JP2010511397A - 血清タンパク質と結合可能なペプチド - Google Patents
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Abstract
本発明は、血清タンパク質と結合可能なアミノ酸配列;かかるアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成る化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物;かかるアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物をコードする核酸;かかるアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物を含む組成物、特に医薬組成物;及びかかるアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物の使用に関する。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、血清タンパク質と結合可能なアミノ酸配列;かかるアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成る、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物;かかるアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物をコードする核酸;かかるアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物を含む組成物、特に医薬組成物;及びかかるアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物の使用に関する。
[関連出願]
本出願は、2006年12月5日に出願された米国特許仮出願第60/872,923号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものである。
本出願は、2006年12月5日に出願された米国特許仮出願第60/872,923号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものである。
本発明の他の態様、実施の形態、利点及び用途は、本明細書中のさらなる記載から明らかとなる。
血清タンパク質と結合可能なアミノ酸配列、並びに治療に関連するタンパク質、ポリペプチド及び他の化合物の半減期を増大させるための、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物におけるその使用が、当該技術分野において既知である。
例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、その半減期を増大させるために、治療タンパク質及び他の治療化合物及び治療実体(entities)とを融合することができる血清アルブミンと結合するペプチド部が記載されている。しかしながら、これらのペプチド部は細菌起源又は合成起源であり、治療での使用にはあまり好ましくない。
「ブランベル(Brambell)受容体」とも呼ばれる新生児Fc受容体(FcRn)は、循環におけるアルブミンの寿命の延長に関与する(非特許文献1参照)。FcRn受容体は、3つの細胞外ドメイン、膜貫通領域、及び約50アミノ酸の細胞質尾部を有する43kDのα鎖と非共有結合したβ2−ミクログロブリンから成る可溶性軽鎖から成る内在性膜糖タンパク質である。細胞質尾部は、受容体の内在化に関係するジヌクレオチドモチーフに基づくエンドサイトーシスシグナルを含有する。α鎖は、タンパク質の非古典的MHC Iファミリーの成員である。α鎖とのβ2mの会合は、FcRnの正確なフォールディング、並びに小胞体から出てエンドソーム及び細胞表面へ移行するために重要である。
FcRnの全体構造は、クラスI分子の全体構造と同様である。α−1領域及びα−2領域は、MHC I分子中のペプチドクレフト(cleft)と酷似する2つの逆平行α−ヘリックスによって覆われた(topped)単一β−シートを形成する8本の逆平行β鎖から構成されるプラットフォームに類似している。Pro162の存在により導入されたヘリックスの破壊によるα−1ヘリックスの全体的な再配置及びα−2ヘリックスのC末端位置の屈曲に起因して、FcRnヘリックスは互いにかなり接近し、ペプチド結合が妨げられる(occluding)。また、FcRnのArg164の側鎖は、ペプチドN末端とMHCポケットとの潜在的な相互作用を妨げる。さらに、α−1ヘリックスとα−2ヘリックスとの間の塩橋及び疎水性相互作用も溝の閉鎖をもたらす可能性がある。
したがって、FcRnは抗原提示に関与せず、ペプチドクレフトは空いている。
FcRnは、IgGと結合し、且つこれを母体循環から胎児循環へと胎盤合胞体栄養細胞を通じて輸送し、成体での分解からIgGを保護する。恒常性の他に、FcRnは、組織中におけるIgGのトランスサイトーシスを制御する。FcRnは、上皮細胞、内皮細胞及び肝細胞に局在する。
Chaudhury他(上掲)によれば、アルブミンはFcRnと結合して、IgGと共に三分子複合体を形成する。アルブミン及びIgGは共に、非協同的にFcRn上の固有の部位と結合する。ヒトFcRnとセファロース−HSA及びセファロース−hIgGとの結合はpH依存性であり、pH5.0で最大となり、pH7.0〜pH8で0となる。FcRnが、IgGと結合する場合と同様、pH依存的にアルブミンと結合するという知見から、アルブミンがFcRnと相互作用し、その結果、分解から保護される機構は、IgGの場合と同一であり、同様にpH感受性のFcRnとの相互作用を介して媒介されることが示唆される。SPRを用いて、個々のHSAドメインが固定化した可溶性hFcRnと結合する能力を測定することにより、Chaudhuryは、FcRn及びアルブミンが、IgG結合部位とは異なる部位で、アルブミンのD−IIIドメインを介してpH依存的に相互作用することを示した(Chaudhury PhD論文(非特許文献2)http://www.andersonlab.com/biosketchCC.htm参照;非特許文献3(ウェブ公開日:2006年3月22日))。
Ablynx N.V.による特許文献4には、上記タンパク質の半減期を増大させるための、他のタンパク質(例えば、所望の標的と結合可能な1つ又は複数の他のナノボディ(登録商標))と連結することができる血清アルブミンと(特に、ヒト血清アルブミンに対して)結合可能なナノボディ(登録商標)が記載されている。これらのナノボディ(登録商標)は、通常の4本鎖の血清アルブミン結合抗体よりも強力且つ安定であることが知られており、(1)副作用の低減をもたらす低用量剤形、投与回数の低減;(2)静脈内経路の他、経口経路又は皮下経路を含む、投与経路の広範な選択をもたらす安定性の改善;(3)製品コストの低下による治療コストの低下がもたらされる。
上記にもかかわらず、治療に関連するタンパク質、ポリペプチド及び(他の)化合物の半減期の増大に使用することができる代替的な技法及び部分が必要とされている。例えば、当該技術分野で記載されるペプチド部の幾つかは、合成起源又は半合成起源であるため、ヒト免疫系によって認識される可能性のある望ましくないエピトープを含有する可能性があり、これは、免疫原性をもたらす場合がある。また、(融合又は連結する化合物よりも分子量が大きい場合もある)当該技術分野において記載される血清タンパク質結合ドメイン抗体及びナノボディ(登録商標)よりも小さい血清タンパク質結合ペプチドは、取扱い、治療タンパク質、治療ポリペプチド若しくは治療化合物との融合若しくは連結、及び/又は組換え(融合)ポリペプチド(の部分)としての発現を容易にする可能性があり;優れた生物物理的性質(例えば、溶解度、安定性)を有する可能性があり;治療タンパク質、治療ポリペプチド又は治療化合物と連結する融合物又は構築物において、立体障害又は他の融合パートナーとの望ましくない相互作用が低減するか、又はその所望の薬理学的性質が生じ得る。
特許文献5(Ablynx N.V.及びAlgonomics N.V.)には、ペプチド、特に、所定の標的又は目的とする標的と結合する免疫グロブリン重鎖可変ドメインCDR配列を同定及び選抜する方法が記載されている。とりわけ、CDR3が抗原結合において重要な役割を果たすことが示されており(Kabat及びWu、1991)、CDR3ペプチドが親抗体を模擬する抗原結合を示す多くの事例が報告されている(例えば、Taub他、1991を参照されたい)。ナノボディに関しては、抗原結合相互作用におけるCDR3の主要な役割がさらにより明らかである(De Genst他、2006)。
Chaudhury et al., The Journal of Experimental Medicine, vol. 3, no. 197, 315-322 (2003)
インターネット<URL:http://www.andersonlab.com/biosketchCC.htm>
Chaudhury et al., Biochemistry, ASAP Article 10.1021/bi052628y S0006-2960(05)02628-0
本発明の目的は、上記で引用した従来技術において記載された血清タンパク質結合アミノ酸配列の代替物、特に改善された代替物である、アミノ酸配列を提供することである。
概して、本発明は、それらの半減期を増大させるための、血清タンパクと結合することができ、且つ治療化合物(例えば、タンパク質又はポリペプチド)と連結又は融合する小ペプチド又はペプチド部として使用することができる、アミノ酸配列を提供することによって本目的を達成する。これらのアミノ酸配列(本明細書中において「本発明のアミノ酸配列」とも称する)は、本明細書中でさらに規定するようなものである。
したがって、第1の態様によれば、本発明は、血清タンパク質と結合することができ、且つCDR配列(特に単一CDR配列)から本質的に成るアミノ酸配列に関する。
上記アミノ酸配列は、長さが、好ましくは90アミノ酸残基未満であり、好ましくは50アミノ酸残基未満(例えば、約40アミノ酸残基、30アミノ酸残基又は20アミノ酸残基)であり;及び/又は好ましくは免疫グロブリンフォールド(Immunoglobulin fold)を含有せず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるようなものである。
本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、CDR配列(特に、単一CDR配列)、特に、血清タンパク質と結合することができるようなCDR配列であって、アミノ酸配列と血清タンパク質との結合を可能にする、CDR配列を含有する。
CDR配列は、特に、血清タンパク質と結合することができる免疫グロブリン可変ドメインに由来しているCDR配列であり得る。また、CDR配列は、CDR配列を含む免疫グロブリン可変ドメインの断片から本質的に成る可能性がある。
より詳細には、CDR配列は、免疫グロブリン可変ドメインのVHドメイン、VLドメイン、VHHドメイン又は抗原結合断片から成る群から選択される免疫グロブリン可変ドメインに由来してもよく;及び/又はCDR配列を含む免疫グロブリン可変ドメインのVHドメイン、VLドメイン、VHHドメイン又は抗原結合断片の断片であってもよい。
好ましくは、CDR配列は、ヒト可変ドメイン、(単一)ドメイン抗体、dAb又はナノボディ(登録商標)から成る群から選択され;及び/又はヒト可変ドメイン、(単一)ドメイン抗体、dAb又はナノボディ(登録商標)の断片である、免疫グロブリン可変ドメインに由来する。ナノボディに由来するCDR配列が特に好ましい。
CDR配列の長さは、好ましくは3アミノ酸残基〜40アミノ酸残基、好ましくは5アミノ酸残基〜30アミノ酸残基である。特に、CDR配列は、CDR2配列又はCDR3配列であり得る。
本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、血清タンパク質分子の半減期が(有意に)低減しないように血清タンパク質と結合するようなものである。
本発明のアミノ酸配列が結合する血清タンパク質は、特に、血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲンから成る群から選ばれる血清タンパク質であり得る。本発明のアミノ酸配列は、上記のうちいずれかの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ又はドメインとも結合し得る。
好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメイン;特に、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合する。本発明のアミノ酸配列が(ヒト)血清アルブミンと結合する場合、(ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない血清アルブミンのアミノ酸残基;及び/又は(ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない血清アルブミンのアミノ酸残基と結合可能であることが好ましい。国際公開第06/0122787号パンフレットを参照されたい。
本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、2つの隣接アミノ酸配列がCDR配列のいずれかの側に隣接するCDR配列を含む。当該2つの隣接アミノ酸配列の長さはそれぞれ、好ましくは1アミノ酸残基〜30アミノ酸残基、好ましくは2アミノ酸残基〜20アミノ酸残基(例えば、約5アミノ酸残基、10アミノ酸残基又は15アミノ酸残基)であり;且つ特に、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来してもよく、及び/又は免疫グロブリンフレームワーク配列の断片であってもよい。より詳細には、当該2つの隣接アミノ酸配列は、上記CDR配列の由来となる免疫グロブリン可変ドメインにおいて、当該CDR配列に隣接するフレームワーク配列に由来している免疫グロブリンフレームワーク配列;及び/又は上記CDR配列の由来となる免疫グロブリン可変ドメインにおいて、当該CDR配列に隣接するフレームワーク配列の断片であり得る。
例えば、CDR配列がCDR2配列である場合、隣接配列は、好ましくは、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列に由来している免疫グロブリンフレームワーク配列;並びに/又はそれぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列の断片である。CDR配列がCDR3配列である場合、隣接配列は、好ましくは、それぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列に由来している免疫グロブリンフレームワーク配列;並びに/又はそれぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列の断片である。
特に好ましい一実施の形態において、本発明のアミノ酸配列は、ジスルフィド架橋形成可能であり、及び/又は分子内ジスルフィド架橋の部分を形成する、少なくとも2つのシステイン残基を含有する。好ましくは、当該システイン残基は、隣接アミノ酸配列中に位置する。例えば、隣接アミノ酸配列が、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来し、及び/又は断片又は免疫グロブリンフレームワーク配列である場合、当該システイン残基は、当該免疫グロブリンフレームワーク配列中に元々存在するシステイン残基及び/又は当該免疫グロブリンフレームワーク配列中に導入されたシステイン残基であり得る。
本発明の具体的であるが非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、「拘束(constrained)」型(format)(すなわち、隣接配列を連結する少なくとも1つのジスルフィド架橋を含む)であるか、又は拘束型である場合にヒト血清アルブミンと(本明細書中で記載するように)結合可能なアミノ酸配列である。特に、かかるアミノ酸配列は、アミノ酸配列が拘束型である場合にヒト血清アルブミンと(本明細書中で記載するように)結合可能であるようなCDR配列を含む。
本発明の具体的であるが非限定的な別の態様において、本発明のアミノ酸配列は、「非拘束」型(すなわち、隣接配列を連結するジスルフィド架橋を全く含まない)であるか、又は非拘束型である場合にヒト血清アルブミンと(本明細書中で記載するように)結合可能なアミノ酸配列である。特に、かかるアミノ酸配列は、アミノ酸配列が非拘束型である場合にヒト血清アルブミンと(本明細書中で記載するように)結合可能であるようなCDR配列を含む。
本発明の具体的であるが非限定的なさらに別の態様において、本発明のアミノ酸配列は、拘束型及び非拘束型のいずれであっても、ヒト血清アルブミンと(本明細書中で記載するように)結合可能なアミノ酸配列である。かかるアミノ酸配列は、拘束型及び非拘束型のどちらであってもよい。特に、かかるアミノ酸配列は、アミノ酸配列が拘束型又は非拘束型のいずれかである場合にヒト血清アルブミンと(本明細書中で記載するように)結合可能であるようなCDR配列を含む。
本発明のアミノ酸配列の非限定的な例を配列番号1に示すと共に、対応するヌクレオチド配列を配列番号2に示す。このアミノ酸配列DTAVYYCNAAASYSDYDVFGGGTDFGPWGQGTQV(配列番号1)は、それぞれフレームワーク3及びフレームワーク4に由来する、2つのフレームワーク配列(下線で示す)が隣接するCDR配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)を含む。このCDR配列は、配列番号1のペプチドの形態である場合にアミノ酸配列の形態で血清アルブミンと結合することができるだけでなく、それ自体(すなわち、隣接FR配列を有しない)で結合することもできる。このCDR配列が、拘束型(すなわち、ジスルフィド架橋を含有する、例えば、ペプチド17D12−CDR3−C、配列番号27参照)及び非拘束型(すなわち、ジスルフィド架橋を有しない、例えば、ペプチド17D12−CDR3−NC、配列番号26参照)の両方でヒト血清アルブミンと結合することができることを示す、下記実施例4を参照されたい。
したがって、好ましいが非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)を少なくとも含むか、又はアミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)と、最大9アミノ酸の差(本明細書中で規定する)、好ましくは最大6アミノ酸の差、例えば、5アミノ酸の差、4アミノ酸の差、3アミノ酸の差、2アミノ酸の差若しくは1アミノ酸の差だけ異なるアミノ酸配列を含む、アミノ酸配列である。かかるアミノ酸配列は、さらに本明細書中で記載するようなものであってもよい。
例えば、かかる本発明のアミノ酸配列は、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)(又はこの配列と、最大9アミノ酸の差、好ましくは最大6アミノ酸の差、例えば、5アミノ酸の差、4アミノ酸の差、3アミノ酸の差、2アミノ酸の差若しくは1アミノ酸の差だけ異なるアミノ酸配列)を含んでもよく、且つ1つ又は2つの隣接アミノ酸配列(すなわち、それぞれ配列の片端又は両端)をさらに含み得る。また、かかる本発明のアミノ酸配列は、拘束型又は非拘束型であり得る。
好ましくは、本発明のかかるアミノ酸配列(又は本明細書中でさらに記載する、少なくとも1つのかかるアミノ酸配列を含む本発明の化合物)は、血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、
解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/l(すなわち、会合(association:結合)定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/mol)、
会合速度定数kon(kon-rate):102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1、
及び/又は
解離速度定数koff(koff-rate):1s−1(t1/2=0.69秒)〜10−6s−1(複数日のt1/2がほぼ不可逆な複合体を与える)、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−4s−1、例えば10−4s−1〜10−6s−1
で結合することができるようなものであり、かかるアミノ酸配列(及びこれをコードするヌクレオチド配列、並びにこれを含む本発明の化合物)は、本発明のさらなる態様を形成する。
解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/l(すなわち、会合(association:結合)定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/mol)、
会合速度定数kon(kon-rate):102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1、
及び/又は
解離速度定数koff(koff-rate):1s−1(t1/2=0.69秒)〜10−6s−1(複数日のt1/2がほぼ不可逆な複合体を与える)、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−4s−1、例えば10−4s−1〜10−6s−1
で結合することができるようなものであり、かかるアミノ酸配列(及びこれをコードするヌクレオチド配列、並びにこれを含む本発明の化合物)は、本発明のさらなる態様を形成する。
好ましくは、かかる本発明のアミノ酸配列(又は本明細書中でさらに記載する、1つのかかるアミノ酸配列を含む本発明の化合物)は、血清タンパク質と、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満の親和性で結合するようなものである。
かかるアミノ酸配列が、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)と最大9アミノ酸の差(好ましくは最大6アミノ酸の差、例えば5アミノ酸の差、4アミノ酸の差、3アミノ酸の差、2アミノ酸の差又は1アミノ酸の差だけ)異なるアミノ酸配列である場合、好ましくは、かかるアミノ酸配列(又は本明細書中でさらに記載する、少なくとも1つのかかるアミノ酸配列を含む本発明の化合物)は、血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、先の段落で述べたようなKD、KA、Kon及び/又はKoffで結合することができるようなものである。かかるアミノ酸配列(及び本明細書中でさらに記載する、これをコードするヌクレオチド配列、並びにこれらを含む本発明の化合物)は、本発明のさらなる態様を形成する。例えば、かかるアミノ酸配列は、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)から開始する親和性成熟によって得られたアミノ酸配列であり得る。
かかるアミノ酸配列が、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)と最大9アミノ酸の差(好ましくは最大6アミノ酸の差、例えば5アミノ酸の差、4アミノ酸の差、3アミノ酸の差、2アミノ酸の差又は1アミノ酸の差だけ)異なるアミノ酸配列である場合、9アミノ酸残基〜27アミノ酸残基、例えば12アミノ酸残基〜24アミノ酸残基、例えば15アミノ酸残基〜21アミノ酸残基、例えば16アミノ酸残基、17アミノ酸残基、18アミノ酸残基、19アミノ酸残基又は20アミノ酸残基)のすべてを含み得る。また、かかるアミノ酸配列は、好ましくは血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、先の段落で述べたようなKD、KA、Kon及び/又はKoffで結合することができるようなものであり;且つかかるアミノ酸配列(及び本明細書中でさらに記載する、これをコードするヌクレオチド配列、並びにこれらを含む本発明の化合物)は、本発明のさらなる態様を形成する。例えば、かかるアミノ酸配列は、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)から開始する親和性成熟によって得られたアミノ酸配列であり得る。
また、好ましくは、かかるアミノ酸配列が、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)と最大9アミノ酸の差(好ましくは最大6アミノ酸の差、例えば、5アミノ酸の差、4アミノ酸の差、3アミノ酸の差、2アミノ酸の差又は1アミノ酸の差だけ)異なるアミノ酸配列である場合、好ましくは、配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)由来の少なくとも3つの(例えば、少なくとも4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ以上の)連続したアミノ酸残基を含む1つ又は複数の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ又は5つの)一連のアミノ酸残基を含むようなものであり、(さらに、アミノ酸残基の合計数は、9アミノ酸残基〜27アミノ酸残基、例えば12アミノ酸残基〜24アミノ酸残基、例えば15アミノ酸残基〜21アミノ酸残基(例えば16アミノ酸残基、17アミノ酸残基、18アミノ酸残基、19アミノ酸残基又は20アミノ酸残基)となる)。また、かかるアミノ酸配列は、好ましくは、血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、先の段落で述べたようなKD、KA、Kon及び/又はKoffで結合することができるようなものであり;且つかかるアミノ酸配列(及び本明細書中でさらに記載する、これをコードするヌクレオチド配列、並びにこれらを含む本発明の化合物)は、本発明のさらなる態様を形成する。例えば、かかるアミノ酸配列は、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)から開始する親和性成熟によって得られたアミノ酸配列であり得る。
具体的であるが非限定的な一態様において、かかるアミノ酸配列は、(i)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)と、最大9アミノ酸の差(好ましくは最大6アミノ酸の差、例えば5アミノ酸の差、4アミノ酸の差、3アミノ酸の差、2アミノ酸の差又は1アミノ酸の差だけ)異なり;(ii)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)から開始する親和性成熟によって得られており;(iii)合計9アミノ酸残基〜27アミノ酸残基、例えば12アミノ酸残基〜24アミノ酸残基、例えば15アミノ酸残基〜21アミノ酸残基(例えば16アミノ酸残基、17アミノ酸残基、18アミノ酸残基、19アミノ酸残基又は20アミノ酸残基)を含み、且つ好ましくは、配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号3)由来の少なくとも3つの(例えば、少なくとも4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ以上の)連続したアミノ酸残基を含む1つ又は複数の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ又は5つの)一連のアミノ酸残基を含むようなものであり;且つ(iv)血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、先の段落で述べたようなKD、KA、Kon及び/又はKoffで結合することができる、アミノ酸配列である。
また、すべての上記アミノ酸配列は、本明細書中でさらに記載するようなものであってもよく、例えば、1つ又は2つの隣接アミノ酸配列(すなわち、それぞれ配列の片端又は両端)を含んでもよく、拘束型又は非拘束型であってもよい。例えば、かかるアミノ酸配列はさらに(本明細書中で記載するように)血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、拘束型、非拘束型で、好ましくは拘束型及び非拘束型の両方で結合可能であるようなものであり得る。
また、上記アミノ酸配列の1つ又は複数を含む本発明の化合物は、本発明のさらに具体的な態様を形成し、かかる本発明の化合物は、本明細書中でさらに記載するようなものであってもよい(好ましくは、本発明の化合物に関して本明細書中で記載する好ましい態様によるものである)。
本発明は、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、化合物又は構築物(本明細書において「本発明の化合物」とも称する)にも関する。また、かかる化合物又は構築物中に存在する本発明のアミノ酸配列(複数可)は、好ましくは、(例えば、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列中に)ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも2つのシステイン残基を含有し、及び/又は分子内ジスルフィド架橋の部分を形成する。
例えば、限定するものではないが、本発明の化合物は、1つ、2つ、3つ、4つ以上の本発明のアミノ酸配列と連結する少なくとも1つの治療部を含み得る。例えば、治療部がタンパク質又はポリペプチドである場合、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列は、タンパク質又はポリペプチドのC末端と(直接又は好適なスペーサー若しくはリンカーを介して);タンパク質又はポリペプチドのN末端と(これも直接又は好適なスペーサー若しくはリンカーを介して);又はC末端及びN末端の両方と連結され得る。本発明の化合物が2つ以上の本発明のアミノ酸配列を含む場合、これらは同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
治療部はまた、互いに直接又は好適なリンカー若しくはスペーサーを介して連結し得る、少なくとも2つの(例えば、2つ、3つ又は4つの)本発明のアミノ酸配列(同一であってもよく、又は異なっていてもよい)を含むコンカテマーと(そのC末端、そのN末端の一方又は両方のいずれかで、これも直接又は好適なスペーサー若しくはリンカーを介して)連結し得る。かかる(二価、三価又は多価の)コンカテマー(及びこれをコードするヌクレオチド配列、並びにこれらを含む本発明の化合物)は、本発明のさらなる態様を形成し、単量体の本発明のアミノ酸配列よりも高い結合活性(avidity:結合力)で血清アルブミンと結合し得る。
また、本発明の化合物が2つ以上の治療部を含む場合、これらの治療部のそれぞれ(又は両方)は、本明細書中でさらに記載するように、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列と連結し得る。また、2つ以上の治療部は、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列(及び任意でさらなる連結するアミノ酸配列)を含むか、又はこれから本質的に成るリンカーを介して互いに連結することができ、かかるリンカー(及びこれを含む本発明の化合物)は、本発明のさらなる態様を形成する。
少なくとも1つの治療部は、好ましくは、アミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成り、特に、免疫グロブリン配列若しくはその抗原結合断片(例えば、抗体若しくはその抗原結合断片)、例えば、免疫グロブリン可変ドメイン若しくはその抗原結合断片(例えば、VHドメイン、VLドメイン、VHHドメイン若しくはそれらの抗原結合断片);又はこれらを含むタンパク質又はポリペプチド(例えば、scFv構築物)を含むか、又はこれらから本質的に成る可能性がある。かかる構築物に関しては、例えば、Holliger及びHudsonによる総説、Nat Biotechnol. 2005 Sep;23(9):1126-36及びその中で引用されるさらなる従来技術を参照されたい。
具体的であるが非限定的な一態様によれば、治療部は、(単一)ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(登録商標)を含むか、又はこれらから本質的に成る。
本発明の化合物において、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つの治療部と直接連結してもよく、又は少なくとも1つの治療部と1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結してもよい。好適なリンカーは、例えば、本明細書中のさらなる開示に基づいて当業者には明らかである。1つ又は複数の治療部がアミノ酸配列である場合、リンカー又はスペーサーは、好ましくは、アミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成り、その結果、得られる化合物又は構築物は、(融合)タンパク質又は(融合)ポリペプチド(本明細書中において「本発明のポリペプチド」とも称する)から本質的に成る。また、かかる本発明のポリペプチド中に存在する本発明のアミノ酸配列(複数可)は、好ましくは、(例えば、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列中に)ジスルフィド架橋を形成可能であり、及び/又は分子内ジスルフィド架橋の部分を形成する少なくとも2つのシステイン残基を含有する。
本発明は、本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列又は核酸(本明細書において「本発明のヌクレオチド配列」又は「本発明の核酸」とも称する)にも関する。さらに、かかる本発明の核酸は、好ましくは、(例えば、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列中に)ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも2つのシステイン残基を含有する本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをコードする。
本発明は、本発明のヌクレオチド配列又は核酸を含有し、及び/又は本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチド、特に、(例えば、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列中に)ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも2つのシステイン残基を含有する本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドを発現する(又は発現可能である)、宿主又は宿主細胞にも関する。
