JP2013518853A - 血清アルブミンと結合することが可能なペプチド並びにこれを含む化合物、構築物及びポリペプチド - Google Patents

血清アルブミンと結合することが可能なペプチド並びにこれを含む化合物、構築物及びポリペプチド Download PDF

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Abstract

本発明は、血清タンパク質と結合することが可能なアミノ酸配列;このようなアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的になる、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物;このようなアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物をコードする核酸;このようなアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物を含む、組成物、特に医薬組成物;及びこのようなアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は構築物の使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、血清タンパク質と結合することが可能なアミノ酸配列;このようなアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的になるペプチド;このようなアミノ酸配列を含む化合物及び構築物(例えば融合タンパク質及びポリペプチド);このようなアミノ酸配列、ペプチド、融合タンパク質又はポリペプチドをコードする核酸;このようなアミノ酸配列、ペプチド、構築物、化合物、融合タンパク質又はポリペプチドを含む、組成物、特に医薬組成物;並びにこのようなアミノ酸配列、ペプチド、構築物、化合物、融合タンパク質又はポリペプチドの使用に関する。
本発明の他の態様、実施の形態、利点及び用途が本明細書中の更なる記載から明らかになる。
「血清タンパク質と結合することが可能なペプチド並びにこれを含む化合物、構築物及びポリペプチド(Peptides capable of binding to serum proteins and compounds, constructsand polypeptides comprising the same)」と題された特許文献1は、血清アルブミンと結合することが可能なペプチドの分類であって、該ペプチドはその半減期を増大させるために、治療部(moiety)、化合物、タンパク質又は他の治療実体(entity)と連結又は融合することができる、分類を説明している。
特許文献1に開示されるペプチドの説明については、特許文献1の明細書、特許請求の範囲、図面及び配列表(参照により本明細書中に援用される)を参照する。例示として(特許文献1又は本出願の限定としてではない)、特許文献1に記載の例示的なペプチドの幾つかは、例えば1つ又は複数の以下の特徴部(features):
(i)Arg(R)残基、特にヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能な、かつ/又はヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能なArg(R)残基、及び/又は
(ii)Trp(W)残基、特にヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能なTrp(W)残基、及び/又は
(iii)配列モチーフGGG、
好ましくは(i)、(ii)及び(iii)の少なくともいずれか2つ、より好ましくは3つ全てを含有し得る。
特に、特許文献1に記載の例示的なペプチドの幾つかは、例えば1つ又は複数の以下の特徴部:
(i)配列モチーフRXWD(ここで、Xは任意のアミノ酸配列であり得るが、好ましくはW、Y、F、S又はDである)、及び/又は
(ii)配列モチーフGGG、好ましくは配列モチーフFGGG(配列番号6)、より好ましくは配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)、
最も好ましくはこれらの配列モチーフ(i)及び(ii)の両方を含有し得る。
また、特許文献1には、特許文献1のアミノ酸配列がヒト血清アルブミンに対して、どこに(即ちどのエピトープに)及びどのように(即ちどのアミノ酸残基を介して)結合するかについて、任意の特定の(又は完全な)説明又は仮説にこの出願が限定されないといいうことは述べられているが、結晶構造及びモデリングデータから、特許文献1のペプチドの1つ(特許文献1の配列番号143)とヒト血清アルブミンとの結合相互作用に関して多数の観察結果が得られたことが言及されている。これらは特許文献1の84頁〜89頁の実施例8に記載されており、これもまた参照により本明細書中に援用される。
「血清タンパク質と結合することが可能なペプチド(Peptides capable of binding to serum proteins)」と題された特許文献2は、血清タンパク質と結合することが可能なペプチドを生成する方法であって、該ペプチドをその半減期を増大させるために、治療部、化合物、タンパク質又は他の治療実体と連結又は融合することができる、方法を説明している。配列番号1は、特許文献2に記載の方法論(参照として本明細書中に言及される)を用いて生成されたペプチドの一例である。
国際公開第09/127691号 国際公開第08/068280号
本発明の目的は、特許文献2及び特許文献1に記載のアミノ酸配列と比較して特性が改善されたアミノ酸配列を提供することである。特に、本発明の目的は、
特許文献2に記載のアミノ酸配列より良好に(特に、特許文献2中の配列番号1のアミノ酸配列より良好に)、かつ特許文献1に記載のアミノ酸配列より良好に(特に、59F2(特許文献1:配列番号149/本明細書中では配列番号76)、59H12(特許文献1:配列番号155/本明細書中では配列番号77)及び/又は59C2(特許文献1:配列番号156/本明細書中では配列番号75)より良好に)ヒト血清アルブミンと(本明細書中で規定するように)結合する、かつ/又は
ヒト血清アルブミンと(本明細書中で規定するように)特異的に結合することができ、少なくとも1つの他の哺乳動物種由来の血清アルブミン(例えばマウス、ラット、ウサギ、イヌ、又はヒヒ若しくはアカゲザル等の霊長類種由来の血清アルブミン)とも特異的に結合することができ、特にヒト血清アルブミン及びカニクイザル由来の血清アルブミンと特異的に結合することができる、かつ/又は
(ヒト)血清アルブミンと結合することができ、特許文献2及び特許文献1に記載のアミノ酸配列と比較して薬学的使用に関して改善された他の特性、例えば改善された安定性、改善されたプロテアーゼ耐性等を有する、かつ/又は
治療部、化合物、タンパク質又は他の治療実体と連結又は融合した場合、(同じ治療剤(therapeutic)と連結又は融合した場合の)特許文献2及び特許文献1に記載のアミノ酸配列より大きい、血清半減期又は他の薬理学的に関連のある特性の増大を与える
アミノ酸配列を提供することである。
本発明の目的は、得られる化合物又は構築物が、特許文献2及び特許文献1に記載のアミノ酸配列の1つを含有する、対応する化合物又は構築物と比較して改善した半減期を有するように、治療部、化合物、タンパク質又は他の治療実体と連結又は融合することができるアミノ酸配列を提供することでもある。
本発明の目的は、特許文献2及び特許文献1に記載の血清タンパク質結合アミノ酸配列の代替物、特に改善された代替物である、アミノ酸配列を提供することである。
概して本発明は、本明細書中に記載のアミノ酸配列を提供することによりこの目的を達成している。これらのアミノ酸配列は、血清アルブミン(特にヒト血清アルブミン)と結合する(特に本明細書中で規定のように特異的に結合する)ことができ、かつその半減期を増大させるために、治療化合物(例えば治療タンパク質又はポリペプチド)と連結又は融合する小ペプチド又はペプチド部として使用することができる。これらのアミノ酸配列(本明細書中において「本発明のアミノ酸配列」とも称される)は本明細書中で更に規定されるようなものである。
特に、本発明によれば、特許文献2及び特許文献1に記載の血清アルブミン結合ペプチドを、特許文献1に記載のペプチドのN末端側に1つ又は複数のアミノ酸残基(又は1つ又は複数のアミノ酸残基の組合せ)(のストレッチ)を付加する(providing)ことによって更に改善することができることが見出された。ペプチドのN末端側のこれらの1つ又は複数のアミノ酸残基(又は1つ又は複数のアミノ酸残基の組合せ)は、本明細書中に更に記載されるようなものであり得る。
したがって、本発明のアミノ酸配列は概して、特許文献1に記載のペプチドに基づくが、特許文献1に記載のアミノ酸残基及び/又は配列モチーフに加えて、本明細書中に更に記載されるように、ペプチドのN末端側に上記1つ又は複数のアミノ酸残基(又は1つ又は複数のアミノ酸残基の組合せ)(のストレッチ)を有する。
特に、本発明のアミノ酸配列において、これらの1つ又は複数のアミノ酸残基(又は1つ又は複数のアミノ酸残基の組合せ)(のこのストレッチ)は、特許文献1に記載のペプチドの3位(特許文献1に、及び本明細書中に更に記載のようにナンバリングされる)に対してペプチドのN末端側に付加することができる。これは本明細書中で、上記3位の「上流に」あるとも称される。
例えば、これらのアミノ酸(のこのストレッチ)は、特許文献1に記載のペプチドの(好ましくは)3位に存在するArg(R)残基(特許文献1に記載のように、特にヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能な、かつ/又はヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能なArg(R)残基であり得る)の位置に対してペプチドのN末端側に付加することができる。このようなArg残基が存在する場合、本明細書及び特許請求の範囲において、上記1つ又は複数のアミノ酸残基(又は1つ又は複数のアミノ酸残基の組合せ)は、上記Arg(R)残基の「上流に」あるとも言われる。
本発明のアミノ酸配列がRXWDモチーフ(特許文献1に記載のペプチドの場合と同様に、本発明のアミノ酸配列に好ましい)を含有する場合、上記1つ又は複数のアミノ酸残基(又は1つ又は複数のアミノ酸残基の組合せ)は、この場合も(好ましくは)上記RXWDモチーフに対してペプチドのN末端側に付加することができる。この場合も、このようなモチーフが存在する場合、本明細書及び特許請求の範囲において、上記1つ又は複数のアミノ酸残基(又は1つ又は複数のアミノ酸残基の組合せ)は、上記RXWDモチーフの「上流に」あるとも言われる。
また、アミノ酸残基のストレッチが本明細書中で残基(例えば3位のR)、位置(例えば3位)又はモチーフ(例えばRXWDモチーフ)の「上流に」あると言われる場合、上記アミノ酸のストレッチは、好ましくは上記残基、位置又はモチーフに直接先行する(即ち直接に連結し、本質的に連続する)(ただし、1つ、2つ又は3つのアミノ酸残基がストレッチと残基/位置/モチーフとの間に存在する場合も排除されない)。好ましくは、「3位の上流の」アミノ酸のストレッチの最後のアミノ酸は、0位、1位又は2位(以下のようにナンバリングされる)、好ましくは2位にある。
したがって、概して、本発明のアミノ酸配列に(特許文献2及び特許文献1に記載の血清アルブミン結合ペプチドと比較して)改善された特性を与える、本明細書中に記載のアミノ酸のストレッチは概して、3位(以下に示すようにナンバリングされる;特許文献1において用いられるナンバリングに対応する)の上流にある。
例示としては、「N末端側に」及び「上流に」という用語は、以下の本発明のアミノ酸配列(クローンEXPGMP 89D03、配列番号72)を用いて説明される:
WWEQDRDWDFDVFGGGTP。
明らかなように、この本発明のアミノ酸配列は、RXWDモチーフ(下線処理)と、RXWDモチーフの「C末端側に」又は「下流に」位置するDVFGGGモチーフ(配列番号15;同様に下線処理)とを含有する。この本発明の(of)アミノ酸配列は(例示としては)、特許文献1に記載のペプチドと比較して改善された特性(本明細書中に記載される)を本発明のアミノ酸配列に与える1つ又は複数のアミノ酸残基の幾つかの一例も含有する。これらの例示的なアミノ酸残基(WWEQD;配列番号96)は、RXWDモチーフの「N末端側に」又は「上流に」あると言われる(特許文献1)に記載されるように、先の段落において言及されるArg(R)残基は、通常は配列モチーフRXWD内に存在するArg(R)残基であることにも留意されたい)。
この例からも明らかなように、本発明のアミノ酸配列において改善された特性(即ち特許文献1に記載のペプチドと比較して)を与える、RXWDモチーフの上流の1つ又は複数のアミノ酸残基で、特許文献1に記載のペプチドにおいてRXWDモチーフの上流にある1つ又は複数のアミノ酸残基(例えば、特許文献1の配列番号143の配列において3つのアラニン残基AAAである)を置き換えることもできる。
本発明では、特許文献1及び特許文献2と同じアミノ酸残基のナンバリングが用いられる。このナンバリングは、特許文献1及び特許文献2に更に記載され、本明細書全体にわたって更に使用及び説明される。このナンバリングによれば、Arg(R)残基は3位にあり、Arg(R)残基の上流のアミノ酸残基は1位及び2位にある。例えば、特許文献1の15頁の表1を参照する(そこで言及されるように、3位の好ましいArg残基の代わりに、特許文献1のペプチドは3位にL、F、Y、W、P、T、S、M、A、D、I、K、Q又はVを含有していてもよく、これは本発明のアミノ酸配列についても同様である)。
本発明のアミノ酸配列が、通常は3位の上流に3つ以上のアミノ酸残基を含有することにも留意されたい。上記の配列番号1の例示的な配列に関しては、これらのアミノ酸残基は以下の通りにナンバリングされる。











Figure 2013518853
本明細書及び本発明のアミノ酸配列におけるこのアミノ酸残基のナンバリングを更に説明し明確にするために、図3は以下のアミノ酸配列のアラインメントを示す表である:配列番号1(参照)、59C2(配列番号75、参照)、80B10(配列番号56、本発明);89D03(配列番号72、本発明)、89D03V1(配列番号103、本発明)、89D03V1VG(配列番号106、本発明)及び89D03V3(配列番号105、本発明)。欄が空欄のままである場合、この表に例示される配列内にアミノ酸残基は存在しない。
概して、本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基(残りの部分については、例えば本明細書中に例示されるような1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸残基)を含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。
特に、上記少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基はL、I、V及び/若しくはMから選ぶことができ、かつ/又は上記少なくとも1つの芳香族アミノ酸残基はW、Y及び/若しくはFから選ぶことができる。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
特に、本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493(特許文献1の実施例8に記載されるようにナンバリングされる)の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、(i)少なくとも2つの疎水性アミノ酸残基、(ii)少なくとも2つの芳香族アミノ酸残基、及び/又は(iii)少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び少なくとも芳香族アミノ酸残基を含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。この場合も、上記疎水性アミノ酸残基(複数も可)はL、I、V及び/若しくはMから選ぶことができ、かつ/又は上記芳香族アミノ酸残基(複数も可)はW、Y及び/若しくはFから選ぶことができる。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
特に、本発明のアミノ酸配列は、(i)少なくとも2つの疎水性アミノ酸残基、(ii)少なくとも2つの芳香族アミノ酸残基、及び/又は(iii)少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び少なくとも芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。この場合も、上記疎水性アミノ酸残基(複数も可)はL、I、V及び/若しくはMから選ぶことができ、かつ/又は上記芳香族アミノ酸残基(複数も可)はW、Y及び/若しくはFから選ぶことができる。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
上記のアミノ酸配列は、好ましくは少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基又は芳香族アミノ酸残基を−2位、−1位、0位、1位及び/又は2位(上記に記載されるようにナンバリングされる)に、特に少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基又は芳香族アミノ酸残基を−2位、−1位及び/又は0位に含む。
本発明のアミノ酸配列は更に好ましくは、(ビアコアを用いて求められるように)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質若しくはペプチド、例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3との融合体を用いて測定される。例えば下記実施例2を参照する)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
具体的であるが非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つのW残基及び/又は少なくとも1つのY残基(この場合も、残りの部分については、例えば本明細書中に例示されるような1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸残基)を含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
特に、本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つのW残基及び/又は少なくとも1つのY残基を、上記W残基及び/又はY残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。
具体的であるが非限定的な別の態様において、本発明のアミノ酸配列は、(i)少なくとも2つのW残基、(ii)少なくとも2つのY残基、及び/又は(iii)少なくとも1つのW残基及び少なくとも1つのY残基(この場合も、残りの部分については、例えば本明細書中に例示されるような1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸残基)を含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
特に、本発明のアミノ酸配列は、(i)少なくとも2つのW残基、(ii)少なくとも2つのY残基、及び/又は(iii)少なくとも1つのW残基及び少なくとも1つのY残基を、上記W残基又はY残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。
好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、1つ、2つ又は3つのW残基を含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。特に、本発明のアミノ酸配列は、1つ、2つ又は3つのW残基を、上記W残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。
概して、本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基(残りの部分については、例えば本明細書中に例示されるような1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸残基)を含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。
特に、上記少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基はL、I、V及び/若しくはMから選ぶことができ、かつ/又は上記少なくとも1つの芳香族アミノ酸残基はW、Y及び/若しくはFから選ぶことができる。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
特に、本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、(i)少なくとも2つの疎水性アミノ酸残基、(ii)少なくとも2つの芳香族アミノ酸残基、及び/又は(iii)少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び少なくとも芳香族アミノ酸残基を含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。この場合も、上記疎水性アミノ酸残基(複数も可)はL、I、V及び/若しくはMから選ぶことができ、かつ/又は上記芳香族アミノ酸残基(複数も可)はW、Y及び/若しくはFから選ぶことができる。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
特に、本発明のアミノ酸配列は、(i)少なくとも2つの疎水性アミノ酸残基、(ii)少なくとも2つの芳香族アミノ酸残基、及び/又は(iii)少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び少なくとも芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。この場合も、上記疎水性アミノ酸残基(複数も可)はL、I、V及び/若しくはMから選ぶことができ、かつ/又は上記芳香族アミノ酸残基(複数も可)はW、Y及び/若しくはFから選ぶことができる。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
本明細書中に記載される本発明のアミノ酸配列は全て、好ましくは(ビアコアを用いて求められるように)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は(好ましくは)本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質若しくはペプチドとの融合体を用いて、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
具体的であるが非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つのW残基及び/又は少なくとも1つのY残基(この場合も、残りの部分については、例えば本明細書中に例示されるような1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸残基)を含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
特に、本発明のアミノ酸配列は、少なくとも1つのW残基及び/又は少なくとも1つのY残基を、上記W残基及び/又はY残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。
具体的であるが非限定的な別の態様において、本発明のアミノ酸配列は、(i)少なくとも2つのW残基、(ii)少なくとも2つのY残基、及び/又は(iii)少なくとも1つのW残基及び少なくとも1つのY残基(この場合も、残りの部分については、例えば本明細書中に例示されるような1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸残基)を含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。残りの部分については(即ち3位及び3位より更に下流では)、本発明のアミノ酸配列は特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。
特に、本発明のアミノ酸配列は、(i)少なくとも2つのW残基、(ii)少なくとも2つのY残基、及び/又は(iii)少なくとも1つのW残基及び少なくとも1つのY残基を、上記W残基又はY残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。
好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、1つ、2つ又は3つのW残基を含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。特に、本発明のアミノ酸配列は、1つ、2つ又は3つのW残基を、上記W残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基を含むアミノ酸残基のストレッチを3位の上流に含有し得る。
同様に、上記のアミノ酸配列は、好ましくは少なくとも1つのW残基又はY残基を−2位、−1位、0位、1位及び/又は2位(上記に記載されるようにナンバリングされる)に、特に少なくとも1つのW残基又はY残基を−2位、−1位及び/又は0位に含む。
概して、上記の段落において言及される3位の上流のアミノ酸残基のストレッチに加えて、本発明のアミノ酸配列は、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基(好ましくは3アミノ酸残基、4アミノ酸残基、5アミノ酸残基、6アミノ酸残基又は7アミノ酸残基)の上記ストレッチの(更に)上流の1つ又は複数の更なるアミノ酸残基を含み得ることに留意されたい。しかしながら、本発明の範囲から排除されるものではないが、このことは必要でも必須でもない。
本発明のアミノ酸配列において存在し得る3位の上流のアミノ酸の好適なストレッチの幾つかの好ましいが非限定的な例は、下記表IIに挙げられるペプチドに見ることができる。例えば、アミノ酸配列の3位より上流の部分は、配列LWYML、LWYLY、YWWER、AWYDY、WWNWR、EWWWR、YDWFY、RDWFL、DWWNR、YGDWF、WWTWG、PIDFW、WWTSD、QKLYW、KWWEI、WWSTP、LFWWE、WWLQE、WWEQD、NQLIV、WWELD(それぞれ配列番号78〜配列番号98を参照されたい)の1つ、又はこれらの配列の1つとの3つ、2つ若しくは1つのアミノ酸差異(本明細書中で規定する)を有するアミノ酸配列(ただし、上記に述べた特徴を依然として満たすものとする)であり得る。下線処理した配列の1つ、又はこれらの配列の1つとの2つ若しくは1つのアミノ酸差異(本明細書中で規定する)を有するアミノ酸配列(ただし、上記に述べた特徴を依然として満たすものとする)の存在が特に好ましい。
ペプチドの他の(3位及び更に下流の)部分は、特に特許文献1に記載されるようなものであり得る(同じ好ましい態様及び特徴が適用される)。例えば、ペプチドの3位及び更に下流の部分は、例えば特許文献1の配列番号2〜配列番号115及び配列番号147〜配列番号157の配列(特許文献1の表IIを参照されたい)の1つのペプチドの3位及び更に下流の部分と同じであるか、又は本質的に同じであり得る。
したがって、第1の態様によれば、本発明は、
a)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)との、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%ではあるが、100%ではない配列同一性(本明細書中で規定する)を有し、
b)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
c)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有する、アミノ酸配列に関する。
本発明の別の態様は、
a)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)との、9個以下、好ましくは8個以下、特に7個以下、例えば6個、5個、4個、3個、2個又は1個のアミノ酸差異(本明細書中で規定する)を有し、
b)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
c)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有する、アミノ酸配列に関する。
更に別の態様において本発明は、
a)以下の配列モチーフ:DYDV(配列番号2)、YDVF(配列番号3)、DVFG(配列番号4)、VFGG(配列番号5)、FGGG(配列番号6)及び/又はGGGT(配列番号7)の1つ又は複数を含有し、
b)全長が5アミノ酸残基〜50アミノ酸残基、好ましくは7アミノ酸残基〜40アミノ酸残基、より好ましくは10アミノ酸残基〜35アミノ酸残基、例えば約15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基又は30アミノ酸残基であり、
c)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
d)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し、
該アミノ酸配列が配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)ではない、アミノ酸配列に関する。
更に別の態様において本発明は、
a)以下の配列モチーフ:DYDVF(配列番号8)、YDVFG(配列番号9)、DVFGG(配列番号10)、VFGGG(配列番号11)及び/又はFGGGT(配列番号12)の1つ又は複数を含有し、
b)全長が5アミノ酸残基〜50アミノ酸残基、好ましくは7アミノ酸残基〜40アミノ酸残基、より好ましくは10アミノ酸残基〜35アミノ酸残基、例えば約15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基又は30アミノ酸残基であり、
c)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
d)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し、
該アミノ酸配列が配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)ではない、アミノ酸配列に関する。好ましくは、このようなアミノ酸配列は本明細書中で更に記載されるようなものである。例えば、アミノ酸配列は好ましくは、本明細書中に更に記載されるように、(即ち、上述の配列モチーフの上流、例えば3位〜6位に)配列モチーフRXWDも含む。
