JP2020521804A - Mmp13結合免疫グロブリン - Google Patents

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Abstract

本発明は、MMP13に特異的に結合する免疫グロブリン、より特にはポリペプチド、かかるポリペプチドをコードする核酸に;かかるポリペプチドを調製する方法に;予防、治療または診断目的のための、かかるポリペプチドを含む組成物、特に医薬組成物に、関する。特に、本発明の免疫グロブリンはMMP13の活性を阻害し、好ましくはまた安定である。

Description

1.発明の分野
本発明は、MMP13に結合する免疫グロブリンに、より特に、1つ以上のかかる免疫グロブリンを含むかまたは本質的にそれからなるポリペプチド(本明細書ではそれぞれ、「本発明の免疫グロブリン」および「本発明のポリペプチド」とも呼ばれる)に関する。本発明はまた、かかる免疫グロブリンまたはポリペプチドを含む構築物、ならびにかかる免疫グロブリンまたはポリペプチドをコードする核酸(本明細書では「本発明の核酸」とも呼ばれる)に;かかる免疫グロブリン、ポリペプチドおよび構築物を調製する方法に;かかる免疫グロブリンまたはポリペプチドを発現するかまたは発現可能な宿主細胞に;かかる免疫グロブリン、ポリペプチド、構築物、核酸および/または宿主細胞を含む組成物、および特に医薬組成物に;特に、本明細書に記載の予防および/または治療目的などの予防および/または治療目的のための、免疫グロブリン、ポリペプチド、構築物、核酸、宿主細胞および/または組成物の使用に、関する。本発明の他の側面、態様、利点および用途は、本明細書のさらなる説明から明らかになるであろう。
2.発明の背景
変形性関節症(OA)は、世界中に及ぶ廃疾の最も一般的な原因の1つである。3,000万人のアメリカ人がこれに罹患しており、最も一般的な関節障害である。米国人口の20%以上が、2025年までにこれに罹患すると予測されている。この疾患は全身性ではなく、通常は少数の関節に限定されている。しかし、この疾患はすべての関節で、ほとんどの場合は膝、股関節、手、および脊椎で発生する。OAは、慢性的な痛みと障害をもたらす関節軟骨(骨を覆う軟骨)の進行性の侵食によって特徴付けられる。最終的にこの疾患は、関節軟骨の完全な破壊、その下にある骨の硬化、骨棘形成などにつながり、すべて運動の喪失と痛みにつながる。痛みはOAの最も顕著な症状であり、多くの場合、患者が医療的援助を求める理由となる。OAに治療法はなく;疾患管理はせいぜい緩和的な処置に限られ、疾患の進行の根本的な原因にはほとんど対処できない。
構造的疾患の進行を阻害し、理想的には症状および/または機能も改善する薬剤として定義できる疾患修飾性抗変形性関節症薬(DMOAD)が、強く求められている。DMOADは、高齢人口のこの慢性疾患において長期間にわたって処方される可能性が高いため、複数の併存疾患および薬物間相互作用の可能性がある標的集団において、優れた安全性データが要求される。
変形性関節症は、関節症状、関節軟骨の欠損に起因する徴候、ならびに骨、腱、および筋肉などを含む隣接組織における変化の組み合わせを特徴とする、多様な状態群として定義できる。関節軟骨の最も豊富な成分は、プロテオグリカンおよびコラーゲン(主にコラーゲンII)である。軟骨の主なプロテオグリカンはアグリカンである。疾患の開始は多因子性であり得るが、軟骨の破壊は、制御されないタンパク質分解性の細胞外マトリックス破壊(ECM)の結果であると考えられる。
上記のように、軟骨細胞外マトリックスの主要成分はアグリカンである(Kiani et al。2002 Cell Research 12:19-32)。この分子は、軟骨に耐荷重性を与える水和ゲル構造を提供することにより、関節軟骨の適切な機能において重要である。アグリカンは、軟骨細胞によって発現される大きなマルチモジュラー分子(2317アミノ酸)である。そのコアタンパク質は、3つの球状ドメイン(G1、G2、およびG3)および、グリコサミノグリカン鎖の結合のためのG2とG3の間の大きな拡張領域で構成されている。この拡張領域は、2つのドメイン、すなわちケラタン硫酸鎖で置換されたドメイン(KSドメイン)とコンドロイチン硫酸鎖で置換されたドメイン(CSドメイン)で構成されている。CSドメインには、100〜150のグリコサミノグリカン(GAG)鎖が結合している。アグリカンはヒアルロナンと大きな複合体を形成し、ここでは50〜100のアグリカン分子が、G1ドメインおよびリンクタンパク質を介して1つのヒアルロナン分子と相互作用する。水を吸収すると(GAG含有量により)、これらの複合体は圧縮に抵抗する可逆的に変形可能なゲルを形成する。関節軟骨の構造、体液貯留および機能は、アグリカンのマトリックス含有量、および無傷のコアタンパク質に結合したコンドロイチン硫酸の量に関連している。
II型コラーゲン(コラーゲンII、Col II)は関節軟骨の50%を構成する。コラーゲン原線維はネットワークを形成し、軟骨がプロテオグリカンを取り込むことを可能にし、組織に強度を提供する。コラーゲンは、三重の平行な左利きポリプロリンII型(PPII)らせんの、右利きの束で構成される構造タンパク質である。三重らせん内のPPIIらせんの密なパッキングのため、アミノ酸である3番目ごとの残基は、Gly(グリシン)である。グリシンは側鎖を持たない最小のアミノ酸であるため、繊維状構造タンパク質において独自の役割を果たす。コラーゲンでは、3番目ごとの位置においてGlyが必要とされるが、その理由は、三重らせんのアセンブリがこの残基をらせんの内部(軸)に配置するため、ここにはグリシンの単一の水素原子よりも大きい側基のためのスペースがないからである。
OAの特徴は、1)アグリカンの分解、ドメインG3およびG2の漸進的な放出(結果として軟骨の「収縮」)、および最終的にG1ドメインの放出、ならびに2)コラーゲンの分解、軟骨構造を不可逆的に破壊することである。
マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)がOAに関連する組織破壊に大きな役割を果たすことを実証する、説得力のある証拠が存在する。MMPは、細胞外マトリックスの分解および組織のリモデリングに関与する亜鉛依存性エンドペプチダーゼのファミリーである。約28のMMPファミリーメンバーがあり、これらは、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、ストロメリシン、膜型MMP、マトリリシン、エナメリシンなどを含む様々なサブグループに分類できる。MMP1、MMP8、MMP13、およびMMP18を含むコラゲナーゼは、三重らせん原線維コラーゲンを、特徴的な3/4および1/4断片に分解することできる。さらにMMP14はまた、原線維コラーゲンを切断することも示されており、MMP2もコラーゲン分解が可能であるという証拠がある。MMPは長い間、OAの処置のための魅力的な治療標的として考えられてきた。しかし、関節炎の処置用に開発された広域スペクトルMMP阻害剤は、筋骨格症候群(MSS)と呼ばれる痛みを伴う関節硬化の副作用のために、臨床試験で失敗した。MSSは、複数のMMPの非選択的阻害によって引き起こされると考えられている。
Nam et al. (2017 Proc Natl Acad Sci USA 113:14970‐14975)は、MMP14の活性部位に特異的に向けられていることが明らかなナノボディについて記載している。
OAにおける治療的介入は、薬物を関節軟骨へ標的化する困難さによっても妨げられている。関節軟骨は無血管および無リンパ組織であるため、従来の薬物送達経路(経口、静脈内、筋肉内)は、薬物の、受動拡散による滑膜毛細血管から軟骨への経滑膜移行に最終的に依存している。したがって、薬物を軟骨に選択的に標的化するメカニズムが存在しない場合、身体を全身的に高薬物濃度に曝露して、持続的な関節内治療用量を達成する必要がある。高い全身暴露の結果として、OAの従来の治療法のほとんどは、深刻な毒性に悩まされてきた。
さらに、新しく開発されたDMOADのほとんどは、関節内に投与された場合でも、関節内での滞留時間が短い(Edwards 2011 Vet. J. 190:15-21; Larsen et al. 2008 J Pham Sci 97:4622-4654)。治療用タンパク質の関節内(IA)送達は、関節空間からの急速なクリアランスおよび軟骨内での保持不足により制限されている。関節における薬物の滑膜滞留時間は、多くの場合24時間未満である。ほとんどのIA注射された薬物の急速なクリアランスのため、有効な濃度を維持するには頻繁な注射が必要となる(Owen et al., 1994 Br J Clin Pharmacol 38:349-355)。しかし、頻繁なIA注射は、痛みや不快感のために患者のコンプライアンスが問題となる可能性があり、また関節に感染症を引き起こすリスクがあるため、望ましくない。
効果的なDMOADの必要性が残されている。
3.発明の概要
本発明は、他の有利な特性に加えて、従来技術のアミノ酸配列および抗体と比較した場合に、改善された予防的、治療的および/または薬理学的特性(例えば、改善された調製の容易さ、良好な安定性、および/または商品のコスト削減)を有する、OAに対するポリペプチドを提供することを目的とする。特に本発明は、MMPを阻害し、特にMMP13を阻害するための、免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)およびこれを含むポリペプチドを提供することを目的とする。
本発明者らは、MMP13の酵素活性を阻害するための最良の領域は、ISVDを触媒ポケットに対して高めることであろうと仮定した。しかし、これは大きな課題であることが判明した。特に、MMP13は不活性なプロ形態(proMMP13)として分泌され、ここでプロドメインは触媒ポケットをマスクするため、免疫応答を高めるためにポケットにアクセスすることができない。一方、活性化されたMMP13は半減期が短く、これは主に自己タンパク質分解によるものである。さらに、本発明者らが以前の2つの問題を克服した後でも、様々の種の間での触媒ドメインの高い配列保存が、強固な免疫応答に先行することが判明した。
最終的に本発明者らは、新しいツールおよび慣例にないスクリーニング方法のオリジナルな開発により、これらの課題に対処することができた。
様々なスクリーニングキャンペーンからISVDを分離し、さらに、安定性、親和性および阻害活性を含む多様で好ましい特徴を有してさらに操作した。MMP13に結合する本発明の一価ISVDは、比較薬よりも優れていた。MMP13の活性を阻害するのにあまり適さないISVDを含む二重パラトピックポリペプチドは、さらに強力であった。
したがって本発明は、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に結合し、好ましくはマトリックスメタロプロテイナーゼMMP13に結合する少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドに関する。本発明はまた、それぞれ個別にMMP13に特異的に結合する2つ以上のISVDを含む、ポリペプチドも含み、ここで
a)少なくとも「第1」ISVDは、MMP13の第1の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニット、または立体構造に特異的に結合し;およびここで、
b)少なくとも「第2」ISVDは、第1の抗原決定基エピトープ、部分、ドメイン、サブユニットまたは立体構造とはそれぞれ異なる、MMP13の第2の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニットまたは立体構造に、特異的に結合する。
さらに提供されるのは、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に結合する単一可変ドメイン(ISVD)、および、軟骨プロテオグリカン、好ましくはアグリカンに結合するさらなる単一可変ドメイン(ISVD)を含む、本発明のポリペプチドである。
さらなる側面は、医薬として使用するための、本発明によるポリペプチドに関する。さらに別の側面は、例えばMMP13活性が関与する、個体の疾患または障害を処置し予防する方法に関し、この方法は、本発明のポリペプチドを、前記疾患または障害の症状を処置または予防するのに有効な量で、前記個体に投与することを含む。
ポリペプチドおよび組成物の他の側面、利点、用途および使用は、本明細書のさらなる開示から明らかになるであろう。本明細書の本文にわたりいくつかの文書が引用されている。ここに引用された各文書(すべての特許、特許出願、科学刊行物、製造業者の仕様書、説明書などを含む)は、上記であっても下記であっても、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書のすべては、本発明が先行発明によってかかる開示に先行する権利を与えられない、ということの承認として解釈されるべきではない。
4.図の凡例
図1は、蛍光発生コラーゲンアッセイにおけるプロファイル1ナノボディ(左のグラフ)およびプロファイル2ナノボディ(右のグラフ)の用量反応曲線を示す図である。 図2は、MMP13リードナノボディの選択性を示す図である。 図3は、マウス抗ヒトMMP13 mAb(R&D Systems #MAB511)で被覆された、ヒト全長MMP13上のプロファイル1およびプロファイル2ナノボディのパネルに対する、0.6nMのビオチン化40E09の競合ELISAを示す図である。MMP13は、APMAとのインキュベーションにより、37℃で90分間活性化された。 図4は、ラットMMTモデルにおける、軟骨分解のナノボディによる阻害を示す図である。
5.詳細な説明
安全で効果的なOA医薬品の必要性が残されている。これらの医薬は、特に広く適用可能なフォーマットが意図される場合、様々な頻繁に対立する要件に適合する必要がある。そのためこのフォーマットは、好ましくは広範囲の患者に有用であるべきである。フォーマットは好ましくは安全であり、頻繁なIA投与による感染を誘発しない。さらに、フォーマットは患者に優しいものであることが望ましい。例えば、このフォーマットは、投与の際にすぐに除去されないように、関節において延長された半減期を有するべきである。しかし、半減期を延長しても、好ましくは標的外の活性や副作用が生じたり、有効性が制限されるべきではない。
本発明は、これらの要件の少なくとも1つを実現する。
従来にはないスクリーニング、特性評価、および組み合わせ戦略に基づいて、本発明者らは驚くべきことに、免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)が、in vitroおよびin vivo実験で非常に良好に機能することを観察した。
さらに本発明者らは、ISVDを再操作して、比較薬より優れた性能を発揮させることができた。二重パラトピック方式では、この性能が保持されただけでなく、改善までされた。
一方、本発明のISVDは、比較分子よりも有意に効果的であることも実証された。
本発明は、MMP、特にMMP13に拮抗するポリペプチドであって、比較分子と比較して、より安全なプロファイルを含む改善された予防的、治療的および/または薬理学的特性を有する前記ポリペプチドを提供する。
したがって本発明は、(本明細書で定義されるように)MMPに向けられるおよび/または特異的に結合し得る、ISVDおよびポリペプチドに関し、好ましくは、前記MMPは、MMP13(コラゲナーゼ)、MMP8(コラゲナーゼ)、MMP1(コラゲナーゼ)、MMP19(マトリックスメタロプロテイナーゼRASI)およびMMP20(エナメリシン)からなる群から選択され、好ましくは前記MMPはMMP13であり、およびその活性を調節し、特に、MMP13に特異的に結合する少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドに関し、ここでMMP13への結合は、MMP13の活性を調節する。
定義
別に示されているか定義されていない限り、使用されるすべての用語は、当業者には明白であろうこの分野でのそれらの通常の意味を有する。例えば、次のような標準的なハンドブックが参照される:Sambrook et al. (Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Ed.) Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)、F. Ausubel et al. (Current protocols in molecular biology, Green Publishing and Wiley Interscience, New York, 1987)、Lewin (Genes II, John Wiley & Sons, New York, N.Y., 1985)、Old et al. (Principles of Gene Manipulation: An Introduction to Genetic Engineering (2nd edition) University of California Press, Berkeley, CA, 1981);Roitt et al. (Immunology (6th Ed.) Mosby/Elsevier, Edinburgh, 2001)、Roitt et al. (Roitt’s Essential Immunology (10th Ed.) Blackwell Publishing, UK, 2001)、およびJaneway et al. (Immunobiology (6th Ed.) Garland Science Publishing/Churchill Livingstone, New York, 2005)、ならびに本明細書で引用する一般的な背景技術。
別に示されていない限り、特に詳細に説明されていないすべての方法、ステップ、技術、および操作は、それ自体既知の様式で実行でき、また実行されており、これは当業者には明らかであろう。例えば、本明細書で言及される標準ハンドブックおよび一般的な背景技術、ならびにそこに引用されているさらなる参考文献が再び参照され;また、例えば、以下のレビューも参照される:Presta (Adv. Drug Deliv. Rev. 58 (5-6): 640-56, 2006)、Levin and Weiss (Mol. Biosyst. 2(1): 49-57, 2006)、Irving et al. (J. Immunol. Methods 248(1-2): 31-45, 2001)、Schmitz et al. (Placenta 21 Suppl. A: S106-12, 2000)、Gonzales et al. (Tumour Biol. 26(1): 31-43, 2005);これらは、親和性成熟などのタンパク質工学技術、および免疫グロブリンなどのタンパク質の特異性およびその他の望ましい特性を改善するためのその他の技術について、説明している。
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の言及を含むことに留意すべきである。したがって例えば、1つの「試薬」への言及には、かかる異なる試薬の1つ以上が含まれ、「方法」への言及には、改変され得るかまたは本明細書に記載の方法で置換され得る、当業者に知られている同等のステップおよび方法への言及が含まれる。
特に明記しない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、一連のすべての要素を指すと理解されるべきである。当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載された本発明の特定の態様に対する多くの均等物を認識し、または確認することができるであろう。かかる均等物は、本発明に含まれることが意図されている。
用語「および/または」は、本明細書で使用される場合は常に、「および」、「または」、および「前記用語によって接続される要素のすべてまたは任意の他の組み合わせ」の意味を含む。
本明細書で使用される場合、用語「約」または「およそ」は、所与の値または範囲の20%以内、好ましくは15%以内、より好ましくは10%以内、おとび最も好ましくは5%以内を意味する。
本明細書およびそれに続く特許請求の範囲を通して、文脈が特に必要としない限り、「含む」という単語、および「含む」および「含むこと」などの変形は、述べられた整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを含むが、任意の他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを除外しない、ということを意味する。本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」という用語は、「含有する(containing)」または「含む(including)」という用語で置き換えることができ、または場合によっては本明細書において、「有する」という用語を使用することもできる。
本明細書で使用される場合、用語「配列」(例えば、「免疫グロブリン配列」、「抗体配列」、「可変ドメイン配列」、「VHH配列」または「タンパク質配列」などの用語)は、一般に、文脈がより限定された解釈を必要としない限り、関連するアミノ酸配列ならびにこれをコードする核酸またはヌクレオチド配列の両方を含むと理解されるべきである。
アミノ酸配列は、文脈に依存して、単一のアミノ酸または、2つ以上のアミノ酸の分岐していない配列を意味すると解釈される。ヌクレオチド配列は、3つ以上のヌクレオチドの非分岐配列を意味すると解釈される。
アミノ酸は、天然のタンパク質に一般的に見られるL−アミノ酸である。アミノ酸残基は、標準の3文字または1文字のアミノ酸コードに従って示される。例えば、WO 08/020079の48頁表A−2を参照されたい。D−アミノ酸を含むこれらのアミノ酸配列は、この定義に含まれることを意図しない。翻訳後修飾されたアミノ酸を含むアミノ酸配列は、この表A−2に示されている記号および、例えばヒドロキシル化またはグリコシル化などの修飾位置を使用して、最初に翻訳されるアミノ酸配列として説明し得るが、しかしこれらの修飾は、アミノ酸配列に明示的に示されてはならない。配列修飾された結合、架橋およびエンドキャップ、非ペプチジル結合などとして発現できるペプチドまたはタンパク質はすべて、この定義に含まれる。
用語「タンパク質」、「ペプチド」、「タンパク質/ペプチド」、および「ポリペプチド」は、本開示を通して交換可能に使用され、それぞれは本開示の目的に対して同じ意味を有する。各用語は、2つ以上のアミノ酸の直鎖でできた有機化合物を指す。化合物は、10以上のアミノ酸、25以上のアミノ酸;50以上のアミノ酸;100以上のアミノ酸、200以上のアミノ酸、さらには300以上のアミノ酸を有し得る。当業者は、以下を理解するであろう:すなわち、ポリペプチドは一般にタンパク質よりも少ないアミノ酸を含むが、しかしポリペプチドとタンパク質を区別するアミノ酸の数の、当技術分野で認識されているカットオフポイントは存在しないこと;ポリペプチドは、化学合成または組換え法により作成できること;および、タンパク質は一般に、当分野で 知られている組換え方法によりin vitroまたはin vivoで作製されること。慣例により、ポリペプチドの一次構造のアミド結合は、アミノ酸が書かれている順序の通りであり、ここでポリペプチドのアミン末端(N末端)は常に左側にあり、酸末端(C末端)は右側にある。
核酸またはアミノ酸配列が、「(本質的に)単離された(形態)(にある)」と見なされるのは、−例えば、それが得られた反応培地または培養培地と比較して−、上記ソースまたは培地と通常関連している少なくとも1つの別の成分から、例えば別の核酸、別のタンパク質/ポリペプチド、別の生物学的成分または高分子、または少なくとも1つの汚染物質、不純物または微量成分などから、分離された場合である。特に、核酸またはアミノ酸配列は、少なくとも2倍、特に少なくとも10倍、より特に少なくとも100倍、および最大1000倍またはそれ以上まで精製されている場合に、「(本質的に)単離された」と見なされる。「(本質的に)単離された形態にある」核酸またはアミノ酸は、適切な技術を使用して、例えばポリアクリルアミドゲル電気泳動などの適切なクロマトグラフィー技術を使用して決定されるように、好ましくは本質的に均質である。
ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列が、それぞれ別のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を「含む」、または別のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列から「本質的になる」と言われる場合、これは、後者のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列が、最初に言及されたヌクレオチド配列またはアミノ酸配列それぞれに組み込まれていることを意味し得るが、より一般的には、これは一般に、最初に言及されたヌクレオチド配列またはアミノ酸配列がその配列内に、後者の配列と同じヌクレオチド配列またはアミノ酸配列それぞれを有する、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基のストレッチそれぞれを含むことを意味し、最初に言及された配列が実際にどのように生成または取得されたか(例えば、本明細書に記載の任意の適切な方法による)には関係しない。非限定的な例により、本発明のポリペプチドが、免疫グロブリン単一可変ドメイン(「ISVD」)を含むと言われる場合、これは、前記免疫グロブリン単一可変ドメイン配列が、本発明のポリペプチドの配列に組み込まれたことを意味し得るが、より通常には、これは一般に、本発明のポリペプチドがどのように生成または取得されたかに関係なく、本発明のポリペプチドがその配列内に、免疫グロブリン単一可変ドメインの配列を含むことを意味する。また、核酸またはヌクレオチド配列が別のヌクレオチド配列を含むと言われる場合、最初に言及された核酸またはヌクレオチド配列は、これが発現産物(例えばポリペプチド)に発現されるときに、後者のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列が前記発現産物の一部を形成している(言い換えると、後者のヌクレオチド配列は、最初に言及されたより大きな核酸またはヌクレオチド配列と同じリーディングフレームにある)。また、本発明の構築物がポリペプチドまたはISVDを含むと言われる場合、これは、前記構築物が、前記ポリペプチドまたはISVDをそれぞれ、少なくとも包含することを意味し得るが、より一般的には、これは、前記構築物が、前記ポリペプチドまたはISVDに加えて、基、残基(例えばアミノ酸残基)、部分および/または結合単位を包含することを意味し、ここで前記ポリペプチドまたはISVDが前記の基、残基(例えば、アミノ酸残基)、部分および/または結合単位にどのように接続されているかには関係せず、および前記構築物がどのように生成または取得されたかにも関係しない。
「本質的に〜からなる」とは、本発明の方法で使用される免疫グロブリン単一可変ドメインが、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインと全く同一であるか、または、本発明の次のような免疫グロブリン単一可変ドメインに対応することを意味する:すなわち、限られた数のアミノ酸残基、例えば1〜20アミノ酸残基など、例えば1〜10のアミノ酸残基、好ましくは1〜6のアミノ酸残基、例えば1、2、3、4、5または6個のアミノ酸残基を、免疫グロブリン単一可変ドメインのアミノ末端、カルボキシ末端、またはアミノ末端とカルボキシ末端の両方に付加されて有する、免疫グロブリン単一可変ドメイン。
2つ以上のヌクレオチド配列を比較するために、第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列の間の「配列同一性」のパーセンテージは、次のように計算することができる:[第2ヌクレオチド配列内の対応する位置のヌクレオチドと同一の、第1ヌクレオチド配列内のヌクレオチドの数]を、[第1ヌクレオチド配列内のヌクレオチドの総数]で除算し、[100%]を掛ける;ここで、第1ヌクレオチド配列と比較した、第2ヌクレオチド配列内のヌクレオチドの各欠失、挿入、置換または追加は、単一のヌクレオチド(位置)における違いと見なされる。代替的に、2つ以上のヌクレオチド配列間の配列同一性の程度は、NCBI Blast v2.0などの配列アラインメントのための既知のコンピューターアルゴリズムを使用して、標準設定を用いて計算され得る。配列同一性の程度を決定するための他のいくつかの技術、コンピューターアルゴリズムおよび設定は、例えば、WO 04/037999、EP 0967284、EP 1085089、WO 00/55318、WO 00/78972、WO 98/49185およびGB 2357768に記載されている。通常、上記で概説した計算方法に従って2つのヌクレオチド配列間の「配列同一性」のパーセンテージを決定する目的で、最大数のヌクレオチドを有するヌクレオチド配列が「第1」ヌクレオチド配列とされ、他のヌクレオチド配列が「第2」ヌクレオチド配列とされる。
2つ以上のアミノ酸配列を比較するために、第1アミノ酸配列と第2アミノ酸配列の間の「配列同一性」のパーセンテージ(本明細書では「アミノ酸同一性」とも呼ばれる)は、次のように計算することができる:[第2アミノ酸配列内の対応する位置のアミノ酸残基と同一の、第1アミノ酸配列内のアミノ酸残基の数]を、[第1アミノ酸配列内のアミノ酸残基の総数]で除算し、[100%]を掛ける;ここで、第1アミノ酸配列と比較した、第2アミノ酸配列内のアミノ酸残基の各欠失、挿入、置換または追加は、単一のアミノ酸残基(位置)における違い、すなわち本明細書で定義される「アミノ酸差異」と見なされる。代替的に、2つ以上のアミノ酸配列間の配列同一性の程度は、ヌクレオチド配列の配列同一性の程度を決定するための上記のような既知のコンピューターアルゴリズムを使用して、再度標準設定を用いて計算され得る。通常、上記で概説した計算方法に従って2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」のパーセンテージを決定する目的で、最大数のアミノ酸残基を有するアミノ酸配列が「第1」アミノ酸配列とされ、他のアミノ酸配列が「第2」アミノ酸配列とされる。
また、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度を決定する際に、当業者はいわゆる「保存的」アミノ酸置換を考慮してもよく、これは一般的に、アミノ酸残基が類似の化学構造の別のアミノ酸残基で置換されるが、ポリペプチドの機能、活性または他の生物学的特性にほとんどまたは本質的に影響を与えないアミノ酸置換として説明することができる。かかる保存的アミノ酸置換は、当分野において、例えばWO 04/037999、GB 335768、WO 98/49185、WO 00/46383およびWO 01/09300からよく知られており;およびかかる置換の(好ましい)種類および/または組み合わせは、例えばWO 04/037999ならびにWO 98/49185およびそこに引用されているさらなる参考文献からの関連する教示に基づいて選択され得る。
かかる保存的置換は、好ましくは、以下のグループ(a)〜(e)内の1つのアミノ酸が、同じグループ内の別のアミノ酸残基で置換される置換である:(a)小さな脂肪族、非極性またはわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;(b)極性の負に帯電した残基およびそれらの(非帯電)アミド:Asp、Asn、GluおよびGln;(c)極性の正に帯電した残基:His、Arg、およびLys;(d)大きな脂肪族非極性残基:Met、Leu、Ile、ValおよびCys;(e)芳香族残基:Phe、TyrおよびTrp。特に好ましい保存的置換は、以下の通りである:Alaを、GlyまたはSerへ;ArgをLysへ;Asnを、GlnまたはHisへ;AspをGluへ;CysをSerへ;GlnをAsnへ;GlnをAspへ;Glyを、AlaまたはProへ;Hisを、AsnまたはGlnへ;Ileを、LeuまたはValへ;Leuを、IleまたはValへ;Lysを、Arg、Gln、またはGluへ;Metを、Leu、Tyr、またはIleへ;Pheを、Met、Leu、またはTyrへ;SerをThrへ;ThrをSerへ;TrpをTyrへ;TyrをTrpへ;および/またはPheを、Val、IleまたはLeuへ。
本明細書に記載のポリペプチドに適用される任意のアミノ酸置換はまた、Schulz et al. (“Principles of Protein Structure”, Springer-Verlag, 1978)によって開発された異なる種の相同タンパク質の間のアミノ酸変異の頻度の分析、Chou and Fasman (Biochemistry 13: 211, 1974; Adv. Enzymol., 47: 45-149, 1978)によって開発された構造形成可能性の分析、およびEisenberg et al. (Proc. Natl. Acad Sci. USA 81: 140-144, 1984)、Kyte and Doolittle (J. Molec. Biol. 157: 105-132, 1981)およびGoldman et al. (Ann. Rev. Biophys. Chem. 15: 321-353, 1986)によって開発されたタンパク質の疎水性パターンの分析に、基づいてもよい;これらはすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ナノボディの一次、二次および三次構造に関する情報は、本明細書の説明および上記で引用した一般的な背景技術に記載されている。また、この目的のために、ラマからのVHHドメインの結晶構造は、例えば、Desmyter et al. (Nature Structural Biology, 3: 803, 1996)、Spinelli et al. (Natural Structural Biology, 3: 752-757, 1996)およびDecanniere et al. (Structure, 7 (4): 361, 1999)により与えられている。従来のVドメインにおいてV/V界面を形成するいくつかのアミノ酸残基、およびこれらの位置での潜在的なラクダ化置換についてのさらなる情報は、上記の先行技術に見出すことができる。
アミノ酸配列および核酸配列は、それらがその全長にわたって100%の配列同一性(本明細書で定義されるもの)を有する場合、「完全に同一」と言われる。