本明細書中の開示に基づいて当業者には明らかなように、本発明の好ましいが非限定的な一態様は、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列(のそれぞれに存在するシステイン残基)の間にジスルフィド架橋を含有する、本発明のアミノ酸配列に関する。したがって、本発明は、かかる本発明のアミノ酸配列を製造する方法であって、概して、ジスルフィド架橋を形成可能な少なくとも2つのシステイン残基を含む本発明のアミノ酸配列中にジスルフィド架橋を形成する工程を少なくとも含み、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列(のそれぞれに存在するシステイン残基)の間にジスルフィド架橋を形成する工程を少なくとも含む、方法にも関する。
本発明は、特に、本発明のアミノ酸配列から構成されるポリペプチドの部分にジスルフィド架橋を含有する本発明のポリペプチドにも関する。したがって、本発明は、かかる本発明のポリペプチドを製造する方法であって、概して、本発明のポリペプチドにおいて、特に、本発明のアミノ酸配列によって形成される部分に、ジスルフィド架橋を形成する工程を少なくとも含む、方法にも関する。さらに、この目的のために、ポリペプチド中に存在する本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列のそれぞれに、ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも2つのシステイン残基を含む。
本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを製造する別の方法は、概して、
a)本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)そのようにして発現させた、本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをそれぞれ単離する工程
をさらに含む。
a)本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)そのようにして発現させた、本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをそれぞれ単離する工程
をさらに含む。
そのようにして得られた本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドは、ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも2つのシステイン残基を(例えば、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列中に)含有する場合、上記方法は、本明細書中でさらに記載するように、かかるジスルフィド架橋を形成するさらなる工程も含み得る。
本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを製造するさらに別の方法は、概して、
a)本明細書中で記載する宿主又は宿主細胞を、当該宿主又は当該宿主細胞が本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを生産する条件下で培養又は維持する工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)このようにして得られた本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをそれぞれ単離する工程
をさらに含む。
a)本明細書中で記載する宿主又は宿主細胞を、当該宿主又は当該宿主細胞が本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを生産する条件下で培養又は維持する工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)このようにして得られた本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをそれぞれ単離する工程
をさらに含む。
また、そのようにして得られた本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドが、ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも2つのシステイン残基を(例えば、特に、CDR配列に隣接する2つの隣接配列中に)含有する場合、上記方法は、本明細書中でさらに記載するように、かかるジスルフィド架橋を形成するさらなる工程も含み得る。
本発明は、上記方法によって得られるアミノ酸配列、化合物、構築物又はポリペプチドにも関する。
本発明はさらに、本明細書中で記載する少なくとも1つのアミノ酸配列、化合物、構築物又はポリペプチドと、任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
本発明はまた、血清タンパク質と結合することができ、且つ(本発明のアミノ酸配列として、又は本発明のアミノ酸配列を提供する出発点として)本発明で使用することができるアミノ酸配列(例えばCDR配列)を提供する幾つかの具体的な方法に関する。かかる具体的な一方法は、
a)(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列に関してスクリーニングする工程と、
c)上記血清タンパク質又は上記その少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列(複数可)を単離する工程と、
を少なくとも含む。
a)(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列に関してスクリーニングする工程と、
c)上記血清タンパク質又は上記その少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列(複数可)を単離する工程と、
を少なくとも含む。
かかる方法の工程b)では、上記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを、好ましくは、血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンから成る群から選ばれる血清タンパク質と結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列;及び/又は血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列に関してスクリーニングする。
特に、かかる方法の工程b)では、上記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列;より詳細には、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列に関してスクリーニングされ得る。具体的であるが非限定的な一態様によれば、かかる方法の工程b)において、上記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、(ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない(ヒト)血清アルブミンの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する1つ又は複数のアミノ酸配列;及び/又は(ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない(ヒト)血清アルブミンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列に関してスクリーニングされ得る。
上記スクリーニングは、自体公知のタンパク質スクリーニングに関する任意の様式で実施され得る。例えば、アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、当業者に既知の技法を用いて、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物にディスプレーされ得る。例えば、Hoogenboom他による総説、Nat Biotechnol 23: 1105, 2005及びその中で引用されるさらなる従来技術を参照されたい。
上記方法で使用するアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、好ましくは、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR配列から本質的に成るアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリ;及び/又は両側にフレームワーク配列又はフレームワーク配列の断片が隣接するCDR配列を含む免疫グロブリン配列の断片のセット、コレクション又はライブラリを含む。特に、アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、上記CDR配列の由来となる免疫グロブリン可変ドメインにおいて、上記CDR配列に隣接するフレームワーク配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR配列を含むか、又はこれから本質的に成るアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを含み得る。例えば、アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR2配列;又はそれぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR3配列を含むか、又はこれらから本質的に成る可能性がある。
(本明細書中でさらに記載するように)ジスルフィド架橋を形成する2つのシステイン残基を含有するアミノ酸配列を提供するために、上記方法は、得られるアミノ酸配列中の各フレームワーク配列が少なくとも1つのシステイン残基を含有するように、1つ又は2つのシステイン残基を導入すること(すなわち、付加、挿入又は置換による)をさらに含み得る。
代替的には、このようにして得られたアミノ酸配列が、既に隣接アミノ酸配列を含むものでない場合、(好ましくは、さらにシステイン残基を有する)かかる隣接配列を付加してもよい。
上記方法の工程a)で使用し、(且つ引き続いて工程b)でスクリーニングする)アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列の任意の好適なセット、コレクション又はライブラリであり得る。例えば、1つ又は複数の自体公知の親和性成熟技法の使用を含む方法によって得られたアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリであり得る。
しかしながら、好ましい一態様によれば、かかるセット、コレクション又はライブラリは、
a)免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅する工程であって、増幅断片が、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある、アミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする、増幅する工程と、
c)工程b)で得られた増幅断片を発現させる工程であって、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションを提供する、発現させる工程と、
を少なくとも含む方法によって得ることができる。
a)免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅する工程であって、増幅断片が、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある、アミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする、増幅する工程と、
c)工程b)で得られた増幅断片を発現させる工程であって、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションを提供する、発現させる工程と、
を少なくとも含む方法によって得ることができる。
上記方法の工程a)で使用する免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列の任意の好適なセット、コレクション又はライブラリ(概して当業者によって理解されるように、例えば、抗体、抗体の可変ドメイン、又は可変ドメインを含む抗体の断片)であり得るが、特に、免疫性のセット、コレクション又はライブラリ、より詳細には、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、当該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)哺乳動物から得られた免疫性のセット、コレクション又はライブラリであり得る。このセット、コレクション又はライブラリは、自体公知の任意の様式、例えば、レパートリークローニング(例えば、国際公開第90/05144号パンフレット又は本明細書中に引用するHoogenboomによる総説を参照されたい)によって生成してもよい。
具体的であるが非限定的な一態様において、上記免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、当該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)ラクダ科動物から得られた重鎖抗体又はVHH配列をコードするヌクレオチド配列の免疫性のセット、コレクション又はライブラリであり得る。これに関しては、例えば、本明細書中に引用する従来技術を参照されたい。
増幅工程b)は、好ましくは、上記CDR配列に隣接するフレームワーク配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能な部位特異的プライマー(の組合せ)を用いて実施される。例えば、当該部位特異的プライマー(の組合せ)は、増幅断片が、(i)CDR2配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR2配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR2配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードするようなものである可能性があり;この場合、当該部位特異的プライマーは、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれらと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能であり得る。
代替的には、上記部位特異的プライマー(の組合せ)は、増幅断片が、(i)CDR3配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR3配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR3配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードするようなものである可能性があり;この場合、当該部位特異的プライマーは、それぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれらと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能であり得る。
血清タンパク質と結合することができ、且つ(本発明のアミノ酸配列として、又は本発明のアミノ酸配列を提供する出発点として)本発明で使用することができるアミノ酸配列(例えばCDR配列)を提供する別の具体的な方法は、
a)免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列に関してスクリーニングする工程と、
c)工程b)の間に同定される、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する少なくとも1つの免疫グロブリン配列の上記ヌクレオチド配列及び/又は上記アミノ酸配列を決定し;及び/又はそれらのCDR配列及び/又はCDR配列を含むそれらの断片の上記ヌクレオチド配列及び/又は上記アミノ酸配列を決定する工程と、
d)自体公知の任意の好適な技法を用いて、(i)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有する免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある本発明によるアミノ酸配列を製造する工程と、
を含み得る。
a)免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列に関してスクリーニングする工程と、
c)工程b)の間に同定される、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する少なくとも1つの免疫グロブリン配列の上記ヌクレオチド配列及び/又は上記アミノ酸配列を決定し;及び/又はそれらのCDR配列及び/又はCDR配列を含むそれらの断片の上記ヌクレオチド配列及び/又は上記アミノ酸配列を決定する工程と、
d)自体公知の任意の好適な技法を用いて、(i)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有する免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある本発明によるアミノ酸配列を製造する工程と、
を含み得る。
また、この方法の工程b)において、上記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンから成る群から選ばれる血清タンパク質と結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列;及び/又は血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列に関してスクリーニングされ得る。
特に、上記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメイン;より詳細には、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列に関してスクリーニングされ得る。具体的であるが非限定的な一態様によれば、かかる方法の工程b)において、上記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、(ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない(ヒト)血清アルブミンの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する1つ若しくは複数のアミノ酸配列;及び/又は(ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない(ヒト)血清アルブミンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列に関してスクリーニングされ得る。
また、上記スクリーニングは、自体公知のタンパク質スクリーニングに関して任意の様式で実施され得る。例えば、アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、当業者に既知の技法を用いて、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物にディスプレーされ得る。例えば、Hoogenboom他による総説、Nat Biotechnol 23: 1105, 2005及びその中で引用されるさらなる従来技術を参照されたい。
上記方法の工程a)で使用する免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、任意の好適な免疫グロブリン配列のセット、コレクション若しくはライブラリであればよく、例えば、未処置の免疫グロブリン配列のセット、コレクション若しくはライブラリ、合成又は半合成の免疫グロブリン配列のセット、コレクション若しくはライブラリ、又は親和性成熟させた免疫グロブリン配列のセット、コレクション若しくはライブラリであってもよい。具体的であるが非限定的な一態様によれば、上記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、免疫性の免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリ、特に、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、当該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)哺乳動物から得られた免疫性のセット、コレクション又はライブラリであり得る。例えば、工程a)で使用する免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、当該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)ラクダ科動物から得られた重鎖抗体又はVHH配列の免疫性のセット、コレクション又はライブラリであり得る。かかるセット、コレクション又はライブラリを提供する方法に関しては、同様に本明細書中に引用する従来技術を参照されたい。
免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、好ましくは、重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインに由来するCDR配列のセット、コレクション又はライブラリであってもよく、特に、ドメイン抗体又は単一ドメイン抗体として作用可能であるドメイン抗体、単一ドメイン抗体又は免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリであってもよい。
また、工程c)では、好ましくはCDR2配列又はCDR3配列の配列を決定する。
血清タンパク質と結合することができ、且つ(本発明のアミノ酸配列として、又は本発明のアミノ酸配列を提供する出発点として)本発明で使用することができるアミノ酸配列(例えばCDR配列)を提供する別の具体的な方法は、
a)免疫グロブリン配列を発現するラクダ科動物に由来する細胞のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記細胞のセット、コレクション又はライブラリを、(i)血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列を発現する細胞;及び(ii)重鎖抗体を発現する細胞に関してスクリーニングする工程であって;サブ工程(i)及びサブ工程(ii)を、本質的に、単一のスクリーニング工程として、又は任意の好適な順序で2つの別個のスクリーニング工程として実施することができ、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する重鎖抗体を発現する少なくとも1つの細胞を提供する、スクリーニングする工程と、
c)工程b)で提供された細胞によって発現された、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する少なくとも1つの重鎖抗体の上記ヌクレオチド配列及び/又は上記アミノ酸配列を決定し;及び/又はそれらのCDR配列及び/又はCDR配列を含むそれらの断片の上記ヌクレオチド配列及び/又は上記アミノ酸配列を決定する工程と、
d)自体公知の任意の好適な技法を用いて、(i)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有する免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある本発明によるアミノ酸配列を製造する工程と、
を含み得る。
a)免疫グロブリン配列を発現するラクダ科動物に由来する細胞のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記細胞のセット、コレクション又はライブラリを、(i)血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列を発現する細胞;及び(ii)重鎖抗体を発現する細胞に関してスクリーニングする工程であって;サブ工程(i)及びサブ工程(ii)を、本質的に、単一のスクリーニング工程として、又は任意の好適な順序で2つの別個のスクリーニング工程として実施することができ、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する重鎖抗体を発現する少なくとも1つの細胞を提供する、スクリーニングする工程と、
c)工程b)で提供された細胞によって発現された、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する少なくとも1つの重鎖抗体の上記ヌクレオチド配列及び/又は上記アミノ酸配列を決定し;及び/又はそれらのCDR配列及び/又はCDR配列を含むそれらの断片の上記ヌクレオチド配列及び/又は上記アミノ酸配列を決定する工程と、
d)自体公知の任意の好適な技法を用いて、(i)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有する免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある本発明によるアミノ酸配列を製造する工程と、
を含み得る。
この方法において、細胞のコレクション又はサンプルは、好ましくはB細胞のコレクション又はサンプルであり、特に、(B)細胞のコレクション又はサンプルは、所望のドメイン又はエピトープ(複数可)に対する免疫応答が惹起されるように、所望の血清タンパク質のドメイン又はエピトープ(複数可)を含む抗原で好適に免疫感作したラクダ科動物から得られる。
スクリーニング工程b)は、例えば、FACS等のフローサイトメトリー技術を用いて実施され得る。
別の具体的な方法では、血清タンパク質と結合することができ、且つ(本発明のアミノ酸配列として、又は本発明のアミノ酸配列を提供する出発点として)本発明で使用することができるアミノ酸配列(例えばCDR配列)をコードするヌクレオチド配列を提供する。かかる方法は、
a)(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを提供する工程と、
b)上記セット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に関して、スクリーニングする工程と、
c)上記血清タンパク質又は上記その少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列(複数可)をコードする上記ヌクレオチド配列(複数可)を単離する工程と、
を含み得る。
a)(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを提供する工程と、
b)上記セット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に関して、スクリーニングする工程と、
c)上記血清タンパク質又は上記その少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列(複数可)をコードする上記ヌクレオチド配列(複数可)を単離する工程と、
を含み得る。
かかる方法の工程b)において、上記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを、好ましくは血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンから成る群から選ばれる血清タンパク質と結合することができ、及び/又はこれに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;及び/又は血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に関してスクリーニングする。
特に、かかる方法の工程b)において、上記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;より詳細には、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に関してスクリーニングされ得る。具体的であるが非限定的な一態様によれば、かかる方法の工程b)において、上記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、(ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない(ヒト)血清アルブミンの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードする1つ又は複数のヌクレオチド配列;及び/又は(ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない(ヒト)血清アルブミンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に関してスクリーニングされ得る。
上記スクリーニングは、自体公知のタンパク質スクリーニングに関する任意の様式で実施され得る。例えば、ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリがコードするアミノ酸配列は、当業者に既知の技法を用いて、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物にディスプレーされ得る。例えば、Hoogenboom他による総説、Nat Biotechnol 23:1105, 2005、さらにはその中で引用される従来技術を参照されたい。
上記方法で使用するヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、好ましくは、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR配列から本質的に成るアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリ;及び/又は両側にフレームワーク配列又はフレームワーク配列の断片が隣接するCDR配列を含む免疫グロブリン配列の断片をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを含む。特に、ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、CDR配列の由来となる免疫グロブリン可変ドメインにおいて、当該CDR配列に隣接するフレームワーク配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接する上記CDR配列を含むか、又はこれから本質的に成るアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを含み得る。例えば、ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR2配列をコードするヌクレオチド配列;又はそれぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR3配列をコードするヌクレオチド配列を含むか、又はこれらから本質的に成る可能性がある。
(本明細書中でさらに記載する)ジスルフィド架橋を形成する2つのシステイン残基を含有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を提供するために、上記方法は、1つ又は2つのシステイン残基をコードするコドンを導入すること(すなわち、1つ又は複数のヌクレオチドの付加、挿入又は置換による)をさらに含むことができ、このようにして得られたヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列中の各フレームワーク配列は、少なくとも1つのシステイン残基を含有する。
代替的には、ヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列が、隣接アミノ酸配列を既に含むものでない場合、当該ヌクレオチド配列は、(好ましくは、さらにシステイン残基を有する)かかる隣接配列をコードするヌクレオチド配列と好適に連結してもよく、これを付加してもよい。
また、このようにして得られたヌクレオチド配列の1つ又は複数は、(任意で1つ又は複数のリンカーをコードする1つ又は複数のヌクレオチド配列を介して)相互に連結してもよく、及び/又はアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成る治療部をコードする1つ又は複数の(及び少なくとも1つの)ヌクレオチド配列と連結してもよい。
上記方法は、このようにして得られたヌクレオチド配列を好適に発現させる工程であって、本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドを提供する、好適に発現させる工程も含み得る。
上記方法の工程a)で使用し(且つ引き続いて工程b)でスクリーニングする)ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列をコードする任意の好適なヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリであり得る。例えば、1つ又は複数の自体公知の親和性成熟技法の使用を含む方法によって得られたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリであり得る。
しかしながら、好ましい一態様によれば、かかるセット、コレクション又はライブラリは、
a)免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅する工程であって、増幅断片が、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする、増幅する工程と、
を少なくとも含む方法によって得ることができる。