本明細書中に更に記載されるように、上記の本発明のアミノ酸配列において、(例えば、限定されるものではないが、14位にトレオニン残基を含有しない本発明のアミノ酸配列において)8位のアスパラギン酸(D)残基をトレオニン(T)残基によって置き換えることが可能であり得る。このような場合、このようなアミノ酸配列は上記に記載されるようなものであってもよいが、配列モチーフDYDVF(配列番号8)、YDVFG(配列番号9)、DVFGG(配列番号10)の代わりに、配列モチーフDYTVF(配列番号126)、YTVFG(配列番号127)又はTVFGG(配列番号128)をそれぞれ含有してもよい。このようなアミノ酸配列は本明細書中に更に記載されるようなものであってもよく、具体的であるが非限定的な態様によれば、14位にトレオニン以外のアミノ酸残基(例えばA、N及び特にD)を含有してもよい。
更に別の態様において本発明は、
a)以下の配列モチーフ:DYDVFG(配列番号13)、YDVFGG(配列番号14)、DVFGGG(配列番号15)及び/又はVFGGGT(配列番号16)の1つ又は複数を含有し、
b)全長が6アミノ酸残基〜50アミノ酸残基、好ましくは7アミノ酸残基〜40アミノ酸残基、より好ましくは10アミノ酸残基〜35アミノ酸残基、例えば約15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基又は30アミノ酸残基であり、
c)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
d)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し、
該アミノ酸配列が配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)ではない、アミノ酸配列に関する。好ましくは、このようなアミノ酸配列は本明細書中で更に記載されるようなものである。例えば、アミノ酸配列は好ましくは、本明細書中に更に記載されるように、(即ち、上述の配列モチーフの上流、例えば3位〜6位に)配列モチーフRXWDも含む。
本明細書中に更に記載されるように、上記の本発明のアミノ酸配列において、(例えば、限定されるものではないが、14位にトレオニン残基を含有しない本発明のアミノ酸配列において)8位のアスパラギン酸(D)残基をトレオニン(T)残基によって置き換えることが可能であり得る。このような場合、このようなアミノ酸配列は上記に記載されるようなものであってもよいが、配列モチーフDYDVFG(配列番号13)、YDVFGG(配列番号14)、DVFGGG(配列番号15)の代わりに、配列モチーフDYTVFG(配列番号129)、YTVFGG(配列番号130)又はTVFGGG(配列番号131)をそれぞれ含有してもよい。このようなアミノ酸配列は本明細書中に更に記載されるようなものであってもよく、具体的であるが非限定的な態様によれば、14位にトレオニン以外のアミノ酸残基(例えばA、N及び特にD)を含有してもよい。
更に別の態様において本発明は、
a)以下の配列モチーフ:DYDVFGG(配列番号17)、YDVFGGG(配列番号18)、及び/又はDVFGGGT(配列番号19)の1つ又は複数を含有し、
b)全長が7アミノ酸残基〜50アミノ酸残基、好ましくは8アミノ酸残基〜40アミノ酸残基、より好ましくは10アミノ酸残基〜35アミノ酸残基、例えば約15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基又は30アミノ酸残基であり、
c)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
d)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し、
該アミノ酸配列が配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)ではない、アミノ酸配列に関する。好ましくは、このようなアミノ酸配列は本明細書中で更に記載されるようなものである。例えば、アミノ酸配列は好ましくは、本明細書中に更に記載されるように、(即ち、上述の配列モチーフの上流、例えば3位〜6位に)配列モチーフRXWDも含む。
本明細書中に更に記載されるように、上記の本発明のアミノ酸配列において、(例えば、限定されるものではないが、14位にトレオニン残基を含有しない本発明のアミノ酸配列において)8位のアスパラギン酸(D)残基をトレオニン(T)残基によって置き換えることが可能であり得る。このような場合、このようなアミノ酸配列は上記に記載されるようなものであってもよいが、配列モチーフDYDVFGG(配列番号17)、YDVFGGG(配列番号18)又はDVFGGGT(配列番号19)の代わりに、配列モチーフDYTVFGG(配列番号132)、YTVFGGG(配列番号133)又はTVFGGGT(配列番号134)をそれぞれ含有してもよい。このようなアミノ酸配列は本明細書中に更に記載されるようなものであってもよい。
また、本明細書中に更に記載されるように、上記の本発明のアミノ酸配列において、14位のトレオニン(T)残基を、(例えば、限定されるものではないが)A、N又はD等の別のアミノ酸残基に置き換えることが可能であり得る。このような場合、このようなアミノ酸配列は上記に記載されるようなものであってもよいが、例えば配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)の代わりに、配列モチーフDVFGGGA(配列番号135)、DVFGGGN(配列番号136)又はDVFGGGD(配列番号137)を含有してもよい。
8位のアスパラギン酸(D)残基をトレオニン(T)残基によって置き換え、かつ14位のトレオニン残基を別のアミノ酸(例えば、限定されるものではないが、A、N及び特にD)によって置き換えることも可能である。このような場合、このようなアミノ酸配列は上記に記載されるようなものであってもよいが、例えば配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)の代わりに、配列モチーフTVFGGGA(配列番号138)、TVFGGGN(配列番号139)又はTVFGGGD(配列番号140)を含有してもよい。
更に別の態様において本発明は、
a)以下の配列モチーフ:DYDVFGGG(配列番号20)及び/又はYDVFGGGT(配列番号21)の1つ又は複数を含有し、
b)全長が8アミノ酸残基〜50アミノ酸残基、好ましくは9アミノ酸残基〜40アミノ酸残基、より好ましくは10アミノ酸残基〜35アミノ酸残基、例えば約15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基又は30アミノ酸残基であり、
c)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
d)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し、
該アミノ酸配列が配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)ではない、アミノ酸配列に関する。好ましくは、このようなアミノ酸配列は本明細書中で更に記載されるようなものである。
更に別の態様において本発明は、
a)以下の配列モチーフ:DYDVFGGGT(配列番号23)を含有し、
b)全長が9アミノ酸残基〜50アミノ酸残基、好ましくは9アミノ酸残基〜40アミノ酸残基、より好ましくは10アミノ酸残基〜35アミノ酸残基、例えば約15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基又は30アミノ酸残基であり、
c)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
d)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し、
該アミノ酸配列が配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)ではない、アミノ酸配列に関する。好ましくは、このようなアミノ酸配列は本明細書中で更に記載されるようなものである。例えば、アミノ酸配列は好ましくは、本明細書中に更に記載されるように、(即ち、上述の配列モチーフの上流、例えば3位〜6位に)配列モチーフRXWDも含む。
本明細書中に更に記載されるように、上記の本発明のアミノ酸配列において、(例えば、限定されるものではないが、14位にトレオニン残基を含有しない本発明のアミノ酸配列において)8位のアスパラギン酸(D)残基をトレオニン(T)残基へと置き換えることが可能であり得る。このような場合、このようなアミノ酸配列は上記に記載されるようなものであってもよいが、配列モチーフDYDVFGGG(配列番号20)及び/又はYDVFGGGT(配列番号21)の代わりに、配列モチーフDYTVFGGG(配列番号141)又はYTVFGGGT(配列番号142)をそれぞれ含有してもよい。
また、本明細書中に更に記載されるように、上記の本発明のアミノ酸配列において、14位のトレオニン(T)残基を、(例えば、限定されるものではないが)A、N又はD等の別のアミノ酸残基に置き換えることが可能であり得る。このような場合、このようなアミノ酸配列は上記に記載されるようなものであってもよいが、例えば配列モチーフYDVFGGGT(配列番号21)の代わりに、配列モチーフYDVFGGGA(配列番号143)、YDVFGGGN(配列番号144)又はYDVFGGGD(配列番号145)を含有してもよい。
8位のアスパラギン酸(D)残基をトレオニン(T)残基によって置き換え、かつ14位のトレオニン残基を別のアミノ酸(例えば、限定されるものではないが、A、N及び特にD)によって置き換えることも可能である。このような場合、このようなアミノ酸配列は上記に記載されるようなものであってもよいが、例えば配列モチーフYDVFGGGT(配列番号21)の代わりに、配列モチーフYTVFGGGA(配列番号146)、YTVFGGGN(配列番号147)又はYTVFGGGD(配列番号148)を含有してもよい。
本発明のアミノ酸配列(本明細書中に更に記載される)は好ましくは(少なくとも)、
(i)Arg(R)残基、特にヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能な、かつ/又はヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能なArg(R)残基、及び/又は
(ii)Trp(W)残基、特にヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能なTrp(W)残基、及び/又は
(iii)配列モチーフGGG、
好ましくは(i)、(ii)及び(iii)の少なくともいずれか2つ、より好ましくは3つ全てを含有し、
上記Arg残基の上流に、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493(特許文献1の実施例8に記載されるようにナンバリングされる)の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように更に含有する。特に、本発明のアミノ酸配列は、本明細書中に記載されるような上記Arg残基の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し得る。
本発明のアミノ酸配列(本明細書中に更に記載される)は好ましくは(少なくとも)、
(iii)配列モチーフRXWD(ここで、Xは任意のアミノ酸配列であり得るが、好ましくはW、Y、F、S又はDである)、及び/又は
(iv)配列モチーフGGG、好ましくは配列モチーフFGGG(配列番号6)、より好ましくは配列モチーフDVFGGG(配列番号15)(又は代替的には、配列モチーフTVFGGG(配列番号131))、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)(又は代替的には、配列番号134〜配列番号139の配列モチーフの1つ)、
最も好ましくはこれらの配列モチーフ(i)及び(ii)の両方を含有し、
上記RXWDモチーフの上流に、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493(特許文献1の実施例8に記載されるようにナンバリングされる)の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように更に含有する。特に、本発明のアミノ酸配列は、本明細書中に記載されるような上記RXWDモチーフの上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し得る。
この場合も、本明細書中に記載される本発明のアミノ酸配列は全て、好ましくは(ビアコアを用いて求められるように)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は(好ましくは)本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチドとの融合体を用いて、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
配列モチーフDVFGGG(配列番号15)の代わりに、好ましい本発明のアミノ酸配列は、例えば配列モチーフDAFGGG(配列番号44)も含有し得る。同様に、8位にトレオニン(T)を有する配列モチーフ(例えば、配列番号126〜配列番号148の配列モチーフの1つ)において、9位のバリン(V)をアラニン(A)によって置き換え、(非限定的な例としては)配列モチーフTAFGGG(配列番号149)を(即ち、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)又は配列モチーフTVFGGG(配列番号131)のいずれかの代わりに)得ることができる。また、配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)の代わりに、好ましい本発明のアミノ酸配列は、例えば配列モチーフDVFGGGS(配列番号45)又はDAFGGGT(配列番号46)も含有し得る。本発明のアミノ酸配列中に存在し得る他の同様の配列モチーフは、本明細書中の開示(例えば表IIにおいて言及される配列)に基づき当業者にとって明らかである。
したがって、別の態様において、本発明は、
a)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)との、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%ではあるが、100%ではない配列同一性(本明細書中で規定する)を有し、
b)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
c)Arg(R)残基、特にヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能な、かつ/又はヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能なArg(R)残基を含み、
d)上記Arg残基の上流に、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493(特許文献1の実施例8に記載されるようにナンバリングされる)の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含有する、アミノ酸配列に関する。
特に、このような本発明のアミノ酸配列は、本明細書中に記載されるような上記Arg残基の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し得る。
このアミノ酸配列は好ましくは、(i)配列モチーフRXWD(ここで、Xは任意のアミノ酸配列であり得るが、好ましくはW、Y、F、S又はDである)、及び/又は(ii)配列モチーフGGG、好ましくは配列モチーフFGGG(配列番号6)、より好ましくは配列モチーフDVFGGG(配列番号15)(又は代替的には、配列モチーフTVFGGG(配列番号131))、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)(又は代替的には、配列番号134〜配列番号139の配列モチーフのうちの1つ)、並びに最も好ましくはこれらの配列モチーフの両方も含む。
上記のアミノ酸配列は本明細書中で更に記載されるようなものであるのも好ましい。
別の態様において本発明は、
a)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)との、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%ではあるが、100%ではない配列同一性(本明細書中で規定する)を有し、
b)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
c)Trp(W)残基、特にヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能なTrp(W)残基を含み、
d)本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(及び/又はW残基)(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有する、アミノ酸配列に関する。
このアミノ酸配列は好ましくは、(i)配列モチーフRXWD(ここで、Xは任意のアミノ酸配列であり得るが、好ましくはW、Y、F、S又はDである)、及び/又は(ii)配列モチーフGGG、好ましくは配列モチーフFGGG(配列番号6)、より好ましくは配列モチーフDVFGGG(配列番号15)(又は代替的には、配列モチーフTVFGGG(配列番号131))、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)(又は代替的には、配列番号134〜配列番号139の配列モチーフのうちの1つ)、並びに最も好ましくはこれらの配列モチーフの両方も含む。
上記のアミノ酸配列は本明細書中で更に記載されるようなものであるのも好ましい。
別の態様において本発明は、
a)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)との、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%ではあるが、100%ではない配列同一性(本明細書中で規定する)を有し、
b)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好にヒト血清アルブミンと結合し、
c)Arg(R)残基、特にヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能な、及び/又はヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能なArg(R)残基を含み、
d)Trp(W)残基、特にヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能なTrp(W)残基を含み、
e)上記Arg残基の上流に、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493(特許文献1の実施例8に記載されるようにナンバリングされる)の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含有する、アミノ酸配列に関する。
特に、このような本発明のアミノ酸配列は、本明細書中に記載されるような上記Arg残基の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有し得る。
このアミノ酸配列は好ましくは、(i)配列モチーフRXWD(ここで、Xは任意のアミノ酸配列であり得るが、好ましくはW、Y、F、S又はDである)、及び/又は(ii)配列モチーフGGG、好ましくは配列モチーフFGGG(配列番号6)、より好ましくは配列モチーフDVFGGG(配列番号15)(又は代替的には、配列モチーフTVFGGG(配列番号131))、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)(又は代替的には、配列番号134〜配列番号139の配列モチーフのうちの1つ)、並びに最も好ましくはこれらの配列モチーフの両方も含む。
この場合も、これらのアミノ酸配列は同様に好ましくは本明細書中に更に記載されるようなものである。例えば、上記の本発明のアミノ酸配列はこの場合も好ましくは、(ビアコアを用いて求められるように)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は(好ましくは)本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチドとの融合体を用いて、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
本発明のアミノ酸配列中に存在し得る幾つかの好ましいが非限定的な配列モチーフは、以下の通りである:
本明細書中に記載されるような3位の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)。これは例えば、配列番号78〜配列番号98の配列の1つ(又はこれらの配列の少なくとも1つとの2つ若しくは1つのみの「アミノ酸差異」(本明細書中で規定する)を有するアミノ酸配列(ただし、(好ましくは)本明細書中で述べられる(好ましい)態様を依然として満たすものとする))であり得る。
アミノ酸配列RXWDXDVFGGG(配列番号23)(配列中、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)、
アミノ酸配列RXWDXDVFGGGT(配列番号24)(配列中、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)、
アミノ酸配列RXWDXDVFGGGTP(配列番号25)(配列中、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)、
アミノ酸配列RXWDXDVFGGGTPG(配列番号26)(配列中、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)、
アミノ酸配列RXWDXDVFGGGTPGG(配列番号27)(配列中、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)、
RYWDYDVFGGG(配列番号28)、RDWDFDVFGGG(配列番号29)、RSWDFDVFGGG(配列番号30)又はRYWDFDVFGGG(配列番号31)から選ばれる、特にRDWDFDVFGGG(配列番号28)、RSWDFDVFGGG(配列番号29)又はRYWDFDVFGGG(配列番号30)から選ばれるアミノ酸配列、
RYWDYDVFGGGT(配列番号32)、RDWDFDVFGGGT(配列番号33)、RSWDFDVFGGGT(配列番号34)又はRYWDFDVFGGGT(配列番号35)から選ばれる、特にRDWDFDVFGGGT(配列番号33)、RSWDFDVFGGGT(配列番号34)又はRYWDFDVFGGGT(配列番号35)から選ばれるアミノ酸配列、
RYWDYDVFGGGTP(配列番号36)、RDWDFDVFGGGTP(配列番号37)、RSWDFDVFGGGTP(配列番号38)又はRYWDFDVFGGGTP(配列番号39)から選ばれる、特にRDWDFDVFGGGTP(配列番号37)、RSWDFDVFGGGTP(配列番号38)又はRYWDFDVFGGGTP(配列番号39)から選ばれるアミノ酸配列、
RYWDYDVFGGGTPV(配列番号40)、RDWDFDVFGGGTPV(配列番号41)、RSWDFDVFGGGTPV(配列番号42)又はRYWDFDVFGGGTPV(配列番号43)から選ばれる、特にRDWDFDVFGGGTPV(配列番号41)、RSWDFDVFGGGTPV(配列番号42)又はRYWDFDVFGGGTPV(配列番号43)から選ばれるアミノ酸配列。
この場合も、配列番号23〜配列番号43の配列モチーフは全て、(例えば、限定されるものではないが)下記表Iで挙げられる置換の1つ又は複数等といった、本明細書中で記載されるような1つ又は複数の置換を含有し得る。
したがって、本発明のアミノ酸配列中に存在し得る幾つかの他の(非限定的な)配列モチーフは、以下の通りである:
14位のトレオニン(T)残基が別のアミノ酸残基(好ましくは限定されるものではないが、A、N又はD)によって置き換えられた、配列番号24〜配列番号27又は配列番号32〜配列番号43の配列モチーフのいずれかによるアミノ酸配列、
8位のアスパラギン酸(D)がトレオニン(T)によって置き換えられた、配列番号23〜配列番号43の配列モチーフのいずれかによるアミノ酸配列、
(i)14位のトレオニン(T)残基が別のアミノ酸残基(好ましくは限定されるものではないが、A、N又はD)によって置き換えられ、かつ(ii)8位のアスパラギン酸(D)がトレオニン(T)によって置き換えられた、配列番号24〜配列番号27又は配列番号32〜配列番号43の配列モチーフのいずれかによるアミノ酸配列。
この場合も、これらの他の配列モチーフは、(例えば、限定されるものではないが)下記表Iで挙げられる置換の1つ又は複数等といった、1つ又は複数の他の好適な置換を含有し得る。
本発明との関連では、本発明のアミノ酸配列は、血清アルブミン(例えばヒト血清アルブミン又は別の哺乳動物種由来の血清アルブミン、例えばカニクイザルの血清アルブミン)と、
配列番号1のアミノ酸配列より(特に、配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てより)高い特異性で上記血清アルブミンと結合する場合、及び/又は
配列番号1のアミノ酸配列より(特に、配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てより)高い親和性(本明細書中で規定されるようなものであり、K、K、kon又はkoff速度として表され、本明細書中に記載の方法の1つを使用して求められる)で、上記血清アルブミンと結合する場合、及び/又は
配列番号1のアミノ酸配列(即ち同程度のコンカテマーの形態で使用する場合)より(特に、配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てより)高い結合活性(avidity:結合力)で、上記血清アルブミンと結合する場合(即ち本発明のアミノ酸配列をコンカテマーとして使用する場合)、及び/又は
上記の本発明のアミノ酸配列を1つ又は複数含む本発明の化合物(本明細書中で規定する)が、配列番号1のアミノ酸配列を1つ又は複数含む、対応する本発明の化合物より(特に、配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てより)高い特異性、親和性及び/又は結合活性で上記血清アルブミンと結合する場合(例えば実施例2で使用されるビアコア(商標)測定を使用して求められる)、
配列番号1のアミノ酸配列より(特に、配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てより)「良好に結合する」と考えられる。例示的なものであり、これに限定されないが、関連のあるアミノ酸配列が(任意で好適なリンカーを介して)ナノボディ2D3(配列番号47)と融合した融合タンパク質が、ナノボディ2D3が(任意で同じ好適なリンカーを介して)アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)と融合した対応する融合タンパク質より高い特異性、親和性及び/又は結合活性で血清アルブミンと結合する場合(例えば実施例2で使用されるビアコア測定(商標)を使用して求められる)、本発明のアミノ酸配列は血清アルブミンとより良好に結合すると言える。この比較のために、関連のあるアミノ酸配列は例えば(これに限定されないが)2D3のC末端と(任意で同じ好適なリンカーを介して)連結し得る。この全ての具体的であるが非限定的な例が実施例2で与えられる。
特に、本明細書中に記載の「結合(binding)」は、特許文献1の実施例3若しくは実施例9に記載の溶液結合競合アッセイを使用して、又は特許文献1の実施例7若しくは実施例10に記載のように、若しくは本明細書の実施例2に記載のように、ナノボディ2D3との融合体としてアミノ酸配列が表される場合、特許文献1のこれらの実施例に及び/又は以下の実施例2に記載のビアコアアッセイで求めることができる。
本明細書中で言及されるように、本発明のアミノ酸配列は更に好ましくは、(ビアコアを用いて求められるように)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチド、例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3との融合体を用いて測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
本発明のアミノ酸配列の幾つかの非限定的な例は、表II及び配列番号54〜配列番号74に与えられる。これらの中でも、30nMより良好に(例えば配列番号56、配列番号59、配列番号64、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72又は配列番号74のアミノ酸配列の1つ)、特に20nMと等しいか、又はそれより良好に(例えば配列番号56、配列番号59、配列番号68、配列番号70、配列番号72又は配列番号74のアミノ酸配列の1つ)、血清アルブミンと(それ自体が及び/又は2D3との融合体として)結合するこれらの配列が特に好ましい。
以下の段落は、本発明のアミノ酸配列の3位より下流(3位を含む)及び更なる下流の部分の幾つかの好ましいが非限定的な態様、特徴、アミノ酸残基、配列モチーフ及び例について説明するものである。この場合も、これらの配列の部分を本明細書中に記載されるような3位の上流の部分/配列と組み合わせて、本発明のアミノ酸配列を得ることができる。概して、本明細書中で言及される本発明のアミノ酸配列の3位より下流(3位を含む)の部分についての選好性、及び本明細書中で言及される本発明のアミノ酸配列の3位の上流の部分についての選好性の両方が適用される。したがって、特に好ましい本発明のアミノ酸配列において、本発明のアミノ酸配列の3位より下流(3位を含む)の部分は、その好ましい記載/態様(本明細書中で述べられる)により、本発明のアミノ酸配列の3位より上流(3位を含む)の部分は、その好ましい記載/態様(本明細書中で述べられる)による。これに基づき、当業者は3位の上流及び下流の配列の好ましい態様を、単一の好ましい本発明のアミノ酸配列に組み合わせることが可能である。
特許文献1にも記載されるように、概して、本発明のアミノ酸配列は3位より下流(3位を含む)の部分において、得られる本発明のアミノ酸配列がアミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)より良好に(本明細書中で規定する)ヒト血清アルブミンと結合するように、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)との1つ又は複数の「アミノ酸差異」(本明細書中で規定する)を(本明細書中で述べられる包括的な限定の範囲内で)含有する。このような置換は、本明細書中及び特許文献1に記載されるように、例えば3位のR及び/又は5位のWであり得る。