2つのアミノ酸配列を比較する場合、用語「アミノ酸差異(amino acid difference)」は、第2の配列と比較した、第1の配列の位置にある単一のアミノ酸残基の挿入、欠失、または置換を指す;2つのアミノ酸配列が、1つ、2つまたはそれ以上のかかるアミノ酸差異を含み得ることが理解されている。より具体的には、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドにおいて、用語「アミノ酸差異」は、b)、d)またはf)で特定されるCDR配列の位置上の、それぞれa)、c)またはe)のCDR配列と比較した、単一アミノ酸残基の挿入、欠失、または置換を指す。b)、d)およびf)のCDR配列は、それぞれa)、c)またはe)のCDR配列と比較して、1、2、3、4または最大5個のかかるアミノ酸差異を含み得ることが理解される。
「アミノ酸差異」は、任意の1、2、3、4または最大5個の置換、欠失または挿入、またはそれらの任意の組み合わせであることができ、これは、本発明のポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤の特性を改善するか、または、本発明のポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤の所望の特性から、または所望の特性のバランスもしくは組み合わせから、少なくとも過度に低減のないものである。この点において、本発明のポリペプチドなどの本発明で得られたMMP13結合剤は、1、2、3、4、または最大5つの置換、欠失、または挿入なしの1つ以上のCDR配列を含むポリペプチドと比較して、少なくとも、同じ、ほぼ同じ、またはより高い親和性でMMP13に結合すべきである。親和性は、当分野で 知られている任意の適切な方法により測定され得るが、好ましくは、実施例の節に記載の方法により測定される。
この点において、b)、d)および/またはf)によるCDRのアミノ酸配列は、それ自体知られているかまたは実施例に記載されているような親和性成熟の1つ以上の技術を使用した親和性成熟を用いた、それぞれa)、c)および/またはe)によるアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列であってよい。例えば、本発明のポリペプチドの発現に使用される宿主生物に応じて、かかる欠失および/または置換は、翻訳後修飾のための1つ以上の部位(1つ以上のグリコシル化部位など)が削除されるように設計され得、これは当業者の能力の範囲内であろう(実施例を参照)。
本明細書で使用される場合、任意の配列番号の文脈における「によって表される」は、前記配列番号「を含むかまたはそれからなる」と等価であり、好ましくは前記配列番号「からなる」と等価である。
本明細書で使用される「ナノボディファミリー」、「VHHファミリー」または「ファミリー」とは、同一の長さを有するナノボディおよび/またはVHH配列のグループを指し(すなわち、それらはその配列内に同じ数のアミノ酸を有する)、そのうち、位置8と位置106(Kabat番号付けによる)の間のアミノ酸配列は、89%以上のアミノ酸配列同一性を有する。
互換的に使用可能な用語「エピトープ」および「抗原決定基」とは高分子の一部を指し、例えば免疫グロブリン、従来の抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/または本発明のポリペプチドなどの、抗原結合分子によって、より具体的には前記分子の抗原結合部位によって認識される、ポリペプチドまたはタンパク質である。エピトープは、免疫グロブリンに対する最小結合部位を定義し、したがって免疫グロブリンの特異性の標的を表す。
エピトープを認識する抗原結合分子(免疫グロブリン、従来の抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/または本発明のポリペプチドなど)の一部は、「パラトープ」と呼ばれる。
特定のエピトープ、抗原またはタンパク質(またはその少なくとも一部、断片またはエピトープ)に対して、「結合」または「特異的に結合」できるか、「親和性を有する」か、および/または「特異性を有する」アミノ酸配列(本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン、抗体、ポリペプチド、または一般にその抗原結合タンパク質またはポリペプチドまたは断片)は、前記エピトープ、抗原またはタンパク質に「対する」または「向けられる」と言われるか、またはかかるエピトープ、抗原またはタンパク質に関する「結合」分子であるか、または「抗」エピトープ、「抗」抗原または「抗」タンパク質(例えば、「抗」MMP13)であると言われる。
親和性は、分子相互作用の強度または安定性を示す。親和性は通常、K、または解離定数として与えられ、これはモル/リットル(またはM)の単位を有する。親和性は会合定数Kとして表すこともでき、これは1/Kに等しく、(モル/リットル)−1(またはM−1)の単位を有する。本明細書において、2つの分子間の相互作用の安定性は、主にそれらの相互作用のK値に関して表される。K=1/Kの関係を考慮して、分子相互作用の強度をそのK値によって指定することを用いて、対応するK値を計算できることは、当業者には明らかである。K値はまた、分子相互作用の強度を熱力学的意味でも特徴付けるが、これはK値が、結合の自由エネルギー(ΔG)の変化に、よく知られている関係ΔG=RTln(K)(等価的にΔG=−RTln(K))(式中、Rは気体定数、Tは絶対温度、lnは自然対数を表す)によって関連するためである。
重要(例えば特異的)と考えられる生物学的相互作用のKは、通常10−12M(0.001nM)〜10−5M(10000nM)の範囲である。相互作用が強いほど、Kは低くなる。
は、koffで表される複合体の解離速度定数と、konで表されるその会合速度との比として表すこともできる(したがってK=koff/konおよびK=kon/koff)。オフレートkoffの単位はs−1である(sは秒のSI単位表記である)。オンレートkonの単位はM−1−1である。オンレートは、10−1−1〜約10−1−1の間で変化し、二分子相互作用の拡散律速会合速度定数に近づく。オフレートは、関係t1/2=ln(2)/koffによって、特定の分子相互作用の半減期に関連している。オフレートは、10−6−1(複数日数のt1/2を有する不可逆的な複合体に近い)〜1s−1(t1/2=0.69s)の間で変化し得る。
ISVDなどの抗原結合タンパク質の、抗原または抗原決定基への特異的結合は、例えば飽和結合アッセイおよび/または競合結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)およびサンドイッチ競合アッセイを含む、それ自体既知の任意の適切な方法、および当技術分野でそれ自体知られているそれらの様々な変形、ならびに本明細書で言及される他の技術により、決定することができる。
2つの分子間の分子相互作用の親和性は、それ自体が既知の異なる技術によって測定でき、例えば、周知の表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサー技術などであり(例えば、Ober et al. 2001, Intern. Immunology 13: 1551-1559)ここで、一方の分子はバイオセンサーチップに固定され、もう一方の分子は、kon、koffの測定、したがってK(またはK)値をもたらすフロー条件下で、固定された分子上を通過する。これは例えば、よく知られているBIACORE(登録商標)機器(Pharmacia Biosensor AB, Uppsala, Sweden)を使用して実行できる。Kinetic Exclusion Assay(KINEXA(登録商標)機器)(Drake et al. 2004, Analytical Biochemistry 328: 35-43)は、結合パートナーの標識なしで溶液中の結合イベントを測定し、複合体の解離を動力学的に除外することに基づいている。溶液内親和性分析はまた、自動化されたバイオ分析と迅速な試料ターンアラウンドのプラットフォームを提供するGYROLAB(登録商標)イムノアッセイシステム(Fraley et al. 2013, Bioanalysis 5: 1765-74)を使用して実行することもできる。
また、測定プロセスが、例えばある分子のバイオセンサーのコーティングに関連するアーチファクトにより、意味された分子の固有の結合親和性に何らかの影響を与える場合、測定されたKが見かけのKに対応し得ることも当業者には明らかであろう。また、1つの分子が他の分子に対する複数の認識部位を含む場合、見かけのKを測定してもよい。かかる状況において、測定された親和性は、2つの分子による相互作用の結合力の影響を受ける可能性がある。特に、Kの正確な測定は非常に労働集約的である可能性があり、その結果、見かけ上のK値が、2つの分子の結合強度を評価するためにしばしば決定される。すべての測定が一貫した方法で行われる限り(例えば、アッセイ条件を変更しない限り)、見かけのK測定を真のKの近似値として使用できるため、本書ではKおよび見かけのKは、同等の重要性または関連性で扱うべきである。
「特異性」という用語は、例えば、WO 08/020079の53〜56頁の段落n)に記載されているように、特定の抗原結合分子または抗原結合タンパク質(本発明のポリペプチドまたはISVDなど)分子が結合できる、抗原または抗原決定基の異なる種類の数を指す。抗原結合タンパク質の特異性は、WO 08/020079(参照により本明細書に組み込まれる)の53〜56頁に記載されているように、親和性および/または結合力に基づいて決定することができ、ここには、抗原結合分子(本発明のポリペプチドまたはISVDなど)と関連抗原の間の結合を測定するためのいくつかの好ましい技術も記載されている。典型的には、抗原結合タンパク質(本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなど)は、解離定数(K)として10−5〜10−12モル/リットル以下、好ましくは10−7〜10−12モル/リットル以下、およびより好ましくは10−8〜10−12モル/リットルで、それらの抗原に結合する(すなわち、会合定数(K)として10〜1012リットル/モル以上、好ましくは10〜1012リットル/モル以上、およびより好ましくは10〜1012リットル/モル)。10−4モル/リットルを超える任意のK値(または10リットル/モル未満の任意のK値)は、一般に、非特異的結合を示すと考えられる。好ましくは、本発明の一価ISVDは、所望の抗原に、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満、例えば10〜5pM以下などの親和性で、結合するであろう。
免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/またはポリペプチドが、(第1)標的または抗原に対して、別の(第2)標的または抗原と比較して「特異的」であると言われるのは、免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/またはポリペプチドが第1の抗原に、免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/またはポリペプチドが第2の標的または抗原に結合する場合の親和性よりも、(上記のように、およびK値、K値、Koffレートおよび/またはKonレートとして適切に表現されて)少なくとも10倍、例えば少なくとも100倍、好ましくは少なくとも1000倍以上の親和性で結合する場合である。例えば、免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/またはポリペプチドは、第1の標的または抗原に、前記免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/またはポリペプチドが第2の標的または抗原に結合するKよりも少なくとも10分の1、例えば少なくとも100分の1、および好ましくは少なくとも1000分の1、またはさらに小さいK値で、結合し得る。好ましくは、免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/またはポリペプチドが、第1の標的または抗原に対して、第2の標的または抗原と比較して「特異的」である場合、(本明細書で定義されるように)これは前記第1の標的または抗原には向けられるが、前記第2の標的または抗原には向けられない。
抗原結合タンパク質の抗原または抗原決定基への特異的結合は、例えば飽和結合アッセイ、スキャッチャード分析および/または競合結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)およびサンドイッチ競合アッセイなどを含む、それ自体既知の任意の適切な方法、および当技術分野で知られているそれらの異なる変形;ならびに本明細書で言及される他の技術により、決定することができる。当業者には明らかであり、およびWO 08/020079の53〜56頁に記載されているように、解離定数は、実際のまたは見かけの解離定数であってもよい。解離定数を決定する方法は当業者には明らかであり、例えば、WO 08/020079の53〜56頁に記載されている技術が含まれる。
親和性を評価するために使用できる他の好ましいアプローチは、Friguet et al. 1985 (J. Immunol. Methods 77: 305-19)の2ステップELISA(酵素結合免疫吸着検定法)手順である。この方法は、液相結合平衡測定を確立し、プラスチックなどの支持体への1つの分子の吸着に関連する、起こりうるアーチファクトを回避する。当業者には明らかなように、またWO 08/020079の53〜56頁に記載されているように、解離定数は実際のまたは見かけの解離定数であってよい。解離定数を決定する方法は当業者には明らかであり、例えばWO 08/020079の53〜56頁に記載されている技術が含まれる。
一側面において、本発明は、本発明のISVDおよびポリペプチドなどのMMP13結合剤に関し、ここで前記MMP13結合剤は、MMP1またはMMP14(膜型)に結合しない。
最後に、多くの状況において、経験ある科学者はある参照分子に対する結合親和性を決定するのが便利であると判断し得ることに、注意すべきである。例えば、分子AとBの間の結合強度を評価するために、例えばBに結合することが知られており、かつ発蛍光団または発色団または他の化学成分で好適に標識されている、例えばELISAまたはFACS(蛍光活性化セルソーティング)または他のフォーマット(蛍光検出用の発蛍光団、光吸収検出用の発色団、ストレプトアビジン媒介ELISA検出用のビオチン)についてのビオチンなどで好適に標識されている、参照分子Cを使用し得る。通常、参照分子Cを固定濃度に維持し、Aの濃度をBの特定の濃度または量に対して変化させる。その結果、Aの不在下でCについて測定されたシグナルが半分になるところでのAの濃度に対応する、IC50値が得られる。参照分子のKであるKDref、および参照分子の総濃度crefが既知である場合、相互作用A−Bの見かけのKは、次の式から得られる:K=IC50/(1+cref/KDref)。cref<<KDrefである場合、K≒IC50であることに注意。IC50の測定が、比較される結合剤について一貫した方法で行われる場合(例えば、crefを固定するなど)、分子相互作用の強度または安定性の違いを、IC50を比較することで評価でき、この測定は、このテキスト全体でKまたは見かけのKに等価であると判断される。
半数阻害濃度(IC50)はまた、例えば薬理効果などの生物学的または生化学的機能を阻害することにおける、化合物の有効性の尺度でもある。この定量的尺度は、一定の生物学的プロセス(またはプロセスの成分、すなわち、酵素、細胞、細胞受容体、走化性、退形成、転移、侵襲性など)を半分に阻害するために必要な、ポリペプチドまたはISVD(ナノボディなど)の量を示す。言い換えれば、これは物質の最大半数(50%)阻害濃度(IC)(50%IC、またはIC50)である。IC50値は、本発明のポリペプチドまたはISVD(例えばナノボディ)などの所定のアンタゴニストについて、アゴニストの最大生物学的応答の半分を阻害するために必要な濃度を決定することにより、計算することができる。薬物のKは、用量反応曲線を作成し、本発明のポリペプチドまたはISVD(例えばナノボディ)などのアンタゴニストの異なる濃度が、アゴニスト活性を逆転させる効果を調べることにより、決定することができる。
半数効果濃度(EC50)という用語は、指定された暴露時間の後、ベースラインと最大の中間の反応を引き起こす化合物の濃度を指す。本文脈において、これは、ポリペプチド、またはISVD(例えばナノボディ)の効力の尺度として使用される。段階的用量反応曲線のEC50は、最大効果の50%が観察される化合物の濃度を表す。濃度は、モル単位で表されることが好ましい。
生物学的システムにおいて、リガンド濃度のわずかな変化は、典型的には、S字関数に従った急速な応答の変化をもたらす。リガンド濃度の増加に伴う応答の増加が鈍化し始める変曲点が、EC50である。これは、適合線の導出によって数学的に決定できる。推定のためにグラフに依存することは、ほとんどの場合に便利である。EC50が実施例の節で提供されている場合、実験は、Kを可能な限り正確に反映するように設計されている。すなわち、EC50値はK値と見なされる。用語「平均K」は、少なくとも1回、しかし好ましくは1回より多くの、例えば少なくとも2回の実験で得られた、平均K値に関する。「平均」という用語は、数学用語の「平均」(データの合計をデータのアイテムの数で割ったもの)を指す。
これはまた、化合物の阻害(50%阻害)の尺度であるIC50にも関連している。競合結合アッセイおよび機能的アンタゴニストアッセイの場合、IC50は用量反応曲線の最も一般的な要約測度である。アゴニスト/刺激剤アッセイの場合、最も一般的な要約測度はEC50である。
阻害定数Kiは、阻害剤がどれだけ強力かを示す指標である;これは、半数阻害をもたらすのに必要な濃度である。実験条件に応じて変化する可能性のあるIC50とは異なり(しかし上記を参照のこと)、Kiは絶対値であり、しばしば薬物の阻害定数と呼ばれる。阻害定数Kiは、次のCheng-Prusoff方程式を使用して計算できる:
式中、[L]はリガンドの固定濃度である。
本明細書で使用される、本発明のポリペプチドの「効力」という用語は、その特定の効果が生じるのに必要な本発明のポリペプチドの量の関数である。
これは単純に、そのポリペプチドのIC50の逆数として測定される。これは、本発明のポリペプチドの、MMP13の活性を調節および/または部分的もしくは完全に阻害する能力を指す。より具体的には、前記ポリペプチドの、本明細書で定義されるMMP13活性を低下させるか、または完全に阻害する能力を指す場合がある。したがってこれは、前記ポリペプチドの、プロテアーゼ活性エンドペプチダーゼ活性などのタンパク質分解を阻害する、および/または、例えば、アグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよびゼラチンなどの基質への結合を阻害する能力を指し得る。効力は、当技術分野で知られているか、または本明細書に記載されている任意の適切なアッセイによって測定され得る。
本発明のポリペプチドの「有効性」は、効果自体の最大強度を、飽和ポリペプチド濃度において測定する。有効性は、本発明のポリペプチドから達成可能な最大応答を示す。これは、ポリペプチドが所望の(治療)効果を生み出す能力を指す。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、MMP13に、例えばKinExAによって決定される場合、Kとして1E−07M〜1E−13Mの間、例えば1E−08M〜1E−12Mの間、好ましくは最大で1E−07M、好ましくは1E−08Mもしくは1E−09M未満、または1E−10M未満、例えば5E−11M、4E−11M、3E−11M、2E−11M、1.7E−11M、1E−11Mなど、または5E−12M、4E−12M、3E−12M、1E−12Mなどで、結合する
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、例えば競合ELISA、競合TIMP−2 ELISA、蛍光発生ペプチドアッセイ、蛍光発生コラーゲンアッセイ、またはコラーゲン分解アッセイ、例えば実施例の節で詳述されるようなものによって決定される場合、IC50が1E−07M〜1E−12Mの間、例えば1E−08M〜1E−;11Mの間で、MMP13の活性を阻害する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、IC50が最大1E−07M、好ましくは1E−08M、5E−09M、または4E−9M、3E−9M、2E−9M、例えば1E−9Mなどで、MMP13の活性を阻害する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、例えば競合ELISA、競合TIMP−2 ELISA、蛍光発生ペプチドアッセイ、蛍光発生コラーゲンアッセイまたはコラーゲン分解アッセイによって決定される場合、EC50が1E−07M〜1E−12Mの間、例えば1E−08M〜1E−11Mの間で、MMP13に結合する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、例えばSPRによって決定される場合、オフレートが1E−04(s−1)未満でMMP13に結合する。
ISVDまたはポリペプチドなどのアミノ酸配列が、2つの異なる抗原または抗原決定基(例えば、哺乳動物の異なる種からのMMP13、例えばヒトMMP13、イヌMMP13、ウシMMP13、ラットMMP13、ブタMMP13、マウスMMP13、ウサギMMP13、カニクイザルMMP13、および/またはアカゲザルMMP13など)に対して「交差反応性である」と言われるのは、これが、これらの異なる抗原または抗原決定基に特異的(本明細書で定義のように)である場合である。ISVDまたはポリペプチドは、2つの異なる抗原に対する結合親和性が、2、5、10、50、100倍またはそれ以上に異なる可能性があっても、これらの異なる抗原または抗原決定基に(本明細書で定義されるように)特異的であれば、交差反応性であると考えられることが理解されよう。
MMP13は、CLG3またはコラゲナーゼ3、MANDP1、MMP13、マトリックスメタロペプチダーゼ13、またはMDSTとしても知られている。
MMP13についての関連する構造情報は、例えば、以下の表1に示すように、UniProtアクセッション番号に見出すことができる(表Bを参照)。
表1
「ヒトMMP13」とは、配列番号115のアミノ酸配列を含むMMP13を指す。一側面において、本発明のポリペプチドは、Human sapiens、Mus musculus、Canis lupus、Bos taurus、Macaca mulatta、Rattus norvegicus、Gallus gallus、および/またはP.troglodytesからのMMP13に特異的に結合し、好ましくはヒトMMP13、好ましくは配列番号115に特異的に結合する。
用語「(交差)ブロックする」、「(交差)ブロックされた」、「(交差)ブロッキング」、「競合的結合」、「(交差)競合する」、「(交差)競合すること」および「(交差)競合」は本明細書において互換的に使用され、免疫グロブリン、抗体、ISVD、ポリペプチドまたは他の結合剤が、他の免疫グロブリン、抗体、ISVD、ポリペプチドまたは結合剤の所定の標的への結合を妨害する能力を意味する。免疫グロブリン、抗体、ISVD、ポリペプチドまたは他の結合剤が標的への別の結合を妨げることができる程度、したがって、本発明に従って交差ブロックすると言うことができるかどうかは、当技術分野で一般的な競合結合アッセイを使用して、例えば、精製されたISVDを、実施例で記載のように、競合ELISAにおいてファージ上に提示されたISVDに対してスクリーニングすることによる等で、決定することができる。標的(交差)ブロックに向けられた免疫グロブリン、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチド、または他の結合剤が、本明細書で定義されるように(交差)ブロッキングが可能か、競合的に結合するか、または(交差)競合するかを決定するための方法は、例えばXiao-Chi Jia et al. (Journal of Immunological Methods 288: 91‐98, 2004)、Miller et al. (Journal of Immunological Methods 365: 118‐125, 2011)および/または本明細書に記載の方法(例えば例7参照)において、説明されている。
本発明は、本明細書に記載の、例えば配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7または8で表されるポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、例えば競合ELISAによって決定されるように、ポリペプチドと競合する。
本発明は、本明細書に記載のポリペプチドと競合する、ポリペプチドなどの競合物質を決定する方法に関し、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7または8のいずれか1つによって表され、ここで本明細書に記載のポリペプチドは、MMP13への、例えばヒトMMP13(配列番号115)への結合について、ポリペプチドなどの競合物質と競合するか、またはこれを交差ブロックし、ここで競合物質のMMP13への結合は、本発明のポリペプチドの存在下において、本発明のポリペプチドの不在下でのMMP13への結合と比較して、少なくとも5%、例えば10%、20%、30%、40%、50%またはそれ以上、例えば80%、90%または100%、低減される(すなわち、特定のアッセイでは実質的に検出不能)。競合および交差ブロッキングは、例えば競合ELISAなどの当技術分野で知られている任意の手段によって決定することができる。一側面において、本発明は、本発明のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7または8によって表される少なくとも1つのポリペプチドのMMP13への結合を交差ブロックするか、および/または、そのMMP13への結合が、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7または8によって表される少なくとも1つのポリペプチドによって、交差ブロックされている。
本発明はまた、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7または8などの本明細書に記載のポリペプチドと競合する、競合物質に関し、ここで競合物質は、MMP13への結合について本明細書に記載のポリペプチドと競合または交差ブロックし、ここで本発明のポリペプチドのMMP13への結合は、前記競合物質の存在下において、前記競合物質の不在下における本発明のポリペプチドによるMMP13への結合と比較して、少なくとも5%、例えば10%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上、例えば80%、またはさらにそれ以上、例えば少なくとも90%または100%、低減される(すなわち、特定のアッセイでは実質的に検出不能)。一側面において、本発明は、ポリペプチドであって、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7または8の1つなどの本発明のポリペプチドによるMMP13への結合を、交差ブロックするか、および/または、MMP13への結合が、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7または8の少なくとも1つなどの本発明のポリペプチドによって、交差ブロックされている、前記ポリペプチドに関し、ここで好ましくは、前記ポリペプチドは、MMP13に特異的に結合する少なくとも1つのVH、VL、dAb、または免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含み、ここでMMP13への結合は、MMP13の活性を調節する。
「MMP13活性」および「MMP13の活性」(これらの用語は本明細書では互換的に使用される)には、限定はされないが、一方では、プロテアーゼ活性(プロテイナーゼまたはペプチダーゼ活性とも呼ばれる)などのタンパク質分解、およびエンドペプチダーゼ活性が含まれ、および、例えばヘモペキシン様ドメインおよびペプチドグリカン結合ドメインによる基質への結合が含まれる。MMP13活性には、アグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよびゼラチンなどの基質への、結合および/またはそのタンパク質分解が含まれる。本明細書で使用される場合、タンパク質分解とは、タンパク質の、より小さなポリペプチドまたはアミノ酸への分解であって、ポリペプチド鎖においてアミノ酸を一緒に連結するペプチド結合の加水分解によるものである。
本発明の文脈において、「調節すること」または「調節する」とは、一般に、適切なin vitro、細胞またはin vivoアッセイ(例えば、本明細書で言及されるものなど)を使用して測定される、MMP13による活性の変化を意味する。特に、「調節すること」または「調節する」とは、適切なin vitro、細胞またはin vivoアッセイ(例えば、本明細書で言及されるものなど)を使用して測定されるMMP13の活性を、同じアッセイにおいて、同じ条件下であるが本発明のISVDまたはポリペプチドが存在しない場合のMMP13の活性と比較して、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、例えば少なくとも10%または少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または90%以上、低下または阻害するか、または活性を増加させることを意味し得る。
したがって本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、MMP13の活性を調節し、好ましくはMMP13の活性を阻害する。
したがって本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、MMP13のプロテアーゼ活性を阻害する、例えば、アグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよび/またはゼラチンなどの基質の、タンパク質分解を阻害する。
したがって本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、MMP13の、アグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよび/またはゼラチンなどの基質への結合をブロックし、ここで前記コラーゲンは好ましくはコラーゲンIIである。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、MMP13のコラーゲンおよび/またはアグリカンへの結合を、例えばELISAベースの競合アッセイで決定される場合、少なくとも20%、例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上、ブロックする(Howes et al. 2014 J. Biol. Chem. 289:24091‐24101を参照)。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、MMP13の活性を拮抗または阻害する、例えば(i)プロテアーゼ活性、好ましくはアグリカンおよび/またはコラーゲンの切断(ここで、前記コラーゲンは好ましくはコラーゲンIIである);(ii)コラーゲンのヘモペキシン様ドメインへの結合を、拮抗または阻害する。
したがって本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、MMP13のプロテアーゼ活性を、当技術分野で知られている任意の適切な方法によって、例えば、競合アッセイまたは実施例の節に記載されているように決定される場合、好ましくは少なくとも5%、例えば10%、20%、30%、40%、50%またはそれ以上、例えば少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上、阻害する。
ISVD
特に明記しない限り、用語「免疫グロブリン」および「免疫グロブリン配列」は、本明細書において重鎖抗体または従来の4鎖抗体を指すために使用されるかどうかにかかわらず、フルサイズの抗体、その個々の鎖の両方、ならびにそのすべての部分、ドメインまたは断片(それぞれ、抗原結合ドメインまたは断片、例えばVHHドメインまたはV/Vドメインなどを含むが、これらに限定されない)を含む一般用語として使用される。
本明細書で使用される(ポリペプチドまたはタンパク質の)「ドメイン」という用語は、タンパク質の残りの部分とは無関係にその三次構造を保持する能力を有する、折り畳まれたタンパク質構造を指す。一般にドメインはタンパク質の個別の機能特性に関与しており、多くの場合、タンパク質および/またはドメインの残りの機能を失うことなく、他のタンパク質に追加、除去、または転送されることができる。
本明細書で使用される用語「免疫グロブリンドメイン」とは、抗体鎖の球状領域(例えば、従来の4鎖抗体または重鎖抗体の鎖など)、またはかかる球状領域から本質的になるポリペプチドを指す。免疫グロブリンドメインは、抗体分子に特徴的な免疫グロブリン折り畳みを保持するという特徴があり、これは、2つのβシートに配置された約7つの逆平行β鎖の2層サンドイッチで構成され、任意に、保存されたジスルフィド結合によって安定化される。
本明細書で使用される用語「免疫グロブリン可変ドメイン」とは、4つの「フレームワーク領域」から本質的になる免疫グロブリンドメインを意味し、これらは当技術分野および本明細書では、それぞれ「フレームワーク領域1」または「FR1」;「フレームワーク領域2」または「FR2」;「フレームワーク領域3」または「FR3」;および「フレームワーク領域4」または「FR4」と呼ばれる;当該フレームワーク領域は、3つの「相補性決定領域」または「CDR」によって中断され、これらは当技術分野および本明細書の以下では、それぞれ「相補性決定領域1」または「CDR1」;「相補性決定領域2」または「CDR2」;および「相補性決定領域3」または「CDR3」と呼ばれる。したがって、免疫グロブリン可変ドメインの一般的な構造または配列は、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4のように示され得る。抗原結合部位を保有することにより、抗体に抗原に対する特異性を付与するのは、免疫グロブリン可変ドメインである。
本発明のすべての側面の好ましい態様において、本発明による免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)は、好ましくは、上に略述した一般的な構造の、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域CDR1、CDR2およびCDR3からなるか、または本質的にこれらからなる。好ましいフレームワーク配列は、例えば以下の表A−2に概説されており、本発明のISVDにおいて使用することができる。好ましくは、表A−2に示されているCDRは、同じISVD構築物のそれぞれのフレームワーク領域と一致している。