a)免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅する工程であって、増幅断片が、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする、増幅する工程と、
を少なくとも含む方法によって得ることができる。
上記方法の工程a)で使用する免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、免疫グロブリン配列をコードする任意の好適なヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリであり得るが、特に、免疫性のセット、コレクション又はライブラリ、より詳細には、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、当該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)哺乳動物から得られた免疫性のセット、コレクション又はライブラリであり得る。このセット、コレクション又はライブラリは、自体公知の任意の様式で、例えば、レパートリークローニングによって生成され得る(例えば、本明細書中に引用される国際公開第90/05144号パンフレット又はHoogenboomによる総説を参照されたい)。
具体的であるが非限定的な一態様において、免疫グロブリン配列をコードする上記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、当該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)ラクダ科動物から得られた重鎖抗体又はVHH配列をコードするヌクレオチド配列の免疫性のセット、コレクション又はライブラリであり得る。これに関しては、例えば、本明細書中に引用する従来技術を参照されたい。
増幅工程b)は、好ましくは、上記CDR配列に隣接するフレームワーク配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能な部位特異的プライマー(の組合せ)を用いて実施される。例えば、当該部位特異的プライマー(の組合せ)は、増幅断片が、(i)CDR2配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR2配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR2配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードするようなものであり;この場合、当該部位特異的プライマーは、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれらと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能であり得る。
代替的には、上記部位特異的プライマー(の組合せ)は、増幅断片が、(i)CDR3配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR3配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR3配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードするようなものである可能性があり;この場合、当該部位特異的プライマーは、それぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれらと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能であり得る。
本明細書中で記載する方法で使用することができる幾つかの好ましいが非限定的なプライマーを、図1及び配列番号7〜配列番号25に示す。これらのプライマー(並びに配列番号7〜配列番号25のプライマーの少なくとも1つと、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば少なくとも95%の配列同一性を有する同様のプライマー)は、本発明のさらなる態様を形成する。
本発明の別の態様は、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列を生成する際に(すなわち、増幅、及び任意で親和性成熟等の本明細書中で述べたさらなる工程の1つ又は複数を通じて)、配列番号7〜配列番号25のプライマー(又は配列番号7〜配列番号25のプライマーの少なくとも1つと、少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%の配列同一性を有するプライマー)から選ばれる少なくとも2つのプライマー(すなわち、少なくとも1つのフォワードプライマー及び少なくとも1つのリバースプライマー)の好適な組合せの使用を含む。
かかるプライマーを用いて(すなわち、増幅、及び任意でこれに続く親和性成熟等の本明細書中で述べるさらなる工程の1つ又は複数を通じて)生成し得る本発明のアミノ酸配列は、本発明のさらなる態様を形成する。配列番号7〜配列番号25のプライマー(及びそれらの変異体)は、CDR3配列の増幅に好適であるため、かかるアミノ酸配列は、好ましくはCDR3配列である。また、配列番号7〜配列番号25のプライマー(又はそれらの変異体)を使用する場合、増幅後に得られるアミノ酸配列は通常、CDR3配列の両端に隣接配列を含有する(下記実施例参照)。しかしながら、本発明のこの態様は、かかる隣接配列を有しない配列番号7〜配列番号25のプライマー(又はそれらの変異体)を用いて、又は(本明細書中でさらに記載するように)1つ若しくは複数の他の隣接配列を用いて得られるCDR3配列も含む。
かかるアミノ酸配列(すなわち、隣接配列を有する又は有しないCDR3を含む)はさらに、本明細書中で記載するものであってもよく、好ましくは本明細書中で記載する好ましい態様によるものである。例えば、かかるアミノ酸配列は、拘束型又は非拘束型である可能性があり;及び/又は血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、拘束型、非拘束型、好ましくは拘束型及び非拘束型の両方で(本明細書中で記載するように)結合可能である可能性がある。
特に、かかるアミノ酸配列(又は本明細書中でさらに記載する少なくとも1つのかかるアミノ酸配列を含む本発明の化合物)は、好ましくは血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、
解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/l(すなわち、会合定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/mol);
会合速度定数kon:102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1;
及び/又は
解離速度定数koff:1s−1(t1/2=0.69秒)及び10−6s−1(t1/2が複数日のほぼ不可逆な複合体を与える)、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−4s−1、例えば、10−4s−1〜10−6s−1
で結合することができるようなものである。
解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/l(すなわち、会合定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/mol);
会合速度定数kon:102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1;
及び/又は
解離速度定数koff:1s−1(t1/2=0.69秒)及び10−6s−1(t1/2が複数日のほぼ不可逆な複合体を与える)、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−4s−1、例えば、10−4s−1〜10−6s−1
で結合することができるようなものである。
上記アミノ酸配列の1つ又は複数を含む本発明の化合物は、本発明のさらに具体的な態様を形成し、かかる本発明の化合物は、さらに本明細書中で記載するようなものであってもよい(好ましくは、本発明の化合物に関して本明細書中で記載する好ましい態様によるものである)。
本発明の他の態様は、本発明の方法(さらに本明細書中で記載するようなものであり得る)であって、配列番号7〜配列番号25のプライマーから(又は配列番号7〜配列番号25のプライマーの少なくとも1つと少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば少なくとも95%の配列同一性を有するプライマーから)選ばれる少なくとも2つのプライマー(すなわち、少なくとも1つのフォワードプライマー及び少なくとも1つのリバースプライマー)の好適な組合せを使用する、方法を含む。
さらに別の態様において、本発明は、本明細書中で記載する方法の1つ(特に、本明細書中で記載する好ましい方法の1つ)(の工程)と、その後の親和性成熟(すなわち、血清タンパク質、特に血清アルブミン、より詳細にはヒト血清アルブミンに対する親和性を向上させる)(の少なくとも1つの工程)とを含む、方法によって得ることができる(又は得られた)アミノ酸配列に関する。かかる親和性成熟は、タンパク質又はポリペプチドの親和性成熟に関する自体公知の任意の様式で実施してもよく、好適な方法及び技法は、本明細書中の開示に基づいて当業者には明らかである。好ましくは、かかる親和性成熟した本発明のアミノ酸配列の関連血清タンパク質(例えば血清アルブミン、より詳細にはヒト血清アルブミン)に対する親和性が、親和性成熟工程(複数可)の開始配列として使用した配列(すなわち、本明細書中で記載する方法の1つによって得られる)に対する親和性よりも少なくとも10倍以上、例えば100倍以上、又はさらには1000倍若しくは10000倍以上優れる。
かかる親和性成熟した本発明のアミノ酸配列はさらに、本明細書中で記載するようなものであってもよく、好ましくは本明細書中で記載する好ましい態様によるものである。例えば、かかるアミノ酸配列は、拘束型又は非拘束型である可能性があり;及び/又は血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、拘束型、非拘束型、好ましくは拘束型及び非拘束型の両方で(本明細書中で記載するように)結合可能であるようなものである可能性がある。
特に、かかるアミノ酸配列(又は本明細書中でさらに記載する少なくとも1つのかかるアミノ酸配列を含む本発明の化合物)は、好ましくは血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと、
解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/l(すなわち、会合定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/mol);
会合速度定数kon:102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1;
及び/又は
解離速度定数koff:1s−1(t1/2=0.69秒)〜10−6s−1(t1/2が複数日のほぼ不可逆な複合体を与える)、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−4s−1、例えば10−4s−1〜10−6s−1
で結合することができるようなものである。
解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/l(すなわち、会合定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/mol);
会合速度定数kon:102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1;
及び/又は
解離速度定数koff:1s−1(t1/2=0.69秒)〜10−6s−1(t1/2が複数日のほぼ不可逆な複合体を与える)、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−4s−1、例えば10−4s−1〜10−6s−1
で結合することができるようなものである。
上記アミノ酸配列の1つ又は複数を含む本発明の化合物は、本発明のさらに具体的な態様を形成し、かかる本発明の化合物は、本明細書中でさらに記載するようなものである可能性がある(好ましくは、本発明の化合物に関して本明細書中で記載する好ましい態様によるものである)。
別の態様では、本発明は、血清タンパク質と結合することができ、且つ少なくとも1つの(好ましくは唯一の)ジスルフィド架橋を含む、アミノ酸配列に関する。
かかるアミノ酸配列の長さは、好ましくは90アミノ酸残基未満、好ましくは50アミノ酸残基未満(例えば、約40アミノ酸残基、30アミノ酸残基又は20アミノ酸残基)である。
例えば、好ましいが非限定的な態様によれば、かかるアミノ酸配列は、2つの隣接アミノ酸配列が隣接する血清タンパク質と結合することができるペプチド配列を含むか、又はこれから本質的に成り、ここで、各隣接アミノ酸配列は、上記ジスルフィド架橋の部分を形成するシステイン残基を含有する。かかるアミノ酸配列において、ペプチド配列の長さは、3アミノ酸残基〜30アミノ酸残基、好ましくは5アミノ酸残基〜25アミノ酸残基である可能性があり、2つの隣接アミノ酸配列の長さはそれぞれ、1アミノ酸残基〜30アミノ酸残基、好ましくは2アミノ酸残基〜20アミノ酸残基(約5アミノ酸残基、10アミノ酸残基又は15アミノ酸残基等)である可能性がある。
また、かかるアミノ酸配列において、2つの隣接アミノ酸配列は、好ましくは免疫グロブリンフレームワーク配列に由来し、及び/又は好ましくは免疫グロブリンフレームワーク配列の断片であり、ここで、上記ジスルフィド架橋の部分を形成する各隣接アミノ酸配列中のシステイン残基は、当該免疫グロブリンフレームワーク配列中(又は当該その断片中)に元々存在するシステイン残基、及び/又は当該免疫グロブリンフレームワーク配列中(又は当該その断片中)に導入されたシステイン残基のいずれかである。
これらのアミノ酸配列中に存在するペプチド配列は、合成ペプチド配列、親和性成熟技法を使用して生成したペプチド配列であってもよく、又は(本明細書中でさらに記載する)CDR配列から本質的に成ってもよい。また、かかるCDR配列は、血清タンパク質と結合することができるVH配列、VL配列又はVHH配列、特に、(単一)ドメイン抗体、dAb、又はナノボディ(登録商標)又はそれらの断片に由来している可能性がある。
また、CDR2配列(この場合、2つの隣接アミノ酸配列のうち1つは、好ましくはフレームワーク2配列及び/又はフレームワーク2配列の断片に由来し、他の隣接アミノ酸配列は、好ましくはフレームワーク3配列に由来し、及び/又はフレームワーク3配列の断片である)及びCDR3配列(この場合、2つの隣接アミノ酸配列のうち1つは、好ましくはフレームワーク3配列に由来し、及び/又はフレームワーク3配列の断片であり、他の隣接アミノ酸配列は、好ましくはフレームワーク4配列に由来し、及び/又はフレームワーク4配列の断片である)が、特に好ましい。
また、かかるアミノ酸配列は、血清タンパク質分子の半減期が(有意に)低減しないように、好ましくは血清タンパク質と結合することができる。また、さらに、かかるアミノ酸配列は、好ましくは、血清アルブミン、血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン又はそれらの断片から成る群から選ばれる血清タンパク質;特に、血清アルブミン又はその断片;より詳細には、ヒト血清アルブミン又はその断片と結合することができる。アミノ酸配列は、(ヒト)血清アルブミンと結合することができる場合、好ましくは、血清アルブミンのFcRnとの結合に関与しない(ヒト)血清アルブミンのアミノ酸残基;及び/又は血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない(ヒト)血清アルブミンのアミノ酸残基と結合可能である。
また、少なくとも1つの治療部は、好ましくは、アミノ酸配列、特に、免疫グロブリン配列若しくはその抗原結合断片(例えば、抗体若しくはその抗原結合断片)、例えば、免疫グロブリン可変ドメイン若しくはその抗原結合断片(例えば、VHドメイン、VLドメイン、VHHドメイン若しくはそれらの抗原結合断片);又はこれらを含むタンパク質若しくはポリペプチド(例えば、scFv構築物);より詳細には、(単一)ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(登録商標)を含むか、又はこれらから本質的に成る。
本発明は、少なくとも1つのかかるアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、化合物又は構築物にも関する。また、少なくとも1つのアミノ酸配列は、少なくとも1つの治療部と直接連結してもよく、又は少なくとも1つの治療部と1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結してもよい。少なくとも1つの治療部が好ましくはアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成る場合、リンカー又はスペーサーも、好ましくはアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成り、得られた化合物又は構築物は(融合)タンパク質又は(融合)ポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る(すなわち、各本発明のアミノ酸配列中にジスルフィド架橋を1つ有する)。
本発明は、本発明のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)をコードするか、又は本発明のポリペプチドと同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)をコードする、ヌクレオチド配列又は核酸にも関する。
本発明は、かかるヌクレオチド配列又は核酸を含有し、及び/又は本発明のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)又は本発明のポリペプチドと同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)を発現する(又は発現可能である)、宿主又は宿主細胞にも関する。
本発明は、本発明の所望のアミノ酸配列化合物又は構築物を製造する方法(すなわち、本明細書中で記載するように少なくとも1つのジスルフィド架橋を含む)であって、
a)所望の本発明のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)又は所望の本発明のポリペプチドと同一の一次アミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)を有するアミノ酸配列を準備する工程と、
b)上記アミノ酸配列中にジスルフィド架橋を形成する工程であって、所望の本発明のアミノ酸配列又は所望の本発明の化合物若しくは構築物をそれぞれ提供する、形成する工程と、
を少なくとも含む、方法にも関する。
a)所望の本発明のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)又は所望の本発明のポリペプチドと同一の一次アミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)を有するアミノ酸配列を準備する工程と、
b)上記アミノ酸配列中にジスルフィド架橋を形成する工程であって、所望の本発明のアミノ酸配列又は所望の本発明の化合物若しくは構築物をそれぞれ提供する、形成する工程と、
を少なくとも含む、方法にも関する。
特に、所望の化合物又は構築物が本発明のポリペプチドである場合、かかる方法は、
a)所望の本発明のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)をコードするか、又は所望の本発明のポリペプチドと同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)をコードするヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程であって、所望の本発明のアミノ酸配列〜138と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列、又は所望の本発明のポリペプチドと同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列をそれぞれ提供する、発現させる工程
を少なくとも含むことができ、且つ任意で
b)工程b)で得られたアミノ酸配列を単離する工程と、
c)工程a)で得られたアミノ酸配列中に、又は工程b)を実施する場合には、工程b)で得られたアミノ酸配列中にそれぞれ、ジスルフィド架橋を形成する工程であって、所望の本発明のアミノ酸配列又は所望の本発明の化合物若しくは構築物をそれぞれ提供する、形成する工程と、
をさらに含む。
a)所望の本発明のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)をコードするか、又は所望の本発明のポリペプチドと同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列(すなわち、ジスルフィド架橋形成可能な2つのシステイン残基を有するが、当該ジスルフィド架橋自体は有しない)をコードするヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程であって、所望の本発明のアミノ酸配列〜138と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列、又は所望の本発明のポリペプチドと同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列をそれぞれ提供する、発現させる工程
を少なくとも含むことができ、且つ任意で
b)工程b)で得られたアミノ酸配列を単離する工程と、
c)工程a)で得られたアミノ酸配列中に、又は工程b)を実施する場合には、工程b)で得られたアミノ酸配列中にそれぞれ、ジスルフィド架橋を形成する工程であって、所望の本発明のアミノ酸配列又は所望の本発明の化合物若しくは構築物をそれぞれ提供する、形成する工程と、
をさらに含む。
本発明は、上記方法のいずれかを介して得られるアミノ酸配列、化合物又は構築物にも関する。
本発明はさらに、本明細書中で記載するような、少なくとも1つのアミノ酸配列、少なくとも1つの化合物又は構築物、又は少なくとも1つのヌクレオチド配列;及び任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物に関する。
本発明は、本明細書中で記載する構築物及び化合物を製造する幾つかの他の方法であって、概して、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを、任意で1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結する工程を含む、方法も包含する。これは、自体公知の任意の好適な様式で、例えば、(仮に存在すれば)使用するリンカー(複数可)に応じて実施することができ、例えば、当該技術分野において自体公知の化学的に連結する技法(例えば、1つ又は複数の共有結合の形成による)を含み得る。1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列及び1つ又は複数の治療部は、本明細書中でさらに記載するようなものであり得る。ここでもまた、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列は、好ましくは本明細書中で記載するジスルフィド架橋を含む。
本発明はまた、上記方法のいずれかを介して得られる化合物又は構築物に関し;少なくとも1つのかかる化合物又は構築物と、任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物にも関する。
[発明の詳細な説明]
本明細書において、実施例及び特許請求の範囲では:
本明細書において、実施例及び特許請求の範囲では:
a)他で別段指示又は規定しない限り、使用する用語はすべて、当該技術分野における通常の意味を有し、このことは当業者に明らかである。例えば、標準的なハンドブック、例えば、Sambrook他著「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」(第2版)、第1巻〜第3巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989);F.Ausubel他編、「分子生物学における現行のプロトコル(Current Protocols in molecular biology)」、Green Publishing and Wiley Interscience, New York(1987);Lewin著「遺伝子II(Genes II)」、John Wiley & Sons, New York, N.Y.(1985);Old他著「遺伝子操作の原理:遺伝子工学序説(Principles of Gene Manipulation:An Introduction to Genetic Engineering)」、第2版、University of California Press、Berkeley、CA(1981);Roitt他著「免疫学(Immunology)」(第6版)、Mosby/Elsevier、Edinburgh(2001);Roitt他著「ロアット免疫学要説(Roitt's Essential Immunology)」、第10版、Blackwell Publishing、英国(2001);及びJaneway他著「免疫生物学(Immunobiology)」(第6版)、Garland Science Publishing/Churchill Livingstone、New York(2005)、並びに本明細書中に引用する一般的な背景技術を参照されたい。
b)他で別段指示しない限り、「免疫グロブリン配列」という用語は、重鎖抗体又は通常の4鎖抗体を指すのに本明細書中では使用されても、両方の完全長抗体、それらの個々の鎖、及びそれらのすべての部分、ドメイン又は断片(限定するものではないが、抗原結合ドメイン又は断片、例えば、VHHドメイン又はVH/VLドメインをそれぞれ含む)を含む包括的な用語として使用される。さらに、「配列」という用語は、(例えば、「免疫グロブリン配列」、「抗体配列」、「可変ドメイン配列」、「VHH配列」又は「タンパク質配列」等の用語で)本明細書中で使用する場合、概して、より限定的解釈を必要とする情況でない限り、関連アミノ酸配列と、これをコードする核酸配列又はヌクレオチド配列との両方を含むものと理解されるべきである。
c)他で別段指示しない限り、当業者には明らかなように、具体的には詳細に記載していないすべての方法、工程、技法及び操作を実施することができ、自体公知の様式で実施した。例えば、ここでもまた、標準的なハンドブック及び本明細書中で述べた一般的な背景技術及びその中で引用されるさらなる参考文献;並びに、例えば、以下の総説、Presta, Adv. Drug Deliv. Rev. 2006, 58 (5-6): 640-56;Levin and Weiss, Mol. Biosyst. 2006, 2(1): 49-57;Irving et al., J. Immunol. Methods, 2001, 248(1-2), 31-45;Schmitz et al., Placenta, 2000, 21 Suppl. A, S106-12;Gonzales et al., Tumour Biol., 2005, 26(1), 31-43を参照されたく、これらには、タンパク質工学の技法、例えば、親和性成熟、及びタンパク質、例えば免疫グロブリンの特異性及び他の所望の性質を向上させる他の技法が記載されている。
d)アミノ酸残基は、表A−2に示すように、標準的な3文字又は1文字のアミノ酸コードで示す。
e)2つ以上のヌクレオチド配列を比較する目的で、第1のヌクレオチド配列と、第2のヌクレオチド配列との「配列同一性」の割合は、[第2のヌクレオチド配列中の対応する位置のヌクレオチドと同一である第1のヌクレオチド配列中のヌクレオチドの数]を[第1のヌクレオチド配列中のヌクレオチドの合計数]で除算し、[100%]を乗算することによって算出することができ、ここで、第1のヌクレオチド配列と比較した、第2のヌクレオチド配列中のヌクレオチドの欠失、挿入、置換又は付加はそれぞれ、単一ヌクレオチド(位置)での差と考えられる。
代替的には、2つ以上のヌクレオチド配列間の配列同一性の程度は、配列アラインメント用の既知のコンピュータアルゴリズム、例えば、NCBIのBlast v2.0を用いて、標準的な設定を用いて算出することができる。
配列同一性の程度を求める幾つかの他の技法、コンピュータアルゴリズム及び設定は、例えば、国際公開第04/037999号パンフレット、欧州特許第0967284号明細書、欧州特許第1085089号明細書、国際公開第00/55318号パンフレット、国際公開第00/78972号パンフレット、国際公開第98/49185号パンフレット及び英国特許出願公開第2357768号明細書に記載されている。
通常、本明細書中の上記で概略を示した算出方法により2つのヌクレオチド配列間の「配列同一性」の割合を求める目的で、最大数のヌクレオチドを有するヌクレオチド配列を「第1の」ヌクレオチド配列とし、その他のヌクレオチド配列を「第2の」ヌクレオチド配列とする。
f)2つ以上のアミノ酸配列を比較する目的で、第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列との間の「配列同一性」(本明細書において「アミノ酸同一性」とも称する)の割合を、[第2のアミノ酸配列中の対応する位置のアミノ酸残基と同一である第1のアミノ酸配列中のアミノ酸残基の数]を[第1のアミノ酸配列中のアミノ酸残基の合計数]で除算し、[100%]を乗算することによって算出することができ、ここで、第1のアミノ酸配列と比較した、第2のアミノ酸配列中のアミノ酸残基の欠失、挿入、置換又は付加はそれぞれ、単一アミノ酸残基(位置)の差、すなわち、本明細書中で規定する「アミノ酸の差」とみなされる。
代替的には、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度は、既知のコンピュータアルゴリズム例えば、ヌクレオチド配列の配列同一性の程度を求める上述のものを用いて、ここでもまた標準的な設定を用いて算出される。
通常、本明細書中の上記で概略を示した算出方法により2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」の割合を求める目的で、最大数のアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を「第1の」アミノ酸配列、その他のアミノ酸配列を「第2の」アミノ酸配列とする。
また、2つのアミノ酸配列間の配列同一性を求める際、当業者は、アミノ酸残基が同様の化学的構造を有する別のアミノ酸残基に置き換えられ、且つポリペプチドの機能、活性又は他の生物学的特性にほとんど又は本質的に全く影響のないアミノ酸置換として概して説明することができる、いわゆる「保存的」アミノ酸置換を参酌し得る。かかる保存的アミノ酸置換は、例えば、国際公開第04/037999号パンフレット、英国特許出願公開第3357768号明細書、国際公開第98/49185号パンフレット、国際公開第00/46383号パンフレット及び国際公開第01/09300号パンフレットから当該技術分野において既知であり;かかる置換の(好ましい)型及び/又は組合せは、国際公開第04/037999号パンフレット及び国際公開第98/49185号パンフレット並びに本明細書中に引用するさらなる参考文献からの関係する教示に基づいて選択することができる。
かかる保存的置換は、好ましくは、以下の群(a)〜群(e)のうちの1つのアミノ酸が、同一群内の別のアミノ酸残基で置換される置換である:(a)小脂肪族、非極性又はわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr、Pro及びGly;(b)極性、負に荷電した残基及びその(非荷電)アミド:Asp、Asn、Glu及びGln;(c)極性、正に荷電した残基:His、Arg及びLys;(d)大脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Val及びCys;及び(e)芳香族残基:Phe、Tyr及びTrp。
特に好ましい保存的置換は以下の通りである:AlaからGlyへ若しくはSerへ;ArgからLysへ;AsnからGlnへ若しくはHisへ;AspからGluへ;CysからSerへ;GlnからAsnへ;GluからAspへ;GlyからAlaへ若しくはProへ;HisからAsnへ若しくはGlnへ;IleからLeuへ若しくはValへ;LeuからIleへ若しくはValへ;LysからArgへ、Glnへ若しくはGluへ;MetからLeuへ、Tyrへ若しくはIleへ;PheからMetへ、Leuへ若しくはTyrへ;SerからThrへ;ThrからSerへ;TrpからTyrへ;TyrからTrpへ;及び/又はPheからValへ、Ileへ若しくはLeuへ。
本明細書中で記載するポリペプチドに適用される任意のアミノ酸置換はまた、Schulz他(「タンパク質構造の原理(Principles of Protein Structure)」Springer-Verlag, 1978)によって開発された異なる種の相同タンパク質間のアミノ酸変異頻度の解析、Chou及びFasman(Biochemistry 13: 211, 1974及びAdv. Enzymol., 47: 45-149, 1978)によって開発された構造形成能の解析、及びEisenberg他(Proc. Natl. Acad Sci. USA 81: 140-144, 1984);Kyte & Doolittle(J Molec. Biol. 157: 105-132, 1981)及びGoldman他(Ann. Rev. Biophys. Chem. 15: 321-353, 1986)によって開発されたタンパク質中の疎水性パターンの解析に基づき得る(これらすべての全体が参照により本明細書中に援用される)。ナノボディの一次構造、二次構造及び三次構造に関する情報は、本明細書中の記載及び上記で引用した一般的な背景技術で示される。また、この目的で、ラマ由来のVHHドメインの結晶構造は、例えば、Desmyter et al., Nature Structural Biology, Vol. 3, 9, 803 (1996);Spinelli et al., Natural Structural Biology (1996); 3, 752-757;及びDecanniere et al., Structure, Vol. 7, 4, 361 (1999)によって示される。通常のVHドメイン形態において、VH/VL界面を形成するアミノ酸残基及びこれらの位置での可能なラクダ化(camelizing)置換の幾つかに関するさらなる情報は、上記で引用した従来技術中に見出すことができる。