概して本明細書中で述べられる包括的な限定の範囲内で、このようなアミノ酸差異は、配列番号1の配列と比較して、1つ又は複数の位置で1つ又は複数のアミノ酸残基の(of)挿入、欠失又は置換を含み得る。通常、配列番号1の配列と比較して、本発明のアミノ酸配列は少なくとも1つのアミノ酸置換(例えば本明細書中で言及されるもの)及び任意でまた1つ又は複数のアミノ酸挿入及び/又は1つ又は複数のアミノ酸欠失を含有する。
好適な置換、挿入及び/又は欠失(及びその組合せ)は、本明細書中の開示に基づき当業者にとって明らかであり、例えば特許文献1に記載のペプチド(例えば特許文献1の配列番号2〜配列番号115及び配列番号147〜配列番号157及び図1を参照されたい)に存在する1つ又は複数の置換、挿入及び/又は欠失、又はこれらの置換、挿入及び/又は欠失の任意の好適な組合せが挙げられる。
本発明のアミノ酸配列の3位から及び更に下流に存在し得る可能性がある置換(配列番号1のアミノ酸配列と比較して)の好ましいが非限定的な例の幾つかが以下の表Iで挙げられる(本発明のアミノ酸配列は、本明細書中で述べられる包括的な限定の範囲内で1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸の置換、挿入又は欠失を含有することができることが理解される)。
最も好ましい本発明のアミノ酸配列では、最も好ましくは3位がRであり、5位がWであり(好ましくは6位のDと組合せて)、好ましくは7位がFであり(ただしY又はWであってもよい)、15位がPであり、16位がVであることに留意されたい。
比較として、配列番号1の配列では、3位がSであり、5位がSであり、7位がYであり、15位がDであり、15位がDであり、16位がFである。
最も好ましい本発明のアミノ酸配列は配列番号1の配列と以下の残基を共有する:4位にY(ただし本発明の配列では、これはF、W、S又はDであってもよい)、6位にD、8位〜13位にDVFGGGモチーフ(ただし好ましい本発明の配列ではこれはDAFGGGであってもよい)、及び14位にT、並びに17位にG。
表I:本発明のアミノ酸配列に存在し得る可能性がある置換の例(3位から及び更に下流で、3位の上流のアミノ酸残基は本明細書で更に記載されるようなものである)
Figure 2013518853
任意で本明細書中及び特許文献1の開示に基づき、当業者は、限定的な試行錯誤により、例えば本明細書中並びに/又は特許文献1の実施例2及び/若しくは実施例3に記載のアッセイを使用して、ヒト血清アルブミンとの結合に関して意図される置換、挿入及び/又は欠失を含む候補アミノ酸配列を試験することにより、他の(即ち更なる)好適な置換、挿入及び/又は欠失(又はそれらの組合せ)を求めることもできる(それから任意で、上記候補アミノ酸配列を配列番号1のアミノ酸配列と、及び/又は特許文献1のアミノ酸配列の1つ又は複数と比較してもよい)。
この場合も、3位から及び更に下流に、本発明のアミノ酸配列は本明細書中に更に記載されるようなものであるのが好ましい。このため例えばこのようなアミノ酸配列は好ましくは、(i)Arg(R)残基、特にヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能な、及び/又はヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能なArg(R)残基、及び/又は(ii)Trp(W)残基、特にヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能なTrp(W)残基、及び/又は(iii)配列モチーフGGG、好ましくは(i)、(ii)及び(iii)の少なくともいずれか2つ、より好ましくは3つ全てを含む。特にこのようなアミノ酸配列は好ましくは(少なくとも)、(i)配列モチーフRXWD(ここで、Xは任意のアミノ酸配列であり得るが、好ましくはW、Y、F、S又はDである)、及び/又は(ii)配列モチーフGGG、並びに好ましくは配列モチーフFGGG(配列番号6)、より好ましくは配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)、並びに最も好ましくはこれらの配列モチーフ(i)及び(ii)の両方を含有する。
概して、本発明のアミノ酸配列がアミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)と比較して1つ又は複数のアミノ酸置換を含有する場合、これらは保存的アミノ酸置換(本明細書中で規定する)又は非保存的アミノ酸置換であってもよい(好適な非保存的アミノ酸置換は概して、ヒト血清アルブミンとの結合を改善又は更に改善する傾向にあることは当業者によって理解される)。
置換は、宿主生物において(それ自体で、又は本発明の化合物若しくはポリペプチドの一部として)発現された場合に、本発明の(of)アミノ酸配列又はペプチドの翻訳後修飾(複数も可)を許容及び/若しくは促進するか、又は阻止及び/若しくは低減する1つ又は複数の置換であってもよい。当業者には明らかなように、このような翻訳後修飾(及びそれらを許容/促進するか、又は阻止/低減することができる置換)は、アミノ酸配列、ペプチド、化合物又はポリペプチドが発現される宿主生物によって(場合によっては発現系によっても)異なる。このような翻訳後修飾の幾つかの非限定的な例は、(酵素的/タンパク質分解的)切断、酸化事象、ピログルタミン酸形成、リン酸化、及び/又はアスパラギン酸若しくはアスパラギンの異性化若しくは脱アミド化(これらは全て、通常は望ましくないため、本発明においては、このような翻訳後修飾を阻止又は低減する突然変異を本発明のペプチドに導入することができる)、並びにグリコシル化(望ましくないこともあり(この場合、例えばグリコシル化部位を除去することによってこれを阻止又は低減する突然変異を導入することができる)、又は場合によっては望ましいこともある(この場合、例えばグリコシル化部位を導入することによって、これを許容又は促進する突然変異を導入することができる)。この場合も、起こり得る翻訳後修飾が使用される宿主生物及び発現系によって異なることが当業者にとって明らかであり、当業者は任意で限定的な試行錯誤の後に好適な突然変異を選択することが可能である。
或る特定の翻訳後修飾を阻止又は低減しようとする場合、このような翻訳後修飾を行うことが可能でない宿主又は宿主生物において本発明のアミノ酸配列、ペプチド、化合物又はポリペプチドを発現させることによってそれが可能であり得ることも当業者にとって明らかである。例えば、グリコシル化を阻止又は低減しようとする場合、(必要なわけではないが、任意で本明細書中で言及される置換の1つ又は複数と組み合わせて)大腸菌(E. Coli)等の細菌株、又は宿主生物のグリコシル化欠損突然変異体(そうでなければ本発明のアミノ酸配列、ペプチド、化合物又はポリペプチドにおいて或る特定の部位でグリコシル化し得る)において本発明のアミノ酸配列、ペプチド、化合物又はポリペプチドを発現させることが可能である。
例えば、限定されるものではないが、本発明の一態様において、本発明のアミノ酸配列、ペプチド、化合物又はポリペプチドは、サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)の好適な株、アスペルギルス属の好適な株、特にピキア・パストリス(Pichia pastoris)の好適な株(好ましい)等の好適な酵母菌株において発現させることができる。これは例えば、ヒトへの投与を意図したタンパク質又は(ポリ)ペプチドの発現、製造又は作製に好適であるサッカロマイセス・セレヴィシエ、アスペルギルス属又はピキア属(好ましい)の任意の好適な株であってもよく、その例は当業者にとって明らかである(例えば、限定されるものではないが、その好適なプロテアーゼ欠損株を含む)。
したがって、本発明において阻止又は低減され得る翻訳後修飾の非限定的な一例として、トレオニン(T)残基が14位に存在する場合、及び14位の上記トレオニン残基が意図される宿主生物(例えばピキア・パストリスの株)においてリン酸化の影響を受けやすい場合、このようなリン酸化を、例えばトレオニンを上記宿主生物においてほとんど又は(本質的に)全くリン酸化の影響を受けないアミノ酸残基で置き換えることによって阻止又は低減することが可能であるか、又は望ましい場合がある。例えば、限定されるものではないが、宿主生物がピキア・パストリスの株である場合、14位のトレオニン(T)をアラニン(A)残基、アスパラギン(N)残基又はアスパラギン酸(D)残基で置き換えることができる。14位のトレオニンがそのように置き換えられた本発明のアミノ酸配列の幾つかの好ましいが非限定的な例は、89D03V1(配列番号103;14Tから14Aへの突然変異を含有する)、89D03V2(配列番号104;14Tから14Nへの突然変異を含有する)及び89D03V3(配列番号105;14Tから14Aへの突然変異、更に8Dから8Tへの突然変異を含有する)である。
代替的には、このようなリン酸化を、このようなアミノ酸配列/ペプチド(又はこれを含む化合物)を上記トレオニン残基がリン酸化されていない(又はより少ない程度にリン酸化された)別の宿主生物又はピキア属の株において発現させることによって阻止又は低減することが可能であり得る。リン酸化の影響をより受けにくい本発明のアミノ酸配列の幾つかの好ましいが非限定的な例は、配列番号103〜配列番号108に与えられる。
他の本発明のアミノ酸配列は、本明細書中及び/又は特許文献1に更に記載のように好適なアミノ酸の置換、挿入及び/又は欠失(又はそれらの組合せ)を導入することにより提供され得る。この場合も、これらは保存的アミノ酸置換(本明細書中で規定する)又は非保存的アミノ酸置換であってもよい(好適な保存的アミノ酸置換は概して、ヒト血清アルブミンとの有利な結合を確実に保持又は更に改善させる傾向にあることは当業者によって理解される)。
本明細書中の開示から、本発明のアミノ酸配列は好ましくは、3位から及び更に下流に、配列番号1の配列と比較して、4位、6位、7位、8位、9位、10位、12位、13位、14位若しくは17位にアミノ酸の置換若しくは欠失を(好ましくは挿入も)含有しないか、又は配列番号1の配列と比較して限定数(即ち3個、2個又は好ましくは1個だけ)のアミノ酸の置換若しくは欠失しか含有しない(これらは好ましくは本明細書で規定のような保存的置換である)ことが明らかである。この理由は、特許文献1の実施例4に記載のアラニンスキャニング実験から、本発明の範囲からは排除されないが、アミノ酸の置換又は欠失の導入がヒト血清アルブミンとの結合を低減する危険性の増大を伴い得ることが明らかになっているためである。
別の好ましいが非限定的な態様において、本発明のアミノ酸配列は好ましくは、3位から及び更に下流に、少なくとも1つのプロリン残基、例えば1つ、2つ、3つ又は4つのプロリン残基を含有する。特に、本発明のアミノ酸配列は、1位、2位、3位、5位、11位、15位、16位又は18位(特に3位、5位、15位、16位及び/又は18位)の1つ又は複数(例えば任意の1つ、2つ、3つ又は4つ)にプロリン残基を含有し得る。プロリン残基をこれらの位置に隣接して又はこれらの位置の近くに挿入してもよい。
好ましいが非限定的な一態様によれば、本発明のアミノ酸配列は、3位から及び更に下流に、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、以下のアミノ酸置換の1つ又は複数(例えばいずれか2つ、いずれか3つ、いずれか4つ又は5つ全て)を含み得る:
配列番号1の3位のセリン残基(S)がアルギニン(R)、プロリン(P)、芳香族アミノ酸残基(F、Y、W又はH、特にF、Y又はW)又は疎水性アミノ酸残基(L、I、V又はM)から選ばれるアミノ酸残基によって置き換わっており、及び/又は
配列番号1の5位のセリン残基(S)がアルギニン(R)、プロリン(P)又は芳香族アミノ酸残基(F、Y、W又はH、特にF、Y又はW)から選ばれるアミノ酸残基によって置き換わっており、及び/又は
配列番号1の15位のアスパラギン酸残基(D)がプロリン(P)又は小アミノ酸残基(A、G、S又はT)から選ばれるアミノ酸残基によって置き換わっており、及び/又は
配列番号1の16位のフェニルアラニン残基(F)がプロリン(P)、疎水性アミノ酸残基(L、I、V又はM)又は小アミノ酸残基(A、G、S又はT)によって置き換わっており、及び/又は
配列番号1の18位のプロリン残基(P)が維持されているか、又は(部分的に)負に荷電したアミノ酸残基(D、E、Q又はN)若しくは小アミノ酸残基(A、G、S又はT)によって置き換わっており、並びに
任意で1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換(本明細書中で更に記載される)。
本発明のアミノ酸配列の特に好ましいサブクラスでは、配列番号1の3位のセリン残基(S)と比較して、3位のセリン残基(S)がアルギニン(R)によって置き換わっている。これらのアミノ酸配列は、本明細書中で記載のように、1つ又は複数の更なるアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換を含み得る。
特に、3位にRを有する本発明のアミノ酸配列の3位から及び更に下流では、
配列番号1の5位のセリン残基(S)がプロリン(P)又は芳香族アミノ酸残基(F、Y、W又はH、特にF、Y又はW)から選ばれるアミノ酸残基によって置き換わっており、及び/又は
配列番号1の15位のアスパラギン酸残基(D)がプロリン(P)又は小アミノ酸残基(A、G、S又はT)から選ばれるアミノ酸残基によって置き換わっており、及び/又は
配列番号1の16位のフェニルアラニン残基(F)がプロリン(P)、疎水性アミノ酸残基(L、I、V又はM)又は小アミノ酸残基(A、G、S又はT)によって置き換わっており、及び/又は
配列番号1の18位のプロリン残基(P)が維持されているか、又は(部分的に)負に荷電したアミノ酸残基(D、E、Q又はN)若しくは小アミノ酸残基(A、G、S又はT)によって置き換わっており、並びに
任意で1つ又は複数の更なる好適なアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換(本明細書中で更に記載される)が含まれる。
本発明のアミノ酸配列内の好ましいアミノ酸配列の幾つかは、配列番号54〜配列番号77のアミノ酸配列、又は配列番号2〜配列番号115及び/若しくは配列番号54〜配列番号77のアミノ酸配列の1つとの、3個以下、例えば3個、2個若しくは1個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列である(ここで上記アミノ酸差異は好ましくは本発明のアミノ酸配列に関して概して本明細書中で記載のようなものである)。
本発明のアミノ酸配列内のより好ましいアミノ酸配列の幾つかは、30nMより良好な、好ましくは20nMと等しいか、若しくはそれより良好な親和性でヒト血清アルブミンと(それ自体が及び/又は2D3との融合体として)結合する表IIのアミノ酸配列、又はこれらのアミノ酸配列の1つとの、3個以下、例えば3個、2個若しくは1個のアミノ酸差異を有し(ここで、上記アミノ酸差異は好ましくは、概して本明細書中及び/又は特許文献1に記載されるようなものである)、この場合も30nMより良好な、好ましくは20nMと等しいか、若しくはそれより良好な親和性でヒト血清アルブミンと(それ自体が及び/又は2D3との融合体として)結合するアミノ酸配列である。
この場合も、上記の本発明のアミノ酸配列は、好ましくは(ビアコアを用いて求められるように)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチド、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
本発明のアミノ酸配列は、アミノ酸配列がC末端、N末端又はその両方で(例えば10アミノ酸残基以下、好ましくは5アミノ酸残基以下の)小隣接配列と連結するペプチドの形態で提供及び/又は使用することもできる。これらは例えば、本発明のアミノ酸配列(又は上記アミノ酸配列が存在する本発明の化合物)が対応するヌクレオチド配列の発現により得られているために存在し得る(ここで本発明のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列は、制限部位をコードする又はクローニング部位の一部を形成する(発現ペプチドにおいて隣接配列(複数も可)の存在をもたらす)小ヌクレオチド配列が前に(即ち5’末端側に)及び/又は後に(即ち3’末端側に)ある)。このような隣接配列の例はアミノ酸配列GSA及びAAAである。
本明細書中に記載のアミノ酸配列は、「非拘束(non-constrained)」型(即ち、ジスルフィド架橋を全く含まない)で血清アルブミンと結合することができ、またこのような非拘束型で有利に使用することができる。しかしながら本明細書中で記載のアミノ酸配列が「拘束(constrained)」型、例えば本発明のアミノ酸配列が間にジスルフィド架橋を形成することができる2つの隣接配列と隣接するペプチドの形態で与えられる、かつ/又は使用されることが本発明の範囲内に含まれる(それらの更なる説明に関しては、国際出願PCT/EP2007/063348号を参照する)。
本発明のアミノ酸配列は好ましくは、血清アルブミン分子の半減期が(有意に)低減しないように、血清アルブミン(特にヒト血清アルブミン)と結合するようなものである。
好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメイン;特に、ヒト血清アルブミン又はその少なくとも1つの部分、断片、エピトープ若しくはドメインと結合する。本発明のアミノ酸配列が(ヒト)血清アルブミンと結合する場合、(ヒト)血清アルブミンとFcRnとの結合に関与しない血清アルブミン上のアミノ酸残基と結合可能であること;及び/又は(ヒト)血清アルブミンのドメインIIIの部分を形成しない血清アルブミン上のアミノ酸残基と結合可能であることが好ましい。国際公開第06/0122787号を参照する。
概して本発明のアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列より良好にヒト血清アルブミンと結合するようなものである。好ましくは本発明のアミノ酸配列は、配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77のアミノ酸配列(特許文献1から選ばれる参照化合物である)のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てと等しく良好に又はより良好にヒト血清アルブミンと結合するようなものである。言及されるように、本明細書中に記載の「結合」は、特に、特許文献1の実施例3若しくは実施例9に記載の溶液結合競合アッセイを使用して、又は特許文献1の実施例7若しくは実施例10に記載のように、ナノボディ2D3との融合体としてアミノ酸配列が発現される場合、これらの実施例又は本明細書の実施例2に記載のビアコアアッセイで求めることができる。
好ましくは、本発明のアミノ酸配列は全体サイズが12アミノ酸残基〜35アミノ酸残基、例えば15アミノ酸残基〜32アミノ酸残基、例えば15アミノ酸残基〜27アミノ酸残基、特に17アミノ酸残基、18アミノ酸残基、19アミノ酸残基、20アミノ酸残基、21アミノ酸残基、22アミノ酸残基、23アミノ酸残基、24アミノ酸残基又は25アミノ酸残基)である。
また好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、治療部、化合物、タンパク質又は他の治療実体と連結又は融合した場合、このようにして得られた本発明の化合物(本明細書中で規定する)が、上記治療部、化合物、タンパク質又は他の治療実体が配列番号1のアミノ酸配列と連結又は融合した対応する化合物又は構築物より、好ましくは配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77の1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して長い半減期(本明細書中で規定する)を有するようなものである。特に特許文献1の実施例6又は実施例10(以下の実施例2も参照されたい)に記載の方法で本発明のアミノ酸配列をナノボディ2D3と融合させ、その後特許文献1の実施例7又は実施例13(以下の実施例2も参照されたい)に記載のように薬物動態プロファイルを求めることにより、これを求めることができる。
特に、好ましい一態様において、本発明のアミノ酸配列は、治療部、化合物、タンパク質又は他の治療実体と連結又は融合した場合、このようにして得られた本発明の化合物(本明細書中で規定する)が、上記治療部、化合物、タンパク質又は他の治療実体が配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列(特許文献1から選ばれる参照化合物である)のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てと連結又は融合した対応する化合物若しくは構築物と同程度の、又は対応する化合物若しくは構築物より長い半減期(本明細書中で規定する)を有するようなものである。
本発明のアミノ酸配列は、ヒト以外の哺乳動物の少なくとも1種由来の血清アルブミンと交差反応性(本明細書中で規定する)である、特にカニクイザル由来の血清アルブミンと交差反応性であるのも好ましい。
概して本発明のアミノ酸配列は、配列番号1のペプチド及び/若しくは配列番号75、配列番号76若しくは配列番号77のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てと競合するようなもの、並びに/又は配列番号1のペプチド及び/若しくは配列番号75、配列番号76若しくは配列番号77のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てとヒト血清アルブミンとの結合を(本明細書中で規定するように)交差遮断するようなものであるのも好ましい。
本発明のアミノ酸配列(特にその配列の3位から及び更に下流の部分(複数も可))は、ヒト血清アルブミンの以下のアミノ酸残基(実施例8で示されるようにナンバリングする):Asn(N)133、Pro(P)134、Asn(N)135、Leu(L)136、Leu(L)139、Arg(R)141、Tyr(Y)162、Glu(E)165、Ile(I)166、His(H)170、Phe(F)173、Phe(F)181、Gly(G)213、Lys(K)214、Ser(S)217、Gln(Q)483及び/又はLys(K)543の1つ又は複数と結合することができるようなもの、並びに/又は1つ又は複数のこれらのアミノ酸残基との結合に関して、配列番号1のアミノ酸配列及び/若しくは配列番号75、配列番号76若しくは配列番号77のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てと競合し得るようなもの、並びに/又は1つ又は複数のこれらのアミノ酸残基と、配列番号1のアミノ酸配列との結合及び/若しくは配列番号75、配列番号76若しくは配列番号77のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てとの結合を交差遮断することができるようなものであるのが好ましい。
より具体的には本発明のアミノ酸配列(特にその配列の3位から及び更に下流の部分(複数も可))は、(i)残基Asn(N)133、Pro(P)134、Asn(N)135、Leu(L)136、Leu(L)139及びArg(R)141を含むアミノ酸残基のストレッチ並びに/若しくは(ii)残基Tyr(Y)162、Glu(E)165、Ile(I)166、His(H)170、Phe(F)173、Phe(F)181を含むアミノ酸残基のストレッチ並びに/若しくは(iii)残基Gly(G)213、Lys(K)214及びSer(S)217を含むアミノ酸残基のストレッチのいずれかを含むヒト血清アルブミン上のエピトープと結合することができるようなもの、並びに/又はアミノ酸残基のこれらのストレッチの1つとの結合に関して、配列番号1のアミノ酸配列及び/若しくは配列番号75、配列番号76若しくは配列番号77のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てのアミノ酸配列と競合し得るようなもの、並びに/又はアミノ酸残基のこれらのストレッチの1つ又は複数と、配列番号1のアミノ酸配列との結合及び/若しくは配列番号75、配列番号76若しくは配列番号77のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てとの結合を交差遮断することができるようなものであるのが好ましい。
更により具体的には、本発明のアミノ酸配列は、(数ある残基の中でも)残基Leu(L)139、Glu(E)165、Ile(I)166、His(H)170、Phe(F)173、Phe(F)181、Gly(G)213、Lys(K)214、Ser(S)217及びGln(Q)483を含むヒト血清アルブミン上で疎水性サブポケットと結合することができるようなもの、及び/又はこのサブポケットとの結合に関して、配列番号1のアミノ酸配列及び/又は配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てと競合し得るようなもの、及び/又はこのサブポケットと、配列番号1のアミノ酸配列との結合及び/又は配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てとの結合を交差遮断することができるようなものであるのが好ましい。
また、本発明のアミノ酸配列(特に、その配列の3位より上流の部分(複数も可))は好ましくは更に、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基(実施例8で示されるようにナンバリングされる):D131、N133、N135、V442、S443、P445、T446、E449、L484、L487、H488、K490、T491、V493及び/又はI547の1つ又は複数、特にアミノ酸V442、S443、T446、E449、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493を含むヒト血清アルブミン上の疎水性サブポケット(を形成するアミノ酸配列の1つ又は複数)と結合することができるようなもの、及び/又はこれらのアミノ酸残基の1つ又は複数との結合に関して、表IIに言及されるアミノ酸配列の少なくとも1つ(特に配列番号56、配列番号59、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72及び/又は配列番号74の配列の少なくとも1つ)と競合し得るようなもの、及び/又は表IIに言及されるアミノ酸配列の少なくとも1つ(特に配列番号56、配列番号59、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72及び/又は配列番号74の配列の少なくとも1つ)と、ヒト血清アルブミン上のこれらのアミノ酸残基の1つ又は複数との結合を交差遮断することができるようなものであるのが好ましい。
したがって、本発明は、ヒト血清アルブミンと結合することができ、ヒト血清アルブミンとの結合についての競合に関して及び/又はヒト血清アルブミンとの結合の交差遮断に関して先の段落に記載されるようなものであるアミノ酸配列にも関する。この場合も、このようなアミノ酸配列は本明細書中に更に記載されるようなものであり得る。
特定の一態様において、本発明は国際出願PCT/EP2007/063348号の図4又は図8に言及されるアミノ酸配列を含まない。
本発明のアミノ酸配列(又は本明細書中で更に記載のように、このようなアミノ酸配列を少なくとも1つ含む本発明の化合物)は、
10−5モル/L〜10−12モル/L以下、及び好ましくは10−7モル/L〜10−12モル/L以下、及びより好ましくは10−8モル/L〜10−12モル/Lの範囲の解離定数(K)で(即ち10L/モル〜1012L/モル以上、及び好ましくは10L/モル〜1012L/モル以上、及びより好ましくは10L/モル〜1012L/モルの範囲の結合定数(K)で)、上記解離定数が、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)がヒト血清アルブミンと結合する解離定数よりも良好である(即ち小さくなる/低くなる)ように、及び/又は
10−1−1〜約10−1−1、好ましくは10−1−1〜10−1−1、より好ましくは10−1−1〜10−1−1(10−1−1〜10−1−1等)の範囲のkon速度で、上記kon速度が、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)がヒト血清アルブミンと結合するkon速度よりも良好である(即ち高くなる)ように、及び/又は
1s−1(t1/2=0.69s)〜10−6−1(t1/2が数日である略不可逆的な複合体の場合)、好ましくは10−2−1〜10−6−1、より好ましくは10−3−1〜10−4−1(10−4−1〜10−6−1等)の範囲のkoff速度で、上記koff速度がアミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)がヒト血清アルブミンと結合するkoff速度よりも良好である(即ち高くなる)ように、
血清アルブミン、特にヒト血清アルブミンと結合することができるようなものであるのが好ましい。
好ましくは、本発明のアミノ酸配列(又は本明細書中に更に記載されるように、このようなアミノ酸配列を1つ含む本発明の化合物)は、1000nM未満、好ましくは500nM未満、好ましくは200nM未満、好ましくは50nMより良好な、特に30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(この場合も特許文献1の実施例3若しくは実施例9に記載の溶液結合競合アッセイを用いて、又はアミノ酸配列が特許文献1の実施例7若しくは実施例10に記載されるようなナノボディ2D3との融合体として発現される場合、これらの実施例若しくは本明細書中の実施例2に記載のビアコアアッセイにおいて求められる)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
本発明のアミノ酸配列(及び本明細書中に規定のように、これを含む本発明の化合物)は、アミノ酸配列(又は化合物)がヒトにおいてヒト血清アルブミンと結合する、又はそうでなくとも会合する場合、その血清半減期がヒトにおけるヒト血清アルブミンの天然半減期の少なくとも約50%(例えば約50%〜70%)、好ましくは少なくとも60%(例えば約60%〜80%)、又は好ましくは少なくとも70%(例えば約70%〜90%)、より好ましくは少なくとも80%(例えば約80%〜90%)、又は好ましくは少なくとも約90%であるように、ヒト血清アルブミンと結合する、又はそうでなくとも会合するようなものであるのが好ましい。
本発明のアミノ酸配列は、(Ablynx N.V.の国際出願PCT/EP2007/060850号に記載のように)条件付きで、即ち
a)解離定数(K)が10−5モル/L以下の第1の生物学的条件下でヒト血清アルブミン分子と結合するように、及び