用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン」(本明細書では「ISVD」または「ISV」と略す)は、「単一可変ドメイン」と交換可能に使用され、これは、抗原結合部位が単一免疫グロブリンドメイン上にあり、かつ単一免疫グロブリンドメインによって形成されている分子を定義する。このため免疫グロブリン単一可変ドメインは、「従来の」免疫グロブリンまたはその断片とは別に設定され、ここで2つの免疫グロブリンドメイン、特に2つの可変ドメインが相互作用して、抗原結合部位を形成する。通常、従来の免疫グロブリンでは、重鎖可変ドメイン(V)と軽鎖可変ドメイン(V)が相互作用して、抗原結合部位を形成する。後者の場合、VとVの両方の相補性決定領域(CDR)が抗原結合部位に寄与する、すなわち、合計6つのCDRが抗原結合部位の形成に関与する。
上記の定義を考慮して、従来の4鎖抗体(IgG、IgM、IgA、IgDまたはIgE分子など;当技術分野で既知)またはFab断片、F(ab’)2断片、ジスルフィド結合FvまたはscFv断片などのFv断片、またはかかる従来の4鎖抗体に由来するダイアボディ(すべて当技術分野で知られている)の、抗原結合ドメインは、通常、免疫グロブリン単一可変ドメインと見なされないが、その理由は、これらの場合、抗原の各エピトープへの結合が、通常1つの(単一)免疫グロブリンドメインではなく、一対の(関連する)免疫グロブリンドメイン、例えば軽鎖および重鎖可変ドメインなどによって、すなわち、それぞれの抗原のエピトープに共同して結合する免疫グロブリンドメインのV−Vペアによって、生じるからである。
対照的にISVDは、追加の免疫グロブリン可変ドメインとペアリングすることなく、抗原のエピトープに特異的に結合することができる。ISVDの結合部位は、単一のVHH、VまたはVドメインによって形成される。したがって、ISVDの抗原結合部位は、3つ以下のCDRによって形成される。
そのため、単一可変ドメインは、軽鎖可変ドメイン配列(例えば、V配列)またはその適切な断片;または重鎖可変ドメイン配列(例えば、V配列またはVHH配列)またはその適切な断片であってよいが、ただし、単一の抗原結合単位(すなわち機能的抗原結合単位;これは単一の可変ドメインから本質的になり、単一の抗原結合ドメインが別の可変ドメインと相互作用して機能性抗原結合単位を形成する必要はない)を形成できる限りにおいてである。
本発明の一側面において、ISVDは重鎖可変ドメイン配列(例えば、V配列)である;より具体的には、ISVDは、従来の4本鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列、または重鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列であり得る。
例えば、ISVDは、(単一)ドメイン抗体(または(単一)ドメイン抗体としての使用に適したペプチド)、「dAb」またはdAb(またはdAbとしての使用に適したペプチド)、またはナノボディ(本明細書で定義され、VHHを含むがこれに限定されない);他の単一可変ドメイン、またはそのいずれかの適切な断片であってよい。
特に、ISVDは、Nanobody(登録商標)(本明細書で定義)またはその適切な断片であり得る。[注:Nanobody(登録商標)およびNanobodies(登録商標)は、Ablynx N.Vの登録商標である。]ナノボディの一般的な説明については、以下の詳細な説明、および本明細書で引用した先行技術、例えばWO 08/020079(16頁)に記載されている。
VHH、VHドメイン、VHH抗体断片、およびVHH抗体としても知られる「VHHドメイン」は、元々「重鎖抗体」の(すなわち、「軽鎖を欠く抗体」の;Hamers-Casterman et al. 1993 Nature 363: 446-448)抗原結合免疫グロブリン(可変)ドメインとして記述されてきた。用語「VHHドメイン」が選択されたのは、これらの可変ドメインを、従来の4本鎖抗体に存在する重鎖可変ドメイン(本明細書では「Vドメイン」または「VHドメイン」と呼ばれる)から、および従来の4本鎖抗体に存在する軽鎖可変ドメイン(本明細書では「Vドメイン」または「VLドメイン」と呼ばれる)から区別するためである。VHHおよびナノボディの詳細については、Muyldermans (Reviews in Molecular Biotechnology 74: 277-302, 2001)のレビュー、および一般的な背景技術として言及されている以下の特許出願を参照する: Vrije Universiteit BrusselのWO 94/04678、WO 95/04079およびWO 96/34103;UnileverのWO 94/25591、WO 99/37681、WO 00/40968、WO 00/43507、WO 00/65057、WO 01/40310、WO 01/44301、EP 1134231およびWO 02/48193; Vlaams Instituut voor Biotechnologie (VIB)のWO 97/49805、WO 01/21817、WO 03/035694、WO 03/054016およびWO 03/055527;Algonomics N.V.およびAblynx N.V.のWO 03/050531;National Research Council of Canada によるWO 01/90190;Institute of AntibodiesによるWO 03/025020 (= EP 1433793);ならびにAblynx N.V.によるWO 04/041867、WO 04/041862、WO 04/041865、WO 04/041863、WO 04/062551、WO 05/044858、WO 06/40153、WO 06/079372、WO 06/122786、WO 06/122787およびWO 06/122825、およびAblynx NVによるさらなる公開された特許出願。これらの出願で言及されたさらなる先行技術、特に国際出願WO 06/040153の41〜43頁の参考文献のリストも参照;そのリストおよび参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。これらの参考文献に記載されているように、ナノボディ(特にVHH配列および部分ヒト化ナノボディ)は、1つ以上のフレームワーク配列に1つ以上の「ホールマーク残基」が存在することによって、特に特徴付けられる。ナノボディのヒト化および/またはラクダ化、ならびに他の修飾、部分または断片、誘導体または「ナノボディ融合」、多価構築物(リンカー配列の非限定的な例を含む)、およびナノボディの半減期を延ばすための異なる修飾およびその調製を含む、ナノボディのさらなる説明は、例えばWO 08/101985およびWO 08/142164に見出すことができる。ナノボディのさらなる一般的な説明については、本明細書で引用される先行技術、例えばWO 08/020079(16頁)の記載を参照する。
特に、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤に存在するフレームワーク配列は、本発明のMMP13結合剤がナノボディであるように、1つ以上のホールマーク残基を含んでもよい(例えば、WO 08/020079(表A−3からA−8)に定義のように)。かかるフレームワーク配列(の適切な組み合わせ)のいくつかの好ましいが非限定的な例は、本明細書のさらなる開示から明らかになる(例えば、表A−2を参照)。一般に、ナノボディ(特にVHH配列および部分的ヒト化ナノボディ)は、1つ以上のフレームワーク配列における1つ以上の「ホールマーク残基」の存在によって、特に特徴付けることができる(例えば、WO 08/020079、61頁24行目から98頁3行目にさらに記載されているように)。
より詳細には、本発明は、次の(一般的な)構造を有するアミノ酸配列である少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメインを含む、MMP13結合剤を提供する:
FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4
ここで、FR1〜FR4はそれぞれフレームワーク領域1〜4を指し、CDR1〜CDR3はそれぞれ相補性決定領域1〜3を指し、および前記ISVDは:
i)配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7または8(表A−1を参照)のアミノ酸配列の少なくとも1つと、少なくとも80%、より好ましくは90%、さらにより好ましくは95%のアミノ酸同一性を有し、ここでアミノ酸の同一性の程度を決定する目的で、CDR配列を形成するアミノ酸残基は無視される。この点において表A−2も参照し、この表は、配列番号1〜22および109〜112の免疫グロブリン単一可変ドメインの、フレームワーク1配列(配列番号67〜79)、フレームワーク2配列(配列番号80〜87および108)、フレームワーク3配列(配列番号88〜99および113〜114)を列挙する;または、
ii)表A−2に示すフレームワーク配列の組み合わせ;
およびここで:
iii)好ましくは、Kabatの番号付けによる位置11、37、44、45、47、83、84、103、104および108における1つ以上のアミノ酸残基は、例えばWO 08/020079の表A−3から表A−8に記載されているようなホールマーク残基から選択される。
本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤はまた、すべて「改良された免疫グロブリン可変ドメイン」と題された以下の同時係属米国仮出願に記載された特定の変異/アミノ酸残基を含み得る:2014年5月16日出願のUS 61/994552;2014年6月18日出願のUS 61/014,015;2014年8月21日出願のUS 62/040,167;2014年9月8日出願のUS 62/047,560(すべてAblynx N.V.に割り当てられている)。
特に、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤は、以下を好適に含有し得る:(i)位置112にKまたはQ;または(ii)位置11のVと組み合わせた、位置110のKまたはQ;または(iii)位置89のT;または(iv)位置89のLおよび位置110のKまたはQ;または(v)位置11のVおよび位置89のL;または(i)〜(v)の適切な組み合わせ。
前記同時係属米国仮出願にも記載されているように、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤が、上記(i)から(v)の1つ(またはその適切な組み合わせ)に従った変異を含む場合:
−位置11のアミノ酸残基は、好ましくはL、V、またはKから選択される(およびVが最も好ましい);および/または
−位置14のアミノ酸残基は、好ましくはAまたはPから適切に選択される;および/または
−位置41のアミノ酸残基は、好ましくはAまたはPから適切に選択される;および/または
−位置89のアミノ酸残基は、好ましくはT、VまたはLから適切に選択される;および/または
−位置108のアミノ酸残基は、好ましくはQまたはLから適切に選択される;および/または
−位置110のアミノ酸残基は、好ましくはT、KまたはQから適切に選択される;および/または
−位置112のアミノ酸残基は、好ましくはS、KまたはQから適切に選択される。
前記同時係属米国仮出願で述べたように、前記の変異は、いわゆる「既存の抗体」の、本発明の免疫グロブリンおよび化合物への結合を防止または低減するのに有効である。この目的のために、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤はまた、(任意に前記変異と組み合わせて)C末端伸長(X)nを含み得る(式中、nは1から10、好ましくは1から5、例えば1、2、3、4または5(および好ましくは1または2、例えば1)であり;および各Xは、独立して選択される(好ましくは天然に存在する)アミノ酸残基であり、好ましくはアラニン(A)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)からなる群から独立して選択される)、これについては再度、前記米国仮出願およびWO 12/175741が参照される。特に、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤は、タンパク質、ポリペプチドまたはこれらを含む他の化合物もしくは構築物のC末端を形成する場合、かかるC末端伸長を含み得る(再度、前記米国仮出願およびWO 12/175741にさらに記載されている)。
本発明のMMP13結合剤は、任意の適切な様式で任意の適切な供給源に由来する免疫グロブリン、例えば免疫グロブリン単一可変ドメインであり得、例えば、天然に存在するVHH配列(すなわち、ラクダ科の適切な種由来)または、合成または半合成アミノ酸配列であって、「ヒト化」(本明細書で定義)ナノボディまたはVHH配列、「ラクダ化」(本明細書で定義)免疫グロブリン配列(および特にラクダ化重鎖可変ドメイン配列)を含むがこれらに限定されないもの、ならびに、親和性成熟(例えば、合成、ランダム、または天然の免疫グロブリン配列から開始)、CDRグラフト、ベニアリング、異なる免疫グロブリン配列由来の断片の組み合わせ、オーバーラッププライマーを使用したPCRアセンブリ、および当業者に周知の免疫グロブリン配列を操作するための同様の技術などの手法によって得られたナノボディ;または、本明細書でさらに説明する前述のいずれかの適切な組み合わせであってよい。また、免疫グロブリンがVHH配列を含む場合、本明細書でさらに説明するように、前記免疫グロブリンを適切にヒト化して、本発明の1つ以上のさらなる(部分的または完全な)ヒト化免疫グロブリンを提供してもよい。同様に、免疫グロブリンが合成または半合成配列(部分的ヒト化配列など)を含む場合、前記免疫グロブリンを任意にさらに適切にヒト化して、再度、本明細書に記載されるように、再度、1つ以上のさらなる(部分的または完全な)本発明のヒト化免疫グロブリンを提供する。
「ドメイン抗体」は、「Dab」、「Domain Antibodies」、および「dAbs」(「Domain Antibodies」および「dAbs」は、GlaxoSmithKlineグループの商標として使用されている)としても知られ、例えば以下に記載されている:EP 0368684、Ward et al. (Nature 341: 544-546, 1989)、Holt et al. (Tends in Biotechnology 21: 484-490, 2003)およびWO 03/002609ならびに例えばWO 04/068820、WO 06/030220、WO 06/003388;およびDomantis Ltdの他の公開特許出願。ドメイン抗体は本質的に、非ラクダ科哺乳類のVHまたはVLドメイン、特にヒト4鎖抗体に対応する。エピトープを単一の抗原結合ドメインとして、すなわちVLまたはVHドメインとそれぞれペアリングせずに結合するために、かかる抗原結合特性の特異的な選択が必要となり、例えばヒトの単一VHまたはVLドメイン配列のライブラリを使用することによる。ドメイン抗体は、VHHと同様に約13から約16kDaの分子量を有し、完全にヒト配列に由来する場合、例えばヒトにおける治療的使用のためにはヒト化を必要としない。
哺乳動物起源ではないために本発明の文脈ではあまり好ましくないが、単一可変ドメインは、ある種のサメに由来し得ることにも留意されたい(例えば、いわゆる「IgNARドメイン」、例えばWO 05/18629を参照)。
本発明は特にISVDに関し、ここで該ISVDは、VHH、ヒト化VHHおよびラクダ化VHからなる群から選択される。
VHHドメインのアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al. ("Sequence of proteins of immunological interest", US Public Health Services, NIH Bethesda, MD, Publication No. 91)によるVドメインの一般的な番号付けに従って、例えばRiechmann and Muyldermans (J. Immunol. Methods 231: 25-38, 1999)の図2に示されるように、ラクダのVHHドメインに適用されたようになされる。Vドメインのアミノ酸残基に番号付けする代替方法は、同様の方法でVHHドメインにも適用することができ、当技術分野で知られている。しかし、本明細書、特許請求の範囲、および図面では、特に明記しない限り、上記のようにVHHドメインに適用されるKabatによる番号付けに従う。
ドメインおよびVHHドメインについて当技術分野で周知のように、各CDRにおけるアミノ酸残基の総数は変化する可能性があり、Kabatの番号付けにより示されるアミノ酸残基の総数に対応しない場合があることに、留意すべきである(すなわち、Kabat番号付けによる1つ以上の位置が実際の配列で占有されていないか、または実際の配列がKabat番号付けで許容されている数よりも多くのアミノ酸残基を含む場合がある)。これは一般に、Kabatによる番号付けは、実際の配列内のアミノ酸残基の実際の番号付けに対応する場合と対応しない場合があることを意味する。VHドメインおよびVHHドメインのアミノ酸残基の総数は、通常110〜120、多くの場合112〜115の範囲にあるだろう。しかし、より小さな配列およびより長い配列もまた、本書に記載の目的に適する可能性があることに注意すべきである。
CDRに関しては、当技術分野でよく知られているように、Kabatの定義(これは配列の可変性に基づいており、最も一般的に使用されている)およびChothiaの定義(これは構造ループ領域の位置に基づいている)などの、VHまたはVHH断片のCDRを定義および説明するための複数の規則がある。例えば、ウエブサイトhttp://www.bioinf.org.uk/abs/を参照。本明細書および特許請求の範囲の目的のために、CDRは、最も好ましくはAbm定義に基づいて定義され(これは、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアに基づいている)、これはKabat定義とChothia定義の間の最適な妥協案であると考えられている(参照:http://www.bioinf.org.uk/abs/)。本明細書で使用する場合、FR1はアミノ酸残基を位置1〜25に含み、CDR1はアミノ酸残基を位置26〜35含み、FR2はアミノ酸を位置36〜49に含み、CDR2はアミノ酸残基を位置50〜58に含み、FR3はアミノ酸残基を位置59〜94に含み、CDR3はアミノ酸残基を位置95〜102に含み、FR4はアミノ酸残基を位置103〜113に含む。
本発明の意味において、用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン」または「単一可変ドメイン」は、非ヒト源、好ましくはラクダ科動物、好ましくはラクダ科動物の重鎖抗体に由来するポリペプチドを含む。本明細書に記載されるように、それらはヒト化されてもよい。さらにこの用語は、非ラクダ科の供給源、例えばマウスまたはヒトであって、本明細書に記載されるように「ラクダ化」されたものに由来する、ポリペプチドを含む。
したがって、ドメイン抗体およびナノボディ(VHHドメインを含む)などのISVDは、ヒト化の対象となる場合がある。特に、ナノボディ(VHHドメインを含む)などのヒト化ISVDは、本明細書で一般的に定義されるISVDであり得るが、ここで少なくとも1つのアミノ酸残基が(特に、フレームワーク残基の少なくとも1つに)存在し、これはヒト化置換(本明細書で定義のように)であるか、および/またはそれに対応する。潜在的に有用なヒト化置換は、天然に存在するVHH配列のフレームワーク領域の配列を、1つ以上の密接に関連するヒトV配列の対応するフレームワーク配列と比較することで確認でき、その後、こうして決定された1つ以上の潜在的に有用なヒト化置換(またはその組み合わせ)は、前記VHH配列に導入され得(本明細書でさらに説明されるように、それ自体既知の任意の様式によって)、得られたヒト化VHH配列は、標的に対する親和性、安定性、発現の容易さおよびレベル、および/またはその他の所望の特性について、試験され得る。このようにして、限られた程度の試行錯誤によって、他の適切なヒト化置換(またはその適切な組み合わせ)が、本明細書の開示に基づき当業者によって決定され得る。また、上記に基づいて、ナノボディ(VHHドメインを含む)などのISVD(のフレームワーク領域)は、部分的にヒト化または完全にヒト化されてもよい。
本発明の別の特に好ましいクラスのISVDは、天然に存在するVドメインのアミノ酸配列に対応するが、ただし「ラクダ化」されているアミノ酸配列を有するISVDを含み、ここで「ラクダ化」されているとは、すなわち従来の4本鎖抗体からの天然に存在するVドメインのアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基が、重鎖抗体のVHHドメイン内の対応する位置にある1つ以上のアミノ酸残基で置換されることによる。これは、それ自体既知の様式で実行することができ、当業者には、例えば本明細書の説明に基づいて明らかであろう。かかる「ラクダ化」置換は、好ましくは、本明細書で定義されるように、V−V界面を形成するおよび/またはそこに存在するアミノ酸位置に、および/または、いわゆるラクダ科のホールマーク残基に、挿入される(例えば、WO 94/04678およびDavies and Riechmann (1994 and 1996)も参照)。好ましくは、ラクダ化免疫グロブリン単一可変ドメインを生成または設計するための出発材料または出発点として使用されるV配列は、好ましくは哺乳動物からのV配列、より好ましくはV3配列などのヒトのV配列である。しかし、本発明のかかるラクダ化免疫グロブリン単一可変ドメインは、それ自体既知の任意の適切な様式で得ることができ、したがって、天然のVドメインを含むポリペプチドを出発材料として使用して得られたポリペプチドに厳密に限定されるのではないことに、留意されたい。例えば以下を参照:Davies and Riechmann (FEBS 339: 285-290, 1994;Biotechnol. 13: 475-479, 1995;Prot. Eng. 9: 531-537, 1996)およびRiechmann and Muyldermans (J. Immunol. Methods 231: 25-38, 1999)。
例えば本明細書でさらに説明するように、「ヒト化」および「ラクダ化」は共に、次のように実施することができる:天然に存在するVHHドメインまたはVドメインそれぞれをコードするヌクレオチド配列を提供し、次いで、それ自体既知の様式で、前記ヌクレオチド配列中の1つ以上のコドンを変更して、新しいヌクレオチド配列がそれぞれ本発明の「ヒト化」または「ラクダ化」ISVDをコードするようにすること。次いでこの核酸をそれ自体既知の様式で発現させて、本発明の所望のISVDを提供することができる。代替的に、天然に存在するVHHドメインまたはVドメインのアミノ酸配列それぞれに基づいて、本発明の所望のヒト化またはラクダ化ISVDのアミノ酸配列をそれぞれ設計し、それ自体知られているペプチド合成の技術を使用してde novoで合成することができる。また、天然に存在するVHHドメインまたはVドメインのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列それぞれに基づいて、本発明の所望のヒト化またはラクダ化ISVDをそれぞれコードするヌクレオチド配列を設計し、次に、それ自体既知の核酸合成の技術を使用してde novoで合成することができ、その後、こうして得られた核酸をそれ自体既知の様式で発現させて、本発明の所望のISVDを提供することができる。
ドメイン抗体およびナノボディ(VHHドメインおよびヒト化VHHドメインを含む)などのISVDはまた、1つ以上のCDRのアミノ酸配列に1つ以上の変更を導入することで親和性成熟させることができ、この変更は、それぞれの親分子と比較して、そのそれぞれの抗原について得られたISVDに改善された親和性をもたらす。本発明の親和性成熟ISVD分子は、当技術分野で 知られている方法によって調製することができ、例えば以下に記載されている:Marks et al. (Biotechnology 10:779-783, 1992)、Barbas, et al. (Proc. Nat. Acad. Sci, USA 91: 3809-3813, 1994)、Shier et al. (Gene 169: 147-155, 1995)、Yelton et al. (Immunol. 155: 1994-2004, 1995)、Jackson et al. (J. Immunol. 154: 3310-9, 1995)、Hawkins et al. (J. MoI. Biol. 226: 889 896, 1992)、Johnson and Hawkins (Affinity maturation of antibodies using phage display, Oxford University Press, 1996)。
、V、VHH、ドメイン抗体またはナノボディなどのISVDから開始して、ポリペプチドを設計/選択および/または調製するプロセスは、本明細書では前記ISVDを「フォーマットする」とも呼ばれる;および、ポリペプチドの一部を作るISVDは、「フォーマットされた」または「そのフォーマットの」ポリペプチドであると言われる。ISVDがフォーマットされ得る方法の例およびかかるフォーマットの例は、本明細書の開示に基づいて当業者には明らかであろう;および、かかるフォーマットされた免疫グロブリン単一可変ドメインは、本発明のさらなる側面を形成する。
好ましいCDRを、表A−2に示す。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、
(i)CDR1は、以下からなる群から選択され:
(a)配列番号27、28、25、26、23、29、30、31、32、33、34、35、36および24;および
(b)配列番号27、28、25、26、23、29、30、31、32、33、34、35、36および24と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列;
(ii)CDR2は、以下からなる群から選択され:
(c)配列番号42、43、40、41、37、44、45、46、47、48、49、50、51、38および39;および
(d)配列番号42、43、40、41、37、44、45、46、47、48、49、50、51、38および39と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、および
(iii)CDR3は、以下からなる群から選択される:
(e)配列番号56、107、57、54、106、55、52、58、59、60、61、62、63、64、65、66および53;および
(f)配列番号56、107、57、54、106、55、52、58、59、60、61、62、63、64、65、66および53と1、2、3または4個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、
(i)CDR1は、以下からなる群から選択され:
(a)配列番号23;および
(b)配列番号23と1個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、ここで位置7においてYはRに変更されており;
(ii)CDR2は、以下からなる群から選択され:
(c)配列番号37;および
(d)配列番号37と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、ここで
−位置4において、VはTに変更されており;
−位置5において、GはAに変更されており;および/または
−位置9において、NはHに変更されており;
(iii)CDR3は、以下からなる群から選択される:
(e)配列番号52;および
(f)配列番号52と1個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、ここで位置6においてYはSに変更されている。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、
(i)CDR1は配列番号26であり;
(ii)CDR2は配列番号41であり;および
(iii)CDR3は、以下からなる群から選択される:
(e)配列番号55;および
(f)配列番号55と1または2個のアミノ酸差を有するアミノ酸配列、ここで
−位置8において、NはQまたはSに変更されており、および/または
−位置19において、NはVまたはQに変更されている。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、
(i)CDR1は配列番号28であり;
(ii)CDR2は配列番号43であり;および
(iii)CDR3は、以下からなる群から選択される:
(e)配列番号57;および
(f)配列番号57と1、2、3または4個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、ここで
−位置10において、DはE、G、A、P、T、R、M、WまたはYに変更されており;
−位置16において、MはA、R、N、D、E、Q、Z、G、I、L、K、F、P、S、W、YまたはVに変更されており;
−位置17において、DはA、R、N、C、E、Q、Z、G、H、I、L、K、M、S、T、W、YまたはVに変更されており;および/または
−位置18において、YはA、R、N、D、C、E、Q、Z、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、WまたはVに変更されている。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、
−CDR1は、配列番号27、28、25、26、23、29、30、31、32、33、34、35、36および24からなる群から選択され;
−CDR2は、配列番号42、43、40、41、37、44、45、46、47、48、49、50、51、38および39からなる群から選択され;および
−CDR3は、配列番号56、107、57、54、106、55、52、58、59、60、61、62、63、64、65、66および53からなる群から選択される。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで前記ISVDは、ISVDの群から選択され、ここで:
−CDR1は配列番号27であり、CDR2は配列番号42であり、CDR3は配列番号56である;
−CDR1は配列番号28であり、CDR2は配列番号43であり、CDR3は配列番号107である;
−CDR1は配列番号28であり、CDR2は配列番号43であり、CDR3は配列番号57である;
−CDR1は配列番号25であり、CDR2は配列番号40であり、CDR3は配列番号54である;
−CDR1は配列番号26であり、CDR2は配列番号41であり、CDR3は配列番号106である;
−CDR1は配列番号26であり、CDR2は配列番号41であり、CDR3は配列番号55である;
−CDR1は配列番号23であり、CDR2は配列番号37であり、CDR3は配列番号52である;
−CDR1は配列番号26であり、CDR2は配列番号48であり、CDR3は配列番号62である;
−CDR1は配列番号26であり、CDR2は配列番号41であり、CDR3は配列番号63である;
−CDR1は配列番号29であり、CDR2は配列番号44であり、CDR3は配列番号58である;
−CDR1は配列番号30であり、CDR2は配列番号45であり、CDR3は配列番号58である;
−CDR1は配列番号31であり、CDR2は配列番号46であり、CDR3は配列番号59である;
−CDR1は配列番号32であり、CDR2は配列番号47であり、CDR3は配列番号60である;
−CDR1は配列番号33であり、CDR2は配列番号41であり、CDR3は配列番号61である;
−CDR1は配列番号34であり、CDR2は配列番号49であり、CDR3は配列番号64である;
−CDR1は配列番号35であり、CDR2は配列番号50であり、CDR3は配列番号65である;
−CDR1は配列番号36であり、CDR2は配列番号51であり、CDR3は配列番号66である;
−CDR1は配列番号23であり、CDR2は配列番号39であり、CDR3は配列番号53である;および
−CDR1は配列番号24であり、CDR2は配列番号38であり、CDR3は配列番号52である。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、CDR1は配列番号27であり、CDR2は配列番号42であり、CDR3は配列番号56である。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで前記ISVDは、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7および8からなる群から選択される。
限定することなく、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、ポリペプチドの調製のための「ビルディングブロック」として使用でき、これは、ビルディングブロックとして(すなわち、MMP13上の同一または別のエピトープに対して、および/またはMMP13以外の1つ以上の他の抗原、タンパク質、または標的に対して)機能することができる、1つ以上のさらなる免疫グロブリン単一可変ドメインを任意に含み得ることが、理解されるであろう。
ポリペプチド
本発明のポリペプチドは、MMP、好ましくはMMP13に結合する少なくとも1つのISVDを含み、例えばMMP13に結合する2つのISVD、および好ましくはアグリカンに結合する少なくとも1つのISVD、より好ましくはアグリカンに結合する2つのISVDを含む。本発明のポリペプチドにおいて、ISVDは、直接連結されても、リンカーを介して連結されてもよい。さらにより好ましくは、本発明のポリペプチドは、C末端伸長を含む。以下に詳述するように、C末端伸長は、ヒト対象/患者のほとんどの試料中の既存の抗体/因子の結合を、本質的に防止/除去する。C末端伸長は、最後の(最もC末端に位置する)ISVDの最後のアミノ酸残基(通常はセリン残基)のC末端に存在する。
本明細書でさらに詳述するように、ISVDは、VHH、VまたはVドメインに由来し得るが、しかしISVDは、本発明のポリペプチドにおいてVおよびVドメインの相補的な対を形成しないように選択される。ナノボディ、VHH、およびヒト化VHHは、軽鎖を有しない天然のラクダ抗体に由来するという点で珍しく、実際これらのドメインは、ラクダ科の軽鎖と会合して相補的なVHHとVの対を形成することができない。したがって、本発明のポリペプチドは、相補的ISVDを含まず、および/または例えば相補的V/V対などの相補的ISVD対を形成しない。
