JP4180112B2 - 酵母細胞におけるn末端を伸長されたタンパクの発現のためのベクター - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、真核生物細胞(好ましくは酵母細胞)において発現及びプロセッシングされたポリペプチド、前記ポリペプチドをコードするDNA配列を具備するDNA構築物、前記DNA断片を有するベクター、及び前記ベクターで形質転換した細胞(酵母細胞を含む)、並びに酵母における異種タンパクの産生方法に関する。
発明の背景
酵母生物体は、細胞内で合成され、細胞の外で機能する多くのタンパクを産生する。その様な細胞外タンパクは、分泌タンパクと呼ばれている。これらの分泌タンパクは、先ず最初に、前駆物質、又は予備形態(preform)[発現された生成物が小胞体(ER)の膜を横切る効果的な方向付けを確実にするプレ配列(presequence)を含む]として細胞内に発現される。プレ配列(通常シグナルペプチドと呼ばれる)は、一般的に移動中に必要な生成物から切り取られる。分泌経路に侵入すると、タンパクはゴルジ装置に輸送される。ゴルジからのタンパクは、細胞液胞や細胞膜のような画分に導かれる異なる経路に入って、又は細胞外に送られて細胞外の培地に分泌されてもよい(Pfeffer,S.R.and Rothman,J.E.Ann.Rev.Biochem.56(1987),829-852)。
幾つかの研究方法が、酵母に対して異種であるタンパクを、酵母において発現及び分泌するために示唆されてきた。欧州公開番号第0088632A号は、酵母の異種タンパクを発現し、プロセッシングし、更に分泌させる方法であって、DNA(所望するタンパクおよびシグナルペプチドをコードする)を導入した発現ベクターで酵母生物体を形質転換することと、形質転換した生物体の培養体を調製することと、その培養体を増殖させることと、及び該培養液からタンパクを回収することとによる方法を開示している。前記のシグナルペプチドは、所望するタンパク自身のシグナルペプチド、異種シグナルペプチド、又は本来のペプチドと異種シグナルペプチドのハイブリッドであってもよい。
酵母に対して異種のシグナルペプチドを使用するときに直面する問題は、異種シグナルペプチドが、効率のよい移動および/またはシグナルペプチドの後方での前駆体ポリペプチドを切除することを確実に実行できない可能性があることである。
サッカロミセス・セレビシアエ・MFα1(Saccharomyces cerevisiae MFα1:α因子)は、19アミノ酸長シグナル若しくはペプチドと、それに続く64アミノ酸長「リーダー」を具備する165アミノ酸プレプロ体[3つのN−結合グルコシレーション部位が包含し、(LysArg(Asp/Glu,Ala)2-3α因子)4がその後に続いている]として合成される。プレプロMFα1のシグナル-リーダー部分は、S.セレビシアエにおける異種タンパクの合成および分泌を獲得するために広く使用されてきた。
酵母に対して異種であるシグナル/リーダーペプチドの使用は、なかんずく、米国特許第4,546,082号、欧州特許第0116201A号、0123294A号、0123544A号、0163529A号、0123289A号及び欧州特許第0100561B号から知られている。
欧州特許第0123289A号において、S.セレビシアエα因子前駆体の利用が開示されているのに対し、欧州特許第100561号は、サッカロミセス・セレビシアエ・PH05シグナルの利用を開示しており、更にPCT国際公開番号WO 95/02059は、外来タンパク分泌のためのYAP3シグナルペプチドを利用することについて開示している。
米国特許第4,546,082号及び欧州特許公開第0016201A号、0123294A号、0123544A号及び0163529A号は、酵母において発現された異種タンパクの分泌方法において、サッカロミセス・セレビシアエ(MFα1又はMFα2)由来のα−因子シグナルリーダーを利用する方法を開示している。所望するタンパクの遺伝子の5’末端で、S.セレビシアエMFα1シグナル/リーダー配列をコードするDNA配列を融合することにより、所望するタンパクの分泌及びプロセッシングが決定された。
欧州特許第206783号は、S.セレビシアエ由来のポリペプチドの分泌系を開示しており、それによると、α因子リーダー配列が切って短くされ、本来のリーダー配列に存在する4つのα因子ペプチドを除去する。これは、α因子プロセッシング部位であるLys-Arg-Glu-Ala-Glu-Alaを介して異質ポリペプチドに融合させたそれ自身のリーダーペプチドを残すためである。この構築は、より小さいペプチド(50アミノ酸未満)の生成にとっては効率のよいプロセッシングを導くことを示している。より大きなポリペプチドの分泌及びプロセッシングのためには、本来のα因子リーダー配列を切って短くし、リーダーペプチドとポリペプチドとの間の1又は2のα因子ペプチドを残す。
多数の分泌されたタンパクは、順次タンパク分解プロセッシング系(カルボキシ末端で2つの連続した塩基性アミノ酸でなるペプチド結合を切断できる)に曝される。この酵素による活性は、S.セレビシアエでは、KEX2遺伝子によりコードされる(Julius,D.A.ら、Cell 37(1984b),1075)。KEX2プロテアーゼによる前記生成物のプロセッシングは、因子α1(MFα1又はα因子)に関する活性化S.セレビシアエの分泌には必要とされるが、因子aに関する活性化S.セレビシアエの分泌には関連性がない。