b)解離定数(K)が、上記アミノ酸配列が上記第1の生物学的条件下で上記所望の分子と結合する解離定数と少なくとも10倍異なる(特に該解離定数より10倍大きい)第2の生物学的条件下でヒト血清アルブミンと結合するように、
血清アルブミン(例えばヒト血清アルブミン)と結合してもよく、ここで第1の生物学的条件及び第2の生物学的条件はAblynx N.V.の国際出願PCT/EP2007/060850号に記載のようなものであり得る。特に、国際出願PCT/EP2007/060850号に記載のように、第1の生物学的条件及び第2の生物学的条件はpHに関して異なっていてもよく、上記第1の生物学的条件が7.0を超える生理学的pH、例えば7.1を超えるpH又は7.2を超えるpH、例えば7.2〜7.4の範囲のpHを含み、第2の生物学的条件が7.0未満の生理学的pH、例えば6.7未満のpH又は6.5未満のpH、例えば6.5〜6.0の範囲のpHを含み得る(又は逆もまた同様)。
しかしながら好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、「本質的にpHに非依存的である」ように(AblynxN.V.の国際出願PCT/EP2007/060849号に記載のように、及び本明細書中で更に規定のように)血清アルブミン(例えばヒト血清アルブミン)と結合し得る。
非限定的な一態様において、本発明のアミノ酸配列は、好ましくは少なくとも1つの他の哺乳動物種、例えば、マウス、ウサギ、ラット、又は霊長類由来の血清アルブミンとの交差反応性である(本明細書中で規定する)。特に、本発明のアミノ酸配列は、マカク属のサル(例えば、特に、カニクイザル(マカク・ファシクラリス(Macaca fascicularis))及び/又はアカゲザル(マカク・ムラタ(Macacamulatta)))及びヒヒ(パピオ・ウルジヌス(Papio ursinus))からなる群から選ばれる霊長類由来の血清アルブミン、好ましくは少なくともカニクイザル血清アルブミンと交差反応性があり得る。また、本発明のアミノ酸配列が、このような霊長類の種由来の血清アルブミンとの交差反応性である場合、好ましくは、上記霊長類の血清アルブミン分子と結合又は会合した場合、その血清半減期が上記霊長類の上記血清アルブミンの天然の半減期の少なくとも約50%(例えば、約50%〜70%)、好ましくは少なくとも約60%(例えば、約60%〜80%)、又は好ましくは少なくとも約70%(例えば、約70%〜90%)、より好ましくは少なくとも約80%(例えば、約80%〜90%)、又は好ましくは少なくとも約90%であるようなものである。
本発明は、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列及び少なくとも1つの治療部を含む化合物又は構築物(本明細書で「本発明の化合物」とも称される)にも関する。これらの化合物又は構築物は本明細書中に更に記載のようなものであってもよく、例えば任意で1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して、少なくとも1つの治療部と連結する少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的になる、ポリペプチド又はタンパク質構築物であってもよい。このようなポリペプチド又はタンパク質構築物は例えば(これに限定されないが)、本明細書中で更に記載のように融合タンパク質であってもよい。
このような本発明の化合物は、(本明細書で記載のように)任意で1つ又は複数の好適なリンカーを介して少なくとも1つの治療部と(任意で互いと)好適に連結して、本発明のアミノ酸配列を1つ、2つ、3つ又はそれ以上含有してもよい。また、本発明の化合物が本発明のアミノ酸配列を2つ、3つ又はそれ以上含む場合、これらは同じであっても又は異なっていてもよい。
特定の一態様において、このような本発明の化合物は、(本明細書で記載のように)任意で1つ又は複数の好適なリンカーを介して少なくとも1つの治療部と好適に連結して、本発明のアミノ酸配列を1つ含んでいてもよい。例えばこのような場合、治療部が(得られる本発明の化合物が融合タンパク質であるように)タンパク質又はポリペプチドである場合、本発明のアミノ酸配列は、(同様に任意で好適なリンカーを介して)治療部のC末端又は治療部のN末端のいずれかと連結してもよい。
別の特定の態様において、このような本発明の化合物は、(本明細書で記載のように)任意で1つ又は複数の好適なリンカーを介して少なくとも1つの治療部と(任意で互いと)好適に連結して、本発明のアミノ酸配列を2つ含んでいてもよい。
より具体的に、このような本発明の化合物は、同様に任意で好適なリンカーを介してそれぞれ少なくとも1つの治療部と(即ち治療部の異なる結合部位で)好適に連結して、本発明のアミノ酸配列を2つ含んでいてもよい。例えばこのような場合、治療部が(得られる本発明の化合物が融合タンパク質であるように)タンパク質又はポリペプチドである場合、例えば本発明のアミノ酸配列の1つは、(同様に任意で好適なリンカーを介して)治療部のC末端と連結してもよく、本発明のアミノ酸配列の1つは、例えば(同様に任意で好適なリンカーを介して)治療部のN末端と連結してもよい。
代替的にこのような本発明の化合物は、「タンデムリピート」を形成するように、(同様に任意で好適なリンカーを介して)互いに連結して、本発明のアミノ酸配列を2つ(又はそれ以上)含んでいてもよく、それからタンデムリピートは(同様に任意で好適なリンカーを介して)少なくとも1つの治療部と好適に連結し得る。例えばこのような場合、治療部が(得られる本発明の化合物が融合タンパク質であるように)タンパク質又はポリペプチドである場合、2つ以上の本発明のアミノ酸配列のタンデムリピートは、(同様に任意で好適なリンカーを介して)治療部のC末端又は治療部のN末端のいずれかと連結してもよい。
2つ以上の本発明のアミノ酸配列と1つ又は複数の治療部との他の好適な組合せ(同様に任意で好適なリンカーを介して連結されている)は、本明細書中の開示に基づき当業者にとって明らかである。
別の態様において、本発明の化合物は、2つ以上(例えば2つ、3つ又は4つ)の治療部(同じであっても又は異なっていてもよい)、及び1つ又は複数の(例えば2つ、3つ、4つ又はそれ以上の)本発明のアミノ酸配列(同じであっても又は異なっていてもよい)を含み、2つ以上(例えば2つ、3つ又は4つ)の治療部及び/又は1つ又は複数の(例えば2つ、3つ、4つ又はそれ以上の)本発明のアミノ酸配列は、本発明の化合物を形成するように、(同様に任意で1つ又は複数の好適なリンカーを介して)互いに好適に連結し得る。例えばこのような本発明の化合物において、2つ以上の治療部が(同様に任意で1つ又は複数の好適なリンカーを介して)互いに好適に連結してもよく、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列(及び/又は本明細書中に記載のように、2つ以上の本発明のアミノ酸配列の1つ又は複数のタンデムリピート)が(同様に任意で1つ又は複数の好適なリンカーを介して)治療部のいずれか(又は全て)と連結してもよい。
また更なる一態様において、2つ以上の治療部を互いに連結させるのに使用される、1つ又は複数のリンカーは本発明のアミノ酸配列を1つ又は複数含んでいてもよく、本発明のアミノ酸配列を1つ又は複数含むこのようなリンカー(任意に本発明のアミノ酸配列を互いに及び/又は1つ又は複数の治療部と連結させるために、更なる連結アミノ酸配列を1つ又は複数含む)は本発明の更なる一態様を形成する。
例えば、本発明の化合物が2つの治療部(同じであっても又は異なっていてもよい)を含む場合、上記の本発明の化合物の可能であるが非限定的な立体配置の例の幾つかは以下の通りである:
[TM]−[L]−[AA]−[L]−[TM]
[AA]−[L]−[TM]−[L]−[TM]
[TM]−[L]−[TM]−[L]−[AA]
[TM]−[L]−[AA]−[L]−[AA]−[TM]
[AA]−[L]−[TM]−[L]−[TM]−[L]−[AA]
[AA]−[L]−[AA]−[TM]−[L]−[TM]
[TM]−[L]−[TM]−[L]−[AA]−[AA]
[AA]−[L]−[TM]−[L]−[AA]−[L]−[TM]−[L]−[AA]
[AA]−[L]−[TM]−[L]−[AA]−[L]−[AA]−[L]−[TM]−[L]−[AA]
ここで「[TM]」は治療部を表し、「[L]」はリンカー(それぞれの場合で任意である)を表し、「[AA]」は本発明のアミノ酸配列を表す。他の好適な立体配置は本明細書中の開示に基づき当業者にとって明らかである。同様にこれらの構築物では、2つ以上のリンカー及び/又は本発明のアミノ酸配列が存在する場合、これらは同じであっても異なっていてもよい。同様に治療部及びリンカーがタンパク質又は(ポリペプチド)である場合、上記の構築物は融合タンパク質又は融合構築物(例えば対応する核酸又はヌクレオチド配列の好適な発現により好適に得ることができる)であり得る。
別の態様において本発明は、本発明のアミノ酸配列を2つ以上(特に2つ又は3つ、好ましくは2つ)含むポリペプチド構築物であって、上記ポリペプチドに存在する2つ以上の本発明のアミノ酸配列は同じであっても、又は異なっていてもよく、2つ以上の本発明のアミノ酸配列は互いに直接連結していても、又は(本明細書中で更に記載のように)好適なリンカーを介して互いに連結していてもよい、ポリペプチド構築物に関する。このような本発明の「タンデムリピート」構築物はまた、単一の本発明のアミノ酸配列と同じように1つ又は複数の治療部と連結していてもよい。幾つかの場合、タンデムリピートの使用は、(単一の本発明のアミノ酸配列の使用と比較して)ヒト血清アルブミンに対する親和性の(更なる)改善、及び/又は(単一の本発明のアミノ酸配列を含む本発明の化合物と比較して)このようなタンデムリピートを含有する本発明の化合物に対する半減期の(更なる)改善を提供し得る。このようなタンデムリピート、及びこのようなタンデムリピートを含む本発明の化合物の使用の非限定的な例は実施例14で与えられる。また本明細書中で記載のように、このようなタンデムリピート構築物はリンカーとして使用してもよい。
このようなタンデムリピートは、2つ以上の好ましい本発明のアミノ酸配列(同じであっても又は異なっていてもよい)、特に(例えば)表IIで言及されるもの、及び特に30nM未満、好ましくは20nM未満で(それ自体が及び/又は2D3との融合体として)結合する表IIで言及されるもののような特に好ましい本発明のアミノ酸配列を含有するのが好ましい。本発明は、このようなタンデムリピートを含む化合物及び構築物(同様に融合タンパク質であり得る)、このような融合タンパク質のこのようなタンデムリピートをコードするヌクレオチド配列又は核酸、並びに(例えば半減期を延長するため、及び/又はリンカーとしての)このようなタンデムリピートの使用にも関する。
このように別の態様において本発明は、本発明のアミノ酸配列を2つ以上(特に2つ又は3つ、好ましくは2つ)含むポリペプチド構築物であって、上記ポリペプチドに存在する2つ以上の本発明のアミノ酸配列は同じであっても、又は異なっていてもよく、2つ以上の本発明のアミノ酸配列は互いに直接連結していても、又は(本明細書中で更に記載のように)好適なリンカーを介して互いに連結していてもよく、このポリペプチドに存在するアミノ酸配列がそれぞれ、
a)配列番号54〜配列番号74のアミノ酸配列のうちの1つであるか、又は
b)配列番号54〜配列番号74のアミノ酸配列のうちのの少なくとも1つとの、少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも85%又は少なくとも90%の配列同一性を有し、及び/又は
c)配列番号54〜配列番号74のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、6個以下、好ましくは5個以下、特に4個以下、例えば3個、2個又は1個のアミノ酸差異(本明細書中で規定する)を有し、好ましくは
d)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチド、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである、ポリペプチド構築物に関する。
この場合も、このようなタンデムリピートに存在するアミノ酸配列は本明細書に更に記載されるようなものであってもよく、タンデムリピートは本明細書中に記載のように1つ又は複数の治療部と連結していてもよい。
このため別の態様において本発明は、本発明のアミノ酸配列を2つ以上(特に2つ又は3つ、好ましくは2つ)含むポリペプチド構築物であって、上記ポリペプチドに存在する2つ以上の本発明のアミノ酸配列は同じであっても、又は異なっていてもよく、2つ以上の本発明のアミノ酸配列は互いに直接連結していても、又は(本明細書中で更に記載のように)好適なリンカーを介して互いに連結していてもよく、このポリペプチドに存在するアミノ酸配列がそれぞれ、
a)配列番号56、配列番号59、配列番号64、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、又は配列番号74のアミノ酸配列の1つであるか、好ましくは、配列番号56、配列番号59、配列番号68、配列番号70、配列番号72又は配列番号74のアミノ酸配列の1つであるか、又は
b)配列番号56、配列番号59、配列番号64、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、又は配列番号74のアミノ酸配列の少なくとも1つ、好ましくは、配列番号56、配列番号59、配列番号68、配列番号70、配列番号72又は配列番号74のアミノ酸配列の1つとの、少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも85%又は少なくとも90%の配列同一性を有し、及び/又は
c)配列番号56、配列番号59、配列番号64、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、又は配列番号74のアミノ酸配列の少なくとも1つ、好ましくは、配列番号56、配列番号59、配列番号68、配列番号70、配列番号72又は配列番号74のアミノ酸配列の1つとの、6個以下、好ましくは5個以下、特に4個以下、例えば3個、2個又は1個のアミノ酸差異(本明細書中で規定する)を有し、好ましくは
d)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチド、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである、ポリペプチド構築物に関する。
同様に、このようなタンデムリピートに存在するアミノ酸配列は本明細書に更に記載されるようなものであってもよく、タンデムリピートは本明細書中に記載のように1つ又は複数の治療部と連結していてもよい。
本発明の化合物に存在する少なくとも1つの治療部は好ましくは、アミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的になり、特に免疫グロブリン配列若しくはその抗原結合断片(例えば抗体若しくはその抗原結合断片)、例えば免疫グロブリン可変ドメイン若しくはその抗原結合断片(例えばVドメイン、Vドメイン、VHHドメイン若しくはその抗原結合断片);又はこれを含むタンパク質又はポリペプチド(例えばscFv構築物)を含むか、又はこれから本質的になり得る。このような構築物に関しては例えば、Holliger and Hudson, Nat Biotechnol. 2005 Sep; 23(9):1126-36による概説及びそこで言及された更なる従来技術を参照する。
具体的であるが非限定的な一態様によれば、治療部は(単一)ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(商標)、好ましくはナノボディ(国際公開第08/142164号及びAblynx N.V.による他の出願で述べられているように、VHH、ヒト化VHH又はラクダ化V、例えばラクダ化ヒトVであり得る)を含むか、又はこれから本質的になる。
1つ又は複数の治療部は、1つ又は複数の薬学的に関連のある標的に指向性を有する場合、それ自体が既知の任意の好適な標的に指向性を有し得る。例えば、治療部は、(単一)ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(商標)を含むか、又はこれから本質的になる場合、例えばdAb又はナノボディ(商標)、IGN−γ(例えば国際公開第04/041863号を参照されたい)、IgE(例えば国際公開第04/041867号を参照されたい)、EGFR(例えば国際公開第05/044858号、国際公開第07/066106号又は国際公開第07/080392号を参照されたい)、vWF(例えば国際公開第04/062551号又は国際公開第06/1222825号を参照されたい)、IGF−IR(例えば国際公開第07/042289号を参照されたい)、IL−6(例えば国際公開第07/110219号を参照されたい)、IL−6R(例えば国際公開第08/020079号を参照されたい)、GPCR(例えば国際公開第08/074839号を参照されたい)、ケモカイン(例えば国際公開第08/077945号を参照されたい)、VEGF又はその受容体(例えば国際公開第07/080392号、国際公開第08/101985号、国際公開第08/149147号、国際公開第08/149146号又は国際公開第08/149150号を参照されたい)、RANK−L(例えば国際公開第08/142164号を参照されたい)、IL−R1(例えば国際公開第06/059108号、国際公開第07/063311号、国際公開第07/063308号又は国際公開第08/149149号を参照されたい)、TNF−R1(例えば国際公開第06/038027号、国際公開第07/049017号、国際公開第08/149148号又は国際公開第08/149144号を参照されたい)、IL−4又はIL−13(例えば国際公開第07/085815号を参照されたい)、CD40L(例えば国際公開第06/030220号を参照されたい)であり得る。
治療部は、既知の治療的及び/又は薬理的作用を伴う他のタンパク質又はペプチド、例示的なものであり、これに限定されないが、GLP−1、インスリン、EPO、ヒト成長ホルモン(例えば、ソマトロピン)、インターフェロン、インターロイキン、及びがん療法に使用される(他の)サイトカイン及び/又はタンパク質薬物でもあり得る。
本発明の化合物において、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列は少なくとも1つの治療部と直接連結していても、又は1つ又は複数の好適なリンカー若しくはスペーサーを介して少なくとも1つの治療部と連結していてもよい。好適なリンカーは、例えば本明細書中の更なる開示に基づき、当業者にとって明らかである。幾つかの好ましいが非限定的なリンカーは、Ablynx N.V.の国際公開第08/020079号の127頁及び128頁で言及されるものであり、そこで言及される「gly−serリンカー」を含む。
1つ又は複数の治療部がアミノ酸配列である場合、リンカー又はスペーサーは好ましくは、得られる化合物又は構築物が(融合)タンパク質又は(融合)ポリペプチド(本明細書中で「本発明のポリペプチド」とも称される)から本質的になるように、アミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的になる。
更なる態様において、本発明は、本明細書中に更に記載されるような少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列を含む本発明の化合物(本明細書中で更に規定される)であって、100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)でヒト血清アルブミンと結合する、本発明の化合物に関する。
更なる態様において、本発明は、本明細書中に更に記載されるような少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列を含む本発明の化合物(本明細書中で更に規定される)であって、上記アミノ酸配列(複数も可)の代わりに配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77のアミノ酸配列の1つを含有する、対応する化合物より長い半減期(本明細書中で規定する)を有する、本発明の化合物に関する。更なる態様において、本発明は、少なくとも2つの本発明のアミノ酸配列を含む本発明の化合物に関する。別の態様において、本発明は、少なくとも2つの本発明のアミノ酸配列の少なくとも1つのタンデムリピート(本明細書中で規定する)を含む本発明の化合物に関する。好ましくは、上記本発明の化合物は、上記アミノ酸配列の代わりに配列番号75、配列番号76及び/又は配列番号77のアミノ酸配列の1つの同じ数のコピーを含有する、対応する化合物より長い半減期(本明細書中で規定する)を有する。
本発明の幾つかの他の態様は以下のペプチドに関する。この場合も、このようなペプチドは、その最も広範な意味で本明細書中で使用される「本発明のアミノ酸配列」という用語の意味に包含され、これらのペプチドは本発明のアミノ酸配列に関して本明細書中で更に記載されるようなものであるのが好ましい。また、この場合も、以下の態様によるペプチドは、(例えば、限定されるものではないが)表Iで挙げられる置換の1つ又は複数等といった、本明細書中で記載されるような1つ又は複数の置換を含有し得る。
したがって、本発明の態様を形成する幾つかの他の(非限定的な)ペプチドは、
14位のトレオニン(T)残基が別のアミノ酸残基(好ましくは限定されるものではないが、A、N又はD)によって置き換えられた、配列番号24〜配列番号27又は配列番号32〜配列番号43の配列モチーフの1つを含有する以下の態様(の1つ又は複数)によるペプチド、
8位のアスパラギン酸(D)がトレオニン(T)によって置き換えられた、配列番号15、配列番号17〜配列番号22又は配列番号23〜配列番号43の配列モチーフの1つを含有する以下の態様(の1つ又は複数)によるペプチド、
(i)14位のトレオニン(T)残基が別のアミノ酸残基(好ましくは限定されるものではないが、A、N又はD)によって置き換えられ、かつ(ii)8位のアスパラギン酸(D)がトレオニン(T)によって置き換えられた、配列番号24〜配列番号27又は配列番号32〜配列番号43の配列モチーフの1つを含有する以下の態様(の1つ又は複数)によるペプチドであり、この場合も、このようなペプチドは好ましくは本発明のアミノ酸配列に関して本明細書中に更に記載されるようなものである。特に、本明細書中に更に記載されるように、これらのペプチドは、配列番号15、配列番号17〜配列番号22又は配列番号23〜配列番号43の配列モチーフの1つの代わりにそれぞれ、配列番号131〜配列番号148の対応する配列モチーフの1つ(例えば、限定されるものではないが、配列番号15の配列モチーフの代わりに配列番号131の配列モチーフ、又は配列番号19の配列モチーフの代わりに配列番号134〜配列番号139の配列モチーフの1つ)をそれぞれ含有し得る。この場合も、これらのペプチドは、(例えば、限定されるものではないが)表Iで挙げられる置換の1つ又は複数等といった1つ又は複数の他の好適な置換を含有し得る。また、この場合も、これらのペプチドは、その最も広範な意味で本明細書中で使用される「本発明のアミノ酸配列」という用語の意味に包含される。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、Arg(R)残基と、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、ヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能な、かつ/又はヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能なArg(R)残基と、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、Trp(W)残基と、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、ヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能なTrp(W)残基と、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、Arg(R)残基と、Trp(W)残基と、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、Arg(R)残基と、ヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能な芳香族アミノ酸残基と、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、ヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能な、かつ/又はヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能なArg(R)残基と、ヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能なTrp(W)残基と、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、特に配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、アミノ酸配列RXWDXDVFGGG(配列番号23)(ここで、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、アミノ酸配列RXWDXDVFGGGT(配列番号24)(ここで、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、アミノ酸配列RXWDXDVFGGGTP(配列番号25)(ここで、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、アミノ酸配列RXWDXDVFGGGTPG(配列番号26)(ここで、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、アミノ酸配列RXWDXDVFGGGTPGG(配列番号27)(ここで、(N末端から見て)1番目のXで示されるアミノ酸残基はY、S又はDから選ばれ、2番目のXで示されるアミノ酸残基はY又はFから選ばれる)を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、RYWDYDVFGGG(配列番号28)、RDWDFDVFGGG(配列番号29)、RSWDFDVFGGG(配列番号30)又はRYWDFDVFGGG(配列番号31)から選ばれる、特にRDWDFDVFGGG(配列番号29)、RSWDFDVFGGG(配列番号30)又はRYWDFDVFGGG(配列番号31)から選ばれるアミノ酸配列を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、RYWDYDVFGGGT(配列番号32)、RDWDFDVFGGGT(配列番号33)、RSWDFDVFGGGT(配列番号34)又はRYWDFDVFGGGT(配列番号35)から選ばれる、特にRDWDFDVFGGGT(配列番号33)、RSWDFDVFGGGT(配列番号34)又はRYWDFDVFGGGT(配列番号35)から選ばれるアミノ酸配列を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、RYWDYDVFGGGTP(配列番号36)、RDWDFDVFGGGTP(配列番号37)、RSWDFDVFGGGTP(配列番号38)又はRYWDFDVFGGGTP(配列番号39)から選ばれる、特にRDWDFDVFGGGTP(配列番号37)、RSWDFDVFGGGTP(配列番号38)又はRYWDFDVFGGGTP(配列番号39)から選ばれるアミノ酸配列を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、RYWDYDVFGGGTPV(配列番号40)、RDWDFDVFGGGTPV(配列番号41)、RSWDFDVFGGGTPV(配列番号42)又はRYWDFDVFGGGTPV(配列番号43)から選ばれる、特にRDWDFDVFGGGTPV(配列番号41)、RSWDFDVFGGGTPV(配列番号42)又はRYWDFDVFGGGTPV(配列番号43)から選ばれるアミノ酸配列を含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、配列モチーフRXWD(ここで、XはW、Y、F、S又はDから選ばれる)と、配列モチーフFGGG(配列番号6)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、配列モチーフRXWD(ここで、Xは好ましくはW、Y、F、S又はDから選ばれる)と、配列モチーフDVFGGG(配列番号15)又はDAFGGG(配列番号192)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的であり、配列モチーフRXWD(ここで、Xは好ましくはW、Y、F、S又はDから選ばれる)と、配列モチーフDVFGGGT(配列番号19)、DVFGGGS(配列番号45)又は(or)DAFGGGT(配列番号46)とを含み、本明細書中に記載されるような3位(及び/又は上記R残基)の上流のアミノ酸残基のストレッチ(本明細書中に同様に記載されるような、このようなアミノ酸残基のストレッチの好ましい態様を含む)を含有するペプチドに関する。
この場合も、上記の本発明のアミノ酸配列は全て、好ましくは(ビアコアを用いて求められるように)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は(好ましくは)本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチドとの融合体、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
また、上記のペプチドが配列モチーフRXWDを含有すると言われる場合、(i)このモチーフ中のArg(R)残基は、ヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能である、かつ/若しくはヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能であるか、かつ/又は(ii)このモチーフ中のTrp(W)残基は、ヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能であり、好ましくは(i)及び(ii)の両方が適用される。
言及したように、これらのペプチドは全て、本発明のアミノ酸配列に関して本明細書中に更に記載されるようなものであり得る。
別の態様において、本発明は、
a)配列モチーフRXWD(ここで、Xは任意のアミノ酸であり得るが、最も好ましくはW、Y、F、S又はDから選ばれる)であって、(i)このモチーフ中のArg(R)残基は、ヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能である、かつ/若しくはヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能であるか、かつ/又は(ii)このモチーフ中のTrp(W)残基は、ヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能であり、好ましくは(i)及び(ii)の両方が適用される、配列モチーフRXWDを含み、