一般に、単一のビルディングブロック、例えば単一のISVDまたは単一のナノボディを、含むかまたは本質的にそれらからなるポリペプチドまたは構築物は、本明細書においてそれぞれ「一価」ポリペプチドおよび「一価構築物」と呼ばれる。2つ以上のビルディングブロック(例えばISVDなど)を含むポリペプチドまたは構築物は、本明細書において「多価」ポリペプチドまたは構築物とも呼ばれ、かかるポリペプチドまたは構築物に存在するビルディングブロック/ISVDは、本明細書において、「多価フォーマット」であると言及される。例えば、「二価」ポリペプチドは、リンカー配列を介して任意に連結された2つのISVDを含み得るが、「三価」ポリペプチドは、2つのリンカー配列を介して任意に連結された3つのISVDを含み得;一方、「四価」ポリペプチドは、3つのリンカー配列を介して任意に連結された4つのISVDを含み得る、などである。
多価ポリペプチドにおいて、2つ以上のISVDは同一でも異なっていてもよく、同じ抗原または抗原決定基に対して(例えば、エピトープの同一部分またはエピトープの異なる部分に対して)向けられてもよく、または代替的に、異なる抗原または抗原決定基、またはそれらの任意の適切な組み合わせに向けられてもよい。少なくとも2つのビルディングブロック(例えば、ISVDなど)を含むポリペプチドおよび構築物であって、ここで少なくとも1つのビルディングブロックは第1の抗原(すなわち、MMP13)に向けられ、少なくとも1つのビルディングブロックは第2の抗原(すなわち、MMP13とは異なるもの)に向けられるものは、「多重特異性」ポリペプチドおよび構築物とも呼ばれ、かかるポリペプチドおよび構築物に存在するビルディングブロック(例えばISVDなど)は、本明細書において「多重特異性フォーマット」とも呼ばれる。したがって、例えば、本発明の「二重特異性」ポリペプチドは、第1の抗原(すなわちMMP13)に向けられた少なくとも1つのISVD、および第2の抗原(すなわちMMP13とは異なる)に向けられた少なくとも1つのISVDを含むポリペプチドであり、一方、本発明の「三重特異性」ポリペプチドは、第1の抗原(すなわちMMP13)に向けられた少なくとも1つのISVD、第2の抗原(すなわちMMP13とは異なる)に向けられた少なくとも1つのさらなるISVD、および少なくとも第3の抗原(すなわち、MMP13と第2の抗原の両方とは異なる)に向けられた少なくとも1つのさらなるISVDを含むポリペプチドである、など。
一側面において、本発明は、MMP13に特異的に結合する2つ以上のISVDを含むポリペプチドに関し、ここで:
a)少なくとも「第1」ISVDは、MMP13の第1の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニットまたは立体構造に特異的に結合し;好ましくは、MMP13に特異的に結合する前記「第1」ISVDは、配列番号111、11、110、10、112、12、109、9、13、14、15、16、17、18、19、20、21および22からなる群から選択され;およびここで、
b)少なくとも「第2」ISVDは、第1の抗原決定基エピトープ、部分、ドメイン、サブユニット、または立体構造とはそれぞれ異なる、MMP13の第2の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニット、または立体構造に特異的に結合し、好ましくはMMP13に特異的に結合する前記「第2」ISVDは、配列番号1、2、3、4、5、6、7および8からなる群から選択される。
一側面において、本発明は、MMP13に特異的に結合する2つ以上のISVDを含むポリペプチドであって、配列番号160〜165からなる群から選択される、好ましくは配列番号160である、前記ポリペプチドに関する(表A−3を参照)。
「多重パラトピック」ポリペプチドおよび「多重パラトピック」構築物、例えば「二重パラトピック」ポリペプチドまたは構築物および「三重パラトピック」ポリペプチドまたは構築物は、それぞれ異なるパラトープを有する2つ以上のビルディングブロックを含むか、本質的にそれらからなる。
したがって、MMP13に結合する本発明のISVDは、本質的に単離された形態(本明細書で定義)であることができ、または、MMP13に結合する1つ以上のISVDを含むかまたは本質的にそれからなり得、かつ任意にさらに1つ以上のさらなるアミノ酸配列を含み得る(すべて任意に1つ以上の適切なリンカーを介して連結される)構築物またはポリペプチドの、一部を形成し得る。本発明は、MMP13に結合する本発明の1つ以上のISVD(またはその適切な断片)などの、本発明による少なくとも1つのISVDを含むかまたは本質的にそれからなる、ポリペプチドまたは構築物に関する。
本発明の1つ以上のISVDは、かかるポリペプチドまたは構築物中のビルディングブロックとして使用され、すべて本明細書に記載される本発明の一価、多価または多重パラトピックポリペプチドまたは構築物を提供する。したがって本発明はまた、本発明の一価ポリペプチドまたはISVDを含むかまたは本質的にそれからなる、一価構築物であるポリペプチドに関する。
したがって本発明は、例えば、本発明の2つ以上のISVDを含むかまたは本質的にそれらからなる二価または三価ポリペプチドまたは構築物などの、多価ポリペプチドまたは多価構築物であるポリペプチドまたは構築物にも関する(1つ以上のVHHドメインを含む多価および多重特異性ポリペプチドおよびそれらの調製については、例えばConrath et al. (J. Biol. Chem. 276: 7346-7350, 2001)、ならびに例えばWO96/34103、WO99/23221およびWO 2010/115998も参照)。
一側面において、その最も単純な形態において、本発明の多価ポリペプチドまたは構築物は、MMP13に向けられたナノボディなどの第1のISVD、およびMMP13に向けられたナノボディなどの同一の第2のISVDを含む、本発明の二価ポリペプチドまたは構築物であり、ここでナノボディなどの前記第1および前記第2のISVDは、リンカー配列(本明細書で定義される)を介して任意に連結されてもよい。最も単純な形態において、本発明の多価ポリペプチドまたは構築物は、MMP13に向けられたナノボディなどの第1のISVD、MMP13に向けられたナノボディなどの同一の第2のISVD、およびMMP13に向けられたナノボディなどの同一の第3のISVDを含む、本発明の三価ポリペプチドまたは構築物であり、ここでナノボディなどの前記第1、第2および第3のISVDは、1つ以上、特に2つのリンカー配列を介して任意に連結され得る。一側面において、本発明は、MMP13に結合する、2、3または4個のISVD(またはその適切な断片)などの、本発明による少なくとも2つのISVDを含むかまたは本質的にそれからなる、ポリペプチドまたは構築物に関する。2つ以上のISVDは、1つ以上のペプチドリンカーを介して任意に連結されてもよい。
別の側面において、本発明の多価ポリペプチドまたは構築物は、MMP13に向けられたナノボディなどの第1のISVDと、例えばアグリカンなどの第2の抗原に向けられたナノボディなどの第2のISVDとを含む、本発明の二重特異性ポリペプチドまたは構築物であり得、ここでナノボディなどの前記第1および第2のISVDは、リンカー配列(本明細書で定義される)を介して任意に連結され得る;一方、本発明の多価ポリペプチドまたは構築物はまた、MMP13に向けられたナノボディなどの第1のISVD、例えばアグリカンなどの第2の抗原に向けられたナノボディなどの第2のISVD、および第3の抗原に向けられたナノボディなどの第3のISVDを含む、本発明の三重特異性ポリペプチドまたは構築物であってもよく、ここでナノボディなどの前記第1、第2および第3のISVDは、1つ以上、特に2つのリンカー配列を介して、任意に連結されていてもよい。
本発明はさらに、MMP13、好ましくはヒトMMP13に結合する少なくとも1つのISVD(またはその適切な断片)、およびアグリカンに結合するISVDなどの少なくとも1つの追加のISVDを含むか、または(本質的に)それからなる、多価ポリペプチドに関する。
本発明による特に好ましい三価、二重特異性ポリペプチドまたは構築物は、本明細書に記載の実施例および表A−3に示すものである。
好ましい側面において、本発明のポリペプチドまたは構築物は、少なくとも2つのISVDを含むか、または本質的にそれからなり、ここで該少なくとも2つのISVDは同一でも異なっていてもよいが、その少なくとも1つのISVDはMMP13に向けられる。
本発明の多価ポリペプチドまたは構築物に存在する2つ以上のISVDは、軽鎖可変ドメイン配列(例えば、V配列)または重鎖可変ドメイン配列(例えば、V配列)からなり得る;それらは、従来の4本鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列、または重鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列で構成されていてもよい。好ましい側面において、それらは、ドメイン抗体(またはドメイン抗体としての使用に適したペプチド)、単一ドメイン抗体(または単一ドメイン抗体としての使用に適したペプチド)、または「dAb」(またはdAbとしての使用に適したペプチド)、Nanobody(登録商標)(VHHを含むがこれに限定されない)、ヒト化VHH配列、ラクダ化V配列;または親和性成熟によって得られたVHH配列からなる。2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインは、部分的または完全にヒト化されたナノボディまたは部分的または完全にヒト化されたVHHからなることができる。
本発明の一側面において、本発明の多重パラトピック(好ましくは二重パラトピックまたは三重パラトピック)ポリペプチドまたは構築物に存在する第1のISVDおよび第2のISVDは、MMP13への結合について互いに(交差)競合せず、したがって、異なるファミリーに属する。したがって本発明は、各ISVDが異なるファミリーに属している2つ以上のISVDを含む、多重パラトピック(好ましくは二重パラトピック)ポリペプチドまたは構築物に関する。一側面において、本発明のこの多重パラトピック(好ましくは二重パラトピック)ポリペプチドまたは構築物の第1のISVDは、本発明のこの多重パラトピック(好ましくは二重パラトピック)ポリペプチドまたは構築物の第2のISVDのMMP13への結合を交差ブロックせず、および/または、第1のISVDは、第2のISVDによってMMP13への結合を交差ブロックされない。別の側面において、本発明の多重パラトピック(好ましくは二重パラトピック)ポリペプチドまたは構築物の第1のISVDは、本発明のこの多重パラトピック(好ましくは二重パラトピック)ポリペプチドまたは構築物の第2のISVDのMMP13への結合を交差ブロックし、および/または、第1のISVDは、第2のISVDによってMMP13への結合を交差ブロックされる。
特に好ましい側面において、本発明のポリペプチドまたは構築物は、3つ以上のISVDを含むか、または本質的にそれからなり、このうち少なくとも2つのISVDは、MMP13に向けられている。MMP13に向けられた前記少なくとも2つのISVDは、同一でも異なっていてもよく、MMP13の同じエピトープまたは異なるエピトープに向けられてもよく、同じエピトープビンまたは異なるエピトープビンに属することができ、および/または、MMP13の同じドメインまたは異なるドメインに結合できることが、理解されるであろう。
好ましい側面において、本発明のポリペプチドまたは構築物は、MMP13に結合する少なくとも2つのISVDを含むか、または本質的にそれらからなり、前記少なくとも2つのISVDは、同一または異なることができ、これらは独立して、配列番号111、11、110、10、112、12、109、9、13、14、15、16、17、18、19、20、21および22、および配列番号1、2、3、4、5、6、7および8からなる群から選択され、より好ましくは、前記少なくとも2つのISVDは、配列番号111、11、110、10、112、12、109、9および1からなる群から独立して選択され、および/または、少なくとも1つのISVDは、配列番号111、11、110、10、112、12、109、9、13、14、15、16、17、18、19、20、21および22からなる群から選択され、かつ少なくとも1つのISVDは、配列番号1、2、3、4、5、6、7および8からなる群から選択される。
さらなる態様において、本発明は、MMP13に向けられた2つ以上のISVDを含む多重パラトピック(好ましくは二重パラトピック)ポリペプチドまたは構築物に関し、前記ISVDは、配列番号111、11、110、10、112、12、109、9、13、14、15、16、17、18、19、20、21、および22のいずれか1つにより結合されるか、または配列番号1、2、3、4、5、6、7および8のいずれか1つにより結合されるのと同じエピトープに結合する。
さらなる側面において、本発明は本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、配列番号160〜165(すなわち160、161、162、163、164または165)および176〜192(すなわち176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191または192)のいずれか1つと、好ましくは配列番号192と、少なくとも80%、90%、95%または100%(より好ましくは少なくとも95%、および最も好ましくは100%)の配列同一性を有する。
保持
当該技術は、変形性関節症などの関節の軟骨に影響を与える障害に対する、より効果的な治療を必要としている。関節内に投与された場合でも、罹患した軟骨を処置するためのほとんどの薬物の滞留時間は不十分である。本発明者らは、本発明の構築物、ポリペプチドおよびISVDなどの治療薬の有効性は、治療薬を、関節内に薬物を「固定」しその結果薬物の保持を増加させるが、治療薬の有効性は邪魔しない部分に結合することによって、顕著に増加させることができるとの仮説をたてた(この部分は、本明細書では「軟骨固定タンパク質」または「CAP」とも呼ばれる)。この固定の概念は、薬物の有効性を増加するのみでなく、毒性と副作用を減らすことによって罹患した関節の操作上の特異性も増加することができ、それにより、可能性のある有用な薬物の数を増加させた。
臨床使用のための分子の最終フォーマットは、MMP13に結合する、ISVDなどの1つまたは2つのビルディングブロック、およびかかる保持モードの作用を有する、ISVDなどの1つ以上のビルディングブロック、および場合によってはさらなる部分を含むことが予想された。実施例の節において、かかるフォーマットは、MMP13結合と例えば抑制活性などの治療効果の両方、ならびに保持特性を保持することが実証されている。保持モードの作用を有する、ISVDなどの1つ以上のビルディングブロックは、例えば以下のようなMMP13が関与する疾患において保持効果を有する任意のビルディングブロックである(「CAPビルディングブロック」):関節炎、変形性関節症、脊椎骨端異形成症、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、関節リウマチ、離断性骨軟骨炎およびアグリカノパチーおよび悪性腫瘍の転移。
「CAPビルディングブロック」は、他の例えば治療用のビルディングブロック、例えばMMP13に結合するISVDなどを、例えば関節などの所望の部位に、誘導、固定、および/または保持するために使用され、ここで前記他の例えば治療用のビルディングブロックは、例えばMMP13の結合および/または活性の阻害などの、その効果を発揮する。
本発明者らはさらに、アグリカンに結合するISVDなどのアグリカン結合剤は、アグリカンが重度にグリコシル化され、関節の軟骨に影響を及ぼす様々な障害において分解されるにも関わらず、潜在的にかかるアンカーとして機能すると仮定した。さらに、薬剤が臨床に入る前に必要とされる様々な動物モデルでのコストおよび広範な試験を考慮すると、かかるアグリカン結合剤は、優先的に広範な種の交差反応性を有するべきであり、例えば、アグリカン結合剤は、様々な種のアグリカンに結合すべきである。
様々な独創的な免疫化、スクリーニング、および特性評価方法を使用して、本発明者らは、関節内において延長された保持時間および活性を可能にする、優れた選択性、安定性、および特異性を備えた様々なアグリカン結合剤を特定することができた。
一側面において本発明は、関節からの、組成物、ポリペプチドまたは構築物の流出を低減および/または阻害する方法に関し、前記方法は、本発明による少なくとも1つのポリペプチド、本発明による構築物、または本発明による組成物の薬学的活性量を、それを必要とする人へ投与することを含む。
本発明において、用語「流出の低減および/または阻害」は、組成物、ポリペプチドまたは構築物の、関節内から外部への外向きの流れを低減および/または阻害することを意味する。好ましくは、流出は、関節内における前述の組成物、ポリペプチドまたは構築物の流出であって、同じ条件下であるが本発明のアグリカン結合剤、例えばアグリカンに結合するISVDの存在なしの流出と比較して、少なくとも10%、例えば少なくとも20%、30%、40%、または50%、またはそれ以上、例えば少なくとも60%、70%、80%、90%、または100%をも、低減および/または阻害される。
MMP13が関与する疾患、例えば関節炎、変形性関節症、脊椎骨端異形成症、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、関節リウマチ、離断性骨軟骨炎、アグリカノパチーおよび悪性腫瘍の転移などの次に、本発明のアグリカン結合剤はまた、軟骨に影響を与える様々な他の疾患、例えば、関節症および軟骨異栄養症、関節炎、(例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離)、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、および再発性多発性軟骨炎(本明細書では一般に「アグリカン関連疾患」と示される)にも使用できることが予想される。
CAPビルディングブロック、例えばアグリカンに結合するISVDは、好ましくは軟骨および/または半月板などの軟骨組織に結合する。好ましい側面において、CAPビルディングブロックは他の種に対して交差反応性であり、以下の1つ以上に特異的に結合する:ヒトアグリカン(配列番号105)、イヌアグリカン、ウシアグリカン、ラットアグリカン;ブタアグリカン;マウスアグリカン、ウサギアグリカン;カニクイザルアグリカンおよび/またはアカゲザルアグリカン。アグリカンの関連構造情報は、例えば下の表2に示すように、(UniProt)アクセッション番号に記載されている。
好ましいCAPビルディングブロックは、ISVD結合アグリカン、好ましくはヒトアグリカンであり、好ましくは表Bに示されるように配列番号105で表される。
表2
したがって本発明は、少なくとも1つのCAPビルディングブロックをさらに含む、本発明によるポリペプチドまたは構築物に関する。
したがって本発明は、例えば表Eに示されるようなアグリカンに特異的に結合する少なくとも1つのISVDであって、好ましくは配列番号166〜168で表されるISVDから選択されるものをさらに含む、本発明によるポリペプチドまたは構築物に関する。
特に、本発明は、アグリカンに特異的に結合するISVDに関し、ここで前記ISVDは、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで前記ISVDは、以下からなるISVDの群から選択される:(a)CDR1は配列番号169であり、CDR2は配列番号170であり、およびCDR3は配列番号171である;および(b)CDR1は配列番号172であり、CDR2は配列番号173であり、およびCDR3は配列番号174である。
一側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDを含む、本明細書に記載のポリペプチドに関する。
一側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDを含む本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記少なくとも2つのISVDは、同一でも異なっていてもよい。
一側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDを含む本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記少なくとも2つのISVDは、配列番号166〜168からなる群から独立して選択される。
一側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDを含む本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記少なくとも2つのISVDは、配列番号166〜168によって表される。
ある側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合するISVDを含む本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記ISVDは、ヒトアグリカン[配列番号105]に特異的に結合する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記ISVDは、ヒトアグリカン(配列番号105)、イヌアグリカン、ウシアグリカン、ラットアグリカン;ブタアグリカン;マウスアグリカン、ウサギアグリカン;カニクイザルアグリカンおよび/またはアカゲザルアグリカンに、特異的に結合する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここでアグリカンに特異的に結合する前記ISVDは、好ましくは軟骨および/または半月板などの軟骨組織に結合する。
本発明のISVD、ポリペプチドおよび構築物は、好ましくは安定であることが理解されるであろう。本発明のポリペプチド、構築物またはISVDの安定性は、当業者に知られている日常的なアッセイにより測定することができる。典型的なアッセイには、例えば実施例の節に詳述されるように、(限定はされないが)ポリペプチド、構築物またはISVDの活性が測定され、続いて滑液中で所望の期間インキュベートされ、その後活性が再度測定されるアッセイが含まれる。
一側面において、本発明は、滑液(SF)中37℃で、少なくとも7日、例えば少なくとも14日、21日、1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月間も、安定性を有する、本発明のISVD、ポリペプチドまたは構築物に関する。
一側面において、本発明は、本発明のISVD、ポリペプチドまたは構築物であって、少なくとも5μm、例えば少なくとも10μm、20μm、30μm、40μm、50μmまたはそれ以上軟骨に浸透する、前記ISVD、ポリペプチドまたは構築物に関する。
本発明の多価ポリペプチドまたは構築物中の例えばMMP13に結合するISVDなどの、治療用ビルディングブロックの望ましい活性は、当業者に知られている日常的なアッセイにより測定することができる。典型的なアッセイには、(限定はされないが)実施例の節に詳述されているGAG放出アッセイが含まれる。
相対的親和性は、ポリペプチド内のISVDの位置に依存し得る。本発明のポリペプチドにおけるISVDの順序(配向)は、当業者の必要性に従って選択され得ることが理解されるであろう。個々のISVDの順序、およびポリペプチドがリンカーを含むかどうかは、設計選択の問題である。リンカーの有無にかかわらず、一部の配向は、他の配向と比較して優先される結合特性を提供し得る。例えば、本発明のポリペプチドにおける第1のISVD(例:ISVD1)および第2のISVD(例:ISVD2)の順序は、(N末端からC末端へ):(i)ISVD1(例:ナノボディ1)−[リンカー]−ISVD2(例:ナノボディ2)−[C末端伸長];または(ii)ISVD2(例:ナノボディ2)−[リンカー]−ISVD1(例ナノボディ1)−[C末端伸長];(ここで、角括弧内の部分、すなわちリンカーおよびC末端伸長は、任意である)。すべての配向が本発明に包含される。所望の結合特性を提供するISVDの配向を含むポリペプチドは、例えば実施例の節で例示されるように、日常的なスクリーニングにより容易に同定され得る。好ましい順序は、N末端からC末端へ:MMP13に結合したISVD−[リンカー]−アグリカンに結合したISVD−[C末端伸長]であり、ここで角括弧内の部分は任意である。さらに好ましい順序は、N末端からC末端へ:MMP13に結合したISVD−[リンカー]−アグリカンに結合したISVD−[リンカー]−アグリカンに結合したISVD−[C末端伸長]、ここで角括弧内の部分は任意である。例えば表Fを参照。
半減期
本発明の特定の側面において、本発明の構築物またはポリペプチドは、それのない本発明の対応する構築物またはポリペプチドと比較して増加した半減期を付与する部分を、有し得る。本発明のかかる構築物およびポリペプチドのいくつかの好ましいが非限定的な例は、当業者には、本明細書のさらなる開示に基づいて明らかになり、これは例えば以下を含む:化学修飾されて半減期を増加させた(例えば、ペグ化による)、本発明のISVDまたはポリペプチド;血清タンパク質(血清アルブミンなど)に結合するための少なくとも1つの追加の結合部位を含む、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のMMP13結合剤;または、本発明のアミノ酸配列の半減期を延長する少なくとも1つの部分(特に少なくとも1つのアミノ酸配列)に連結された、少なくとも1つの本発明のISVDを含む本発明のポリペプチド。かかる半減期延長部分またはISVDを含む本発明のポリペプチドなどの、本発明の構築物の例は、本明細書のさらなる開示に基づいて当業者に明らかになるであろう;例としては、限定はされないが、以下のポリペプチドである:本発明の1つ以上のISVDが、1つ以上の血清タンパク質またはその断片((ヒト)血清アルブミンまたはその適切な断片など)に好適に連結したポリペプチド、または、血清タンパク質に結合することができる1つ以上の結合単位に好適に連結したポリペプチド(血清タンパク質の例としては、例えば、ドメイン抗体、ドメイン抗体としての使用に適した免疫グロブリン単一可変ドメイン、単一ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用に適した免疫グロブリン単一可変ドメイン、dAb、dAbとしての使用に適した免疫グロブリン単一可変ドメイン、または血清アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)などの血清タンパク質に結合できるナノボディ、IgGなどの血清免疫グロブリン、またはトランスフェリンである;本明細書に記載のさらなる説明および参考文献を参照されたい);本発明のアミノ酸配列がFc部分(ヒトFcなど)またはその適切な部分もしくは断片に連結されているポリペプチド;または、本発明の1つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインが、血清タンパク質に結合することができる1つ以上の小タンパク質またはペプチドに適切に結合したポリペプチド、例えば、以下に記載のタンパク質およびペプチド:WO 91/01743、WO 01/45746、WO 02/076489、WO2008/068280、WO2009/127691およびPCT/EP2011/051559。
一側面において、本発明は、本発明の構築物またはポリペプチドを提供し、ここで前記構築物または前記ポリペプチドはさらに、血清タンパク質結合部分または血清タンパク質を含む。好ましくは、前記血清タンパク質結合部分は、ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミンに結合する。
一側面において、本発明は、血清アルブミンに結合するISVDを含む、本明細書に記載のポリペプチドに関する。
一般に、半減期が増加した本発明の構築物またはポリペプチドは、好ましくは、対応する本発明の構築物またはポリペプチドそれ自体、すなわち半減期の増加をもたらす部分がない場合の半減期よりも長い、少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも5倍、例えば少なくとも10倍または20倍より長い、半減期を有する。例えば、半減期が増加した本発明の構築物またはポリペプチドは、対応する本発明の構築物またはポリペプチド自体と比較して、すなわち半減期の増加をもたらす部分がない場合と比較して、例えばヒトにおいて、半減期の増加が1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、またはさらに24、48または72時間を超え得る。
本発明の好ましいが非限定的な側面において、本発明の構築物および本発明のポリペプチドは、例えばヒトにおいて、対応する本発明の構築物またはポリペプチド自体、すなわち半減期の増加をもたらす部分がない場合と比較して、1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、さらには24、48または72時間超増加した、血清半減期を有する。
本発明の別の好ましいが非限定的な側面において、本発明のポリペプチドなどの本発明のかかる構築物は、ヒトにおいて少なくとも約12時間、好ましくは少なくとも24時間、より好ましくは少なくとも48時間、さらにより好ましくは少なくとも72時間またはそれ以上の、血清半減期を示す。例えば、本発明の構築物またはポリペプチドは、血清半減期として、少なくとも5日(約5〜10日など)、好ましくは少なくとも9日(約9〜14日など)、より好ましくは少なくとも約10日(約10〜15日など)、または少なくとも約11日(約11〜16日など)、より好ましくは少なくとも約12日(約12〜18日またはそれ以上など)、または14日以上(約14〜19日など)を有し得る。
本発明の特に好ましいが非限定的な側面において、本発明は、MMP13に結合する1つ以上のビルディングブロックと潜在的に例えばアグリカンに結合するISVDなどの1つ以上のCAPビルディングブロックに加えて、血清アルブミンに結合する少なくとも1つのビルディングブロック、例えば、本明細書に記載のヒト血清アルブミンなどの血清アルブミンに結合するISVDを含む、本発明の構築物および本発明のポリペプチドを提供する。好ましくは、血清アルブミンに結合する前記ISVDは、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)を含むか、または本質的にそれらからなり、ここでCDR1はSFGMSであり、CDR2はSISGSGSDTLYADSVKGであり、およびCDR3はGGSLSRである。好ましくは、血清アルブミンに結合する前記ISVDは、Alb8、Alb23、Alb129、Alb132、Alb11、Alb11(S112K)−A、Alb82、Alb82−A、Alb82−AA、Alb82−AAA、Alb82−G、Alb82−GG、Alb82−GGG、Alb92、Alb135またはAlb223からなる群から選択される(表Dを参照)。
一側面において、本発明は、血清タンパク質結合部分を含むポリペプチドなどの本発明の構築物に関し、ここで前記血清タンパク質結合部分は、非抗体ベースのポリペプチドである。
その他の部分
一側面において、本発明は、少なくとも1つのISVDまたはポリペプチド、および1つ以上の他の基、残基、部分または結合単位を含む、本明細書に記載の構築物に関する。1つ以上の他の基、残基、部分または結合単位は、好ましくは、以下:ポリエチレングリコール分子、血清タンパク質またはその断片、血清タンパク質に結合できる結合単位、Fc部分、および、血清タンパク質、さらなるアミノ酸残基、例えば毒素、標識、放射性化学物質などのタグまたは他の機能的部分に結合可能な、小タンパク質またはペプチド;からなる群から選択される。
一側面において、以下で言及されるように、本発明は、半減期延長を付与する部分を含むポリペプチドなどの、本発明の構築物に関し、ここで、前記部分はPEGである。したがって、本発明はまた、PEGを含む本発明の構築物またはポリペプチドに関する。
さらなるアミノ酸残基は、本発明のポリペプチドの他の(生物学的)特性を変化させ、変更し、またはその他の影響を与えても与えなくてもよく、本発明のポリペプチドにさらなる機能を加えても加えなくてもよい。例えば、かかるアミノ酸残基は:
a)N末端Met残基を、例えば異種宿主細胞または宿主生物での発現の結果として、含むことができる;
b)合成時に宿主細胞からのポリペプチドの分泌を指示するシグナル配列またはリーダー配列を、形成し得る(例えば、本発明のポリペプチドを発現するために使用する宿主細胞に応じて、本発明のポリペプチドのプレ、プロまたはプレプロ形態を提供するため)。適切な分泌リーダーペプチドは、当業者には明らかであり、本明細書でさらに説明されているとおりであってよい。通常、かかるリーダー配列はポリペプチドのN末端に連結されるが、ただし最も広い意味での本発明はこれに限定されない;
c)「タグ」、すなわち例えばポリペプチドの精製を可能にするまたは促進するアミノ酸配列または残基を、例えば前記配列または残基に向けられた親和性技術を使用して、形成し得る。その後、前記配列または残基を除去して(例えば、化学的または酵素的切断により)、ポリペプチドを提供することができる(この目的のために、タグは、切断可能なリンカー配列を介してアミノ酸配列またはポリペプチド配列に任意に連結するか、切断可能なモチーフを含むことができる)。かかる残基のいくつかの好ましいが非限定的な例は、複数のヒスチジン残基、グルタチオン残基、およびAAAEQKLISEEDLNGAA(配列番号175)などのmycタグ、MYC−HISタグ(配列番号123)またはFLAG−HIS6タグ(配列番号124)である(表B参照);
d)官能化された、および/または官能基の結合部位として機能することができる、1つ以上のアミノ酸残基であってもよい。適切なアミノ酸残基および官能基は当業者には明らかであり、本発明のポリペプチドの誘導体について本明細書で言及されるアミノ酸残基および官能基が含まれるが、これらに限定はされない。
本発明にさらに包含されるのは、本発明のISVDを含み、さらに他の機能的部分、例えば毒素、標識、放射性化学物質などを含む、構築物および/またはポリペプチドである。
他の基、残基、部分または結合単位は、例えば化学基、残基、部分であってよく、これらは例えば、それ自体で生物学的および/または薬理学的に活性であってもなくてもよい。例えば、限定されないが、かかる基は、本発明のポリペプチドまたは構築物の「誘導体」を提供するために、本発明の1つ以上のISVDまたはポリペプチドに連結され得る。
