局面において、「CXCR−7結合アミノ酸配列」又は「CXCR7結合ブロック」(の一部)は、それらが、βアレスチン動員を阻害又は遮断することが可能であるようになりうる(及び、好ましくは、また、そうなる)。好ましくは、任意のCXCR7結合アミノ酸配列、CXCR7結合ビルディングブロック、又はCXCR7結合ISVDは、それらが遮断活性を有するようにするが(即ち、SDF−1媒介性CXCR7シグナル伝達を部分的に又は完全に遮断又は阻害する)、それは、当業者に公知の任意の適したアッセイにより(例えば、任意の適したβアレスチン動員アッセイにより)、本明細書において記載する通りに決定することができる。
好ましくは、遮断活性又は阻害能力は、実施例15において記載する通り、βアレスチンアッセイにより決定する。好ましくは、ISVDは、PathHunter eXpress βアレスチンアッセイ(DiscoverX)においてリガンド(例、SDF−1)誘導性βアレスチンの遮断活性又は阻害能力を有し、25%を上回る、30%を上回る、しかし、好ましくは、40%、50%、60%、70%、80%又はさらにそれ以上のβアレスチン動員の%阻害を伴う。
− 例えば、14G03様ISVDは、遮断活性又は阻害能力をこのアッセイにおいて有し、50%を上回る、より好ましくは60%を上回る、70%又はさらにそれを上回る、例えば75%又は80%を上回るなど、85%又はさらにそれを上回る、好ましくは90%を上回る%阻害を伴う。
CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)への本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドの結合、置換、移動、あるいは他のインビボ及び/又はインビトロでの効力についての一部の好ましい技術的値は、本明細書におけるさらなる記載及び実施例から明らかになるであろう。
また、本記載及び請求項において、以下の用語を、以下の通りに定義する:
A)01C10様配列:「01C10様配列」、「01C10様ISVD」、「01C10様ビルディングブロック」又は「グループ1 ISVD」を、以下を含むISVD(本明細書において記載される通り)として定義する:
a)(i)アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)又は(ii)アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)とわずか3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかを含む又はそれから実質的になるCDR1;及び/又は
b)(i)アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)又は(ii)アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、又は95%を上回る配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(iii)アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)とわずか7、6、5、4、3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR2;及び/又は
c)(i)アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)又は(ii)アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、又は95%を上回る配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(iii)アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)とわずか7、6、5、4、3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR3;
ここで、そのようなISVD中に存在するフレームワーク配列は、本明細書においてさらに記載する通りであり、ここで、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、01C10様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのCXCL11及び/又はCXCL12結合を部分的に又は完全に遮断する(上に記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
また、本明細書において言及する通り、01C10様配列(の一部)が、それらが、SDF−1結合(実施例9及び10を参照のこと)を、例えば、実施例10において使用する置換アッセイにおいて、阻害、遮断、又は置換することが可能であるようにしうる(及び、好ましくは、また、そうである)。好ましくは、そのような01C10様配列において、CDR1及びCDR2は、それぞれa)及びb)の下に定義される通りであり;又は、CDR1及びCDR3は、それぞれa)及びc)の下に定義される通りであり;又は、CDR2及びCDR3は、それぞれb)及びc)の下に定義される通りである。より好ましくは、そのような01C10様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、全て、それぞれa)、b)、及びc)の下に定義される通りである。再び、そのような01C10様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、01C10様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
例えば、そのような01C10様配列において:CDR1が、アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)(それぞれb)及びc)の下に定義される通りであるCDR2及びCDR3を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる;及び/又は、CDR2が、アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)(それぞれa)及びc)の下に定義される通りであるCDR1及びCDR3を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる;及び/又は、CDR3が、アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)(それぞれa)及びb)の下に定義される通りであるCDR1及びCDR2を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる。特に、01C10様配列がこの局面に従う場合:CDR1が、アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)を含みうる又はそれから実質的になりうる、及び、CDR2が、アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)(上のc)の下に定義される通りであるCDR3を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる;及び/又は、CDR1が、アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)を含みうる又はそれから実質的になりうる、及び、CDR3が、アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)(上の(b)の下に定義される通りであるCDR2を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる;及び/又は、CDR2が、アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)を含みうる又はそれから実質的になりうる、及び、CDR3が、アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)(上のa)の下に定義される通りであるCDR1を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる。再び、そのような01C10様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、01C10様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。具体的に好ましい局面において、「01C10様配列」、「01C10様ISVD」、「01C10様ビルディングブロック」、又は「グループ1 ISVD」は、以下を含むISVDである:
d)(i)アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)又は(ii)アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)とわずか3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR1;及び/又は
e)(i)アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)又は(ii)アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、又は95%を上回る配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(iii)アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)とわずか7、6、5、4、3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR2;及び/又は
f)(i)アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)又は(ii)アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、又は95%を上回る配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(iii)アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)とわずか7、6、5、4、3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR3;ここで、そのようなISVD中に存在するフレームワーク配列は、本明細書においてさらに記載する通りであり、ここで、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、01C10様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。好ましくは、この具体的に好ましい局面に従った01C10様配列において、CDR1及びCDR2は、それぞれ、d)及びe)の下で定義され;又は、CDR1及びCDR3は、それぞれ、d)及びf)の下で定義され;又は、CDR2及びCDR3は、それぞれ、e)及びf)の下で定義される。より好ましくは、そのような01C10様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、全て、それぞれ、d)、e)、及びf)の下で定義される。再び、そのような01C10様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、01C10様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
例えば、この具体的に好ましい局面に従った01C10様配列において:CDR1が、アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)(それぞれe)及びf)の下に定義される通りであるCDR2及びCDR3を伴う)であり;及び/又は、CDR2が、アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)(それぞれd)及びf)の下に定義される通りであるCDR1及びCDR3を伴う)であり;及び/又は、CDR3が、アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)(それぞれd)及びe)の下に定義される通りであるCDR1及びCDR2を伴う)である。特に、01C10様配列が、この局面に従っている場合:CDR1が、アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)であり、及び、CDR2が、アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)(上のf)の下に定義される通りであるCDR3を伴う)であり;及び/又は、CDR1が、アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)であり、及び、CDR3が、アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)(上のe)の下に定義される通りであるCDR2を伴う)であり;及び/又は、CDR2が、アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)であり、及び、CDR3が、アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)(上のd)の下に定義される通りであるCDR1を伴う)である。再び、そのような01C10様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、01C10様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
特に好ましい01C10様配列:CDR1が、アミノ酸配列NYAMG(配列番号93)であり、CDR2が、アミノ酸配列AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)であり;及び、CDR3が、アミノ酸配列QLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)である。
このパラグラフA)に記載する全ての01C10様配列において、フレームワーク配列が、さらに、本明細書において記載されうる。好ましくは、フレームワーク配列は、フレームワーク配列が、01C10のフレームワーク配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、例えば少なくとも95%などの配列同一性を有するようにする(それは、例えば、01C10の配列と所与の配列の配列同一性の全体の程度を決定することにより決定することができ、算出においてCDRを無視する)。再び、所与の配列中に存在するCDR及びフレームワークの組み合わせは、好ましくは、結果としての01C10様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
1つの特定の局面において、01C10様配列は、アミノ酸配列01C10(配列番号91)と少なくとも70%、例えば少なくとも80%など、例えば、少なくとも85%、例えば少なくとも90%など、又は95%を上回る配列同一性を有するISVDである。例えば、この局面に従った01C10様配列において、CDRは、上に記載する具体的に好ましい局面に従いうるが、特に(しかし、限定を伴わず)、NYAMG(配列番号93)(CDR1);AITPRAFTTYYADSVKG(配列番号95)(CDR2);及びQLVGSGSNLGRQESYAY(配列番号97)(CDR3)でありうる。再び、好ましくは、そのような01C10様ISVD中に存在するCDR及びフレームワークの組み合わせは、好ましくは、結果としての01C10様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。1つの特別な局面において、任意の01C10様配列は、本明細書においてさらに記載する通り、ヒト化及び/又は配列最適化されうる。
B)14G03様配列:「14G03様配列」、「14G03様ISVD」、「14G03様ビルディングブロック」又は「グループ2 ISVD」を、以下を含むISVD(本明細書において記載される通り)として定義する:
a)(i)アミノ酸配列INYMG(配列番号13)又は(ii)アミノ酸配列INYMG(配列番号13)とわずか3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかを含む又はそれから実質的になるCDR1;及び/又は
b)(i)アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)又は(ii)アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、又は95%を上回る配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(iii)アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)とわずか7、6、5、4、3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR2;及び/又は
c)(i)アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)又は(ii)アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、又は95%を上回る配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(iii)アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)とわずか7、6、5、4、3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR3;
ここで、そのようなISVD中に存在するフレームワーク配列は、本明細書においてさらに記載する通りであり、ここで、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、14G03様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのCXCL11及び/又はCXCL12結合を部分的に又は完全に遮断する(上に記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはβアレスチン動員を阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
また、本明細書において言及する通り、14G03様配列(の一部)が、それらが、SDF−1結合(実施例9及び10を参照のこと)を、例えば、実施例10において使用する置換アッセイにおいて、阻害、遮断、又は置換することが可能であるようにしうる(及び、好ましくは、また、そうである)。好ましくは、そのような14G03様配列において、CDR1及びCDR2は、それぞれa)及びb)の下に定義される通りであり;又は、CDR1及びCDR3は、それぞれa)及びc)の下に定義される通りであり;又は、CDR2及びCDR3は、それぞれb)及びc)の下に定義される通りである。より好ましくは、そのような14G03様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、全て、それぞれa)、b)、及びc)の下に定義される通りである。再び、そのような14G03様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、14G03様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
例えば、そのような14G03様配列において:CDR1が、アミノ酸配列INYMG(配列番号13)(それぞれb)及びc)の下に定義される通りであるCDR2及びCDR3を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる;及び/又は、CDR2が、アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)(それぞれa)及びc)の下に定義される通りであるCDR1及びCDR3を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる;及び/又は、CDR3が、アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)(それぞれa)及びb)の下に定義される通りであるCDR1及びCDR2を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる。特に、14G03様配列がこの局面に従う場合:CDR1が、アミノ酸配列INYMG(配列番号13)を含みうる又はそれから実質的になりうる、及び、CDR2が、アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)(上のc)の下に定義される通りであるCDR3を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる;及び/又は、CDR1が、アミノ酸配列INYMG(配列番号13)を含みうる又はそれから実質的になりうる、及び、CDR3が、アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)(上の(b)の下に定義される通りであるCDR2を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる;及び/又は、CDR2が、アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)を含みうる又はそれから実質的になりうる、及び、CDR3が、アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)(上のa)の下に定義される通りであるCDR1を伴う)を含みうる又はそれから実質的になりうる。再び、そのような14G03様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、14G03様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
具体的に好ましい局面において、「14G03様配列」、「14G03様ISVD」、「14G03様ビルディングブロック」、又は「グループ2 ISVD」は、以下を含むISVDである:
d)(i)アミノ酸配列INYMG(配列番号13)又は(ii)アミノ酸配列INYMG(配列番号13)とわずか3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR1;及び/又は
e)(i)アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)又は(ii)アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%又は95%を上回る配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(iii)アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)とわずか7、6、5、4、3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR2;及び/又は
f)(i)アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)又は(ii)アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、又は95%を上回る配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(iii)アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)とわずか7、6、5、4、3、2、又は1アミノ酸の違い(本明細書において定義する通り)を有するアミノ酸配列のいずれかであるCDR3;
ここで、そのようなISVD中に存在するフレームワーク配列は、本明細書においてさらに記載する通りであり、ここで、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、14G03様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはβアレスチン動員を阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。好ましくは、この具体的に好ましい局面に従った14G03様配列において、CDR1及びCDR2は、それぞれd)及びe)の下に定義される通りであり;又は、CDR1及びCDR3は、それぞれd)及びf)の下に定義される通りであり;又は、CDR2及びCDR3は、それぞれe)及びf)の下に定義される通りである。より好ましくは、そのような14G03様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、全て、それぞれd)、e)、及びf)の下に定義される通りである。再び、そのような14G03様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、14G03様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
例えば、この具体的に好ましい局面に従った14G03様配列において:CDR1が、アミノ酸配列INYMG(配列番号13)(それぞれe)及びf)の下に定義される通りであるCDR2及びCDR3を伴う)であり;及び/又は、CDR2が、アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)(それぞれd)及びf)の下に定義される通りであるCDR1及びCDR3を伴う)であり;及び/又は、CDR3が、アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)(それぞれd)及びe)の下に定義される通りであるCDR1及びCDR2を伴う)である。特に、14G03様配列が、この局面に従っている場合:CDR1が、アミノ酸配列INYMG(配列番号13)であり、及び、CDR2が、アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)(上のf)の下に定義される通りであるCDR3を伴う)であり;及び/又は、CDR1が、アミノ酸配列INYMG(配列番号13)であり、及び、CDR3が、アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)(上のe)の下に定義される通りであるCDR2を伴う)であり;及び/又は、CDR2が、アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)であり、及び、CDR3が、アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)(上のd)の下に定義される通りであるCDR1を伴う)である。再び、そのような14G03様配列において、CDR1、CDR2、及びCDR3は、好ましくは、14G03様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断する(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおいて腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する(全て、本明細書において記載する通り)。
特に好ましい14G03様配列において:CDR1が、アミノ酸配列INYMG(配列番号13)であり、CDR2が、アミノ酸配列TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)であり;及び、CDR3が、アミノ酸配列GGTLYDRRRFES(配列番号33)である。
このパラグラフA)に記載される全ての14G03様配列において、フレームワーク配列は、本明細書においてさらに記載される通りでありうる。好ましくは、フレームワーク配列は、フレームワーク配列が、14G03のフレームワーク配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%など、例えば、少なくとも90%、例えば少なくとも95%などの配列同一性を有するようにする(それは、例えば、所与の配列と、14G03の配列との配列同一性の全体の程度を決定することにより決定することができ、算出においてCDRは無視する)。再び、所与の配列中に存在するCDR及びフレームワークの組み合わせは、好ましくは、結果としての14G03様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断し(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおける腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはβアレスチン動員を阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識するようにする(全てが本明細書において記載する通り)。
1つの特定の局面において、14G03様配列は、アミノ酸配列14G03(配列番号43)と少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、又は95%を上回る配列同一性を有するISVDである。例えば、この局面に従った14G03様配列において、CDRは、上に記載する具体的に好ましい局面に従いうる、特に(しかし、限定を伴わず)、INYMG(配列番号13)(CDR1);TLTSGGSTNYAGSVKG(配列番号23)(CDR2);及びGGTLYDRRRFES(配列番号33)(CDR3)でありうる。再び、好ましくは、そのような14G03様ISVD中に存在するCDR及びフレームワークの組み合わせは、好ましくは、結果としての14G03様ISVDが遮断活性を有する、例えば、CXCR7へのSDF−1結合を部分的に又は完全に遮断し(本明細書において記載する通り)、ならびに/あるいは異種移植片モデルにおける腫瘍形成を低下及び/又は阻害し、ならびに/あるいはβアレスチン動員を阻害し、ならびに/あるいはCXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識するようにする(全てが本明細書において記載する通り)。1つの特別な局面において、任意の14G03様配列は、本明細書においてさらに記載する通り、ヒト化及び/又は配列最適化されうる。
CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)への結合のために、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドは、通常、そのアミノ酸配列内に、1つ又は複数のアミノ酸残基あるいはアミノ酸残基の1つ又は複数のストレッチ(即ち、互いに隣接している又は互いに近接近している、即ち、アミノ酸配列の一次又は三次構造において、2つ又はアミノ酸残基を含む各々の「ストレット」を伴う)を含み、それを介して、本発明のアミノ酸配列は、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合することができ、そのアミノ酸残基又はアミノ酸残基のストレッチは、このように、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合するための「部位」を形成する(また、本明細書において、「抗原結合部位」として言及する)。
本発明により提供された免疫グロブリンの単一可変ドメインは、好ましくは、実質的に単離された形態(本明細書において定義する通り)にあり、又は、本発明のタンパク質又はポリペプチドの部分を形成し(本明細書において定義する通り)、それは、本発明の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインを含みうる又はそれから実質的になりうる、及び、それは、場合により、1つ又は複数のさらなる免疫グロブリンの単一可変ドメイン(全てが、場合により、1つ又は複数の適したリンカーを介して連結される)、及び/又は1つ又は複数のさらなる結合ドメイン、結合単位、アミノ酸配列、又は他の(官能)基もしくは部分を含みうるが、それらは、好ましくは、また、1つ又は複数の所望の特性をコンストラクトに付与する(同の一部の非限定的な例が、本明細書におけるさらなる記載から明らかになるであろう)。
本発明により提供されるポリペプチド又は免疫グロブリンの可変ドメインは、優先的に、腫瘍形成をインビボで低下させる。
さらなる好ましい実施態様において、本発明は、CXCR7に対する少なくとも2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むコンストラクトを提供する。より好ましくは、CXCR7に対する前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインは、以下の表B−2に関するセクション1.5において定義する通り、CXCR7に対するポリペプチド及び免疫グロブリンの単一可変ドメインのバリアントより選択され(例、グループ2の免疫グロブリンの単一可変ドメイン)、ここで、CXCR7に対する前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインは、同じ又は異なりうる。好ましくは、CXCR7に対する前記の2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインが、14G03様ISVD(例えば14G03、08A05、08A10、07C03、及び07B11など)から選ばれる。別のさらに好ましい実施態様において、本発明は、CXCR7に対する少なくとも2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むコンストラクトを提供し、以下の表B−2(例、グループ1の免疫グロブリンの単一可変ドメイン)に関して、セクション1.5において定義する通り、CXCR7に対するポリペプチド及び免疫グロブリンの単一可変ドメインのバリアントより選択され、ここで、CXCR7に対する前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインは同じ又は異なりうる。好ましくは、CXCR7に対する前記の2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインは、01C10(配列番号91)、01B12(配列番号100)、01F11(配列番号101)、又は01B10(配列番号102)より選ばれる。
少なくとも1つのグループ1の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び少なくとも1つのグループ2のISVDを含む二特異的コンストラクトが、腫瘍成長をインビボで低下させるために特に適していることが、予想外に実証されている。特に、これらのコンストラクトが、CXCR7へのSDF−1結合を阻害し、腫瘍成長をインビボで阻害し、ならびにβアレスチン動員を阻害することが示されてきた。さらに、グループ2のISDVの結合有効性の観点から、例えば、SDF−1置換により特徴付けられる通り、少なくとも1つのグループ1のISVD及び少なくとも1つのグループ2のISVDを含むこれらのコンストラクトが、標的により良く結合する(例、実施例17を参照のこと)。これは、腫瘍成長を阻害するためのより低い用量をもたらしうる。また、βアレスチン動員の同時阻害は、長期間の抗腫瘍効果をもたらしうる。