b)RXWDモチーフの上流に、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基を、上記疎水性アミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基の少なくとも1つが、以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のサブポケット(内)に結合することができるように含む、2アミノ酸残基〜10アミノ酸残基のアミノ酸残基のストレッチを含有する、ヒト血清アルブミンに(本明細書中で規定するように)特異的なペプチドに関する。
このペプチドは好ましくは、配列モチーフFGGG(配列番号6)、より好ましくは配列モチーフDVFGGG(配列番号15)、更により好ましくは配列モチーフDVGGGGT(配列番号19)を更に含有する。また、この場合も、3位の上流の上記アミノ酸残基のストレッチは本明細書中に更に記載されるようなものであり得るが、好ましくは本明細書中に記載される好ましい態様の1つによるものである。
この場合も、上記の本発明のアミノ酸配列は全て、好ましくは(ビアコアを用いて求められるように)100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定されるか、又は(好ましくは)本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチドとの融合体、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するようなものである。
別の態様において、本発明は、ヒト血清アルブミンとの結合に関して、配列番号1のペプチド、並びに/又はペプチド59F2(特許文献1:配列番号149/本明細書中では配列番号76)、59H12(特許文献1:配列番号155/本明細書中では配列番号77)及び/若しくは59C2(特許文献1:配列番号156/本明細書中では配列番号75)の1つ又は複数と競合する、かつ/又はヒト血清アルブミンと、配列番号1のペプチドとの結合、並びに/又はペプチド59F2(特許文献1:配列番号149)、59H12(特許文献1:配列番号155)及び/若しくは59C2の1つ又は複数との結合を(本明細書中で規定されるように)交差遮断し、100nMより良好な、好ましくは50nMより良好な、より好ましくは30nMより良好な、例えば20nMと等しいか、又はそれより良好な親和性(Kとして表される)(本発明のアミノ酸配列自体を用いて測定さるか、又は(好ましくは)本発明のアミノ酸配列と別のタンパク質又はペプチドとの融合体、例えばナノボディ(商標)(例えば本明細書中で一例として使用されるナノボディ2D3)との融合体として測定される)でヒト血清アルブミンと結合するペプチドに関する。
このようなペプチドは本明細書中に更に記載されるようなものであり得る。また、特に、上記のペプチドは、
以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基(実施例8で示されるようにナンバリングされる):Asn(N)133、Pro(P)134、Asn(N)135、Leu(L)136、Leu(L)139、Arg(R)141、Tyr(Y)162、Glu(E)165、Ile(I)166、His(H)170、Phe(F)173、Phe(F)181、Gly(G)213、Lys(K)214、Ser(S)217、Gln(Q)483及び/又はLys(K)543の1つ又は複数、より具体的には(i)残基Asn(N)133、Pro(P)134、Asn(N)135、Leu(L)136、Leu(L)139及びArg(R)141を含むアミノ酸残基のストレッチ、及び/又は(ii)残基Tyr(Y)162、Glu(E)165、Ile(I)166、His(H)170、Phe(F)173、Phe(F)181を含むアミノ酸残基のストレッチ、及び/又は(iii)残基Gly(G)213、Lys(K)214及びSer(S)217を含むアミノ酸残基のストレッチを含むヒト血清アルブミン上のエピトープ、更により具体的には(数ある残基の中でも)残基Leu(L)139、Glu(E)165、Ile(I)166、His(H)170、Phe(F)173、Phe(F)181、Gly(G)213、Lys(K)214、Ser(S)217及びGln(Q)483を含むヒト血清アルブミン上の疎水性サブポケット、及び/又は
以下のヒト血清アルブミンのアミノ酸残基:V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493の(少なくとも)1つ又は複数を含む(ヒト)血清アルブミン中のアミノ酸のストレッチ(サブポケット)との結合に関して表IIに記載のペプチドの少なくとも1つとそれぞれ競合し得る。
本発明は、本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列又は核酸(本明細書中で「本発明のヌクレオチド配列」又は「本発明の核酸」とも称される)にも関する。
本発明は、本発明のヌクレオチド配列若しくは核酸を含有する、かつ/又は本発明のアミノ酸配列若しくは本発明のポリペプチドを発現する(又は発現することが可能である)宿主又は宿主細胞にも関する。
本発明は本発明のアミノ酸配列及び化合物を調製する方法にも関し、該方法は本明細書中で更に記載されるようなものである。
本発明は、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列又は本発明の化合物、及び任意で1つ又は複数の更なる好適な成分又は構成要素を含む組成物に更に関する。特に本発明は、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列、本発明の化合物又は本発明の核酸、及び任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
本発明は、本発明の構築物及び化合物を調製する幾つかの他の方法であって、概して任意で1つ又は複数の好適なリンカー又はスペーサーを介して、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列と少なくとも1つの治療部とを連結させる工程を含む、幾つかの他の方法も包含する。これは例えば使用するリンカー(複数も可)に応じて(存在する場合)、それ自体が既知の任意の好適な方法で行ってもよく、例えば1つ又は複数の共有結合の形成による、当該技術分野でそれ自体が既知の化学結合に関する技法を含み得る。1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列及び1つ又は複数の治療部は本明細書中で更に記載されるようなものであってもよい。同様に、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列は本明細書中で記載のようにジスルフィド架橋を含むのが好ましい。
本発明は、上記の方法のいずれかにより得られる化合物又は構築物、また少なくとも1つのこのような化合物又は構築物、及び任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物にも関する。
本発明は本発明のアミノ酸配列の使用にも関する。概してこれらの使用は、結合単位、結合ドメイン、又は概して血清タンパク質、特に血清アルブミンと結合することができるアミノ酸配列に関してそれ自体が既知の任意の使用を含む。このような使用は当業者にとって明らかであり、治療部、治療実体又は薬物に対する半減期の増大だけでなく(又はそれに加えて)、血清アルブミンが身体、例えば炎症部位又は関節に存在するかつ/又は集積する場合、身体又は組織の一部へと治療部、治療実体又は薬物を指向させることも含む。
本発明は、ポリペプチド若しくはタンパク質構築物又は融合タンパク質の治療的使用、及びこのようなポリペプチド若しくはタンパク質構築物又は融合タンパク質を含む医薬組成物に更に関する。
本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 本明細書において言及される配列を示す図である。 実施例2Bにおいて得られたビアコア結果を示す図である。 幾つかの参照配列及び幾つかの本発明のアミノ酸配列のアラインメントを示す図である。
本明細書、実施例及び特許請求の範囲において:
a)特に本明細書で(例えば実施例8で)他に指示がなければ、本発明のアミノ酸配列におけるアミノ酸残基及び位置はAASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)における対応するアミノ酸残基及び位置に関してナンバリングされる。
b)特に本明細書で(例えば実施例8で)他に指示がなければ、アミノ酸置換はアミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)における対応する位置に存在するアミノ酸残基に関して言及する。例えばS3Rは、アミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)と比較して、3位のセリン残基Sのアルギニン(R)への置換を表す。
c)特に他に指示又は規定がなければ、使用される全ての用語は、当業者にとって明らかな、当該技術分野における通常の意味を有する。例えば「IL−6媒介性シグナル伝達に関与する疾患及び障害の治療のためのIL−6Rに指向性を有するアミノ酸配列及びこれを含むポリペプチド(Amino acid sequences directed against IL-6R and polypeptidescomprising the same for the treatment of diseases and disorders associated withIl-6 mediated signalling)」と題されたAblynx N.V.の国際公開第08/020079号の46頁の段落a)で言及される標準的なハンドブックを参照する。
d)特に他に指示がなければ、「免疫グロブリン配列」、「配列」、「ヌクレオチド配列」及び「核酸」という用語は国際公開第08/020079号の46頁の段落b)で説明されているようなものである。
e)特に他に指示がなければ、具体的に詳しく説明されていない全ての方法、工程、技法及び操作を実施することができ、当業者にとって明らかなそれ自体が既知の方法で実施する。例えば、標準的なハンドブック及び本明細書で言及される一般的な背景技術、並びにそこで言及される更なる参考文献並びに例えば以下の総説、Presta, Adv. Drug Deliv. Rev. 2006, 58 (5-6): 640-56、Levin and Weiss, Mol. Biosyst.2006,2(1): 49-57、Irving et al., J.Immunol. Methods, 2001, 248(1-2), 31-45、Schmitzet al., Placenta, 2000, 21 Suppl. A, S106-12、Gonzaleset al., Tumour Biol., 2005, 26(1), 31-43(これらは、親和性成熟等のタンパク質工学技法及び免疫グロブリン等のタンパク質の特異性及び他の所望の特性を改善する他の技法を説明している)を参照する。
f)アミノ酸残基は、表Aに言及されるように標準的な3文字アミノ酸コード又は1文字アミノ酸コードに従って示す。
表A:1文字アミノ酸コード及び3文字アミノ酸コード






Figure 2013518853
脚注:
(1)極性非荷電アミノ酸と見なされる場合もある。
(2)非極性非荷電アミノ酸と見なされる場合もある。
(3)当業者にとって明らかであるように、アミノ酸残基が、pH6.0〜7.0で荷電又は非荷電のいずれかであるとしてこの表で示されていることは、上記アミノ酸残基が6.0未満のpH及び/又は7.0より高いpHで有し得る電荷には全く反映されない。当業者にとって明らかであるように、この表で言及されたアミノ鎖残基はこのようなより高い若しくはより低いpHでも荷電及び/又は非荷電のいずれかであり得る。
(4)当該技術分野で既知のようにHis残基の電荷は、pHのほんのわずかな移行にも強く依存するが、一般的にHis残基は約6.5のpHで本質的に非荷電であると見なすことができる。
g)2つ以上のヌクレオチド配列を比較するために、国際公開第08/020079号(参照により本明細書中に援用される)の49ページの段落c)に記載のように、例えば[第2のヌクレオチド配列における対応する位置のヌクレオチドと同一な第1のヌクレオチド配列におけるヌクレオチドの数]を[第1のヌクレオチド配列におけるヌクレオチド総数]で除算し、[100%]で乗算することによって(ここで第1のヌクレオチド配列と比較される第2のヌクレオチド配列におけるヌクレオチドの欠失、挿入、置換又は付加のそれぞれは、単一ヌクレオチド(位置)での差異と考えられる)、又は同様に国際公開第08/020079号(参照により本明細書中に援用される)の49ページの段落c)に記載のような好適なコンピュータアルゴリズム若しくは技法を使用することによって、第1のヌクレオチド配列と第2のヌクレオチド配列との間の「配列同一性」のパーセントを算出又は決定することができる。
h)2つ以上のアミノ酸配列を比較するために、[第2のアミノ酸配列における対応する位置のアミノ酸残基と同一な第1のアミノ酸配列におけるアミノ酸残基の数]を[第1のアミノ酸配列におけるアミノ酸残基総数]で除算し、[100%]で乗算することによって(ここで第1のアミノ酸配列と比較される第2のアミノ酸配列におけるアミノ酸残基の欠失、挿入、置換又は付加のそれぞれは、単一アミノ酸残基(位置)での差異、即ち本明細書に規定の「アミノ酸差異」と考えられる)第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列との間の「配列同一性」(本明細書で「アミノ酸同一性」とも称される)のパーセントを算出することができる。
代替的に、同様に標準的な設定を用いて、既知のコンピュータアルゴリズム(例えばヌクレオチド配列に関する配列同一性の程度を決定するのに上記で言及されるもの)を使用して、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度を算出することができる。
通常、上述で概説された算出方法に従って、2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」のパーセントを決定するために、最も多くのアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を「第1の」アミノ酸配列とし、他のアミノ酸配列を「第2の」アミノ酸配列とする。
また、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度を決定する際、当業者は、いわゆる「保存的な」アミノ酸置換を考慮してもよく、これは一般的に、アミノ酸残基が同様の化学構造を有する別のアミノ酸残基に置き換わり、かつポリペプチドの機能、活性又は他の生物学的特性への影響がほとんど、又は本質的に全くないアミノ酸置換と説明することができる。このような保存的なアミノ酸置換は、例えば国際公開第04/037999号、英国特許出願公開第3357768号、国際公開第98/49185号、国際公開第00/46383号及び国際公開第01/09300号から当該技術分野において既知であり、このような置換の(好ましい)種類及び/又は組合せは、国際公開第04/037999号及び国際公開第98/49185号、並びにそこで言及される更なる参考文献の関連の教示に基づいて選択することができる。
このような保存的な置換は、好ましくは以下の(a)群〜(e)群内の或るアミノ酸が、同じ群内の別のアミノ酸残基に置換される置換である:(a)低分子の脂肪族で非極性又はわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr、Pro及びGly、(b)極性で負に荷電した残基及びこの(非荷電)アミド:Asp、Asn、Glu及びGln、(c)極性で正に荷電した残基:His、Arg及びLys、(d)巨大な脂肪族で非極性の残基:Met、Leu、Ile、Val及びCys、並びに(e)芳香族残基:Phe、Tyr及びTrp。
特に好ましい保存的置換は以下のようなものである:AlaをGlyに又はSerに、ArgをLysに、AsnをGlnに又はHisに、AspをGluに、CysをSerに、GlnをAsnに、GluをAspに、GlyをAlaに又はProに、HisをAsn又はGlnに、IleをLeuに又はValに、LeuをIleに又はValに、LysをArgに、Glnに又はGluに、MetをLeuに、Tyrに又はIleに、PheをMetに、Leuに又はTyrに、SerをThrに、ThrをSerに、TrpをTyrに、TyrをTrpに、及び/又はPheをValに、Ileに又はLeuに。
本明細書に記載のポリペプチドに適用される任意のアミノ酸置換はまた、Schulz etal., Principles of Protein Structure, Springer-Verlag,1978によって開発された異なる種の相同タンパク質間のアミノ酸変異頻度の解析、Chou and Fasman,Biochemistry 13: 211, 1974及びAdv.Enzymol., 47: 45-149,1978によって開発された構造形成能の解析、並びにEisenberget al., Proc. Natl. Acad Sci. USA 81: 140-144, 1984、Kyte& Doolittle; J Molec. Biol. 157: 105-132, 1981、及びGoldmanet al., Ann. Rev. Biophys. Chem. 15: 321-353, 1986によって開発されたタンパク質における疎水性パターンの解析に基づき得る(全てその全体が参照により本明細書に援用される)。ナノボディ(商標)の一次構造、二次構造、及び三次構造に関する情報は、本明細書中の記載及び上記で言及された一般的な背景技術で与えられる。またこのため、ラマ由来のVHHドメインの結晶構造は例えば、Desmyter et al., Nature Structural Biology, Vol. 3, 9, 803(1996)、Spinelli et al., Natural StructuralBiology(1996); 3, 752-757、及びDecanniere et al., Structure, Vol. 7, 4, 361(1999)によって与えられる。従来のVドメインにおいてこれらの位置でV/V界面及び潜在的なラクダ化置換を形成する幾つかのアミノ酸残基に関する更なる情報は、上記で言及された従来技術で見出すことができる。
i)アミノ酸配列及び核酸配列は、その全長にわたって(本明細書に規定のように)100%の配列同一性を有する場合、「全く同じ」であると言える。
j)2つのアミノ酸配列を比較するとき、「アミノ酸差異」という用語は、第2の配列と比較した第1の配列の或る位置での単一アミノ酸残基の挿入、欠失又は置換を表し、2つのアミノ酸配列は、1つ、2つ又はそれ以上のこのようなアミノ酸差異を含有し得ることが理解される。
k)ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列がそれぞれ、別のヌクレオチド配列若しくはアミノ酸配列「を含む」、又は別のヌクレオチド配列若しくはアミノ酸配列「から本質的になる」という場合、これは国際公開第08/020079号の51頁〜52頁の段落i)で与えられる意味を有する。
l)「本質的に単離形態で」という用語は国際公開第08/020079号の52頁〜53頁の段落j)で与えられる意味を有する。
m)「ドメイン」及び「結合ドメイン」という用語は国際公開第08/020079号の53頁の段落k)で与えられる意味を有する。
n)また本明細書中で区別なく使用することもできる「抗原決定基」及び「エピトープ」という用語は国際公開第08/020079号の53頁の段落l)で与えられる意味を有する。
o)国際公開第08/020079号の53頁の段落m)に更に記載のように、特定の抗原決定基、エピトープ、抗原又はタンパク質(又はその少なくとも1つの部分、断片若しくはエピトープ)と(特異的に)結合することができる、特定の抗原決定基、エピトープ、抗原又はタンパク質に対する親和性を有する、かつ/又は特定の抗原決定基、エピトープ、抗原又はタンパク質に対する特異性を有するアミノ酸配列(例えば本発明のナノボディ(商標)、抗体、ポリペプチド、又は概して抗原結合タンパク質若しくはポリペプチド、又はその断片)は、上記抗原決定基、エピトープ、抗原又はタンパク質「に対する」又は「に指向性を有する」("against" or "directed against")又は「に特異的な」と言われる。
p)「特異性」及び「に特異的な」という用語は国際公開第08/020079号の53頁〜56頁の段落n)で与えられる意味を有し、そこで言及されるように、特定の抗原結合分子又は抗原結合タンパク質(例えば本発明のナノボディ(商標)又はポリペプチド)分子が結合することができる、異なる種の抗原又は抗原決定基の数を表す。抗原結合タンパク質の特異性は、国際公開第08/020079号(参照により本明細書中で援用される)の53頁〜56頁で説明されているように親和性及び/又は結合活性に基づき求めることができ、この文献は抗原結合分子(例えば本発明のナノボディ(商標)又はポリペプチド)と関連抗原との間の結合を測定するのに好ましい技法も幾つか説明している。典型的には、抗原結合タンパク質(例えば本発明のアミノ酸配列及び/又は化合物)は、10−5モル/L〜10−12モル/L以下、及び好ましくは10−7モル/L〜10−12モル/L以下、及びより好ましくは10−8モル/L〜10−12モル/Lの解離定数(K)で(即ち10L/モル〜1012L/モル以上、及び好ましくは10L/モル〜1012L/モル以上、及びより好ましくは10L/モル〜1012L/モルの結合定数(K)で)これらの抗原と結合する。10−4モル/Lより大きい任意のK値(即ち10−1(L/モル)より小さい任意のK値)は一般的に非特異的な結合を示すと考えられる。好ましくは、本発明のアミノ酸配列又は化合物は、1000nM未満、好ましくは500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満(500pM未満等)の親和性で所望の血清タンパク質と結合する。抗原結合タンパク質と抗原又は抗原決定基との特異的な結合は、それ自体が既知の任意の好適な方法(例えばスキャッチャード解析及び/又は競合的結合アッセイ(例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)及びサンドイッチ競合アッセイ)を含む)及び当該技術分野でそれ自体が既知の様々なその変更方法、並びに本明細書で言及される他の技法で求めることができる。
当業者にとって明らかなように、及び国際公開第08/020079号の53頁〜56頁で説明されているように、解離定数は実際の解離定数であっても又は見掛けの解離定数であってもよい。解離定数を求める方法は当業者にとって明らかであり、例えば国際公開第08/020079号の53頁〜56頁で言及される技法が挙げられる。
q)本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドの半減期は概して、例えば自然機構による配列若しくは化合物の分解及び/又は配列若しくは化合物のクリアランス(clearance)若しくは捕捉(sequestration)のために、invivoでアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドの血清濃度が50%低減するのにかかる時間と定義することができる。本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドのinvivo半減期は、それ自体が既知の任意の方法(例えば薬物動態解析)で求めることができる。好適な技法は当業者にとって明らかであり、例えば概して、好適な用量の本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドを温血動物(即ち、ヒト又は別の好適な哺乳動物、例えばマウス、ウサギ、ラット、ブタ、イヌ又は霊長類、例えばマカク属のサル(例えば特にカニクイザル(マカク・ファシクラリス)及び/又はアカゲザル(マカク・ムラット))及びヒヒ(パピオ・ウルジヌス))に好適に投与する工程と、血液試料又は他の試料を上記動物から採取する工程と、上記血液試料中の本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドのレベル又は濃度を求める工程と、このようにして得られたデータ(のプロット)から本発明のアミノ酸配列、化合物又はポリペプチドのレベル又は濃度が投与時の最初のレベルに比べて50%低減するまでの時間を算出する工程とを伴い得る。例えば、以下の実験部、及びDennis et al., J. Biol. Chem 277:35035-42(2002)、標準的なハンドブック、例えばKenneth, A et al:Chemical Stability of Pharmaceuticals: A Handbookfor Pharmacists及びPeters et al, Pharmacokinete analysis:A Practical Approach(1996)を参照する。"Pharmacokinetics",M Gibaldi & D Perron, Marcel Dekker発行, 2nd Rev. edition(1982)も参照する。
また当業者にとって明らかなように(例えば国際公開第04/003019号の6頁及び7頁とそこに言及された更なる参考文献とを参照されたい)、半減期は、t1/2−α、t1/2−β及び曲線下面積(AUC)等のパラメータを利用して表すことができる。本明細書において、「半減期の増大」は、これらのパラメータのいずれか1つ、例えばこれらのパラメータのいずれか2つ、又は本質的に3つ全てのこれらのパラメータの増大を表す。本明細書で使用される「半減期の増大」又は「増大した半減期」は特にt1/2−βの増大を表し、t1/2−α及び/又はAUCのいずれか又は両方は増大しても又は増大しなくてもよい。
r)本発明との関連では、「調節("modulating" or"to modulate")」は一般的に、好適なin vitroアッセイ、細胞アッセイ又はin vivoアッセイを使用して測定するような標的又は抗原の活性の低減若しくは阻害のいずれか、又は代替的に活性の増大を意味する。特に「調節」は、好適なinvitroアッセイ、細胞アッセイ、又はin vivoアッセイ(通常関与する標的又は抗原によって変わる)を用いて測定するような、本発明の構築物が存在しない以外は同じ条件下での同じアッセイにおける標的又は抗原の活性に比べて、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、例えば少なくとも10%若しくは少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は90%以上標的又は抗原の活性を低減又は阻害すること、又は代替的に(関連又は対象の)生物学的活性を増大させることを意味し得る。
当業者にとって明らかなように、「調節」は、本発明の構築物が存在しない以外は同じ条件下に比べて、そのリガンド、結合パートナー、ホモ多量体形態若しくはヘテロ多量体形態で会合するパートナー若しくは基質の1つ又は複数に対する標的又は抗原の親和性、結合活性、特異性及び/若しくは選択性を変化させること(増大又は減少のいずれであってもよい)、並びに/又は標的若しくは抗原が存在する媒体又は環境における1つ又は複数の条件(pH、イオン強度、補因子の存在等)に対する標的若しくは抗原の感受性を変化させること(増大又は減少のいずれであってもよい)も伴い得る。当業者にとって明らかなように、関与する標的又は抗原に応じて、任意の好適な方法で、及び/又はそれ自体が既知の任意の好適なアッセイを用いて更にこれを求めてもよい。
「調節」は、標的又は抗原が関与する(又はその基質(複数も可)、リガンド(複数も可)若しくは経路(複数も可)が関与する、シグナル伝達経路若しくは代謝経路及び関連の生物学的作用若しくは生理学的作用のような)1つ又は複数の生物学的な若しくは生理学的な機構、作用、反応、機能、経路又は活性に関して変化させる(即ち標的又は抗原及び所望の生物学的作用若しくは生理学的作用に応じて、それぞれ、アゴニスト、アンタゴニスト、又は逆アゴニストとしての活性に影響を与える)ことも意味し得る。同様に、当業者にとって明らかなように、関与する標的又は抗原に応じて、任意の好適な方法で、及び/又はそれ自体が既知の任意の好適な(invitro及び通常は細胞又はアッセイ内(in assay))アッセイを使用して、アゴニスト又はアンタゴニストとしてのこのような作用を求めてもよい。特に、アゴニスト又はアンタゴニストとしての作用は、対象の生物学的活性又は生理学的活性をそれぞれ、本発明の構築物が存在しない以外は同じ条件下での同じアッセイにおける生物学的活性又は生理学的活性に比べて少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、例えば少なくとも10%若しくは少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は90%以上増大又は低減させるようなものであり得る。
調節は例えば、標的又は抗原のアロステリック調節、及び/又は標的若しくは抗原とその基質若しくはリガンドの1つとの結合の低減若しくは阻害、及び/又は標的若しくは抗原との結合に対する基質である天然リガンドとの競合も伴い得る。調節は、標的若しくは抗原、又はこれが関与する機構若しくは経路を活性化することも伴い得る。調節は例えば標的若しくは抗原のフォールディング若しくは立体構造(conformation)に関して、又は標的若しくは抗原がフォールディングする能力、(例えばリガンドの結合の際に)その立体構造を変更する能力、他の(サブ)ユニットと会合する能力、又は解離する能力に関して変化させることも伴い得る。調節は例えば、標的若しくは抗原が、他の化合物を移動させる能力、又は他の化合物(イオン等)に対するチャネルとして働く能力を変化させることも伴い得る。
調節は、可逆であっても又は不可逆であってもよいが、薬学的目的及び薬理学的目的では通常、可逆的である。
s)標的又は抗原に関して、標的又は抗原上の「相互作用部位」という用語は、リガンド、受容体若しくは他の結合パートナーとの結合に関する部位、触媒部位、切断部位、アロステリック相互作用に関する部位、標的又は抗原の多量体化(ホモ(二)量体化又はヘテロ(二)量体化等)に関与する部位である、標的又は抗原上のアミノ酸残基の部位、エピトープ、抗原決定基、部分、ドメイン若しくはストレッチ;又は標的若しくは抗原の生物学的作用又は機構に関与する標的又は抗原上のアミノ酸残基の任意の他の部位、エピトープ、抗原決定基、部分、ドメイン又はストレッチを意味する。より一般的には、「相互作用部位」は、本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドが、(本明細書中に規定のように)標的又は抗原(及び/又は標的若しくは抗原が関与する任意の経路、相互作用、シグナル伝達、生物学的機構若しくは生物学的作用)を調節するように結合することができる、標的又は抗原上のアミノ酸残基の任意の部位、エピトープ、抗原決定基、部分、ドメイン又はストレッチであり得る。