g)アミノ酸配列及び核酸配列が、その全長に対して100%の(本明細書中で規定する)配列同一性を有する場合、「全く同一」であるという。
h)2つのアミノ酸配列を比較する場合、「アミノ酸の差」という用語は、第2の配列と比較した、第1の配列の位置の単一アミノ酸残基の挿入、欠失又は置換を指し;2つのアミノ酸配列は、1つ又は2つ以上のかかるアミノ酸の差を含有し得ると理解される。
i)ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列が、それぞれ別のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列を「含む」か、又は別のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列から「本質的に成る」という場合、これは、後者のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列が、最初に述べたヌクレオチド配列又はアミノ酸配列にそれぞれ組み込まれたことを意味し得るが、より通常には、これは、概して、最初に述べたヌクレオチド配列又はアミノ酸配列が、その配列内部に、最初に述べた配列が実際にどのように生成したか、又は得られたか(例えば、本明細書中で記載する任意の好適な方法による可能性がある)に関わらず、後者の配列として、それぞれ同一のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列を有する、一連のヌクレオチド又はアミノ酸残基をそれぞれ含むことを意味し得る。非限定的な例として、本発明のナノボディがCDR配列を含むという場合、これは当該CDR配列が本発明のナノボディに組み込まれたことを意味する可能性があるが、より通常には、これは、概して、本発明のナノボディが、その配列内部に、当該本発明のナノボディがどのように生成したか、又は得られたかに関わらず、当該CDR配列と同一のアミノ酸配列を有する一連のアミノ酸残基を含有することを意味し得る。後者のアミノ酸配列が、特定の生物学的機能又は構造的機能を有する場合、好ましくは、最初に述べたアミノ酸配列において、本質的に同一の、同様の又は等価な生物学的機能又は構造的機能を有する(すなわち、最初に述べたアミノ酸配列は、好ましくは、後者の配列が、本質的に同一の、同様の又は等価な生物学的機能又は構造的機能を実現可能であるようなものである)ことにも留意されたい。例えば、本発明のナノボディが、それぞれCDR配列又はフレームワーク配列を含むという場合、CDR配列及びフレームワークは、好ましくは、当該ナノボディにおいて、それぞれCDR配列又はフレームワーク配列として作用可能である。また、ヌクレオチド配列が、別のヌクレオチド配列を含むという場合、最初に述べたヌクレオチド配列は、好ましくは、発現産物(例えば、ポリペプチド)に発現する場合に、後者のヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列が当該発現産物の部分を形成する(すなわち、後者のヌクレオチド配列が、最初に述べた、より大きなヌクレオチド配列と同一の読み取り枠内にある)ようなものである。
j)核酸配列又はアミノ酸配列は、例えば、その天然の生物学的供給源及び/又はそれが得られた反応培地又は培養培地と比較して、通常、当該供給源又は当該培地において関連する少なくとも1つの他の構成成分、例えば、別の核酸、別のタンパク質/ポリペプチド、別の生体構成成分又は巨大分子又は少なくとも1つの夾雑物、不純物又は微量構成成分と分離した場合、「本質的に単離した(形態)(で)」あると考えられる。特に、核酸配列又はアミノ酸配列は、少なくとも2倍、特に、少なくとも10倍、より詳細には、少なくとも100倍、最大1000倍以上に精製した場合、「本質的に単離した」と考えられる。「本質的に単離した形態で」ある核酸配列又はアミノ酸配列は、好ましくは、本質的に均質であり、好適な技法、例えば、好適なクロマトグラフ技法、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて決定される。
k)「ドメイン」という用語は、本明細書中で使用する場合、概してアミノ酸配列の球状領域(例えば、抗体鎖、特に、重鎖抗体の球状領域)又はかかる球状領域から本質的に成るポリペプチドを指す。通常、かかるドメインは、例えば、シートとして又はジスルフィド結合によって安定化したペプチドループ(例えば、3つ又は4つのペプチドループ)を含む。「結合ドメイン」という用語は、(本明細書中で規定する)抗原決定因子に対して作製されるドメインを指す。
l)「抗原決定因子」という用語は、抗原結合分子(例えば、本発明のナノボディ又はポリペプチド)、より詳細には、当該分子の抗原結合部位によって認識される抗原上のエピトープを指す。「抗原決定因子」という用語及び「エピトープ」という用語はまた、本明細書中で区別なく使用され得る。
m)特定の抗原決定因子、エピトープ、抗原又はタンパク質(又はそれらの少なくとも1つの部分、断片又はエピトープ)と結合することができ、これらに対して親和性を有し、及び/又は特異的であるアミノ酸配列(例えば、本発明のナノボディ、抗体、ポリペプチド、又は概して、抗原結合タンパク質若しくはポリペプチド若しくはそれらの断片)は、当該抗原決定因子、当該エピトープ、当該抗原又は当該タンパク質に「対する」又は「対して作製された」といわれる。
n)「特異性」という用語は、特定の抗原結合分子又は抗原結合タンパク質(例えば、本発明のナノボディ又はポリペプチド)分子が結合することができる異なる型の抗原又は抗原決定因子の数を指す。抗原結合タンパク質の特異性は、親和性及び/又は結合活性に基づいて求めることができる。抗原と抗原結合タンパク質との解離の平衡定数(KD)で表される親和性は、抗原結合タンパク質上の抗原決定因子と抗原結合部位との間の結合強度に関する尺度であり、KDの値が小さいほど、抗原決定因子と抗原結合分子との間の結合強度が強くなる(代替的には、親和性は、1/KDである親和定数(KA)として表すこともできる)。(例えば、本明細書中のさらなる開示に基づいて)当業者には明らかなように、親和性は、目的とする特定の抗原に応じて自体公知の様式で求めることができる。結合活性は、抗原結合分子(例えば、本発明のナノボディ又はポリペプチド)との関係する抗原との結合の強度の尺度である。結合活性は、抗原決定因子と抗原結合分子上のその抗原結合部位との親和性、及び抗原結合分子上に存在する関係する結合部位の数の両方に関連する。典型的には、抗原結合タンパク質(例えば、本発明のアミノ酸配列、ナノボディ及び/又はポリペプチド)は、それらの抗原と、解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/lで(すなわち、会合定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/molで)結合する。104mol/lより高い任意のKD値(又は104M−1l/molより低い任意のKA値)は、概して非特異的結合を示すと考えられる。好ましくは、本発明の一価の免疫グロブリン配列は、所望の血清タンパク質と、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満の親和性で結合する。抗原結合タンパク質と抗原又は抗原決定因子との特異的結合は、例えば、スキャッチャード解析及び/又は競合的結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA)及びサンドイッチ競合アッセイ並びに当該技術分野において自体公知のそれらの異なる変形;並びに本明細書中で述べた他の技法を含む、自体公知の任意の好適な様式で求めることができる。
当業者には明らかなように、解離定数は実際の又は見かけの解離定数であり得る。解離定数を求める方法は当業者に明らかであり、例えば、本明細書中で述べた技法が含まれる。この点で、10−4mol/l又は10−3mol/lより大きい(例えば、10−2mol/lの)解離定数を測定することが不可能である場合があることも明らかである。任意で、これも当業者には明らかなように、(実際の又は見かけの)解離定数は、[KD=1/KA]という関係を用いて、(実際の又は見かけの)会合定数(KA)に基づいて算出することができる。
親和性とは、分子の相互作用の強度又は安定性を指す。親和性は一般的に、KD、すなわち解離定数で示され、単位はmol/l(又はM)である。親和性は、1/KDに等しく、単位は(mol/l)−1(又はM−1)である、会合定数、KAとして表すこともできる。本明細書において、2つの分子(例えば、本発明のアミノ酸配列、ナノボディ又はポリペプチド及びその所期の標的)の間の相互作用の安定性は、主にそれらの相互作用のKD値で表すが、KA=1/KDという関係式を考慮して、分子の相互作用の強度をそのKD値によって特定することは、対応するKA値の算出にも使用することができることは当業者には明らかである。KD値は、既知の関係式DG=RT・ln(KD)(等価にはDG=−RT・ln(KA))(式中、R=気体定数、T=絶対温度であり、lnは自然対数を示す)によって結合の自由エネルギー(DG)と関連するため、熱力学的意味においても分子の相互作用の強度を特徴付ける。
有意義(例えば、特異的)であると考えられる生体相互作用に対するKDは、典型的には、10−10M(0.1nM)〜10−5M(10000nM)の範囲である。相互作用が強くなるほど、そのKDは低くなる。
KDは、複合体の解離速度定数(koffとして示される)と、その会合速度定数(konで示される)との比としても表すことができる(ゆえにKD=koff/kon及びKA=kon/koffとなる)。解離速度定数(off-rate)koffの単位は、s−1(ここで、sは秒のSI単位表記である)である。会合速度定数(on-rate)konの単位は、M−1s−1である。会合速度定数は、102M−1s−1〜約107M−1s−1の範囲で変動する可能性があり、二分子相互作用の拡散律速会合速度定数に近づく。解離速度定数は、t1/2=ln(2)/koffという関係式によって所定の分子の相互作用の半減期と関連付けられる。解離速度定数は、10−6s−1(t1/2が複数日のほぼ不可逆な複合体)〜1s−1(t1/2=0.69秒)の間で変動し得る。
2つの分子間の分子の相互作用の親和性は、自体公知の異なる技法、例えば、1つの分子をバイオセンサチップ上に固定し、他の分子を、kon、koff測定値、それゆえKD(又はKA)値を生じるフロー条件下、固定した分子上に流す、既知の表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサ技法(例えば、Ober et al., Intern. Immunology, 13, 1551-1559, 2001参照)によって測定することができる。これは、例えば既知のBIACOREの機器を用いて実施することができる。
また、測定工程が、例えば、或る分子のバイオセンサへのコーティングに関連する人工産物による包含分子の固有の結合親和性に幾らか影響を及ぼす場合、測定したKDが見かけのKDに対応する可能性があることは当業者に明らかである。また、見かけのKDは、1つの分子が、他の分子に対する認識部位を2つ以上含有する場合に測定され得る。かかる状況では、測定した親和性は、2つの分子の相互作用による結合活性によって影響を受ける可能性がある。
親和性の評価に使用し得る別のアプローチは、Friguet他の2段階ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)手順(J. Immunol. Methods, 77, 305-19, 1985)である。この方法は、溶液相結合平衡測定を確立し、プラスチック等の支持体への分子の1つの吸着に関連する考えられる人為的産物を回避する。
しかしながら、KDの正確な測定は、かなり重労働となる場合があり、結果として、2つの分子の結合強度の評価には見かけのKD値を求めることが多い。なお、(例えば、アッセイ条件を変えないまま)すべての測定が一貫して行われる限り、見かけのKD測定は真のKDの近似として使用することができるため、本明細書において、KD及び見かけのKDは、同等の重要性又は関連性で取り扱うものとする。
最後に、多くの状況において、熟練した科学者は、幾つかの参照分子に相対する結合親和性を求めることが便利であると判断し得ることに留意されたい。例えば、分子Aと分子Bとの間の結合強度を評価するために、例えば、Bと結合することが既知であり、且つELISA又はFACS(蛍光活性化細胞選別)又は他の型での検出を容易にするために、フルオロフォア若しくは発色基又は他の化学的部分、例えば、ビオチンで好適に標識される(蛍光検出にはフルオロフォア、光吸収検出には発色団、ストレプトアビジン介在性ELISA検出にはビオチン)参照分子Cを使用してもよい。典型的には、参照分子Cは固定の濃度に保たれ、Aの濃度は、所定の濃度又はBの量に対して変動する。結果として、Aの非存在下でCに関して測定したシグナルが半減するAの濃度に対応するIC50値が得られる。KD ref(参照分子のKD)及び参照分子の総濃度crefが既知である場合、相互作用A−Bに対する見かけのKDは、以下の式:KD=IC50/(1+cref/KD ref)から得ることができる。但し、cref≪KD ref、KD≒IC50という条件である。比較する結合剤に関して(例えば、crefを固定したままで)IC50の測定を一貫して実施する場合、分子の相互作用の強度又は安定性は、IC50によって評価することができ、この測定は、本文全体を通してKD又は見かけのKDと等価であると判断される。
o)本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドの半減期は、概して、アミノ酸配列、化合物又はポリペプチドの血清濃度が、in vivoで、例えば、天然の機構による配列若しくは化合物の分解、及び/又は配列若しくは化合物のクリアランス又は隔離により50%低減するのにかかる時間と規定することができる。本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドのin vivoでの半減期は、自体公知の任意の様式、例えば、薬物動態解析によって求めることができる。好適な技法は当業者には明らかであり、例えば、概して、温血動物(すなわち、ヒト又は別の好適な哺乳動物、例えば、マウス、ウサギ、ラット、ブタ、イヌ、又は霊長類、例えば、マカカ(Macaca:マカク)属のサル(特に、カニクイザル(マカク・ファシクラリス(Macaca fascicularis))及び/又はアカゲザル(マカカ・ムラタ(Macaca mulatta))等)及びヒヒ(パピオ・ウルジヌス(Papio ursinus))に対し、好適な用量の本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドを好適に投与する工程と;当該動物由来の血液サンプル又は他のサンプルを回収する工程と;当該血液サンプル中の本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドのレベル又は濃度を求める工程と;このようにして得られたデータ(のプロット)から、本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドのレベル又は濃度が投薬時の初期レベルと比較して50%低減するまでの時間を算出する工程を包含し得る。例えば、下記実験部並びにDennis et al., J. Biol. Chem 277: 35035-42 (2002)、標準的なハンドブック、例えば、Kenneth, A他著「医薬品の化学的安定性:薬剤師向けハンドブック(Chemical Stability of Pharmaceuticals: A Handbook for Pharmacists)」及びPeters他著「薬物動態解析:実践的アプローチ(Pharmacokinete analysis: A Practical Approach)」(1996)を参照されたい。M Gibaldi & D Perron著「薬物動態学(Pharmacokinetics)」Marcel Dekker刊、第2改訂版(1982)も参照されたい。
(例えば、国際公開第04/003019号パンフレットの第6頁及び第7頁を参照、及びその中で引用されるさらなる参考文献で)当業者にも明らかであるように、半減期は、パラメータ、例えば、t1/2−α、t1/2−β及び曲線下面積(AUC)を用いて表すことができる。本明細書において、「半減期の増大」は、これらのパラメータのいずれか1つ、例えば、これらのパラメータのいずれか2つ、又はこれらのパラメータの本質的にすべての3つの増大を指す。「半減期の増大」又は「増大した半減期」は、本明細書中で使用する場合、特に、t1/2−α及び/又はAUC又は両方の増大を伴うか、又は伴わない、t1/2−βの増大を指す。
p)任意の図、配列表及び実験部/実施例は、さらに本発明を説明するために示したに過ぎず、本明細書において別段明示しない限り、決して本発明及び/又は添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものとして理解(interpreted)又は解釈(construed)されないものとする。
重鎖抗体及びその可変ドメインの概要に関しては、とりわけ本明細書中に引用する従来技術、Reviews in Molecular Biotechnology 74 (2001), 277-302におけるMuyldermansによる総説;並びに一般的な背景技術として述べる以下の特許出願を参照されたい:ブリュッセル自由大学(Vrije Universiteit Brussel)の国際公開第94/04678号パンフレット、国際公開第95/04079号パンフレット及び国際公開第96/34103号パンフレット;ユニリーバ(Unilever)の国際公開第94/25591号パンフレット、国際公開第99/37681号パンフレット、国際公開第00/40968号パンフレット、国際公開第00/43507号パンフレット、国際公開第00/65057号パンフレット、国際公開第01/40310号パンフレット、国際公開第01/44301号パンフレット、欧州特許第1134231号明細書及び国際公開第02/48193号パンフレット;フランダースバイオテクノロジー研究機関(Vlaams Instituut voor Biotechnologie)(VIB)の国際公開第97/49805号パンフレット、国際公開第01/21817号パンフレット、国際公開第03/035694号パンフレット、国際公開第03/054016号パンフレット及び国際公開第03/055527号パンフレット;Algonomics N.V.及びAblynx N.V.の特許文献5;カナダ国家研究委員会(National Research Council of Canada)の国際公開第01/90190号パンフレット;抗体研究所(Institute of Antibodies)による国際公開第03/025020号パンフレット(=欧州特許第1433793号明細書);並びにAblynx N.V.による国際公開第04/041867号パンフレット、国際公開第04/041862号パンフレット、特許文献4、国際公開第04/041863号パンフレット、国際公開第04/062551号パンフレット、国際公開第05/044858号パンフレット、国際公開第06/40153号パンフレット、国際公開第06/079372号パンフレット、国際公開第06/122786号パンフレット、国際公開第06/122787号パンフレット及び国際公開第06/122825号パンフレット、及びAblynx N.V.によるさらなる公開特許出願。これらの出願で述べるさらなる従来技術、特に、国際出願である国際公開第06/040153号パンフレットの参考文献一覧(この一覧及び参考文献一覧は参照により本明細書中に援用される)の第41頁〜第43頁も参照されたい。
当該技術分野において使用される専門用語によれば(上記参考文献参照)、天然重鎖抗体中に存在する可変ドメインは、通常の4鎖抗体(本明細書中下記で「VHドメイン」と称する)中に存在する重鎖可変ドメイン及び通常の4鎖抗体中に存在する軽鎖可変ドメイン(本明細書中下記で「VLドメイン」と称する)と区別するために、「VHHドメイン」とも称される。上記で言及した従来技術で述べるように、VHHドメインは、多くの特有の構造特性及び機能特性を有しており、単離VHHドメイン(並びにそれに基づくナノボディ、これらの構造特性及び機能特性を天然VHHドメインと共有する)及び機能的な抗原結合ドメイン又はタンパク質としての使用に非常に有利なこれを含有するタンパク質が作られる。
本発明のアミノ酸配列は、好ましくは哺乳動物起源であるか、又は(本明細書中で規定するように)哺乳動物起源のアミノ酸配列に由来する。例えば、アミノ酸配列は、重鎖抗体を生産する或る種の哺乳動物に由来する可能性があり、例えば、かかる重鎖抗体部位(locus)を保有するラクダ科動物又はトランスジェニック動物(例えば、国際公開第02/085945号パンフレット、国際公開第04/049794号パンフレット、国際公開第06/008548号パンフレット及びJanssens et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2006 Oct 10; 103(41): 15130-5参照)を使用することができる。代替的には、本発明のアミノ酸配列は、或る特定種のサメに存在する場合のある単一可変ドメインに由来してもよい(例えば、いわゆる「IgNARドメイン」、例えば、国際公開第05/18629号パンフレット参照)。
本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、CDR(「相補性決定領域」)配列(本明細書において「CDR配列」とも称される)を含むか、又はこれから本質的に成り;かかるCDR配列は、好ましくは、血清タンパク質と結合することができ、且つ血清タンパク質、特に、血清アルブミンに対して、より詳細には、ヒト血清アルブミンに対して(又はその部分、ドメイン又は断片に対して)惹起及び/又は作製された免疫グロブリン可変ドメイン配列に由来し得る。好ましいが非限定的な態様によれば、CDR配列は、免疫グロブリン可変ドメイン由来のCDR2配列又はCDR3配列に由来し得る。かかる免疫グロブリン可変ドメインは、例えば、ヒト可変ドメイン、(単一ドメイン抗体)、「dAb」、ナノボディ(登録商標)又はそれらの機能的な断片であり得る。
本発明は、かかるペプチドを同定及び生成する方法、並びに少なくとも1つのかかるペプチドを含む化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質及び構築物を製造する方法も提供する。
好ましいが非限定的な態様によれば、本発明のアミノ酸配列は、免疫グロブリン重鎖可変ドメインに由来する。かかる重鎖可変ドメインの好ましい例は、ラクダ科動物由来のVHHドメインである。
具体的であるが非限定的な別の態様によれば、本発明のアミノ酸配列は、長さが3アミノ酸〜40アミノ酸の範囲、好ましくは5アミノ酸〜30アミノ酸の範囲、より好ましくは6アミノ酸〜25アミノ酸の範囲であるCDR配列を含むか、又はこれから本質的に成り;本発明のアミノ酸配列の長さは、(限定するものではないが)例えば、8アミノ酸、10アミノ酸、12アミノ酸、14アミノ酸、16アミノ酸、18アミノ酸、20アミノ酸、22アミノ酸又は24アミノ酸であり得る。
本発明のアミノ酸配列(及び本明細書中で規定するこれを含む化合物)は、好ましくは、アミノ酸配列(又は化合物)が人間において、ヒト血清アルブミンと結合するか、又はそうでなければ会合する場合、その血清半減期がヒトにおけるヒト血清アルブミンの天然の半減期の少なくとも約50%(例えば、約50%〜70%)、好ましくは少なくとも60%(例えば、約60%〜80%)、又は好ましくは少なくとも70%(例えば、約70%〜90%)、より好ましくは少なくとも80%(例えば、約80%〜90%)、又は好ましくは少なくとも約90%となるように、ヒト血清アルブミンと結合するか、又はそうでなければ会合するようなものである。
非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、好ましくは少なくとも1つの他の種の哺乳動物、例えば、マウス、ウサギ、ラット、又は霊長類由来の血清アルブミンとの交差反応性がある。特に、本発明のアミノ酸配列は、マカク属のサル(例えば、特に、カニクイザル(マカカ・ファシクラリス)及び/又はアカゲザル(マカカ・ムラタ)及びヒヒ(パピオ・ウルジヌス)から成る群からから選ばれる霊長類由来の血清アルブミンと交差反応性がある可能性がある。また、本発明のアミノ酸配列が、かかる霊長類の種由来の血清アルブミンとの交差反応性がある場合、好ましくは、当該霊長類の血清アルブミン分子と結合又は会合する場合、その血清半減期は、当該霊長類の当該血清アルブミンの天然の半減期の少なくとも約50%(例えば、約50%〜70%)、好ましくは少なくとも約60%(例えば、約60%〜80%)、又は好ましくは少なくとも約70%(例えば、約70%〜90%)、より好ましくは少なくとも約80%(例えば、約80%〜90%)、又は好ましくは少なくとも約90%であるようなものである。
概して、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、本発明の化合物又はポリペプチドの半減期は、治療部自体の半減期の、好ましくは少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも5倍、例えば少なくとも10倍又は20倍超である。例えば、本発明の化合物又はポリペプチドの半減期は、治療部自体と比較して、1時間、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、又はさらには24時間超、48時間超若しくは72時間超、増大する場合がある。
本発明の好ましいが非限定的な一態様において、かかる本発明の化合物又はポリペプチドは、血清半減期が、治療部自体と比較して、1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、又はさらには24時間超、48時間超若しくは72時間超、増大する。
好ましいが非限定的な別の態様において、本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、アミノ酸配列が、ヒト血清アルブミンと結合するか、又はそうでなければ会合する場合に、アミノ酸配列が示すヒトでの血清半減期が、少なくとも約9日(例えば約9日〜14日)、好ましくは少なくとも約10日(例えば約10日〜15日)又は少なくとも約11日(例えば約11日〜16日)、より好ましくは少なくとも約12日(例えば約12日〜18日以上)又は14日超(例えば約14日〜19日)となるように、ヒト血清アルブミンと結合するか、又はそうでなければ会合するようなものである。
本発明のアミノ酸配列はまた、好ましくは、本明細書中で規定する解離定数(KD)及び/又は結合親和性(KA)でヒト血清アルブミンと結合する。
本発明は、化合物、すなわち、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部、例えば、ヒトでの半減期が、本発明のアミノ酸配列のヒトでの半減期の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、例えば、95%以上であるか、これと本質的に同一である小分子、ポリヌクレオチド、ポリペプチド又はペプチドから成る群から選ばれる少なくとも1つの部分とを含む、化合物、タンパク質、ポリペプチド又は他の構築物にも関する。
本明細書において、「配列」という用語は特に、文脈が要求するものに応じて、アミノ酸配列及び/又はヌクレオチド/核酸配列を指す。配列が核酸配列の形態である場合、対応するアミノ酸配列は、当該核酸配列がコードするアミノ酸配列を好適に発現させることによって製造することができる。
本明細書において、「〜を含むか、又はこれ(ら)から本質的に成る」とは、特に、本発明のアミノ酸配列が、CDR配列の片端又は両端に、長さが、例えば、限定するものではないが、1アミノ酸残基〜10アミノ酸残基、例えば、1アミノ酸残基、2アミノ酸残基、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基、7アミノ酸残基、8アミノ酸残基、9アミノ酸残基又は10アミノ酸残基である(CDR配列に由来しない)1つ又は複数のさらなるアミノ酸配列を含有することができることを意味する。これらのさらなるアミノ酸配列は、フレームワーク配列、例えば、完全長の免疫グロブリン配列中のCDR配列に隣接するフレームワーク配列に由来する可能性があり;例えば、本発明のアミノ酸配列が、CDR3配列に由来するCDR配列を含むか、又はこれから本質的に成る場合、さらなるアミノ酸配列は、フレームワーク3領域及び/又はフレームワーク4領域に由来する可能性がある。非限定的な好ましい一実施の形態によれば、さらなるアミノ酸配列は、(血清タンパク質結合配列の片側に)少なくとも2つのシステイン残基を含む可能性があり、これは、ジスルフィド架橋を介して連結していてもよく、又は連結していなくてもよい。例えば、さらなるアミノ酸配列がフレームワーク配列に由来する場合、システイン残基は合成で導入してもよく;代替的には、かかる(天然)システイン残基を含有する他のさらなるアミノ酸残基を選んでもよい。
本明細書において、配列(アミノ酸又は核酸)が特に、別の配列(アミノ酸又は核酸)「に由来する」という場合、所望の配列(アミノ酸又は核酸)は、関連配列を生成及び/又は単離し、且つ引き続いてその関連部分(複数可)を単離するか、又は当該別の配列の関連部分(複数可)を直接生成及び/又は単離することによって(共に自体公知の様式で)得ることができる。
代替的には、上記他の配列の配列(アミノ酸又は核酸)を決定することができ、その後所望の配列を自体公知の様式で、決定した配列を出発点として使用して製造することができる。例えば、所望のアミノ酸配列を、ペプチド合成又は当該アミノ酸配列をコードする核酸を好適に発現させることによって製造することができる。所望のヌクレオチド配列は、自体公知の核酸合成技法によって製造してもよい。
所望の配列(アミノ酸又は核酸)の部分、断片、変異体、類似体等は、自体公知の技法、例えば、制限酵素による消化、好適に連結する1つ又は複数の配列、部位特異的突然変異誘発、所望の突然変異(複数可)を導入する1つ又は複数のプライマーを用いたPCR、de novo合成(アミノ酸又は核酸)、及び/又は任意の好適なかかる技法の組合せによって;又は自体公知の任意の他の好適な様式で製造してもよい。
本明細書において、配列(アミノ酸又は核酸)が哺乳動物(の種)「に由来する」という場合、当該配列は、(本明細書中で規定するように)当該哺乳動物中に元々存在する配列(アミノ酸又は核酸)「に由来する」。
したがって、例えば、本明細書において、「免疫グロブリン可変ドメイン配列に由来するCDR配列」である配列(アミノ酸又は核酸)を参照する場合)、当該配列(アミノ酸又は核酸)は特に、免疫グロブリン可変ドメインCDR配列又はその好適な部分、断片、類似体、変異体の上記他の配列(アミノ酸又は核酸)を単離することによって得ることができる。
代替的には、その配列(アミノ酸又は核酸)は、免疫グロブリン可変ドメインCDR配列又はその好適な部分、断片、類似体、変異体の配列(アミノ酸又は核酸)を決定し、引き続いて、例えば、天然CDR配列の部分、断片、類似体、変異体等であり得るこの配列を本発明の合成又は半合成のアミノ酸配列を設計する出発点として使用することによって得ることができる。CDR配列は、アミノ酸配列である場合、当業者に既知の任意の好適なペプチド合成技法によって得ることができ;代替的に、CDR配列は、核酸配列である場合、当業者に既知の任意の好適な核酸合成技法によって製造し、引き続いて発現させることができる。
本明細書において「血清タンパク質に対して惹起された免疫グロブリン配列」又は「血清タンパク質に対して作製された免疫グロブリン配列」という場合、これらの免疫グロブリン配列は、(好ましくは非相同の)血清タンパク質をヒト又は動物の血液循環に好適に導入して(すなわち、例えば、血清タンパク質による好適な感作によって、血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにして)免疫系を活性化させることを通じて、ヒト又は動物の身体が天然に生産したものである。
本明細書において「結合」という場合、かかる結合は、好ましくは、当業者によって通常理解される特異的結合である。特に、本明細書中で記載するアミノ酸配列が「血清タンパク質と結合する」場合、好ましくは、当該血清タンパク質と、
解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/l(すなわち、会合定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/mol);
会合速度定数kon:102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1;
及び/又は
結合解離定数koff:1s−1(t1/2=0.69秒)〜10−6s−1(t1/2が複数日のほぼ不可逆な複合体を与える)、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−4s−1、例えば10−4s−1〜10−6s−1
で結合するようなものである。
解離定数(KD):10−5mol/l〜10−12mol/l以下、好ましくは10−7mol/l〜10−12mol/l以下、より好ましくは10−8mol/l〜10−12mol/l(すなわち、会合定数(KA):105l/mol〜1012l/mol以上、好ましくは107l/mol〜1012l/mol以上、より好ましくは108l/mol〜1012l/mol);
会合速度定数kon:102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1;
及び/又は
結合解離定数koff:1s−1(t1/2=0.69秒)〜10−6s−1(t1/2が複数日のほぼ不可逆な複合体を与える)、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−4s−1、例えば10−4s−1〜10−6s−1
で結合するようなものである。
好ましくは、本発明の一価のアミノ酸配列(又は本発明のアミノ酸配列を1つだけ含有するポリペプチド)は、好ましくは、血清タンパク質と、親和性が500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満で結合するようなものである。