したがって、さらなる好ましい実施態様において、本発明は、CXCR7に対する少なくとも2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むコンストラクトを提供し、ここで、CXCR7に対する前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つ(即ち、CXCR7に対する「第1」免疫グロブリンの単一可変ドメイン)は、01C10様、例えば01C10(配列番号91)、01B12(配列番号100)、01F11(配列番号101)、又は01B10(配列番号102)、あるいは以下の表B−2に関するセクション1.5において定義する通りのそれらのバリアントであり(例、グループ1の免疫グロブリンの単一可変ドメイン)、ここで、CXCR7に対する少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(即ち、CXCR7に対する「第2」免疫グロブリンの単一可変ドメイン)が、CXCR7に対する「第1」免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はそのバリアントとは異なる、以下の表B−2に関するセクション1.5において定義する通りのポリペプチド及び免疫グロブリンの単一可変ドメインのバリアントより選択される。好ましくは、CXCR7に対する前記「第1」免疫グロブリンの単一可変ドメインは01C10であり、CXCR7に対する前記「第2」免疫グロブリンの単一可変ドメインは、14G03様、例えば14G03、08A05、08A10、07C03、及び07B11などから選ばれる。
実施例11に記載する通り、01C10により表される通り、グループ1の免疫グロブリンの単一可変ドメインによるCXCR7への結合は、W19を変異させることにより影響される。対照的に、全てのテストされた免疫グロブリンの単一可変ドメインの結合が、M33変異の影響を受けたが、グループ1のISVDは受けなかった。グループ1のISVDは、好ましくは、S23及びD25を認識し、及び/又は、また、それらに結合することがさらに示された(データ示さず)。
グループ1のISVD又はポリペプチドは、「グループ1のエピトープ」を結合/認識することにより特徴付けることができる。グループ1のISVD又はポリペプチドは、CXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25に結合する及び/又はそれを認識する。グループ1のエピトープは、CXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、アミノ酸残基S23及び/又はアミノ酸残基D25を含む。グループ1のISVDは、とりわけ、01C10(配列番号91)、01B12(配列番号100)、01F11(配列番号101)、又は01B10(配列番号102)により表され、明らかに、グループ2のエピトープとは別個のエピトープをヒットする;
グループ2のISVD又はポリペプチドは、「グループ2のエピトープ」を結合/認識することにより特徴付けることができる。グループ2のISVD又はポリペプチドは、CXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基W19、アミノ酸残基S23、及び/又はアミノ酸残基D25に結合しない及び/又はそれを認識しない。グループ2のISVD又はポリペプチドは、CXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、及び、場合によりアミノ酸残基V32、及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する。グループ2のエピトープは、CXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、及び、場合によりアミノ酸残基V32、及び/又はアミノ酸残基M37を含む。グループ2のISVDは、14G03様ISVD、例えば、14G03(09A04)、08A05、08A10、及び07C03により表され、明らかに、グループ1とは別個のエピトープをヒットする。好ましくは、グループ2のISVDは、本明細書において定義する通り、βアレスチン動員を阻害する;及び、
グループ3のISVD又はポリペプチドは、「グループ1」エピトープ(の部分)ならびに「グループ2」エピトープ(の部分)を結合する/認識することにより特徴付けることができる。グループ3のISVD又はポリペプチドは、07B11により表され、明らかに、グループ1及びグループ2の中間である。
当業者は、エピトープを決定するための当技術分野において一般的な方法に精通している(例えば、実施例11において提供するものなど:本発明の「エピトープマッピング」)。
したがって、本発明は、ポリペプチドISVD、ならびに、CXCR7中のW19、及び、場合により、S23及び/又はD25を認識及び/又は結合する、(従来の)抗体、又はその部分(例えばFc、Fab、ミニボディなど)に関する。
上に記載する抗CXCR7/CXCR7二特異的コンストラクトは、適切に半減期が延長されうるが(例、ペグ化、血清アルブミンへの融合、あるいは血清タンパク質、例えば血清アルブミンなどに結合することができるペプチド又は結合単位への融合による、本明細書においてさらに記載する通り)、このように、例えば、場合により1つ又は複数の適したスペーサー又はリンカーを介して連結されている、血清アルブミン結合ペプチド又は結合ドメイン(例えば本明細書において記載するものなど)をさらに含みうる。
再び、そのようなさらなる結合ドメイン、結合単位、アミノ酸配列、又は他の(官能)基もしくは部分は、1つ又は複数の他の免疫グロブリンの単一可変ドメイン、例えば1つ又は複数の(単一)ドメイン抗体、dAb又はナノボディ(例、VHH、ヒト化VHH又はラクダ化VH、例えばラクダ化ヒトVH)を含み、本発明の「二特異的」タンパク質又はポリペプチドを提供する(即ち、少なくとも1つ、例えば1つ又は2つの、CXCR7に対して向けられた免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び少なくとも1つ、例えば1つ又は2つの、別の標的に対して向けられた免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む、本発明のポリペプチド)。
例えば、特定の、しかし、非限定的な局面に従い、本発明のコンストラクト、タンパク質、又はポリペプチドが、増加した半減期を伴い、例えば、機能化により、及び/又は、コンストラクト中に、コンストラクトの半減期を増加させる部分又は結合単位を含むことにより提供されたであろう。そのような機能化、部分、又は結合単位の例は、当業者に明らかでありうるが、例えば、ペグ化、血清アルブミンへの融合、又は血清タンパク質(例えば血清アルブミンなど)に結合することができるペプチドもしくは結合単位への融合を含みうる。
後者のコンストラクト(即ち、少なくとも1つ、例えば1つ又は2つの、本発明のアミノ酸配列及び少なくとも1つ、例えば1つ又は2つの、血清タンパク質、例えば血清アルブミンなどに結合することができるペプチド又は結合単位を含む融合コンストラクト)において、血清アルブミン結合ペプチド又は結合ドメインは、コンストラクトの半減期を増加させることが可能である任意の適した血清アルブミン結合ペプチド又は結合ドメインでありうるが(血清アルブミン結合ペプチド又は結合ドメインを伴わない同じコンストラクトと比較し)、特に、出願者によりWO 2008/068280において(ならびに、特に、WO 2009/127691及びWO 2011/095545において、両方が出願者による)記載される通りの血清アルブミン結合ペプチド、又は血清アルブミン結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン(例えば血清アルブミン結合ナノボディ;例えば、Alb−1又はAlb−1のヒト化バージョン、例えばAlb−8など。その参照が、例えば、WO 06/122787に作られる)でありうる。
半減期に関して、本明細書において記載する種々の半減期延長技術を使用することにより(例えば、WO 2008/068280、WO 2009/127691、及び/又はWO 2011/095545に従った血清アルブミン結合ペプチドを適切に選ぶことによる)、本発明のコンストラクト又はポリペプチドの半減期が、意図される(治療的及び/又は診断的)適用のために(好ましくは)適切に「合わせ」、ならびに/あるいは、所望の治療的及び/又は薬理学的効果と可能な非所望の副作用の間での最善のバランスを得ることができることを、本発明において注目すべきである。
このように、例えば、限定を伴わず、本発明の好ましい局面は、ヒトCXCR7に対して向けられた1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(又は、あるいは、ヒトCXCR7に対して向けられた2つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(それらは同じ又は異なりうる)、それらが同じ又は異なる場合、本発明の「二価」ポリペプチド、あるいは、それらが異なる場合、本発明の「二親性」ポリペプチドを提供する)及びヒト血清アルブミンに対して向けられた1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(ペプチドリンカーにより連結されている)(本明細書において定義する通り)から実質的になる「二特異的」ポリペプチドを提供し、本発明の二特異的ポリペプチドをそれぞれ提供する(全てが、本明細書において記載する通り)。そのようなタンパク質又はポリペプチドは、また、実質的に単離形態でありうる(本明細書において定義する通り)。
別の特定の、しかし、非限定的な局面において、本発明のアミノ酸配列(例えばナノボディなど)又は本発明のポリペプチド(例えば本発明の二価、二親性、又は二特異的ポリペプチドなど)は、毒素に又は(細胞)傷害性残基、部分、もしくはペイロードに(再び、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して)適切に連結されうる。例えば、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドに連結し、細胞傷害性化合物(即ち、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドに基づく抗体−薬物コンジュゲート又は「ADC」)を提供することができる適した(細胞)傷害性部分、化合物、ペイロード、又は残基の例が、当業者に明らかであろう。参照が、例えば、Ducry and Stump, Bioconjugate Chem., 2010, 21 (1), pp.5-13による総説に作られる。本発明のそのような細胞傷害性アミノ酸配列又はポリペプチドは、特に、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドが(例、癌の処置において)向けられる標的を発現する細胞を殺す、あるいは、そのような細胞の成長及び/又は増殖を低下又は遅らせることが意図される、それらの適用のために有用でありうる/適しうる。通常は、しかし、限定を伴わず、本発明の(細胞)傷害性ポリペプチドは、半減期が延長されていない、あるいは、限定された及び/又は厳密に制御された半減期の延長だけを有しうる。
別の局面において、本発明の少なくとも1つのアミノ酸配列(即ち、CXCR7に対する免疫グロブリンの単一可変ドメイン)は、CXCR4に対して向けられた少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメインに適切に連結してもよく、CXCR7及びCXCR4の両方に対して向けられている本発明の二特異的ポリペプチドを提供する。
例えば、この局面において、少なくとも1つ(例えば1つ又は2つなど)の本発明のアミノ酸配列を、少なくとも1つ(例えば1つ又は2つなど)のCXCR4に対する免疫グロブリンの単一可変ドメインに適切に連結してもよい。
そのようなコンストラクトにおいて使用することができる、CXCR4に対する免疫グロブリンの単一可変ドメインの一部の好ましいが、しかし、非限定的な例は、以下である(又は、以下より適切に選んでもよい):
− Ablynx N.V.による国際出願WO 09/138519からの、CXCR4に対する免疫グロブリンの単一可変ドメイン(特に、ナノボディの1つ)(例えば、限定を伴わず、WO 09/138519の表B−1.1中の238D2/配列番号238及び238D4/配列番号239);ならびに/あるいは
− 2010年6月25日に出願されたAblynx N.V.による非公開前米国出願において記載されるアミノ酸配列238D2及び238D4の配列最適化/改善バリアント;ならびに/あるいは
− 2010年10月4日に出願されたAblynx N.V.によるPCT出願PCT/EP2010/064766において記載される通りの238D2及び/又は238D4と同じエピトープに結合することが可能である免疫グロブリンの単一可変ドメイン;ならびに/あるいは
− 2011年1月7日に出願されたAblynx N.V.によるPCT出願PCT/EP2011/050156のページ7〜13に記載されている10E9型配列、281E10型配列、10E12型配列、10A10型配列、10G10型配列、14A2型配列、15A1型配列、15H3型配列、及び/又は283B6型配列;ならびに/あるいは
− 2011年1月7日に出願されたAblynx N.V.によるPCT出願PCT/EP2011/050156のページ15〜47に記載されている10E9型配列、281E10型配列、10E12型配列、10A10型配列、10G10型配列、14A2型配列、15A1型配列、15H3型配列、及び/又は283B6型配列。
上に記載する抗CXCR7/CXCR4二特異的コンストラクト(ならびに、本発明の少なくとも1つのアミノ酸配列を含む、他の二特異的コンストラクト)は、適切に半減期が延長されうるが(例、ペグ化、血清アルブミンへの融合、あるいは血清タンパク質、例えば血清アルブミンなどに結合することができるペプチド又は結合単位への融合による、本明細書においてさらに記載する通り)、このように、例えば、場合により1つ又は複数の適したスペーサー又はリンカーを介して連結されている、血清アルブミン結合ペプチド又は結合ドメイン(例えば本明細書において記載するものなど)をさらに含みうる。
このように、本発明の1つの特定の、しかし、非限定的な局面は、CXCR7に対する1つ又は2つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(本明細書において定義する通り、好ましくは1つ又は2つのナノボディ)、CXCR4に対する1つ又は2つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(本明細書において定義する通り、好ましくは1つ又は2つのナノボディ)、及び(ヒト)血清アルブミンに対するペプチド又は免疫グロブリンの単一可変ドメイン(場合により1つ又は複数の適したスペーサー又はリンカーを介して連結されている)を含むポリペプチドである。
上の抗CXCR7/CXCR4二特異的コンストラクト(ならびに本発明の少なくとも1つのアミノ酸配列を含む他の二特異的コンストラクト)は、また、毒素に又は(細胞)傷害性残基、部分、もしくはペイロードに(本明細書においてさらに記載する通り)適切に連結されうる(再び、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して)。再び、本発明のそのような(細胞)傷害性の二特異的ポリペプチドは、半減期が延長されていない、あるいは、限定された及び/又は厳密に制御された半減期の延長だけを有しうる。
本発明は、その最も広い意味において、また、本発明のアミノ酸配列(例、ナノボディ)の及び本発明のポリペプチドの誘導体を含む。そのような誘導体は、一般的に、本発明のアミノ酸配列(例、ナノボディ)及び本発明のポリペプチドの、ならびに/あるいは本発明のナノボディを形成するアミノ酸残基の1つ又は複数の修飾により、特に、化学的及び/又は生物学的(例、酵素的)修飾により得ることができる。
そのような修飾の例、ならびにそのような様式で修飾する(即ち、タンパク質骨格上、しかし、好ましくは、側鎖上のいずれか)ことができる本発明のアミノ酸配列(例、ナノボディ)及びポリペプチド内のアミノ酸残基の例、そのような修飾を導入するために使用することができる方法及び技術、ならびにそのような修飾の潜在的な使用及び利点が、当業者に明らかであろう。
例えば、そのような修飾は、1つ又は複数の官能基、残基、又は部分の、本発明のアミノ酸配列(例、ナノボディ)及び本発明のポリペプチド中への又は上への、ならびに、特に、1つ又は複数の所望の特性又は機能性を付与する1つ又は複数の官能基、残基、又は部分の、本発明のナノボディへの導入(例、共有結合的連結による又は別の適した様式において)を含みうる。そのような官能基の例は、当業者に明らかであろう。
例えば、そのような修飾は、本発明のナノボディの半減期、溶解性及び/又は吸収を増加させる、本発明のナノボディの免疫原性及び/又は毒性を低下させる、本発明のナノボディの任意の望ましくない副作用を除去又は減弱させる、ならびに/あるいは本発明のナノボディ及び/又はポリペプチドに他の有利な特性を付与する及び/又はその非所望の特性を低下させる1つ又は複数の官能基(例、共有結合的連結による又は別の適した様式において);あるいは先行するものの任意の組み合わせの導入を含みうる。そのような官能基の及びそれらを導入するための技術の例は、当業者に明らかであろうが、一般的に、本明細書において上に引用する一般的な背景技術において言及する全ての官能基及び技術、ならびに医薬的タンパク質の修飾のための、及び、特に、抗体又は抗体フラグメント(ScFv及び単一ドメイン抗体を含む)の修飾のための、それ自体が公知の官能基及び技術を含みうるが、それらについて、参照が、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th ed., Mack Publishing Co., Easton, PA (1980)に作られる。そのような官能基は、例えば、本発明のナノボディに、又は、場合により、適したリンカーもしくはスペーサーを介して、直接的に(例えば、共有結合的に)連結してもよく、再び、当業者に明かであろう通りである。
医薬的タンパク質の半減期を増加させる及び/又は免疫原性を低下させるための最も広く使用される技術の1つは、適した薬理学的に許容可能なポリマー、例えばポリ(エチレングリコール)(PEG)又はその誘導体(例えばメトキシポリ(エチレングリコール)又はmPEGなど)などの付着を含む。一般的に、ペグ化の任意の適した形態を使用することができる(例えば、抗体及び抗体フラグメント(しかし、限定しないが、(単一)ドメイン抗体及びScFvを含む)のための当技術分野において使用するペグ化など);参照が、例えば、Chapman, Nat. Biotechnol., 54, 531-545 (2002); by Veronese and Harris, Adv. Drug Deliv. Rev. 54, 453-456 (2003), by Harris and Chess, Nat. Rev. Drug. Discov., 2, (2003)に及びWO 04/060965に作られる。タンパク質のペグ化のための種々の試薬が、また、商業的に利用可能であり、例えば、Nektar Therapeutics, USAからである。
好ましくは、部位特異的ペグ化を、特に、システイン残基を介して使用する(例えば、Yang et al., Protein Engineering, 16, 10, 761-770 (2003)を参照のこと)。例えば、この目的のために、PEGを、本発明のナノボディにおいて自然発生するシステイン残基に付着してもよく、本発明のナノボディを修飾し、PEGの付着のために1つ又は複数のシステイン残基を適切に導入してもよく、又は、PEGの付着のために1つ又は複数のシステイン残基を含むアミノ酸配列を、本発明のナノボディのN及び/又はC末端に融合してもよく、全てで、当業者にそれ自体が公知のタンパク質操作の技術を使用する。
好ましくは、本発明のナノボディ及びタンパク質について、PEGを使用し、5000を上回る、例えば10,000を上回る及び200,000未満、例えば100,000未満など;例えば、20,000〜80,000の範囲中の分子量を伴う。
別の、通常はあまり好ましくない修飾は、通常は翻訳時及び/又は翻訳後修飾の部分としての、N連結又はO連結グリコシル化を含み、本発明のナノボディ又はポリペプチドを発現するために使用される宿主細胞に依存する。
さらに別の修飾は、1つ又は複数の検出可能な標識又は他のシグナル生成基もしくは部分の導入を含みうるが、標識ナノボディの意図される使用に依存している。それらを付着、使用、及び検出するための適した標識及び技術が、当業者に明らかであろうが、例えば、しかし、限定しないが、蛍光標識、リン光標識、化学発光標識、生物発光標識、放射性同位体、金属、金属キレート、金属カチオン、発色団、及び酵素(例えばWO 08/020079のページ109に言及するものなど)を含む。他の適した標識は、当業者に明らかであろうが、例えば、NMR又はESRスペクトロスコピーを使用して検出することができる部分を含む。
本発明のそのような標識ナノボディ及びポリペプチドは、例えば、特定標識の選択に依存して、インビトロ、インビボ、又はインサイチュアッセイ(それ自体が公知のイムノアッセイ、例えばELISA、RIA、EIA、及び他の「サンドイッチアッセイ」などを含む)ならびにインビボ診断及び撮像目的のために使用してもよい。
当業者に明かであろう通り、別の修飾は、キレート基の導入を含みうるが、例えば、上で言及する金属又は金属陽イオンの1つをキレート化する。適したキレート基は、例えば、限定を伴わず、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む。
さらに別の修飾は、特定の結合対、例えばビオチン(ストレプト)アビジン結合対などの1つの部分である官能基の導入を含みうる。そのような官能基を使用し、本発明のナノボディを別のタンパク質、ポリペプチド、又は化学的化合物(結合対の他の半分に、即ち、結合対の形成を通じて結合されている)に連結してもよい。例えば、本発明のナノボディをビオチンに共役し、別のタンパク質、ポリペプチド、化合物、又は担体(アビジン又はストレプトアビジンに共役されている)に連結してもよい。例えば、そのような共役ナノボディを、レポーターとして、例えば、診断システムにおいて使用してもよく、そこでは、検出可能なシグナル産生薬剤をアビジン又はストレプトアビジンに共役する。そのような結合対を、例えば、また、使用し、本発明のナノボディを担体(医薬的な目的のために適した担体を含む)に結合してもよい。1つの非限定的な例は、Cao and Suresh, Journal of Drug Targetting, 8, 4, 257 (2000)により記載されるリポソーム製剤である。そのような結合対を、また、使用し、治療的に活性な薬剤を本発明のナノボディに連結してもよい。
他の潜在的な化学的及び酵素的修飾が、当業者に明らかであろう。そのような修飾は、また、研究目的のために(例、機能‐活性関係を試験するために)導入されうる。参照が、例えば、Lundblad and Bradshaw, Biotechnol. Appl. Biochem., 26, 143-151 (1997)に作られる。
本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、そのようなものとして、好ましくは、ジスルフィド架橋を介して、任意の他のアミノ酸配列又は鎖に連結されていない(しかし、1つ又は複数の分子内ジスルフィド架橋を含みうる又は含まないであろう)単一のアミノ酸鎖から実質的になる。例えば、本発明の薬剤(本明細書において記載される通り)は、時折、CDR3とCDR1又はFR2の間にジスルフィド架橋を含みうることが公知である。しかし、本発明の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインが、互いに及び/又は他の免疫グロブリンの単一可変ドメインに(例、ジスルフィド架橋を介して)連結され、また、本発明において有用でありうるペプチドコンストラクト(例えば、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、ScFvコンストラクト、「ダイアボディ」、及び他の多特異的コンストラクト)を提供しうることに注目すべきである。参照が、例えば、Holliger and Hudson, Nat Biotechnol. 2005 Sep;23(9):1126-36の総説に作られる。
一般的に、本発明のアミノ酸配列(又は、同を含む化合物、コンストラクト、又はポリペプチド)が、被験者への投与のために(例えば、本明細書において記載する通りの、治療的及び/又は診断的目的のために)意図される場合、それは、好ましくは、前記被験者において自然発生しないアミノ酸配列;又は、それが前記被験者において自然発生する場合、実質的に単離された形態(本明細書において定義する通り)のいずれかである。
また、医薬的な使用のために、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン(ならびに同を含む化合物、コンストラクト、及びポリペプチド)が、好ましくは、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられているのに対し;獣医的な目的のために、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、好ましくは、処置すべき種からのCXCR7に対して向けられている、又は、処置すべき種からのCXCR7と少なくとも交差反応性であることが、当業者に明らかであろう。
さらに、本発明のアミノ酸配列は、場合により、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対する結合のための少なくとも1つの結合部位に加えて、他の抗原、タンパク質、又は標的に対する結合のための1つ又は複数のさらなる結合部位を含む。
本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドの、ならびに同を含む組成物の有効性を、含まれる特定の疾患又は障害に依存して、任意の適したインビトロアッセイ、細胞ベースのアッセイ、インビボアッセイ、及び/又はそれ自体が公知の動物モデル、あるいは、それらの任意の組み合わせを使用してテストすることができる。適したアッセイ及び動物モデルが、当業者に明らかであろうが、例えば、リガンド置換アッセイ(Burns et al, J. Exp. Med. 2006 4; 203(9): 2201-13)、ベータアレスチン動員アッセイ(Zabel et al., J. Immunol. 2009 1; 183(5): 3204-11)、二量体化アッセイ(Luker et al, Faseb J. 2009 23(3): 823-34)、シグナル伝達アッセイ(Wang et al, J Immunol. 2009 Sep 1; 183(5): 3204-11)、増殖アッセイ(Wang et al, J Immunol. 2009 Sep 1; 183(5): 3204-11; Odemis et al., J Cell Sign. 2010 April 1; 123(Pt 7): 1081-8)、生存アッセイ(Burns et al, J. Exp. Med. 2006 4; 203(9): 2201-13)、細胞付着アッセイ(Burns et al, J. Exp. Med. 2006 4; 203(9): 2201-13)及び経内皮移動アッセイ(Mazzinghi et al, J. Exp. Med. 2008 Feb 18; 205(2): 479-90)、内皮細胞発芽アッセイ(Wang et al, J Immunol. 2009 Sep 1; 183(5): 3204-11)、筋肉分化(Melchionna et al., Muscle Nerve, 2010 Feb 11)及びインビボの異種移植モデル(Burns et al, J. Exp. Med. 2006 4; 203(9): 2201-13)、コラーゲン誘導性関節炎モデル(Hegen et al, Ann Rheum Dis. 2008 Nov; 67(11): 1505-15)、及び実験的自己免疫性脳脊髄炎モデル(Wekerle, Ann Rheum Dis. 2008 Dec; 67 Suppl 3: iii56-60)ならびに以下の実験部分及び本明細書において引用する先行技術において使用されるアッセイ及び動物モデルを含む。
また、本発明に従い、温血動物の第1種からのCXCR7に対して向けられている免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、温血動物の1つ又は複数の他の種からのCXCR7と交差反応性を示しうる又は示さないであろう。例えば、ヒトCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、霊長類(例えば、限定を伴わず、マカク属からのサル(例えば、特に、カニクイザル(Macaca fascicularis)及び/又はアカゲザル(Macaca mulatta)など)ならびにヒヒ(Papio ursinus)など)の1つ又は複数の種からのCXCR7と、及び/又は、疾患についての動物モデル(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、又はイヌ)において、特に、ヒトCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)と関連する疾患及び障害についての動物モデル(例えば、本明細書において言及する種及び動物モデルなど)においてしばしば使用される動物の1つ又は複数の種からのCXCR7と交差反応性を示しうる又は示さないであろう。この点において、そのような交差反応性が、存在する場合、薬物開発の観点から利点を有しうることが当業者に明らかであろう。なぜなら、それは、ヒトCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対する免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドを、そのような疾患モデルにおいてテストすることを可能にするからである(例、実施例12を参照のこと)。
より一般的には、哺乳動物の複数の種からのCXCR7と交差反応性である本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、通常、獣医学的な適用における使用のために有利でありうる。なぜなら、それは、同じアミノ酸配列又はポリペプチドが、複数の種にわたり使用されることを可能にするからである。このように、動物の1つの種からのCXCR7に対して向けられた免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチド(例えばヒトCXCR7(配列番号1)に対する免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドなど)を、免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び/又はポリペプチドの使用が、処置される種において所望の効果を提供する限り、動物の別の種の処置において使用することができることが、また、本発明の範囲内に包含される。
本発明は、その最も広い意味において、また、特に限定されないが、又は、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドが向けられるCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)の特定の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニット、又は立体構造(confirmation)(適用可能な場合)により定義される。例えば、免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、CXCL11/CXCL12相互作用部位及び/又はCXCR7/CXCR7ホモ二量体化部位及び/又はCXCR4/CXCR7ヘテロ二量体化部位(又は、CXCR7と他のケモカイン受容体、例えば、例、CXCR3などへのヘテロ二量体化)に対して向けられうる又は向けられないことがあり、本明細書においてさらに定義する通りである。
本明細書においてさらに記載する通り、本発明のポリペプチドは、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられている本発明の2つ以上の免疫グロブリンの単一可変ドメインを含みうる。一般的には、そのようなポリペプチドは、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、本発明の単一アミノ酸配列と比較し、増加した結合力を伴い結合しうる。そのようなポリペプチドは、例えば、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)の同じ抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニット、又は立体構造(confirmation)(適用可能な場合)に対して向けられている本発明の2つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含みうる(それは、相互作用部位でありうる又はそうではないこともある);あるいは、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)の第1の同じ抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニット、又は立体構造(confirmation)(適用可能な場合)に対して向けられている本発明の少なくとも1つの「第1」アミノ酸配列(それは、相互作用部位でありうる又はそうではないこともある)(例えばグループ1のエピトープなど);ならびに、第1とは異なる、第2の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニット、又は立体構造(confirmation)(適用可能な場合)に対して向けられている本発明の少なくとも1つの「第2」アミノ酸配列(それは、再び、相互作用部位でありうる又はそうではないこともある)(例えばグループ2のエピトープなど)を含む。好ましくは、本発明のそのような「二親性」ポリペプチドにおいて、本発明の少なくとも1つのアミノ酸配列が、相互作用部位(本明細書において定義する通り)に対して向けられているが、本発明は、その最も広い意味において、それに限定されない。例えば、本発明のポリペプチドは、例えば、二親性の方法において、フォーマットしてもよく、実験部分において特徴付けする通り、異なるエピトープに対して向けられた一価ビルディングブロックを組み合わせる(実施例9〜17を参照のこと)。「二価」ポリペプチドの個々の免疫グロブリンの単一可変ドメインの結合定数(例、会合及び解離定数)は、「二親性」ポリペプチドの個々の免疫グロブリンの単一可変ドメインの結合定数を上回り全般的に良好であるが、本発明は、完全に予想外に、本発明の「二親性」ポリペプチドが、生物学的アッセイ(例、βアレスチンアッセイ)において、「二価」ポリペプチドよりも効果的であることを実証する。
また、標的が結合対(例えば、受容体−リガンド結合対)の部分である場合、免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、それらが、同族の結合パートナー、例えば、CXCL11(また、I−TACとして言及される)及び/又はCXCL12(また、SDF−1として言及される)と、CXCR7への結合について競合するようにする、ならびに/あるいは、それらが、標的への結合パートナーの結合を(完全に又は部分的に)中和するようにする。