したがって本発明は、その最も広い意味で、本発明の構築物および/またはポリペプチドの誘導体である、構築物および/またはポリペプチドも含む。かかる誘導体は一般に、本発明の構築物および/またはポリペプチド、および/または本発明のポリペプチドを形成する1つ以上のアミノ酸残基の、修飾によって、および特に化学的および/または生物学的(例えば酵素的)修飾によって、得ることができる。
かかる修飾の例、ならびにかかる様式で修飾可能なポリペプチド配列内のアミノ酸残基の例(すなわち、タンパク質骨格上であるか、好ましくは側鎖上)、かかる修飾に使用できる方法および技術、およびかかる修飾の潜在的な使用および利点は、当業者には明らかであろう(Zangi et al., Nat Biotechnol 31(10):898-907, 2013も参照)。
例えば、かかる修飾は、1つ以上の(官能)基、残基または部分の、本発明のポリペプチド内またはこれの上への導入(例えば、共有結合によるかまたは他の適切な様式による)、および特に、本発明の構築物および/またはポリペプチドに1つ以上の所望の特性または機能性を付与する、1つ以上の(官能)基、残基または部分の導入を、含み得る。かかる官能基の例は、当業者には明らかであろう。
例えば、かかる修飾は、本発明の構築物またはポリペプチドの半減期、溶解度および/または吸収を増加させ、本発明の構築物またはポリペプチドの免疫原性および/または毒性を低減し、本発明の構築物またはポリペプチドの望ましくない副作用を排除または減弱し、および/または本発明の構築物またはポリペプチドに他の有利な特性を付与しおよび/または望ましくない特性を低減する、1つ以上の機能的部分の;または前述の2つ以上の任意の組み合わせの、導入(例えば、共有結合によるか、または他の適切な様式による)を含み得る。かかる機能的部分およびそれらを導入するための技術の例は、当業者には明らかであり、一般に、本明細書の上記で引用した一般的な背景技術で言及されるすべての機能的部分および技術、ならびに医薬品タンパク質の修飾のための、それ自体既知の機能的部分および技術を含むことができる;および特に、抗体または抗体断片(ScFvおよび単一ドメイン抗体を含む)の修飾については、例えばRemington (Pharmaceutical Sciences, 16th ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1980)を参照されたい。かかる機能的部分は、例えば、本発明のポリペプチドに直接(例えば共有結合で)、または任意に適切なリンカーまたはスペーサーを介して、連結することができ、これは再度、当業者には明らかであろう。
1つの具体例は、本発明のポリペプチドまたは構築物が化学的に修飾されてその半減期が増加した(例えば、ペグ化により)、本発明の誘導体ポリペプチドまたは構築物である。これは、医薬タンパク質の半減期の延長および/または免疫原性の低下に、最も広く使用されている手法の1つであり、好適な薬学的に許容し得るポリマー、例えばポリ(エチレングリコール)(PEG)またはその誘導体(メトキシポリ(エチレングリコール)またはmPEG)などの結合を含む。一般に、任意の適切な形態のペグ化、例えば抗体および抗体断片((単一)ドメイン抗体およびScFvを含むがこれらに限定されない)に対して当技術分野で使用されるペグ化などを、使用することができる;例えば、以下を参照:Chapman (Nat. Biotechnol. 54: 531-545, 2002)、Veronese and Harris (Adv. Drug Deliv. Rev. 54: 453-456, 2003)、Harris and Chess (Nat. Rev. Drug. Discov. 2: 214-221, 2003)およびWO 04/060965。タンパク質のペグ化のための様々な試薬も市販されており、例えばNektar Therapeutics, USAからである。
好ましくは、特にシステイン残基を介した部位特異的ペグ化が使用される(例えば、Yang et al. (Protein Engineering 16: 761-770, 2003を参照)。例えばこの目的のために、PEGを、本発明のポリペプチドに天然に存在するシステイン残基に結合させることができ、本発明の構築物またはポリペプチドは、PEGの結合のために1つ以上のシステイン残基を適切に導入するように修飾され得、または、PEGの結合のための1つ以上のシステイン残基を含むアミノ酸配列が、本発明の構築物またはポリペプチドのN末端および/またはC末端に融合されてもよく、これらはすべて、当業者にそれ自体既知のタンパク質工学の技術を使用するものである。
好ましくは、本発明の構築物またはポリペプチドについては、5000を超える分子量、例えば10,000超および200,000未満、例えば100,000未満;例えば、20,000〜80,000の範囲の分子量を有するPEGが使用される。
別の、通常はあまり好ましくない修飾は、N結合またはO結合グリコシル化を、本発明のポリペプチドの発現に使用される宿主細胞に応じて、通常は同時翻訳および/または翻訳後の修飾の一部として含む。
さらに別の修飾は、本発明のポリペプチドまたは構築物の意図する使用に応じた、1つ以上の検出可能な標識または他のシグナル生成基もしくは部分の導入を含み得る。それらを結合、使用および検出するための適切な標識および技術は、当業者には明らかであり、例えば、以下を含むがこれに限定はされない:蛍光標識(例えばフルオレセイン、イソチオシアネート、ローダミン、フィコエリスリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルデヒド(phthaldehyde)、およびフルオレスカミンおよび152Euなどの蛍光金属、またはランタニド系のその他の金属など)、リン光標識、化学発光標識または生物発光標識(例えばルミナール、イソルミノール、セロマティック(theromatic)アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩、シュウ酸エステル、ジオキセタンまたはGFPおよびそのアナログ)、放射性同位体(例えばH、125I、32P、35S、14C、51Cr、36Cl、57Co、58Co、59Fe、および75Seなど)、金属、金属キレート、または金属カチオン(例えば金属カチオン、例:99mTc、123I、111In、131I、97Ru、67Cu、67Ga、および68Ga、またはin vivo、in vitroもしくはin situ診断およびイメージングでの使用に特に適した他の金属または金属カチオン、例えば(157Gd、55Mn、162Dy、52Crおよび56Fe))、ならびに発色団および酵素(例えばリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−V−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ−グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ビオチナビジンペルオキシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−VI−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼ)。他の適切な標識は当業者には明らかであり、例えば、NMRまたはESR分光法を使用して検出可能な部分を含む。
本発明のかかる標識ポリペプチドおよび構築物は、例えば、in vitro、in vivoまたはin situアッセイ(それ自体既知の免疫アッセイ、例えばELISA、RIA、EIAおよび他の「サンドイッチアッセイ」等を含む)に、ならびにin vivoの診断およびイメージングを目的として、特定の標識の選択に応じて使用され得る。
当業者には明らかであるように、別の修飾は、例えば上記の金属または金属カチオンの1つをキレート化するためのキレート基の導入を伴い得る。適切なキレート基には、例えば限定するものではないが、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が含まれる。
さらに別の修飾は、ビオチン−(ストレプト)アビジン結合ペアなどの特定の結合ペアの一部である、機能的部分の導入を含んでもよい。かかる機能的部分を使用して、本発明のポリペプチドを、結合ペアの他の半分に結合する別のタンパク質、ポリペプチドまたは化学化合物に、例えば結合ペアの形成により連結することができる。例えば、本発明の構築物またはポリペプチドをビオチンにコンジュゲートさせ、アビジンまたはストレプトアビジンにコンジュゲートした別のタンパク質、ポリペプチド、化合物または担体に連結することができる。例えば、本発明のかかるコンジュゲート構築物またはポリペプチドは、レポーターとして、例えば、検出可能なシグナル発生剤がアビジンまたはストレプトアビジンにコンジュゲートされる診断システムにおいて、使用され得る。かかる結合ペアは、例えば本発明の構築物またはポリペプチドを、薬学的目的に適した担体を含む担体に結合するために使用することもできる。1つの非限定的な例は、Cao and Suresh (Journal of Drug Targeting 8: 257, 2000)に記述されたリポソーム製剤である。かかる結合ペアはまた、治療的に活性な薬剤を本発明のポリペプチドに連結するために使用され得る。
他の可能性のある化学的および酵素的修飾は、当業者には明らかであろう。かかる修飾はまた、研究目的(例えば、機能−活性の関係を研究するため)で導入することもできる。例えばLundblad and Bradshaw (Biotechnol. Appl. Biochem. 26: 143-151, 1997)を参照する。
好ましくは、構築物、ポリペプチドおよび/または誘導体は、MMP13に、本明細書で定義される親和性(本明細書でさらに説明されるように、K値(実際または見かけの値)、K値(実際または見かけの値)、konレートまたはkoffレート、あるいは代替的にIC50値として、適切に測定および/または表示される)で結合する(すなわち、本発明のポリペプチドについて定義されるように)。
本発明のかかる構築物および/またはポリペプチドならびにその誘導体はまた、本質的に単離された形態(本明細書で定義される)であってもよい。
一側面において、本発明は、本発明のISVDまたは本発明のポリペプチドを含むかまたは本質的にそれからなり、さらに、任意に1つ以上のペプチドリンカーを介して連結されている1つ以上の他の基、残基、部分または結合単位を含む、本発明の構築物に関する。
一側面において、本発明は、1つ以上の他の基、残基、部分または結合単位が、ポリエチレングリコール分子、血清タンパク質またはその断片、血清タンパク質に結合可能な結合単位、Fc部分、および血清タンパク質に結合可能な小タンパク質またはペプチドからなる群から選択される、本発明の構築物に関する。
リンカー
本発明のポリペプチドなどの本発明の構築物において、例えばISVDなどの2つ以上のビルディングブロック、および任意に1つ以上の他の基、薬物、薬剤、残基、部分、または結合単位は、互いに直接連結されてもよく(例えば、WO 99/23221に記載されているように)、および/または1つ以上の適切なスペーサーまたはリンカーを介して互いに連結されてもよく、またはそれらの任意の組み合わせである。多価および多重特異性ポリペプチドでの使用に適したスペーサーまたはリンカーは、当業者には明らかであり、一般に、アミノ酸配列を連結するために当技術分野で使用される任意のリンカーまたはスペーサーであり得る。好ましくは、前記リンカーまたはスペーサーは、薬学的使用を目的とする構築物、タンパク質またはポリペプチドの構築における使用に適している。
例えば、本発明のポリペプチドは、三価、三重特異性ポリペプチドであって、例えば、MMP13に結合するISVDなどの1つのビルディングブロック、アグリカンに結合するISVDなどのCAPビルディングブロック、および第3のISVDなどの潜在的に別のビルディングブロックを含む、前記ポリペプチドであってもよく、ここでISVDなどの前記第1、第2および第3のビルディングブロックは、1つ以上、特に2つのリンカー配列を介して、任意に連結されてもよい。また本発明は、本発明の構築物またはポリペプチドであって、MMP13に結合する第1のISVD、および場合によりアグリカンに結合する第2のISVD、および/または場合により第3のISVD、および/または場合により第4のISVDを含む、前記構築物またはポリペプチドを提供し、ここで前記第1のISVDおよび/または場合により前記第2のISVDおよび/または場合により前記第3のISVDおよび/または場合により前記第4のISVDは、リンカー、特に3つのリンカーを介して、連結される。
いくつかの特に好ましいリンカーには、抗体断片または抗体ドメインを連結するために当技術分野で使用されるリンカーが含まれる。これらには、上記の一般的な背景技術で言及されたリンカー、ならびに例えばダイアボディまたはScFv断片を構築するために当技術分野で使用されるリンカーが含まれる(この点についてはしかし、ダイアボディおよびScFv断片において、使用されるリンカー配列は、適切なVおよびVドメインが一緒になって完全な抗原結合部位を形成することを可能にする長さ、ある程度の柔軟性、および他の特性を有するべきであり、本発明のポリペプチドで使用されるリンカーの長さまたは柔軟性に特に制限はなく、これは、ナノボディなどの各ISVDが、それ自体で完全な抗原結合部位を形成するからである)。
例えばリンカーは、適切なアミノ酸配列であってよく、特に1〜50個、好ましくは1〜30個、例えば1〜10個のアミノ酸残基のアミノ酸配列であり得る。かかるアミノ酸配列のいくつかの好ましい例には、例えば(glyserタイプのgly−serリンカー、例えばWO 99/42077に記載されている(glyser)または(glyserなど、および、本明細書に記載のAblynxによる出願に記載されているGS30、GS15、GS9およびGS7リンカー(例えばWO 06/040153およびWO 06/122825を参照)、ならびにヒンジ様領域、例えば天然に存在する重鎖抗体または類似の配列のヒンジ領域など(WO 94/04678に記載されている)が含まれる。好ましいリンカーを、表Cに示す。
いくつかの他の特に好ましいリンカーは、ポリアラニン(AAAなど)、ならびにリンカーGS30(WO 06/122825の配列番号85)およびGS9(WO 06/122825の配列番号84)である。
他の適切なリンカーは一般に、有機化合物またはポリマー、特に医薬用途のタンパク質での使用に適したものを含む。例えばポリ(エチレングリコール)部分は、抗体ドメインを連結するために使用されている;例えばWO 04/081026を参照。
使用されるリンカーの長さ、柔軟性の程度、および/または他の特性(ただし通常は、ScFv断片で使用されるリンカーの場合ほど重要ではない)が、本発明のポリペプチドなどの本発明の最終構築物の、MMP13または1つ以上の他の抗原に対する親和性、特異性または結合力を含む特性(これらに限定はされない)にいくらかの影響を及ぼし得ることは、本発明の範囲に包含される。本明細書の開示に基づいて、当業者は、本発明のポリペプチドなどの本発明の特定の構築物で使用する最適なリンカーを、任意にいくつかの限定された日常的実験の後に決定することができるであろう。
例えば、MMP13および別の標的に向けられた、ビルディングブロック、ISVDまたはナノボディを含む本発明の多価ポリペプチドにおいて、リンカーの長さおよび柔軟性は、ポリペプチド中の本発明のISVDなどの各ビルディングブロックが、その同族の標的、例えば各標的の抗原決定基に結合することを可能にするようなものであることが好ましい。再び、本明細書の開示に基づいて、当業者は、本発明のポリペプチドなどの本発明の特定の構築物で使用するための最適なリンカーを、任意にいくつかの限定された日常的実験の後に決定することができるであろう。
さらに本発明の範囲内であるのは、使用されるリンカーが、本発明のポリペプチドなどの本発明の構築物に、1つ以上の他の好ましい特性または機能性を付与し、および/または誘導体の形成および/または官能基の結合のための1つ以上の部位を提供することである(例えば、本発明のISVDの誘導体について本明細書に記載のように)。例えば、1つ以上の荷電アミノ酸残基を含むリンカーは改善された親水性を提供できるが、小さなエピトープまたはタグを形成するかまたは含むリンカーは、検出、識別、および/または精製の目的で使用することができる。再び、本明細書の開示に基づいて、当業者は、本発明の特定のポリペプチドで使用するための最適なリンカーを、任意にいくつかの限定された日常的実験の後に決定することができるであろう。
最後に、本発明のポリペプチドなどの構築物に2つ以上のリンカーが使用される場合、これらのリンカーは同一でも異なっていてもよい。再び、本明細書の開示に基づいて、当業者は、本発明の特定の構築物またはポリペプチドで使用する最適なリンカーを、任意にいくつかの限定された日常的実験の後に決定することができるであろう。
通常、発現および生産を容易にするために、本発明のポリペプチドなどの本発明の構築物は、線状ポリペプチドである。しかし本発明は、その最も広い意味でこれに限定されない。例えば、本発明のポリペプチドなどの本発明の構築物が3つ以上のビルディングブロック、ISVDまたはナノボディを含む場合、3つ以上の「アーム」を有するリンカーの使用によってそれらを連結することが可能であり、それぞれの「アーム」は、ビルディングブロック、ISVDまたはナノボディに連結されて「星形」の構築物を提供する。通常はあまり好ましくはないが、円形の構築物を使用することも可能である。
したがって本発明は、本発明のポリペプチドなどの本発明の構築物に関し、ここで、前記ISVDは互いに直接連結されるか、またはリンカーを介して連結される。
したがって本発明は、本発明のポリペプチドなどの本発明の構築物に関し、ここで、第1のISVDおよび/または第2のISVDおよび/またはおそらく血清アルブミンに結合するISVDが、リンカーを介して連結されている。
したがって本発明は、本発明のポリペプチドなどの本発明の構築物に関し、ここで、前記リンカーは、A3、5GS、7GS、8GS、9GS、10GS、15GS、18GS、20GS、25GS、30GS、35GS、40GS、G1ヒンジ、9GS−G1ヒンジ、ラマ上部の長いヒンジ領域、およびG3ヒンジ、のリンカーからなる群から選択され、これらは例えば表Cに示されている。
したがって本発明は、本発明のポリペプチドなどの本発明の構築物に関し、ここで前記ポリペプチドは、表A−3および表Fに示される群から、例えば配列番号164〜165、160、161、162、163、および配列番号176、192、および175〜191(すなわち、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190または191)からなる群から選択される。
調製
本発明はさらに、本明細書に記載の構築物、ポリペプチド、ISVD、核酸、宿主細胞、および組成物を調製する方法に関する。
本発明の多価ポリペプチドは一般に、少なくとも本発明のISVDおよび/または一価ポリペプチドを、場合により1つ以上の適切なリンカーを介して、1つ以上のさらなるISVDに適切に連結するステップを含む方法によって調製することができ、こうして本発明の多価ポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドはまた、少なくとも、本発明のポリペプチドをコードする核酸を提供するステップ、前記核酸を適切な方法で発現するステップ、および発現された本発明のポリペプチドを回収するステップを含む方法によっても、調製することができる。かかる方法は、それ自体既知の様式で実行することができ、これは当業者には、例えば本明細書でさらに説明する方法および技術に基づいて、明らかであろう。
本発明の多価ポリペプチドを調製する方法は、少なくとも、本発明の2つ以上のISVDおよび例えば1つ以上のリンカーを、適切な様式で一緒に連結するステップを含んでもよい。本発明のISVD(およびリンカー)は、当技術分野で知られており本明細書でさらに説明する任意の方法により、結合することができる。好ましい技術には、本発明のISVD(およびリンカー)をコードする核酸配列を連結して、多価ポリペプチドを発現する遺伝子構築物を調製することが含まれる。アミノ酸または核酸を連結する技術は当業者には明らかであり、標準的なハンドブック、例えば上記のSambrook et al.およびAusubel et al.など、ならびに以下の実施例を再び参照する。
したがって、本発明は、本発明の多価ポリペプチドの調製における、本発明のISVDの使用にも関する。多価ポリペプチドを調製する方法は、本発明のISVDを、任意に1つ以上のリンカーを介して、少なくとも1つのさらなる本発明のISVDに連結することを含む。次いで、本発明のISVDは、2つ(例えば、二価ポリペプチド中)、3つ(例えば、三価ポリペプチド中)、4つ(例えば、四価中)、またはそれ以上(例えば、多価ポリペプチド中)のビルディングブロックを含む多価ポリペプチドを提供および/または調製する際の、結合ドメインまたはビルディングブロックとして使用される。これに関して、本発明のISVDは、2、3、4またはそれ以上のビルディングブロックを含む本発明の二価、三価または四価などの多価ポリペプチドを提供および/または調製する際の、結合ドメインまたは結合単位として、使用することができる。
したがって、本発明はまた、本発明のISVDポリペプチド(本明細書に記載)の、多価ポリペプチドの調製における使用にも関する。多価ポリペプチドの調製方法は、本発明のISVDの、任意に1つ以上のリンカーを介した、少なくとも1つのさらなる本発明のISVDへの連結を含む。
本発明のポリペプチドおよび核酸は、本明細書のさらなる説明から当業者に明らかなように、それ自体既知の様式で調製することができる。例えば、本発明のポリペプチドは、抗体の調製、特に抗体断片((単一)ドメイン抗体およびScFv断片を含むがこれらに限定されない)の調製のための、それ自体既知の任意の様式で調製することができる。ポリペプチドおよび核酸を調製するためのいくつかの好ましいが非限定的な方法には、本明細書に記載の方法および技術が含まれる。
本発明のポリペプチドを生産する方法は、以下のステップを含み得る:
−本発明の前記ポリペプチドをコードする核酸(本明細書では「本発明の核酸」とも呼ばれる)の、適切な宿主細胞または宿主生物(本明細書では「本発明の宿主」とも呼ばれる)における、または別の適切な発現系における発現;続いて任意に、
−こうして得られた本発明のポリペプチドを単離および/または精製すること。
特に、かかる方法は、以下のステップを含んでもよい:
−本発明の宿主を、本発明の宿主が本発明の少なくとも1つのポリペプチドを発現および/または生産するような条件下で、培養および/または維持すること;続いて任意に、
−こうして得られた本発明のポリペプチドを、単離および/または精製すること。
したがって、本発明はまた、本発明のポリペプチド、ISVDまたは構築物をコードする核酸またはヌクレオチド配列(「本発明の核酸」とも呼ばれる)にも関する。
本発明の核酸は、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNAの形態であり得る。本発明の一態様によれば、本発明の核酸は、本明細書で定義されるように、本質的に単離されている。本発明の核酸はまた、発現ベクターなどのベクター、例えばプラスミド、コスミドまたはYAC(これもまた本質的に単離された形態であり得る)の形態であっても、その中に存在しても、および/またはベクターの一部であってもよい。したがって本発明はまた、本発明の核酸またはヌクレオチド配列を含む、発現ベクターにも関する。
本発明の核酸は、本明細書に記載の本発明のポリペプチドに関する情報に基づいて、それ自体既知の様式で調製または取得でき、および/または適切な天然源から単離できる。また、当業者には明らかであるように、本発明の核酸を調製するために、いくつかのヌクレオチド配列、例えば本発明のISVDをコードする少なくとも2つの核酸、および例えば1つ以上のリンカーをコードする核酸などを、適切な様式で一緒に連結することができる。本発明の核酸を生成するための技術は当業者には明らかであり、例えば、限定はされないが、以下を含み得る:自動化されたDNA合成;部位特異的変異誘発;2つ以上の天然に存在する配列および/または合成配列(またはその2つ以上の部分)の組み合わせること、切断された発現産物の発現をもたらす変異の導入;1つ以上の制限部位の導入(例えば、適切な制限酵素を使用して、容易に消化および/またはライゲートできるカセットおよび/または領域を作成するため)、および/または1つ以上の「不一致」プライマーを使用した、PCR反応による変異の導入。これらおよび他の技術は当業者には明らかであり、再度、標準的なハンドブック、例えば上記のSambrook et al.およびAusubel et al.など、ならびに以下の実施例を参照する。
好ましいが非限定的な態様において、本発明の遺伝子構築物は以下を含む:
a)本発明の少なくとも1つの核酸;
b)1つ以上の調節要素に動作可能に接続されている、例えばプロモーター、および任意に適切なターミネーター;および任意にまた
c)それ自体知られている、遺伝子構築物の1つ以上のさらなる要素;
ここで、用語「調節要素」、「プロモーター」、「ターミネーター」、および「動作可能に接続された」は、当技術分野における通常の意味を有する。
本発明の遺伝子構築物は一般に、本発明のヌクレオチド配列を、例えば上記のSambrook et al.およびAusubel et al.など一般的なハンドブックに記載された技術を使用して、上記の1つ以上のさらなる要素に適切に連結することにより提供され得る。
本発明の核酸および/または本発明の遺伝子構築物は、宿主細胞または宿主生物を形質転換するために、すなわち、本発明のポリペプチドの発現および/または生産のために、使用され得る。適切な宿主または宿主細胞は当業者には明らかであり、例えば、任意の適切な真菌、原核生物または真核生物の細胞または細胞株、または任意の適切な真菌、原核生物または(非ヒト)真核生物ならびに、抗体および抗体断片((単一)ドメイン抗体およびScFv断片を含むがこれらに限定されない)の発現および生産についてそれ自体既知の宿主細胞または(非ヒト)宿主であることができ、これらは当業者には明らかであろう。上記で引用された一般的な背景技術、ならびに例えば以下も参照される:WO 94/29457;WO 96/34103;WO 99/42077;Frenken et al. (Res Immunol. 149: 589-99, 1998);Riechmann and Muyldermans (1999)上記;van der Linden (J. Biotechnol. 80: 261-70, 2000);Joosten et al. (Microb. Cell Fact. 2: 1, 2003);Joosten et al. (Appl. Microbiol. Biotechnol. 66: 384-92, 2005);および、本明細書に引用されているさらなる参考文献。さらに本発明のポリペプチドは、無細胞発現系で発現および/または生産することもでき、かかる系の適切な例は当業者には明らかであろう。本発明の宿主または宿主細胞を形質転換するための適切な技術は、当業者には明らかであり、意図される宿主細胞/宿主生物および使用される遺伝子構築物に依存し得る。再度、上記のハンドブックおよび特許出願を参照する。形質転換された宿主細胞(安定な細胞株の形態であり得る)または宿主生物(安定な変異体系統または株の形態であり得る)は、本発明のさらなる側面を形成する。したがって本発明は、本発明による核酸、または本発明による発現ベクターを含む、宿主または宿主細胞に関する。好ましくは、これらの宿主細胞または宿主生物は、本発明のポリペプチド(および宿主生物の場合:その少なくとも1つの細胞、部分、組織または臓器において)を発現するか、(少なくとも)(例えば、適切な条件下で)発現可能なものである。本発明はまた、本発明の宿主細胞または宿主生物のさらなる世代、後代および/または子孫を含み、これらは例えば、細胞分裂または有性生殖または無性生殖により得ることができる。
本発明のポリペプチドの発現を生成/取得するために、形質転換された宿主細胞または形質転換された宿主生物は、一般に、本発明の(望ましい)ポリペプチドが発現/生産されるような条件において、保たれる、維持される、および/または培養され得る。適切な条件は当業者には明らかであり、通常、使用される宿主細胞/宿主生物、ならびに本発明の(関連する)ヌクレオチド配列の発現を制御する調節要素に依存する。再度、本発明の遺伝子構築物に関する段落で上述した、ハンドブックおよび特許出願を参照する。
次いで、本発明のポリペプチドの単離は、宿主細胞/宿主生物および/または前記宿主細胞もしくは宿主生物が培養された培地から、それ自体既知のタンパク質の単離および/または精製技術、例えば(分取)クロマトグラフィーおよび/または電気泳動技術、示差沈殿技術、親和性技術(例えば、本発明のポリペプチドと融合した特定の切断可能なアミノ酸配列を使用)および/または分取免疫学的技術(すなわち、単離されるポリペプチドに対する抗体を使用)を用いて、行うことができる。
一側面において、本発明は、少なくとも以下のステップを含む、本発明による構築物、ポリペプチドまたはISVDを生産する方法に関する:(a)適切な宿主細胞または宿主生物または別の適切な発現系において、本発明による核酸配列を発現するステップ;これに続いて任意に(b)本発明による構築物、ポリペプチド、ISVDを単離および/または精製するステップ。
医薬(本発明のISVD、ポリペプチド、構築物の使用)
本明細書で述べるように、安全で効果的なOA医薬品の必要性が残されている。非従来的なスクリーニング、特性評価および組み合わせ戦略に基づいて、本発明者らは、MMP13に結合しこれを阻害するISVDを特定した。これらのMMP13結合剤は、in vitroおよびin vivo実験で非常に優れた性能を発揮した。さらに、本発明のISVDは、比較分子よりも有意に有効であることも実証された。したがって本発明は、MMP、特にMMP13に拮抗するISVDおよびポリペプチドであって、比較分子と比べて、より安全なプロファイルを含む、改善された予防的、治療的および/または薬理学的特性を有する前記ISVDおよびポリペプチドを提供する。さらに、これらのMMP13結合剤は、CAPビルディングブロックに連結されると、関節での保持が増加し、一方で活性が保持された。
一側面において、本発明は、医薬として使用するための、本発明による組成物、本発明によるISVD、本発明によるポリペプチド、および/または本発明による構築物に関する。
別の側面において、本発明は、少なくともMMP13関連疾患の予防および/または処置のための医薬組成物の調製における、および/または本明細書に記載の処置方法の1つ以上で使用するための、本発明のISVD、ポリペプチドおよび/または構築物の使用に関する。
本発明はまた、本発明のISVD、ポリペプチド、化合物および/または構築物の使用であって、MMP、好ましくはMMP13の活性を調節すること、例えばアグリカンおよび/またはコラーゲンの分解を抑制することにより予防および/または処置できる少なくとも1つの疾患または障害の、予防および/または処置のための医薬組成物の調製における、前記使用に関する。
本発明はまた、本発明のISVD、ポリペプチド、化合物および/または構築物の使用であって、本発明のISVD、ポリペプチド、化合物および/または構築物を患者に投与することにより予防および/または処置することができる少なくとも1つの疾患、障害または状態の予防および/または処置のための医薬組成物の調製における、前記使用に関する。
本発明はさらに、少なくとも1つのMMP13関連疾患の予防および/または処置に使用するための、本発明のISVD、ポリペプチド、化合物および/もしくは構築物、またはそれを含む医薬組成物に関する。
本発明のMMP13結合剤は、軟骨に影響を与える様々な疾患において、例えば関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、および再発性多発性軟骨炎、離断性骨軟骨炎およびアグリカノパチー(本明細書では一般的に「MMP13関連疾患」として示される)において、使用可能であることが予想される。
一側面において、本発明は、MMP13関連疾患の症状を処置または予防するのに使用するための、本発明による組成物、ISVD、ポリペプチドおよび/または構築物に関し、前記疾患としては例えば、関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、および再発性多発性軟骨炎、離断性骨軟骨炎およびアグリカノパチーである。より好ましくは、前記疾患または障害は関節炎であり、最も好ましくは変形性関節症である。
一側面において、本発明は、関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、および再発性多発性軟骨炎を予防または処置するための方法に関し、ここで前記方法は、それを必要とする対象に、少なくとも本発明による組成物、免疫グロブリン、ポリペプチド、または構築物の薬学的活性量を投与することを含む。より好ましくは、前記疾患は関節炎であり、最も好ましくは変形性関節症である。
一側面において、本発明は、本発明によるISVD、ポリペプチド、組成物または構築物の使用であって、例えば関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、および再発性多発性軟骨炎、離断性骨軟骨炎およびアグリカノパチーなどの疾患また障害を処置または予防するための医薬組成物の調製における、前記使用に関する。より好ましくは、前記疾患または障害は関節炎であり、最も好ましくは変形性関節症である。
アグリカンに結合することにより、本発明の構築物および/またはポリペプチドは、セリンプロテアーゼファミリーのメンバー、カテプシン、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)/マトリキシンまたはトロンボスポンジンモチーフを有するAディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ(ADAMTS)、MMP20、ADAMTS5(アグリカナーゼ2)、ADAMTS4(アグリカナーゼ1)、および/またはADAMTS11の活性を、アグリカンの分解において低下または阻害し得る。
本発明の文脈において、用語「予防および/または処置」は、疾患の予防および/または処置を含むだけでなく、一般に以下も含む:疾患の発症の予防、疾患の進行の遅延または逆転、疾患の予防または遅延、疾患に関連する1つ以上の症状の発症の予防または遅延、疾患に関連する1つ以上の症状の軽減および/または緩和、疾患の重症度および/または持続期間および/またはそれに関連する症状の低減、および/または疾患の重症度および/またはそれに関連する任意の症状のさらなる増加の予防、疾患によって引き起こされる任意の生理学的損傷の予防、軽減、または逆転、および処置される患者に有益な一般的に任意の薬理作用。