別の態様において、本発明は、それらの半減期を増大させるために治療的化合物と連結又は融合する小ペプチド又はペプチド部として使用することができるアミノ酸配列、並びに本発明のアミノ酸配列、構築物又は融合タンパク質が血清タンパク質分子と結合する場合、血清タンパク質分子の半減期が(アミノ酸配列、構築物又は融合タンパク質がそれと結合しない場合の血清タンパク質分子の半減期と比較して)(有意に)低減しないように血清タンパク質と結合することができるかかるペプチド又はペプチド部を含む構築物及び融合タンパク質を提供する。本発明のこの態様において、「有意に低減しない」とは、(自体公知の好適な技法を用いて測定される)血清タンパク質分子の半減期が50%超低減しない、好ましくは30%超低減しない、さらにより好ましくは10%超低減しない、例えば5%超低減しない、又は本質的に全く低減しないことを意味する。
本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、血清タンパク質、特に、血清アルブミンに対して、より詳細には、ヒト血清アルブミンに対して(又はその部分、ドメイン若しくは断片に対して)惹起及び/又は作製された免疫グロブリン可変ドメインに由来するCDR配列を含むか、又はこれから本質的に成る。
上記アミノ酸配列は、例えば、免疫グロブリン可変ドメインに由来するCDR1、CDR2又はCDR3等のCDR配列を含むか、又はこれから本質的に成る可能性がある。
好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、CDR3配列を含むか、又はこれから本質的に成る。具体的であるが非限定的な別の態様によれば、本発明のアミノ酸配列は本質的に、上記で言及し、参照により本明細書中に援用される、特許文献5に記載されているものであり得る。
アミノ酸配列の由来となり得る免疫グロブリン可変ドメインは、例えば(限定するものではないが)免疫グロブリン重鎖可変ドメイン若しくは軽鎖可変ドメイン、(単一)ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディであり得る。
特に好ましい実施の形態によれば、本発明のアミノ酸配列は、血清タンパク質に対して、特に、血清アルブミンに対して、より詳細には、ヒト血清アルブミンに対して(又はその部分、ドメイン若しくは断片に対して)惹起及び/又は作製されたナノボディ(登録商標)のCDR配列を含むか、又はこれから本質的に成り;より好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、血清タンパク質に対して、特に、血清アルブミンに対して、より詳細には、ヒト血清アルブミンに対して(又はその部分、ドメイン若しくは断片に対して)惹起及び/又は作製されたナノボディ(登録商標)のCDR3配列を含むか、又はこれから本質的に成る。また、本発明のこの具体的な態様によれば、本発明のアミノ酸配列は本質的に、特許文献5に記載されているようなものであり得る。ナノボディ(登録商標)並びに本明細書中で使用するさらなる用語の幾つかに関するさらなる記載及び定義に関しては、本明細書中で述べるAblynx N.V.による出願、及びその中で引用されるさらなる従来技術も参照されたい。
他の態様において、本発明は、本発明のアミノ酸配列(又はこれを含む化合物)を生成又は生産する方法にも関する。
例えば、本発明のアミノ酸配列は、CDRアミノ酸配列(又はその好適な部分、類似体、断片、変異体)であり、上記方法は、
a)CDR配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)CDR配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する配列に関してスクリーニングする工程と、
c)血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するCDR配列(複数可)を単離する工程と、
を含み得る。
a)CDR配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)CDR配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する配列に関してスクリーニングする工程と、
c)血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するCDR配列(複数可)を単離する工程と、
を含み得る。
この方法は、当業者に既知であり、及び/又はさらに本明細書中で記載する技法を用いて、自体公知の任意の様式で実施され得る。例えば、CDR配列のライブラリを準備する方法、かかるライブラリを所望の標的に対する親和性を有する配列に関してスクリーニングする方法、及び所望の抗原と結合するCDR配列を単離する方法は、特許文献5(Ablynx N.V.及びAlgonomics N.V.)に記載されている。
上記方法において、CDR配列のセット、コレクション又はライブラリは、例えば、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物(例えば、酵母)にディスプレーして、例えば、スクリーニングを容易にしてもよい。CDR配列(のセット、コレクション又はライブラリ)をディスプレー及びスクリーニングする好適な方法、技法及び宿主生物は、例えば、さらなる開示及び本明細書中に引用する従来技術に基づいて当業者には明らかである。
c)で得られた配列に基づいて、上記配列の部分、類似体、断片、変異体は、自体公知の様式で、例えば、(ミスマッチプライマーを用いた)部位特異的突然変異誘発、de novo核酸合成又はde novoペプチド合成によって製造することができる。
代替的には、血清タンパク質と結合するCDRアミノ酸配列又はそれらの好適な部分、類似体、断片、変異体は、
a)免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する配列に関してスクリーニングする工程と、
c)任意で血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列(複数可)を単離する工程と、
d)当業者に既知である技法を用いてc)で得られた免疫グロブリン配列に由来するCDR配列を製造する工程と、
を少なくとも含む、本発明が提供する方法によって生成することができる。
a)免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する配列に関してスクリーニングする工程と、
c)任意で血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列(複数可)を単離する工程と、
d)当業者に既知である技法を用いてc)で得られた免疫グロブリン配列に由来するCDR配列を製造する工程と、
を少なくとも含む、本発明が提供する方法によって生成することができる。
この方法はさらに、当業者において既知であり、及び/又は本明細書中でさらに記載する技法を用いて、自体公知の任意の様式で実施され得る。工程d)は、例えば、好適な部位特異的プライマー、例えば(限定するものではないが)FW3(「フレームワーク3」)特異的なプライマー及びFW4(「フレームワーク4」)特異的プライマーから成るプライマーの組合せを使用し、引き続いて、得られた(増幅した)核酸配列を発現させることによって実施され得る。
c)又はd)で得られた配列に基づいて、部分、類似体、断片、変異体は、自体公知の様式で、例えば(ミスマッチプライマーを用いた)部位特異的突然変異誘発、de novo核酸合成、又はde novoペプチド合成によって製造することができる。
この方法において、免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、未処置の免疫グロブリン配列のセット、コレクション若しくはライブラリ;合成若しくは半合成の免疫グロブリン配列のセット、コレクション若しくはライブラリ;及び/又は親和性成熟させた免疫グロブリン配列のセット、コレクション若しくはライブラリであり得る。
また、かかる方法において、免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインのセット、コレクション又はライブラリであり得る。例えば、免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、ドメイン抗体若しくは単一ドメイン抗体のセット、コレクション若しくはライブラリであってもよく、又はドメイン抗体若しくは単一ドメイン抗体として作用可能な免疫グロブリン配列のセット、コレクション若しくはライブラリである。
この方法の好ましい態様において、免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、所望の細胞外部分、領域、ドメイン、ループ又は他の細胞外エピトープ(複数可)に対する免疫応答を惹起するように、例えば、所望の細胞外部分、領域、ドメイン、ループ又は他の細胞外エピトープ(複数可)を含む抗原で好適に免疫感作した哺乳動物に由来する免疫性の免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリであり得る。具体的であるが非限定的な一態様において、免疫性の免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、ラクダ科動物に由来し得る。
免疫性の免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、例えば、重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインのセット、コレクション又はライブラリであり得る。具体的な一態様において、免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、VHH配列のセット、コレクション又はライブラリである。
上記方法において、免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物(例えば、酵母)にディスプレーして、例えば、スクリーニングを容易にしてもよい。免疫グロブリン配列(のセット、コレクション又はライブラリ)をディスプレー及びスクリーニングするのに好適な方法、技法及び宿主生物は、例えば、本明細書中のさらなる開示に基づいて当業者には明らかである。Nature Biotechnology, 23, 9, 1105-1116 (2005)のHoogenboomによる総説及びその中で引用されるさらなる従来技術も参照されたい。
別の態様において、血清タンパク質と結合するCDRアミノ酸配列又はその好適な部分、類似体、断片、変異体を生成する方法は、
a)免疫グロブリン配列を発現する細胞のコレクション又はサンプルを準備する工程と、
b)上記細胞のコレクション又はサンプルを、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列を発現する細胞に関してスクリーニングする工程と、
c)(i)上記細胞から所望のCDR配列を単離する工程(任意で最初に当該細胞から上記免疫グロブリン配列を単離した後);又は(ii)上記細胞から上記免疫グロブリン配列由来の所望のCDR配列をコードする核酸配列を単離する工程であって;その後、当該免疫グロブリン配列由来の所望のCDR配列を発現させる、単離する工程と、
を少なくとも含む。
a)免疫グロブリン配列を発現する細胞のコレクション又はサンプルを準備する工程と、
b)上記細胞のコレクション又はサンプルを、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列を発現する細胞に関してスクリーニングする工程と、
c)(i)上記細胞から所望のCDR配列を単離する工程(任意で最初に当該細胞から上記免疫グロブリン配列を単離した後);又は(ii)上記細胞から上記免疫グロブリン配列由来の所望のCDR配列をコードする核酸配列を単離する工程であって;その後、当該免疫グロブリン配列由来の所望のCDR配列を発現させる、単離する工程と、
を少なくとも含む。
この態様による方法において、細胞のコレクション又はサンプルは、例えば、B細胞のコレクション又はサンプルであり得る。また、この方法において、細胞のサンプルは、所望の細胞外部分、領域、ドメイン、ループ又は他の細胞外エピトープ(複数可)に対する免疫応答を惹起するように、所望の細胞外部分、領域、ドメイン、ループ又は他の細胞外エピトープ(複数可)を含む抗原で好適に免疫感作した哺乳動物に由来し得る。例えば、細胞のコレクション又はサンプルは、好適に免疫感作したラクダ科動物に由来し得る。
上記方法は、当業者には明らかなように、任意の好適な様式で実施され得る。例えば、欧州特許第0542810号明細書、国際公開第05/19824号パンフレット、国際公開第04/051268号パンフレット及び国際公開第04/106377号パンフレットを参照されたい。工程b)のスクリーニングは、好ましくは、FACS等のフローサイトメトリー技術を用いて実施される。これに関しては、例えば、Lieby et al., Blood, Vol. 97, No. 12, 3820を参照されたい。
上述したように、好ましいが非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、好ましくは重鎖抗体に由来し、より好ましくは重鎖抗体(又はその部分、断片、類似体若しくは変異体)に由来するCDR配列(例えばCDR3配列)を含むか、又はこれから本質的に成る。この態様において、重鎖抗体からCDR配列を単離する好ましい方法は、
a)免疫グロブリン配列を発現する細胞のコレクション又はサンプルを準備する工程と、
b)上記細胞のコレクション又はサンプルを、(i)血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列を発現する細胞;及び(ii)重鎖抗体を発現する細胞に関してスクリーニングする工程であって、サブ工程(i)及びサブ工程(ii)は、本質的に、単一のスクリーニング工程として、又は任意の好適な順序で2つの別個のスクリーニング工程として実施することができ、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する重鎖抗体を発現する少なくとも1つの細胞を提供する、スクリーニングする工程と、
c)(i)上記細胞から所望のCDR配列を単離する工程(任意で最初に当該細胞から上記免疫グロブリン配列を単離した後);又は(ii)上記細胞から所望のCDR配列をコードする核酸配列を単離する工程であって;その後、当該CDR配列を発現させる、単離する工程と、
を少なくとも含む。
a)免疫グロブリン配列を発現する細胞のコレクション又はサンプルを準備する工程と、
b)上記細胞のコレクション又はサンプルを、(i)血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列を発現する細胞;及び(ii)重鎖抗体を発現する細胞に関してスクリーニングする工程であって、サブ工程(i)及びサブ工程(ii)は、本質的に、単一のスクリーニング工程として、又は任意の好適な順序で2つの別個のスクリーニング工程として実施することができ、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する重鎖抗体を発現する少なくとも1つの細胞を提供する、スクリーニングする工程と、
c)(i)上記細胞から所望のCDR配列を単離する工程(任意で最初に当該細胞から上記免疫グロブリン配列を単離した後);又は(ii)上記細胞から所望のCDR配列をコードする核酸配列を単離する工程であって;その後、当該CDR配列を発現させる、単離する工程と、
を少なくとも含む。
この方法もまた、当業者に既知であり、及び/又は本明細書中でさらに記載する技法を用いて、自体公知の任意の様式で実施され得る。例えば、B細胞又は免疫グロブリン配列の選抜、スクリーニング及び単離は、いわゆる「ナノクローン(商標)」技法を用いて実施してもよく、これに関しては、Ablynx N.V.による国際出願である国際公開第06/079372号パンフレットを参照されたい。
別の態様において、血清タンパク質と結合するCDR核酸配列を生成する方法は、
a)CDR配列をコードする核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するCDR配列をコードする核酸配列に関してスクリーニングする工程と、
c)上記核酸配列を単離する工程と、
を少なくとも含む。
a)CDR配列をコードする核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するCDR配列をコードする核酸配列に関してスクリーニングする工程と、
c)上記核酸配列を単離する工程と、
を少なくとも含む。
この方法もまた、自体公知の様式で実施してもよく、これに関しては、例えば、特許文献5(Ablynx N.V.及びAlgonomics N.V.)を参照されたい。
c)で得られた配列に基づいて、部分、類似体、断片、変異体を、自体公知の様式で、例えば(ミスマッチプライマーを用いた)部位特異的突然変異誘発、de novo核酸合成、又はde novoペプチド合成によって製造することができる。
代替的には、本発明のアミノ酸配列をコードする核酸配列(特に、CDR又はその好適な部分、類似体、断片、変異体)は、
a)免疫グロブリン配列をコードする核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを、それぞれ、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列をコードする核酸配列に関して、スクリーニングする工程と、
c)上記核酸配列を単離する工程と、
を少なくとも含む、本発明により提供される方法によって生成することができる。
a)免疫グロブリン配列をコードする核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)上記核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを、それぞれ、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列をコードする核酸配列に関して、スクリーニングする工程と、
c)上記核酸配列を単離する工程と、
を少なくとも含む、本発明により提供される方法によって生成することができる。
この方法もまた、自体公知の様式で実施してもよく、これに関しては、例えば、本明細書中で述べた技法、及び特許文献5を参照されたい。
工程c)で得られたヌクレオチド配列はさらに、本発明のアミノ酸配列を提供するために発現させてもよく、又は(例えば、本明細書中に引用する技法の1つを用いて)変換することにより、本発明のアミノ酸配列の部分、断片、類似体又は変異体をコードする核酸配列を提供してもよい(その後再び、上記アミノ酸配列としての部分、断片、変異体又は類似体を提供するために発現させてもよい)。
代替的には、上記核酸配列又は変換した核酸配列を(好適なスペーサー又はリンカーを介して)任意の所望の核酸と連結し、引き続いて発現させてもよく(すなわち、タンパク質融合として);得られた核酸配列は、例えば(これに限定するものではないが)本明細書中で記載する治療部をコードする核酸と連結し、引き続いてポリペプチド又はタンパク質構築物又は融合タンパク質として発現させてもよい。
上記方法において、免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリは、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物(酵母等)にディスプレーして、例えば、スクリーニングを容易にしてもよい。免疫グロブリン配列又はCDR配列(のセット、コレクション又はライブラリ)をディスプレー及びスクリーニングするのに好適な方法、技法及び宿主生物は、例えば、本明細書中のさらなる開示に基づいて当業者には明らかである。
かかる方法において、免疫グロブリン配列又はCDR配列をコードする核酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、天然の免疫グロブリン配列若しくはCDR配列のセット、コレクション若しくはライブラリをコードする核酸配列のセット、コレクション若しくはライブラリ;合成若しくは半合成の免疫グロブリン配列若しくはCDR配列のセット、コレクション若しくはライブラリをコードする核酸配列のセット、コレクション若しくはライブラリ;及び/又は親和性成熟させた免疫グロブリン配列若しくはCDR配列のセット、コレクション若しくはライブラリをコードする核酸配列のセット、コレクション若しくはライブラリであり得る。
また、かかる方法において、核酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、重鎖可変ドメイン(に由来するCDR配列)又は軽鎖可変ドメイン(に由来するCDR配列)のセット、コレクション又はライブラリをコードし得る。例えば、核酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、ドメイン抗体又は単一ドメイン抗体(に由来するCDR配列)のセット、コレクション又はライブラリ或いはドメイン抗体又は単一ドメイン抗体として作用可能な免疫グロブリン配列(に由来するCDR配列)のセット、コレクション又はライブラリをコードし得る。
この方法の好ましい一態様において、核酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、所望の細胞外部分、領域、ドメイン、ループ又は他の細胞外エピトープ(複数可)に対する免疫応答を惹起するように、例えば、所望の細胞外部分、領域、ドメイン、ループ又は他の細胞外エピトープ(複数可)を含む抗原で好適に免疫感作した哺乳動物に由来する免疫グロブリン配列(に由来するCDR配列)の免疫性のセット、コレクション又はライブラリをコードし得る。具体的であるが非限定的な一態様において、かかるヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、ラクダ科動物に由来し得る。
核酸配列のセット、コレクション又はライブラリは、例えば、重鎖可変ドメイン(に由来するCDR配列)又は軽鎖可変ドメイン(に由来するCDR配列)の免疫性のセット、コレクション又はライブラリをコードし得る。具体的な一態様において、ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリは、VHH配列(に由来するCDR配列)のセット、コレクション又はライブラリをコードし得る。
上記方法において、ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物(例えば、酵母)にディスプレーして、例えば、スクリーニングを容易にしてもよい。免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列(のセット、コレクション又はライブラリ)をディスプレー及びスクリーニングするのに好適な方法、技法及び宿主生物は、例えば、本明細書中のさらなる開示によって当業者には明らかである。Nature Biotechnology, 23, 9, 1105-1116 (2005)のHoogenboomによる総説を参照されたい。
本発明は、上記方法によって得られる本発明のアミノ酸配列又は核酸配列にも関する。
本明細書中で開示したアミノ酸配列は、治療部、例えば、タンパク質、化合物(限定するものではないが、小分子を含む)又は他の治療的実体の半減期を増大させるための融合パートナーとして有利に使用することができる。
したがって、別の態様において、本発明は、本明細書中に開示したアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成るポリペプチド又はタンパク質構築物を提供する。特に、本発明は、任意で1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して少なくとも1つの治療部と連結する少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成るポリペプチド又はタンパク質構築物を提供する。かかるポリペプチド又はタンパク質構築物は、例えば(限定するものではないが)本明細書中でさらに記載する融合タンパク質であり得る。
本発明はさらに、ポリペプチド又はタンパク質構築物又は融合タンパク質の治療的使用、及びかかるポリペプチド又はタンパク質構築物又は融合タンパク質を含む、医薬組成物に関する。
幾つかの実施の形態において、少なくとも1つの治療部は、治療的タンパク質、ポリペプチド、化合物、因子又は他の実体を含むか、又はこれらから本質的に成る。好ましい実施の形態において、治療部は、所望の抗原又は標的に対して作製され、所望の抗原と結合可能(特に、所望の抗原と特異的に結合可能)であり、及び/又は所望の標的と相互作用可能である。別の実施の形態において、少なくとも1つの治療部は、治療的タンパク質又はポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る。さらなる実施の形態において、少なくとも1つの治療部は、免疫グロブリン又は免疫グロブリン配列(限定するものではないが、免疫グロブリンの断片を含む)、例えば、抗体又は抗体断片(限定するものではないが、ScFv断片を含む)を含むか、又はこれらから本質的に成る。さらに別の実施の形態において、少なくとも1つの治療部は、重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメイン等の抗体可変ドメインを含むか、又はこれから本質的に成る。
好ましい実施の形態において、少なくとも1つの治療部は、少なくとも1つのドメイン抗体又は単一ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(登録商標)を含むか、又はこれらから本質的に成る。この実施の形態の好ましい態様によれば、本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、ドメイン抗体又は単一ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(登録商標)に由来する(CDR3ループ等の)CDRを含むか、又はこれから本質的に成り、得られたポリペプチド又はタンパク質構築物又は融合タンパク質は、血清タンパク質と結合する、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(登録商標)に由来する少なくとも1つのCDR(例えばCDR3ループ)と(任意で1つ又は複数の好適なリンカーを介して)連結した、少なくとも1つのドメイン抗体、単一ドメイン抗体、「dAb」若しくはナノボディ(登録商標)(又はこれらの組み合わせ)を含むか、又はこれらから本質的に成る多価の構築物、好ましくは多重特異性の構築物である。
本明細書において、「多価の」化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物とは、特に、共に同一の生体分子と結合することができる少なくとも2つの結合単位を含む、化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物(すなわち、同一であるか又は異なるエピトープとの結合)を意味する。本明細書において、「二価の」化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物とは、同一の生体分子と結合することができる2つの結合単位を含む、化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物を意味する。「一価の」化合物、タンパク質又はポリペプチドとは、本明細書において、生体分子と結合することができる1つの結合単位から本質的に成る化合物、タンパク質又はポリペプチドを意味する。
「結合単位」とは、特に、本明細書において、本明細書中で記載するような生体分子、例えば、本発明のアミノ酸配列又は治療部(共に本明細書中で記載する)と結合可能な任意のアミノ酸配列、ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、構築物、融合タンパク質、化合物、因子又は他の実体を意味する。化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物が、2つ以上の結合単位を含む場合、当該結合単位は、任意で1つ又は複数の好適なリンカーを介して相互に連結し得る。
「多重特異性の」化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物とは、特に、本明細書において、少なくとも第1の結合単位が、第1の生物学的機能分子と結合することができ、且つ少なくとも第2の結合単位が第2の生物学的機能分子と結合することができる少なくとも2つの結合単位を含む化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物を意味する。「二重特異性の」化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物とは、本明細書において、第1の結合単位が第1の生物学的機能分子と結合することができ、且つ第2の結合単位が第2の生物学的機能分子と結合することができる2つの結合単位を含む化合物、タンパク質、ポリペプチド又は構築物を意味する。
具体的な実施の形態において、少なくとも1つの治療部は、少なくとも1つの一価のナノボディ(登録商標)又は二価、多価、二重特異性又は多重特異性のナノボディ(登録商標)構築物を含むか、又はこれらから本質的に成る。この実施の形態によれば、上記治療部と連結した本発明のアミノ酸配列は、好ましくはドメイン抗体、単一ドメイン抗体又は「dAb」に由来する少なくとも1つのCDR(例えばCDR3ループ)を含むか、又はこれから本質的に成り、より好ましくはナノボディ(登録商標)に由来するCDR(例えばCDR3ループ)を含むか、又はこれから本質的に成り、得られる構築物又は融合タンパク質は、少なくとも1つのナノボディ(登録商標)と、血清タンパク質と結合する、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体又は「dAb」に由来する少なくとも1つのCDR、より好ましくはナノボディ(登録商標)に由来する少なくとも1つのCDRとを含む、(本明細書中で規定する)多価の構築物又は融合タンパク質、好ましくは(本明細書中で規定する)多重特異性の構築物又は融合タンパク質である。
本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、医薬用途又は診断用途を意図する場合、ヒト血清タンパク質と結合することが好ましい。好ましいが非限定的な一実施の形態によれば、本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、マウス血清タンパク質に対する親和性よりも、ヒト血清タンパク質に対する親和性の方が高い。
本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物が結合することができる血清タンパク質の非限定的な例は、血清アルブミン、血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン又はフィブリノーゲン;好ましくは、血清アルブミンと、より好ましくは、ヒト血清アルブミンと結合する本発明のアミノ酸配列、ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、構築物、融合タンパク質である。
概して、本発明のタンパク質又はポリペプチドの構築物又は融合タンパク質は、(任意で1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して)少なくとも1つの治療部と連結する少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成る。好ましくは半減期が、対応する治療部自体の半減期の、少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも5倍、例えば少なくとも10倍又は20倍超である。
また、好ましくは、任意のかかるタンパク質若しくはポリペプチドの構築物又は融合タンパク質の半減期は、対応する治療部自体の半減期と比較して、1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、増大する。
また、好ましくは、任意のかかるタンパク質若しくはポリペプチドの構築物又は融合タンパク質の半減期は、1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、例えば約1日、2日、1週間、2週間又は3週間、好ましくは最大2ヶ月であるが、最後はあまり重要ではないであろう。
また、上述したように、本発明のアミノ酸配列が、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体、「dAb」に由来するか、又は好ましくはナノボディ(登録商標)に由来するCDR3配列を含むか、又はこれから本質的に成る場合、本発明のアミノ酸配列を、他の免疫グロブリン配列、例えば、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体、「dAb」又は好ましくはナノボディ(登録商標)の半減期を増大させるために使用することができる。
したがって、本発明の一実施の形態は、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列と、少なくとも1つの免疫グロブリン配列、例えば、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(登録商標)とを含むか、又はこれらから本質的に成るタンパク質若しくはポリペプチドの構築物又は融合タンパク質に関する。免疫グロブリン配列は、好ましくは(好ましくは治療的標的である)所望の標的、並びに/又は治療、予防及び/若しくは診断の目的に有用若しくは好適な別の免疫グロブリン配列に対して作製される。
したがって、別の態様において、本発明は、少なくとも1つのCDR配列(例えばCDR3配列)と、少なくとも1つのナノボディ(登録商標)とを含むか、又はこれらから本質的に成る多重特異性の(特に二重特異性の)構築物であって、当該少なくとも1つのナノボディ(登録商標)が、好ましくは所望の標的(好ましくは、治療標的)並びに/又は治療、予防及び/若しくは診断の目的に有用若しくは好適な別のナノボディ(登録商標)に対して作製される、構築物に関する。
本発明は、本明細書中で記載するアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物をコードするヌクレオチド配列又は核酸にも関する。本発明はさらに、上記ヌクレオチド配列又は上記核酸を含む遺伝的構築物、及び自体公知の遺伝的構築物の1つ又は複数の要素を含む。遺伝的構築物は、プラスミド又はベクターの形態であり得る。かかる遺伝的構築物及び他の遺伝的構築物は当業者に既知である。
本発明は、かかるヌクレオチド配列又は核酸を含有し、及び/又は本明細書中で記載するアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を発現する(又は発現可能である)宿主又は宿主細胞にも関する。また、かかる宿主又は宿主細胞は当業者に既知である。