また、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、一般的に、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)の全ての自然発生する又は合成の類似体、バリアント、変異体、対立遺伝子、部分、及びフラグメントに;あるいは、少なくとも、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドが、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合する抗原決定基又はエピトープと実質的に同じである1つ又は複数の抗原決定基又はエピトープを含む、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)のそれらの類似体、バリアント、変異体、対立遺伝子、部分、及びフラグメントに結合することが予測される。再び、そのような場合において、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、そのような類似体、バリアント、変異体、対立遺伝子、部分、及びフラグメントに、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインが(野生型)CXCR7に結合する親和性及び特異性と同じである、あるいは、それとは異なる(即ち、より高い又はより低い)親和性及び/又は特異性を伴い結合しうる。
CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)が、単量体形態で、及び、1つ又は複数の多量体形態で、例えば、ホモ二量体形態で、また、CXCR4、例、ヒトCXCR4(RM Maksym et al., supra; KE Luker et al.、上記)とのヘテロ二量体形態で存在する場合、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドが、i)単量体形態のCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)だけに結合する、ii)多量体/二量体(ホモ及び/又はヘテロ二量体)形態のCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)だけに結合する、あるいはiii)単量体形態及び多量体形態の両方に結合することが、本発明の範囲内である。本発明の好ましい局面において、本発明のポリペプチドは、ホモ二量体ヒトCXCR7複合体及び/又はヘテロ二量体ヒトCXCR4/CXCR7複合体の形成を防止する。本発明の別の好ましい局面において、本発明のポリペプチドは、ホモ二量体ヒトCXCR7複合体及び/又はヘテロ二量体ヒトCXCR4/CXCR7複合体の形成を誘導しない(より高い濃度でさえ、例えば10nM以下、50nM以下、100nM以下、あるいは500nM以下など)。再び、そのような場合において、本発明のポリペプチドは、単量体形態に、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインが、多量体形態に結合する親和性及び特異性と同じである、あるいは、それとは異なる(即ち、より高い又はより低い)親和性及び/又は特異性を伴い結合しうる。
また、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)が、他のタンパク質又はポリペプチドと会合し、タンパク質複合体(例、CXCL12/SDF−1又はCXCL11/I−TACを用いて)を形成することができる場合、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドが、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、その非会合状態において結合し(例、リガンド結合を防止する)、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、その会合状態において結合し、又は、その両方に(好ましくは、非会合状態に)結合することは、本発明の範囲内である。全てのこれらの場合において、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、そのような会合タンパク質複合体に、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドが、その非会合状態にあるCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合する親和性及び特異性と同じ、又はそれとは異なりうる(即ち、より高い又はより低い)親和性及び/又は特異性を伴い結合しうる。
また、当業者に明らかであろう通り、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた2つ以上の免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むタンパク質又はポリペプチドは、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、対応する単量体アミノ酸配列よりも高い結合力を伴い結合しうる。例えば、限定を伴わず、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)の異なるエピトープに対して向けられた2つ以上の免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むタンパク質又はポリペプチドは、異なる単量体の各々よりも高い結合力を伴い(通常は)結合しうる、ならびに、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた2つ以上の免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むタンパク質又はポリペプチドは、また、よりも高い結合力を伴い、CXCR7の多量体(例、ホモ二量体、CXCR4とのヘテロ二量体)及び特にヒトCXCR7(配列番号1)の多量体(例、ホモ二量体、ヒトCXCR4とのヘテロ二量体)に(通常は)結合しうる。
一般的に、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、少なくとも、生物学的及び/又は治療的な観点から最も関連しているCXCR7及び特のヒトCXCR7(配列番号1)のそれらの形態(単量体、多量体、会合した異なる立体構造形態を含む)に結合しうるが、当業者に明かであろう通りである。
また、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドの部分、フラグメント、類似体、変異体、バリアント、対立遺伝子、及び/又は誘導体を使用すること、ならびに/あるいは、そのような部分、フラグメント、類似体、変異体、バリアント、対立遺伝子、及び/又は誘導体の1つ又は複数を含む又はそれらから実質的になるタンパク質又はポリペプチドを使用することは、これらが、本明細書において想定される使用のために適している限り、本発明の範囲内である。そのような部分、フラグメント、類似体、変異体、バリアント、アレル、及び/又は誘導体は、通常、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対する結合のための機能的な抗原結合部位(の少なくとも部分)を含みうる;より好ましくは、CXCR7及び特のヒトCXCR7(配列番号1)への特異的な結合が可能であり、さらにより好ましくは、CXCR7及び特のヒトCXCR7(配列番号1)への結合が可能でありうる、本明細書においてさらに記載する通り、例えば、本明細書において定義する実験部分において、EC50値、平均Ki、結合に関するIC50値、移動、置換、及び/又は増殖遮断、ならびに/あるいは効力についての他の測定を伴い、そのような部分、フラグメント、類似体、変異体、バリアント、対立遺伝子、及び/又は誘導体が、より強力で、より安定で、より可溶性でありうる、及び、同じエピトープを有しうる。そのような部分、フラグメント、類似体、変異体、バリアント、アレル、誘導体、タンパク質、及び/又はポリペプチドの一部の非限定的な例は、本明細書におけるさらなる記載から明らかになるであろう。本発明の追加のフラグメント又はポリペプチドは、また、本明細書において記載する通りの1つ又は複数の(より小さな)部分又はフラグメントを適切に組み合わせることにより(即ち、連結又は遺伝子融合により)提供されうる。
免疫グロブリンの単一可変ドメインの一般的な記載については、参照が、下のさらなる記載に、ならびに本明細書において引用する先行技術に作られる。この点において、しかし、この記載及び先行技術が、主に、いわゆる「VH3クラス」の免疫グロブリンの単一可変ドメイン(即ち、VH3クラスのヒト生殖系列配列と高い程度の配列相同性を伴う免疫グロブリンの単一可変ドメイン、例えばDP−47、DP−51、又はDP−29など)について記載していることに注目すべきであり、それは、本発明の好ましい局面を形成する。しかし、本発明は、そのもっと広い意味において、一般的に、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた免疫グロブリンの単一可変ドメインの任意の型を対象にし、例えば、また、いわゆる「VH4クラス」(即ち、VH4クラスのヒト生殖系列配列(例えばDP−78など)と高い程度の配列相同性を伴う免疫グロブリンの単一可変ドメイン)に属する免疫グロブリンの単一可変ドメインを対象にすること(例えば、WO 07/118670において記載される通り)に注目すべきである。
一般的に、免疫グロブリンの単一可変ドメイン(特に、VHH配列及び配列最適化された免疫グロブリンの単一可変ドメイン)は、特に、フレームワーク配列(再び、本明細書においてさらに記載する通り)の1つ又は複数における1つ又は複数の「ホールマーク残基」(本明細書において記載する通り)の存在により特徴付けることができる。
このように、一般的には、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、以下の(一般的な)構造を伴うアミノ酸配列として定義することができる:
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4
ここで、FR1〜FR4は、それぞれ、フレームワーク領域1〜4を指し、及び、ここで、CDR1〜CDR3は、それぞれ、相補性決定領域1〜3を指す。
好ましい局面において、本発明は、以下の(一般的な)構造を伴うアミノ酸配列である少なくとも免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むポリペプチドを提供する:
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4
ここで、FR1〜FR4は、それぞれ、フレームワーク領域1〜4を指し、及び、ここで、CDR1〜CDR3は、それぞれ、相補性決定領域1〜3を指し、及び、ここで:
i)Kabatナンバリングに従った位置11、37、44、45、47、83、84、103、104、及び108のアミノ酸残基の少なくとも1つが、下の表A−1において言及されるホールマーク残基より選ばれる。及び/又は、ここで:
ii)前記アミノ酸配列が、WO 2009/138519に示す通りの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(WO 2009/138519における配列番号1〜125を参照のこと)の少なくとも1つと少なくとも80%、より好ましくは90%、さらにより好ましくは95%のアミノ酸同一性を有し、ここで、アミノ酸同一性の程度を決定する目的のために、CDR配列を形成するアミノ酸残基(配列中でXを用いて示される)を無視し;及び/又は、ここで:
iii)CDR配列は、一般的に、本明細書においてさらに定義される通りであり(例、表B−2中に提供する通り、組み合わせにおけるCDR1、CDR2、及びCDR3。CDRの定義は、Kabatナンバリングシステムに従って算出されることに注意すること);及び/又は、ここで:
iv)FR配列が、一般的に、本明細書においてさらに定義される通りであり、例えば、表B−2に提供する通り、組み合わせにおけるFR1、FR2、FR3、及びFR4であり、ならびに/あるいは、FR1、FR2、FR3、及びFR4は、表B−2に提供する通り、FRの、それぞれ、FR1、FR2、FR3、及びFR4の少なくとも1つと、少なくとも80%、より好ましくは90%、さらにより好ましくは95%のアミノ酸同一性を有する(ここで、FRの定義は、Kabatナンバリングシステムに従って算出される)。
再び、そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、任意の適した様式において、及び、任意の適した供給源から由来しうるが、例えば、自然発生するVHH配列(即ち、ラクダの適した種、例えばラマから)又は合成もしくは半合成VHもしくはVL(例、ヒトから)でありうる。そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、「ヒト化」又は他の「配列最適化された」VHH、「ラクダ化」免疫グロブリン配列(及び、特に、ラクダ化重鎖可変ドメイン配列、即ち、ラクダ化VH)、ならびに、技術、例えば、親和性成熟(例えば、合成、無作為、又は自然発生する免疫グロブリン配列から開始する)、CDR移植、ベニヤリング、異なる免疫グロブリン配列に由来するフラグメントの組み合わせ、オーバーラッププライマーを用いたPCRアセンブリー、及び当業者に周知の免疫グロブリン配列を操作するための同様の技術;又は、先行するもののいずれかの任意の適した組み合わせ(本明細書においてさらに記載する通り)などにより変えられている、ヒトVH、ヒトVL、ラクダVHHを含みうる。
さらなる好ましい局面において、本発明は、配列番号39〜43及び91ならびに99〜102(表B−3を参照のこと)を伴うアミノ酸配列からなる群より選択されたアミノ酸配列を伴う1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び増加した半減期を提供する部分からなる群より選択されたアミノ酸配列を伴う免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むポリペプチドを提供する(下を参照のこと)。
さらなる好ましい局面において、本発明は、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)及び3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から実質的になるアミノ酸配列からなる群より選択されたアミノ酸配列を伴う、少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むポリペプチドを提供し、ここで、前記アミノ酸配列のCDR配列は、配列番号39〜43及び91ならびに99〜102の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つのCDR配列と少なくとも70%のアミノ酸同一性、好ましくは少なくとも80%のアミノ酸同一性、より好ましくは少なくとも90%のアミノ酸同一性、例えば95%のアミノ酸同一性以上など、又は、さらに実質的に100%のアミノ酸同一性を有する(表B−2及びB−3を参照のこと)。アミノ酸同一性のこの程度は、例えば、前記アミノ酸配列と配列番号39〜43及び91ならびに99〜102(表B−2及びB−3を参照のこと)の配列の1つ又は複数の間でのアミノ酸同一性の程度を決定する(本明細書において記載する様式において)ことにより決定することができ、ここで、フレームワーク領域を形成するアミノ酸残基は無視する。本発明のそのようなポリペプチド及び/又は免疫グロブリンの単一可変ドメインは、さらに、以下を提供しうる:
1.CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた(本明細書において定義する通り)、及び、配列番号39〜43及び91ならびに99〜102(表B−3を参照のこと)の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、例えば90%又は95%以上の配列同一性を有する、少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むポリペプチド;
2.CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられている(本明細書において定義する通り)、ならびに、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)への配列番号39〜43及び91ならびに99〜102(表B−3を参照のこと)の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つの結合を交差遮断(本明細書において定義する通り)し、ならびに/あるいは、配列番号39〜43及び91ならびに99〜102(表B−3を参照のこと)の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)への結合について競合する、少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むポリペプチド;及び
3.その免疫グロブリンの単一可変ドメインは、本明細書においてさらに記載する通りでありうる;ならびに、そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインの1つ又は複数を含む、本発明のポリペプチド(それは、本明細書においてさらに記載する通りでありうる。例えば、二特異的(例、また、血清アルブミンに結合する)及び/又は二親性ポリペプチドでありうる)、ならびに、そのような免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドをコードする核酸配列。そのような免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、任意の自然発生するリガンドを含まない。
本発明のポリペプチドは、本発明の少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む又はそれから実質的になる。本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインの一部の好ましいが、しかし、非限定的な例を、配列番号39〜43及び91ならびに99〜102に与える(表B−3を参照のこと)。
1.2. 血清アルブミン結合ビルディングブロック又は半減期を増加させる他のビルディングブロック
別の局面において、本発明は、ヒトCXCR7(又はその適したフラグメント)に向けられた1つ又は複数の(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む又はそれから実質的になる、及び、場合により、1つ又は複数の他の基、残基、部分、又は結合単位をさらに含む、化合物又はコンストラクト、及び特にタンパク質又はポリペプチド(また、本明細書において、「本発明の化合物」又は「本発明のポリペプチド」としてそれぞれ言及される)に関する。本明細書におけるさらなる開示から当業者に明らかになるであろう通り、そのようなさらなる基、残基、部分、結合単位、又は免疫グロブリンの単一可変ドメインは、さらなる機能性を本発明のアミノ酸配列(及び/又は、それが存在する化合物又はコンストラクト)に提供しうる又は提供しないであろう、及び、本発明のアミノ酸配列の特性を修飾しうる又は修飾しないであろう。
上のさらなる記載から及び本明細書において明らかでありうる通り、これは、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインが、本発明のポリペプチドを形成するための「ビルディングブロック」として、即ち、それらを、他の基、残基、部分、又は結合単位と適切に組み合わせることにより、本明細書において記載する通りの化合物又はコンストラクト(例えば、限定を伴わず、本明細書において記載する、本発明の二親性、二/多価、及び二/多特異的ポリペプチドなど)を形成するために使用することができ、それは、1つの分子内で、1つ又は複数の所望の特性又は生物学的機能を組み合わせる。
本発明の化合物又はポリペプチドは、一般的に、本発明の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインを、1つ又は複数のさらなる基、残基、部分、又は結合単位に、場合により、1つ又は複数の適したリンカーを介して、適切に連結する少なくとも1つの工程を含む方法により調製することができ、本発明の化合物又はポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドは、また、一般的に、本発明のポリペプチドをコードする核酸を提供し、前記核酸を適した様式において発現させ、及び本発明の発現ポリペプチドを回収する工程を少なくとも含む。そのような方法は、それ自体が公知の様式において実施することができ、それは、当業者に明らかであろうが、例えば、本明細書にさらに記載する方法及び技術に基づく。
本発明の化合物又はポリペプチドを設計/選択及び/又は調製するプロセスは、本発明のアミノ酸配列から開始し、また、本明細書において、本発明の前記アミノ酸配列を「フォーマットする」として言及する;及び、本発明の化合物又はポリペプチドの部分を作る本発明のアミノ酸は、本発明の前記化合物又はポリペプチドを「フォーマットされる」又は「フォーマット中」にあると言われる。本発明のアミノ酸配列をフォーマットすることができる方法の例及びそのようなフォーマットの例は、本明細書における開示に基づき、当業者に明らかでありうる;そのようなフォーマットされた免疫グロブリンの単一可変ドメインは、本発明のさらなる局面を形成する。
例えば、そのようなさらなる基、残基、部分、又は結合単位は、1つ又は複数の追加の免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうるが、化合物又はコンストラクトは(融合)タンパク質又は(融合)ポリペプチドであるようにする。好ましいが、しかし、非限定的な局面において、前記の1つ又は複数の他の基、残基、部分、又は結合単位は、免疫グロブリン配列である。さらにより好ましくは、前記の1つ又は複数の他の基、残基、部分、又は結合単位は、ドメイン抗体、ドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリンの単一可変ドメイン、単一ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリンの単一可変ドメイン、「dAb」、dAbとしての使用のために適している免疫グロブリンの単一可変ドメイン、又はナノボディからなる群より選ばれる。あるいは、そのような基、残基、部分、又は結合単位は、例えば、化学的な基、残基、部分でありうるが、それらは、それ自体が、生物学的に及び/又は薬理学的に活性でありうる又はそうではないであろう。例えば、限定を伴わず、そのような基は、本発明の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインに連結してもよく、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドの「誘導体」を提供する(本明細書においてさらに記載する通り)。
また、本発明の範囲内にあるのは、化合物又はコンストラクトであって、それは、本明細書において記載する通りの1つ又は複数の誘導体を含み又はそれから実質的になり、場合により、場合により、1つ又は複数のリンカーを介して連結された、1つ又は複数の他の基、残基、部分、又は結合単位をさらに含む。好ましくは、前記の1つ又は複数の他の基、残基、部分、又は結合単位は、免疫グロブリンの単一可変ドメインである。上に記載する化合物又はコンストラクトにおいて、本発明の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び1つ又は複数の基、残基、部分、又は結合単位を、互いに、及び/又は、1つ又は複数の適したリンカーもしくはスペーサーを介して直接的に連結してもよい。例えば、1つ又は複数の基、残基、部分、又は結合単位が、免疫グロブリンの単一可変ドメインである場合、リンカーは、また、免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうるが、結果としての化合物又はコンストラクトは、融合(タンパク質)又は融合(ポリペプチド)であるようにする。
本発明の1つの特定の、しかし、非限定的な局面において、それは本明細書においてさらに記載されうるが、本発明のポリペプチドは、それらが由来している免疫グロブリンの単一可変ドメインと比較し、血清中での増加した半減期を有する(本明細書においてさらに記載する通り)。例えば、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインは、半減期を延長する1つ又は複数の基又は部分(例えばPEGなど)に(化学的又は他で)連結してもよく、増加した半減期を伴う本発明のアミノ酸の誘導体を提供する。
本発明の1つの特定の局面において、本発明の化合物又は本発明のポリペプチドは、本発明の対応するアミノ酸配列と比較し、増加した半減期を有しうる。そのような化合物及びポリペプチドの一部の好ましいが、しかし、非限定的な例は、本明細書におけるさらなる開示に基づき、当業者に明らかになるであろうが、例えば、化学的に修飾され(例えば、ペグ化を用いて)、その半減期が増加している、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチド;血清タンパク質への結合のための少なくとも1つの追加の結合部位を含む本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;本発明のアミノ酸配列の半減期を増加させる少なくとも1つの部分(及び、特に、少なくとも1つのアミノ酸配列)に連結された本発明の少なくとも1つのアミノ酸配列を含む本発明のポリペプチドを含む。そのような半減期を延長する部分又は免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む本発明のポリペプチドの例は、本明細書におけるさらなる開示に基づき、当業者に明らかになるであろう;例えば、限定を伴わず、本発明の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインが、1つ又は複数の血清タンパク質又はそのフラグメント(例えば(ヒト)血清アルブミン又はその適したフラグメントなど)あるいは血清タンパク質(例えば、ドメイン抗体、ドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリンの単一可変ドメイン、単一ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリンの単一可変ドメイン、「dAb」、dAbとしての使用のために適している免疫グロブリンの単一可変ドメイン、又は血清タンパク質、例えば血清アルブミンなど(例えばヒト血清アルブミンなど)に結合することができるナノボディ、血清中免疫グロブリン(例えばIgGなど)、又はトランスフェリン;参照が、本明細書において言及するさらなる記載及び参考文献に作られる)に結合することができる1つ又は複数の結合単位に適切に連結されているポリペプチド;本発明のアミノ酸配列が、Fc部分(例えばヒトFcなど)又はその適した部分もしくはフラグメントに連結されているポリペプチド;あるいは、本発明の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインが、血清タンパク質に結合することができる1つ又は複数の小さなタンパク質又はペプチド(例えば、限定を伴わず、WO 91/01743、WO 01/45746、WO 02/076489、WO2008/068280、WO2009/127691に記載されるタンパク質及びペプチドなど)に適切に連結されているポリペプチドを含む。
一般的に、増加した半減期を伴う本発明の化合物又はポリペプチドは、好ましくは、本発明の対応するアミノ酸配列それ自体の半減期よりも、少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも5倍など、例えば、少なくとも10倍又は20倍を上回る大きい半減期を有する。例えば、増加した半減期を伴う本発明の化合物又はポリペプチドは、ヒトにおいて、本発明の対応するアミノ酸配列それ自体と比較し、1時間を上回る、好ましくは2時間を上回る、より好ましくは6時間を上回る、例えば12時間を上回るなど、又はさらに24、48、又は72時間を上回る増加した半減期を有しうる。
本発明の好ましいが、しかし、非限定的な局面において、本発明のそのような化合物又はポリペプチドは、ヒトにおいて、本発明の対応するアミノ酸配列それ自体と比較し、1時間を上回る、好ましくは2時間を上回る、より好ましくは6時間を上回る、例えば12時間を上回るなど、あるいはさらに24、48、又は72時間を上回る増加した血清中半減期を有する。
別の好ましいが、しかし、非限定的な局面において、本発明のそのような化合物又はポリペプチドは、ヒトにおいて、少なくとも約12時間、好ましくは少なくとも24時間、より好ましくは少なくとも48時間、さらにより好ましくは少なくとも72時間以上の血清中半減期を示す。例えば、本発明の化合物又はポリペプチドは、少なくとも5日(例えば約5〜10日)、好ましくは少なくとも9日(例えば約9〜14日)、より好ましくは少なくとも約10日(例えば約10〜15日)、又は少なくとも約11日(例えば約11〜16日)、より好ましくは少なくとも約12日(例えば約12〜18日以上)、又は14日を上回る(例えば約14〜19日)の半減期を有しうる。
本発明の特定の好ましいが、しかし、非限定的な局面において、本発明は、i)本明細書において記載する通りの1つのCXCR7結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン;及びii)本明細書において記載する通りの1つ又は複数の(好ましくは1つの)血清アルブミン結合免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む、本発明のポリペプチドを提供する。
さらなる好ましい局面において、本発明は、i)本明細書において記載する通りの1つ又は複数のCXCR7結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン;及びii)配列番号2(表B−1)の1つ又は複数の(好ましくは1つの)血清アルブミン結合免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む、本発明のポリペプチドを提供する。
さらに好ましい局面において、本発明は、i)本明細書において記載する通りの1つ又は複数のCXCR7結合免疫グロブリンの単一可変ドメイン;及びii)CDR(Kabatナンバリングに従って定義される)を伴う、配列番号2(表B−2、B−1)の、1つ又は複数の(好ましくは1つの)血清アルブミン結合免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む、本発明のポリペプチドを提供する。
このように、例えば、さらなる参照(及び、このように、参照により組み入れられる)が、特に、WO2008/068280の実験部分及びさらなる記載に作られ、ここで、配列番号2に関するさらなる詳細が作られ、例えば、アカゲザルにおける前記配列を含む免疫グロブリンの単一可変ドメインコンストラクトの半減期が開示される。
一般的に、単一の免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む又はそれから実質的になるタンパク質又はポリペプチドは、本明細書において、「一価」タンパク質もしくはポリペプチドとして又は「一価コンストラクト」として言及される。2つ以上の免疫グロブリンの単一可変ドメイン(例えば本発明の少なくとも2つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン又は本発明の少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び少なくとも1つの他の免疫グロブリンの単一可変ドメインなど)を含む又はそれから実質的になるタンパク質及びポリペプチドは、本明細書において、「多価」タンパク質もしくはポリペプチドとして又は「多価コンストラクト」として言及されうるが、これらは、本発明の対応する一価免疫グロブリンの単一可変ドメインと比較し、特定の利点を提供しうる。そのような多価コンストラクトの一部の非限定的な例が、本明細書におけるさらなる記載から明らかになるであろう。
別の特定の、しかし、非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは、少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び少なくとも1つの他の結合単位(即ち、別のエピトープ、抗原、標的、タンパク質、又はポリペプチドに対して向けられる)(それは、好ましくは、また、免疫グロブリンの単一可変ドメインである)を含む又はそれから実質的になる。そのようなタンパク質又はポリペプチドは、また、本明細書において、「多特異的」タンパク質もしくはポリペプチドとして又は「多特異的コンストラクト」として言及され、これらは、本発明の2つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、例えばCXCR7に対して向けられた1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び血清アルブミンに対する1つの免疫グロブリンの単一可変ドメインからなりうる。そのような多特異的コンストラクトは、本明細書における開示に基づき、当業者に明らかであろう;そのような多特異的な免疫グロブリンの単一可変ドメインの一部の好ましいが、しかし、非限定的な例は、配列番号44〜48、80〜81、83〜85、及び88〜89ならびに131〜140のコンストラクト(表B−4を参照のこと)、ならびにクローン009、013、018〜029、031〜038、044、046、048〜053、055〜058、060、061、063、065、068、069、072、081〜086、及び093(表B−12〜B−14)である。
さらに別の特定の、しかし、非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは、本発明の少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、場合により、1つ又は複数のさらなる免疫グロブリンの単一可変ドメイン、ならびに、少なくとも1つの所望の特性を、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び/及び結果としての融合タンパク質に付与する、少なくとも1つの他のアミノ酸配列(例えばタンパク質又はポリペプチドなど)を含む又はそれから実質的になる。再び、そのような融合タンパク質は、本発明の対応する一価免疫グロブリンの単一可変ドメインと比較し、特定の利点を提供しうる、例えば、増加した半減期を提供しうる。
上のコンストラクトにおいて、1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び/又は他の免疫グロブリンの単一可変ドメインは、互いに直接的に連結されうる及び/又は互いに1つ又は複数のリンカー配列を介して適切に連結されうる。そのようなリンカーの一部の適した、しかし、非限定的な例が、本明細書におけるさらなる記載から明らかになるであろう。
一実施態様において、免疫グロブリンの単一可変ドメインを連結するリンカー配列は、配列番号49〜58(表B−5を参照のこと)、又は両方の組み合わせであり、又は、当技術分野において公知の通りである。
さらに別の特定の、しかし、非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは、例えば、配列番号39〜43及び91ならびに99〜102(表B−3を参照のこと)の免疫グロブリンの単一可変ドメインの1つ又は複数と、80%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは95%を上回る、例えば99%以上の「配列同一性」(本明細書において定義する通り)を有する免疫グロブリンの単一可変ドメインからなる群より選ばれうるが、ここで、ポリペプチドは、好ましくは、本明細書においてさらに定義する通りであり、即ち、CXCR7に対して向けられた1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び1つの血清アルブミンに対する1つの免疫グロブリンの単一可変ドメインの好ましいフォーマットにある。