t)アミノ酸配列又はポリペプチドは、上記アミノ酸配列又はポリペプチドが第2の標的又はポリペプチドと結合する親和性よりも少なくとも10倍、例えば少なくとも100倍、好ましくは少なくとも1000倍、及び最大10000倍以上良好な親和性(上記のように、好適にK値、K値、Koff速度及び/又はKon速度と表す)で第1の抗原と結合する場合、第2の標的又は抗原と比べて、第1の標的又は抗原「に特異的」であると言える。例えば、第1の抗原は、上記アミノ酸配列又はポリペプチドが第2の標的又はポリペプチドと結合する場合のKの少なくとも10分の1、例えば少なくとも100分の1、及び好ましくは少なくとも1000分の1、例えば10000分の1又は更にはそれ未満のK値で標的又は抗原と結合し得る。好ましくは、アミノ酸配列又はポリペプチドが、第2の標的又は抗原に比べて第1の標的又は抗原「に特異的」である場合、そのアミノ酸配列又はポリペプチドは、(本明細書中に規定のように)上記第1の標的又は抗原に指向性を有するが、上記第2の標的又は抗原に対しては指向性を有しない。
u)アミノ酸配列が、(本明細書中で規定するように)2つの異なる抗原又は抗原決定基(例えば異なる2種の哺乳動物由来の血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン及びカニクイザル血清アルブミン)の両方に特異的である場合、これらの異なる抗原又は抗原決定基に対して「交差反応性」であると言える。
v)「本質的にpHに非依存的である」結合は概して本明細書中では、(本明細書中で更に記載されるように)動物又はヒトの身体の細胞で生じるpH値(複数も可)で血清タンパク質(例えば血清アルブミン)に関するアミノ酸配列の結合定数(K)が、上記細胞の外側で生じるpH値(複数も可)で同じ血清タンパク質に関するアミノ酸配列の結合定数(K)の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、更により好ましくは少なくとも60%、例えば更により好ましくは少なくとも70%、例えば少なくとも80%又は90%以上(又は更には100%超、例えば110%超、120%超又は更には130%以上、又は更には150%超、又は更には200%超)であることを意味する。代替的には、「本質的にpHに非依存的である」結合は概して本明細書中では、動物又はヒトの身体の細胞で生じるpH値(複数も可)(例えば本明細書中で更に記載されるようなものであり、例えばおよそ5.5、例えば5.3〜5.7のpH)で血清タンパク質(例えば血清アルブミン)に関するアミノ酸配列のkoff速度(ビアコアで測定する、例えば実験2を参照されたい)が、上記細胞の外側で生じるpH値(複数も可)、例えばpH7.2〜7.4で同じ血清タンパク質に関するアミノ酸配列のkoff速度の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、更により好ましくは少なくとも60%、例えば更により好ましくは少なくとも70%、例えば少なくとも80%又は90%以上(又は更には100%超、例えば110%超、120%超又は更には130%以上、又は更には150%超、又は更には200%超)であることを意味する。「動物又はヒトの身体の細胞で生じるpH値(複数も可)」は、細胞の内側、特に血清タンパク質の再生に関与する細胞の内側で生じ得るpH値(複数も可)を意味する。特に、「動物又はヒトの身体の細胞で生じるpH値(複数も可)」は(例えばピノサイトーシス、エンドサイトーシス、トランスサイトーシス、エキソサイトーシス及びファゴサイトーシス、又は上記細胞への取り込み若しくは内在化の同様の機構の結果として)血清タンパク質の再生に関与する細胞(内)コンパートメント又は小胞、例えばエンドソーム、リソソーム又はピノソームの内側で生じ得るpH値(複数も可)を意味する。
w)「交差遮断("cross-block","cross-blocked" and "cross-blocking")」という用語は、本明細書中で区別なく使用し、アミノ酸配列又は他の結合剤(本発明のナノボディ(商標)、ポリペプチド又は化合物若しくは構築物等)が、他の本発明のアミノ酸配列又は結合剤と所定の標的との結合を妨げる能力を意味する。本発明のアミノ酸配列又は他の結合剤が別のアミノ酸配列と結合剤と関連のある標的との結合を妨げることができる範囲、ひいては本発明に従って交差遮断するということができるか否かを、競合結合アッセイを使用して求めることができる。1つの特に好適な定量的な交差遮断アッセイは、表面プラズモン共鳴技術を用いて相互作用の程度を測定することができるビアコア機器を使用する。別の好適な定量的な交差遮断アッセイは、標的とのこれらの結合に関して、アミノ酸配列又は他の結合剤間の競合を測定するELISAに基づくアプローチを使用する。
概して以下に、アミノ酸配列又は他の結合剤が、本発明に従って交差遮断するか、又は交差遮断することができるか否かを求めるのに適したビアコアアッセイを説明している。このアッセイは、本明細書中に記載のアミノ酸配列又は他の結合剤のいずれかと共に使用することができることが理解されよう。ビアコア機器(例えばビアコア3000)は、製造元の推奨に沿って操作する。このように、1つの交差遮断アッセイでは、標的でコーティングされた表面を作製するのに、標準的なアミンカップリングケミストリを用いて、標的タンパク質をCM5ビアコアチップと連結させる。典型的に200共鳴単位〜800共鳴単位の標的をチップに連結させる(容易に測定可能なレベルの結合を与えるが、使用する試験試薬の濃度によって容易に飽和することができる量)。互いに交差遮断する能力を評価する、2つの試験アミノ酸配列(A及びBと呼ばれる)を、好適なバッファー中で、1:1の結合部位のモル比で混合し、試験混合物を作製する。結合部位ベースの濃度を算出する場合、アミノ酸配列の分子量は、アミノ酸配列の全分子量を、このアミノ酸配列上の標的結合部位の数で除算したものであるとみなす。試験混合物中の各アミノ酸配列の濃度は、ビアコアチップ上に捕捉された標的分子上のこのアミノ酸配列に対する結合部位を容易に飽和するのに十分高いものとする。混合物中のアミノ酸配列は(結合部位ベースで)同じモル濃度であり、その濃度は典型的に(結合部位ベースで)1.00マイクロモル〜1.5マイクロモルである。A及びBを単独で含有する分離溶液も調製する。これらの溶液中のA及びBは、試験混合物と同じバッファー中で、かつ試験混合物と同じ濃度であるとする。試験混合物を標的でコーティングしたビアコアチップ上に通し、結合総量を記録する。それから、チップ結合標的を損なうことなく、結合したアミノ酸配列を取り除くようにチップを処理する。典型的に、チップを30mMのHClで60秒処理することによってこれを行う。その後、A単独の溶液を標的でコーティングした表面上に通し、結合量を記録する。同様に、チップを処理し、チップ結合標的を損なうことなく、結合したアミノ酸配列を全て取り除く。それから、B単独の溶液を標的でコーティングした表面上に通し、結合量を記録する。次に、AとBとの混合物の理論最大結合を算出し、これは単独で標的表面上を通した際の各アミノ酸配列の結合の合計である。実際に記録された混合物の結合がこの理論最大値より小さい場合、2つのアミノ酸配列は互いに交差遮断している。このように概して、交差遮断する本発明によるアミノ酸配列又は他の結合剤は、アッセイ中、及び本発明の第2のアミノ酸配列又は他の結合剤の存在下で、記録された結合が、組合せた2つのアミノ酸配列又は結合剤の最大理論結合(直前に規定)の80%〜0.1%(例えば80%〜4%)、具体的に最大理論結合の75%〜0.1%(例えば75%〜4%)、及びより具体的に最大理論結合の70%〜0.1%(例えば70%〜4%)であるように、上記のビアコア交差遮断アッセイで標的と結合するものである。上記のビアコアアッセイは、アミノ酸配列又は他の結合剤が本発明に従って互いに交差遮断するかどうかを求めるのに使用する主なアッセイである。稀に、特定のアミノ酸配列又は他の結合剤が、CM5ビアコアチップとアミンケミストリを介して連結した標的と結合しないことがある(通常、標的上の関連の結合部位がチップとの連結によって塞がれるか、又は破壊される場合にこれが起こる)。このような場合、タグ付け型、例えばN末端Hisタグ付け型の標的を用いて交差遮断を求めることができる。この特定のフォーマットでは、抗Hisアミノ酸配列をビアコアチップに連結させた後、Hisタグ付けした標的をチップの表面上に通し、抗Hisアミノ酸配列で捕捉する。各チップ再生サイクル後に、抗Hisアミノ酸配列でコーティングした表面上に、新たなHisタグ付けした標的を充填し戻すことを除いて、本質的に上記のように、交差遮断解析を行う。N末端Hisタグ付けした標的を使用するとして与えられた例の他に、代替的にC末端Hisタグ付けした標的を使用することができる。さらに、当該技術分野で既知の様々な他のタグ及びタグ結合タンパク質の組合せをこのような交差遮断解析に使用することができる(例えば、抗HA抗体によるHAタグ;抗FLAG抗体によるFLAGタグ;ストレプトアビジンによるビオチンタグ)。
概して以下に、標的に指向性を有するアミノ酸配列又は他の結合剤が、本明細書中に規定のように、交差遮断するか、又は交差遮断することができるか否か求めるELISAアッセイを説明している。このアッセイは、本明細書中に記載のアミノ酸配列(又は本発明のポリペプチド等の他の結合剤)のいずれかと共に使用することができることが理解されよう。このアッセイの一般原理は、ELISAプレートのウェル上にコーティングした標的に指向性を有するアミノ酸配列又は結合剤を有することである。過剰量の第2の、潜在的に交差遮断する抗標的アミノ酸配列を溶液中に添加する(即ちELISAプレートと結合しない)。それから、限定量の標的をウェルに添加する。コーティングしたアミノ酸配列と溶液中のアミノ酸配列とは、限定数の標的分子の結合に対して競合する。プレートを洗浄し、コーティングしたアミノ酸配列と結合していない過剰な標的を取り除き、また第2の溶液相のアミノ酸配列及び第2の溶液相のアミノ酸配列と標的との間に形成される任意の複合体を取り除く。その後、標的を検出するのに適切な試薬を使用して、結合標的の量を測定する。コーティングしたアミノ酸配列を交差遮断することができる溶液中のアミノ酸配列によって、コーティングしたアミノ酸配列が第2の溶液相のアミノ酸配列の非存在下で結合することができる標的分子の数に比べて、コーティングしたアミノ酸配列が結合することができる標的分子の数を低減させることができる。固定化させるアミノ酸配列に第1のアミノ酸配列、例えばAb−Xが選ばれる場合、第1のアミノ酸配列をELISAプレートのウェル上にコーティングし、その後、プレートを好適なブロッキング溶液でブロッキングし、その後添加する試薬の非特異的な結合を最小にする。第2のアミノ酸配列、即ちAb−Yの標的結合部位の1つのウェル当たりのモルが、ELISAプレートのコーティング中に使用したAb−X標的結合部位の1つのウェル当たりのモルの少なくとも10倍になるように、過剰量のAb−YをELISAプレートに添加する。それから、添加した標的の1つのウェル当たりのモルが、各ウェルをコーティングするのに使用したAb−X標的結合部位のモルの少なくとも25分の1になるように、標的を添加する。好適なインキュベーション期間の後、ELISAプレートを洗浄し、標的を検出する試薬を添加し、コーティングした抗[標的アミノ酸配列(この場合、Ab−X)と特異的に結合した標的の量を測定する。アッセイに関するバックグラウンドシグナルは、コーティングしたアミノ酸配列(この場合、Ab−X)、第2の溶液相のアミノ酸配列(この場合、Ab−Y)、標的バッファーのみ(即ち標的が存在しない)及び標的検出試薬を用いてウェル中で得られたシグナルと定義する。アッセイに関する陽性対照シグナルは、コーティングしたアミノ酸配列(この場合、Ab−X)、第2の溶液相のアミノ酸配列バッファーのみ(即ち第2の溶液相のアミノ酸配列が存在しない)、標的及び標的検出試薬を用いてウェル中で得られたシグナルと定義する。陽性対照シグナルがバックグラウンドシグナルの少なくとも6倍になるように、ELISAアッセイを行い得る。どのアミノ酸配列をコーティングアミノ酸配列として使用し、どのアミノ酸配列を第2の(競合)アミノ酸配列として使用するかという選択に起因する任意のアーチファクト(例えば有意に異なる、標的に対するAb−XとAb−Yとの親和性)を避けるために、交差遮断アッセイを2つのフォーマットで行い得る:1)フォーマット1は、Ab−Xが、ELISAプレート上にコーティングするアミノ酸配列であり、かつAb−Yが、溶液中にある競合アミノ酸配列である場合であり、また2)フォーマット2は、Ab−Yが、ELISAプレート上にコーティングするアミノ酸配列であり、かつAb−Xが、溶液中にある競合アミノ酸配列である場合である。Ab−X及びAb−Yは、フォーマット1又はフォーマット2のいずれかで、溶液相の抗標的アミノ酸配列が、溶液相の抗標的アミノ酸配列の非存在下(即ち陽性対照ウェル)で得られた標的検出シグナルに比べて、標的検出シグナル(即ちコーティングしたアミノ酸配列で結合した標的の量)の60%〜100%、具体的に70%〜100%、及びより具体的に80%〜100%の低減を引き起こすことができる場合、交差遮断すると定義する。
x)任意の図面、配列表及び実験部/実施例は、本発明を更に説明するためだけに与えられ、特に他にはっきりと本明細書中に指示がなければ、本発明の範囲及び/又は添付の特許請求の範囲を限定するものとしては決して解釈すべきではない。
重鎖抗体及びその可変ドメインの概要に関しては、特に本明細書で言及される従来技術、Reviewsin Molecular Biotechnology 74(2001), 277-302におけるMuyldermansによる総説、及び一般的な背景技術として言及される以下の特許出願:Vrije Universiteit Brusselの国際公開第94/04678号、国際公開第95/04079号、及び国際公開第96/34103号;Unileverの国際公開第94/25591号、国際公開第99/37681号、国際公開第00/40968号、国際公開第00/43507号、国際公開第00/65057号、国際公開第01/40310号、国際公開第01/44301号、欧州特許第1134231号及び国際公開第02/48193号;Vlaams Instituut voor Biotechnologie(VIB)の国際公開第97/49805号、国際公開第01/21817号、国際公開第03/035694号、国際公開第03/054016号及び国際公開第03/055527号;Algonomics N.V.及びAblynx N. V.の国際公開第03/050531号;カナダのNational Research Councilによる国際公開第01/90190号;Instituteof Antibodiesによる国際公開第03/025020号(=欧州特許第1433793号);並びにAblynxN.V.による国際公開第04/041867号、国際公開第04/041862号、国際公開第04/041865号、国際公開第04/041863号、国際公開第04/062551号、国際公開第05/044858号、国際公開第06/40153号、国際公開第06/079372号、国際公開第06/122786号、国際公開第06/122787号及び国際公開第06/122825号、並びにAblynx N.V.によって更に公開された特許出願を参照する。これらの出願で言及される更なる従来技術、特に国際公開第06/040153号の41頁〜43頁で言及される参考文献のリストも参照する(このリスト及び参考文献は参照により本明細書に援用される)。
本発明のアミノ酸配列はそれ自体が既知の方法で調製してもよい。例えば、所望のアミノ酸配列は、ペプチド合成により又は上記アミノ酸配列をコードする核酸を好適に発現することにより調製してもよい。所望のヌクレオチド配列はそれ自体が既知の核酸合成技法により調製してもよい。
本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを調製する一方法は概して、
a)本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現する工程を少なくとも含み、任意で
b)このように発現した本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをそれぞれ単離する工程を更に含む。
本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを調製する別の方法は概して、
a)本明細書に記載のように宿主又は宿主細胞を、上記宿主又は宿主細胞が本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを生成するような条件下で培養又は維持する工程を少なくとも含み、任意で
b)このようにして得られた本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドをそれぞれ単離する工程とを更に含む。
本発明のアミノ酸配列が拘束型(即ち本発明のアミノ酸配列と隣接する隣接配列の間にジスルフィド架橋を含む)で使用される場合、上記の方法は、国際出願PCT/EP2007/063348号に更に記載のようにこのようなジスルフィド架橋を形成する更なる工程を含んでいてもよい。
本発明は上記の方法により得られたアミノ酸配列、化合物、構築物又はポリペプチドにも関する。
本明細書中で開示のアミノ酸配列は、タンパク質、化合物(小分子を含むが、これに限定されない)又は他の治療実体等の治療部の半減期を増大させるために融合パートナーとしての利点を伴って使用することができる。
このため別の態様において、本発明は、その半減期を増大させるために治療化合物と連結又は融合する小ペプチド又はペプチド部として使用することができるアミノ酸配列、並びに本発明のアミノ酸配列、構築物又は融合タンパク質が血清タンパク質分子と結合する場合、血清タンパク質分子の半減期が(有意に)(即ちアミノ酸配列、構築物又は融合タンパク質が結合しない場合の血清タンパク質分子の半減期と比較して)低減しないように血清タンパク質と結合することができる、このようなペプチド又はペプチド部を含む構築物及び融合タンパク質を提供する。本発明のこの態様では、「有意に低減しない」とは血清タンパク質分子の半減期(それ自体が既知の好適な技法を使用して測定される)が50%を超えて低減しない、好ましくは30%を超えて低減しない、更により好ましくは10%を超えて低減しない、例えば5%を超えて低減しない、又は本質的に全く低減しないことを意味する。
好ましいが非限定的な別の態様において、本発明のアミノ酸配列は、好ましくは、アミノ酸配列が、ヒト血清アルブミンと結合するか、又はそうでなくとも会合する場合に、アミノ酸配列が示すヒトでの血清半減期が、少なくとも約9日(例えば約9日〜14日)、好ましくは少なくとも約10日(例えば約10日〜15日)又は少なくとも約11日(例えば約11日〜16日)、より好ましくは少なくとも約12日(例えば約12日〜18日以上)又は14日超(例えば約14日〜19日)となるように、ヒト血清アルブミンと結合するか、又はそうでなくとも会合するようなものである。
別の態様において本発明は、本明細書中で開示のようにアミノ酸配列を含むか、又はこれから本質的になる、ポリペプチド又はタンパク質構築物を提供する。
本発明は、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列及び少なくとも1つの治療部を含む化合物又は構築物(本明細書中で「本発明の化合物」とも称される)にも関する。
例示的なものであり、これに限定されないが、本発明の化合物は、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の本発明のアミノ酸配列と連結する少なくとも1つの治療部を含み得る。例えば、治療部がタンパク質又はポリペプチドである場合、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列は、タンパク質又はポリペプチドのC末端と(直接又は好適なスペーサー若しくはリンカーを介して);タンパク質又はポリペプチドのN末端と(これも直接又は好適なスペーサー若しくはリンカーを介して);又はC末端及びN末端の両方と連結され得る。本発明の化合物が2つ以上の本発明のアミノ酸配列を含む場合、これらは同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
治療部はまた、互いに直接又は好適なリンカー若しくはスペーサーを介して連結し得る、少なくとも2つ(例えば、2つ、3つ又は4つ)の本発明のアミノ酸配列(同一であってもよく、又は異なっていてもよい)を含む多量体又はコンカテマー(concatamer)と(そのC末端、そのN末端又は両方のいずれかで、これも直接又は好適なスペーサー若しくはリンカーを介して)連結し得る。このような(二価、三価又は多価)多量体又はコンカテマー(並びにこれをコードするヌクレオチド配列、及びこれらを含む本発明の化合物)は、本発明の更なる態様を形成し、単量体の本発明のアミノ酸配列より高い結合活性で血清アルブミンと結合し得る。
また、本発明の化合物が2つ以上の治療部を含む場合、これらの治療部のそれぞれ(又は両方)は、本明細書中で更に記載するように、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列と連結し得る。また、2つ以上の治療部は、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列(及び任意で更なる連結するアミノ酸配列)を含むか、又はこれから本質的になるリンカーを介して互いに連結することができ、このようなリンカー(及びこれを含む本発明の化合物)は、本発明の更なる態様を形成する。
一態様において治療部は、所望の抗原又は標的に指向性を有し、所望の抗原と結合することが可能であり(特に所望の抗原と特異的に結合することが可能であり)、かつ/又は所望の標的と相互作用することが可能である。別の実施の形態では、少なくとも1つの治療部は治療タンパク質又はポリペプチドを含むか、又はこれから本質的になる。更なる実施の形態では、少なくとも1つの治療部が、免疫グロブリン又は免疫グロブリン配列(免疫グロブリンの断片を含むがこれに限定されない)、例えば抗体又は抗体断片(ScFv断片又はFab断片を含むが、これらに限定されない)を含むか、又はこれから本質的になる。更に別の実施の形態では、少なくとも1つの治療部が、抗体可変ドメイン、例えば重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインを含むか、又はこれから本質的になる。
好ましいが非限定的な一態様において、1つ又は複数の治療部又は治療実体は、1つ又は複数の結合単位(国際出願PCT/EP2007/063348号に規定される)又は結合ドメイン(本明細書中で規定する)、即ち所望の標的、抗原又は抗原決定基(例えば治療上関連する標的)と結合することが可能な結合単位又はドメインであり得る。そのため、本発明の化合物は一価、二価、二重特異性、多価又は多重特異性の構築物(国際出願PCT/EP2007/063348号に規定される)であり得る。結合単位は概して、骨格をベースとする結合単位又はドメイン、例えば免疫グロブリンをベースとする又は免疫グロブリンから誘導される(即ち本明細書中で既に記載の免疫グロブリン配列以外の)結合骨格、プロテインAドメインから誘導されるタンパク質骨格(例えばアフィボディ(Affibodies)(商標))、テンダミスタット(tendamistat)、フィブロネクチン、リポカリン、CTLA−4、T細胞受容体、設計アンキリンリピート、アビマー(avimers)及びPDZドメイン(Binz et al., Nat.Biotech2005, Vol 23:1257)、並びにDNAアプタマー又はRNAアプタマーを含むがこれらに限定されないDNA又はRNAをベースとする結合部(Ulrich et al., Comb Chem High Throughput Screen 2006 9(8):619-32)を含み得る。
本発明のアミノ酸配列は、国際公開第05/118642号(Domantis Ltd.)又は国際公開第06/059106号(Domantis Ltd.)で言及された「ポリペプチド薬物」の1つ、例えば国際公開第05/118642号の45頁〜50頁で言及されたポリペプチド薬物の1つ;IL−1raの機能的変異型を含むインターロイキン1受容体のアンタゴニスト(国際公開第05/118642号の11頁〜12頁を参照されたい);サポリン(国際公開第05/118642号の12頁〜14頁を参照されたい);国際公開第05/118642号の表8に挙げられた抗がんペプチド;及びGLP−1又はGLP−1類似体等のインスリン分泌促進剤又はその類似体(国際公開第06/059106号を参照されたい)とも連結し得る。
好ましい態様において、少なくとも1つの治療部は、少なくとも1つのドメイン抗体又は単一ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(商標)を含むか、又はこれから本質的になる。このため例えば本発明の化合物では、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列は得られる本発明の化合物が一価、二価、多価、二重特異性又は多重特異性の構築物(「一価」、「二価」、「多価」、「二重特異性」及び「多重特異性」という用語は国際出願PCT/EP2007/063348号又は上記で言及されたAblynx N.V.の特許出願で説明されるようなものである)となるように、1つ又は複数のドメイン抗体、単一ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(商標)と融合又は連結し得る。
このため本発明の一実施の形態は、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列及び少なくとも1つの免疫グロブリン配列、例えばドメイン抗体、単一ドメイン抗体、「dAb」又はナノボディ(商標)を含むか、又はこれから本質的になるタンパク質又はポリペプチド構築物又は融合タンパク質に関する。
概して好ましくは本発明の化合物は、1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、例えば約1日、2日、1週間、2週間又は3週間、及び好ましくは2ヶ月以下の半減期を有するが、後者はそれほど重要ではない。
好ましくは、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列及び少なくとも1つの治療部を含む本発明の化合物又はポリペプチドは好ましくは、治療部自体の半減期の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも5倍、例えば少なくとも10倍又は20倍超の半減期を有する。例えば、本発明の化合物又はポリペプチドは治療部自体と比較して、1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、又は更に24時間超、48時間超又は72時間超増大した半減期を有し得る。
好ましいが非限定的な本発明の態様において、本発明のこのような化合物又はポリペプチドは、治療部自体と比較して1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、又は更に24時間超、48時間超又は72時間超増大した血清半減期を有する。
本発明は、本明細書中に記載のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物をコードするヌクレオチド配列又は核酸にも関する。本発明はさらに、上記ヌクレオチド配列又は上記核酸を含む遺伝的構築物、及びそれ自体既知の遺伝的構築物の1つ又は複数の要素を含む。遺伝的構築物は、プラスミド又はベクターの形態であり得る。このような遺伝的構築物及び他の遺伝的構築物は当業者に既知である。
本発明は、このようなヌクレオチド配列又は核酸を含有し、かつ/又は本明細書中に記載のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を発現する(又は発現可能である)宿主又は宿主細胞にも関する。また、このような宿主又は宿主細胞は当業者に既知である。
本発明は、概して、本明細書中に記載のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を調製する方法であって、本明細書中に記載の宿主細胞を、上記宿主細胞が本明細書中に記載のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を産生又は発現するような条件下で、培養又は維持することを含み、かつ任意でそのようにして産生されたアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を単離することを更に含む、方法にも関する。さらに、このような方法は、本明細書中に記載のAblynx N.V.による同時係属中の特許出願、例えば、国際公開第04/041862号又は国際公開第06/122825号中に概して記載されているように実施することができる。
具体的であるが非限定的な一実施形態において、アミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、ピキア・パストリスの好適な株(例えば、限定されるものではないが、プロテアーゼ欠損株又は別の好適な株等)において発現させることができる。言及したように、ピキア・パストリスを使用する場合、14位に(又はそれに近接して)トレオニン残基を含有しない本発明のアミノ酸配列を使用することが、この残基が(使用される特定のピキア属株に応じて)リン酸化の影響を受けやすいとされるため有利であり得る。
したがって、一態様において、アミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物(本明細書中に記載される)を発現させる本発明の方法は、以下の工程a):本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程であって、上記ヌクレオチド配列又は核酸が好適な酵母菌株(特に、好適なピキア属株、例えばピキア・パストリスの好適な株)において発現され、上記本発明のヌクレオチド配列又は核酸が、上記酵母菌株において発現される場合にリン酸化の影響を受けやすいトレオニン残基を含有しない本発明のアミノ酸配列又はペプチド(又はこれを含む化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質、若しくは多価若しくは多重特異性の構築物)をコードする、本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程を含み得る。例えば、このような本発明のアミノ酸配列又はペプチドは、例えば配列番号7、配列番号16、配列番号19、配列番号21、配列番号22、配列番号24〜配列番号27、及び配列番号32〜配列番号43の配列モチーフの場合と同様に、例えばトレオニン残基の代わりに、アラニン(A)残基、アスパラギン(N)残基又はアスパラギン酸(D)残基(又は任意の他の好適なアミノ酸残基、例えばグルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、トリプトファン(W)又はバリン(V))を14位に含み得る。例えば、本明細書中に更に記載されるように、本発明のアミノ酸配列又はペプチドは、配列番号135〜配列番号140又は配列番号143〜配列番号148の配列モチーフの1つを好適に含有し得る。