本発明は、概して、本明細書中で記載するアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を製造する方法であって、本明細書中で記載する宿主細胞を、当該宿主細胞が本明細書中で記載するアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を生産又は発現する条件下で、培養又は維持することを含み、且つ任意でそのようにして生産されたアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を単離することをさらに含む、方法にも関する。さらに、かかる方法は、本明細書中で記載するAblynx N.V.による同時係属中の特許出願、例えば、国際公開第04/041862号パンフレット又は国際公開第06/122825号パンフレット中に概して記載されているように実施することができる。
本発明は、本発明のアミノ酸配列、化合物又は多価及び多重特異性の化合物を包含する医療的使用及び治療方法であって、上記薬剤が、ヒト血清アルブミンの天然の半減期の少なくとも約50%の間隔での投与に好適であることを特徴とする、医療的使用及び治療方法も包含する。
本発明は、治療剤(すなわち、治療部、化合物、タンパク質又は他の治療的実体)の血清半減期を延長又は増大させる方法にも関する。本方法は、治療剤が本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物と結合するか、又はそうでなければ会合するように、治療剤と上記アミノ酸配列のいずれかとを接触させることを含む。幾つかの実施の形態において、治療剤は、生物学的治療剤、好ましくはペプチド又はポリペプチドであり、この場合、治療剤を接触させる工程は、ペプチド又はポリペプチドと本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物とを連結することによって融合タンパク質を製造することを含み得る。
これらの方法は、治療剤を本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物と結合又は会合させた後に、被験体に治療剤を投与することをさらに含む。かかる方法において、治療剤の血清半減期は、治療剤自体の半減期の少なくとも1.5倍であるか、又は治療剤自体の半減期と比較して、少なくとも1時間増大する。幾つかの好ましい実施の形態において、治療剤の血清半減期は、対応する治療部自体の半減期の、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍又は20倍超である。他の好ましい実施の形態において、治療剤の血清半減期は、対応する治療部自体の半減期と比較して、2時間超、6時間超又は12時間超、増大する。
別の態様において、本発明は、治療剤を修飾する方法であって、当該治療剤の好適な投与時に所望の治療レベルを達成するように、当該治療剤の当該所望の治療レベルを長時間維持する、方法に関する。
本方法は、治療剤が、本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物と結合するか、又はそうでなければ会合するように、治療剤と上記アミノ酸配列のいずれかとを接触させることを含む。幾つかの実施の形態において、治療剤は、生物学的治療剤、好ましくは、ペプチド又はポリペプチドであり、この場合、治療剤を接触させる工程は、ペプチド又はポリペプチドと、本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物とを連結することによって融合タンパク質を製造することを含み得る。
これらの方法は、治療剤を本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物と結合させるか、又はそうでなければ会合させた後に、被験体に治療剤を投与することであって、かかる投与時に所望の治療レベルを達成する、投与することをさらに含む。かかる方法において、かかる投与時に当該治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、治療剤自体の半減期の少なくとも1.5倍であるか、又は治療剤自体の半減期と比較して、少なくとも1時間増大する。幾つかの好ましい実施の形態において、かかる投与時に当該治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、対応する治療部自体の半減期の少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍又は20倍超である。他の好ましい実施の形態において、かかる投与時に当該治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、対応する治療部自体の半減期と比較して、2時間超、6時間超又は12時間超、増大する。
好ましくは、かかる投与時に当該治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、本発明の化合物に関して本明細書中で規定する頻度で治療剤を投与することができるように増大させる。
別の態様において、本発明は、患者の血清中の上記化合物又は上記構築物における治療剤のレベルを増大及び/又は延長させる薬剤を生産する(本明細書中で規定する)本発明の化合物の使用であって、当該化合物又は当該構築物における当該治療剤が、治療剤単独と比較してより低い用量で(すなわち、本質的に同一の投与頻度で)投与可能である、使用に関する。
本発明は、本明細書中で記載する少なくとも1つのアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物と、任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物にも関する。かかる調製品、担体、賦形剤及び希釈剤は、概して、本明細書中で記載するAblynx N.V.による同時係属中の特許出願、例えば、国際公開第04/041862号パンフレット又は国際公開第06/122825号パンフレットに記載されているようなものであり得る。
しかしながら、本明細書中で記載するアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は半減期が増大しているため、好ましくは循環に投与される。したがって、本明細書中で記載するアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物が、静脈内等の循環に入ることができる任意の好適な様式、注射若しくは点滴、又は任意の他の好適な様式(経口投与、経皮投与、鼻腔内投与、経肺投与等を含む)で投与することができる。好適な投与方法及び投与経路は、ここでもまた、例えば、国際公開第04/041862号パンフレット又は国際公開第06/122825号パンフレットの教示からも当業者には明らかである。
したがって、別の態様において、本発明は、本明細書中で記載するアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物の使用によって予防又は治療することができる少なくとも1つの疾患又は障害を予防及び/又は治療する方法であって、それらを必要とする被験体に対して、薬学的に活性な量の本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物、及び/又はこれらを含む医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。当業者には明らかなように、本明細書中で記載するアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を使用することによって予防又は治療することができる疾患及び障害は、概して本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物中に存在する治療部を使用することによって予防又は治療することができる疾患及び障害と同一である。
本発明の文脈において、「予防及び/又は治療」という用語は、疾患を予防する及び/又は治療することを含むだけでなく、概して、疾患の発症を予防すること、疾患の進行を遅延又は逆行させること、疾患に伴う1つ又は複数の症状の発症を予防又は遅延させること、疾患に伴う1つ又は複数の症状を低減及び/又は緩和すること、疾患及び/又は疾患に伴う任意の症状の重症度及び/又は継続期間を低減させること、及び/又は疾患及び/又は疾患に伴う任意の症状の重症度のさらなる増大を予防すること、疾患が引き起こす任意の生理的ダメージを予防、低減又は逆行させること、並びに概して治療すべき患者に有益な任意の薬理学的作用を含む。
治療すべき被験体は、任意の温血動物であり得るが、特に哺乳動物、より詳細にはヒトである。当業者には明らかなように、治療すべき被験体は、特に、本明細書中の上記で述べた疾患及び障害を患っているか、又はそのリスクが高い人である。
より具体的には、本発明は、本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物を投与する頻度が、上記哺乳動物の血清アルブミンの(すなわち、人間の場合、ヒト血清アルブミンの)天然の半減期の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%である、治療方法に関する。
本発明の範囲内である哺乳動物への具体的な投与頻度は、上記のように、上記哺乳動物における血清アルブミンの天然の半減期の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は少なくとも100%である。
すなわち、本発明の範囲内である具体的な投与頻度は、4日毎、5日毎、6日毎、7日毎、8日毎、9日毎、10日毎、11日毎、12日毎、13日毎、14日毎、15日毎、16日毎、17日毎、18日毎又は19日毎である。
限定するものではないが、上記で言及した投与頻度は、任意で上記所望の血清レベルの達成を意図する1つ又は複数の(初回)用量を投与した後、アミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物で処理した被験体の血清中のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物の所望のレベルを維持するのに特に好適である。当業者には明らかなように、所望の血清レベルは、使用したアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質若しくは構築物及び/又は治療対象の疾患にとりわけ依存し得る。臨床家又は医師は、本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物を本明細書中の上記で述べた頻度で投与する場合、上記被験体において所望の血清レベルを達成及び/又は維持するために、所望の血清レベルを選択し、治療すべき被験体に対して投与すべき用量(複数可)及び/又は量(複数可)を選択することが可能である。
別の実施の形態において、本発明は、免疫療法、特に、受動免疫療法に関する方法であって、本明細書中で述べた疾患及び障害を患っているか、そのリスクがある被験体に対して、薬学的に活性な量の本発明の融合タンパク質若しくは構築物、及び/又はこれらを含む医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。
アミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質若しくは多価若しくは多重特異性の構築物及び/又はこれらを含む組成物は、予防又は治療対象の疾患又は障害の予防及び/又は治療に好適な治療のレジメンに従って投与される。臨床家は、概して、予防又は治療対象の疾患又は障害、治療対象の疾患の重症度及び/又はそれらの症状の重症度、使用する本発明の特定のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物、使用する特定の投与経路及び医薬製剤又は組成物、患者の年齢、性別、体重、食事、一般的条件等の因子、並びに同様の臨床家に既知の因子に応じて好適な治療レジメンを決定することができる。
概して、治療レジメンは、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質若しくは多価若しくは多重特異性の構築物、又はこれらを含む1つ若しくは複数の組成物を、1つ又は複数の薬学的に有効な量又は用量で投与することを含む。投与する具体的な量(複数可)又は用量は、ここでもまた、上記で引用した因子に基づいて臨床家が決定することができる。
概して、所期の疾患及び障害(すなわち、治療的実体自体の使用を通じて通常治療又は予防するような疾患及び障害)を予防及び/又は治療するために、治療すべき具体的な疾患又は障害、使用する具体的なアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物の効力及び/又は半減期、使用する具体的な投与経路及び具体的な医薬製剤又は組成物に応じて、本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、概して1g/kg体重/日〜0.01μg/kg体重/日、好ましくは0.1g/kg体重/日〜0.1μg/kg体重/日、例えば約1μg/kg体重/日、10μg/kg体重/日、100μg/kg体重/日、1000μg/kg体重/日、又は2000μg/kg体重/日の量で、連続的に(例えば、点滴によって)、単回用量として、又は一日中複数の分割用量で投与され得る。臨床家は概して、本明細書中で述べた因子に応じて好適な毎日用量を決定することが可能である。具体的な症例においては、臨床家が例えば、上記で引用した因子及び専門的判断に基づいてこれらの量からの逸脱を選択する可能性があることも明らかであろう。概して、投与すべき量についての何らかの指針は、本質的に同一の経路を介して投与した同一の標的に対する同程度の通常の抗体又は抗体断片に関して通常投与される量から得ることができるが、親和性/結合活性、効力、体内分布、半減期及び当業者に既知の同様の因子の差異が参酌される。
通常、上記方法において、単一の本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を使用する。しかしながら、2つ以上の本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を併用することは、本発明の範囲内である。
本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物はまた、相乗効果をもたらす場合もあれば、もたらさない場合もある、1つ又は複数のさらなる薬学的に活性な化合物又は成分と組み合わせて、すなわち、混合治療レジメンとして使用してもよい。ここでもまた、臨床家が、上記で引用した因子及び専門的判断に基づいて、かかるさらなる化合物又は成分、及び好適な混合治療レジメンを選択することが可能である。
特に、本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物で治療することができる疾患及び障害の予防及び/又は治療に使用されるか、又は使用することができる他の薬学的に活性な化合物又は成分と併用してもよく、また結果として、相乗効果が得られてもよく、又は得られなくてもよい。
本発明により使用する治療レジメンの有効性は、臨床家には明らかなように、包含される疾患又は障害に対して自体公知の任意の様式で決定及び/又はフォローされ得る。臨床家は、適宜及び/又はケースバイケースで、特定の治療レジメンを変更又は調節することにより、所望の治療効果を達成し、望まれない副作用を回避、制限又は低減し、及び/又は一方で所望の治療効果を達成することと、他方で望ましくない副作用を回避、制限又は低減することとの適切なバランスを達成することが可能である。
概して、治療レジメンは、所望の治療効果が達成されるまで及び/又は所望の治療効果が維持される限り継続される。ここでもまた、これは、臨床家によって決定することができる。
治療すべき被験体は、任意の温血動物であり得るが、特に哺乳動物、より具体的にはヒトである。当業者には明らかなように、治療すべき被験体は、特に、本明細書中で言及した疾患及び障害を患っているか、又はそのリスクがある人間である。
非限定的な実験の部及び図面によって、本発明をさらに説明する。
実験の部
実施例1−免疫感作
1.1 免疫感作
獣医学部倫理委員会(Ethical Committee of the Faculty of Veterinary Medicine)(ヘント大学、ベルギー)の承認後、以下の抗原混合物(cocktail)を1週間間隔で6回筋肉内注射する標準的なプロトコルに従ってラマを免疫感作した:
ラマ006:マウスTNF及びIFN−γと混合したヒト血清アルブミン(HSA)
ラマ021:PDK−1、抗CD4、hTNF−α、コラーゲンタイプIIIと混合したマウス血清アルブミン(MSA)+カニクイザルサルアルブミン、ヒト血清アルブミンによるブースター免疫
ラマ022:PDK−1、hIFN−γ、hTNF−α、コラーゲンタイプIIIと混合したMSA
ラマ039:HSA、MSA、MSA、サルSA、サルSA、HSA
ラマ117:HSAでの及びヒヒSA、カニクイザルSA&MSAの混合物での交互感作
ラマ118:HSAでの及びヒヒSA、カニクイザルSA&MSAの混合物での交互感作
1.1 免疫感作
獣医学部倫理委員会(Ethical Committee of the Faculty of Veterinary Medicine)(ヘント大学、ベルギー)の承認後、以下の抗原混合物(cocktail)を1週間間隔で6回筋肉内注射する標準的なプロトコルに従ってラマを免疫感作した:
ラマ006:マウスTNF及びIFN−γと混合したヒト血清アルブミン(HSA)
ラマ021:PDK−1、抗CD4、hTNF−α、コラーゲンタイプIIIと混合したマウス血清アルブミン(MSA)+カニクイザルサルアルブミン、ヒト血清アルブミンによるブースター免疫
ラマ022:PDK−1、hIFN−γ、hTNF−α、コラーゲンタイプIIIと混合したMSA
ラマ039:HSA、MSA、MSA、サルSA、サルSA、HSA
ラマ117:HSAでの及びヒヒSA、カニクイザルSA&MSAの混合物での交互感作
ラマ118:HSAでの及びヒヒSA、カニクイザルSA&MSAの混合物での交互感作
1.2.ラマにおける誘導応答の評価
0日、28日及びPBL回収時に、ラマ117及びラマ118から血清を回収し、アルブミンに対する動物における免疫応答の誘導をELISAによって評価した。要するに、2μg/mlのHSA、MSA、カニクイザルSA又はヒヒSAを96ウェルMaxisorpプレート(Nunc)内で4℃で一晩固定した。ウェルをカゼイン溶液(PBS中1%)でブロッキングした。血清希釈剤を添加した後、特異的に結合した免疫グロブリンを、ヤギ抗ラマホースラディッシュペルオキシダーゼ複合体(Bethyl Lab. Inc.)を用いて検出し、両方の動物とも、ヒト(図2A)、マウス(図2B)、カニクイザル(図2C)及びヒヒ(図2D)のアルブミンに対して有意な抗体依存性の免疫応答を誘導することが示された。ラマ118由来の免疫前血清は、それぞれのアルブミンと最大1:10000希釈まで結合を示したが、アルブミンによる免疫感作3日後に採取した血清によって明確に凌駕された。ラマ117の免疫前血清の異なる種起源のアルブミンとの結合は検出されなかった。
0日、28日及びPBL回収時に、ラマ117及びラマ118から血清を回収し、アルブミンに対する動物における免疫応答の誘導をELISAによって評価した。要するに、2μg/mlのHSA、MSA、カニクイザルSA又はヒヒSAを96ウェルMaxisorpプレート(Nunc)内で4℃で一晩固定した。ウェルをカゼイン溶液(PBS中1%)でブロッキングした。血清希釈剤を添加した後、特異的に結合した免疫グロブリンを、ヤギ抗ラマホースラディッシュペルオキシダーゼ複合体(Bethyl Lab. Inc.)を用いて検出し、両方の動物とも、ヒト(図2A)、マウス(図2B)、カニクイザル(図2C)及びヒヒ(図2D)のアルブミンに対して有意な抗体依存性の免疫応答を誘導することが示された。ラマ118由来の免疫前血清は、それぞれのアルブミンと最大1:10000希釈まで結合を示したが、アルブミンによる免疫感作3日後に採取した血清によって明確に凌駕された。ラマ117の免疫前血清の異なる種起源のアルブミンとの結合は検出されなかった。
実施例2−ライブラリ構築
元のVHH鋳型のコンテクストからアルブミンと結合することができるCDR3配列を同定するために、2つのアプローチを続けた。第1のアプローチにおいて、CDR3ループの集団は、ループの塩基を制限する微小足場(microscaffold)上にアンカーされる。VHH及びVHにおいて、CDR3ループは、FR3及びFR4上にアンカーされる。これらの領域は、逆平行βシート構造に関係する拡張構造であるため、足場にFR3及びFR4の末端の最後の部分が含まれることは、ともかく当業者には明白である。CDR3ループの塩基をさらに制限するために、FR3の93位(カバットナンバリング(Kabat numbering))の保存されたCys残基と、104位(カバットナンバリング)の保存されたGly残基との間に非天然のジスルフィド架橋を作出した。
元のVHH鋳型のコンテクストからアルブミンと結合することができるCDR3配列を同定するために、2つのアプローチを続けた。第1のアプローチにおいて、CDR3ループの集団は、ループの塩基を制限する微小足場(microscaffold)上にアンカーされる。VHH及びVHにおいて、CDR3ループは、FR3及びFR4上にアンカーされる。これらの領域は、逆平行βシート構造に関係する拡張構造であるため、足場にFR3及びFR4の末端の最後の部分が含まれることは、ともかく当業者には明白である。CDR3ループの塩基をさらに制限するために、FR3の93位(カバットナンバリング(Kabat numbering))の保存されたCys残基と、104位(カバットナンバリング)の保存されたGly残基との間に非天然のジスルフィド架橋を作出した。
免疫感作したラマのリンパ節(LN)又は末梢血リンパ球(PBL)から単離したVHHの相補性決定領域3(CDR3)を、隣接フレームワーク(FR)残基を有するgeneIIIタンパク質とのN末端融合として、M13バクテリオファージの表面上に発現させた。より具体的には、ライブラリ構築物は、pIII分泌シグナルペプチド、His6タグ及びc−mycタグがそれぞれ続く9つのFR3残基及び7つのFR4残基が隣接するCDR3ライブラリ、短いGly−Ala−Alaリンカー、並びにM13 pIII遺伝子を含有する。この非拘束型のライブラリの隣に、FR3ではCysが保存されているため、FR4中の第1の残基(Trp又はArg)をCysで置き換えることによって拘束型のライブラリ構築物を設計した。
2つの記載したCDR3ライブラリは、以下のように構築した。免疫感作したラマのリンパ節及び/又は末梢血リンパ球からRNAを単離した後、製造業者の指示書(Invitrogen)に従ってランダム六量体及びSuperscript IIIを用いてcDNAを合成した。第1のPCRにおいて、VHH及びVHをフォワードプライマーミックス[ABL051(5'−ggctgagctgggtggtcctgg−3'、配列番号4)及びABL052(5'−ggctgagtttggtggtcctgg−3'、配列番号5)それぞれの4:1の比]並びにリバースプライマーABL003(5'−ggtacgtgctgttgaactgttcc−3'、配列番号6)を用いて増幅した。VHH断片を単離した後、2回の別個のネステッドPCRを実施することにより、非拘束型又は拘束型の隣接FR配列でCDR3を増幅した。両方のネステッドPCRでは、非拘束型及び拘束型それぞれに対する5つ(配列番号:14〜18)又は7つ(配列番号:19〜25)のリバースプライマーのミックス(すなわち、FR4とのアニーリング)と組み合わせて、7つの変性フォワードプライマーのミックス(すなわち、FR3とのアニーリング)を使用した(それぞれ、配列番号:7〜13)(図1参照、IUPACコードを使用する)。自家構築した、pUC19由来のpAX50ベクターでSfiI制限部位及びNotI制限部位を介してpIII遺伝子の上流で、ネステッドPCR断片をクローニングした。各免疫感作動物から、約5×107個の2つのライブラリを得た。
実施例3−選抜及びスクリーニング
選抜は、ヒト血清アルブミン(HSA:A5763、Sigma)で実施した。Maxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)のウェルを10μg/ml HSAでコーティングし、SuperBlock T20 PBSブロッキングバッファー(Pierce)でブロッキングすることにより、非特異的結合を予防した。コーティングしたウェルにファージを添加する前に、1:1(v:v)Superblock T20 PBSブロッキングバッファー:PBS+0.05% Tween20中でプレインキュベートした。ファージを100mMトリエチルアミンで溶出し、1M Tris(pH7.5)で中和した。
選抜は、ヒト血清アルブミン(HSA:A5763、Sigma)で実施した。Maxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)のウェルを10μg/ml HSAでコーティングし、SuperBlock T20 PBSブロッキングバッファー(Pierce)でブロッキングすることにより、非特異的結合を予防した。コーティングしたウェルにファージを添加する前に、1:1(v:v)Superblock T20 PBSブロッキングバッファー:PBS+0.05% Tween20中でプレインキュベートした。ファージを100mMトリエチルアミンで溶出し、1M Tris(pH7.5)で中和した。
2回の選抜ラウンド後、モノクローナルファージを、陰性対照の抗原であるオボアルブミン(A5378、Sigma)と比較した、HSAに対する結合に関してスクリーニングした。Maxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)のウェルを、10μg/ml HSA又はオボアルブミンを用いてコーティングし、SuperBlock T20 PBSブロッキングバッファー(Pierce)でブロッキングすることにより、非特異的結合を予防した。96ウェルプレートで生産したファージを、1:1(v:v)Superblock T20 PBSブロッキングバッファー:PBS+0.05% Tween20で1/10に希釈し、HSA及びオボアルブミンの両方とインキュベートした。結合したファージを抗M13(GE Healthcare)及びヤギ抗マウスIRDye700(Rockland)で検出し、シグナルをOdyssey(LI-COR Biosciences)で読み出した。図3は、2つのHSA結合CDR3ループを同定したスクリーニング読み出しの例を示す。両方の「ヒット」は、同一のライブラリ(すなわち、非拘束型のラマ117を起源とする)から選抜した。シークエンシングにより、両方の同定したCDR3ループが同一であることが明らかとなった:dtavyycnaaasysdydvfgggtdfgpwgqgtqv(下線は隣接FR配列)。このペプチドを17D12と称する。その全アミノ酸配列を配列番号1に示し、それをコードするヌクレオチド配列を配列番号2に示す。CDR3ループのアミノ酸配列を配列番号3で示す。
実施例4−M13ファージのpIII上で発現させた隣接FRを有する又は有しない17D12のCDR3ループとHSAとの結合
一次スクリーニングから選抜されるように、17D12と、HSA及び陰性対照のペプチドであるオボアルブミンとの結合を異なるファージ濃度を用いて評価した。さらに、17D12の2つの切断形の結合を解析した。両方の切断ペプチド、すなわち、17D12−CDR3−NC(配列番号26)及び17D12−CDR3−C(配列番号27)には、隣接FR残基がなく、前者は非拘束型ループである一方、後者は拘束型である(図4)。
一次スクリーニングから選抜されるように、17D12と、HSA及び陰性対照のペプチドであるオボアルブミンとの結合を異なるファージ濃度を用いて評価した。さらに、17D12の2つの切断形の結合を解析した。両方の切断ペプチド、すなわち、17D12−CDR3−NC(配列番号26)及び17D12−CDR3−C(配列番号27)には、隣接FR残基がなく、前者は非拘束型ループである一方、後者は拘束型である(図4)。
ファージ結合アッセイを本質的に実施例3に記載の通り実施した。10mLの培養量で生産したファージを、7.5×1011ファージ/mlから開始する1/2希釈系列で、HSA及びオボアルブミンの両方でインキュベートした。図4は、FR残基を持たない、全長17D12ペプチド及び切断ペプチドが共に、HSAと用量依存的に結合することを示す。オボアルブミンとの非特異的結合は、拘束型の切断ペプチドよりもわずかに多い。
実施例5−M13ファージのpIII上で発現した隣接FRを有する又は有しない17D12のCDR3ループの交差反応性及び特異性
HSAでの2回の選抜ラウンド後の一次スクリーニングから選抜される17D12と、異なる種の血清アルブミン[マウス血清アルブミン(MSA、A3559、Sigma)、カニクイザル血清アルブミン(CSA、自家生産)、ウシ血清アルブミン(BSA、A6003、Sigma)及びHSA]並びに陰性対照の抗原[オボアルブミン、ヒト腫瘍壊死因子α(TNF、自家生産)]との結合を異なるファージ濃度を用いて評価した。さらに、同様の結合検討を17D12の2つの切断変異体に関して実施した。両方のペプチド、すなわち、17D12−CDR3−NC(配列番号26)及び17D12−CDR3−C(配列番号;27)は、17D12の隣接FR残基を持たず、前者が非拘束型ループである一方、後者は拘束型である(図4)。
HSAでの2回の選抜ラウンド後の一次スクリーニングから選抜される17D12と、異なる種の血清アルブミン[マウス血清アルブミン(MSA、A3559、Sigma)、カニクイザル血清アルブミン(CSA、自家生産)、ウシ血清アルブミン(BSA、A6003、Sigma)及びHSA]並びに陰性対照の抗原[オボアルブミン、ヒト腫瘍壊死因子α(TNF、自家生産)]との結合を異なるファージ濃度を用いて評価した。さらに、同様の結合検討を17D12の2つの切断変異体に関して実施した。両方のペプチド、すなわち、17D12−CDR3−NC(配列番号26)及び17D12−CDR3−C(配列番号;27)は、17D12の隣接FR残基を持たず、前者が非拘束型ループである一方、後者は拘束型である(図4)。
ファージ結合アッセイは、本質的に実施例4に記載の通り実施した。全長17D12ペプチド並びに切断ペプチド、17D12−CDR3−NC及び17D12−CDR3−Cは、用量依存的にHSA及びCSAと結合するが、MSA及びBSAとの反応性は実施したアッセイでは明らかでなかった(図6)。17D12及び17D12−CDR3−NCと、試験した無関連タンパク質(オボアルブミン及びTNF)との有意な非特異的結合は無い。対照的に、拘束切断ペプチドとのわずかな程度の非特異的結合がある。
実施例6−合成ペプチドのHSAとの結合
以下のように、表1に示すペプチドを合成し、Pepscan Presto(Lelystad、オランダ)によって精製した。ペプチドは、多重ペプチド合成機を用いるレジン系Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)化学反応(chemistry)によって合成した。ビオチンNovaTagレジン(Novabiochem)を使用し、ペプチド配列を固相ペプチド合成(SPPS)のコンセプトに従ってアセンブリした。ペプチドをエレクトロスプレー質量分析駆動型分取RP−HPLCによって精製し、純度及び質量を、分析用RP−UPLC及びエレクトロスプレー質量分析によって確認し、94.07%(アセチル−AAASYSDYDVFGGGTDFGP−c2リンカー−ビオチン、配列番号28)、及び82.59%(アセチル−CAAASYSDYDVFGGGTDFGP−c2リンカー−ビオチン、配列番号29)と求められた。
以下のように、表1に示すペプチドを合成し、Pepscan Presto(Lelystad、オランダ)によって精製した。ペプチドは、多重ペプチド合成機を用いるレジン系Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)化学反応(chemistry)によって合成した。ビオチンNovaTagレジン(Novabiochem)を使用し、ペプチド配列を固相ペプチド合成(SPPS)のコンセプトに従ってアセンブリした。ペプチドをエレクトロスプレー質量分析駆動型分取RP−HPLCによって精製し、純度及び質量を、分析用RP−UPLC及びエレクトロスプレー質量分析によって確認し、94.07%(アセチル−AAASYSDYDVFGGGTDFGP−c2リンカー−ビオチン、配列番号28)、及び82.59%(アセチル−CAAASYSDYDVFGGGTDFGP−c2リンカー−ビオチン、配列番号29)と求められた。
2つの合成ペプチドであるAla−17D12−CDR3及びCys−Ala−17D12−CDR3とHSAとの結合を、表面プラズモン共鳴によって評価した。ビオチン化ペプチドをそれぞれストレプトアビジンでコーティングしたセンサーチップSA T071122上に捕捉する。HSA結合を各種濃度で評価する。サンプルを活性化表面及び参照表面に対して流速10μl/分で4分間注入して、チップ結合抗原との結合を可能にした。次に、HSAを含まない結合緩衝液を、同一の流速でチップ全体に送液することにより、結合したHSAの解離が可能となる。10分後、残存する結合した検体を再生溶液(50mM NaOH)注入して除去する。
図7A及び図7Bに示すように、両方のペプチドに対する結合動態は同程度であった。解離曲線は異種であるが、2E−2l/s〜2E−3l/sの解離速度を算出することができた。15μMよりも高いHSA濃度に対して結合応答の増大が見られるが、結合応答は、48μM HSAで飽和レベルに達することを示す。1:1結合モデルを適用すると、会合速度定数は濃度依存性であり、1E2〜E4の範囲であった。これらのデータから、本明細書中で記載する合成ペプチドに対する結合親和性が少なくとも1μMより大きいことが示された。
実施例7−ナノボディ−17D12融合タンパク質の構築、及びM13ファージのpIII上に発現させた場合のHSAとの結合の解析
HSA結合ペプチド17D12は、VHHのC末端(2D3と呼ぶ)で遺伝的に融合させた。これは、HER2と特異的に結合し、「癌及び/又は腫瘍を治療するHER2に対して作製されたアミノ酸配列並びにこれを含むポリペプチド(Amino acid sequences directed against HER2 and polypeptides comprising the same for the treatment of cancers and/or tumors)」と題するAblynx N.V.の米国仮特許出願(出願日2007年11月27日)、配列番号2060参照)に記載されており、Gly4Ser−Gly3Serリンカーを有するか、又は有さず、M13ファージのpIII上に発現される(図8)。FR3のCys残基をSerに置き換えた。