さらに別の特定の、しかし、非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは、例えば、配列番号44〜48のポリペプチドの1つ又は複数と80%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは95%を上回る、例えば99%以上の「配列同一性」(本明細書において定義する通り)を有するポリペプチドからなる群より選ばれうる(表B−4を参照のこと)。本発明の二親性及び二特異的ポリペプチドの一部の例示的な、非限定的な例を、配列番号78〜89ならびに配列番号131〜140、又はクローン009、013、018〜029、031〜038、044、046、048〜053、055〜058、060、061、063、065、068、069、072、081〜086、及び093に与える(表B−12〜B−14)。
1.3. 本発明の組成物
一般的に、医薬的使用のために、本発明のポリペプチドは、本発明の少なくとも1つのポリペプチド及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体、希釈剤、もしくは賦形剤及び/又はアジュバント、ならびに、場合により、1つ又は複数のさらなる医薬的に活性なポリペプチド及び/又は化合物を含む、医薬的調製物又は組成物として製剤化されうる。非限定的な例を用いて、そのような製剤は、経口投与のため、非経口投与のために(例えば静脈内、筋肉内、もしくは皮下注射又は静脈内注入などによる)、局所投与のために、吸入による、皮膚パッチによる、インプラントによる、座剤などによる投与のために適した形態でありうるが、ここで、非経口投与が好ましい。そのような適した投与形態(投与の様式に依存して、固形、半固形、又は液体でありうる)ならびに方法及びその調製物中での使用のための担体が、当業者に明らかでありうるが、本明細書においてさらに記載される。そのような医薬的調製物又は組成物は、一般的に、本明細書において、「医薬的組成物」として言及されるであろう。非ヒト生物における使用のための医薬的調製物又は組成物は、一般的に、本明細書において、「獣医用組成物」として言及されるであろう。
このように、さらなる局面において、本発明は、本発明の少なくとも1つのアミノ酸、本発明の少なくとも1つのポリペプチド、又は本発明の少なくとも1つポリペプチド及び少なくとも1つの適した担体、希釈剤、又は賦形剤(即ち、医薬的使用のために適する)、及び、場合により、1つ又は複数のさらなる活性物質を含む医薬的組成物に関する。
一般的に、本発明のポリペプチドは、それ自体が公知の任意の適した様式において製剤化及び投与することができる。参照は、例えば、上に引用する一般的な背景に(及び、特にWO 04/041862、WO 04/041863、WO 04/041865、WO 04/041867、及びWO 08/020079に)ならびに標準的なハンドブック、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., Mack Publishing Company, USA (1990), Remington, the Science and Practice of Pharmacy, 21th Edition, Lippincott Williams and Wilkins (2005);又はthe Handbook of Therapeutic Antibodies (S. Dubel, Ed.), Wiley, Weinheim, 2007に作られる(例えば、ページ252〜255を参照のこと)。
本発明のポリペプチドは、従来の抗体及び抗体フラグメント(ScFv及びダイアボディを含む)ならびに他の医薬的に活性なタンパク質のためのそれ自体が公知の任意の様式で製剤化及び投与されうる。同を調製するためのそのような製剤及び方法は、当業者に明らかであろうが、例えば、非経口投与(例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、腔内、動脈内、又はくも膜下腔内投与)のために又は局所(即ち、経皮又は皮内)投与のために適した調製物を含む。
非経口投与のための調製物は、例えば、注入又は注射のために適している滅菌溶液、懸濁剤、分散剤、又は乳剤でありうる。そのような調製物のための適した担体又は希釈剤は、例えば、限定を伴わず、WO 08/020079のページ143に言及されるものを含む。一実施態様において、調製物は水性溶液又は懸濁液である。
本発明のポリペプチドは、送達の遺伝子治療方法を使用して投与することができる。例えば、米国特許第5,399,346号を参照のこと。それは、参照により、その遺伝子治療の送達方法のために組み入れられる。送達の遺伝子治療方法を使用し、本発明のアミノ酸配列、ポリペプチドをコードする遺伝子を用いてトランスフェクトした初代細胞を、追加で、組織特異的プロモーターを用いてトランスフェクトし、特定の器官、組織、移植片、腫瘍、又は細胞を標的とすることができ、加えて、細胞内での局在化した発現のためのシグナル及び安定化配列を用いてトランスフェクトすることができる。
このように、本発明のポリペプチドは、全身的に、例えば、医薬的に許容可能な媒質(例えば不活性希釈剤又は同化可能な食用担体など)との組み合わせにおいて経口的に投与してもよい。それらは、硬質又は軟質シェルゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、又は患者の食事の食物に直接的に組み入れてもよい。経口的な治療投与のために、本発明のポリペプチドは、1つ又は複数の賦形剤と組み合わせ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁剤、シロップ、ウエハなどの形態において使用してもよい。そのような組成物及び調製物は、少なくとも0.1%の本発明のポリペプチドを含むべきである。組成物及び調製物中のそれらのパーセンテージは、もちろん、変動しうるが、便利には、所与の単位投与形態の重量の約2〜約60%の間でありうる。そのような治療的に有用な組成物中での本発明のポリペプチドの量は、効果的な投与量レベルが得られるようにする。
腫瘍切除の部位での局所投与のために、本発明のポリペプチドを、生物分解性ポリマー薬物送達系、徐放性ポリ(乳酸)−co−グリコール酸製剤などにおいて使用してもよい(Hart et al., Cochrane Database Syst Rev. 2008 Jul 16; (3): CD007294)。
本発明のさらに好ましい局面において、本発明のポリペプチド、例えば、1つの一価抗ヒトCXCR7免疫グロブリンの単一可変ドメイン及び一価抗ヒト血清アルブミン免疫グロブリンの単一可変ドメインから実質的になる(GSリンカーにより連結されている)ポリペプチドなどは、従来の抗体(例えばIgGなど)と比較し、固形腫瘍において有益な分布及び動態プロファイルを有しうる。
錠剤、トローチ、ピル、カプセルなどは、また、結合剤、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤及び甘味剤又は香味剤、例えば、WO 08/020079のページ143〜144に言及されるものを含みうる。単位投与形態がカプセルである場合、それは、上の型の材料に加えて、液体担体(例えば植物油又はポリエチレングリコールなど)を含みうる。種々の他の材料が、コーティングとして存在しうる、又は、他に、固形の単位投与形態の物理的形態を修飾しうる。例えば、錠剤、ピル、又はカプセルは、ゼラチン、ワックス、セラック、又は糖などを用いてコーティングしてもよい。シロップ又はエリキシルは、本発明のポリペプチド、甘味剤としてのスクロース又はフルクトース、保存剤としてのメチル及びプロピルパラベン、色素、及び香料(例えばチェリー又はオレンジフレーバーなど)を含みうる。もちろん、任意の単位投与形態を調製する際に使用される任意の材料は、医薬的に許容可能であり、用いられる量において実質的に非毒性でなければならない。また、本発明のポリペプチドは、持続放出調製物及びデバイス中に組み入れてもよい。
経口投与のための調製物及び製剤は、また、本発明のコンストラクトが、胃環境に耐性であり、腸中へ通過することを許しうる腸溶コーティングを伴い提供されうる。より一般的には、経口投与のための調製物及び製剤を、胃腸管の任意の所望の部分中への送達のために適切に製剤化してもよい。また、適した坐剤を、胃腸管中への送達のために使用してもよい。
本発明のポリペプチドは、また、注入又は注射により、静脈内又は腹腔内に投与してもよい。特定の例は、WO 08/020079のページ144及び145にさらに記載されている通りである。
局所投与のために、本発明のポリペプチドを、純粋な形態(即ち、それらが液体である場合)において適用してもよい。しかし、一般的に、それらを、皮膚に、組成物又は製剤として、皮膚科学的に許容可能な担体(それは、固体又は液体でありうる)との組み合わせにおいて投与することが望ましいであろう。特定の例が、WO 08/020079のページ145にさらに記載されている通りである。
一般的に、液体組成物(例えばローションなど)中での本発明のポリペプチドの濃度は、約0.1〜25wt−%から、好ましくは約0.5〜10wt−%からでありうる。半固形又は固形組成物(例えばゲル又は粉末など)中での濃度は、約0.1〜5wt−%、好ましくは約0.5〜2.5wt−%でありうる。
処置における使用のために要求される本発明のポリペプチドの量は、選択された特定のポリペプチドだけでなく、しかし、また、投与の経路、処置されている状態の性質、ならびに患者の年齢及び状態に伴い変動しうるが、最終的には、担当医又は臨床医の判断によるであろう。また、本発明のポリペプチドの投与量は、標的細胞、腫瘍、組織、移植片、又は器官に依存して変動する。
所望の用量は、便利に、単一用量中で又は適切な間隔で投与される分割用量として(例えば、2、3、4以上のサブ用量/日として)提示されうる。サブ用量自体は、さらに、例えば、多数の別々の緩く間隔を置いた投与中に分割されうる。
投与レジメンは、長期間の毎日の処置を含みうる。「長期間」により、少なくとも2週間及び好ましくは、いくつかの週、月、又は年の持続期間を意味する。この投与量の範囲における必要な改変が、当業者により、本明細書において与えられた教示の通常の実験だけを使用して決定されうる。Remington's Pharmaceutical Sciences (Martin, E.W., ed.4), Mack Publishing Co., Easton, PAを参照のこと。投与量は、また、任意の合併症の事象において個々の医師により調整することができる。
別の局面において、本発明は、CXCR7に関連する少なくとも1つの疾患及び障害の防止及び/又は処置のための方法に関し、前記方法は、それを必要とする被験者に、本発明のポリペプチド及び/又は同を含む医薬的組成物の医薬的に活性な量を投与することを含む。
本発明の文脈において、用語「防止及び/又は処置」は、疾患を防止及び/又は処置することを含むだけでなく、しかし、また、一般的に、疾患の発症を防止すること、疾患の進行を遅らせる又は逆転させること、疾患に関連する1つ又は複数の症状の発生を防止する又は遅らせること、疾患に関連する1つ又は複数の症状を低下及び/又は軽減すること、疾患の及び/又はそれに関連する任意の症状の重症度及び/又は持続時間を低下させること、ならびに/あるいは、疾患の及び/又はそれに関連する任意の症状の重症度におけるさらなる増加を防止すること、疾患により起こされる任意の生理学的な傷害を防止、低下、又は逆転させること、ならびに、一般的に、処置されている患者に有益である任意の薬理学的な作用を含む。
処置すべき被験者は、任意の温血動物、しかし、特に哺乳動物、さらに特にヒトでありうる。当業者に明らかであろう通り、処置される被験者は、特に、本明細書において言及する疾患及び障害に苦しむ、又はそのリスクがある人でありうる。
本発明は、CXCR7に関連する少なくとも1つの疾患又は障害の防止及び/又は処置のための方法に関し、その生物学的又は医薬的な活性を伴い、及び/又はCXCR7が含まれる生物学的な経路又はシグナル伝達を伴い、前記方法は、それを必要とする被験者に、本発明のアミノ酸配列、本発明のポリペプチド、本発明のポリペプチド、及び/又は同を含む医薬的組成物の医薬的に活性な量を投与することを含む。一実施態様において、本発明は、CXCR7、その生物学的又は薬理学的な活性、及び/又はCXCR7が含まれる生物学的な経路又はシグナル伝達を調節することにより処置することができる少なくとも1つの疾患又は障害の防止及び/又は処置のための方法に関し、前記方法は、それを必要とする被験者に、本発明のポリペプチド及び/又は同を含む医薬的組成物の医薬的に活性な量を投与することを含む。一実施態様において、前記の医薬的に効果的な量は、CXCR7、その生物学的又は薬理学的な活性、及び/又はCXCR7が含まれる生物学的な経路又はシグナル伝達を調節するために十分である量;ならびに/あるいは、CXCR7、その生物学的又は薬理学的な活性、及び/又はCXCR7が含まれる生物学的な経路又はシグナル伝達を調節するために十分である循環中の本発明のポリペプチドのレベルを提供する量でありうる。
一実施態様において、本発明は、本発明のポリペプチド、又は同をコードする本発明のヌクレオチドコンストラクト、及び/又は同を含む医薬的組成物を、患者に投与することにより、防止及び/又は処置することができる少なくとも1つの疾患又は障害の防止及び/又は処置のための方法に関する。一実施態様において、方法は、本発明のポリペプチド、又は同をコードする本発明のヌクレオチドコンストラクト、及び/又は同を含む医薬的組成物の医薬的に活性な量を、それを必要とする被験者に投与することを含む。
一実施態様において、本発明は、CXCR7へのCXCL12及び/又はCXCL11の結合を、特定の細胞において、又は、処置されている被験者の特定の組織において阻害することにより(及び、特に、CXCR7へのCXCL12及び/又はCXCL11の結合を、癌細胞において、又は、処置されている被験者において存在する腫瘍において阻害することにより)防止及び/又は処置することができる少なくとも1つの疾患又は障害の防止及び/又は処置のための方法に関し、前記方法は、本発明のポリペプチド、又は同をコードする本発明のヌクレオチドコンストラクト、及び/又は同を含む医薬的組成物の医薬的に活性な量を、それを必要とする被験者に投与することを含む。
一実施態様において、本発明は、本明細書において列挙する疾患及び障害からなる群より選ばれる少なくとも1つの疾患又は障害の防止及び/又は処置のための方法であって、前記方法は、それを必要とする被験者に、本発明のポリペプチド、又は同をコードする本発明のヌクレオチドコンストラクト、及び/又は同を含む医薬的組成物を投与することを含む。
一実施態様において、本発明は、免疫療法のため、特に受動免疫療法のための方法に関し、その方法は、本明細書において言及する疾患及び障害に苦しむ又はそのリスクがある被験者に、本発明のポリペプチド、又は同をコードする本発明のヌクレオチドコンストラクト、及び/又は同を含む医薬的組成物の医薬的に活性な量を投与することを含む。
上の方法において、本発明のアミノ酸配列、ポリペプチド及び/又は同を含む組成物を、使用される特定の医薬的製剤又は組成物に依存して、任意の適した様式で投与することができる。このように、本発明のポリペプチド及び/又は同を含む組成物を、例えば、使用される特定の医薬的製剤又は組成物に依存して、経口、腹腔内(例、静脈内、皮下、筋肉内、又は胃腸管内を回避する他の任意の投与経路を介して)、鼻腔内、経皮、局所、坐剤を用いて、吸入により投与することができる。臨床医は、そのような投与において使用される適した投与経路及び適した医薬的製剤又は組成物を、防止又は処置すべき疾患又は障害ならびに臨床医に周知である他の因子に依存して、選択することができるであろう。
本発明のポリペプチド及び/又は同を含む組成物を、防止又は処置すべき疾患又は障害を防止及び/又は処置するために適している処置レジメンに従って投与する。臨床医は、一般的に、適した処置レジメンを、因子、例えば、防止又は処置すべき疾患又は障害、処置すべき疾患の重症度及び/又はその症状の重症度、使用すべき本発明のポリペプチド、使用すべき特定の投与経路及び医薬的製剤又は組成物、患者の年齢、性別、体重、食事、全身状態、ならびに臨床医に周知の同様の因子などに依存して、決定することができるであろう。
一般的に、処置レジメンは、本発明の1つ又は複数のポリペプチドの、又は同を含む1つ又は複数の組成物の、1つ又は複数の医薬的に効果的な量又は用量における投与を含みうる。投与される特定の量又は用量は、臨床医により、再び、上に引用する因子に基づき、決定することができる。
一般的に、本明細書において言及する疾患及び障害の防止及び/又は処置のために、処置すべき特定の疾患又は障害、使用される本発明の特定のポリペプチドの効力、特定の投与経路、及び使用される特定の医薬的製剤又は組成物に依存して、本発明のポリペプチドは、一般的に、1グラム〜0.01マイクログラム/kg体重/日、好ましくは0.1グラム〜0.1マイクログラム/kg体重/日、例えば約1、10、100、又は1000マイクログラム/kg体重/日の量で、連続的(例、注入による)、単一の1日用量として又は1日の間の複数の分割用量として投与されうる。臨床医は、一般的には、適した一日用量を、本明細書において言及する因子に基づき、決定することができるであろう。また、特定の場合において、臨床医は、これらの量から逸脱することを、例えば、上に引用する因子及び彼の専門家判断に基づき、選んでもよいことが明らかであろう。一般的に、投与される量に関する一部のガイダンスを、しかし、親和性/結合力、有効性、生物分布、半減期、及び当業者に周知の同様の因子における違いを考慮に入れて、実質的に同じ経路を介して投与される、同じ標的に対する同等の従来の抗体又は抗体フラグメントについて通常投与される量から得ることができる。
一実施態様において、本発明の単一の隣接ポリペプチドを使用しうる。一実施態様において、本発明の2つ以上のポリペプチドを、組み合わせにおいて提供する。
本発明のポリペプチドを、1つ又は複数のさらなる医薬的に活性な化合物又は成分との組み合わせにおいて、即ち、組み合わせ処置レジメンとして使用してもよく、それは、相乗効果に導きうる又は導かないであろう。再び、臨床医は、そのようなさらなる化合物又は成分、ならびに適した組み合わせの処置レジメンを、上に引用する因子及び彼の専門家判断に基づき、選択することができるであろう。
特に、本発明のポリペプチドを、本明細書において引用する疾患及び障害の防止及び/又は処置のために使用する又は使用することができる他の医薬的に活性な化合物又は成分との組み合わせにおいて使用してもよく、その結果として、相乗効果が得られうる又は得られないであろう。そのような化合物及び成分、ならびにそれらを投与するための経路、方法、及び医薬的製剤又は組成物の例が、臨床医には明らかでありうるが、一般的に、処置すべき腫瘍の処置のために通常適用される細胞増殖抑制性の活性成分を含む。
腫瘍学のための本発明のポリペプチドを用いた使用のための特定の熟慮される組み合わせは、しかし、限定しないが、以下を含む:例、CXCR4アンタゴニスト、例えば、例、AMD3100、他のケモカイン受容体アンタゴニスト、タキソールなど;ゲムシトビン(gemcitobine);シスプラチン;cIAP阻害剤(例えばcIAP1、cIAP2、及び/又はXIAPへの阻害剤など);MEK阻害剤、しかし、限定しないが、例、U0126、PD0325901を含む;bRaf阻害剤、しかし、限定しないが、例、RAF265を含む;及びmTOR阻害剤、しかし、限定しないが、例、RAD001を含む;VEGF阻害剤、しかし、限定しないが、例、ベバシズマブ、スニチニブ(sutinib)、及びソラフェニブ;Her 2阻害剤、しかし、限定しないが、例、トラスツズマブ及びラパチニブを含む;PDGFR、FGFR、src、JAK、STAT、及び/又はGSK3阻害剤;選択的エストロゲン受容体モジュレーター、しかし、限定しないが、タモキシフェンを含む;エストロゲン受容体ダウンレギュレーター、しかし、限定しないが、フルベストラントを含む。炎症状態のための本発明のポリペプチドを伴う使用のための特定の熟慮される組み合わせは、しかし、限定しないが、例えば、インターフェロンベータ1アルファ及びベータ、ナタリズマブ;TNFアルファアンタゴニスト(しかし、限定しないが、例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、エタネルセプトを含む);疾患修飾性抗リウマチ薬物、例えば、メトトレキサート(MTX)など;グルココルチコイド(しかし、限定しないが、例えば、ヒドロコルチゾンを含む);非ステロイド性抗炎症薬物(しかし、限定しないが、例えば、イブプロフェン、スリンダクを含む)。
本発明の化合物/ポリペプチドとの組み合わせにおいて使用することができうる他の特定の化合物/ポリペプチドは、CXCR4に対して向けられたアミノ酸配列及びポリペプチドであり、それらは、Ablynx N.V.による国際出願WO 09/138519、Ablynx N.V.による非前公開米国出願61/358,495(2010年6月25日出願);Ablynx N.V.によるPCT出願PCT/EP210/064766(2010年10月4日出願);及び/又はAblynx N.V.によるPCT出願PCT/EP2011/050156(2011年1月7日出願)において記載されている。
2つ以上の物質又は成分を、組み合わせ処置レジメンの部分として使用する場合、それらは、同じ投与経路を介して、又は、異なる投与経路を介して、実質的に同じ時間に又は異なる時間に(例、実質的に同時に、連続的に、又は代わりのレジメンに従って)投与することができる。物質又は成分を、同じ投与経路を介して、同時に投与する場合、それらは、異なる医薬的製剤もしくは組成物又は組み合わせた医薬的製剤もしくは組成物の部分として投与してもよく、当業者に明らかであろう通りである。
また、2つ以上の活性物質又は成分を、組み合わせ処置レジメンの部分として使用する場合、物質又は成分の各々を、化合物又は成分をそれ自体で使用する場合に使用される同じ量で、同じレジメンに従って投与してもよく、そのような組み合わせ使用は、相乗効果に導きうる又は導かないであろう。しかし、2つ以上の活性物質又は成分の組み合わせ使用が、相乗効果に導く場合、投与すべき物質又は成分の1つ、それ以上、又は全ての量を低下させ、依然として所望の治療的作用を達成することも可能でありうる。これは、例えば、物質又は成分の1つ又は複数の使用に関連している任意の不要な副作用を回避、限定、又は低下させる(それらを、それらの通常の量で使用した場合で、依然として所望の医薬的又は治療的効果が得られる)ために有用であろう。
本発明に従って使用される処置レジメンの有効性は、含まれる疾患又は障害についてそれ自体が公知である任意の様式で決定及び/又は追跡してもよく、臨床医に明らかでありうる通りである。臨床医は、また、適当な場合、及び、ケースバイケースに基づき、特定の処置レジメンを変化又は修飾することができ、所望の治療効果を達成し、不要な副作用を回避、限定、又は低下させ、及び/又は、一方で所望の治療効果を達成し、他方で不要な副作用を回避、限定、又は低下させる適当なバランスを達成する。
一般的に、処置レジメンには、所望の治療的効果が達成されるまで及び/又は所望の治療的効果が維持される限り、従いうる。再び、これは、臨床医により決定されることができる。
別の局面において、本発明は、CXCR7に関連する疾患及び障害の少なくとも1つの防止及び/又は処置のため;及び/又は、本明細書において言及する処置の方法の1つ又は複数における使用のための医薬的組成物の調製における本発明のポリペプチドの使用に関する。
処置すべき被験者は、任意の温血動物、しかし、特に哺乳動物、さらに特にヒトでありうる。獣医学的な適用において、処置すべき被験者は、商業的な目的のために産生された又はペットとして保たれた任意の動物を含む。当業者に明かであろう通り、処置すべき被験者は、特に、本明細書において言及する疾患及び障害に苦しむ、又はそのリスクのある人でありうる。
本発明は、本発明のポリペプチド、又は同をコードするヌクレオチド、及び/又は同の医薬的組成物を、患者に投与することにより防止及び/又は処置することができる少なくとも1つの疾患又は障害の防止及び/又は処置のための医薬的組成物の調製における、本発明のポリペプチド、又は同をコードするヌクレオチドの使用に関する。
さらに特に、本発明は、CXCR7に関連する疾患及び障害の防止及び/又は処置のための、特に、本明細書において列挙する疾患及び障害の1つ又は複数の防止及び処置のための医薬的組成物の調製における、本発明のポリペプチド、又は同をコードするヌクレオチドの使用に関する。
再び、そのような医薬的組成物において、本発明の1つ又は複数のポリペプチド、又は同をコードするヌクレオチド、及び/又は同の医薬的組成物を、また、1つ又は複数の他の活性成分(例えば本明細書において言及するものなど)と適切に組み合わせてもよい。
本発明は、また、インビトロ(例、インビトロ又は細胞アッセイにおいて)又はインビボ(例、単一細胞又は多細胞生物において、特に、哺乳動物において、さらに特にヒトにおいて、例えば、本発明の疾患又は障害のリスクがある又はそれに苦しむヒトにおいて)のいずれかでの使用のための組成物(例えば、限定を伴わず、本明細書においてさらに記載する通りの医薬的組成物又は調製物など)に関する。
本発明の文脈において、「調節している」又は「調節するため」は、CXCR7及び特にCXCR7(配列番号1)の活性を低下又は阻害することを意味し、適したインビトロ、細胞、又はインビボアッセイ(例えば、本明細書において言及するものなど)を使用して測定される通りである。特に、CXCR7及び特にCXCR7(配列番号1)の活性を、同じ条件下の同じアッセイ(しかし、本発明のポリペプチドの存在を伴わない)におけるCXCR7及び特にCXCR7(配列番号1)の活性と比較し、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、例えば、少なくとも10%又は少なくとも25%だけ、例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、あるいは90%以上だけ低下又は阻害することは、適したインビトロ、細胞、又はインビボアッセイ(例えば、本明細書において言及するものなど)を使用して測定される通りである。
調節は、例えば、その基質又はリガンドの1つへのCXCR7の結合を低下もしくは阻害すること及び/又は天然リガンド(CXCL11及び/又はCXCL12)、CXCR7への結合のための基質と競合することを含みうる。
1.4. 本発明のポリペプチドの生成
本発明は、さらに、本明細書において記載する免疫グロブリンの単一可変ドメイン、ポリペプチド、核酸、宿主細胞、産物、及び組成物を調製又は生成するための方法に関する。そのような方法の一部の好ましいが、しかし、非限定的な例が、本明細書におけるさらなる記載から明らかになるであろう。
一般的に、これらの方法は、以下の工程を含みうる:
a)免疫グロブリンの単一可変ドメインのセット、コレクション、又はライブラリーを提供すること;及び
b)CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合することができる及び/又はそれについての親和性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメインについての免疫グロブリンの単一可変ドメインの前記セット、コレクション、又はライブラリーをスクリーニングすること;及び
c)CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合することができる及び/又はそれについての親和性を有するアミノ酸配列を単離すること。
そのような方法において、免疫グロブリンの単一可変ドメインのセット、コレクション、又はライブラリーは、免疫グロブリンの単一可変ドメインの任意の適したセット、コレクション、又はライブラリーでありうる。例えば、免疫グロブリンの単一可変ドメインのセット、コレクション、又はライブラリーは、免疫グロブリン配列のセット、コレクション、又はライブラリー(本明細書において記載する通り)、例えば免疫グロブリン配列のナイーブセット、コレクション、又はライブラリー;免疫グロブリン配列の合成又は半合成のセット、コレクション、又はライブラリー;及び/又は、親和性成熟に供されている免疫グロブリン配列のセット、コレクション、又はライブラリーでありうる。
また、そのような方法において、免疫グロブリンの単一可変ドメインのセット、コレクション、又はライブラリーは、重又は軽鎖可変ドメイン(例えばVL、VH、又はVHHドメインなど)のセット、コレクション、又はライブラリーでありうる。例えば、免疫グロブリンの単一可変ドメインのセット、コレクション、又はライブラリーは、ドメイン抗体又は単一ドメイン抗体のセット、コレクション、又はライブラリーでありうる、あるいは、ドメイン抗体又は単一ドメイン抗体として機能することが可能である免疫グロブリンの単一可変ドメインのセット、コレクション、又はライブラリーでありうる。
この方法の好ましい局面において、免疫グロブリンの単一可変ドメインのセット、コレクション、又はライブラリーは、例えば、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)を用いて、あるいは、それに基づく又はそれに由来する適した抗原決定基(例えば、その抗原部分、フラグメント、領域、ドメイン、ループ、又は他のエピトープなど)を用いて、適切に免疫化されている哺乳動物に由来する、免疫グロブリン配列の免疫セット、コレクション、又はライブラリーでありうる。1つの特定の局面において、前記の抗原決定基は、細胞外部分、領域、ドメイン、ループ、又は他の細胞外エピトープでありうる。
上の方法において、免疫グロブリンの単一可変ドメインのセット、コレクション、又はライブラリーは、ファージ、ファージミド、リボソーム、又は適した微生物(例えば酵母など)上でディスプレイしてもよく、スクリーニングを促進させる。免疫グロブリンの単一可変ドメイン(のセット、コレクション、又はライブラリー)をディスプレイ及びスクリーニングするための適した方法、技術、及び宿主生物は、当業者に、例えば、本明細書におけるさらなる開示に基づき、明らかであろう。参照が、また、Hoogenboom in Nature Biotechnology, 23, 9, 1105-1116 (2005)による総説に作られる。
別の局面において、免疫グロブリンの単一可変ドメインを生成するための方法は、少なくとも以下の工程を含む:
a)免疫グロブリンの単一可変ドメインを発現する細胞のコレクション又はサンプルを提供すること;
b)CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合することができる及び/又はそれについての親和性を有するアミノ酸配列を発現する細胞についての細胞の前記コレクション又はサンプルをスクリーニングすること;及び
c)i)前記アミノ酸配列を単離し;又はii)前記細胞から、前記アミノ酸配列をコードする核酸配列を単離し、それに続き、前記アミノ酸配列を発現させること。
別の局面において、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられたアミノ酸配列を生成するための方法は、少なくとも以下の工程を含みうる:
a)免疫グロブリンの単一可変ドメインをコードする核酸配列のセット、コレクション、又はライブラリーを提供すること;
b)CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合することができる及び/又はそれについての親和性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列について核酸配列の前記セット、コレクション、又はライブラリーをスクリーニングすること;及び
c)前記核酸配列を単離し、それに続き、前記アミノ酸配列を発現させること。
そのような方法において、免疫グロブリンの単一可変ドメインをコードする核酸配列のセット、コレクション、又はライブラリーは、例えば、免疫グロブリン配列のナイーブセット、コレクション、又はライブラリーをコードする核酸配列のセット、コレクション、又はライブラリー;免疫グロブリン配列の合成又は半合成セット、コレクション、又はライブラリーをコードする核酸配列のセット、コレクション、又はライブラリー;及び/又は、親和性成熟に供されている免疫グロブリン配列のセット、コレクション、又はライブラリーをコードする核酸配列のセット、コレクション、又はライブラリーでありうる。
別の局面において、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられるアミノ酸配列を生成するための方法は、少なくとも以下の工程を含みうる:
a)免疫グロブリンの単一可変ドメインをコードする核酸配列のセット、コレクション、又はライブラリーを提供すること;
b)CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合することができる及び/又はそれについての親和性を有するアミノ酸配列をコードする、ならびに、交差遮断される又は本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインもしくはポリペプチド(例、配列番号39〜43、91又は99〜102(表B−3))を交差遮断している核酸配列について核酸配列の前記セット、コレクション、又はライブラリーをスクリーニングすること;及び
c)前記核酸配列を単離し、それに続き、前記アミノ酸配列を発現させること。
本発明は、また、上の方法により、又は、代わりに、上の方法の1つを含む方法により、及び、また、少なくとも、前記免疫グロブリン配列のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列を決定する;及び、それ自体が公知の様式において前記アミノ酸配列を発現又は合成する(例えば、適した宿主細胞又は宿主生物における発現により、あるいは化学合成により)工程により得られる。
また、上の工程に続き、本発明の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインを、適切にヒト化、ラクダ化、又は他に配列最適化(例、製造可能性、安定性、及び/又は溶解性について最適化した配列)してもよい;及び/又は、このようにして得られたアミノ酸配列を、互いにあるいは1つ又は複数の他の適した免疫グロブリンの単一可変ドメインに(場合により、1つ又は複数の適したリンカーを介して)連結してもよい。また、本発明のアミノ酸配列をコードする核酸配列を、適切にヒト化、ラクダ化、又は他に配列最適化(例、製造可能性、安定性、及び/又は溶解性について最適化した配列)してもよい;及び/又は、本発明のアミノ酸配列をコードする1つ又は複数の核酸配列を、互いにあるいは他の適した免疫グロブリンの単一可変ドメインをコードする1つ又は複数の核酸配列に(場合により、1つ又は複数の適したリンカーをコードするヌクレオチド配列を介して)連結してもよく、その後、このようにして得られたヌクレオチド配列を、適切に発現させてもよく、本発明のポリペプチドを提供する。
本発明は、さらに、本明細書に記載する免疫グロブリンの単一可変ドメイン、化合物、コンストラクト、ポリペプチド、核酸、宿主細胞、産物、及び組成物の適用及び使用、ならびにCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に関連する疾患及び障害のための診断、防止、及び/又は処置のための方法に関する。一部の好ましいが、しかし、非限定的な適用及び使用が、本明細書におけるさらなる記載から明らかになるであろう。
本発明は、また、治療における使用のための、本明細書において記載する免疫グロブリンの単一可変ドメイン、化合物、コンストラクト、ポリペプチド、核酸、宿主細胞、産物、及び組成物に関する。
特に、本発明は、また、それを必要とする被験者に、本明細書において記載する通りのアミノ酸配列、化合物、コンストラクト、又はポリペプチド(の医薬的に効果的な量)を投与することにより防止又は処置することができる疾患又は障害の治療における使用のための、本明細書において記載する免疫グロブリンの単一可変ドメイン、化合物、コンストラクト、ポリペプチド、核酸、宿主細胞、産物、及び組成物に関する。
さらに特に、本発明は、癌の治療における使用のための、本明細書において記載する免疫グロブリンの単一可変ドメイン、化合物、コンストラクト、ポリペプチド、核酸、宿主細胞、産物、及び組成物に関する。