更により具体的な一態様において、アミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物(本明細書中に記載される)を発現させる本発明の方法は、以下の工程a):本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程であって、上記ヌクレオチド配列又は核酸が好適な酵母菌株(特に、好適なピキア属株、例えばピキア・パストリスの好適な株)において発現され、上記本発明のヌクレオチド配列又は核酸が、配列番号126〜配列番号148の配列モチーフの少なくとも1つ、特に配列番号132〜配列番号148の配列モチーフの1つを含む本発明のアミノ酸配列(又はこれを含む化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質、若しくは多価若しくは多重特異性の構築物)をコードする、本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程を含み得る(ここで、上記アミノ酸配列はこの場合も本明細書中に更に記載されるようなものであり得る)。
14位に(又はその付近に)トレオニンを含有しないアミノ酸配列の幾つかの好ましいが非限定的な例は、配列番号104〜配列番号108に与えられ、配列番号111〜配列番号125は、5F7ナノボディ(ナノボディの一例として使用される)に基づく、これを含む構築物の幾つかの例を与えるものである。
別の態様において、アミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物(本明細書中に記載される)を発現させる本発明の方法は、以下の工程a):本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程であって、上記ヌクレオチド配列又は核酸が、(即ち本発明のアミノ酸配列又はこれを含む化合物を発現させるために使用された場合に)低減されたリン酸化、特にトレオニン(T)残基の低減された(即ち本質的にゼロの)リン酸化を示す好適な酵母菌株(特に、好適なピキア属株、例えばピキア・パストリスの好適な株)において発現されるか、又は上記ヌクレオチド配列又は核酸が、(即ち本発明のアミノ酸配列又はこれを含む化合物を発現させるために使用された場合に)低減された(即ち本質的にゼロの)リン酸化、特にトレオニン(T)残基の低減されたリン酸化を示すように遺伝的に操作された酵母菌株(特に、好適なピキア属株、例えばピキア・パストリスの好適な株)において発現される、本発明のヌクレオチド配列又は核酸を発現させる工程を含み得る。本発明のこの態様は概して、限定されるものではないが、リン酸化の影響を受けやすいトレオニン(T)残基を含む本発明のアミノ酸配列(限定されるものではないが、14位にトレオニン(T)残基を有する本発明のアミノ酸配列を含む)を含む、任意の本発明のアミノ酸配列(又はこれを含む化合物)を発現させるために使用され得る。
本明細書中に記載されるような宿主又は宿主細胞を、上記宿主又は宿主細胞が本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを産生するような条件下で培養又は維持する工程a)を含む本発明の方法において、同様の考え方が適用される。したがって、上記工程a)は、本明細書中に記載されるような宿主又は宿主細胞を、上記宿主又は宿主細胞が本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを産生するような条件下で培養又は維持することであって、上記宿主又は宿主細胞が好適な酵母菌株(特に、好適なピキア属株、例えばピキア・パストリスの好適な株)であり、上記本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドが、上記酵母菌株において発現された場合にリン酸化の影響を受けやすいトレオニン(T)残基を含有しない、宿主又は宿主細胞を培養又は維持することを含み得る。代替的には、上記工程a)は、本明細書中に記載されるような宿主又は宿主細胞を、上記宿主又は宿主細胞が本発明のアミノ酸配列又はポリペプチドを産生するような条件下で培養又は維持する工程であって、上記宿主又は宿主細胞が、低減された(即ち本質的にゼロの)リン酸化を示すか、又は低減された(即ち本質的にゼロの)リン酸化を示すように遺伝的に操作された好適な酵母菌株(特に、好適なピキア属株、例えばピキア・パストリスの好適な株)である、宿主又は宿主細胞を培養又は維持する工程を含み得る。
上記の文脈において、「本質的にゼロの」リン酸化とは、発現後に得られる産物の5重量%未満、好ましくは3重量%未満、例えば2重量%未満、1重量%未満又は0.5重量%未満が、本発明のアミノ酸配列内に含まれるアミノ酸残基上でリン酸化されていることを意味する。
本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を単離及び精製する方法は、当業者にとって明らかであるような、それ自体が既知の任意の好適な方法で行うことができる。この場合も特許文献1及び特許文献2を参照する。
具体的な好ましいが非限定的な一実施形態において、本発明のアミノ酸配列又は本発明のポリペプチドを単離/精製する工程は、上記本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物中に存在する本発明のアミノ酸配列に特異的なアフィニティーマトリックスを用いたアフィニティー精製/アフィニティークロマトグラフィーの少なくとも1つの工程を含む。このようなアフィニティーマトリックスは例えば、本発明のアミノ酸配列に指向性を有する/特異的な少なくとも1つのリガンド、結合ドメイン又は結合単位を(それ自体が既知の方法で、任意で好適なリンカーを用いて)連結した好適な樹脂を含み得る。このようなリガンドは、それ自体が既知の任意の好適なリガンドであってもよく(ただし、アルブミン又はアルブミン断片の使用は、本発明のアミノ酸配列に対する望ましい特異性をもたらさない可能性があるため、場合によってはあまり好ましくないことがある)、例えば好ましい態様においては、本発明のアミノ酸配列(例えば、上記本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物中に存在するアミノ酸配列)に対して産生されたVHH若しくはナノボディ、又はその望ましい(抗原)断片、エピトープ又は決定基であり得る。例えばラクダ科動物を上記本発明のアミノ酸配列で免疫化し、VHHの免疫ライブラリを上記ラクダ科動物から得て、上記免疫ライブラリを上記本発明のアミノ酸配列に特異的なVHHについて(例えば、ファージディスプレイ又は別の好適なスクリーニング技法を用いて)スクリーニングし、上記本発明のアミノ酸配列に特異的な1つ又は複数のVHHを取得/発現/単離し、これを次に好適な樹脂に連結して、本発明のこの態様における使用に好適なアフィニティー樹脂を得ることができる。上述の工程は全て、それ自体が既知の方法で、かつ/又はそれ自体が既知の技法を用いて行うことができる。例えば、本発明のアミノ酸配列に対するVHHを生成する好適な技法は、国際公開第08/020079号の59頁で言及される従来技術、及び国際公開第06/040153号の41頁〜43頁で言及される参考文献のリスト(この従来技術及び参考文献は参照により本明細書中に援用される)に記載されている。
本発明のアミノ酸配列に指向性を有するアフィニティー樹脂、及び本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物の単離又は精製におけるその使用は、本発明の更なる態様を形成する。
本発明の具体的な一態様において、アフィニティーマトリックスは、本発明のアミノ酸配列のC末端に又はC末端側に(例えば、GGGモチーフの下流の1つ又は複数の位置に)ある本発明のアミノ酸配列の部分、エピトープ又は抗原決定基に指向性を有する/特異的なリガンド、結合ドメイン又は結合単位(例えばVHH)を含む。
したがって、本発明の幾つかの更なる態様は、以下の通りである:
11位〜13位の(C末端)GGGモチーフの下流に、アフィニティーマトリックス(上の少なくとも1つのリガンド、結合ドメイン又は結合単位)によって認識される部分、エピトープ又は抗原決定基を含む本発明のアミノ酸配列;
このような本発明のアミノ酸配列を含む本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物;
本発明のアミノ酸配列中に(即ち、最も好ましくは11位〜13位の(C末端)GGGモチーフの下流に)存在する部分、エピトープ又は抗原決定基に指向性を有する、それを認識する、かつ/又はそれと特異的に結合することができるリガンド、結合ドメイン又は結合単位。言及したように、リガンドは例えば、限定されるものではないが、上記本発明のアミノ酸配列に対して(又は本質的に同じ部分、エピトープ若しくは抗原決定基を含む別の本発明のアミノ酸配列に対して)産生されたVHHであり得る;
本発明のアミノ酸配列に指向性を有する、それを認識する、かつ/又はそれと特異的に結合することができる(少なくとも1つのリガンド、結合ドメイン又は結合単位を含有する)アフィニティーマトリックス、特に11位〜13位のGGGモチーフの下流に存在する本発明のアミノ酸配列中の部分、エピトープ又は抗原決定基に指向性を有する、それを認識する、かつ/又はそれと特異的に結合することができる(少なくとも1つのリガンド、結合ドメイン又は結合単位を含有する)アフィニティーマトリックス;
本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物(即ち、少なくとも1つの本発明のアミノ酸配列を含む)を単離及び/又は精製する方法であって、このような本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物(を含む組成物又は混合物)を、このような本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物に含まれる本発明のアミノ酸配列に指向性を有する、それを認識する、かつ/又はそれと特異的に結合することができる(少なくとも1つのリガンド、結合ドメイン又は結合単位を含有する)アフィニティーマトリックス、特に11位〜13位のGGGモチーフの下流に存在する上記本発明のアミノ酸配列中の部分、エピトープ又は抗原決定基に指向性を有する、それを認識する、かつ/又はそれと特異的に結合することができる(少なくとも1つのリガンド、結合ドメイン又は結合単位を含有する)アフィニティーマトリックスに接触させる少なくとも1つの工程を含む、方法;
このようなアミノ酸配列を含む本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を単離及び/又は精製する際の本発明のアミノ酸配列(特に、11位〜13位の(C末端)GGGモチーフの下流の上記アミノ酸配列中に存在する部分、エピトープ又は抗原決定基)に指向性を有する、それを認識する、かつ/又はそれと特異的に結合することができる(少なくとも1つのリガンド、結合ドメイン又は結合単位を含有する)アフィニティーマトリックスの使用。
このような部分、エピトープ又は抗原決定基は、例えば(限定されるものではないが)、11位〜13位のGGGモチーフの下流に(例えば、限定されるものではないが、16位及び17位又は更なる下流に)位置するアミノ酸残基VGを含み得る。したがって、例えば、限定されるものではないが、このような本発明のアミノ酸配列は、配列モチーフGGGTPVG(配列番号150)、GGGAPVG(配列番号151)、GGGNPVG(配列番号152)又はGGGDPVG(配列番号153)の1つを含み得る。アミノ酸残基VGを含むこのような抗原決定基を含む本発明のアミノ酸配列の幾つかの非限定的な例は、配列番号106〜配列番号108に与えられ、これを含む本発明の化合物の幾つかの非限定的な例は、配列番号114〜配列番号116に与えられる。また、配列番号117〜配列番号125は、C末端側に(即ち、上流のペプチドではなく、二量体のC末端にある本発明のペプチドのみに)VGベースの抗原決定基を含む本発明の二量体アミノ酸配列を含む本発明の化合物の幾つかの非限定的な例を与える。配列番号117〜配列番号125の化合物に含まれる本発明の二量体アミノ酸配列は各々、本発明のアミノ酸配列の更なる例を形成し、したがって本発明の更なる態様を形成する。
本発明は、本発明のアミノ酸配列、化合物又は多価及び多重特異性の化合物を包含する医療的使用及び治療方法であって、上記薬剤が、ヒト血清アルブミンの天然の半減期の少なくとも約50%の間隔での投与に好適であることを特徴とする、医療的使用及び治療方法も包含する。
本発明は、治療剤(即ち、治療部、化合物、タンパク質又は他の治療的実体)の血清半減期を延長又は増大させる方法にも関する。本方法は、治療剤が本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物と結合するか、又はそうでなくとも会合するように、治療剤と上記アミノ酸配列のいずれかとを接触させることを含む。幾つかの実施の形態において、治療剤は、生物学的治療剤、好ましくはペプチド又はポリペプチドであり、この場合、治療剤を接触させる工程は、ペプチド又はポリペプチドと本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物とを連結することによって融合タンパク質を調製することを含み得る。
これらの方法は、治療剤を本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物と結合又は会合させた後に、被験体に治療剤を投与することを更に含み得る。このような方法において、治療剤の血清半減期は、治療剤自体の半減期の少なくとも1.5倍であるか、又は治療剤自体の半減期と比較して、少なくとも1時間(例えば少なくとも6時間、好ましくは少なくとも12時間、より好ましくは少なくとも1日、例えば2日を超えて、若しくは更に5日を超えて又はそれ以上)増大する。幾つかの好ましい実施の形態において、治療剤の血清半減期は、対応する治療部自体の半減期の、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍又は20倍超である。他の好ましい実施の形態において、治療剤の血清半減期は、対応する治療部自体の半減期と比較して、2時間超、6時間超又は12時間超、増大する。
上記の方法において、治療剤の血清半減期は、上記(即ちこのようにして得られた本発明の化合物の)血清半減期が治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物の血清半減期よりも、好ましくは、配列番号75、配列番号76及び配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、長くなるように増大又は延長するのが好ましい。好ましくは、本発明の化合物の血清半減期は、治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物の血清半減期と比較して、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも25%、又は更により好ましくは少なくとも50%、例えば100%超長いか又は更により改善する。
例えばこのような方法において、本発明の化合物の血清半減期は、治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物の半減期の、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、少なくとも1.1倍、例えば少なくとも1.2倍、より好ましくは少なくとも1.5倍であり、かつ/又は治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物の半減期と比較して、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、少なくとも1時間(例えば少なくとも6時間、好ましくは少なくとも12時間、より好ましくは少なくとも1日、例えば2日を超えて、若しくは更に5日を超えて又はそれ以上)増大し得る。幾つかの好ましい実施の形態では、本発明の化合物の血清半減期は、治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物の半減期の、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、少なくとも2倍、少なくとも3倍又は少なくとも5倍である。
別の態様において、本発明は、治療剤を修飾する方法であって、上記治療剤の好適な投与時に所望の治療レベルを達成するように、上記治療剤の所望の治療レベルを長時間維持する、方法に関する。
本方法は、治療剤が、本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物と結合するか、又はそうでなくとも会合するように、治療剤と上記アミノ酸配列のいずれかとを接触させることを含む。幾つかの実施の形態において、治療剤は、生物学的治療剤、好ましくは、ペプチド又はポリペプチドであり、この場合、治療剤を接触させる工程は、ペプチド又はポリペプチドと、本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物とを連結することによって融合タンパク質を調製することを含み得る。
これらの方法は、治療剤を本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物と結合させるか、又はそうでなくとも会合させた後に、被験体に治療剤を投与することであって、それによりかかる投与時に所望の治療レベルを達成する、投与することを更に含む。このような方法において、かかる投与時に上記治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、治療剤自体の半減期の少なくとも1.5倍であるか、又は治療剤自体の半減期と比較して、少なくとも1時間増大する。幾つかの好ましい実施の形態において、かかる投与時に上記治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、対応する治療部自体の半減期の少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍又は20倍超である。他の好ましい実施の形態において、かかる投与時に上記治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、対応する治療部自体の半減期と比較して、2時間超、6時間超又は12時間超、増大する。
好ましくは、かかる投与時に上記治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、本発明の化合物に関して本明細書中で規定する頻度で治療剤を投与することができるように増大する。
上記の方法において、上記治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、上記(即ちこのようにして得られた本発明の化合物の)血清半減期が、上記治療剤の所望の治療レベルが治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物により維持される時間よりも、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、長くなるように増大又は延長するのが好ましい。好ましくは、上記治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、上記治療剤の所望の治療レベルが治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物により維持される時間と比較して、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも25%、又は更により好ましくは少なくとも50%、例えば100%超長いか又は更により改善する。
例えばこのような方法において、上記治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、上記治療剤の所望の治療レベルが治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物により維持される時間の、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、少なくとも1.1倍、例えば少なくとも1.2倍、より好ましくは少なくとも1.5倍であり、かつ/又は上記治療剤の所望の治療レベルが治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物により維持される時間と比較して、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、少なくとも1時間(例えば少なくとも6時間、好ましくは少なくとも12時間、より好ましくは少なくとも1日、例えば2日を超えて、若しくは更に5日を超えて又はそれ以上)増大し得る。幾つかの好ましい実施の形態では、上記治療剤の所望の治療レベルが維持される時間は、上記治療剤の所望の治療レベルが治療剤と配列番号1のアミノ酸配列とを含む対応する化合物又は構築物により維持される時間の、好ましくは、配列番号75、配列番号76又は配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを(即ち本発明のアミノ酸配列の代わりとして)含む対応する化合物又は構築物と比較して、少なくとも2倍、少なくとも3倍又は少なくとも5倍である。
別の態様において、本発明は、患者の血清中の上記化合物又は上記構築物における治療薬のレベルを増大及び/又は延長させる薬剤を生産する(本明細書中で規定する)本発明の化合物の使用であって、上記化合物又は上記構築物における上記治療薬が、治療薬単独と比較してより低い用量で(即ち、本質的に同一の投与頻度で)投与可能である、使用に関する。
本発明は、本明細書中に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物と、任意で少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物にも関する。このような調製品、担体、賦形剤及び希釈剤は、概して、本明細書中に記載のAblynx N.V.による同時係属中の特許出願、例えば、国際公開第04/041862号又は国際公開第06/122825号に記載されているようなものであり得る。
しかしながら、本明細書中に記載のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は半減期が増大しているため、好ましくは血液循環に投与される。したがって、本明細書中に記載のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物が、静脈内等の血液循環に入ることができる任意の好適な様式、注射若しくは点滴、又は任意の他の好適な様式(経口投与、経皮投与、鼻腔内投与、経肺投与等を含む)で投与することができる。好適な投与方法及び投与経路は、ここでもまた、例えば、国際公開第04/041862号又は国際公開第06/122825号の教示からも当業者には明らかである。
したがって、別の態様において、本発明は、本明細書中に記載のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物の使用によって予防又は治療することができる少なくとも1つの疾患又は障害を予防及び/又は治療する方法であって、それらを必要とする被験体に対して、薬学的に活性のある量の本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物、及び/又はこれらを含む医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。当業者には明らかなように、本明細書中に記載のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を使用することによって予防又は治療することができる疾患及び障害は、概して本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物中に存在する治療部を使用することによって予防又は治療することができる疾患及び障害と同一である。
本発明との関連では、「予防及び/又は治療」という用語は、疾患を予防及び/又は治療することを含むだけでなく、概して、疾患の発症を予防すること、疾患の進行を遅延若しくは逆行させること、疾患に伴う1つ又は複数の症状の発症を予防若しくは遅延させること、疾患に伴う1つ又は複数の症状を低減及び/若しくは緩和すること、疾患及び/若しくは疾患に伴う任意の症状の重症度及び/若しくは継続期間を低減させること、並びに/又は疾患及び/若しくは疾患に伴う任意の症状の重症度の更なる増大を予防すること、疾患が引き起こす任意の生理的ダメージを予防、低減若しくは逆行させること、並びに概して治療すべき患者に有益な任意の薬理学的作用を含む。
治療すべき被験体は、任意の温血動物であり得るが、特に哺乳動物、より詳細にはヒトである。当業者には明らかなように、治療すべき被験体は、特に、本明細書中で言及される疾患及び障害を患っているか、又はそのリスクがあるヒトである。
より具体的には、本発明は、本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物を投与する頻度が、上記哺乳動物の血清アルブミンの(即ち、ヒトの場合、ヒト血清アルブミンの)天然の半減期の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%である、治療方法に関する。
本発明の範囲内である哺乳動物への具体的な投与頻度は、上記に既定のように、上記哺乳動物における血清アルブミンの天然の半減期の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は少なくとも100%である。
換言すると、本発明の範囲内である具体的な投与頻度は、4日毎、5日毎、6日毎、7日毎、8日毎、9日毎、10日毎、11日毎、12日毎、13日毎、14日毎、15日毎、16日毎、17日毎、18日毎又は19日毎である。
限定するものではないが、上記で言及した投与頻度は、任意で上記所望の血清レベルの達成を意図する1つ又は複数の(初回)用量を投与した後、アミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物で処理した被験体の血清中のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物の所望のレベルを維持するのに特に好適である。当業者には明らかなように、所望の血清レベルは、使用したアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質若しくは構築物及び/又は治療対象の疾患にとりわけ依存し得る。臨床医又は医師は、本発明のアミノ酸配列、化合物、融合タンパク質又は構築物を本明細書中で言及される頻度で投与する場合、上記被験体において所望の血清レベルを達成及び/又は維持するために、所望の血清レベルを選択し、治療すべき被験体に対して投与すべき用量(複数も可)及び/又は量(複数も可)を選択することが可能である。
本発明の非限定的な一態様において、本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、肺を介して(即ち、吸入、気管内投与若しくは他の好適な方法、及び/又は肺送達用の装置によって)投与/送達される。この目的のために、本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、例えば(それ自体が既知の1つ又は複数の好適な担体、希釈剤、賦形剤又は添加剤を用いて)肺への/肺を介した投与に好適な製剤、例えばエアロゾルの形態(又はエアロゾルとしての送達に好適な及び/若しくはそれを意図した形態)、吸入による投与に好適な及び/又はそれを意図した形態、肺への投与に好適な及び/又はそれを意図した(乾燥)粉末の形態、又はネブライザーを用いた(即ち肺への/肺を介した)投与に好適な及び/又はそれを意図した形態、又は気管内投与に好適な及び/又はそれを意図した形態に好適に調合することができる。この目的のために、製剤は任意で好適なホルダー(例えば、ポンプ、バルブ、又は製剤の単位用量を送達することが可能な他のデバイスを更に備えるホルダー)内に含まれていてもよく、又は製剤は吸入器若しくはネブライザー等の肺送達用の装置と共にキットオブパーツ(kit-of-parts)の形態であってもよい。
本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を肺へ又は肺を介して投与した場合、肺投与のための動物モデル(ここで、半減期の延長をもたらすための特許文献1によるペプチドを含有する活性成分の肺体(pulmonary-to-systemic)送達(本明細書中に記載されるように、本発明のアミノ酸配列/ペプチドは改善したものである)を、血清アルブミンに対するナノボディ(例えばAlb−1、又はAlb−8等のそのヒト化変異型;例えば国際公開第2006/122787号を参照されたい)の存在によって延長された半減期がもたらされる同様の化合物の肺体投与と比較する)において、本発明のアミノ酸配列/ペプチドが存在する活性成分の肺投与(即ち半減期の増大をもたらすため)が、半減期の延長のための血清アルブミン結合ナノボディを含有する同様の活性成分を、肺経路を介して同様に投与した場合よりも高い、投与された活性成分の血清濃度を生じ得ることが見出された。例えば、2011年1月31日付けで出願されたAblynx N.V.による米国特許出願第13/018,047号に示される実施例23のデータを参照する。
したがって、別の態様において、本発明は、本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物の肺体投与に好適な及び/又はそれを意図した(即ち、肺への投与によってこれを血液循環中に送達する)本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を含む医薬(診断用を含む)組成物、調製物又は製剤に関する。
本発明は、ヒト被験体(即ち、このような治療を必要とする被験体)において疾患を予防又は治療する方法であって、上記疾患を予防又は治療するのに好適な本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物(又は肺投与に好適なこの製剤)を被験体の肺へ及び/又は肺を介して投与する、方法にも関する。
別の態様において、本発明は、肺への又は肺を介した投与、特に肺体送達のための本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物に関する。
本発明は、肺への又は肺を介した投与、特に肺体送達のために調合した本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物にも関する。
本発明は、肺への又は肺を介した投与、特に肺体送達のための少なくとも1つの本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を含む医薬(診断用を含む)組成物にも関する。