投与計画は、担当医および臨床的要因によって決定される。医療分野でよく知られているように、任意の一患者への投与量は、例えば患者のサイズ、体重、体表面積、年齢、投与される特定の化合物、使用されるポリペプチド(抗体を含む)の活性、投与の時間と経路、一般的な健康状態、および他の療法または処置との組み合わせを含む、多くの要因に依存する。タンパク質性の薬学的活性物質は、1用量あたり1g〜100mg/kg体重の量で存在し得る;しかしながら、この例示的な範囲を下回るかまたは上回る用量も想定される。計画が持続注入の場合、1分間に体重1キログラムあたり1pg〜100mgの範囲であり得る。
本発明のISVD、ポリペプチドまたは構築物は、MMP13の生物学的機能を、当技術分野で周知の方法によりアッセイされる場合に、少なくとも約50%、好ましくは75%、より好ましくは90%、95%または最大99%、および最も好ましくは約100%(本質的に完全に)阻害および/または中和するために、例えば、0.01、0.1、0.5、1、2、5、10、20または50pg/mlの濃度で使用され得る。
本発明のISVD、ポリペプチドまたは構築物は、MMP13の生物学的機能を、当技術分野で周知の方法によりアッセイされる場合に、少なくとも約50%、好ましくは75%、より好ましくは90%、95%または最大99%、および最も好ましくは約100%(本質的に完全に)阻害および/または中和するために、例えば、1、2、5、10、20、25、30、40、50、75、100、200、250または500ng/mg軟骨の濃度で使用され得る。
一般に処置計画は、本発明の1つ以上のISVD、ポリペプチドおよび/もしくは構築物、またはそれを含む1つ以上の組成物の、1以上の薬学的有効量または用量での投与を含む。投与されるべき特定の量または用量は、臨床医により、再度上記の要因に基づいて決定することができる。本発明の構築物、ポリペプチド、および/またはISVDの有用な用量は、それらのin vitro活性と動物モデルにおけるin vivo活性とを比較することにより決定することができる。マウスおよび他の動物での有効用量をヒトに外挿する方法は、当技術分野で知られている;例えば、US 4,938,949を参照。
一般に、処置される特定の疾患、障害または状態、使用される特定の本発明のISVD、ポリペプチドおよび/または構築物の効力、特定の投与経路および使用される特定の医薬製剤または組成物に応じて、臨床医は適切な1日用量を決定できるであろう。
本発明の構築物、ポリペプチド、および/またはISVDの、処置における使用に必要とされる量は、選択された特定の免疫グロブリン、ポリペプチド、化合物、および/または構築物だけでなく、投与経路、処置される状態の性質、患者の年齢および状態によっても異なり、最終的には担当医または臨床医の裁量に委ねられる。また、本発明の構築物、ポリペプチド、および/またはISVDの用量は、標的細胞、組織、移植片、関節または臓器に応じて変化する。
所望の用量は、単回用量で、または適切な間隔で投与される分割用量として、例えば、1日あたり2、3、4またはそれ以上のサブ用量として便利に提示され得る。サブ用量自体は、例えば、いくつかの別個の大まかに間隔を空けた複数の投与にさらに分割されてもよい。好ましくは、用量は、週に1回またはより少ない頻度で、例えば2週間に1回、3週間に1回、月に1回、または2ヶ月に1回などでも投与される。
投与計画には、長期にわたる処置が含まれ得る。「長期」とは、少なくとも2週間、好ましくは数週間、数ヶ月、または数年の期間を意味する。この用量範囲の必要な修正は、本明細書の教示および通常の実験のみを使用して、当業者により決定され得る。Remington’s Pharmaceutical Sciences (Martin, E.W., ed. 4), Mack Publishing Co., Easton, PAを参照。投与量は、任意の合併症の場合には、個々の医師が調整することもできる。
通常、上記の方法において、本発明のISVD、ポリペプチドおよび/または構築物が使用される。しかしながら、本発明の2つ以上のISVD、ポリペプチドおよび/または構築物を組み合わせて使用することは、本発明の範囲内である。
本発明のISVD、ポリペプチドおよび/または構築物は、1つ以上のさらなる薬学的に活性な化合物または成分と組み合わせて、すなわち、併用治療計画として使用することができ、これは、相乗効果をもたらすことも、そうでない場合もある。
医薬組成物はまた、少なくとも1つのさらなる活性剤、例えば1つ以上のさらなる抗体またはその抗原結合断片、ペプチド、タンパク質、核酸、有機および無機分子を含み得る。
再度、臨床医は、かかるさらなる化合物または成分、ならびに適切な併用処置計画を、上記の要因と自身の専門家の判断に基づき、選択することができる。
特に、本発明のISVD、ポリペプチドおよび/または構築物は、本明細書に引用される疾患、障害および状態の予防および/または処置に使用されるかまたは使用できる、他の薬学的に活性な化合物または成分と、組み合わせて使用することができ、その結果、相乗効果が得られる場合も得られない場合もある。かかる化合物および成分の例、ならびにそれらを投与するための経路、方法および医薬製剤または組成物は、臨床医には明らかであろう。
2つ以上の物質または成分が併用処置計画の一部として使用される場合、それらは同じ投与経路または異なる投与経路を介して、本質的に同時にまたは異なる時間に投与され得る(例えば、本質的に同時に、連続的に、または交互の方式に従って)。物質または成分を同じ投与経路を介して同時に投与する場合、それらは、当業者には明らかなように、異なる医薬製剤もしくは組成物、または組み合わせた医薬製剤または組成物の一部として、投与することができる。
また、2つ以上の活性物質または成分を併用処置計画の一部として使用する場合、物質または成分の各々は、化合物または成分をそれ自体で使用する場合に使用するのと同じ量で、同じ計画に従って投与してもよく、かかる併用は、相乗効果をもたらすこともあり、もたらさないこともある。しかし、2つ以上の活性物質または成分の組み合わせ使用が相乗効果をもたらす場合、投与する物質または成分の1つ、それ以上、またはすべての量を減らすことも可能であり、なおかつ所望の治療効果を達成する。これは例えば、通常の量で使用する場合に、1つ以上の物質または成分の使用に関連する任意の望ましくない副作用を、回避、制限、または軽減するのに役立ち得て、なおかつ所望の医薬または治療効果が得られる。
本発明に従って使用される処置計画の有効性は、臨床医には明らかであるように、関与する疾患、障害または状態について、それ自体既知の任意の様式で決定しおよび/または従うことができる。臨床医はまた、必要に応じておよびケースバイケースで特定の処置計画を変更または修正して、望ましい治療効果を達成し、望ましくない副作用を回避、制限、または軽減することができ、および/または、一方では望ましい治療効果を達成し、他方では望ましくない副作用を回避、制限、または軽減することの間の適切なバランスを達成する。
一般に処置計画は、所望の治療効果が達成されるまで、および/または所望の治療効果が維持される限り、続けられるであろう。再度、これは臨床医が決定できる。
したがって、さらなる側面において、本発明は、本発明の少なくとも1つの構築物、本発明の少なくとも1つのポリペプチド、本発明の少なくとも1つのISVD、または本発明の少なくとも1つの核酸、および少なくとも1つの適切な担体、希釈剤または賦形剤(すなわち、医薬用途に適した)、および任意に1つ以上のさらなる活性物質を含む、医薬組成物に関する。特定の側面において、本発明は、本発明による構築物、ポリペプチド、ISVDまたは核酸、好ましくは配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7、8、160〜165(すなわち配列番号160、161、162、163、164または165)および176〜192(すなわち配列番号176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191または192)の少なくとも1つ、および少なくとも1つの適切な担体、希釈剤または賦形剤(すなわち、医薬用途に適したもの)、および任意に1つ以上のさらなる活性物質を含む、医薬組成物に関する。
処置される対象は、任意の温血動物であってもよいが、特に哺乳動物、より具体的にはヒトである。獣医用途においては、処置される対象に、商業目的で飼育されているかペットとして飼われている任意の動物が含まれる。当業者には明らかであるように、処置される対象は、特に、本明細書で言及される疾患、障害および状態に苦しんでいるか、またはそのリスクのある人である。したがって、本発明の好ましい側面において、本発明のポリペプチドを含む医薬組成物は、医学または診断において使用するためのものである。好ましくは、医薬組成物は、ヒト医学で使用するためのものであるが、獣医学的目的で使用することもできる。
再度、かかる医薬組成物において、本発明の1つ以上の免疫グロブリン、ポリペプチド、化合物および/もしくは構築物、またはそれをコードするヌクレオチド、および/またはそれを含む医薬組成物は、1つ以上の他の活性成分、例えば本明細書に記載されているものと、適切に組み合わせることができる。
本発明はまた、in vitro(例えば、in vitroまたは細胞アッセイ)またはin vivo(例えば、単一細胞または多細胞生物、および特に哺乳動物、より具体的にはヒト、例えば本発明の疾患、障害または状態のリスクがあるか、またはこれに罹患しているヒト)のいずれかで使用するための組成物(例えば、限定されることなく、本明細書にさらに記載の医薬組成物または製剤など)にも関する。
特に明記しない限り、処置への言及には、確立された症状の処置および予防的処置の両方が含まれることを理解されたい。
一般に、医薬用途では、本発明の構築物、ポリペプチドおよび/またはISVDは、少なくとも1つの本発明の構築物、ポリペプチドおよび/またはISVDおよび、少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体、希釈剤または賦形剤および/またはアジュバント、ならびに任意に1つ以上の薬学的に活性なポリペプチドおよび/または化合物を含む、医薬製剤または組成物として製剤化することができる。非限定的な例として、かかる製剤は、経口投与のため、非経口投与のため(静脈内、筋肉内または皮下注射または静脈内注入など)、局所投与(例えば関節内投与)のため、吸入による投与のために、皮膚パッチ、インプラント、座薬などに適した形態であることができ、ここで関節内投与が好ましい。かかる適切な投与形態−これは投与の様式に応じて固体、半固体または液体であり得る−およびその調製に使用するための方法および担体は、当業者には明らかであり、本明細書でさらに説明される。かかる医薬製剤または組成物は、一般に、本明細書において「医薬組成物」と呼ばれる。
例示的な賦形剤として、崩壊剤、結合剤、充填剤、および潤滑剤が言及され得る。崩壊剤の例には、寒天、アルギン、炭酸カルシウム、セルロース、コロイド二酸化ケイ素、ゴム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、およびデンプンが含まれる。結合剤の例には、微結晶セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポリビニルピロリドンが含まれる。充填剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、三塩基性硫酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、セルロース、デキストリン、デキストロース、フルクトース、ラクチトール、ラクトース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルチトール、マルトデキストリン、マルトース、ソルビトール、デンプン、スクロース、糖、およびキシリトールが含まれる。潤滑剤の例には、寒天、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化植物油、酸化マグネシウム、ステアリン酸塩、マンニトール、ポロキサマー、グリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルナトリウム、ソルビトール、およびタルクが含まれる。通常の安定剤、防腐剤、湿潤剤および乳化剤、粘稠性改善剤、風味改善剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝物質、可溶化剤、希釈剤、皮膚軟化剤、着色剤、およびマスキング剤、および抗酸化剤が、医薬品アジュバントとして考慮される。
適切な担体には、限定はされないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバター、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などが含まれる。
一般に、本発明の構築物、ポリペプチド、および/またはISVDは、それ自体既知の任意の適切な様式で、製剤化および投与することができる。例えば、上記で引用された一般的な背景技術(および特にWO 04/041862、WO 04/041863、WO 04/041865、WO 04/041867およびWO 08/020079)、ならびに標準のハンドブック、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., Mack Publishing Company, USA (1990)、Remington, the Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams and Wilkins (2005);またはthe Handbook of Therapeutic Antibodies (S. Dubel, Ed.), Wiley, Weinheim, 2007(例えば、252〜255頁参照)を参照。
特定の側面において、本発明は、本発明による構築物、ポリペプチド、ISVDまたは核酸を含み、さらに少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体、希釈剤または賦形剤および/またはアジュバントを含み、任意に1つ以上のさらなる薬学的に活性なポリペプチドおよび/または化合物を含む、医薬組成物に関する。
本発明の構築物、ポリペプチド、および/またはISVDは、従来の抗体および抗体断片(ScFvおよびダイアボディを含む)および他の薬学的に活性なタンパク質についてのそれ自体既知の任意の様式で、製剤化および投与され得る。かかる製剤およびそれを調製する方法は、当業者には明らかであり、例えば、非経口投与(例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、管腔内、動脈内、脊髄内、鼻腔内または気管支内投与)、またさらに局所(例えば、関節内、経皮または皮内)投与に好ましく適している製剤を含む。
局所または非経口投与のための製剤は、例えば、注入または注射に適した滅菌溶液、懸濁液、分散液または乳液であり得る。かかる製剤に適した担体または希釈剤には、例えば、WO 08/020079の143頁に記載されているものが含まれる。通常、水溶液または懸濁液が好ましい。
本発明の構築物、ポリペプチド、および/またはISVDはまた、遺伝子治療から知られている送達方法を用いて投与することもでき、例えば、その遺伝子治療送達方法に関して参照により組み込まれる米国特許第5,399,346号を参照されたい。遺伝子治療の送達方法を使用して、本発明の構築物、ポリペプチド、および/またはISVDをコードする遺伝子でトランスフェクトされた一次細胞は、特定の臓器、組織、移植片、関節、または細胞を標的とする組織特異的プロモーターでさらにトランスフェクトされ得、さらに、細胞内局在発現のためのシグナルおよび安定化配列でトランスフェクトされ得る。
本発明のさらなる側面によれば、本発明のポリペプチドは、in vivoおよびin vitroでのさらなる用途に使用され得る。例えば本発明のポリペプチドは、診断目的のために、例えば、MMP13の存在を検出および/または定量化するため、および/またはMMP13を精製するために設計されたアッセイにおいて、使用され得る。ポリペプチドはまた、毒性学、安全性、および投与量の研究を実施するために、特定の疾患の動物モデルで試験され得る。
最後に本発明は、本発明による少なくとも1つのポリペプチド、前記成分をコードする少なくとも1つの核酸配列、本発明のベクターまたはベクターシステム、および/または本発明による宿主細胞を含む、キットに関する。キットは、異なる形態、例えば診断キットとして提供され得ることが企図される。
本発明を、以下の非限定的な好ましい側面、実施例および図によりさらに説明する。
本出願を通して引用されるすべての参考文献(文献参照、発行済み特許、公開特許出願、および同時係属中の特許出願を含む)の全内容は、特に上記で参照された教示に関して、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
配列は、明細書の本文および、WIPO標準ST.25による別個の配列リストに記載されている。特定の番号で指定された配列は、明細書本文と別個の配列リストにおいて同一であるべきである。例として、配列番号1は、明細書本文と別個の配列リストの両方で、同じ配列を定義すべきである。明細書本文と別個の配列リストの配列定義の間に矛盾がある場合(例えば、明細書本文の配列番号1が誤って、別個の配列リストの配列番号2に対応する場合)、本出願における特定の配列への言及、特に特定の態様における言及は、別個の配列リストへの言及ではなく、本出願の本文中の配列への言及として理解されるべきである。言い換えれば、明細書本文と別個の配列リストとの間の、配列定義/指定の矛盾は、別個の配列リストを、明細書、実施例、図、および特許請求の範囲を含む出願の本文に開示されている配列およびそれらの指定に修正することにより、解決される。
6.例
以下の実施例は、本発明の方法および生成物を説明するものである。分子生物学および細胞生物学の分野で通常遭遇する当業者に明らかな記載の条件およびパラメーターの、適切な改変および適応は、本発明の精神および範囲内である。
6.1 方法
6.1.1 ラマの免疫化
ラマの免疫化は標準的な手順に従い、使用する抗原の量、アジュバントの種類、および注射方法を変えて行った。これらの変更については、以下の各節で詳しく説明する。すべての免疫化実験は、地元の倫理委員会によって承認された。
6.1.2 ライブラリの構築
cDNAを、MMP13で免疫化したすべてのラマ/アルパカの血液試料から抽出した総RNAを使用して調製した。ナノボディをコードするヌクレオチド配列を、cDNAからワンステップRT−PCR反応で増幅し、ファージミドベクターpAX212の対応する制限部位にライゲートし、続いて、大腸菌株TG−1の形質転換を、ライゲーション産物を用いエレクトロポレーションを介して実施した。
NNKライブラリは、変性プライマーを使用したオーバーラップエクステンションPCRにより生成した。PCR産物を発現ベクター(pAX129)にクローニングし、大腸菌TG−1コンピテント細胞に形質転換した。ナノボディコード配列のフレーム内で、ベクターはC末端FLAG−およびHis−タグをコードする。
目的のクローンの配列を検証した。
6.1.3 選択
ファージディスプレイライブラリを、組換えMMP13を使用して調査した。結果の節、すなわち例6.2以降で詳細に説明するように、異なる抗原を異なるラウンドの選択において使用した。
選択は、抗原をライブラリファージ粒子と共に2時間(2%Marvelおよび0.05%Tween 20を補充したPBS中で)インキュベートすることからなる。ビオチン化抗原を、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズ(Invitrogen, 112-05D)を使用して捕捉した。非ビオチン化抗原を、MaxiSorpプレート(Nunc, 430341)に被覆した。未結合のファージを洗い流した(0.05%Tween 20を補充したPBS中);結合したファージは、トリプシン(PBS中1mg/mL)を添加して15分間溶出した。溶出したファージは、ファージレスキューのための、指数関数的に増殖する大腸菌TG−1細胞に感染するために使用した。選択された出力から調製されたファージは、後続の選択ラウンドで入力として使用した。
6.1.4 ELISA直接被覆抗原
MaxiSorpプレート(Nunc, 430341)を、ヒトproMMP13で4℃にて一晩被覆した後、RTで1時間ブロッキング(PBS、1%カゼイン)した。PBS+0.05%Tween20での洗浄ステップの後、PBS、0.1%カゼイン、0.05%Tween 20中のペリプラズム抽出物の10倍希釈液を、RTで1時間加えた。結合したナノボディは、マウス抗FLAG−HRP(Sigma (A8592))で検出した。
捕捉された抗原
−活性化ヒトMMP13 ELISA
−活性化ラットMMP13 ELISA
−活性化イヌMMP13 ELISA
MaxiSorpプレート(Nunc, 430341)を、ヒトMMP13抗体mAb511で4℃にて一晩被覆した後、RTで1時間ブロッキング(PBS、1%カゼイン)した。PBS+0.05%Tween20での洗浄ステップの後、20nMの活性化ヒト、ラットまたはイヌMMP13を、RTで1時間加えた。2回目の洗浄ステップの後、ペリプラズム抽出物の10倍希釈液またはPBS、0.1%カゼイン、0.05%Tween 20中の精製ナノボディの希釈系列を、RTで1時間添加した。結合したナノボディは、マウス抗FLAG−HRP(Sigma(A8592))で検出した。
6.1.5 蛍光発生ペプチドアッセイ
ヒト、カニクイザル、ラット、イヌ、およびウシのMMP13蛍光発生ペプチドアッセイ、ならびにヒトMMP1およびMMP14蛍光発生ペプチドアッセイの設定の概要は、次のとおりである:活性化MMPを、以下を用いて37℃で2時間インキュベートした:蛍光ペプチド基質Mca−PLGL−Dpa−AR−NH2(R&D Systems #ES001)、およびペリプラズム抽出物の1/5希釈または精製ナノボディ/陽性対照の希釈系列(総容量=アッセイバッファー:50mMのTris、pH7.5、100mMのNaCl、10mMのCaCl2、および0.01%のTween20中、20μl)。蛍光の線形の増加(v0−15〜45分間のインキュベーション)を酵素活性の尺度として使用し、%阻害を、式:100−100(試験ナノボディの存在下でのv0/陰性対照ナノボディ(Cablys)の存在下でのv0)により計算した。
6.1.6 コラーゲン分解アッセイ
このアッセイの設定の概要は、次のとおりである。250ng/mlの免疫グレードのヒトコラーゲンII(Chondrex #20052)を、5nMの活性化MMPと共に、100μlのアッセイバッファー(50mMのTris−Cl、pH7.5、100mMのNaCl、10mMのCaCl2、0.01%Tween-20)中でインキュベートした。35℃で1.5時間のインキュベーションの後、反応物をEDTA(30mMのストックを10μl)で中和した。MMP13で切断されたコラーゲンは、エラスターゼを用いて38℃で20分間さらに分解して、分解したコラーゲンIIの再アニーリングを回避した(II型コラーゲン検出キット(Chondrex #6009)で提供される1/3希釈ストック10μl)。残されたそのままのコラーゲンは、ELISA(II型コラーゲン検出キット(Chondrex #6009)で提供される試薬)を介して検出した。
6.1.7 蛍光発生コラーゲンアッセイ
簡潔に言えば、このアッセイの設定は次のとおりである:ウシ皮膚からの100μg/mlのDQ(登録商標)I型コラーゲン(フルオレセインコンジュゲート、Molecular Probes #D-12060 lot 1149062)を、10nMの活性化MMP13および精製ナノボディ/陽性対照の希釈系列と共に、40μlアッセイバッファー(50mMのTris−Cl、pH7.5、100mMのNaCl、10mMのCaCl2、0.01%Tween-20)中、37℃で2時間インキュベートした。蛍光の線形の増加(v0−15〜45分間のインキュベーション)を酵素活性の尺度として使用し、%阻害を、式:100−100(試験ナノボディの存在下でのv0/陰性対照ナノボディ(Cablys)の存在下でのv0)により計算した。
6.1.8 TIMP−2競合アッセイ
50μlのTIMP−2(0.63nM;R&D Systems #971-TM)を、抗ヒトTIMP−2抗体(R&D Systems #MAB9711)被覆プレート(PBS中2μg/ml;一晩)上に捕捉した(RTで1時間)。この捕捉中に、1.26nMの活性化MMP13−ビオチンを、70μlのアッセイバッファー(50mMのTris−Cl、pH7.5、100mMのNaCl、10mMのCaCl、0.01%Tween-20)中のナノボディ/TIMP−3/MSC2392891Aの希釈系列と共にプレインキュベートした。この混合物50μlを、捕捉したTIMP−2に加え、室温で1時間インキュベートした。MMP13−ビオチンは、50μlのストレプトアビジン−HRP(1:5000、DakoCytomation #P0397)で検出した。
6.1.9 サーマルシフトアッセイ(TSA)
TSAを、5μlの精製された一価ナノボディを用いて、基本的にEricsson et al. (2006 Anals of Biochemistry, 357: 289-298)に従って実施した。
6.1.10 分析サイズ排除クロマトグラフィー(分析SEC)
分析SEC実験は、Ultimate 3000 machine (Dionex)をBiosep-SEC-3(Agilent)カラムと組み合わせて実行した。
6.1.11 強制酸化
ナノボディ試料(1mg/ml)を、Hを含まない対照試料と並行して、RTで4時間、暗所でPBS中の10mMのHにさらし、次いでバッファーをPBSに、Zeba脱塩スピンカラム(0.5ml)(Thermo Scientific)を使用して切り替えた。その後、ストレスをかけた試料および対照試料を、RPCにより、Series 1200または1290 machine(Agilent Technologies)でZorbax 300SB-C3カラム(Agilent Technologies)を使用して70℃で分析した。ナノボディの酸化は、主要なタンパク質ピークと比較した、酸化ストレスの結果として生じるプレピークのピーク面積%の決定により定量化した。
6.1.12 温度ストレス
ナノボディ試料(1〜2mg/ml)を、PBS中、−20℃(陰性対照)、25および40℃で4週間保存した。このインキュベーション期間の後、ナノボディをトリプシンまたはLysCで消化した。次に、ストレスを受けた試料および対照試料のペプチドを、RPCにより、Series 1200 machine(Agilent Technologies)でQ−TOF質量分析計(6530 Accurate Mass Q-TOF(Agilent))に接続した60℃のAcquity UPLC BEH300-C18カラム(Agilent Technologies)を用いて分析した。
6.2 免疫化
MMP13は、非活性なプロ形態(proMMP13)として分泌される。これはプロドメインが切断されると活性化され、触媒ポケットを形成する触媒ドメインと、基質コラーゲンII(Col II)のドッキング/相互作用ドメインとして機能すると説明されているヘモペキシン様ドメイン(PDB:1PEX)とで構成される活性酵素が残される。
MMP13の酵素活性を阻害するのに最適な領域は、触媒ポケットであると仮定された。しかし、触媒ポケットに対する免疫応答を高めるには、様々な重要な問題がある。
第1に、proMMP13では、プロドメインが触媒ポケットをマスクするため、免疫応答を高めるためにポケットにアクセスすることができない。
第2に、活性化されたMMP13の半減期は短く、これは主に自己タンパク質分解によるものである。この短い半減期は、強い免疫応答の発達を妨げる。
第3に、触媒ドメインの配列は種間で高度に保存されている。したがって予想される免疫応答は、仮に上昇したとしても弱いものになる。
6.2.1 免疫化戦略
これらの問題に対処し、触媒ポケットに結合するMMP13阻害剤を成功して取得する可能性を高めるために、MMP13の様々なフォーマットを含む洗練された精巧な免疫戦略が考案された。最終的に、次の免疫化が実施された:
(a)3頭のラマを、触媒ドメインからなり、かつMMP13を自己タンパク質分解から保護する変異F72Dを含有する、切断型MMP13バリアントで免疫化した;
(b)3頭のラマを、変異F72Dに加えて酵素機能を不活性化する変異E120Aを含む(a)と同じ切断型MMP13バリアントで免疫化した;
(c)3頭のラマを、全長proMMP13タンパク質で免疫化した;および
(d)3頭のラマを、分泌型proMMP13バリアント(V123A)またはGPIアンカー型proMMP13バリアント(V123A)のいずれかをコードするプラスミドの混合物で免疫化した。V123A変異は、MMP13についてCys104と触媒亜鉛イオンとの弱い相互作用を引き起こし、自発的な自動活性化をもたらすと記載されている。
6.2.2 血清力価
血清力価を、proMMP13および触媒ドメイン(F72D)に対して決定した。
一般に、タンパク質proMMP13(c)またはproMMP13 V123AをコードするDNA(d)で免疫化した動物は、proMMP13に対して良好な免疫応答を示したが、触媒ドメイン(F72D)に対しては弱くしか応答しなかった。触媒ドメイン(F72D)(a)または不活性な触媒ドメイン(F72D、E120A)(b)で免疫化した動物は、触媒ドメインに対する免疫応答をまったく示さないか、弱い免疫応答のみを示した。
6.2.3 ライブラリの構築
触媒ドメインに対する低い血清力価にもかかわらず、本発明者らは、広範なスクリーニングにより、触媒ポケットへの阻害性結合剤の同定が可能になることを確信した。
RNAをPBL(一次血液リンパ球)から抽出し、RT−PCRのテンプレートとして使用して、遺伝子断片をコードするナノボディを増幅した。これらの断片をファージミドベクターpAX212にクローニングし、His6−およびFLAG3−タグと融合したナノボディを表示するファージ粒子の生産を可能にした。ファージは、標準プロトコル(Phage Display of Peptides and Proteins: A Laboratory Manual 1st Edition, Brian K. Kay, Jill Winter, John McCafferty, Academic Press, 1996)に従って調製および保存した。
最終的に得られた18の免疫ライブラリの平均サイズは、約5*10個の個別のクローンであった。
6.3 一次スクリーニング
ファージディスプレイの選択を、18の免疫ライブラリおよび2つの合成ナノボディライブラリを使用して行った。ライブラリは、異なる抗原提示フォーマットを使用して、ヒトproMMP13、活性化ヒト、ラットおよびイヌMMP13、ならびにヒトMMP13触媒ドメイン(F72D)の異なる組み合わせに対して、2〜4ラウンドの濃縮を行った。選択出力からの個々のクローンを、ヒトおよびラットMMP13に対するELISA(ナノボディを発現する大腸菌細胞からのペリプラズム抽出物を使用)での結合、およびペプチド加水分解時の蛍光の増加を測定する蛍光発生ペプチドアッセイでの阻害活性について、広スペクトルMMP蛍光発生ペプチド基質を用いてスクリーニングした。ELISAでは結合を示したが、蛍光発生ペプチドアッセイでは阻害活性を示さなかったナノボディを、コラーゲン分解アッセイでさらにスクリーニングした。コラーゲン分解アッセイは、ペプチド代用物の代わりに天然の基質を使用する。コラーゲンは蛍光発生ペプチドよりもMMP13との相互作用面がはるかに大きいため、ナノボディはコラーゲンの分解に干渉するが、ペプチドの分解には干渉しないという仮説を立てた。しかし、コラーゲン分解アッセイはペリプラズム抽出物と適合せず、精製されたナノボディの使用が必要であった。
6.3.1 キャンペーン1
第1の選択キャンペーンでは、MMP13を、直接被覆された抗原として提示した。これにより、ヒトおよびラットMMP13のELISA(結合アッセイ)において、ELISAで広範な結合シグナルを有するヒトMMP13に結合するナノボディの多様性を含む、高いヒット率が得られた。ナノボディの大部分は、ラットMMP13と交差反応することが見出された。しかし、蛍光発生ペプチドアッセイ(阻害アッセイ)では、非常に低いヒット率が得られた。さらに、観察された阻害は不完全であり、これらのナノボディのいくつかはラット交差反応性を示さなかった。
一価の完全阻害性ナノボディが得られなかったため、本発明者らは、正しいエピトープが標的化されておらず、選択中に使用した条件が最適ではないと仮定した。ただし、選択条件の試験は、陽性対照の不在のために妨げられた。
最終的に、直接被覆が酵素活性を妨げることがわかった。
6.3.2 キャンペーン2
キャンペーン2では、ビオチン化MMP13を使用して溶液中で選択を行った。しかし、直接被覆されたproMMP13の代わりに、非中和抗体を介して捕捉された活性化ヒトおよびラットMMP13を使用すると、ELISAヒット率はキャンペーン1よりもはるかに低かった。ヒット率は、蛍光発生ペプチドアッセイでも非常に低かった。しかし、コラーゲン分解アッセイにおいて完全に阻害する1つのナノボディが見出された。酵素のプロ形態を結合剤の濃縮に使用したため、重要なエピトープがプロペプチドによってマスクされていると仮定した。
6.3.3 キャンペーン3
キャンペーン1と2の残念な結果を考慮して、本発明者らは、触媒ドメインにおける重要なエピトープの提示を、非中和抗体によって捕捉された活性化MMP13を使用することにより最適化することを選択した。同じ捕捉フォーマットをELISAにも使用した。これにより、ELISAでヒトとラットの両方のMMP13について、高いヒット率もたらされた。しかし、蛍光発生ペプチドアッセイのヒット率は以前のキャンペーンに比べてわずかに高かったものの、ナノボディは依然として不完全な阻害しか示さず、ラット交差反応性は弱いかまったく示されなかったため、MMP13の捕捉された提示が依然として最適ではないことが示唆された。
C0101040E09(「40E09」)を含む3つのクローンは、蛍光発生ペプチドアッセイで不完全な阻害を与えたにもかかわらず、コラーゲン分解アッセイで陽性であることが見出された。40E09のファミリーメンバーがクローン化され、配列決定された:C0101PMP040E08、C0101PMP042A04、C0101PMP040B05、C0101PMP042D12、C0101PMP042A03、C0101PMP024A08およびC0101PMP040D01(表A−1およびA−2を参照)。CDR領域の配列の多様性を、以下の表6.3.3A、6.3.3Bおよび6.3.3Cに示す。クローン40E09のCDRのアミノ酸配列は、ファミリーメンバーのCDRを比較する基準として使用した(CDR1はKabat位置26で始まり、CDR2はKabat位置50で始まり、CDR3はKabat位置95で始まる)。
表6.3.3A(40E09 CDR1)