1.5. 本発明のポリペプチド及び免疫グロブリンの単一可変ドメインのバリアント
本発明のポリペプチド及び免疫グロブリンの単一可変ドメイン(それは、本発明のポリペプチドの部分を形成する)は、効力又は他の所望の特性をさらに改善するために、変えてもよい。
一般的に、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1:
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4を伴うポリペプチドとして定義することができ、
ここで、FR1〜FR4は、それぞれ、フレームワーク領域1〜4を指し、及び、ここで、CDR1〜CDR3は、それぞれ、相補性決定領域1〜3を指す。
CDR配列の一部の特に好ましいが、しかし、非限定的な組み合わせ、ならびにCDR配列及びフレームワーク配列の好ましい組み合わせが、表B−2に言及されており、それは、本発明の多数の好ましい(しかし、非限定的な)免疫グロブリンの単一可変ドメイン中に存在しているCDR配列及びフレームワーク配列を列挙する。当業者に明らかであろう通り、同じクローン中で生じるCDR1、CDR2、及びCDR3配列の組み合わせ(即ち、表B−2中の同じ行又は列で言及されるCDR1、CDR2、及びCDR3配列)が通常好ましいであろう(もっとも、本発明は、その最も広い意味において、それらに限定されず、また、表B−2中に言及するCDR配列の他の適した組み合わせを含む)。また、同じクローン中で生じるCDR配列及びフレームワーク配列の組み合わせ(即ち、表B−2中の同じ行又は列で言及されるCDR配列及びフレームワーク配列)が通常好ましいであろう(もっとも、本発明は、その最も広い意味において、それらに限定されず、また、表B−2中に言及するCDR配列及びフレームワーク配列の他の適した組み合わせ、ならびにそのようなCDR配列及び他の適したフレームワーク配列の組み合わせを含み、例えば、本明細書においてさらに記載する通りである)。
また、表B−2中に言及するCDRの組み合わせを含む、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、各々のCDRは、言及するCDRと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性(本明細書において定義する通り)を有する免疫グロブリンの単一可変ドメインからなる群より選ばれるCDRにより置換することができ;ここで:
i)そのようなCDR中の任意のアミノ酸置換は、好ましくは、表B−2中で言及する対応するCDR配列と比較し、保存的なアミノ酸置換(本明細書において定義する通り)であり;及び/又は
ii)任意のそのようなCDR配列は、好ましくは、表B−2中で言及する対応するCDR配列と比較し、アミノ酸置換だけを含み、アミノ酸の欠失又は挿入はない;及び/又は
iii)任意のそのようなCDR配列は、それ自体が公知の親和性成熟のための技術を用いて由来するCDRであり、特に、表B−2中で言及する対応するCDR配列から開始する。
しかし、当業者に明らかであろう通り、CDR配列(の組み合わせ)、ならびに表B−2中に言及するCDR配列及びフレームワーク配列(の組み合わせ)が、一般的に好ましいであろう。
このように、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在するCDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも1つが、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より;あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも1つと、それぞれ、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の「配列同一性」(本明細書において定義する通り)を有するCDR1、CDR2、及びCDR3配列の群より;ならびに/あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも1つと、それぞれ、3、2、又はわずか1の「アミノ酸の違い」(本明細書において定義する通り)を有するCDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より適切に選ばれる。
この文脈において、「適切に選ぶ」により、適用可能な場合、CDR1配列が適したCDR1配列(即ち、本明細書において定義する通り)より選ばれ、CDR2配列が適したCDR2配列(即ち、本明細書において定義する通り)より選ばれ、及び、CDR3配列が適したCDR3配列(即ち、本明細書において定義する通り)より選ばれることをそれぞれ意味する。さらに特に、CDR配列は、好ましくは、本発明のナノボディが、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、本明細書において定義する親和性(EC50値として、又は、代わりに、IC50値として、本明細書においてさらに記載する通り、種々のインビトロ及び/又はインビボ効力あるいは他のアッセイにおいて適切に測定及び/又は表現される)を伴い結合するように選ぶ。
特に、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在する少なくともCDR3配列が、表B−2に列挙するCDR3配列からなる群より、あるいは、表B−2に列挙するCDR3配列の少なくとも1つと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR3配列からなる群より;ならびに/あるいは、表B−2に列挙するCDR3配列の少なくとも1つと、3、2、又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR3配列からなる群より適切に選ばれる。
好ましくは、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在するCDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも2つが、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より、あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも1つと、それぞれ、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より;ならびに/あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも1つと、それぞれ、3、2、又はわずか1の「アミノ酸の違い」を有するCDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より適切に選ばれる。
特に、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在する少なくともCDR3配列が、表B−2に列挙するCDR3配列からなる群より、あるいは、それぞれ、表B−2に列挙するCDR3配列の少なくとも1つと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR3配列の群より適切に選ばれ;ならびに、存在するCDR1及びCDR2配列の少なくとも1つが、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1及びCDR2配列の群より、あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1及びCDR2配列の少なくとも1つと、それぞれ、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR1及びCDR2配列の群より;ならびに/あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1及びCDR2配列の少なくとも1つと、それぞれ、3、2、又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR1及びCDR2配列からなる群より適切に選ばれる。
最も好ましくは、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より、あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも1つと、それぞれ、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR1、CDR2、及びCDR3配列の群より;ならびに/あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも1つと、それぞれ、3、2、又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より適切に選ばれる。
さらにより好ましくは、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在するCDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも1つが、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より適切に選ばれる。好ましくは、この局面において、存在する他の2つのCDR配列の少なくとも1つ又は好ましくは両方が、それぞれ、表B−2に列挙する、対応するCDR配列の少なくとも1つと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR配列より;ならびに/あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、対応する配列の少なくとも1つと、それぞれ、3、2、又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR配列からなる群より適切に選ばれる。
特に、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在する少なくともCDR3配列が、表B−2に列挙するCDR3からなる群より適切に選ばれる。好ましくは、この局面において、存在するCDR1及びCDR2配列の少なくとも1つ及び好ましくは両方が、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1及びCDR2配列と、それぞれ、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR1及びCDR2配列の群より;ならびに/あるいは、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1及びCDR2配列の少なくとも1つと、それぞれ、3、2、又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR1及びCDR2配列からなる群より適切に選ばれる。
さらにより好ましくは、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在するCDR1、CDR2、及びCDR3配列の少なくとも2つが、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より適切に選ばれる。好ましくは、この局面において、存在する残りのCDR配列が、表B−2に列挙する、対応するCDR配列の少なくとも1つと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR配列の群より;ならびに/あるいは、表B−2に列挙する、対応するCDR配列の少なくとも1つと、3、2、又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR配列からなる群より適切に選ばれる。
特に、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、少なくともCDR3配列が、表B−2に列挙するCDR3配列からなる群より適切に選ばれ、CDR1配列又はCDR2配列のいずれかが、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1配列又はCDR2配列からなる群より適切に選ばれる。好ましくは、この局面において、存在する残りのCDR配列が、表B−2に列挙する、対応するCDR配列の少なくとも1つと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR配列の群より;ならびに/あるいは、表B−2に列挙する、対応するCDR配列と、3、2、又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR配列からなる群より適切に選ばれる。
さらにより好ましくは、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在する全て3つのCDR1、CDR2、及びCDR3配列が、それぞれ、表B−2に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列からなる群より適切に選ばれる。
また、一般的に、表B−2中に列挙するCDRの組み合わせ(即ち、表B−2中の同じ行又は列に言及されるもの)が好ましい。このように、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン中のCDRが、表B−2中に言及するCDR配列である、又は、表B−2中に列挙するCDR配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するCDR配列の群より;及び/又は、表B−2中に列挙するCDR配列と3、2、又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR配列からなる群より適切に選ばれる場合、他のCDRの少なくとも1つ及び好ましくは両方が、表B−2中の同じ組み合わせに属するCDR配列(即ち、表B−2中の同じ行又は列に言及される)より適切に選ばれる、あるいは、同じ組み合わせに属しているCDR配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性(本明細書において定義する通り)を有するCDR配列の群より、及び/又は同じ組み合わせに属しているCDR配列と3、2,又はわずか1のアミノ酸の違いを有するCDR配列の群より適切に選ばれることが一般的に好ましい。上のパラグラフ中に示す他の優先度を、また、表B−2中に言及するCDRの組み合わせに適用する。
このように、非限定的な例を用いて、本発明のポリペプチドは、例えば、表B−2中に言及するCDR1配列の1つと80%を上回る配列同一性を有するCDR1配列、表B−2中に言及する(しかし、異なる組み合わせに属している)CDR2配列の1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有するCDR2配列、及びCDR3配列を含みうる。
本発明の一部の好ましい免疫グロブリンの単一可変ドメインは、例えば、以下を含みうる:(1)表B−2中に言及するCDR1配列の1つと80%を上回る配列同一性を有するCDR1配列;表B−2中に言及する(しかし、異なる組み合わせに属している)CDR2配列の1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有するCDR2配列;及び、表B−2中に言及する(しかし、異なる組み合わせに属している)CDR3配列の1つと80%を上回る配列同一性を有するCDR3配列;又は(2)表B−2中に言及するCDR1配列の1つと80%を上回る配列同一性を有するCDR1配列;CDR2配列、及び表B−2中に列挙するCDR3配列の1つ;又は(3)CDR1配列;表B−2中に列挙するCDR2配列の1つと80%を上回る配列同一性を有するCDR2配列;及び、CDR2配列と同じ組み合わせに属する、表B−2中に言及するCDR3配列と3、2、又は1アミノ酸の違いを有するCDR3配列。
本発明の一部の特に好ましい免疫グロブリンの単一可変ドメインは、例えば、以下を含みうる:(1)表B−2中に言及するCDR1配列の1つと80%を上回る配列同一性を有するCDR1配列;同じ組み合わせに属する、表B−2中に言及するCDR2配列と3、2、又は1アミノ酸の違いを有するCDR2配列;及び、同じ組み合わせに属する、表B−2中に言及するCDR3配列と80%を上回る配列同一性を有するCDR3配列;(2)CDR1配列;表B−2中に列挙するCDR2及び表B−2中に列挙するCDR3配列(ここで、CDR2配列及びCDR3配列は、異なる組み合わせに属しうる)。
本発明の一部のさらにより好ましい免疫グロブリンの単一可変ドメインは、例えば、以下を含みうる:(1)表B−2中に言及するCDR1配列の1つと80%を上回る配列同一性を有するCDR1配列;同じ組み合わせに属する、表B−2中に列挙するCDR2配列;及び、異なる組み合わせに属する、表B−2中に言及するCDR3配列;又は、(2)表B−2中に言及するCDR1配列;同じ組み合わせに属する、表B−2中に言及するCDR2配列と3、2、又は1アミノ酸の違いを有するCDR2配列;及び、同じ又は異なる組み合わせに属する、表B−2中に列挙するCDR3配列と80%を上回る配列同一性を有するCDR3配列。
本発明の特に好ましい免疫グロブリンの単一可変ドメインは、例えば、表B−2中に言及するCDR1配列、同じ組み合わせに属する、表B−2中に言及するCDR2配列と80%を上回る配列同一性を有するCDR2配列;及び、同じ組み合わせに属する、表B−2中に言及するCDR3配列を含みうる。
本発明の最も好ましい免疫グロブリンの単一可変ドメインにおいて、存在するCDR1、CDR2、及びCDR3配列は、それぞれ、表B−2中に列挙する、CDR1、CDR2、及びCDR3配列の組み合わせの1つより適切に選ばれる。
本発明の別の好ましいが、しかし、非限定的な局面において、(a)CDR1は、1〜12の間のアミノ酸残基、及び、通常、2〜9の間のアミノ酸残基、例えば5、6、又は7のアミノ酸残基などの長さを有する;及び/又は(b)CDR2は、13〜24の間のアミノ酸残基、及び、通常、15〜21の間のアミノ酸残基、例えば16及び17のアミノ酸残基などの長さを有する;及び/又は(c)CDR3は、2〜35の間のアミノ酸残基、及び、通常、3〜30の間のアミノ酸残基、例えば6〜23の間のアミノ酸残基などの長さを有する。
別の好ましいが、しかし、非限定的な局面において、本発明は、CDR配列(本明細書において定義する通り)が、配列番号39〜43又は91ならびに99〜102(表B−3を参照のこと)の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つのCDR配列と、80%を上回る、より好ましくは90%を上回る、好ましくは95%を上回る、例えば99%以上の配列同一性(本明細書において定義する通り)を有する。
本発明の別の好ましいが、しかし、非限定的な局面は、配列番号39〜43又は91ならびに99〜102(表B−3を参照のこと)の免疫グロブリンの単一可変ドメインのヒト化バリアントに関し、それは、対応する天然VHH配列と比較し、少なくとも1つのヒト化置換(本明細書において定義する通り)、及び特に少なくとも1つのヒト化置換を、そのフレームワーク配列(本明細書において定義する通り)の少なくとも1つにおいて含む。
本明細書において「好ましい」(又は「より好ましい」、又は「さらにより好ましい」、など)として言及されている免疫グロブリンの単一可変ドメインが、また、本明細書において記載するポリペプチド中での使用のために好ましい(又はより好ましい、又はさらにより好ましい、など)ことが当業者に明かであろう。このように、本発明の1つ又は複数の「好ましい」免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む又はそれから実質的になるポリペプチドが、一般的に好ましく、本発明の1つ又は複数の「より好ましい」免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む又はそれから実質的になるポリペプチドが、一般的により好ましい、など。
1.6. 本発明のヌクレオチド、宿主細胞
本発明の別の局面は、本発明のアミノ酸配列(例えば本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインなど)をコードする核酸又は同を含む本発明のポリペプチドに関する。再び、本明細書において一般的に記載される通り、そのような核酸は、本明細書において定義する通り、遺伝子コンストラクトの形態でありうる。本発明のこの局面の特定の実施態様が、表B−6、配列番号59〜63及び73〜77に提供される。
別の好ましいが、しかし、非限定的な局面において、本発明は、免疫グロブリンの単一可変ドメインの核酸配列に関し、ここで、配列(本明細書において定義する通り)は、配列番号59〜63又は73〜77(表B−6を参照のこと)の免疫グロブリンの単一可変ドメインの核酸配列の少なくとも1つの配列と、80%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは95%を上回る、例えば99%以上の配列同一性(本明細書において定義する通り)を有する。
別の局面において、本発明は、免疫グロブリンの単一可変ドメインの核酸配列を含む核酸配列に関し、ここで、配列(本明細書において定義する通り)は、配列番号59〜63又は73〜77(表B−6を参照のこと)の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つの配列と、80%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは95%を上回る、例えば99%以上の配列同一性(本明細書において定義する通り)を有する。
別の局面において、本発明は、本発明のアミノ酸配列(例えば免疫グロブリンの単一可変ドメインなど)及び/又は同を含む本発明のポリペプチドを発現する又は発現することが可能である;ならびに/あるいは本発明の核酸を含む宿主又は宿主細胞に関する。そのような宿主又は宿主細胞の一部の好ましいが、しかし、非限定的な例が、本明細書におけるさらなる記載から明らかになるであろう。
当業者に明らかであろう通り、本発明のポリペプチドを調製するための1つの特に有用な方法は、一般的に、以下の工程を含む:
i)適した宿主細胞もしくは宿主生物(また、本明細書において「本発明の宿主」として言及される)における、又は本発明の前記のアミノ酸配列、ポリペプチドをコードする核酸(また、本明細書において「本発明の核酸」として言及される)の別の適した発現系における発現、
場合により、以下が続く:
ii)このようにして得られた本発明のポリペプチドを単離及び/又は精製すること。
特に、そのような方法は、以下の工程を含みうる:
i)本発明の前記宿主が、少なくとも1つの本発明のポリペプチドを発現及び/又は産生する条件下で、本発明の宿主を培養及び/又は維持すること;場合により、以下が続く:
ii)このようにして得られた本発明のポリペプチドを単離及び/又は精製すること。
本発明の核酸は、一本又は二本鎖DNA又はRNAの形態でありうるが、好ましくは、二本鎖DNAの形態である。例えば、本発明のヌクレオチド配列は、ゲノムDNA、cDNA、又は合成DNA(例えば、意図する宿主細胞又は宿主生物における発現のために特に適応されているコドン使用を伴うDNAなど)でありうる。
本発明の一局面に従い、本発明の核酸は、本明細書において定義する通り、実質的に単離形態である。
本発明の核酸は、また、ベクター(例えば、プラスミド、コスミド、又はYACなど)の形態でありうる、その中に存在しうる、及び/又はその部分でありうるが、それは、再び、実質的に単離形態でありうる。
本発明の核酸は、本明細書において与えられる本発明のポリペプチドについての免疫グロブリンの単一可変ドメインに関する情報に基づき、それ自体が公知の様式において調製する又は得ることができ、ならびに/あるいは適した自然の供給源から単離することができる。類似体を提供するために、自然発生するVHHドメインをコードするヌクレオチド配列を、例えば、部位特異的変異誘発に供することができ、前記類似体をコードする本発明の核酸を提供する。また、当業者に明らかであろう通り、本発明の核酸を調製するために、また、いくつかのヌクレオチド配列、例えば、本発明のポリペプチドをコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列及び例えば1つ又は複数のリンカーをコードする核酸を、適した様式において一緒に連結することができる。
本発明の核酸を生成するための技術は、当業者に明らかであろうが、例えば、しかし、限定しないが、自動DNA合成;部位特異的変異誘発;2つ以上の自然発生する及び/又は合成配列(あるいはその2つ以上の部分)を組み合わせること、切断発現産物の発現に導く変異の導入;1つ又は複数の制限部位の導入(例、適した制限酵素を使用して簡単に消化及び/又は連結されうるカセット及び/又は領域を作製すること)、及び/又は、1つ又は複数の「ミスマッチ」プライマーを使用し、例えば、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)の自然発生形態の配列を鋳型として使用したPCR反応を用いて変異の導入を含む。これら及び他の技術は、当業者に明らかであろうが、参照が、再び、上に言及する、標準的なハンドブック、例えば、Sambrook et al. and Ausubel et al.など、ならびに下の実施例に作られる。
本発明の核酸は、また、遺伝子コンストラクトの形態でありうる、その中に存在しうる、及び/又はその部分でありうるが、それは、当業者に明らかであろう通りであり、WO 08/020079(本明細書において参照により組み入れられる)のページ131〜134に記載される通り。そのような遺伝子コンストラクトは、一般的に、場合により、それ自体が公知の遺伝子コンストラクトの1つ又は複数のエレメント、例えば、1つ又は複数の適した調節エレメント(例えば適したプロモーター、エンハンサー、ターミネーターなど)及び本明細書において言及される遺伝子コンストラクトのさらなるエレメントなどに連結された少なくとも1つの本発明の核酸を含む。本発明の少なくとも1つの核酸を含むそのような遺伝子コンストラクトは、また、本明細書において、「本発明の遺伝子コンストラクト」として言及されうる。
本発明の遺伝子コンストラクトは、DNA又はRNAでありうるが、好ましくは、二本鎖DNAである。本発明の遺伝子コンストラクトは、また、意図する宿主細胞又は宿主生物の形質転換のために適した形態で、意図する宿主細胞又は宿主生物のゲノムDNA中への組込みのために適した形態で、あるいは意図する宿主生物における独立した複製、維持、及び/又は遺伝のために適した形態でありうる。例えば、本発明の遺伝子コンストラクトは、ベクター、例えば、プラスミド、コスミド、YAC、ウイルスベクター、又はトランスポゾンなどの形態でありうる。特に、ベクターは、発現ベクター、即ち、発現をインビトロ及び/又はインビボで(例、適した宿主細胞、宿主生物、及び/又は発現系において)提供することができるベクターでありうる。
好ましいが、しかし、非限定的な局面において、本発明の遺伝子コンストラクトは以下を含む
i)本発明の少なくとも1つの核酸;動作可能に、以下に接続される
ii)1つ又は複数の調節エレメント、例えばプロモーター及び場合により適したターミネーターなど;及び、場合により、
iii)それ自体が公知の遺伝子コンストラクトの1つ又は複数のさらなるエレメント;
ここで、用語「動作可能に接続された」及び「動作可能に連結された」は、WO 08/020079のページ131〜134に与えられる意味を有し;及び、ここで、「調節エレメント」、「プロモーター」、「ターミネーター」、及び「さらなるエレメント」は、WO 08/020079のページ131〜134に記載される通りであり;及び、ここで、遺伝子コンストラクトは、WO 08/020079のページ131〜134にさらに記載される通りでありうる。
本発明の核酸及び/又は本発明の遺伝子コンストラクトを使用し、宿主細胞又は宿主生物を、即ち、本発明のポリペプチドの発現及び/又は産生のために形質転換してもよい。適した宿主又は宿主細胞は、当業者に明らかであろうが、例えば、任意の適した真菌、原核、又は真核細胞もしくは細胞株あるいは任意の適した真菌、原核、又は真核生物、例えば、WO 08/020079のページ134及び135に記載されるもの;ならびに、抗体及び抗体フラグメント(しかし、限定しないが、(単一)ドメイン抗体及びScFvフラグメントを含む)の発現及び産生のための、それ自体が公知の全ての他の宿主又は宿主細胞でありうるが、それらは、当業者に明らかであろう。参照が、また、本明細書において上で引用する一般的な背景技術に、ならびに、例えば、WO 94/29457;WO 96/34103;WO 99/42077に作られる。
本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドは、例えば、また、トランスジェニック動物の乳汁中で、例えば、ウサギ、ウシ、ヤギ、又は羊の乳汁中で(例えば、哺乳動物中にトランスジーンを導入するための一般的な技術については、US−A−6,741,957、US−A−6,304,489、及びUS−A−6,849,992を参照のこと)、植物又は植物の部分中で(しかし、限定しないが、それらの葉、花、果実、種子、根、又は塊茎を含む)(例えば、タバコ、トウモロコシ、大豆、又はアルファルファにおいて)、あるいは、例えば、カイコBombix moriの蛹中で産生することもできる。
さらに、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドを、また、無細胞発現系において発現及び/又は産生することができ、そのような系の適した例は、当業者に明かであろう。一部の好ましいが、しかし、非限定的な例は、小麦胚芽系における;ウサギ網状赤血球ライセートにおける;又は大腸菌Zubay系における発現を含む。
上に言及する通り、免疫グロブリンの単一可変ドメインの使用の利点の1つは、それに基づくポリペプチドを、適した細菌系における発現を通じて調製することができることであり、適した細菌発現系、ベクター、宿主細胞、調節エレメントなどは、例えば、上に引用する参考文献から、当業者に明らかであろう。しかし、本発明は、その最も広い意味において、細菌系における発現に限定されないことに注目すべきである。
好ましくは、本発明において、本発明のポリペプチドを、医薬的使用のために適している形態において提供する(インビボ又はインビトロ)発現系(例えば細菌発現系など)を使用し、そのような発現系は、再び、当業者に明かであろう。また、当業者に明かであろう通り、医薬的使用のために適した本発明のポリペプチドは、ペプチド合成のための技術を使用して調製することができる。
工業規模での産生のために、免疫グロブリンの単一可変ドメイン又は免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むタンパク質治療薬の(工業)産生のための好ましい異種宿主は、大規模発現/産生/発酵のために、及び特に大規模な医薬的な(即ち、GMPグレード)発現/産生/発酵のために適している大腸菌、ピキア・パストリス、Sセレビシエの株を含む。そのような株の適した例が、当業者に明らかであろう。そのような株及び産生/発現系は、また、企業、例えばRichter Helm(Hamburg, Germany)又はCMC Biologics(Soeborg, Denmark)などにより利用可能になる。
あるいは、哺乳動物細胞株、特にチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、大規模発現/産生/発酵のために、及び特に大規模な医薬的な発現/産生/発酵のために使用することができる。再び、そのような発現/産生系が、また、上に言及する企業の一部により利用可能になる。
特定の発現系の選択は、部分的には、特定の翻訳後修飾、より具体的には、グリコシル化についての要求に依存しうる。グリコシル化が望ましい又は要求される免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む組換えタンパク質の産生は、発現タンパク質をグリコシル化する能力を有する哺乳動物の発現宿主の使用を必要としうる。この点において、得られたグリコシル化パターン(即ち、サッカライドの性質、付着した残基の数及び位置)が、発現のために使用される細胞又は細胞株に依存しうることが当業者に明らかであろう。好ましくは、ヒト細胞又は細胞株のいずれかを使用し(即ち、ヒトのグリコシル化パターンを実質的に有するタンパク質に導く)、あるいは、別の哺乳動物細胞を使用し、それは、ヒトのグリコシル化と実質的及び/又は機能的に同じである、あるいは少なくともヒトのグリコシル化を模倣するグリコシル化パターンを提供することができる。一般的に、原核生物の宿主(例えば大腸菌など)は、タンパク質をグリコシル化する能力を有さず、より低い真核生物(例えば酵母など)の使用は、通常、ヒトのグリコシル化とは異なるグリコシル化パターンに導く。それにもかかわらず、全ての先行する宿主細胞及び発現系を、本発明において、得るべき所望のポリペプチドに依存して使用することができることを理解すべきである。
このように、本発明の1つの非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドをグリコシル化する。本発明の別の非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは非グリコシル化である。
本発明の1つの好ましいが、しかし、非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは、細菌細胞中で、特に、大規模な医薬品産生のために適した細菌細胞(例えば上に言及する株の細胞など)中で産生される。
本発明の別の好ましいが、しかし、非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは、酵母細胞中で、特に、大規模な医薬品産生のために適した酵母細胞(例えば上に言及する種の細胞など)中で産生される。
本発明のさらに別の好ましいが、しかし、非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは、哺乳動物細胞中で、特に、ヒト細胞中で又はヒト細胞株の細胞中で、さらに特に、ヒト細胞中で又は大規模な医薬品産生のために適しているヒト細胞株(例えば、本明細書において上で言及する細胞株など)の細胞中で産生される。
WO 08/020079のページ138及び139にさらに記載される通り、宿主細胞中での発現を使用し、免疫グロブリンの単一可変ドメイン、及び本発明のポリペプチドを産生する場合、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメイン及びポリペプチドを、細胞外で(例、サイトゾル中で、ペリプラズム中で、又は封入体中で)産生し、次に、宿主細胞から単離し、場合により、さらに精製することができる;又は、細胞外で(例、宿主細胞を培養した培地中で)産生し、次に、培養培地から単離し、場合により、さらに精製することができる。このように、本発明の1つの非限定的な局面に従い、本発明のポリペプチドは、細胞外で産生された、及び宿主細胞から、特に細菌細胞から、又は細菌細胞中の封入体から単離されたアミノ酸配列、ポリペプチドである。本発明の別の非限定的な局面に従い、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドは、細胞外で産生された、及び宿主細胞を培養した培地から単離されたアミノ酸配列又はポリペプチドである。
これらの宿主細胞との使用のための一部の好ましいが、しかし、非限定的なプロモーターは、WO 08/020079のページ139及び140に言及されるものを含む。
これらの宿主細胞との使用のための一部の好ましいが、しかし、非限定的な分泌配列は、WO 08/020079のページ139及び140に言及されるものを含む。
本発明の宿主又は宿主細胞を形質転換するための適した技術が、当業者に明らかであろうが、ならびに、意図される宿主細胞/宿主生物及び使用される遺伝子コンストラクトに依存しうる。参照が、再び、上に言及するハンドブック及び特許出願に作られる。