HSA結合ペプチド17D12は、VHHのC末端(2D3と呼ぶ)で遺伝的に融合させた。これは、HER2と特異的に結合し、「癌及び/又は腫瘍を治療するHER2に対して作製されたアミノ酸配列並びにこれを含むポリペプチド(Amino acid sequences directed against HER2 and polypeptides comprising the same for the treatment of cancers and/or tumors)」と題するAblynx N.V.の米国仮特許出願(出願日2007年11月27日)、配列番号2060参照)に記載されており、Gly4Ser−Gly3Serリンカーを有するか、又は有さず、M13ファージのpIII上に発現される(図8)。FR3のCys残基をSerに置き換えた。
HSA及びオボアルブミンに対するファージ結合アッセイを、本質的に実施例4に記載の通り実施した。10mLの培養量で生産したファージを、1012ファージ/mLから開始する1/2希釈系列のHSA及びオボアルブミンの両方でインキュベートした。HSAとの用量依存性の結合は、GlySerリンカーの存在下又は非存在下、無処置の非アルブミン結合VHHのC末端でのペプチド17D12の融合時に保持された(図9)。
実施例8−2D3−17D12融合タンパク質とHSAとの結合
2D3−17D12融合タンパク質である、EVQLVESGGSLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMSWVRQVPGKGLEWVSSINWSGTHTDYADSVKGRFTISRNNANNTLYLQMNSLKSEDTAVYYCAKNWRDAGTTWFEKSGSAGQGTQVTVSSDTAVYYCNAAASYSDYDVFGGGTDFGPWGQGTQVGGGS(配列番号30)を、大腸菌のTG1細胞で発現させた。融合タンパク質を、IMAC/SECによって精製し、HSAとの結合をBIAcore(商標)3000で評価した。それゆえ、2D3−17D12融合タンパク質及び2D3ナノボディの希釈系列は、高密度HSA(7000RU)でコーティングしたCM5チップに注入した。図10は、2D3−17D12とHSAとの用量依存性の結合を示すが、予想されるように、2D3は、試験した同一の濃度では結合しない。HSAに対する2D3−17D12の算出された親和性は約10μMである。対照として、2.5μM 2D3−17D12を、高密度の無関連タンパク質(2400RU)でコーティングしたCM5チップに注入したが、特異的な結合は検出されなかった。
2D3−17D12融合タンパク質である、EVQLVESGGSLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMSWVRQVPGKGLEWVSSINWSGTHTDYADSVKGRFTISRNNANNTLYLQMNSLKSEDTAVYYCAKNWRDAGTTWFEKSGSAGQGTQVTVSSDTAVYYCNAAASYSDYDVFGGGTDFGPWGQGTQVGGGS(配列番号30)を、大腸菌のTG1細胞で発現させた。融合タンパク質を、IMAC/SECによって精製し、HSAとの結合をBIAcore(商標)3000で評価した。それゆえ、2D3−17D12融合タンパク質及び2D3ナノボディの希釈系列は、高密度HSA(7000RU)でコーティングしたCM5チップに注入した。図10は、2D3−17D12とHSAとの用量依存性の結合を示すが、予想されるように、2D3は、試験した同一の濃度では結合しない。HSAに対する2D3−17D12の算出された親和性は約10μMである。対照として、2.5μM 2D3−17D12を、高密度の無関連タンパク質(2400RU)でコーティングしたCM5チップに注入したが、特異的な結合は検出されなかった。
実施例9−2D3−17D12融合タンパク質のHER2及びHSAとの同時結合
2D3ナノボディ及び17D12CDR3がそれぞれの標的抗原(2D3ナノボディに対してはHer−2抗原、17D12CDR3に対してはアルブミン)と同時に結合することができるか否かを調べるために、以下の実験を実施した。2D3−17D12融合タンパク質をHSAの濃度を増加させてプレインキュベートするか、又はプレインキュベートせず、その後、約3000RUの密度でrhErbB2−Fc抗原(R&D Systems)をコーティングしたCM5チップに注入した。図11に示すように、事前にHSAと混合した2D3−17D12の注入は、2D3−17D12単独と比較して同様の会合速度を示すと共に、対照の注入と比較してわずかに高いが同程度の解離速度を示す。2D3へのHSAの添加は、2D3−17D12単独と比較して有意に異なる動態を示すが、解離速度は同様の範囲である。
2D3ナノボディ及び17D12CDR3がそれぞれの標的抗原(2D3ナノボディに対してはHer−2抗原、17D12CDR3に対してはアルブミン)と同時に結合することができるか否かを調べるために、以下の実験を実施した。2D3−17D12融合タンパク質をHSAの濃度を増加させてプレインキュベートするか、又はプレインキュベートせず、その後、約3000RUの密度でrhErbB2−Fc抗原(R&D Systems)をコーティングしたCM5チップに注入した。図11に示すように、事前にHSAと混合した2D3−17D12の注入は、2D3−17D12単独と比較して同様の会合速度を示すと共に、対照の注入と比較してわずかに高いが同程度の解離速度を示す。2D3へのHSAの添加は、2D3−17D12単独と比較して有意に異なる動態を示すが、解離速度は同様の範囲である。
実施例10−アルブミンに対する結合特異性を有するCDR3ループと遺伝的に融合したナノボディの薬物動態解析
非限定的な例として、本発明の化合物(配列番号30の2D3−17D12融合タンパク質等)の半減期を薬物動態学的研究によって求め、げっ歯類又は非ヒト霊長類のモデルで以下のように実施した。動物(n=2〜10)の群に、1mg/kg又は10mg/kgの2D3−17D12融合タンパク質を静脈内ボーラス注射する。血漿サンプルは、投薬後の異なる時点(例えば、投薬後1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、12時間後、24時間後、48時間後、144時間後、192時間後、240時間後、288時間後及び336時間後)に静脈より入手しELISAによって2D3−17D12融合タンパク質の存在を解析する。血漿濃度対時間は2コンパートメント排泄モデルに合わせる。クリアランス、V1、定常状態分布容積(steady state volume)(Vss)、T1/2、AUC、及び投与した実際の用量に対して補正したAUC(AUC/用量)という薬物動態パラメータは、各治療群に対して平均化する。群間差は分散分析によって求める。本明細書中で引用する参考文献、及びDennis et al., J. Biol. Chem 277: 35035-42 (2002)も参照されたい。
非限定的な例として、本発明の化合物(配列番号30の2D3−17D12融合タンパク質等)の半減期を薬物動態学的研究によって求め、げっ歯類又は非ヒト霊長類のモデルで以下のように実施した。動物(n=2〜10)の群に、1mg/kg又は10mg/kgの2D3−17D12融合タンパク質を静脈内ボーラス注射する。血漿サンプルは、投薬後の異なる時点(例えば、投薬後1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、12時間後、24時間後、48時間後、144時間後、192時間後、240時間後、288時間後及び336時間後)に静脈より入手しELISAによって2D3−17D12融合タンパク質の存在を解析する。血漿濃度対時間は2コンパートメント排泄モデルに合わせる。クリアランス、V1、定常状態分布容積(steady state volume)(Vss)、T1/2、AUC、及び投与した実際の用量に対して補正したAUC(AUC/用量)という薬物動態パラメータは、各治療群に対して平均化する。群間差は分散分析によって求める。本明細書中で引用する参考文献、及びDennis et al., J. Biol. Chem 277: 35035-42 (2002)も参照されたい。
実施例で言及した配列について下記表2に列記する:
当業者は、本明細書中で記載する本発明の具体的な実施形態に対する多くの均等物を認識するか、又はごく日常的な実験法を用いて確認することが可能である。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。
本明細書中で開示したすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
Claims (157)
- 血清タンパク質と結合することができ、且つCDR配列から本質的に成る、アミノ酸配列。
- 血清タンパク質と結合することができ、且つCDR配列(特に単一CDR配列)を含むアミノ酸配列であって、前記アミノ酸配列が免疫グロブリンフォールドを含まず、及び/又は免疫グロブリンフォールド形成不可能である、アミノ酸配列。
- 前記CDR配列が血清タンパク質と結合することができる、請求項1又は2に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列が、血清タンパク質と結合することができる免疫グロブリン可変ドメインに由来し、及び/又は前記アミノ酸配列が、CDR配列を含む免疫グロブリン可変ドメインの断片から本質的に成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列が、免疫グロブリン可変ドメインのVHドメイン、VLドメイン、VHHドメイン又は抗原結合断片から成る群から選択される免疫グロブリン可変ドメインに由来し;及び/又はCDR配列を含む免疫グロブリン可変ドメインのVHドメイン、VLドメイン、VHHドメイン又は抗原結合断片の断片である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列が、ヒト可変ドメイン、(単一)ドメイン抗体、dAb又はナノボディ(登録商標)から成る群から選択される免疫グロブリン可変ドメインに由来し;及び/又はヒト可変ドメイン、(単一)ドメイン抗体、dAb又はナノボディ(登録商標)の断片である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列がCDR2配列である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列がCDR3配列である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列の長さが、3アミノ酸残基〜40アミノ酸残基、好ましくは5アミノ酸残基〜30アミノ酸残基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記アミノ酸配列が、血清タンパク質分子の半減期が(有意に)低減しないように、該血清タンパク質と結合する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記アミノ酸配列が、血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲンから成る群から選ばれる血清タンパク質;又は上記のいずれかの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記アミノ酸配列が、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記アミノ酸配列が、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- (ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない血清アルブミンのアミノ酸残基と結合可能である、請求項12又は13に記載のアミノ酸配列。
- (ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない血清アルブミンのアミノ酸残基と結合可能である、請求項12〜14のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 該CDR配列のいずれかの側に2つの隣接アミノ酸配列が隣接する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記2つの隣接アミノ酸配列の長さがそれぞれ、1アミノ酸残基〜30アミノ酸残基、好ましくは約5アミノ酸残基、10アミノ酸残基又は15アミノ酸残基等の2アミノ酸残基〜20アミノ酸残基である、請求項16に記載のアミノ酸配列。
- 前記2つの隣接アミノ酸配列が、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来し;及び/又は免疫グロブリンフレームワーク配列の断片である、請求項16又は17に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列が、免疫グロブリン可変ドメイン由来のCDR配列に由来し、且つ前記2つの隣接アミノ酸配列が、前記CDR配列の由来となる該免疫グロブリン可変ドメイン中で前記CDR配列に隣接する該フレームワーク配列に由来している免疫グロブリンフレームワーク配列;及び/又は前記CDR配列の由来となる該免疫グロブリン可変ドメイン中で前記CDR配列に隣接する前記フレームワーク配列の断片である、請求項18に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列がCDR2配列であり、且つ前記隣接配列が、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列に由来している免疫グロブリンフレームワーク配列;並びに/又はそれぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列の断片である、請求項19に記載のアミノ酸配列。
- 前記CDR配列がCDR3配列であり、且つ前記隣接配列が、それぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列に由来している免疫グロブリンフレームワーク配列;並びに/又はそれぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク3配列の断片である、請求項19に記載のアミノ酸配列。
- ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも2つのシステイン残基を含有する、請求項1〜21のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- CDR配列のいずれかの側に2つの隣接アミノ酸配列が隣接し、且つ各隣接アミノ酸配列が、ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも1つのシステイン残基を含有する、請求項22に記載のアミノ酸配列。
- 前記2つの隣接アミノ酸配列が、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来し、且つ前記ジスルフィド架橋形成可能な少なくとも2つのシステイン残基が、該免疫グロブリンフレームワーク配列中に元々存在するシステイン残基及び/又は前記免疫グロブリンフレームワーク配列中に導入されたシステイン残基のいずれかである、請求項22又は23に記載のアミノ酸配列。
- 少なくとも1つのジスルフィド架橋を含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 請求項1〜24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、化合物又は構築物。
- 請求項22〜24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、化合物又は構築物。
- 請求項25に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、化合物又は構築物。
- 請求項1〜24又は25のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列がそれぞれ、少なくとも1つの治療部と直接連結するか、又は少なくとも1つの治療部と1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結する、請求項27又は28に記載の化合物又は構築物。
- 少なくとも1つの治療部が、アミノ酸配列を含むか、又はアミノ酸配列から本質的に成る、請求項26〜29のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
- 少なくとも1つの治療部が、免疫グロブリン可変ドメイン若しくはその抗原結合断片等の免疫グロブリン配列若しくはその抗原結合断片;又はこれらを含むタンパク質若しくはポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項26〜30のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
- 前記治療部が、(単一)ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(登録商標)を含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項31に記載の化合物又は構築物。
- 請求項1〜24又は25のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列がそれぞれ、少なくとも1つの治療部と直接連結するか、又は少なくとも1つの治療部と1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結し、前記少なくともリンカー又はスペーサーが、アミノ酸配列を含むか、又はアミノ酸配列から本質的に成る、請求項29〜32のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
- 請求項1〜24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、前記少なくとも1つの治療部とを含む、(融合)タンパク質又は(融合)ポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項29〜33のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
- 請求項22〜24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、(融合)タンパク質若しくは(融合)ポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項35に記載の化合物又は構築物。
- 請求項25に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、(融合)タンパク質若しくは(融合)ポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項29〜33のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
- 請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項34若しくは35に記載の化合物若しくは構築物をコードする、ヌクレオチド配列又は核酸。
- 請求項22〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項35に記載の化合物若しくは構築物をコードする、ヌクレオチド配列又は核酸。
- 請求項37又は38に記載のヌクレオチド配列又は核酸を含有し、及び/又は請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項34若しくは35に記載の化合物若しくは構築物を発現する(又は発現可能である)、宿主又は宿主細胞。
- 請求項38に記載のヌクレオチド配列又は核酸を含有し、及び/又は請求項22〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項35に記載の化合物若しくは構築物を発現する(又は発現可能である)、宿主又は宿主細胞。
- 請求項25に記載のアミノ酸配列を製造する方法であって、請求項22〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列中にジスルフィド架橋を形成する工程を少なくとも含む、方法。
- 請求項28に記載の化合物又は構築物を製造する方法であって、請求項27に記載の化合物又は構築物において、請求項22〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列に対応する化合物又は構築物の部分に、ジスルフィド架橋を形成する工程を少なくともを含む、方法。
- 請求項36に記載の化合物又は構築物を製造する方法であって、請求項35に記載の化合物又は構築物において、請求項22〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列に対応する化合物又は構築物の部分に、ジスルフィド架橋を形成する工程を少なくともを含む、方法。
- 請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項34若しくは35に記載の化合物若しくは構築物を製造する方法であって、
a)請求項37又は38に記載のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)そのようにして発現させた、請求項1〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列又は請求項34若しくは35に記載の前記化合物若しくは前記構築物をそれぞれ単離する工程
をさらに含む、方法。 - 請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項34若しくは35に記載の化合物若しくは構築物を製造する方法であって、
a)請求項39又は40に記載の宿主又は宿主細胞が、請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項27に記載の化合物若しくは構築物を生産する条件下で、宿主又は宿主細胞を培養又は維持する工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)工程a)で得られた、請求項1〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列又は請求項34若しくは35に記載の前記化合物若しくは前記構築物をそれぞれ単離する工程
をさらに含む、方法。 - 請求項25に記載のアミノ酸配列又は請求項36に記載の化合物若しくは構築物を製造する方法であって、
a)請求項38に記載のヌクレオチド配列を発現させる工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)そのようにして発現させた、請求項22〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列又は請求項35に記載の前記化合物若しくは前記構築物をそれぞれ単離する工程と、
c)請求項22〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列又は請求項35に記載の前記化合物若しくは前記構築物において、請求項22〜24のいずれか一項に記載の該アミノ酸配列に対応する該化合物又は該構築物の部分に、ジスルフィド架橋を形成する工程と、
をさらに含む、方法。 - 請求項25に記載のアミノ酸配列又は請求項36に記載の化合物若しくは構築物を製造する方法であって、
a)請求項40に記載の宿主又は宿主細胞が、請求項22〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項35に記載の化合物若しくは構築物をそれぞれ生産する条件下で、該宿主又は該宿主細胞を培養又は維持する工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)そのようにして生産した、請求項22〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列又は請求項35に記載の前記化合物若しくは前記構築物をそれぞれ単離する工程と、
c)請求項22〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列又は請求項35に記載の前記化合物若しくは前記構築物において、請求項22〜24のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列に対応する前記化合物若しくは前記構築物の部分に、ジスルフィド架橋を形成する工程
をさらに含む、方法。 - 請求項41〜47のいずれか一項に記載の方法によって得られる、アミノ酸配列、化合物又は構築物。
- 請求項1〜25若しくは48のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列、請求項26〜36若しくは48のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物若しくは構築物、及び/又は請求項37若しくは38に記載のヌクレオチド配列、並びに任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物。
- 請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を生成する方法であって、
a)(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある、アミノ酸配列のセット、コレクション若しくはライブラリを準備する工程と、
b)前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリから、血清タンパク質又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をスクリーニングする工程と、
c)前記血清タンパク質若しくは前記その少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列(複数可)を単離する工程と、
を少なくとも含む、方法。 - 工程b)において、前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリから、血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンから成る群から選ばれる血清タンパク質と結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列;及び/又は血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をスクリーニングする、請求項50に記載の方法。
- 工程b)において、前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリから、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をスクリーニングする、請求項51に記載の方法。
- 工程b)において、前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリから、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をスクリーニングする、請求項52に記載の方法。
- 工程b)において、前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリから、(ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない(ヒト)血清アルブミンの一部、断片、エピトープ又はドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する1つ又は複数のアミノ酸配列をスクリーニングする、請求項53に記載の方法。
- 工程b)において、前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリから、(ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない(ヒト)血清アルブミンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ又はドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をスクリーニングする、請求項53又は54に記載の方法。
- 工程b)の間、アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリが、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物上にディスプレーされる、請求項50〜55のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリが、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR配列;及び/又は両側にフレームワーク配列若しくはフレームワーク配列の断片が隣接するCDR配列を含む免疫グロブリン配列の断片から本質的に成るアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを含む、請求項50〜56のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリが、CDR配列の由来となる免疫グロブリン可変ドメインにおいて、前記CDR配列に隣接するフレームワーク配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR配列を含むか、又はこれから本質的に成るアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを含む、請求項57に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリが、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR2配列を含むか、又はこれらから本質的に成るアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを含む、請求項58に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリが、それぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR3配列を含むか、又はこれらから本質的に成るアミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリを含む、請求項58に記載の方法。
- 任意で1つ又は2つのシステイン残基を導入すること(すなわち、付加、挿入又は置換による)をさらに含み、得られるアミノ酸配列中の各フレームワーク配列が少なくとも1つのシステイン残基を含有する、請求項57〜60のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリが、
a)免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)前記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅する工程であって、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする断片を増幅する工程と、
c)(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションを提供するために、工程b)で得られた増幅断片を発現させる工程と、
を少なくとも含む方法によって得られたものである、請求項50〜61のいずれか一項に記載の方法。 - 工程a)で使用する前記免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、免疫性のセット、コレクション又はライブラリである、請求項62に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、前記血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)哺乳動物から得られた免疫性のセット、コレクション又はライブラリである、請求項63に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、前記血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)ラクダ科動物から得られた重鎖抗体又はVHH配列をコードするヌクレオチド配列の免疫性のセット、コレクション又はライブラリである、請求項64に記載の方法。
- 前記部位特異的プライマーが、前記CDR配列に隣接するフレームワーク配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能である、請求項62〜65のいずれか一項に記載の方法。
- 工程b)において、前記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅し、(i)CDR2配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR2配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR2配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある、アミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする断片を増幅する、請求項62〜66のいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的プライマーが、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれらと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能である、請求項66又は67に記載の方法。