1つのクローンにおいて最大1個のCDR1変異(配列番号23)
表6.3.3B(40E09 CDR2)

1つのクローンにおいて最大3個のCDR2変異(配列番号37)
表6.3.3C(40E09 CDR3)

1つのクローンにおいて最大1個のCDR変異(配列番号52)
6.3.4 キャンペーン4
第4のキャンペーンにおいて、免疫化戦略(a)および(c)に由来する免疫性ナノボディファージディスプレイライブラリに加えて、選択戦略(b)および(d)に由来するライブラリも調査した(例6.2.1を参照)。選択戦略は、溶液で使用されたMMP13触媒ドメイン(F72D)に焦点を合わせた。蛍光発生ペプチドアッセイのヒット率はライブラリ全体で増加し、多くのナノボディが完全な阻害を示した。阻害性ナノボディはELISAでの不十分な結合のみを示し、キャンペーン3で使用されたMMP13の捕捉提示もまた、重要なエピトープのアクセシビリティに最適ではないことを確認した。その結果、ラット交差反応性を評価するために、ELISAの代わりにラット蛍光発生ペプチドアッセイを使用した。確認された阻害能を持つナノボディのファミリーの代表はすべてラット交差反応性であり、この特定のクローンのセットによって認識されるエピトープが、保存されたMMP13触媒ポケット内にあることを示唆している。
要約すると、MMP13の任意の日常的操作は、酵素の活性とTIMP−2結合を妨害することがわかった(データは示さず)。以下を含む様々なパラメーターを変更および評価した後に:すなわち、異なる抗原(例えば、proMMP13、触媒ドメイン(F72D)、活性化ヒトMMP13、活性化ラットMMP13、活性化イヌMMP13);異なるアッセイ、例えばELISA、ヒト蛍光発生ペプチドアッセイ、ラット蛍光発生ペプチドアッセイ、ヒトコラーゲン分解アッセイ;異なるアッセイ設定、例えば被覆条件の変化、溶液中、およびMMP13の捕捉、を変更および評価した後に、完全阻害ナノボディの同定のための唯一の成功戦略は、触媒ドメイン(F72D)または活性化MMP13種を使用した選択であることが見出された(キャンペーン4)。
6.3.5 リードパネル
蛍光発生ペプチドアッセイまたはコラーゲン分解アッセイで同定された阻害性ナノボディの配列を決定した。配列情報に基づき、ナノボディは様々なファミリーに分類できた。スクリーニングキャンペーン2および3に由来する4つのファミリーは、コラーゲン分解アッセイでは完全な阻害を示したが、蛍光発生ペプチドアッセイでは活性を示さなかった;本明細書において「プロファイル1」クローンとしてさらに示す(40E09およびファミリーメンバーを参照)。スクリーニングキャンペーン4に由来する10のファミリーは、コラーゲン分解アッセイおよび蛍光発生ペプチドアッセイの両方で阻害活性を示した;本明細書において「プロファイル2」クローンとしてさらに示す。
ナノボディファミリーごとに代表的なクローンを選択し、合計14の代表を選んだ。代表クローンの配列を表A−1に示す。
6.4 一価リードパネルのin vitro特性評価
代表ナノボディクローンの機能をさらに特徴付けるために、それらをpAX129に再クローン化し、大腸菌に形質転換し、標準プロトコルに従って発現および精製した(例:Maussang et al. 2013 J Biol Chem 288(41): 29562-72)。その後これらのクローンを、様々な機能的in vitroアッセイに供した。
6.4.1 酵素アッセイ
ナノボディの効力/有効性を、異なるMMP13オルソログ用に設定した蛍光発生ペプチドアッセイ、およびヒトコラーゲン分解アッセイで試験した(両方のアッセイは、スクリーニング中にも使用した、例6.3を参照)。さらに、コラーゲン分解アッセイと比較してより高いコラーゲン濃度を使用する、第2のコラーゲンベースのアッセイ(蛍光発生コラーゲンアッセイ)を確立し、MMP13阻害剤が活性であると予想される軟骨の高コラーゲン濃度条件をシミュレートした。このアッセイでは、無傷のFITC標識コラーゲン基質の蛍光は、フルオロフォアの相互消光効果のために低い。切断すると、消光が失われ、蛍光が増加する。
酵素アッセイにおける効力の概要を、表6.4.1に示す。
表6.4.1 MMP13酵素アッセイにおけるリードパネルの効力。効力は、有効性が約100%の場合にのみ報告される。
図1に、高濃度のウシコラーゲンIを使用した場合の、活性化ヒトMMP13の阻害の用量反応曲線を示す(蛍光発生コラーゲンアッセイ)。

図1:蛍光発生コラーゲンアッセイにおける、プロファイル1ナノボディ(左のグラフ)およびプロファイル2ナノボディ(右のグラフ)の用量反応曲線
プロファイル1ナノボディは、低コラーゲン濃度条件下でのコラーゲン分解アッセイにおいて完全な有効性を示したが、その有効性は、高コラーゲン濃度条件下での蛍光発生コラーゲンアッセイにおいて低下した(図1、左パネル)。
また、比較薬であるMSC2392891Aは、蛍光発生コラーゲンアッセイにおいてさらに弱い有効性を示した(図1)。
プロファイル2の代表的なナノボディは、コラーゲン分解アッセイおよび蛍光発生コラーゲンアッセイの両方で、強力かつ完全に有効であった。このアッセイでは、ほとんどのナノボディが比較薬よりも活性が高かった。これらのプロファイル2の代表は、ヒト、カニクイザル、ラット、イヌ、およびウシの蛍光発生ペプチドアッセイで同等の効力(表6.4.1を参照)および有効性(図1、右パネル)を示した。
6.4.2 結合アッセイ
ELISAの設定を、結合親和性を評価するために使用した。しかしこのアッセイは、プロファイル1ナノボディの親和性の評価にのみ適しており、プロファイル2ナノボディには適さないことが判明した(例6.3を参照)。
結果を表6.4.2Aに示す。
表6.4.2A:プロファイル1ナノボディのELISAで評価した結合親和性(EC50)
結論として、プロファイル1ナノボディの結合親和性は、試験した3種で同等である(すなわち、10倍未満の差)。クローン40E09は、ヒトMMP13に対して2番目に優れた結合親和性であったが、種全体では最高の親和性を示す。
プロファイル2ナノボディは、MMP13への結合に関してTIMP−2と競合することがわかったため、TIMP−2競合ELISAを設定し、プロファイル2ナノボディの親和性を評価するために使用した。特に、プロファイル1ナノボディはTIMP−2と競合しない。
結果を表6.4.2Bに示す。
表6.4.2B:プロファイル2ナノボディのTIMP−2競合ELISAで評価した効力(IC50)

結論として、評価は酵素アッセイで得られた効力と類似しており、ナノボディ516G08、529C12および62C02が最高の阻害能を示し、一方ナノボディ59F06、525C04および63F01がそれに続いた。
6.4.3 選択性アッセイ
MMP1およびMMP14と比較したMMP13に対するナノボディの選択性を決定するために、蛍光発生ペプチドアッセイを使用した。MMP1とMMP14は、密接に関連する2つのMMPファミリーメンバーである。プロファイル1ナノボディはMMP13蛍光発生ペプチドアッセイで阻害を示さなかったため、プロファイル2ナノボディのみの試験が可能であった。非選択的MMP阻害剤であるTIMP−2を、これらのアッセイの陽性対照として使用した。
結果を図2に示す。

図2. MMP13リードナノボディの選択性

すべてのナノボディは高度に選択的であった。それらはMMP1阻害を示さず、いくつかのナノボディについては高濃度のMMP14で非常にわずかな阻害のみが観察された。
6.4.4 エピトープビニング
エピトープビニングのために、プロファイル1およびプロファイル2由来の一価ナノボディのパネルを、競合ELISAにおいて精製ナノボディ40E09(プロファイル1)に対して試験した。
競合ELISAの結果を図3に示す。

図3.マウス抗ヒトMMP13 mAb(R&D Systems #MAB511)を介して捕捉した、ヒト全長MMP13のプロファイル1およびプロファイル2ナノボディのパネルに対する、0.6nMビオチン化40E09の競合ELISA。MMP13は、37℃で1時間30分のAPMAとのインキュベーションにより活性化された。

プロファイル1ナノボディ32B08、43B05、43E10および40E09(陽性対照)は、すべて40E09と競合する。一方、プロファイル2ナノボディ59F06、62C02、63F01、513C04、516G08、517A01、および陰性対照cAbLysは、40E09と競合しない。
したがって、プロファイル1ナノボディは、プロファイル2ナノボディ(仮に「ビン2」と呼ぶ)とは異なるエピトープビン(仮に「ビン1」と呼ぶ)に属していると考えられる。
6.5 二価構築物
上記の例6.4.1で実証されているように、プロファイル1ナノボディは、蛍光発生ペプチドアッセイにおいて阻害を示さなかった(表6.4.1を参照)。本発明者らは、プロファイル1ナノボディとプロファイル2ナノボディの組み合わせの効果の調査に着手した。
最良の種の交差反応性結合剤として(例6.4.2を参照)、ナノボディ40E09を、プロファイル1ナノボディの代表として選択した。プロファイル2については、516G08、62C02、517A01の3つのナノボディを選択した。プロファイル1およびプロファイル2のナノボディは、35GSリンカーを用いて二価のフォーマットで結合した(表6.5参照;Nb(A)−35GS−Nb(B))。二価ナノボディをpAX205にクローニングし、P. pastorisに形質転換し、標準的な手順に従って発現および精製した。
これらの二価構築物の効力を評価するため、ラット蛍光発生ペプチドアッセイを使用したが、スクリーニングの設定と比較してアッセイの感度を向上させるために、MMP13濃度を低くした(1.33nMではなく0.15nM)。二価構築物は、この適合された蛍光発生ペプチドアッセイおよびヒト蛍光発生コラーゲンアッセイで試験した。
得られたデータを、表6.5にまとめる。
表6.5:ラット蛍光発生ペプチドアッセイ(より感度が高いように適合)およびヒト蛍光発生コラーゲンアッセイにおける、二価ナノボディの効力
結果は、プロファイル1ナノボディとプロファイル2ナノボディを組み合わせてなる2価の構築物が、それらの1価のビルディングブロックよりも、適合ラットの蛍光発生ペプチドアッセイにおいて強力であり、最大40倍の効力改善を有することを示す。また、ヒト蛍光発生コラーゲンアッセイにおいても、効力の改善が観察された(最大4倍)。両方のアッセイにおいて、二価構築物は、陽性の非選択的対照TIMP−2に対して同等に強力であった。
したがって、プロファイル1ナノボディはそれ自体では特に阻害性ではないが、2価の構築物に組み合わされると、プロファイル2ナノボディの効力を向上させた。
6.6 生物物理学的特性評価
患者の利便性を促進するために、治療化合物の低い投与頻度および高い保持が好ましい。したがって、ナノボディが高い安定性を有することが好ましい。
安定性を試験するために、5つの代表的プロファイル2ナノボディおよび1つの代表的プロファイル1ナノボディを、生物物理学的特性評価に供した。
6.6.1 サーマルシフトアッセイ
野生型抗MMP13ナノボディの熱安定性を、サーマルシフトアッセイ(TSA)で調査した。
結果を表6.6.1に示す。
表6.6.1:一価ナノボディのpH7でのTm

pH7でのTm値は、65℃から83℃の範囲であり、安定性特性が良好から非常に良好であることを示す。
6.6.2 分析SEC
5つの代表的な抗MMP13ナノボディの選択されたパネルの、多量体化および凝集の傾向を、分析サイズ排除クロマトグラフィー(aSEC)によって調査した。
結果の要約を、表6.6.2に示す。
表6.6.2:MMP13リードナノボディの分析SECパラメーター