形質転換後、本発明のヌクレオチド配列/遺伝子コンストラクトを用いて成功裏に形質転換されているそれらの宿主細胞又は宿主生物を検出及び選択するための工程を実施してもよい。これは、例えば、本発明の遺伝子コンストラクト中に存在する選択可能なマーカーに基づく選択工程又は本発明のアミノ酸配列の検出を含む工程(例、特異的抗体を使用する)でありうる。
形質転換された宿主細胞(それは、安定な細胞株の形態でありうる)又は宿主生物(それは、安定な変異体系統又は株の形態でありうる)は、本発明のさらなる局面を形成する。好ましくは、これらの宿主細胞又は宿主生物は、それらが、本発明のポリペプチド(宿主生物の場合において:その少なくとも1つの細胞、部分、組織、又は器官において)を発現する、又は発現することが(少なくとも)可能である(例、適した条件下で)ようにする。本発明は、また、例えば、細胞分裂により又は有性もしくは無性生殖により得られうる、本発明の宿主細胞又は宿主生物のさらなる世代、後代、及び/又は子孫を含む。
本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインの発現を産生する/得るために、形質転換された宿主細胞又は形質転換された宿主生物を、一般的に、条件下で保ち、維持し、及び/又は培養してもよく、本発明の(所望の)アミノ酸配列又はポリペプチドを発現/産生するようにする。適した条件は当業者に明らかであろうが、通常、使用する宿主細胞/宿主生物に、ならびに本発明の(関連)ヌクレオチド配列の発現を制御する調節エレメントに依存しうる。再び、参照が、本発明の遺伝子コンストラクトに関するパラグラフにおいて上に言及するハンドブック及び特許出願に作られる。
一般的に、適した条件は、適した培地の使用、食物の適した供給源及び/又は適した栄養物の存在、適した温度の使用、ならびに、場合により、適した誘導因子又は化合物の存在(例、本発明のヌクレオチド配列が、誘導可能なプロモーターの制御下にある場合)を含みうるが;それらの全てが当業者により選択されうる。再び、そのような条件下で、本発明の免疫グロブリンの単一可変ドメインを、構成的な様式において、一過性の様式において、又は適切に誘導された場合だけで、発現されうる。
また、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを、(最初に)未成熟形態(上に言及する通り)において生成してもよく、それを、次に、使用する宿主細胞/宿主生物に依存して、翻訳後修飾に供してもよいことが当業者に明らかであろう。また、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを、再び、使用する宿主細胞/宿主生物に依存して、グリコシル化してもよい。
本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを、次に、宿主細胞/宿主生物から及び/又は前記宿主細胞又は宿主生物を培養した培地から、それ自体が公知のタンパク質単離及び/又は精製技術、例えば(調製的)クロマトグラフィー及び/又は電気泳動技術、沈殿差技術、親和性技術(例、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドと融合した特定の切断可能なアミノ酸配列を使用して)、及び/又は調製的な免疫学的技術(即ち、単離すべきアミノ酸配列に対する抗体を使用して)を使用して単離してもよい。
本願を通じて引用する参考文献(文献・参考文献、発行された特許、公開特許出願、及び同時係属中の特許出願を含む)の全ての全内容が、本明細書により、参照により、特に、本明細書において上に参照する教示について、明確に組み入れられる。
1.7 CXCR7のモジュレーター
多数の異なるスクリーニングプロトコールを利用し、細胞中での、特に、哺乳動物細胞中での、及び、特に、ヒト細胞中でのCXCR7の活性又は機能のレベルを調節する薬剤を同定することができる。一般的な用語において、スクリーニング方法は、例えば、CXCR7又はそのフラグメントに結合すること、及び、本発明のポリペプチド又はISVD(例えば、配列番号39〜48、78〜89、91、99〜102、又は132〜140のいずれか1つを含む)がCXCR7(配列番号1)に結合することを防止することにより、薬剤又は複数の薬剤をスクリーニングし、(ヒト)CXCR7(配列番号1)と相互作用する1つ又は複数の薬剤を同定することを含む。一部の実施態様において、薬剤は、別のタンパク質についての薬剤の親和性の少なくとも約1.5、2、3、4、5、10、20、50、100、300、500、又は1000倍を伴いCXCR7に結合する。一部の実施態様において、本明細書において記載するエピトープを含む(及び、場合により、N及び/又はC末端にさらなる非CXCR7アミノ酸を含む)CXCR7のフラグメントは、わずか、例えば、300、250、200、150、100、50、40、30、20以下のアミノ酸である。一部の実施態様において、CXCR7フラグメントは、完全長CXCR7ポリペプチド中の全てより少ないアミノ酸を有する任意のフラグメントである。
一部の実施態様において、CXCR7モジュレーターは、CXCR7ポリペプチド又はそのフラグメントへの結合からの、本発明のポリペプチド又はISVDと競合する分子についてのスクリーニングにより同定する。当業者は、競合分析を実施するための多数の方法(例えば、本明細書にのいて開示するものなど)があることを認識するであろう。一部の実施態様において、CXCR7を伴うサンプルを、本発明の標識ポリペプチド又はISVD(例えば、配列番号39〜48、78〜89、91、99〜102、又は132〜140のいずれか1つを含む)を用いてプレインキュベートし、次に、潜在的なコンペティター分子と接触させる。テスト化合物の存在におけるCXCR7に結合したポリペプチド又はISVDの量の変化(例、減少)は、テスト化合物が潜在的なCXCR7モジュレーターであることを示す。
1.8 診断的及び/又は予後的適用における使用のためのキット
上に示唆する診断的、研究、及び治療的適用における使用のために、キットが、また、本発明により提供される。診断的及び研究適用において、そのようなキットは、以下のいずれか又は全てを含みうる:アッセイ試薬、緩衝液、及び本発明の抗CXCR7ポリペプチド又はISVD。治療的産物は、滅菌生理食塩水又は別の医薬的に許容可能な乳剤及び懸濁基剤を含みうる。
また、キットは、本発明の方法の実行のための指導(即ち、プロトコール)を含む指示材料を含みうる。指示材料は、典型的には、書面又は印刷の材料を含むが、それらは、そのようなものに限定されない。そのような指示を保存し、それらをエンドユーザーに伝えることが可能な任意の媒体が、本発明により熟慮される。そのような媒体は、しかし、限定しないが、電子記憶媒体(例、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学的媒体(例、CD−ROM)などを含む。そのような媒体は、そのような指示材料を提供するインターネットサイトへのアドレスを含みうる。
本発明を、本明細書において、さらに、以下の非限定的な好ましい局面、図、及び実施例を用いて記載する。
好ましい非限定的な局面:
局面A−1:CXCR7及び特定のヒトCXCR7(配列番号1)に向けられた及び/又は特異的に結合することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−2:実質的に単離形態である、局面A−1に従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−3:被験者への投与のための局面A−1又はA−2に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインが、前記被験者において自然に生じない。
局面A−4:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、解離定数(KD)10−5〜10−12モル/リットル以下、及び、好ましくは10−7〜10−12モル/リットル以下、及び、より好ましくは10−8〜10−12モル/リットルを用いて、特異的に結合することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうる。
局面A−5:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、会合速度(Kon速度)102M-1s-1〜約107M-1s-1の間、好ましくは103M-1s-1〜107M-1s-1の間、より好ましくは104M-1s-1〜107M-1s-1の間、例えば105M-1s-1〜107M-1s-1の間などを伴い、特異的に結合することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうる。
局面A−6:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、解離速度(Koff速度)1s-1〜10−6s-1の間、好ましくは10−2s-1〜10−6s-1の間、より好ましくは10−3s-1〜10−6s-1の間、例えば10−4s-1〜10−6s-1の間などを伴い、特異的に結合することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうる。
局面A−7:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、親和性500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満などを伴い、特異的に結合することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうる。
局面A−8:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)上でSDF−1及び/又はI−TAC(CXCL11及び/又はCXCL12)を、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば1nM未満の平均KI及び50%以上、より好ましくは75%以上、さらにより好ましくは80%以上の平均SDF−1及び/又はI−TAC置換を伴い、特異的に置換することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。そのような平均Ki及び/又は平均置換値は、例えば、実施例9又は10に記載する通りのアッセイにおいて決定してもよい。
局面A−9:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)上でSDF−1及び/又はI−TAC(CXCL11及び/又はCXCL12)を、20nM未満の平均KI及び70%以上の平均SDF−1及び/又はI−TAC置換を伴い、特異的に置換することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。そのような平均Ki及び/又は平均置換値は、例えば、実施例9又は10に記載する通りのアッセイにおいて決定してもよい。
局面A−10:4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)及び3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から実質的になる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−11:免疫グロブリン配列である、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−12:自然発生する免疫グロブリン配列(任意の適した種からの)又は合成もしくは半合成の免疫グロブリン配列である、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−13:ヒト化免疫グロブリン配列、ラクダ化免疫グロブリン配列、又は技術(例えば親和性成熟など)により得られている免疫グロブリン配列である、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−14:軽鎖可変ドメイン配列(例、VL配列)から;又は重鎖可変ドメイン配列(例、VH配列)から実質的になる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−15:従来の4鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列から実質的になる又は重鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列から実質的になる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−16:ドメイン抗体(又はドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリン配列)、単一ドメイン抗体(又は単一ドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリン配列)、「dAb」(又はdAbとしての使用のために適している免疫グロブリン配列)、又はナノボディ(しかし、限定しないが、VHH配列を含む)でありうる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−17:ナノボディから実質的になる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−18:以下であるナノボディから実質的になる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン:
i)WO 2009/138519の配列番号1〜22の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有し、ここで、アミノ酸同一性の程度を決定する目的のために、CDR配列を形成するアミノ酸残基を無視し;
及び、ここで:
ii)好ましくは、Kabatナンバリングに従った位置11、37、44、45、47、83、84、103、104、及び108でアミノ酸残基の1つ又は複数が、表A−1に言及するホールマーク残基より選ばれる。
局面A−19:以下である免疫グロブリンの単一可変ドメインから実質的になる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン
i)配列番号39〜43、91、又は99〜102の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有し、ここで、アミノ酸同一性の程度を決定する目的のために、CDR配列を形成するアミノ酸残基を無視し;;
及び、ここで:
ii)好ましくは、Kabatナンバリングに従った位置11、37、44、45、47、83、84、103、104、及び108でアミノ酸残基の1つ又は複数が、表A−1に言及するホールマーク残基より選ばれる。
局面A−20:以下を含むポリペプチドから実質的になる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン
i)配列番号39〜43、91、又は99〜102を有する免疫グロブリンの単一可変ドメインの群より選択される免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する第1の免疫グロブリンの単一可変ドメイン、ここで、アミノ酸同一性の程度を決定する目的のために、CDR配列を形成するアミノ酸残基を無視し;
及び、それは以下からなる:
ii)配列番号2を有する免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する第2の免疫グロブリンの単一可変ドメイン、ここで、アミノ酸同一性の程度を決定する目的のために、CDR配列を形成するアミノ酸残基を無視し;及び、場合により、以下を含む
iii)リンカー。
局面A−21:ヒト化された又は他に配列最適化された免疫グロブリンの単一可変ドメインから実質的になる、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面A−22:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対する結合のための少なくとも1つの結合部位に加えて、他の抗原、タンパク質、又は標的に対する結合のための1つ又は複数のさらなる結合部位を含む、先行する局面のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
CDRベースの局面
局面B−1:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた及び/又はそれに特異的に結合することができる、ならびに、以下からなる群より選ばれるアミノ酸残基の1つ又は複数の(好ましくは1つの)ストレッチを含む免疫グロブリンの単一可変ドメイン:
a)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
d)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
g)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
あるいはそれらの任意の適した組み合わせ。
そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、VHH又は配列最適化されたVHH(例えばヒト化、安定化、及び/又は可溶化VHHなど)でありうる。
局面B−2:局面B−1に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、アミノ酸残基の前記ストレッチの少なくとも1つが、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対する結合のための抗原結合部位の部分を形成する。
局面B−3:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた及び/又はそれに特異的に結合することができる、ならびに、以下からなる群より選ばれるアミノ酸残基の2つ以上のストレッチを含む免疫グロブリンの単一可変ドメイン:
a)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
d)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
g)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
(i)アミノ酸残基の第1ストレッチが、a)、b)、又はc)に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインの1つに対応する場合、アミノ酸残基の第2ストレッチが、d)、e)、f)、g)、h)、又はi)に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインの1つに対応するようになり;(ii)アミノ酸残基の第1ストレッチが、d)、e)、又はf)に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインの1つに対応する場合、アミノ酸残基の第2ストレッチが、a)、b)、c)、g)、h)、又はi)に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインの1つに対応するようになり;(iii)アミノ酸残基の第1ストレッチが、g)、h)、又はi)に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインの1つに対応する場合、アミノ酸残基の第2ストレッチが、a)、b)、c)、d)、e)、又はf)に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインの1つに対応するようになる。
そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、VHH又は配列最適化されたVHH(例えばヒト化、安定化、及び/又は可溶化VHHなど)でありうる。
局面B−4:局面B−3に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、アミノ酸残基の少なくとも2つのストレッチが、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対する結合のための抗原結合部位の部分を形成する。
局面B−5:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた及び/又はそれに特異的に結合することができる、ならびに、アミノ酸残基の3つ以上のストレッチを含む免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、アミノ酸残基の第1ストレッチが、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号9〜13、93又は107〜110の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;アミノ酸残基の第2ストレッチが、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号19〜23、95又は115〜118の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;及び、アミノ酸残基の第3ストレッチが、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号29〜33、97又は123〜126の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、VHH又は配列最適化されたVHH(例えばヒト化、安定化、及び/又は可溶化VHHなど)でありうる。
局面B−6:局面B−5に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、アミノ酸残基の少なくとも3つのストレッチが、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対する結合のための抗原結合部位の部分を形成する。
局面B−7:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた及び/又はそれに特異的に結合することができる免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインのCDR配列は、配列番号39〜43、91又は99〜102の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つのCDR配列と、少なくとも70%のアミノ酸同一性、好ましくは少なくとも80%のアミノ酸同一性、より好ましくは少なくとも90%のアミノ酸同一性、例えば95%のアミノ酸同一性以上の、あるいはさらに実質的に100%のアミノ酸同一性を有する。CDR配列は、本明細書において定義する通り、Kabatを介して優先的に決定される。
そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、VHH又は配列最適化されたVHH(例えばヒト化、安定化、及び/又は可溶化VHHなど)でありうる。
局面C−1:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられ、ならびに、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)への配列番号39〜43、91、又は99〜102の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つ、あるいは配列番号44〜48、78〜89、又は131〜140のポリペプチドの結合を交差遮断する、免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチド。そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、局面A−1〜A−22のいずれかに従った及び/又は局面B−1〜B−7のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうる。また、好ましくは、そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に特異的に結合することができる。
局面C−2:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられ、ならびに、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)への配列番号39〜43、91、又は99〜102の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つ、あるいは配列番号44〜48、78〜89、又は131〜140のポリペプチドによる結合から交差遮断される、免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチド(例えば抗体又はそのフラグメントなど)。そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、局面A−1〜A−22のいずれかに従った及び/又は局面B−1〜B−7のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうる。また、好ましくは、そのような免疫グロブリンの単一可変ドメインは、CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に特異的に結合することができる。
局面C−3:局面C−1又はC−2のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドであって、ここで、前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインが交差遮断する又は交差遮断される能力は、置換アッセイにおいて検出される(例、下の実施例9及び/又は10に記載する通り)。
局面C−4:局面C−1又はC−3のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン又はポリペプチドであって、ここで、前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインが交差遮断する又は交差遮断される能力は、ELISAアッセイにおいて検出される。
局面D−1:実質的に単離形態である、局面B−1〜B−7又はC−1〜C−7のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面D−2:被験者への投与のための局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、及び/又はD1のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインが、前記被験者において自然に生じない。
局面D−3:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、解離定数(KD)10−5〜10−12モル/リットル以下、及び、好ましくは10−7〜10−12モル/リットル以下、及び、より好ましくは10−8〜10−12モル/リットルを用いて、特異的に結合することができる局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、及び/又はD1〜D−2のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面D−4:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、解離定数(KD)10−5〜10−12モル/リットル以下、及び、好ましくは10−7〜10−12モル/リットル以下、及び、より好ましくは10−8〜10−12モル/リットルを用いて、特異的に結合することができる局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、及び/又はD1〜D−3のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面D−5:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、解離速度(Koff速度)1s-1〜10−6s-1の間、好ましくは10−2s-1〜10−6s-1の間、より好ましくは10−3s-1〜10−6s-1の間、例えば10−4s-1〜10−6s-1の間などを伴い、特異的に結合することができる局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、及び/又はD1〜D−4のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面D−6:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、親和性500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満などを伴い、特異的に結合することができる局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、及び/又はD1〜D−5のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。局面D−1〜D−6に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、局面A−1〜A−22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうる。
局面E−1:自然発生する免疫グロブリンの単一可変ドメイン(任意の適した種からの)又は合成もしくは半合成の免疫グロブリンの単一可変ドメインである、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、及び/又はD1〜D−6のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−2:配列最適化されている、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−3:安定化されている、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はD−1もしくはD−2のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−4:自然発生する免疫グロブリン配列(任意の適した種からの)又は合成もしくは半合成の免疫グロブリン配列である、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−3のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−5:ヒト化免疫グロブリン配列、ラクダ化免疫グロブリン配列、又は技術(例えば親和性成熟など)により得られている免疫グロブリン配列である、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−4のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−6:軽鎖可変ドメイン配列(例、VL配列)から;又は重鎖可変ドメイン配列(例、VH配列)から実質的になる、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−5のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−7:従来の4鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列から実質的になる又は重鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列から実質的になる、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−6のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−8:ドメイン抗体(又はドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリン配列)、単一ドメイン抗体(又は単一ドメイン抗体としての使用のために適している免疫グロブリン配列)、「dAb」(又はdAbとしての使用のために適している免疫グロブリン配列)、又はナノボディ(しかし、限定しないが、VHH配列を含む)でありうる、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−7のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−9:ナノボディから実質的になる、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−8のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−10:以下である免疫グロブリンの単一可変ドメインから実質的になる、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−9のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン:
i)本明細書において記載する免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有し、ここで、アミノ酸同一性の程度を決定する目的のために、CDR配列を形成するアミノ酸残基を無視し;
及び、ここで:
ii)好ましくは、Kabatナンバリングに従った位置11、37、44、45、47、83、84、103、104、及び108でアミノ酸残基の1つ又は複数が、表B−2に言及するホールマーク残基より選ばれる。
局面E−11:以下である免疫グロブリンの単一可変ドメインから実質的になる、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−10のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン:
i)配列番号39〜43、91、又は99−102の免疫グロブリンの単一可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有し、ここで、アミノ酸同一性の程度を決定する目的のために、CDR配列を形成するアミノ酸残基を無視し;
及び、ここで:
ii)好ましくは、Kabatナンバリングに従った位置11、37、44、45、47、83、84、103、104、及び108でアミノ酸残基の1つ又は複数が、表B−2に言及するホールマーク残基より選ばれる。
局面E−12:ヒト化免疫グロブリンの単一可変ドメインから実質的になる、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−8のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
局面E−13:CDR配列により形成される結合のための少なくとも1つの結合部位に加えて、他の抗原、タンパク質、又は標的に対する結合のための1つ又は複数のさらなる結合部位を含む、局面B−1〜B−7、C−1〜C−7、D1〜D−6、及び/又はE−1〜E−8のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。局面E−1〜E−13に従った免疫グロブリンの単一可変ドメインは、特に、局面A−1〜A−22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインでありうる。
ポリペプチド
局面K−1:局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、及び/又はE−1〜E−13のいずれかに従った1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインを含み、場合により、さらに、1つ又は複数のペプチドリンカーを含むポリペプチド。