- 工程b)において、前記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅し、(i)CDR3配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR3配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR3配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある、アミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする断片を増幅する、請求項62〜68のいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的プライマーが、それぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれらと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能である、請求項68又は69に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記アミノ酸配列のセット、コレクション又はライブラリが、親和性成熟工程を少なくとも含む方法によって得られたものである、請求項50〜61のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を生成する方法であって、
a)免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)前記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリから、血清タンパク質若しくはその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列をスクリーニングする工程と、
c)工程b)の間に同定される、血清タンパク質若しくはその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する少なくとも1つの免疫グロブリン配列の該ヌクレオチド配列及び/又は該アミノ酸配列を決定し;及び/又はそれらのCDR配列及び/又はCDR配列を含むそれらの断片の該ヌクレオチド配列及び/又は該アミノ酸配列を決定する工程と、
d)自体公知の任意の好適な技法を用いて、(i)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有する免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある、請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を製造する工程と、
を少なくとも含む、方法。 - 工程b)において、前記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリから、血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンから成る群から選ばれる血清タンパク質と結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列;及び/又は血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列をスクリーニングする、請求項62に記載の方法。
- 工程b)において、前記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリから、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列をスクリーニングする、請求項63に記載の方法。
- 工程b)において、前記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリから、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列をスクリーニングする、請求項74に記載の方法。
- 工程b)において、前記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリから、(ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない(ヒト)血清アルブミンの部分、断片、エピトープ又はドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する、1つ又は複数の免疫グロブリン配列をスクリーニングする、請求項75に記載の方法。
- 工程b)において、前記免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリから、(ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない(ヒト)血清アルブミンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ又はドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列をスクリーニングする、請求項75又は76に記載の方法。
- 工程b)の間、免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリが、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物上にディスプレーされる、請求項72〜77のいずれか一項に記載の方法。
- 免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリが、未感作(naive)の免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリである、請求項72〜78のいずれか一項に記載の方法。
- 免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリが、合成又は半合成の免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリである、請求項72〜78のいずれか一項に記載の方法。
- 免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリが、親和性成熟させた免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリである、請求項72〜78のいずれか一項に記載の方法。
- 免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリが、免疫性の免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリである、請求項72〜78のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)で使用する免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)哺乳動物から得られた免疫性のセット、コレクション又はライブラリである、請求項82に記載の方法。
- 工程a)で使用する免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリが、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)ラクダ科動物から得られた重鎖抗体又はVHH配列の免疫性のセット、コレクション又はライブラリである、請求項83に記載の方法。
- 免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリが、重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインに由来するCDR配列のセット、コレクション又はライブラリである、請求項72〜83のいずれか一項に記載の方法。
- 免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリが、ドメイン抗体又は単一ドメイン抗体として作用可能なドメイン抗体、単一ドメイン抗体又は免疫グロブリン配列のセット、コレクション又はライブラリである、請求項85に記載の方法。
- 前記CDR配列がCDR2配列である、請求項72又は86に記載の方法。
- 前記CDR配列がCDR3配列である、請求項72又は86に記載の方法。
- 請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を生成する方法であって、
a)免疫グロブリン配列を発現するラクダ科動物に由来する細胞のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)前記細胞のセット、コレクション又はライブラリから、(i)血清タンパク質若しくはその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する免疫グロブリン配列を発現する細胞;及び(ii)重鎖抗体を発現する細胞をスクリーニングする工程であって;サブ工程(i)及びサブ工程(ii)を、本質的に、単一のスクリーニング工程として、又は任意の好適な順序で2つの別個のスクリーニング工程として実施することができ、血清タンパク質の少なくとも1つのドメイン又はエピトープと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する重鎖抗体を発現する少なくとも1つの細胞を提供する、スクリーニングする工程と、
c)血清タンパク質若しくはその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有する工程b)で提供された細胞によって発現された少なくとも1つの重鎖抗体のヌクレオチド配列及び/又はアミノ酸配列を決定し;及び/又はそれらのCDR配列及び/又はCDR配列を含むそれらの断片のヌクレオチド配列及び/又はアミノ酸配列を決定する工程と、
d)自体公知の任意の好適な技法を用いて、(i)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有する免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)工程c)で決定したアミノ酸配列を有するCDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を製造する工程と、
を少なくとも含む、方法。 - 細胞のコレクション又はサンプルが、B細胞のコレクション又はサンプルである、請求項89に記載の方法。
- 細胞のコレクション又はサンプルを、所望のドメイン又はエピトープ(複数可)に対する免疫応答を惹起する、血清タンパク質の所望のドメイン又はエピトープ(複数可)を含む抗原で好適に免疫感作したラクダ科動物より得る、請求項89又は90に記載の方法。
- 工程b)のスクリーニングをFACS等のフローサイトメトリー技術を用いて実施する、請求項89〜91のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜24のいずれか一項に記載のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を生成する方法であって、
a)(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)該セット、コレクション又はライブラリから、血清タンパク質若しくはその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列をスクリーニングする工程と、
c)血清タンパク質若しくはその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列(複数可)をコードするヌクレオチド配列(複数可)を単離する工程と、
を少なくとも含む、方法。 - 工程b)において、前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリから、血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンから成る群から選ばれる血清タンパク質と結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列;及び/又は血清アルブミン、IgG等の血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン若しくはフィブリノーゲンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列をスクリーニングする、請求項93に記載の方法。
- 工程b)において、前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリから、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列をスクリーニングする、請求項94に記載の方法。
- 工程b)において、前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリから、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列をスクリーニングする、請求項95に記載の方法。
- 工程b)において、前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリから、(ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない(ヒト)血清アルブミンの部分、断片、エピトープ又はドメインと結合することができ、及び/又はこれと親和性を有するアミノ酸配列コードする1つ又は複数のヌクレオチド配列をスクリーニングする、請求項96に記載の方法。
- 工程b)において、前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリから、(ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない(ヒト)血清アルブミンの少なくとも1つの部分、断片、エピトープ又はドメインと結合することができ、及び/又はこれらに対して親和性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列をスクリーニングする、請求項96又は97に記載の方法。
- 工程b)の間、前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを、ファージ、ファージミド、リボソーム又は好適な微生物上にアミノ酸配列としてディスプレーされる、請求項93〜98のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR配列;及び/又は両側にフレームワーク配列又はフレームワーク配列の断片が隣接するCDR配列を含む免疫グロブリン配列の断片から本質的に成るアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを含む、請求項93〜99のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、CDR配列の由来となる免疫グロブリン可変ドメインにおいて、前記CDR配列に隣接する前記フレームワーク配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR配列を含むか、又はこれから本質的に成るアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを含む、請求項100に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR2配列を含むか、又はこれらから本質的に成るアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを含む、請求項101に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、それぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列に由来している2つの隣接アミノ酸配列が隣接するCDR3配列を含むか、又はこれらから本質的に成るアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを含む、請求項102に記載の方法。
- 任意で、1つ又は2つのシステイン残基をコードするコドンを導入すること(すなわち、1つ又は複数のヌクレオチドの付加、挿入又は置換による)をさらに含み、このようにして得られたヌクレオチド配列がコードする前記アミノ酸配列中の各フレームワーク配列が、少なくとも1つのシステイン残基を含有する、請求項100〜103のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、
a)免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)前記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅する工程であって、(i)CDR配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもあるアミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする断片を増幅する工程と、
を少なくとも含む方法によって得られたものである、請求項93〜104のいずれか一項に記載の方法。 - 工程a)で使用する前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、免疫性のセット、コレクション又はライブラリである、請求項105に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)哺乳動物から得られた免疫性のセット、コレクション又はライブラリである、請求項105に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記免疫グロブリン配列をコードするヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、血清タンパク質で好適に免疫感作した(すなわち、該血清タンパク質に対する免疫応答を惹起するようにした)ラクダ科動物から得られた重鎖抗体又はVHH配列をコードするヌクレオチド配列の免疫性のセット、コレクション又はライブラリである、請求項107に記載の方法。
- 前記部位特異的プライマーが、前記CDR配列に隣接するフレームワーク配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能である、請求項105〜108のいずれか一項に記載の方法。
- 工程b)において、前記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅し、(i)CDR2配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR2配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR2配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある、アミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする断片を増幅する、請求項105〜108のいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的プライマーが、それぞれフレームワーク2配列及びフレームワーク3配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異的であり、及び/又はこれらと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能である、請求項109又は110に記載の方法。
- 工程b)において、前記ヌクレオチド配列を、部位特異的プライマーの組合せを用いて増幅し、(i)CDR3配列から本質的に成り;及び/又は(ii)CDR3配列を含む免疫グロブリンの断片を含み;及び/又は(iii)CDR3配列を含むが、免疫グロブリンフォールドを含まず、且つ免疫グロブリンフォールド形成不可能でもある、アミノ酸配列のセット、ライブラリ又はコレクションをコードする断片を増幅する、請求項105〜108のいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的プライマーが、それぞれフレームワーク3配列及びフレームワーク4配列をコードするヌクレオチド配列に対して特異性があり、及び/又はこれらと(増幅に使用する条件下で)ハイブリダイズ可能である、請求項111又は112に記載の方法。
- 工程a)で使用する前記ヌクレオチド配列のセット、コレクション又はライブラリが、親和性成熟工程を少なくとも含む方法によって得られたアミノ酸配列をコードする、請求項50〜61のいずれか一項に記載の方法。
- このようにして得られたヌクレオチド配列を発現させる工程をさらに含む、請求項93〜114のいずれか一項に記載の方法。
- このようにして得られたヌクレオチド配列の1つ又は複数を、相互に連結する工程、及び/又はアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成る治療部をコードする1つ又は複数のヌクレオチド配列と、任意で1つ又は複数のリンカーをコードする1つ又は複数のヌクレオチド配列を介して連結する工程であって、請求項38又は39に記載のヌクレオチド配列を提供する、連結する工程(複数可)をさらに含む、請求項93〜114のいずれか一項に記載の方法。
- 血清タンパク質と結合することができ、且つ少なくとも1つのジスルフィド架橋を含む、アミノ酸配列。
- アミノ酸配列の長さが、90アミノ酸残基未満、好ましくは約40アミノ酸残基、30アミノ酸残基又は20アミノ酸残基等の50アミノ酸残基未満である、請求項117に記載のアミノ酸配列。
- アミノ酸配列が、2つの隣接アミノ酸配列が隣接する、血清タンパク質と結合することができるペプチド配列を含むか、又はこれから本質的に成り、各隣接アミノ酸配列が、ジスルフィド架橋の部分を形成するシステイン残基を含有する、請求項117又は118に記載のアミノ酸配列。
- 前記ペプチド配列の長さが、3アミノ酸残基〜30アミノ酸残基、好ましくは5アミノ酸残基〜25アミノ酸残基である、請求項119に記載のアミノ酸配列。
- 前記2つの隣接アミノ酸配列の長さがそれぞれ、1アミノ酸残基〜30アミノ酸残基、好ましくは約5アミノ酸残基、10アミノ酸残基又は15アミノ酸残基等の2アミノ酸残基〜20アミノ酸残基である、請求項119又は120に記載のアミノ酸配列。
- 前記2つの隣接アミノ酸配列が、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来し、及び/又は免疫グロブリンフレームワーク配列の断片である、請求項119〜121のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記2つの隣接アミノ酸配列が、免疫グロブリンフレームワーク配列に由来し、且つ前記ジスルフィド架橋の部分を形成する各隣接アミノ酸配列中のシステイン残基が、前記免疫グロブリンフレームワーク配列中(又は前記その断片中)に元々存在するシステイン残基、及び/又は前記免疫グロブリンフレームワーク配列中(又はその断片中)に導入されたシステイン残基のいずれかである、請求項122に記載のアミノ酸配列。
- 前記ペプチド配列が合成ペプチド配列である、請求項119〜123のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記ペプチド配列が、親和性成熟技法を用いて生成した配列である、請求項119〜124のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記ペプチド配列が、CDR配列から本質的に成る、請求項119〜123のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記ペプチド配列が、血清タンパク質と結合することができるVH配列、VL配列又はVHH配列に由来しているCDR配列から本質的に成る、請求項126に記載のアミノ酸配列。
- 前記ペプチド配列が、(単一)ドメイン抗体、dAb若しくはナノボディ(登録商標)又はそれらの断片に由来しているCDR配列から本質的に成る、請求項126又は127に記載のアミノ酸配列。
- 前記ペプチド配列がCDR2配列から本質的に成る、請求項126〜128のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記2つの隣接アミノ酸配列のうち一方が、フレームワーク2配列及び/又はフレームワーク2配列の断片に由来し、且つ他の隣接アミノ酸配列が、フレームワーク3配列に由来し、及び/又はフレームワーク3配列の断片である、請求項129に記載のアミノ酸配列。
- 前記ペプチド配列が、CDR3配列から本質的に成る、請求項126〜128のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 前記2つの隣接アミノ酸配列のうち一方が、フレームワーク3配列及び/又はフレームワーク3配列の断片に由来し、且つ他の隣接アミノ酸配列が、フレームワーク4配列に由来し、及び/又はフレームワーク4配列の断片である、請求項130に記載のアミノ酸配列。
- 血清タンパク質分子の半減期を(有意に)低減させずに、該血清タンパク質と結合することができる、請求項117〜132のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 血清アルブミン、血清免疫グロブリン、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン又はそれらの断片から成る群から選ばれる血清タンパク質と結合することができる、請求項117〜133のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 血清アルブミン又はその断片と結合することができる、請求項117〜134のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- ヒト血清アルブミン又はその断片と結合することができる、請求項135に記載のアミノ酸配列。
- 血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない(ヒト)血清アルブミンのアミノ酸残基と結合可能である、請求項136に記載のアミノ酸配列。
- 血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない(ヒト)血清アルブミンのアミノ酸残基と結合可能である、請求項134〜137のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
- 請求項117〜138のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを含む、化合物又は構築物。
- 請求項117〜138のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列が、少なくとも1つの治療部と直接連結するか、又は少なくとも1つの治療部と1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結する、請求項139に記載の化合物又は構築物。
- 少なくとも1つの治療部が、アミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成る、請求項139又は140に記載の化合物又は構築物。
- 少なくとも1つの治療部が、免疫グロブリン可変ドメイン若しくはその抗原結合断片等の免疫グロブリン配列若しくはその抗原結合断片;又はこれらを含むタンパク質若しくはポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項139〜141のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
- 前記治療部が、(単一)ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(登録商標)を含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項142に記載の化合物又は構築物。
- 請求項117〜138のいずれか一項に記載の前記少なくとも1つのアミノ酸配列が、少なくとも1つの治療部と直接連結するか、又は該少なくとも1つの治療部と1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結し、前記少なくともリンカー又はスペーサーが、アミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的に成る、請求項141〜143のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
- 請求項117〜138のいずれか一項に記載の前記少なくとも1つのアミノ酸配列と、前記少なくとも1つの治療部とを含む、(融合)タンパク質若しくは(融合)ポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項139〜145のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
- 請求項119〜138のいずれか一項に記載の前記少なくとも1つのアミノ酸配列と、前記少なくとも1つの治療部とを含む、(融合)タンパク質若しくは(融合)ポリペプチドを含むか、又はこれらから本質的に成る、請求項145に記載の化合物又は構築物。
- 請求項117〜138のいずれか一項に記載の前記アミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列をコードするか、又は請求項145若しくは146に記載の化合物又は構築物と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列をコードする、ヌクレオチド配列又は核酸。
- 請求項147に記載のヌクレオチド配列又は核酸を含有し、及び/又は請求項117〜138のいずれか一項に記載のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列、又は請求項145若しくは146に記載の化合物若しくは構築物と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列を発現する(又は発現可能である)、宿主又は宿主細胞。
- 請求項117〜138のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項145若しくは146に記載の化合物若しくは構築物を製造する方法であって、
a)請求項117〜138のいずれか一項に記載のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列、又は請求項145若しくは146に記載の化合物若しくは構築物をそれぞれ準備する工程と、
b)請求項117〜138のいずれか一項に記載のアミノ酸配列、又は請求項145若しくは146に記載の化合物若しくは構築物をそれぞれ提供するための、前記アミノ酸配列中にジスルフィド架橋を形成する工程と、
を少なくとも含む、方法。 - 請求項117〜138のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項145若しくは146に記載の化合物若しくは構築物を製造する方法であって、
a)請求項117〜138のいずれか一項に記載のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列、又は請求項145若しくは146に記載のアミノ酸配列と同一の一次アミノ酸配列を有するアミノ酸配列をそれぞれ提供するための、請求項147に記載のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程
を少なくとも含み、且つ任意で
b)工程b)で得られたアミノ酸配列を単離する工程と、
c)工程a)で得られたアミノ酸配列中にジスルフィド架橋を形成する工程、又は、工程b)を実施する場合、工程b)で得られた前記アミノ酸配列において、請求項117〜138のいずれか一項に記載のアミノ酸配列又は請求項145若しくは146に記載の化合物若しくは構築物をそれぞれ提供する工程と、
をさらに含む、方法。 - 請求項41〜47のいずれか一項に記載の方法によって得られる、アミノ酸配列、化合物又は構築物。
- 請求項117〜138若しくは151のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列、請求項139〜146若しくは151のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物若しくは構築物、及び/又は請求項147に記載のヌクレオチド配列、並びに任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤若しくは賦形剤を含む、医薬組成物。
- 請求項26〜36のいずれか一項に記載の化合物又は構築物を製造する方法であって、請求項1〜25又は48のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを、任意で1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結する工程を少なくとも含む、方法。
- 請求項26〜36のいずれか一項に記載の化合物又は構築物を製造する方法であって、請求項25に記載のアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを、任意で1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結する工程を少なくとも含む、方法。
- 請求項139〜146又は151のいずれか一項に記載の化合物又は構築物を製造する方法であって、請求項117〜138のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも1つの治療部とを、任意で1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して連結する工程を少なくとも含む、方法。
- 請求項153〜155のいずれか一項に記載の方法によって得られる、化合物又は構築物。
- 請求項156に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列と、任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
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