5つの代表的なナノボディの保持時間は、一価ナノボディについての予想範囲内(7.6〜8.2分)であり、主要ピークの相対面積および全体の回収率は、すべてのナノボディで90%を超えていた。
TSAおよびaSECに基づく生物物理学的特性は、試験したすべてのナノボディについて、さらなる開発に適していると考えられた。
6.7 さらなる開発および配列最適化のためのクローンの選択
代表的ナノボディおよび二価構築物の機能的および生物物理学的特性に基づいて、4つの例示的なリードナノボディ:62C02、529C12、80A01および二価構築物C01010080(「0080」、プロファイル2ナノボディ517A01とプロファイル1ナノボディ40E09からなる)を、さらなる開発用に選択した。
本発明者らは、リードパネルのアミノ酸配列の最適化(「配列最適化」または「SO」)に着手した。配列最適化のプロセスにおいては、以下を試みる:(1)翻訳後修飾(PTM)のために部位をノックアウトする;(2)親ナノボディをヒト化する;および(3)潜在的な既存抗体のエピトープをノックアウトする。同時に、ナノボディの機能的および生物物理学的特性を維持するか、さらに改善することが望ましい。
6.7.1 翻訳後修飾(PTM)
評価した翻訳後修飾(PTM)は、Met酸化、Asn脱アミド化、Asp異性化、Asnグリコシル化およびピログルタメート形成である。
E1D変異(通常、ピログルタメートの形成を防ぐために組み込まれている)は、配列最適化の間には分析しなかったが、フォーマットされたナノボディに含まれていた。変異は、12倍の効力低下が観察された62C02を除き、すべてのMMP13リードナノボディで受け入れられていた。したがってE1D変異は、62C02ビルディングブロックには組み込まないと決定された。
潜在的なPTMを評価するために、強制酸化および温度ストレスをリードパネルに加えた。C0101517A01(「517A01」)およびC0101080A01(「80A01」)を除き、リードパネルに修飾は観察されなかった。
強制酸化および温度ストレス条件下では、C0101080A01はAsp異性化およびMet酸化を受けやすくなった。ただし、異性化と酸化の程度は評価条件で異なり、それぞれの場合に適用されたしきい値をわずかに下回るか上回る値であった。最終的に、アミノ酸残基54−55、100d−100e、M100jおよび101−102が、PTMの原因となる残基として同定された。特に、これらの残基はすべて、CDR2またはCDR3領域のいずれかに位置しているため、潜在的に標的結合に関与する。異なる要件に対応する試みのために、これらの残基が変異したNKKライブラリを構築し、その後、蛍光発生ペプチドアッセイでスクリーニングして潜在的な効力の損失を評価し、生物物理学的特性(Tm)についてスクリーニングした。意外なことに、これらのCDRにおいて様々な位置の変異が、効力を大幅に失うことなく、つまり80%以上の阻害を維持しながら、可能であることが見出された。
・D100dXライブラリの場合、9個のアミノ酸(「AA」)置換が80%を超える阻害を示した(E、G、A、P、T、R、M、WおよびY)。
・M100jXライブラリの場合、16個のAA置換が85%を超える阻害を示した(T、C、Hを除くすべて)。
・D101Xライブラリの場合、16個のAA置換が90%を超える阻害を示した(D、F、Pを除くすべて)。
・Y102Xライブラリの場合、ほとんどのクローンは90%を超える阻害を示した。したがって、アミノ酸位置102は、任意の残基に変異させることができると考えられた。
以下の保存された変異が特に好ましい:D100dEおよびM100jL。
CDR領域での好ましい変異の概要は、以下の表6.7.1A、6.7.1Bおよび6.7.1Cに提供される。クローン80A01のCDRのアミノ酸配列は、ファミリーメンバーのCDRを比較する基準として使用した。Kabatの番号付けに従って、CDR1はアミノ酸残基26から始まり、CDR2はアミノ酸残基50から始まり、CDR3はアミノ酸残基95から始まる。
表6.7.1A(80A01SO CDR1)

1つのクローンにおいて最大0個のCDR1変異(配列番号28)
表6.7.1B(80A01SO CDR2)

1つのクローンにおいて最大0個のCDR2変異(配列番号43)
表6.7.1C(80A01SO CDR3)

1つのクローンにおいて最大4個のCDR変異(配列番号57)
X1=E,G,A,P,T,R,M,W,Y
X2=A,R,N,D,E,Q,Z,G,I,L,K,F,P,S,W,YおよびV
X3=A,R,N,C,E,Q,Z,G,H,I,L,K,M,S,T,W,YおよびV
X4=A,R,N,D,C,E,Q,Z,G,H,I,L,K,M,F,P,S,T,WおよびV
強制酸化および温度ストレス条件下では、C0101517A01は脱アミド化されやすい傾向にあった。最終的に、アミノ酸残基N100bおよびN101は、温度ストレス実験により脱アミド化に敏感な残基として同定された。ただしこれらの残基はCDR3領域にあり、標的結合に潜在的に関与している。したがって脱アミド化部位をノックアウトすると、結合に影響を与える可能性がある。またこの場合において、脱アミド化されやすい残基が変異したNKKライブラリを構築し、その後、蛍光発生ペプチドアッセイでスクリーニングして潜在的な効力の損失を評価し、生物物理学的特性(Tm)についてスクリーニングした。
N100bをQまたはSに変異させるか、N101をQまたはVに変異させると、脱アミド化が妨げられることがまったく予想外に示され、同時に、親ナノボディC0101517A01と比較してTmが1〜3℃増加したが、一方で効力は同等であった。4つの好ましいバリアントを表6.7.1Dに示す;これには、TSAおよび蛍光発生ペプチドアッセイの結果も要約する。CDRにおける好ましい変異の概要を、以下の表に示す。
表6.7.1D.第2ラウンドのC0101517A01配列最適化バリアントのデータ概要:
CDR領域での好ましい変異の概要を、以下の表6.7.1E、6.7.1Fおよび6.7.1Gに提供する。クローン517A01のCDRのアミノ酸配列は、他のクローンのCDRと比較する基準として使用した。Kabat番号付けに従って、CDR1はアミノ酸残基26から始まり、CDR2はアミノ酸残基50から始まり、CDR3はアミノ酸残基95から始まる。
表6.7.1E(517A01SO CDR1)

1つのクローンにおいて最大0個のCDR1変異(配列番号26)
表6.7.1F(517A01SO CDR2)

1つのクローンにおいて最大0個のCDR2変異(配列番号41)
表6.7.1G(517A01SO CDR3)

1つのクローンにおいて最大2個のCDR変異(配列番号55)
6.7.2 ヒト化
ヒト化のために、ナノボディ配列を、ヒトIGHV3−IGHJ生殖細胞系コンセンサス配列とさらに相同的にした。ナノボディ「ホールマーク」残基以外の、ナノボディとヒトIGHV3−IGHJ生殖細胞系コンセンサス配列とで異なるフレームワーク領域における特定のアミノ酸を、ヒトの対応物に変更して、ただしタンパク質の構造、活性、および安定性は元のまま維持した。
6.7.3 既存の抗体および抗薬物抗体
本発明者らは、配列最適化戦略を導く免疫原性に関連する臨床結果の、早期リスク評価を行った。評価には、薬物候補の免疫原性の可能性と、作用機序と最終的な生物治療分子の性質に基づく抗薬物抗体の影響の可能性の両方が含まれた。これについてナノボディの配列を評価し、(i)任意の天然に存在する既存抗体の結合を最小限に抑え、(ii)処置によって出現する免疫原性応答の誘発の可能性を低減した。
変異L11VおよびV89Lを、すべてのMMP13ナノボディに導入した。
6.7.4 好ましいSOクローン
表A−1およびA−2において、配列は、リードパネルの配列最適化に基づいて描かれており、ここで配列は、PTM、ヒト化、および潜在的な既存の抗体および抗薬物抗体のエピトープを考慮して詳述された。
6.8 二重特異性構築物
抗MMP13ナノボディは、MMP13の軟骨分解機能を阻害するために、関節などの対象部位で優先的に活性である必要がある。アグリカンは関節に豊富に存在し、細胞外マトリックス(ECM)の主なプロテオグリカンは、総タンパク質含有量の約50%を占める。したがって、少なくとも理論的には、抗MMP13ナノボディをアグリカン結合剤に固定すると、抗MMP13ナノボディを関連組織に誘導し、その保持力を向上することができる。
本発明の抗MMP13結合剤をこれらのアグリカン結合剤と組み合わせ、得られた二重特異性構築物の効力を、ヒト蛍光発生ペプチドアッセイおよび競合ELISAアッセイで試験することを目的とした。アグリカン結合剤およびMMP13阻害剤を含む様々な二重特異性構築物を生成し、表に示されているように試験した。
典型的な結果のフォーマットおよび有効性を、表6.8Aおよび表6.8Bに示す。
表6.8A:二重特異性MMP13−CAPナノボディをヒト蛍光発生ペプチドアッセイで試験した。効力をそれぞれの単一特異性対応物と比較した。TIMP−2およびMSC2392891Aは、個々のアッセイにおいて内部基準として使用した。SO:最適化配列、ただしプレAb変異は除く。SOvar:非最終SOバリアント。
表6.8B:二重特異性MMP13−CAPナノボディを競合ELISAアッセイで試験した。効力をそれぞれの単一特異性対応物(ALB26融合物)と比較した。SO:最適化配列(プレAb変異を除く)。SOvar:非最終SOバリアント。
表6.8Aおよび6.8Bに示す結果は、アグリカン結合剤をMMP13阻害剤に組み合わせても、MMP13阻害剤の効力に悪影響がないことを示す。特にほとんどの場合、リードパネルMMP13阻害剤は、非選択的MMP阻害剤TIMP−2と同じ効力を有する。
例6.9 in vivoラットMMTモデルのDMOAD研究
本発明のCAP結合剤に融合したMMP13阻害剤の、in vivo効力をさらに実証するために、ラットで外科的に誘発された内側半月板断裂(Tear)(MMT)モデルを使用した。簡単に述べると、抗MMP13ナノボディを、CAP結合剤(「754」またはC010100754)に結合させた。ラットの片膝を手術して、OA様の症状を引き起こした。処置は、手術後3日目にIA注射により開始した。組織病理学を術後42日目に実施した。中間および最終血清試料を、探索的バイオマーカー分析のために採取した。内側および全体の実質的軟骨変性の幅、ならびに軟骨変性の減少率を決定した。群当たり20匹の動物を使用した。
内側脛骨の軟骨分解の抑制を図4に示す。
結果は、軟骨幅が、MMP13−CAP構築物によって42日後に、ビヒクルと比較して大幅に減少したことを示す。これらの結果は、以下を示唆する:
(a)CAP部分は、例6.8の結果と一致して、抗MMP13ナノボディ(754)の活性に悪影響を与えない;
(b)CAP部分は、抗MMP13ナノボディの保持を可能にする;および
(c)抗MMP13ナノボディは、軟骨の幅にプラスの効果がある。

図4 ラットMMTモデルにおける、ナノボディによる軟骨分解の阻害

本出願を通して引用されるすべての参考文献(文献参照、発行済み特許、公開特許出願、および同時係属中の特許出願を含む)の全内容は、特に上記で参照された教示に関して、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
表A−1:抗MMP13阻害剤のアミノ酸配列(「ID」は、本明細書で使用する配列番号を指す)
表A−2:CDRおよびフレームワークの配列、および式Iで提供される好ましい組み合わせ、すなわちFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4(以下の用語:「ID」は所定の配列番号を指す。最初の列はISVD全体のIDを指す)
表A−3:抗MMP13構築物のアミノ酸配列(「ID」は本明細書で使用する配列番号を指す)
表B
表C:様々なリンカー配列(「ID」は本明細書で使用する配列番号を指す)
表D:血清アルブミン結合ISVD配列(「ID」は本明細書で使用する配列番号を指す)、CDR配列を含む
表E:アグリカン結合ISVD配列(「ID」は本明細書で使用する配列番号を指す)、CDR配列を含む
表F:多価構築物(「ID」は本明細書で使用する配列番号を指す)、CDR配列を含む

Claims (49)

  1. マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に結合する少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含む、ポリペプチド。
  2. MMPが、MMP13(コラゲナーゼ)、MMP8(コラゲナーゼ)、MMP1(コラゲナーゼ)、MMP19およびMMP20(エナメリシン)からなる群から選択され、好ましくはMMPがMMP13である、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. MMP13に結合するISVDが、MMP1またはMMP14(膜型)に結合しない、請求項2に記載のポリペプチド。
  4. MMP13に結合するISVDが3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)を含む、請求項3に記載のポリペプチドであって、ここで
    (i)CDR1は、配列番号27、28、25、26、23、29、30、31、32、33、34、35、36および24;および
    配列番号27、28、25、26、23、29、30、31、32、33、34、35、36および24と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、からなる群から選択され;
    (ii)CDR2は、配列番号42、43、40、41、37、44、45、46、47、48、49、50、51、38および39;および
    配列番号42、43、40、41、37、44、45、46、47、48、49、50、51、38および39と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、からなる群から選択され;および
    (iii)CDR3は、配列番号56、107、57、54、106、55、52、58、59、60、61、62、63、64、65、66および53;および
    配列番号56、107、57、54、106、55、52、58、59、60、61、62、63、64、65、66および53と1、2、3または4個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、からなる群から選択される、
    前記ポリペプチド。
  5. 請求項4に記載のポリペプチドであって、ここで
    (i)CDR1は、以下からなる群から選択され:
    (a)配列番号23;および
    (b)配列番号23と1個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、ここで、
    −位置7において、YはRに変更されており;
    (ii)CDR2は、以下からなる群から選択され:
    (c)配列番号37;および
    (d)配列番号37と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、ここで、アミノ酸差異は以下のように定義され:
    −位置4において、VはTに変更されており;および/または
    −位置5において、GはAに変更されており;および/または
    −位置9において、NはHに変更されており;
    および
    (iii)CDR3は、以下からなる群から選択される:
    (e)配列番号52;および
    (f)配列番号52と1個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、すなわち位置6において、YがSに変更されているもの、
    前記ポリペプチド。
  6. 請求項4に記載のポリペプチドであって、ここで
    (i)CDR1は配列番号26であり;
    (ii)CDR2は配列番号41であり;および
    (iii)CDR3は、以下からなる群から選択され:
    (e)配列番号55;および
    (f)配列番号55と1または2個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、ここでアミノ酸差異は、以下のように定義され:
    −位置8において、NはQまたはSに変更されており;および/または
    −位置19において、NはVまたはQに変更されている、
    前記ポリペプチド。
  7. 請求項4に記載のポリペプチドであって、ここで
    (i)CDR1は配列番号28であり;
    (ii)CDR2は配列番号43であり;および
    (iii)CDR3は、以下からなる群から選択され:
    (e)配列番号57;および
    (f)配列番号57と1、2、3または4個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列、ここでアミノ酸差異は、以下のように定義される:
    −位置10において、DはE、G、A、P、T、R、M、WまたはYに変更されており;および/または
    −位置16において、MはA、R、N、D、E、Q、Z、G、I、L、K、F、P、S、W、YまたはVに変更されており;および/または
    −位置17において、DはA、R、N、C、E、Q、Z、G、H、I、L、K、M、S、T、W、YまたはVに変更されており;および/または
    −位置18において、YはA、R、N、D、C、E、Q、Z、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、またはVに変更されている、
    前記ポリペプチド。
  8. 請求項1〜16のいずれか一項に記載のポリペプチドであって、ここで:
    −CDR1は、配列番号27、28、25、26、23、29、30、31、32、33、34、35、36および24からなる群から選択され;
    −CDR2は、配列番号42、43、40、41、37、44、45、46、47、48、49、50、51、38および39からなる群からから選択され;および
    −CDR3は、配列番号56、107、57、54、106、55、52、58、59、60、61、62、63、64、65、66および53からなる群から選択される、
    前記ポリペプチド。
  9. 請求項17に記載のポリペプチドであって、ISVDが、以下からなる群から選択されるCDR1、CDR2およびCDR3の組み合わせを含む:
    −CDR1は配列番号27であり、CDR2は配列番号42であり、CDR3は配列番号56である;
    −CDR1は配列番号28であり、CDR2は配列番号43であり、CDR3は配列番号107である;
    −CDR1は配列番号28であり、CDR2は配列番号43であり、CDR3は配列番号57である;
    −CDR1は配列番号25であり、CDR2は配列番号40であり、CDR3は配列番号54である;
    −CDR1は配列番号26であり、CDR2は配列番号41であり、CDR3は配列番号106である;
    −CDR1は配列番号26であり、CDR2は配列番号41であり、CDR3は配列番号55である;
    −CDR1は配列番号23であり、CDR2は配列番号37であり、CDR3は配列番号52である;
    −CDR1は配列番号26であり、CDR2は配列番号48であり、CDR3は配列番号62である;
    −CDR1は配列番号26であり、CDR2は配列番号41であり、CDR3は配列番号63である;
    −CDR1は配列番号29であり、CDR2は配列番号44であり、CDR3は配列番号58である;
    −CDR1は配列番号30であり、CDR2は配列番号45であり、CDR3は配列番号58である;
    −CDR1は配列番号31であり、CDR2は配列番号46であり、CDR3は配列番号59である;
    −CDR1は配列番号32であり、CDR2は配列番号47であり、CDR3は配列番号60である;
    −CDR1は配列番号33であり、CDR2は配列番号41であり、CDR3は配列番号61である;
    −CDR1は配列番号34であり、CDR2は配列番号49であり、CDR3は配列番号64である;
    −CDR1は配列番号35であり、CDR2は配列番号50であり、CDR3は配列番号65である;
    −CDR1は配列番号36であり、CDR2は配列番号51であり、CDR3は配列番号66である;
    −CDR1は配列番号23であり、CDR2は配列番号39であり、CDR3は配列番号53である;および
    −CDR1は配列番号24であり、CDR2は配列番号38であり、CDR3は配列番号52である、
    前記ポリペプチド。
  10. ISVDが、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域CDR1、CDR2およびCDR3からなるか、または本質的にこれらからなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  11. ポリペプチドが、配列番号1であるか、または配列番号1と少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチドである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  12. CDR1が配列番号27であり、CDR2が配列番号42であり、CDR3が配列番号56である、請求項4、8、9および10のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  13. ISVDが、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7および8からなる群から選択される、請求項4〜10および12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  14. ポリペプチドが、例えばKinExAによって決定される場合、Kが1E−07M〜1E−13Mの間、例えば1E−08M〜1E−12Mの間、好ましくは最大で1E−07M、好ましくは1E−08Mもしくは1E−09M未満、または1E−10M未満、例えば5E−11M、4E−11M、3E−11M、2E−11M、1.7E−11M、1E−11Mなど、または5E−12M、4E−12M、3E−12M、1E−12Mで、MMP13に結合する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  15. ポリペプチドが、例えば競合ELISA、TIMP−2競合ELISA、蛍光発生ペプチドアッセイ、蛍光発生コラーゲンアッセイまたはコラーゲン分解アッセイによって決定される場合、IC50が1E−07M〜1E−12Mの間、例えば1E−08M〜1E−11Mの間で、MMP13の活性を阻害する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  16. ポリペプチドが、IC50が最大1E−07M、好ましくは1E−08M、5E−09M、または4E−9M、3E−9M、2E−9M、例えば1E−9Mなどで、MMP13の活性を阻害する、請求項15に記載のポリペプチド。
  17. ポリペプチドが、例えばELISAにより決定される場合、EC50が1E−07M〜1E−12Mの間、例えば1E−08M〜1E−11Mの間で、MMP13に結合する、請求項1〜16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  18. ポリペプチドが、例えばSPRにより決定される場合、オフレートが5E−04−1未満でMMP13に結合する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  19. MMP13が、ヒトMMP13、ラットMMP13、イヌMMP13、ウシMMP13、カニクイザルMMP13、好ましくはヒトMMP13、好ましくは配列番号115である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  20. ポリペプチドが、MMP13の活性に拮抗する、例えば(i)プロテアーゼ活性、好ましくはアグリカンおよび/またはコラーゲンの切断などに拮抗する、ここで前記コラーゲンは、好ましくはコラーゲンIIであり;(ii)ヘモペキシン様ドメインへのコラーゲンの結合に拮抗する、請求項1〜19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  21. ポリペプチドが、コラーゲンおよび/またはアグリカンへのMMP13の結合を、少なくとも20%、例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上ブロックする、請求項20に記載のポリペプチド。
  22. ポリペプチドが、MMP13のプロテアーゼ活性を阻害する、例えば、アグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよび/またはゼラチンなどの基質のタンパク質分解を阻害し、ここで前記コラーゲンは、好ましくはII型コラーゲンである、請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  23. 少なくとも2つのISVDを含み、少なくとも1つのISVDが、MMP、好ましくはMMP13に特異的に結合する、請求項1〜22のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  24. 少なくとも2つのISVDが、MMP、好ましくはMMP13に特異的に結合する、請求項23に記載のポリペプチド。
  25. それぞれ個別にMMP13に特異的に結合する2つ以上のISVDを含む、ポリペプチドであって、ここで
    a)少なくとも「第1」ISVDは、MMP13の第1の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニット、または立体構造に特異的に結合し;およびここで、
    b)少なくとも「第2」ISVDは、第1の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニットまたは立体構造とはそれぞれ異なる、MMP13の第2の抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニットまたは立体構造に、特異的に結合する;
    前記ポリペプチド。
  26. MMP13に特異的に結合する「第1」ISVDが、配列番号111、11、110、10、112、12、109、9、13、14、15、16、17、18、19、20、21および22からなる群から選択される、請求項25に記載のポリペプチド。
  27. MMP13に特異的に結合する「第2」ISVDが、配列番号1、2、3、4、5、6、7および8からなる群から選択される、請求項25または26に記載のポリペプチド。
  28. 好ましくは配列番号166、167および168からなる群から選択される、アグリカンに特異的に結合する少なくとも1つのISVDをさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  29. アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDを含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  30. アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDが、同一でも異なっていてもよい、請求項29に記載のポリペプチド。
  31. アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDが、配列番号166〜168からなる群から独立して選択される、請求項29または30に記載のポリペプチド。
  32. アグリカンに特異的に結合するISVDが、ヒトアグリカン[配列番号105]に特異的に結合する、請求項28〜31のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  33. アグリカンに特異的に結合するISVDが、イヌアグリカン、ウシアグリカン、ラットアグリカン;ブタアグリカン;マウスアグリカン、ウサギアグリカン;カニクイザルアグリカンおよび/またはアカゲザルアグリカンに特異的に結合する、請求項28〜32のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  34. アグリカンに特異的に結合するISVDが、好ましくは軟骨および/または半月板などの軟骨組織に結合する、請求項28〜33のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  35. ポリペプチドが、少なくとも7日、例えば14日、21日、1ヶ月、2ヶ月または3ヶ月間も、滑液(SF)において37℃で安定性を有する、請求項1〜34のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  36. 血清アルブミンに結合するISVDをさらに含む、請求項1〜35のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  37. 血清アルブミンに結合するISVDが、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここでCDR1が配列番号157であり、CDR2が配列番号158であり、CDR3が配列番号159である、請求項36に記載のポリペプチド。
  38. 血清アルブミンに結合するISVDが、ALB135(配列番号193)、ALB129(配列番号144)、ALB8(配列番号142)、ALB23(配列番号143)、およびALB132(配列番号145)からなる群から選択される、請求項37に記載のポリペプチド。
  39. 少なくとも2つのISVDが、互いに直接連結されているか、またはリンカーを介して連結されている、請求項23〜38のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  40. リンカーが、配列番号125〜141からなる群から選択され、好ましくは配列番号129である、請求項39に記載のポリペプチド。
  41. C末端伸長をさらに含む、請求項1〜40のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  42. C末端伸長がC末端伸長(X)nであり、式中nは1〜10、好ましくは1〜5、例えば1、2、3、4または5(および好ましくは1または2、例えば1)であり;および各Xは、独立して選択される(好ましくは天然に存在する)アミノ酸残基であり、好ましくはアラニン(A)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)からなる群から独立して選択される、請求項41に記載のポリペプチド。
  43. ポリペプチドが、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、109、110、111、112、160、161、162、163、164、165、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191または192のいずれか1つと少なくとも80%、90%、95%または100%の配列同一性を有する、請求項1〜42のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  44. 例えばMMP13活性が関与するところの、個体の疾患または障害を処置、予防する方法であって、方法が、請求項1〜43のいずれか一項に記載のポリペプチドを、前記疾患または障害の症状を処置または予防するのに有効な量で前記個体に投与することを含む、前記方法。
  45. 疾患または障害が、関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、および再発性多発性軟骨炎、離断性骨軟骨炎およびアグリカノパチーからなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
  46. 医薬として使用するための、請求項1〜43のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  47. 関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、および再発性多発性軟骨炎、離断性骨軟骨炎およびアグリカノパチーからなる症状を処置または予防する際に使用するための、請求項1〜43のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  48. 請求項1〜43のいずれか一項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7および8のいずれか1つにより表される少なくとも1つのポリペプチドの、MMP13への結合を交差ブロックするか、および/または、少なくとも、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7および8のいずれか1つにより表されるポリペプチドによって、MMP13への結合が交差ブロックされている、前記ポリペプチド。
  49. ポリペプチドであって、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7および8のいずれか1つにより表されるポリペプチドによるMMP13への結合を、交差ブロックするか、および/または、少なくとも、配列番号111、11、112、12、109、9、110、10、1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2、3、4、5、6、7および8のいずれか1つにより表されるポリペプチドによって、MMP13への結合が交差ブロックされており、ここで、前記ポリペプチドは、MMP13に特異的に結合する少なくとも1つのVH、VL、dAb、免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含み、ここでMMP13への結合が、MMP13の活性を調節する、前記ポリペプチド。
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