局面K−2:加えて、血清アルブミンに対して向けられた1つ又は複数の(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメインを含む、局面K−1に従ったポリペプチド。
局面K−3:血清アルブミンに対して向けられた前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインがヒト血清アルブミンに対して向けられている、局面K−1又はK−2に従ったポリペプチド。
局面K−4:血清アルブミンに対して向けられた前記の1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメインが配列番号2を伴う免疫グロブリンの単一可変ドメインである、局面K−1又はK−3のいずれかに従ったポリペプチド。
局面K−5:局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、及び/又はE−1〜E−13のいずれかに従った1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメイン、1つ又は複数の細胞傷害性ペイロードを含み、及び、場合により、さらに、1つ又は複数のペプチドリンカーを含むポリペプチド。
局面K−6:局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、及び/又はE−1〜E−13のいずれかに従った1つ又は複数の免疫グロブリンの単一可変ドメイン、CXCR4に対して向けられた1つ又は複数の(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(ナノボディ)、及び、場合により、さらに、1つ又は複数のペプチドリンカーを含む又はそれらから実質的になるポリペプチド。
局面K−7:(ヒト)CXCR7に対して向けられた少なくとも1つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)及び少なくとも1つの(細胞)傷害性の基、部分、又はペイロード(場合により、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して連結されている)を含む又はそれから実質的になるポリペプチド。
局面K−8:(ヒト)CXCR7に対して向けられた少なくとも1つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)、(ヒト)CXCR4に対して向けられた少なくとも1つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)、及び少なくとも1つの(細胞)傷害性の基、部分、又はペイロード(場合により、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して連結されている)を含む又はそれから実質的になるポリペプチド。
局面K−9:(ヒト)CXCR7に対して向けられた少なくとも1つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)及び(ヒト)CXCR4に対して向けられた少なくとも1つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)(場合により、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して連結されている)を含む又はそれから実質的になるポリペプチド。
局面K−10:(ヒト)CXCR7に対して向けられた少なくとも1つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)、(ヒト)CXCR4に対して向けられた少なくとも1つの(好ましくは1つの)免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)、及び(ヒト)血清アルブミンに対して向けられたペプチド又は免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)(場合により、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して連結されている)を含む又はそれから実質的になるポリペプチド。
局面K−11:それらは同じである(場合により、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して連結されている)(ヒト)CXCR7に対して向けられた2つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)を含む又はそれから実質的になるポリペプチド。
局面K−12:それらは互いに異なる(場合により、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して連結されている)(ヒト)CXCR7に対して向けられた2つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)を含む又はそれから実質的になるポリペプチド。
局面K−13:それらは同じである(ヒト)CXCR7に対して向けられた2つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)及び(ヒト)血清アルブミンに対して向けられたペプチド又は免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)(場合により、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して連結されている)を含む又はそれから実質的になるポリペプチド。
局面K−14:それらは互いに異なる(ヒト)CXCR7に対して向けられた2つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)及び(ヒト)血清アルブミンに対して向けられたペプチド又は免疫グロブリンの単一可変ドメイン(好ましくはナノボディ)(場合により、化学的に、あるいは1つ又は複数の適したリンカー又はスペーサーを介して連結されている)を含む又はそれから実質的になるポリペプチド。
核酸
局面M−1:局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチドをコードする核酸又はヌクレオチド配列。
局面M−2:配列番号59〜63、73〜77、又は99を伴う核酸又はヌクレオチド配列(表B−6)。
宿主細胞
局面N−1:局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチドを発現する、又は、適した状況下で、発現することが可能であり;及び/又は、局面M−1〜M−2に従った核酸もしくはヌクレオチド配列を含む、宿主又は宿主細胞。
組成物
局面O−1:局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、又は局面K−1〜K−4のいずれかに従った少なくとも1つのポリペプチド、又は局面M−1〜M−2に従った核酸もしくはヌクレオチド配列を含む組成物。
局面O−2:医薬的組成物である、局面O−1に従った組成物。
局面O−3:医薬的組成物であり、それが、少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体、希釈剤、もしくは賦形剤及び/又はアジュバントをさらに含み、ならびに、場合により、1つ又は複数のさらなる医薬的に活性なポリペプチド及び/又は化合物を含む、局面O−2に従った組成物。
本発明の薬剤及び組成物の作製
局面P−1:局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、又は局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチドを産生するための方法であって、前記方法は、少なくとも、以下の工程を含む:
a)適した宿主細胞もしくは宿主生物において又は別の適した発現系において、局面M−1又は局面M−2に従った核酸又はヌクレオチド配列を発現させること;
場合により、以下が続く:
b)局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチドを単離及び/又は精製すること。
局面P−2:局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチドを産生するための方法であって、前記方法が、少なくとも以下の工程を含む:
a)局面N−1に従った宿主又は宿主細胞を、前記の宿主又は宿主細胞が、局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチドを発現及び/又は産生するような条件下で培養及び/又は維持すること;
場合により、以下が続く:
b)局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチドを単離及び/又は精製すること。
スクリーニングの方法
局面Q−1:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に対して向けられた免疫グロブリンの単一可変ドメインをスクリーニングするための方法であって、少なくとも以下の工程を含む::
a)免疫グロブリンの単一可変ドメインをコードする核酸配列のセット、コレクション、又はライブラリーを提供すること;
b)CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に結合することができる及び/又はそれについての親和性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメインをコードする、ならびに、交差遮断される又は本発明のナノボディ(例、配列番号39〜43、91、又は99〜102(表B−3))、又は本発明のポリペプチドもしくはコンストラクト(例、配列番号44〜48、78〜89、又は131〜140(表B−4を参照のこと))を交差遮断している核酸配列について核酸配列の前記セット、コレクション、又はライブラリーをスクリーニングすること;及び
c)前記核酸配列を単離し、それに続き、前記の免疫グロブリンの単一可変ドメインを発現させること。
本発明の薬剤の使用
局面R−1:癌及び炎症性疾患(例えば、本明細書において言及する)の防止及び/又は処置のための方法であって、前記方法が、それを必要とする被験者に、局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチド;あるいは局面O−2又はO−3に従った組成物の医薬的に活性な量を投与することを含む。
局面R−2:CXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)に、その生物学的又は薬理学的活性に、ならびに/あるいはCXCR7及び特にヒトCXCR7(配列番号1)が含まれる生物学的経路又はシグナル伝達に関連する少なくとも1つの疾患又は障害の防止及び/又は処置のための方法であって、前記方法が、それを必要とする被験者に、局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチド;あるいは局面O−2又はO−3に従った組成物の医薬的に活性な量を投与することを含む。
局面R−3:それを必要とする被験者に、局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチド;あるいは局面O−2又はO−3に従った組成物を投与することにより防止及び/又は処置することができる少なくとも1つの疾患又は障害の防止及び/又は処置のための方法であって、前記方法が、それを必要とする被験者に、局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチド;あるいは局面O−2又はO−3に従った組成物の医薬的に活性な量を投与することを含む。
局面R−4:免疫療法のための方法であって、前記方法が、それを必要とする被験者に、局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチド;あるいは局面O−2又はO−3に従った組成物の医薬的に活性な量を投与することを含む。
局面R−5:局面R−1〜R−3に従った方法の1つ又は複数における使用のための、局面A−1〜A−22、B−1〜B−7、C−1〜C−4、D−1〜D−6、E−1〜E−13のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチド、O−2又はO−3に従った医薬的組成物。
局面R−6:癌の診断、防止、及び/又は処置のための、局面K−1〜K−4のいずれかに従ったポリペプチド。
さらなる局面:
1. CXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する少なくとも1つの免疫グロブリンの単一可変ドメイン(ISVD)ならびにCXCR7(配列番号1)のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、S23及び/又はD25に結合する及び/又はそれを認識する少なくとも1つのISVDを含むコンストラクト。
2. 腫瘍成長を低下させるための及び/又は癌、好ましくは頭頸部癌もしくはGBMを処置するための医薬としての使用のための、局面1に従ったコンストラクト。
3. 100nM未満の平均Kiならびに50%以上の平均SDF−1及びI−TAC置換を伴うヒトCXCR7(配列番号1)上でSDF−1及びI−TACを特異的に置換することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
4. 100nM未満の平均Kiならびに50%以上の平均SDF−1置換を伴うヒトCXCR7(配列番号1)上でSDF−1を特異的に置換することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
5. 100nM未満の平均Kiならびに50%以上の平均I−TAC置換を伴うヒトCXCR7(配列番号1)上でI−TACを特異的に置換することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
6. 平均Kiが50nM以下である、局面3〜5のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
7. 平均Kiが10nM以下である、局面3〜5のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
8. 平均SDF−1又はI−TAC置換が80%以上である、局面3〜7のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
9. ヒトCXCR7(配列番号1)に、50nM未満のKdで結合することができる免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
10. CXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
11. CXCR7(配列番号1)のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、S23及び/又はD25に結合する及び/又はそれを認識する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
12. 腫瘍成長を低下させるための及び/又は癌、好ましくは頭頸部癌もしくはGBMを処置するための医薬としての使用のための、局面10又は11に従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
13. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号9の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号9の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号9の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号19の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号19の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号19の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号29の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号29の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号29の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
14. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号10の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号10の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号10の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号20の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号20の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号20の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号30の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号30の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号30の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
15. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号11の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号11の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号11の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号21の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号21の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号21の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号31の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号31の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号31の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
16. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号12の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号12の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号12の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号22の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号22の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号22の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号32の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号32の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号32の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
17. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号13の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号13の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号13の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号23の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号23の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号23の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号33の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号33の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号33の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
18. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号93の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号93の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号93の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号95の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号95の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号95の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号97の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号97の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号97の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
19. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号107の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号107の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号107の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号115の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号115の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号115の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号123の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号123の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号123の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
20. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号108の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号108の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号108の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号116の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号116の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号116の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号124の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号124の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号124の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
21. 局面3〜12のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;及び、
ここで、CDR1は、以下からなる群より選ばれる:
a)配列番号110の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
b)配列番号110の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
c)配列番号110の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR2は、以下からなる群より選ばれる:
d)配列番号118の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
e)配列番号118の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
f)配列番号118の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
及び、ここで、CDR3は、以下からなる群より選ばれる:
g)配列番号126の免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
h)配列番号126の免疫グロブリンの単一可変ドメインと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
i)配列番号126の免疫グロブリンの単一可変ドメインと3、2、又は1アミノ酸の違いを有する免疫グロブリンの単一可変ドメイン。
22. 局面1〜21のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメインであって、ここで、フレームワーク領域(FR)は、配列番号4〜8、92、103、104、又は106(FR1)、14〜18、94、111、112、又は114(FR2)、24〜28、96、119、120、又は122(FR3)、及び/又は34〜38、98、127、128、又は130(FR4)のFRと80%を上回る配列同一性を有する。
23. 局面3〜22のいずれかの免疫グロブリンの単一可変ドメインを含むポリペプチド。
24. 局面23に従ったポリペプチドであって、ここで、免疫グロブリンの単一可変ドメインは、配列番号39〜43、91、又は99〜102の免疫グロブリンの単一可変ドメインと80%を上回る配列同一性を伴うアミノ酸配列を有する免疫グロブリンの単一可変ドメインからなる群より選択される。
25. 局面23〜24のいずれかに従った、加えて、少なくとも1つのヒト血清アルブミン結合免疫グロブリンの単一可変ドメインを含み、場合により、配列番号49〜58を伴うリンカーの群より選択されるリンカーを含む、ポリペプチド。
26. 局面23〜25のいずれかに従った、加えて、ALB8(配列番号2)を含み、場合により、配列番号49〜58を伴うリンカーの群より選択されるリンカーを含む、ポリペプチド。
27. 局面23〜26のいずれかに従ったポリペプチドであって、ここで、ポリペプチドは、配列番号44〜48、78〜89、及び131〜140のポリペプチドと80%を上回る配列同一性を伴うアミノ酸配列を有するポリペプチドからなる群より選択される。
28. 以下からなる群より選ばれるコンストラクト:
− CXCR7(配列番号1)のアミノ酸残基W19、ならびに、場合により、S23及び/又はD25に結合する及び/又はそれを認識する少なくとも2つのISVDを含むコンストラクトであって、ここで、前記の少なくとも2つのISVDは、同じでありうる又は異なりうる;
− CXCR7(配列番号1)中のアミノ酸残基M33、ならびに、場合により、アミノ酸残基V32及び/又はアミノ酸残基M37に結合する及び/又はそれを認識する少なくとも2つのISVDを含むコンストラクトであって、ここで、前記の少なくとも2つのISVDは、同じでありうる又は異なりうる;
− 少なくとも1つのグループ1のISVD及び少なくとも1つのグループ2のISVDを含むコンストラクト;
− 少なくとも1つのグループ1のISVD及び少なくとも1つのグループ3のISVDを含むコンストラクト;
− 少なくとも1つのグループ2のISVD及び少なくとも1つのグループ3のISVDを含むコンストラクト;ならびに
− 少なくとも1つの01C10様配列及び少なくとも1つの14G03様配列を含むコンストラクト。
29. 腫瘍成長を低下させるための及び/又は癌、好ましくは頭頸部癌もしくはGBMを処置するための医薬としての使用のための、局面28に従ったコンストラクト。
30. 以下をコードする核酸配列
i)局面3〜22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
ii)局面23〜27のいずれかに従ったポリペプチド;又は
iii)局面1、2、28、又は29のいずれかに従ったコンストラクト。
31. 以下を含む医薬的組成物
i)局面3〜22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン;
ii)局面23〜27のいずれかに従ったポリペプチド;又は
iii)局面1、2、28、又は29のいずれかに従ったコンストラクト;
及び、場合により、医薬的に許容可能な賦形剤。
32. 局面3〜22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面23〜27のいずれかに従ったポリペプチド、あるいは癌、好ましくは頭頸部癌、GBM、及び/又は炎症性疾患における使用のための局面1、2、28、又は29のいずれかに従ったコンストラクト。
33. 局面3〜22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面23〜27のいずれかに従ったポリペプチド、あるいは関節リウマチにおける使用のための局面1、2、28、又は29のいずれかに従ったコンストラクト。
34. 局面3〜22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面23〜27のいずれかに従ったポリペプチド、あるいは多発性硬化症における使用のための局面1、2、28、又は29のいずれかに従ったコンストラクト。
35. 局面3〜22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面23〜27のいずれかに従ったポリペプチド、あるいは局面1、2、28、又は29のいずれかに従ったコンストラクトを産生するための方法であって、前記方法が、少なくとも以下の工程を含む:
a)適した宿主細胞もしくは宿主生物において又は別の適した発現系において、局面30に従った核酸又はヌクレオチド配列を発現させること;場合により、以下が続く:
b)局面3〜22のいずれかに従った免疫グロブリンの単一可変ドメイン、局面23〜27のいずれかに従ったポリペプチド、あるいは局面1、2、28、又は29のいずれかに従ったコンストラクトを単離及び/又は精製すること。
36. 式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号9の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号19の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;及び
ここで、CDR3が、配列番号29の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
37.式1を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変が、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号10の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号20の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;及び
ここで、CDR3が、配列番号30の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
38. 式1を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変が、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号11の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号21の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;及び
ここで、CDR3が、配列番号31の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
39. 式1を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変が、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号12の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号22の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;及び
ここで、CDR3が、配列番号32の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
40. 式1を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変が、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号13の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号23の免疫グロブリンの単一可変ドメインであr;及び
ここで、CDR3が、配列番号33の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
41. 式1を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変が、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号93の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号95の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;及び