したがって、肺を介した投与を意図した化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物における本発明のペプチドの使用はまた、Ablynx N.V.の国際公開第2003/055527号及び国際公開第2010/081856号に記載の方法等のような、ナノボディを含む活性成分の肺送達(特に肺体送達)方法に対して改善された代替方法を、(例えば、国際公開第2003/055527号及び国際公開第2010/081856号に記載の方法を、本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を用いて行うことによって、又はそうでなければ本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質、若しくは多価若しくは多重特異性の構築物を、それ自体が既知の肺送達のための任意の好適な方法、技法、製剤及び装置を用いて、肺へ及び/又は肺を介して投与することによって)もたらし得る。
さらに、活性成分中の血清アルブミンと結合する結合ドメイン又は結合単位の使用が、関節、組織又は腫瘍への浸透の増大をもたらし得ることが当該技術分野で記載されている。本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、血清アルブミンに対するナノボディの存在のために半減期の延長が与えられた同様の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物と比較してサイズが小さいため、本発明の化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、関節、組織又は腫瘍への浸透が対応するナノボディベースの活性成分と比較して改善され得ることも期待される。
別の実施の形態において、本発明は、免疫療法、特に、受動免疫療法に関する方法であって、本明細書中で言及される疾患及び障害を患っているか、又はそのリスクがある被験体に対して、薬学的に活性のある量の本発明の融合タンパク質若しくは構築物、及び/又はこれらを含む医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。
アミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物及び/又はこれらを含む組成物は、予防又は治療対象の疾患又は障害の予防及び/又は治療に好適な治療のレジームに従って投与される。臨床医は、概して、予防又は治療対象の疾患又は障害、治療対象の疾患の重症度及び/又はそれらの症状の重症度、使用する本発明の特定のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物、使用する特定の投与経路及び医薬製剤又は組成物、患者の年齢、性別、体重、食事、全身状態等の因子、並びに同様の臨床医に既知の因子に応じて好適な治療レジメンを決定することができる。
概して、治療レジメンは、1つ又は複数の本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物、又はこれらを含む1つ若しくは複数の組成物を、1つ又は複数の薬学的に有効な量又は用量で投与することを含む。投与する具体的な量(複数も可)又は用量は、ここでもまた、上記で言及した因子に基づいて臨床医が決定することができる。
概して、対象の疾患及び障害(即ち、治療実体自体の使用を通じて通常治療又は予防する疾患及び障害)を予防及び/又は治療するために、治療すべき具体的な疾患又は障害、使用する具体的なアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物の効力及び/又は半減期、使用する具体的な投与経路及び具体的な医薬製剤又は組成物に応じて、本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、概して1g/kg体重/日〜0.01μg/kg体重/日、好ましくは0.1g/kg体重/日〜0.1μg/kg体重/日、例えば約1μg/kg体重/日、10μg/kg体重/日、100μg/kg体重/日、1000μg/kg体重/日、又は2000μg/kg体重/日の量で、連続的に(例えば、点滴によって)、1日1回の服用で、又は日中複数回に分割した服用で投与され得る。臨床医は概して、本明細書中で言及される因子に応じて好適な1日の用量を決定することが可能である。具体的な症例においては、臨床医が例えば、上記で引用した因子及び専門的判断に基づいてこれらの量からの逸脱を選択することができることも明らかであろう。概して、投与すべき量についての何らかの指針は、本質的に同一の経路を介して投与した同一の標的に対する同程度の通常の抗体又は抗体断片に関して通常投与される量から得ることができるが、親和性/結合活性、効力、体内分布、半減期及び当業者に既知の同様の因子の差異が考慮される。
通常、上記方法において、単一の本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を使用する。しかしながら、2つ以上の本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物を(例えば別々の調製物として又は単一の調製物中に組合せて)併用することは、本発明の範囲内である。
本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物はまた、1つ又は複数の更なる薬学的に活性な化合物又は成分と組み合わせて、即ち、混合治療レジメンとして使用することができ、これにより相乗効果がもたらされても又はもたらされなくてもよい、。ここでもまた、臨床医が、上記で言及した因子及び専門的判断に基づいて、このような更なる化合物又は成分、及び好適な混合治療レジメンを選択することが可能である。
特に、本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物は、本発明のアミノ酸配列、化合物、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質又は多価若しくは多重特異性の構築物で予防又は治療することができる疾患及び障害の予防及び/又は治療に使用されるか、又は使用することができる他の薬学的に活性な化合物又は成分と併用してもよく、また結果として、相乗効果が得られてもよく、又は得られなくてもよい。
本発明により使用される治療レジメンの有効性は、臨床医には明らかなように、関連する疾患又は障害に対してそれ自体既知の任意の様式で決定及び/又はフォローされ得る。臨床医は、適宜及び/又はケースバイケースで、特定の治療レジメンを変更又は調整することにより、所望の治療効果を達成し、望ましくない副作用を回避、制限若しくは低減し、及び/又は一方で所望の治療効果を達成することと、他方で望ましくない副作用を回避、制限若しくは低減することとの適切なバランスを達成することが可能である。
概して、治療レジメンは、所望の治療効果が達成されるまで及び/又は所望の治療効果が維持される限り従う。ここでもまた、これは、臨床医によって決定することができる。
治療すべき被験体は、任意の温血動物であり得るが、特に哺乳動物、より具体的にはヒトである。当業者には明らかなように、治療すべき被験体は、特に、本明細書中で言及した疾患及び障害を患っているか、又はそのリスクがあるヒトである。
本発明をここで以下の非限定的な実験部及び非限定的な図面により更に説明する。
実験部
実施例1:本発明のアミノ酸配列の例
本発明のアミノ酸配列の幾つかの非限定的な例が、下記表IIにおいて配列番号54〜配列番号74として与えられる。ヒト血清アルブミンへの結合は、配列とナノボディ2D3との融合体として求めた(実施例2及び本明細書中で言及される特許文献1の更なる実施例を参照されたい)。
表II:幾つかの好ましいが非限定的な本発明のアミノ酸配列










Figure 2013518853



















Figure 2013518853
実施例2:ナノボディ−Expedite融合タンパク質の構築及びヒト血清アルブミンとの結合の解析:
実施例2A:2D3−Expedite融合体の構築:
本発明のアミノ酸配列(例えば表IIのペプチドの1つ)を、ナノボディ2D3:
EVQLVESGGSLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMSWVRQVPGKGLEWVSSINWSGTHTDYADSVKGRFTISRNNANNTLYLQMNSLKSEDTAVYYCAKNWRDAGTTWFEKSGSAGQGTQVTVSS(配列番号47)のC末端で、好適なリンカー配列を介して、以下のC末端タグ:
AAAEQKLISEEDLNGAAHHHHHH(配列番号49)を用いて遺伝的に融合させる。
好適なリンカー配列の非限定的な例は、GGGGSGGGS(配列番号53)(Gly4Ser−Gly3Serリンカーを含む;本明細書中で9GSとも称される)、GGGGSGGGSA(配列番号48)(C末端に隣接アミノ酸残基Aを有するGly4Ser−Gly3Serリンカーを含む)及びGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号109)(本明細書中で20GSとも称される)である。
得られた融合タンパク質のヒト血清アルブミンへの結合は、表面プラズモン共鳴解析を用いて求めた。この目的のために、融合タンパク質を大腸菌TG1細胞で発現させた。融合タンパク質をIMAC/SECで精製し、HSAとの結合を、約7000RUのヒト血清アルブミン(Sigma、純度99%)及び2460RUの関連のないタンパク質抗原(参照)でコーティングしたCM5チップ上に1μM及び5μMの融合タンパク質を注入することによりビアコア(商標)3000において評価した。チップ(CM5)のコーティングを活性化にNHS/EDC及び不活性化にエタノールアミン(ビアコアアミンカップリングキット)を使用するアミンカップリングにより行った。HBS−EPを10μl/分の流速でフローバッファーとして使用した。試料20μlを120秒間注入した。2D3ナノボディを対照として注入した。結果は上記表IIに言及される。
例として、ナノボディ構築物をGly4Ser−Gly3Ser(「9GS」)リンカー配列(配列番号53)を介してペプチド80B10(配列番号56)とナノボディ2D3(配列番号47)との融合体として調製した。得られたナノボディ構築物(2D3−9GS−EXP80B10又はEXP 424と称される)の配列は以下の通りであった:
EVQLVESGGSLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMSWVRQVPGKGLEWVSSINWSGTHTDYADSVKGRFTISRNNANNTLYLQMNSLKSEDTAVYYCAKNWRDAGTTWFEKSGSAGQGTQVTVSSGGGGSGGGSYWWERRDWDFDVFGGGTP(配列番号99)。
他の本発明のアミノ酸配列(例えば表IIに言及されるもの)とナノボディ(例えば2D3)との融合体又はナノボディ構築物は、同様に任意で好適なリンカーを用いて、同様の方法で調製することができる。この融合体の幾つかの更なる非限定的な例は、実施例2B及び実施例2Cに与えられる。
また、本発明の単一ペプチドの代わりに、2つ以上(例えば2つ又は3つ)の本発明のペプチド(例えば、同じであっても又は異なっていてもよく、互いと直接、又は1つ又は複数の好適なリンカー、例えば配列番号48若しくは配列番号53のリンカーを介して連結していてもよい表IIに言及されるような2つのペプチド)を含む本発明のアミノ酸配列をナノボディと連結することができる。例えば、ナノボディは、同一であり、タンデムリピートを形成するようにリンカーを介して互いと連結した2つのこのようなペプチドと連結していてもよい。この融合体の幾つかの非限定的な例は、同様に以下の実施例2B及び実施例2Cに与えられる。
実施例2B:5F7−Expedite融合体の構築:
本発明のアミノ酸配列(例えば表IIのペプチドの1つ)を、ナノボディ5F7:
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGITFSINTMGWYRQAPGKQRELVALISSIGDTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCKRFRTAAQGTDYWGQGTQVTVSS(配列番号100)のC末端に、好適なリンカー配列(例えば、配列番号53の9GSリンカー配列)を介して、一価ペプチドとして、又はタンデムリピート配列(2つの本発明のペプチドが存在する)として遺伝的に融合させる。
例として、5F7を89D03(配列番号72)と一価型でそのように連結した。得られたナノボディ構築物(5F7−9GS−EXP89D03又はEXP413と称される)は以下の通りであった:
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGITFSINTMGWYRQAPGKQRELVALISSIGDTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCKRFRTAAQGTDYWGQGTQVTVSSGGGGSGGGSWWEQDRDWDFDVFGGGTP(配列番号101)。
5F7を同様に89D03(配列番号72)とタンデムリピート型(ここで、2つの89D03ペプチドが9GSリンカーを介して互いと連結している)で連結した。得られたナノボディ構築物(5F7−9GS−EXP89D03−9GS−EXP89D03又はEXP486と称される)の配列は以下の通りであった:
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGITFSINTMGWYRQAPGKQRELVALISSIGDTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCKRFRTAAQGTDYWGQGTQVTVSSGGGGSGGGSWWEQDRDWDFDVFGGGTPGGGGSGGGSWWEQDRDWDFDVFGGGTP(配列番号102)。
配列番号101及び配列番号102の一価構築物及びタンデムリピート構築物の結合を、約920RUのヒト血清アルブミン(Sigma、純度99%)又はカニクイザル血清アルブミン(約900RU)でコーティングしたCM5チップ上に200nM及び1μMの融合タンパク質を注入することによりビアコア(商標)3000において比較した。結果を図2に示す。タンデムExpedite構築物EXP486について、単一Expedite構築物EXP413と比較して僅かに高い応答及び明らかな結合活性効果が観察された。データから、ヒト血清アルブミン及びカニクイザル血清アルブミンに対する結合プロファイルが非常によく似ていることが示された。
本発明の他の構築物(代表的なナノボディの一例として5F7を用いる)の幾つかの非限定的な例は配列番号110〜配列番号125に与えられる。これらの構築物において、5F7は20GSリンカー(配列番号109)を介して、本発明の単一ペプチド(ここで、上記ペプチドはそれぞれ配列番号72、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107又は配列番号108の1つである)、又は9GSリンカー(配列番号53)を介して互いと連結した2つの本発明のペプチドのタンデムと連結している。
配列番号110〜配列番号116の構築物において、(例えば、本明細書中に更に記載されるように、このようなタグを含有する本発明のペプチドに対して産生されたVHHに基づくアフィニティーマトリックスを用いた)アフィニティー精製のための(C末端)タグ(の一部)となり得るVG配列をC末端に含有する本発明のペプチドを使用する。同様に、配列番号117〜配列番号125の構築物において、2つの本発明のペプチド(同じであるか又は異なり、9GSリンカーを介して連結する)を含む本発明のアミノ酸配列(ここで、タンデムのC末端にある本発明のペプチドは、このようなVG配列をC末端に含有する)を使用する。
実施例3:ヒト血清アルブミンとの本発明のアミノ酸配列の相互作用のコンピュータでのモデリング
本発明のアミノ酸配列中の3位のアミノ酸残基の相互作用、及び3位の下流の更なるアミノ酸残基の相互作用については、特許文献1(参照により本明細書中に援用される)の実施例8を参照する。
3位の上流に(即ち、特許文献1の実施例8に言及されるような3位の下流のものに加えて)存在し得る(好ましくは存在する)幾つかの好ましいアミノ酸残基の考え得る相互作用のモデリングを、Momany et al.(Momany et al. J. Phys.Chem.1975, 79, 2361-2381)に記載のパラメータに基づく力場により、ICM−Pro(Molsoft)及びDiscovery Studio(Accelrys)を使用して行った。
ヒト血清アルブミンに関しては、本明細書中の更なる開示のために、Genbankアクセッション番号AAA98797下で与えられる配列を参照する(Minghetti et al., J. Biol. Chem. 261 (15), 6747-6757 (1986)、配列番号144)。特許文献1の実施例8も参照されたい。
モデリング研究の結果を表IIIに要約する。表IIIでは、第一欄に挙げる位置に存在し得る好ましいアミノ酸残基の幾つかを第二欄に例示し、ヒト血清アルブミン上のアミノ酸残基との相互作用については第三欄に言及する。位置のナンバリングは同様に上記で言及される通りである。下線処理した残基は、疎水性残基又は芳香族残基が存在し得るヒト血清アルブミン上の小サブポケットを形成する。本発明は任意の特定の説明又は仮説に限定されないが、明らかなように、表IIIに示されるモデリングデータと、上記表IIに示される結合研究の結果との間に相関関係がある。
表III:本発明のアミノ酸配列のN末端側に存在し得る幾つかの好ましいアミノ酸残基(ヒト血清アルブミンとの相互作用)のモデリング
Figure 2013518853
この場合も、任意の特定の説明又は仮説に限定されるものではないが、モデリングデータに基づいて以下の観察結果を得ることができる。
本発明のアミノ酸配列の3位の下流(3位を含む)の部分が、特許文献1の実施例8に示される相互作用を受ける場合、ペプチドのN末端部分はヒト血清アルブミン上の疎水性残基及び芳香族残基、例えばL487、L485+脂肪族が大きく寄与する残基(例えばK490)にごく接近している。これらは、数ある残基の中でも、表IIIの下線処理したアミノ酸残基の1つ又は複数を含む疎水性サブポケットの部分を形成するようである。したがって、好ましくは本発明のアミノ酸配列がN末端側に、ヒト血清アルブミン上のこれらの残基(例えば、表IIIの第二欄に言及される残基等)との相互作用を受ける可能性のある1つ又は複数のアミノ酸残基を含有すると考えられる。
ヒト血清アルブミン上のこのサブポケットはまた、幾つかの部分的に正に荷電した残基(例えばK490及びH488)を含むようである。したがって、好ましくは、本発明のアミノ酸配列はN末端側に、ヒト血清アルブミン上のこれらの残基との相互作用を受ける可能性のある1つ又は複数の(部分的に)負に荷電したアミノ酸残基及び/又は芳香族アミノ酸残基も含有し得る(又は更に含有する)と考えられる。
本発明のアミノ酸配列のN末端部分はまた、ヒト血清アルブミン上の幾つかの部分的に負に荷電した残基、例えばD131及びN133にごく接近している可能性がある。したがって、本発明のアミノ酸配列はN末端側に、ヒト血清アルブミン上のこれらの残基との相互作用を受ける可能性のある1つ又は複数の(部分的に)正に荷電したアミノ酸残基も含有し得る(又は更に含有する)と考えられる。
実施例4:雄のカニクイザルにおける薬物動態プロファイル
以下のナノボディ構築物(各々以下で「構築物」又は「試験物」とも称される):2D3−9GS−EXP80B10(EXP424)、5F7−9GS−EXP89D03(EXP413)及び5F7−9GS−EXP89D03−9GS−EXP89D03(EXP486)の薬物動態プロファイルを、以下のプロトコルに従って、およそ3歳齢〜4歳齢の雄のカニクイザルにおいて解析し、2D3対照(以下「対照」又は「陰性対照」)と比較した。結果を下記表IVに挙げる。
構築物及び対照をそれぞれ3匹のサルに注入する。構築物及び対照は両方とも静注により2mg/kgの用量で投与する。血液試料を投与前、投与の5分後、20分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後及び16時間後、並びに注入開始後の試験2日目、3日目、5日目、7日目、9日目、12日目、15日目、18日目、21日目、24日目、27日目、30日目、33日目、36日目、39日目、42日目、45日目、48日目、51日目、54日目及び57日目に採取する。1回のサンプリング当たり1匹の動物につき少なくとも0.25mLの血清を得るために、十分な容量の全血を1回のサンプリングにつき採取し、血清を37℃で1時間のインキュベーション後に単離する。血清試料を−80℃で保存する。
血清試料を、以下のELISAアッセイを使用して構築物及び対照それぞれの血清レベルに関して試験する(本質的に同じ方法論が使用される特許文献1の実施例7、実施例13及び実施例14も参照されたい)。
96ウェルマイクロタイタープレート(Maxisorp、Nunc, Wiesbaden,Germany)を、陰性対照では3μg/mL、及び試験物では4.5μg/mLの組換えヒトErbB2/Fcキメラ、CF(R&D Systems, Minneapolis)のPBS溶液を用いて37℃で1時間コーティングする。ウェルを吸引し、SuperBlock(商標)T20PBS(Pierce, Rockford, IL)を用いて室温(RT)で30分間ブロッキングする。このブロッキング工程の後、ウェルをPBS−0.05%Tween20で洗浄する。
標準、QC試料及び試験試料の希釈液に対して調製をコーティングしていない(ポリプロピレン)プレートで行う。
検量線及びQC試料:要求される濃度の溶液をPBS0.1%カゼイン中で調製し、100%サル血清に加える。標準及びQC試料を調製するために、10倍希釈の純粋なサル血清希釈液をPBS−0.1%カゼイン中で作製する。
試験試料:試験試料の希釈倍率を推測すると、10倍〜500倍と様々であった。試料を第1の工程でPBS0.1%カゼインで10倍に希釈し、必要に応じて、10%サル血清を含有するPBS0.1%カゼインで更に希釈を行った。これらの試料希釈液を2つのウェルにおいて10%サル血清を有するPBS0.1%カゼインで更に5倍段階希釈する。
標準、QC試料及び5倍希釈の試験試料をコーティングプレート上に移し、室温で1時間インキュベートする。その後プレートを洗浄し、プロテインAに対して精製し、Her2/Fcを枯渇させたウサギポリクローナル抗VHH K1を1μg/mLでPBS0.1%カゼイン中に添加し、室温で1時間インキュベートする。洗浄後、2000倍希釈のセイヨウワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ抗体(Dakocytomation, Denmark)のPBS0.1%カゼイン溶液をプレートに添加し、室温で30分間インキュベートする。この酵素は基質sTMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、SDTの試薬、Brussels, Belgium)と共に化学反応を触媒し、比色変化をもたらす。HCl(1N)を使用して15分後にこの反応を停止させた後、色の強度を、450nmの光の波長を使用して反応生成物の光学密度を求める分光光度計により測定する。
平均血清濃度を、MicrosoftのExcel 2007を用いて1つの用量群及び1つのサンプリング時点当たりで算出した。2つの値のうち1つが<LLOQであった場合、BQL値を0に設定し、平均を算出した。平均が<LLOQであった場合、BQLを報告し、そうでなければ平均を報告した。両方の値がLLOQ未満であった場合、BQLを報告した。薬物動態解析については、全ての実際の血液サンプリング時間として使用された基準時間は、プロトコル指定の基準時間の5%以内であった。
個々の血清濃度−時間プロファイルを、WinNonlin Pro 5.1(Pharsight Corporation、USA;2006)を用いた非コンパートメント解析(NCA)(モデル201、静脈内ボーラス注射)に供した。線形上昇/対数減少論(lin up/log down rule)を用いて曲線下面積(AUC)を推定した。LLOQを超える2つの値の間に含まれていた場合に0に設定したことを除き、LLOQ値を欠測値(missing)として扱った。時点0の濃度(C0)を、2つの最初のデータ点に基づき逆算により推定した。終末消失半減期(t1/2)を、終末相の対数線形部の非ゼロ濃度−時間データの対数線形回帰を用いて自動的に算出した(ベストフィット)。3点の最小値をλzの決定に関して考慮した。
以下の主要薬物動態パラメータを推定した:時点0での予測血清濃度(C)、無限大に外挿した血清濃度−時間曲線下面積(AUCinf)、全身クリアランス(CL)、定常状態の見掛けの分布容積(Vdss)及び終末半減期(t1/2、終末)。
表IVには、雄のカニクイザルにおける2mg/kg体重での単回静脈内(ボーラス)投与後のEXP413、EXP424及びEXP486の平均(±s.d.、n=3)血清濃度−時間プロファイルを、対応する主要薬物動態パラメータと共にまとめる。
EXP424の平均(n=3)予測用量正規化最大血清レベル(用量正規化C)は54.1μg/mlであった。EXP413(59.2μg/ml)及びEXP486(53.9μg/ml)についても同様の値が算出された。
EXP424の平均(n=3)推定クリアランス値及びVdss値は、それぞれ28.3mL/日×kg及び69mL/kgであった。一価型の89D03(配列番号72)と連結したナノボディ5F7を含有するEXP413についての対応する値は、19.4mL/日×kg及び48.7mL/kgであり、タンデムリピート型の89D03(配列番号72)を含有するEXP486(ここで、2つの89D03ペプチドは9GSリンカーを介して互いと連結している)についての対応する値は、10.3mL/日×kg及び59.3mL/kgとなった。
EXP424についての推定平均半減期(t1/2終末)は、37.6時間(即ち1.6日)であった。EXP413についての平均半減期は31.2時間(即ち1.3日)であり、EXP486については84.5時間(即ち3.5日)であった。
表IV:雄のカニクイザルにおけるEXP424、EXP413及びEXP486それぞれ2mg/kgでの静脈内ボーラス投与後のEXP424、EXP413及びEXP486の主要薬物動態パラメータ(平均±SD、n=3)
Figure 2013518853
用いられている用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、このような用語及び表現の使用においては、図示及び説明される特徴又はその一部の任意の均等物を排除するようには意図されず、様々な変更が本発明の範囲内で可能であることが認められる。
本明細書中で開示される参考文献は全て、特に上記で言及される教示に関して参照により援用される。

Claims (11)

  1. アミノ酸配列が、以下のa)〜c)のうちのいずれか2つ又は3つ全てのアミノ酸残基を含み:
    a)Arg(R)残基であって、該Arg(R)残基はヒト血清アルブミンのアミノ酸残基Asn(N)133及びAsn(N)135と水素結合を形成することが可能であり、かつ/もしくは
    ヒト血清アルブミンのPro(P)134残基及びLeu(L)136残基の主鎖の酸素原子と静電相互作用を形成することが可能であり、及び/又は
    b)Trp(W)残基であって、該Trp(W)残基はヒト血清アルブミンのArg(R)138残基と静電相互作用を形成することが可能であり、及び/又は
    c)配列モチーフGGG、
    かつ、ヒト血清アルブミンのアミノ酸残基である、V442、S443、T446、L484、L487、H488、K490、T491及び/又はV493のうちの(少なくとも)1つ若しくは複数のアミノ酸残基を含む(ヒト)血清アルブミンのサブポケット(内)に結合することができる、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基及び/若しくは芳香族アミノ酸残基を前記Arg残基の上流にさらに含む、アミノ酸配列。
  2. 配列モチーフRXWD(ここで、XはW、Y、F、S又はDから選ばれる)及び配列モチーフFGGG(配列番号6)、又は配列モチーフDVFGGG(配列番号15)若しくはTVFGGG(配列番号131)を含む、請求項1に記載のアミノ酸配列。
  3. アミノ酸配列を治療部、化合物、タンパク質又は他の治療実体と連結又は融合して得られた化合物が、前記治療部、化合物、タンパク質若しくは他の治療実体が配列番号1のアミノ酸配列と連結若しくは融合された対応する化合物若しくは構築物よりも長い半減期を有するか、又は前記治療部、化合物、タンパク質若しくは他の治療実体が配列番号75、配列番号76及び/若しくは配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つと連結若しくは融合された対応する化合物若しくは構築物と同じか、若しくは対応する化合物若しくは構築物よりも長い半減期を有するものである、請求項1又は2に記載のアミノ酸配列。
  4. カニクイザル(マカク・ファシクラリス)由来の血清アルブミンと交差反応性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミノ酸配列。
  5. 少なくとも1つの請求項1〜4のいずれか一項に記載のアミノ酸配列と少なくとも1つの治療部とを含む化合物又は構築物。
  6. 少なくとも2つの請求項1〜5のいずれか一項に記載のアミノ酸配列と少なくとも1つの治療部とを含む化合物又は構築物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を少なくとも2つ含む少なくとも1つのタンデムリピートと少なくとも1つの治療部とを含む化合物又は構築物。
  8. 少なくとも1つの請求項1〜7のいずれか一項に記載のアミノ酸配列と少なくとも1つの治療部とを含む化合物又は構築物であって、前記化合物又は構築物が、前記アミノ酸配列の代わりにアミノ酸配列AASYSDYDVFGGGTDFGP(配列番号1)を含むものであり、対応する化合物より長い半減期(本明細書中で規定する)を有し、又は前記アミノ酸配列の代わりに配列番号75、配列番号76若しくは配列番号77のアミノ酸配列のうちの1つを含む、対応する化合物と同程度の、若しくは対応する化合物より長い半減期(本明細書中で規定する)を有する、化合物又は構築物。
  9. 融合タンパク質又はポリペプチドである、請求項7又は8に記載の化合物又は構築物。
  10. 少なくとも1つの治療部が、免疫グロブリン可変ドメイン又はその抗原結合断片を含む免疫グロブリン配列又はその抗原結合断片を含むか又はこれから本質的になる、請求項7〜9のいずれか一項に記載の化合物又は構築物。
  11. 少なくとも1つの治療部が、(単一)ドメイン抗体、「dAb」若しくはナノボディ(商標)を含むか、又はこれから本質的になる、請求項13に記載の化合物又は構築物。
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