ここで、CDR3が、配列番号97の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
42. 式1を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変が、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号107の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号115の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;及び
ここで、CDR3が、配列番号123の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
43. 式1を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変が、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号108の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号116の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;及び
ここで、CDR3が、配列番号124の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
44. 式1を伴うアミノ酸配列を含む免疫グロブリンの単一可変が、式1
FR1 − CDR1 − FR2 − CDR2 − FR3 − CDR3 − FR4 (1)
を伴うアミノ酸配列を含む;
ここで、FR1〜FR4が、フレームワーク領域1〜4を指し、免疫グロブリンの単一可変ドメインのフレームワーク領域であり;
ここで、CDR1が、配列番号110の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;
ここで、CDR2が、配列番号118の免疫グロブリンの単一可変ドメインであり;及び
ここで、CDR3が、配列番号126の免疫グロブリンの単一可変ドメインである。
実験部分:
配列:
実施例1:クローニング
ヒトCXCR7(hCXCR7)、マウスCXCR7(Open Biosystems)、及びcDNAをコードするカニクイザル(表B−1)を、pVAX−1(Invitrogen)及び/又はpCDNA3.1(Invitrogen)中にクローン化した。pVAX1−hCXCR7及びpCDNA3.1ヒト(マウス)(カニクイザル)CXCR7コンストラクトのHek293細胞中でのトランスフェクションは、CXCR7細胞表面発現をもたらしたが、ヒトCXCR7特異的モノクローナル抗体(Mab)11G8(R&D Systems)及び抗体を検出するPE標識ヤギ抗マウスIgG(Jackson ImmunoResearch Inc.)を使用したFACS分析により示される通りであった。
実施例2:免疫化
遺伝子による免疫化のために、エンドトキシン不含のpVAX1−CXCR7プラスミドを産生し、0.9%生理食塩水中に濃度2mg/mlで溶解し、−20℃で保存した。4匹のラマ(391、395、396、及び397)を、2mgのpVAX1−hCXCR7を用いて、皮内Jet注射(Akra DermoJet France)を介して、2週間間隔を伴い、4回にわたり免疫化した。最後のDNA免疫化から3週間後、4匹の動物が、hCXCR7を安定発現するラクダ腎臓(CAKI)細胞(Nguyen et al. 2001. Adv. Immunol. 79: 261-296)(2×107個細胞)を用いた追加免疫を受けた。
3匹のラマ(385、387、及び404)を、pCDNA3.1−hCXCR7を用いてトランスフェクトした2×107個のHEK293の4つの注射を用いて、2週間間隔を伴い免疫化した。ラマ391、395、396、及び397から、末梢血リンパ球を、最後のDNA免疫化後4日及び10日目ならびに細胞追加免疫後3日目及び9日目に収集した。ラマ385、387、及び404から、末梢血リンパ球を、最後の細胞注射後4及び8日目に収集した。加えて、触知可能な弓リンパ節(bow lymph node)(LN)の生検を、各々のラマから、局所外科手術を介して、最後の細胞追加免疫後3日目に収集した。免疫組織を持つ全てのリンパ球から、全RNAを抽出し、cDNAを調製するための鋳型として使用した。
実施例3:ライブラリービルディング
ライブラリーは、全てのラマから収集した免疫組織からビルディングした。簡単には、cDNAを、抽出した全RNAサンプル(実施例2)から調製し、使用し、以前に記載された通りに(WO 02/085945及びWO 04/049794)、ネステッドPCRを介して、cDNAレパートリーを増幅した。PCR産物を、SfiI(ネステッドPCRを介して、FR1プライマー領域中に導入した)及びBstEII(FR4中に自然発生する制限部位)を用いて消化し、ゲル電気泳動に続き、約400bpのDNAフラグメントをゲルから精製した。増幅したcDNAレパートリーを、SfiI− BstEII消化されたファージディスプレイベクター(pAX50)の対応する制限部位中に連結し、大腸菌TG1のエレクトロポレーション後にライブラリーを得た。このディスプレイベクターは、ファージ粒子の産生を許し、個々のVHH(本明細書において以上、また、ナノボディとして言及される)を、C末端Myc−His6タグ(本明細書において以上、また、TAG−1又は配列番号71)を伴う及び遺伝子III産物を伴う融合タンパク質として発現する。
ライブラリーを、細菌を対数期(OD600=0.5)まで成長させることによりレスキューし、ヘルパーファージを用いた感染が続き、pIII融合タンパク質としてファージの先端にクローン化ナノボディを発現する組換えファージを得た。ファージを、ろ過滅菌後、4℃で、さらなる使用のために保存した。
実施例4:ヒトCXCR7結合ナノボディをディスプレイするファージの選択
上のライブラリーからのファージを、hCXCR7ウイルス様粒子(VLP; Integral Molecular)、インタクトなCXCR7発現細胞、CXCR7発現細胞からの膜抽出物、及びペプチド上での選択のために使用した。
第1選択ラウンドにおいて、hCXCR7トランスフェクトHEK293細胞に由来する10単位のVLPを、96ウェルMaxisorpプレート(Nunc)にコーティングし、低脂肪乳粉末(PBS中Marvell 4%)を用いて遮断した。レスキューしたファージを用いた2時間のインキュベーション後、トリプシン溶出(1mg/ml)を15分間にわたり室温で許し、20回のPBS洗浄が続いた。プロテアーゼ活性を、直ちに、16mMプロテアーゼ阻害剤ABSFを適用することにより中和した。ラウンド1ファージアウトプットをレスキューし、第2選択ラウンドを、10又は1単位のプレート固定化hCXCR7 VLP上で実施した。10又は1単位プレート固定化hCXCR7 VLP上で選択されたラウンド2ファージアウトプットを、TG1細胞中に感染させ、寒天プレート(LB+Amp+2%グルコース)上に蒔いた。
選択後に得られた溶出ファージプールを用いて感染させた大腸菌TG1の個々のクローンをピックアップし、96深底ウェルプレート中で成長させ、ヘルパーファージの添加後にモノクローナルファージを産生した。モノクローナルナノボディの産生は、イソプロピル−b−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加により誘導した。ナノボディを含むペリプラズム画分を、次に、PBS中での細菌ペレットの凍結融解及び細胞断片を除去するためのその後の遠心により調製した。
実施例5:ファージELISAによるCXCR7特異的ナノボディの同定
全てのラウンド2選択のアウトプットから、クリーンを、ファージELISAにおいて、2単位の固定化CXCR7 VLP上で、ファージ上清の10倍希釈物を適用してスクリーニングした。HRP共役モノクローナル抗M13抗体(GE, Cat# 363761)を用いたインキュベーション及び数回の洗浄後、ファージ結合を、TMB基質(Pierce)を使用して明らかにした。反応を、H2SO4を用いて停止させ、吸光度を、450nMで、Sunrise TECAN分光光度計(TECAN)を使用して測定した。hCXCR7 VLP上で非トランスフェクトコントロールVLPを上回る最低2倍の増加したELISAシグナルを示すナノボディは、CXCR7特異的であると考えられた。CXCR7特異的ナノボディを配列決定し、重複するナノボディ(同一のAA配列)を除去した。これは、45の別個のナノボディB細胞系統に属する、78の固有配列の同定をもたらした。別個のナノボディB細胞系統からの代表的なクローンについてのファージELISAデータを表B−7に表し、ナノボディがVLP上のヒトCXCR7に結合することを示す。顕著には、全てのナノボディが、細胞追加免疫後のPBLに由来した(ナノボディ01C10を除く)(実施例2を参照のこと)。他のCXCR7特異的ナノボディに対して評価し、ナノボディ01C10は酷く弱い結合剤であったが、それは、最初の例において、比較の理由のために使用された(データ示さず)。
実施例6:FACS分析によるCXCR7特異的ナノボディの同定
別個のナノボディB細胞系統を表すクローンを、細胞表面露出CXCR7へのそれらの結合について、ペリプラズム抽出物としてテストした。このアッセイにおいて、ペリプラズム抽出物の5倍希釈物を、Hek293 hCXCR7及びHek293wt細胞を用いてインキュベートした。ナノボディの結合を、マウス抗myc(Serotec)、それに続く抗マウスIgG−PE(Jackson Immununoresearch)を使用して検出した。選択されたナノボディクローンの結合シグナル(mcf値及び結合の比率)を表B−8に表し、ナノボディが細胞のヒトCXCR7に結合することを示す。
実施例7:CXCR7特異的ナノボディの発現
選択されたナノボディを、大腸菌発現ベクターpAX100中に再クローン化し、C末端連結myc、His6(以下、また、Tag−2又は配列番号72)タグ付きタンパク質として発現させた。種々のナノボディを、また、Alb8(ナノボディ−リンカー−Alb8−myc−His6)(配列配列番号44〜48−表B−4を参照のこと)を含む融合タンパク質として又はタグなしナノボディとして発現させた。発現をIPTGにより誘導し、4時間にわたり37℃で継続することを許した。細胞培養物をスピンさせた後、ペリプラズム抽出物を、ペレットを凍結融解することにより調製した。ナノボディを、これらの抽出物から、固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)及びD−PBSへの緩衝液交換を使用して精製した。
実施例8:CXCR7特異的ナノボディの結合FACS分析
精製タンパク質の連続希釈物(濃度範囲:400nM〜180pM)を、安定なHEK−CXCR7細胞と30分間にわたり4℃でインキュベートし、結合を、抗マウス抗myc(Serotec)及び抗マウスIgG−PE(Jackson Immunoresearch)を使用して検出した。選択されたクローンの半最高有効濃度(EC50)値及び上プラトーレベルを表B−9に描写する。これらのデータは、スクリーニングデータを確認し、示したナノボディが、細胞のヒトCXCR7に結合することを強調する。
実施例9:ナノボディは、SDF−1と、CXCR7結合について競合する(置換アッセイ)。
競合能力を評価するために、ナノボディを、SDF−1リガンド置換アッセイにおいて、安定なNIH3T3−hCXCR7細胞を使用して評価した。細胞を播種して24時間後、細胞を1時間にわたり4℃で、精製した一価ナノボディの希釈系列及びヒト血清アルブミン結合ナノボディAlb8への対応するC末端Tag−2タグ付き融合タンパク質(表B−4:配列番号44〜48を参照のこと。ここで、ポリペプチドは全てTag−2を用いてC末端タグ化されている)を用いて、プレインキュベートした。また、参照分子Mab 8F11(Biolegend)、Mab 11G8(R&D)、及び非標識SDF−1をアッセイ中に含めた。放射標識[125I]−CXCL12を希釈し、細胞に加え、最終濃度75pMに達した。細胞を3時間にわたり4℃でインキュベートした。インキュベーション後、細胞を2回洗浄し、RIPA緩衝液を用いて溶解し、125Iシグナルを測定した。平均Ki値及びコールドSDF−1の置換と比べた置換のパーセンテージを表B−10に示す。グループ1のテストしたナノボディ及びMab 8F11の競合は、非標識SDF−1との競合と比べ、73〜83%の間である。置換のこのレベルは、CXCR7タンパク質の100%遮断に対応する。なぜなら、残りのSDF−1結合は、CXCR7媒介性であるとは考えられず、しかし、ヘパリン硫酸プロテオグリカンとのSDF−1相互作用に起因する。ヒト血清アルブミン結合ナノボディAlb8への融合は、Ki値に対して有意な効果を有さない。
実施例10:ナノボディは、SDF−1と、CXCR7結合について競合する(FACSアッセイ)
SDF−1と競合するナノボディ07C03及びMab 8F11(Biolegend)の効力を、HEK−hCXCR7細胞を用いた競合FACSにおいて評価した。細胞を、同時に、4nMビオチン化SDF−1(R&D)を用いて及び希釈したテスト分子を用いて2時間にわたり4℃でインキュベートした。ビオチン化SDF−1の結合を、ストレプトアビジンPEを使用して検出した。競合曲線を図1に描写する。このアッセイにおいて、Mab 8F11及び07C03競合は、非標識SDF−1との競合と比べて、完全であり(>95%)、SDF−1−CXCR7相互作用の完全阻害を強調する。
実施例11:エピトープマッピング
Mab 11G8の最小エピトープは、CXCR7 N末端に位置付けられるF14SDISWP20であるとして公知である(例、WO2008/048519を参照のこと)。細胞を、同時に、20nM Mab 11G8 APC(R&D)を用いて及び希釈したテスト分子を用いて2時間にわたり4℃でインキュベートした。競合曲線を図1に描写する。Mab 11G8 APCとの競合のレベルは、〜20から100%の範囲であり、それぞれのナノボディエピトープが、高い程度まで(競合の高い%)、Mab 11G8エピトープと、又は低い程度まで(競合の低い%)マッチする、あるいは、Mab 11G8結合に影響を及ぼすアロステリック変化を誘導する。これらのデータは、選択されたナノボディが、多岐にわたるが、しかし、恐らくは、オーバーラップするエピトープに結合することを示す。
ナノボディ08A05、08A10、07C03、07B11、01C10及び14G03、Mab 8F11(Biolegend)、Mab 11G8(R&D)、ならびにMab 9C4(MBL)を、さらに、Alexa647標識14G03との競合について、FACS分析においてテストした。ナノボディ08A05、08A10、07C03、07B11、Mab 8F11、Mab 11G8、及びMab 9C4は、CXCR7への14G03結合と競合し、01C10はしない。01C10が、他の選択されたナノボディによるヒットとは別個のエピトープをヒットすることを示唆する。
第3アプローチにおいて、ナノボディは、CXCR7の10の点変異のセット(S9A、F14Y、I17L、S18N、W19A、S23G、D25A、V32A、M33Q、N36T)へのそれらの結合についてテストし、それらは、個々のナノボディエピトープに関する情報をもたらした。ナノボディ08A05、08A10、07C03、07B11、及び14G03について、エピトープは残基M33を含んだが、01C10のそれは含まなかった。01C10(及び07B11)の結合は、W19A変異による影響を受けたが、この変異は、08A05、08A10、07C03、及び14G03の結合には影響を及ぼさなかった。再び、これらのデータは、01C10が別個のエピトープをヒットすることを示す。
実施例12:マウス/カニクイザル交差反応性
pCDNA3.1−hCXCR7及びpCDNA3.1−mCXCR7を用いてそれぞれトランスフェクトされたHEK293細胞を使用し、マウスCXCR7へのナノボディの交差反応性結合をFACS分析においてテストした。細胞を、32nM Mab 11G8(R&D)、Mab 9C4(MBL)、Mab 8F11(Biolegend)を用いて又は800nMナノボディを用いて2時間にわたり4℃でインキュベートした。ナノボディ結合を、マウス抗myc(Serotec)及び抗マウスIgG−PE(Jackson Immunoresearch)を使用し、Mab結合を、ヤギ抗マウスIgG−PE(Jackson Immunoresearch)を使用して検出した。ナノボディ08A10、14G03、07B11、及びMab9C4はマウスCXCR7に交差反応性ではなく、ナノボディ08A05及び07C03はマウスCXCR7と部分的に交差反応性であり、Mab 8F11、Mab 11G8、及び01C10はマウスCXCR7と交差反応性である(表B−11)。
カニクイザルCXCR7への交差反応性結合を、同じ方法において評価した。ナノボディ08A10、14G03、07B11、08A05、07C03、01C10ならびにMab 9C4、Mab 8F11、及びMab 11G8は、全て、カニクイザルCXCR7に交差反応性である(表B−11)。
実施例13:二価及び三価ナノボディのビルディング
二価ナノボディを、1つのN末端CXCR7特異的なビルディングブロック(01C10、14G03、08A05、08A10、又は07C03のいずれか、しかし、また、さらにそれほど効力のないビルディングブロック(08C02、01C07、01D04など)、それらは、上の実施例において列挙されなかった)及びC末端ヒト血清アルブミン(HSA)特異的なビルディングブロック(ALB8)を用いてビルディングし、インビボで延長した半減期を伴うナノボディを提供する。三価ナノボディは、SDF−1を受容体から置換するためのナノボディの効力及び有効性を改善するために、もう1つのCXCR7特異的なビルディングブロックからなった。二価及び三価ナノボディを、Tag−2伸張を伴い、ピキアにおいて発現させた。
実施例14:二価及び三価ナノボディのCXCR7へのSDF−1結合との競合
二価及び三価ナノボディを、実施例9に記載する通りに、SDF−1置換アッセイにおいてスクリーニングした。サンプルを、HSAの存在又は非存在においてインキュベートし、ナノボディへのHSA結合の効果をアッセイの間に推定した。二価ナノボディの効力が、HSAの存在において劇的に下がったが、それらは、三価ナノボディについてずっと良く保存されている(表B−12)。
実施例15:二価及び三価ナノボディのβアレスチン動員の阻害
PathHunter eXpress βアレスチンアッセイ(DiscoverX)を使用し、βアレスチンの動員に対する三価ナノボディのアンタゴニスト効果を評価した。37の三価ナノボディ(クローン)のパネルを、100nM濃度で、アッセイにおいてスクリーニングした。結果を、表B−13に、阻害の効率に基づきランク付けする。最も効率的な三価分子は、01C10(別個のエピトープをヒットするナノボディ)との組み合わせを構成する。(実施例11を参照)。これらのナノボディ(クローン)は、二重の様式で、1つのCXCR7単量体に結合することができる。
先行する結果に基づき、ナノボディは3つのグループに分類されうる:
− グループ1:01C10により表され、明らかに、グループ2とは別個のエピトープをヒットする;
− グループ2:14G03、08A05、08A10、及び07C03により表され、明らかに、グループ1とは別個のエピトープをヒットする;及び
− グループ3:07B11により表され、明らかに、グループ1及びグループ2の中間である。
グループ2(及びグループ3)のナノボディは、一価又は二価のいずれかで、グループ1の対応するナノボディよりも優れた結合及び競合特徴を実証するが、グループ2のナノボディと組み合わせたグループ1のナノボディは、βアレスチン動員アッセイにおいて全く予想外の最善の結果を与えた。
実施例16:二価及び三価ナノボディの最適化
選択された二価及び三価ナノボディを、βアレスチン動員アッセイにおいて、さらに特徴付け、効力を評価した。アッセイを、HSAの存在及び非存在において実行し、アッセイの間でのナノボディへのHSA結合の効果を推定した。ALB8ビルディングブロックに先行するより長いリンカーを評価し、ナノボディへのHSA結合の立体的な干渉を最小限にした(表B−14)。
実施例17:タグなしナノボディの特徴付け
ナノボディの効力に対するTag−3の任意の影響を除外するために、選択されたナノボディを、Tag−3を伴わずに発現させ、βアレスチン動員アッセイ及びSDF−1競合FACSの両方において、2mg/ml HSAの存在において特徴付けし(実施例10においてさらに実質的に記載する通り)、効力を評価した(表B−15及び図8)。「グループ2のISVD」−「グループ2のISVD」を含むコンストラクト(例、クローン086により代表される)及び「グループ2のISVD」−「グループ1のISVD」を含むコンストラクト(例、クローン085により代表される)は、「グループ1のISVD」−「グループ1のISVD」を含むコンストラクト(例、クローン093により代表される)よりも、SDF−1置換においてより有効である。「グループ1のISVD」−「グループ1のISVD」を含むコンストラクト(例、クローン093により代表される)との競合は、あまり効果的ではない。
これらのデータは、一価01C10がテストされた、放射性リガンドの競合アッセイを裏付ける(表B−10を参照:01C10について31%)。このように、グループ2のISVDは、優れたSDF−1置換体である。
実施例18:原発腫瘍切片におけるCXCR7発現の免疫組織化学分析
CXCR7発現について分析された腫瘍切片は、ヌードマウスにおいて1回継代された変動する癌型のヒト原発腫瘍に由来した。パラフィン包埋腫瘍を、5μm切片に切断し(Leica RM 2135マイクロトームを用いて)、乾燥させ、脱ろうし、ヘマトキシリン及びエオシンを用いて染色した。その後、1つの代表的な領域を、これらの腫瘍切片上で印をつけ、Tissue Micro Array(TMA)を組み立てるための1mM直径の円錐を打ち出すことができた。TMAを、次に、Mirlacher and Storzに従い、Beecher Instruments Micro Tissuearrayerを使用して調製した(Mirlacher M. and Storz M., 2000, Gewebe-Chips fur die molekulare Untersuchung von Tumoren, Labmed., 293-297)。アレイ切片を、Instrumedics Sectioning Aid Systemを使用して切断し、「Starfrost」スライドを使用して特異的にコートした。
CXCR7発現組織の免疫組織化学的染色を、以下の通りに実施した:(1)パラフィンを組織から除去し、組織を脱水し、洗浄した;(2)内因性ペルオキシダーゼを、蒸留水中の3% H2O2の添加により不活性化した;(3)検体を洗浄時に乾燥させた;(4)非特異的結合を、PBS中の10%BSAにより遮断した;(5)抗ヒト/マウスCXCR7モノクローナル抗体(Biolegend、クローンMab 8F11)又はアイソトープコントロール抗体(Biolegend、IgG2b)を、濃度25μg/mLでインキュベートし、その後、組織を洗浄した;(6)第二抗体ヤギ抗マウスビオチン化IgG(JacksonImmunoResearch)を、最終濃度2.8μg/mLでインキュベートし、組織を後に洗浄した;(7)検出は、Vectastain ABCキット(Vector)のABC溶液及びペルオキシダーゼ基質を用いて実施し、各々の工程には、洗浄工程;(8)ヘマトキシリンを用いた対比染色及び(9)組織の脱水が続いた。
TMA(170の腫瘍モデル)を、半定量的に、Zeiss Axiovert 35顕微鏡を使用して評価した。写真を、Zeiss AxioCam MRcカメラを用いて撮った。全ての腫瘍サンプルを、二通りに評価した。染色を、陽性染色された細胞の割合にならびにシグナル強度に基づいて解釈した。サンプルを以下のカテゴリーにグループ化した:0、無染色(抗原が非存在);1、弱染色;2、中程度の染色;3、強染色。
図3は、異なる腫瘍型に割り当てられたスコアの概要を与える。2つの組織パッチの少なくとも1つにおける高いCXCR7発現(スコア=3)が、テストされた170の腫瘍の内の55(=32.4%)において見出された。9つの腫瘍は、CXCR7発現を示さなかった(染色スコア=0)。異種移植組織の残りについて、弱い又は中間の発現(スコア1及び2)が見出された。顕著には、結腸癌腫瘍(19/23又は82.6%)及び胃癌腫瘍(8/12又は66.7%)の大半が、無染色又は弱い染色(スコア≦1)だけを呈したのに対し、テストされた頭頸部腫瘍の全て(7/7又は100%)が、比較的高いCXCR7発現(スコア≧2)を示した。他の組織型において、しかし、CXCR7染色は、個々の腫瘍モデルの間で高度に変動していた。
一部の腫瘍サンプルについて、染色強度を、全腫瘍切片上で確認した。
実施例19:CXCR7ナノボディは、頭頸部癌の異種移植片の腫瘍成長をインビボで低下させる
19.1 材料及び方法
19.1.1 細胞株
細胞株UM−SCC−11B(11B)を、患者が化学療法を受けた後、原発性喉頭癌の生検から培養した。細胞株UM−SCC−22A(22A)は、中咽頭の原発性扁平上皮癌に由来した。細胞株UM−SCC−22B(22B)は、中咽頭の転移性扁平上皮癌に由来した。ヒト頭頚部扁平上皮癌(HNSCC)細胞株FaDu及びHNX−OEがより早期に記載されている(Hermsen et al., (1996) "Centromeric breakage as a major cause of cytogenetic abnormalities in oral squamous cell carcinoma" Genes Chromosomes Cancer 15:1-9; Ranger (1972) "A new human cell line (FaDu) from a hypopharyngeal carcinoma" Cancer 29: 117-121)。HNX−OE及び93−VU−147T細胞株が、Vrije Universiteit Amsterdamで樹立されたのに対し(Hermsen et al. ibid)、FaDu株は、Karl-Heinz Heiderから得られた(Boehringer Ingelheim Austria)。
19.1.2 定量的RT−PCR分析
全RNAを、頭頸部癌細胞株から、QiagenからのRNeasyキットを用いて、製造者のプロトコールに従って抽出した。メッセンジャー(m)RNAを、cDNAに、BioRad iScript cDNA合成キットを使用して変換した。その後、mRNA発現レベルを、SyberGreen(BioRad)を用いて、OrigeneからのCXCR7及びβアクチン特異的プライマーを使用して検出した。CXCR7発現レベルを、βアクチンのものに対して標準化し、異なる細胞株の比較を許した。
19.1.3 放射性リガンド結合
頭頸部癌細胞株を、ポリLリジンコーティングした96ウェルプレート上に播種し、一晩成長させた。次の日、結合緩衝液(50mM Hepes pH 7.4、1mM CaCl2、5mM MgCl2、0.1M NaCl)に、0.5% BSAを添加し、ケモカイン(10−7M)又はCXCR7特異的ナノボディ9A4(10−6M)のいずれかの非存在又は存在において、細胞に加えた。その後、放射標識[125I]−CXCL12(Perkin-Elmer)を加え、最終濃度75pMに達した。細胞を3時間にわたり4℃でインキュベートし、0.5M NaClを含む結合緩衝液を用いて2回洗浄した。サンプルを、溶解緩衝液を用いて回収した後、残りの細胞結合放射活性をカウントした。
19.1.4 動物実験
全ての動物実験を、実験動物ケアのNIH原則及びオランダ国内法令["Wet op de Dierproeven" (Stb 1985, 336)]に従って行い、VU University Medical CenterからのDierexperimentencommissieにより承認され、プロトコールFaCh 10−01に準拠して実施した。頭頸部癌細胞22Aを、8〜10週齢の雌ドナーヌードマウス(Hsd、無胸腺nu/nu、Harlan laboratories)の側腹部に皮下注射した。異種移植腫瘍を、200−500mm3のサイズまで成長させ、その後、切除し、等しいサイズの小片に切断し、レシピエントヌードマウスの側腹部に皮下移植した。移植された腫瘍が正しく生着した場合、マウスに、隔週で、PBS、又は1mgの二価ナノボディもしくは1.5mgの三価ナノボディのいずれかを用いて腹腔内注射した。
19.2 結果
19.2.1 CXCR7のmRNA発現
頭頸部癌細胞株を、最初に、CXCR7 mRNA発現についてテストした。テストした6つの細胞株の内、4つの細胞株が、CXCR7のmRNA発現を示した(即ち、22A、22B、OE、及び93−VU−147細胞株)(図4)。
19.2.2 CXCR7のタンパク質発現
CXCR7 mRNAは、ヒトにおいて、広範囲の組織中で発現される。しかし、mRNA発現は、タンパク質の細胞表面発現とは常には相関しない。従って、CXCR7タンパク質の存在をさらに評価するために、CXCR7のタンパク質発現が、[125I]−CXCL12放射性リガンド結合アッセイにおいて確認された。CXCR7特異的発現を、放射性リガンドを、コールドのケモカインCXCL12及びCXCL11(しかし、CXCL10ではない)を用いて置換することにより決定した。加えて、一価ナノボディ09A04は、CXCL11及びCXCL12と同様の程度で、[125I]−CXCL12を置換した(図5)。
これらのデータによって、mRNA及びタンパク質CXCR7が、4つの頭頸部癌細胞株において発現していることが確認された。
19.2.3 CXCR7ナノボディは、腫瘍成長を阻害することができる
CXCR7発現細胞株を、異種移植モデルにおいてインビボで使用し、そこでは、腫瘍成長を測定した。22A細胞株を、異種移植腫瘍モデルとして選んだ。なぜなら、側腹部当たり2×106個の細胞を用いて皮下注射されたヌードマウスは、異種移植腫瘍形成を許したからである。次に、異なる群(処置対非処置)からのマウスが、治療実験のために同様の初めの腫瘍サイズを提示することを確実にするために、本発明者らは、腫瘍移植を実施した。最初に、ドナーヌードマウスに、初めに、2×106個の22A細胞を用いて、それらの側腹部に皮下注射した。腫瘍を、200−500mm3のサイズまで成長させ、その後、摘出し、等しいサイズの小片に切断し、レシピエントヌードマウスに皮下移植した。生着した腫瘍が成長を開始した場合、マウスを、無作為に、5群に分布し、それらに、隔週で、ナノボディを伴う又は伴わない400μlのPBSを用いて注射した。治療についてテストしたコンストラクトは、クローン060、クローン083、クローン085及びクローン093である。二価及び三価ナノボディを、それぞれ、1及び1.5mg/注射で投与した。50日の治療期間にわたり、コントロール(PBS)群ならびにクローン060群及びクローン083群は、同様の程度まで腫瘍を成長させた(有意に異なるサイズはない)(図6)。クローン085及びクローン093を用いて処置されたマウスは、治療実験の終了時に、PBS注射マウスと比較し、より遅い腫瘍成長及び有意に小さなサイズを呈した(腫瘍容積PBS=274±47mm3、クローン085=119±30mm3及びクローン093=114±32mm3)(図7)。
このように、CXCR7ナノボディは、頭頸部癌細胞の成長をインビボで低下させる。
この試験は、ナノボディの抗腫瘍有効性だけでなく、しかし、また、優れた安全性プロファイル(その高度に標的化された特異的活性プロファイルの反映)を支持し、それは、基本的に、開発中又は販売中の多くの他の細胞傷害性薬物とは異なる。
実施例20:CXCR7ナノボディは、異種移植腫瘍の成長をインビボで低下させる
実施例19において、CXCR7ナノボディは、頭頸部癌により例示される通り、腫瘍を阻害することができることが実証されている。
ナノボディが、また、CXCR7が(過剰)発現している他の腫瘍において、頭頸部癌よりも効果的であることをインビボで実証する第1相において、さらなる異種移植モデルを使用することができる。グリオーマは、原発性ヒト脳腫瘍の最も一般的な形態であり、それらは、しばしば、臨床的な4グレードに分類される。最も侵襲性の腫瘍(グレード4の腫瘍)は、また、多形性膠芽腫(GBM)として公知であり、高い死亡率及び罹患率に関連する。GBMにより罹患された患者の生存は、外科手術、放射線、及び化学療法における進歩にもかかわらず、過去数十年の間、実質的に不変のままである(即ち、診断後6〜12ヶ月)。GBM異種移植モデルを、実質的に、例えば、Yi et al.(EGFR Gene Overexpression Retained in an Invasive Xenograft Model by Solid Orthotopic Transplantation of Human Glioblastoma Multiforme Into Nude Mice" Cancer Invest. 2011 29: 229-239)により記載する通りに、使用することができる。
実質的には、実施例19に記載する通りに設定した異種移植片を用いるが、しかし、原発腫瘍に由来する異種移植片を使用し、それは外科的処置を受けた患者から得られる。これらの腫瘍に由来する細胞を、4〜6週齢の先天性無胸腺ヌードマウス(雌、Balb/c nu/nuバックグラウンド)中に注射する。マウスを、特定病原体除去のバリア環境下で維持する。移植及び撮像のために、マウスを、体重1グラム当たり0.10mgの塩酸ケタミン溶液を用いて腹腔内に麻酔する。必要な場合、腫瘍を、実施例19に記載する通りに、切除し、他のマウスに再移植する。
治療を、1.5mgのPBS、クローン060、クローン083、クローン085、及びクローン093のいずれかの隔週注射を用いて開始する。腫瘍サイズを4日毎に測定する。腫瘍サイズをノギスにより測定し、腫瘍容積を、式(長さ×幅2)/2を使用して計算する。マウスの腫瘍容積の発生を、30日間にわたり追跡する。30日目に、マウスを屠殺する。腫瘍を重量測定し、4%ポリホルムアルデヒド中で固定する。腫瘍切片を、免疫組織化学的分析のために切除する。
図3において列挙する腫瘍を、同様に、樹立された細胞株の又は原発腫瘍に由来する異種移植片によりテストする。高パーセンテージのCXCR7を有する腫瘍が、初期テストのための好ましい。
実施例21:グループ1免疫グロブリンの単一可変ドメイン
結合、競合、及び/又はβアレスチンの結果の観点から、種々のISVDは、初期スクリーニング後にさらに評価されなかった。しかし、実施例19〜20のインビボでの結果は、本発明者らが、グループ1のISVDの他のファミリーメンバーの存在をさらに評価することを促した。
配列を評価した後、少なくとも以下の4つのグループ1のISVDを同定した:01C12(配列番号99)、01B12(配列番号100)、01F11(配列番号101)、及び01B10(配列番号102)(表B−3)。
実施例22:CXCR7ナノボディは、頭頸部癌異種移植腫瘍の成長をインビボで低下させる
実施例19において、CXCR7ナノボディが、頭頸部癌細胞の成長をインビボで低下させることが実証された。実施例19において、マウスは、1.5mgのクローン085(グループ1のISVD−グループ2のISVD)又はクローン093(グループ1のISVD−グループ1のISVD)のいずれかを受けた。
グループ2のISVDの結合有効性の観点から、グループ1のISVD−グループ2 のISVD(例、クローン085)を含むコンストラクトは、グループ1のISVD−グループ1のISVD(例、クローン093)よりも効率的でありうると予測される。
したがって、実施例19のインビボ異種移植モデルを使用し、この仮説をテストする。再び、マウスを、無作為に、5匹毎の11群に分布し、それらに、隔週で、コンストラクトを伴う又は伴わない400μlのPBSを用いて注射した。治療についてテストしたコンストラクトは、クローン085及びクローン093である。
腫瘍サイズを4日毎に測定する。腫瘍サイズをノギスにより測定し、腫瘍容積を、式(長さ×幅2)/2を使用して計算する。マウスの腫瘍容積の発生を、30日間にわたり追跡する。50日目に、マウスを屠殺する。腫瘍を重量測定し、4%ポリホルムアルデヒド中で固定する。腫瘍切片を、免疫組織化学的分析のために切除する。