分泌されるべきポリペプチドの分泌及び適切なプロセッシングは、上記で挙げられた文献に示されるように、構築されたベクターで形質転換する酵母生物体を培養した幾つかの場合で得られる。しかしながら、多くの場合、分泌のレベルは非常に低いか、分泌が見られず、又は蛋白分解のプロセッシングが不適格若しくは不完全であることもある。PCT国際公開番号第WO 90/10075号に記述されるように、これは、ある点では、リーダーペプチドのC末端と異種タンパクのN末端との間に位置するプロセッシング部位の暴露が、不十分であるため、その蛋白分解切断が困難か、またはこれが容易でないことに起因すると考えられている。
国際公開番号第WO 90/10075号は、リーダーペプチドのC末端及び/又はリーダーペプチドに融合された異種ポリペプチドのN末端にあるプロセッシング部位の近くにある一定の修飾を提供することにより得られた、異種ポリペプチドの改良されたプロセッシングを有する酵母発現系を記述している。このように、的確なプロセッシングをしたタンパクの方が、修飾を行わなかったリーダーペプチド-異種ポリペプチド構造体を用いたよりも高収率で得ることが可能である。本発明の目的は、リーダーペプチドに融合した異種ポリペプチドの新規N末端修飾(より効率的な発現及び/又はプロセッシングを確定できる)を提供すること、並びに異種ポリペプチドのN末端の伸長部分の切除を改善した異種ポリペプチドの新規N末端修飾を提供することである。
発明の概要
本発明は、培養用培地からの生産物の精製中、又はその後に、インビトロにおけるタンパク分解により切り取ることが可能な伸長部分として設計された、異種ポリペプチドのN末端の修飾を記述している。
本発明は、以下の構造を持ったポリペプチドをコードするDNA構築物に関する:
シグナルペプチド−リーダーペプチド−EEAEPK−異種タンパク。
IUPAC-IUB生化学命名法委員会(IUPAC-IUB Commission of Biochemical Nomenclature)により認定された規定(1974)に従って、慣習的なアミノ酸の1文字コードを本明細書及びクレームにおいて一貫して使用した。
本明細書に関して、「シグナルペプチド」の語は、プレ配列(酵母において発現される細胞外タンパクの前駆体フォームのN末端配列として存在する)を意味することが理解される。シグナルペプチドの機能は、異種タンパクを分泌するために小胞体に送り込むことである。シグナルペプチドは、通常、この過程の途中で切り離される。シグナルペプチドは、タンパクを産生する酵母生物体に対して異種(heterologous)であっても同種(homologous)であってもよい。本発明における好ましいシグナルペプチドは、酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド、又はその何れかの機能的な類似物である。YAP3は、イーグル−ミタニら(Egel-Mitani, M.et al.,YEAST,6,p.127-137,1990)により、クローニングされ、特徴付けされている。
「リーダーペプチド」という表現は、プロペプチド配列の形態にあるペプチドを指すことが理解されるであろう。その機能は、培地中に分泌するために、異種タンパクを分泌させ、小胞体からゴルジ装置に、更に、分泌胞(secretory vesicle)へと方向づけすることである[即ち、発現されたタンパク又はポリペプチドを細胞膜及び(もし存在するならば)細胞壁を経て細胞外に輸送することであり、又は、少なくとも細胞膜を経て、細胞壁を有する細胞のペリプラズム間隙に輸送することである]。好ましくは、リーダーペプチドは、ここで開示した配列認識番号5のようなLA19リーダーペプチドである。
「異種タンパク」という表現は、ホスト生物体において、その本来の性質では産生されないタンパク又はポリペプチドを示すことを意図し、好ましくは、酵母において、その本来の性質では産生されないポリペプチドを示す。しかしながら、当業者にとっては、同種ポリペプチドを産生すること(哺乳類の細胞におけるグルカゴンの産生のような場合)、また前記ポリペプチドも「異種タンパク」の意味に含まれることが分かるであろう。
配列EEAEPKは、異種ポリペプチドのN末端での伸長部分を形成する。この伸長部分は、発酵の収量を増加させる(increases the fermentation yield)のみではなく、ジペプチジルアミノペプチダーゼ(DPAP A)プロセッシングに対する保護を提供し、ポリペプチドの同種N末端を生じる。伸長部分は、発酵中の蛋白分解性の切断に抵抗するように構成され、その結果、その後にインビトロにおける成熟のために、N末端が伸長された異種タンパク生成物を培養用培地から精製することができる[例えば、トリプシン又はアクロモバクターリチクスプロテアーゼI(Achromobacter lyticus protease I)による]。N末端の伸長部分EEAEPKの必要なインビトロにおける除去は、トリプシン又はアクロモバクターリチクスプロテアーゼIの何れかにより難なく達成され、おそらくこれは、N末端伸長ペプチドの融通性のためであり、これにより成熟した異種タンパクの収量が改善される。
本発明は、更に、真核生物細胞、好ましくは酵母細胞において複製が可能な、且つ本発明のDNA構築物を有する組替え発現ベクターに関する。好ましくは、DNA構築物は、合成リーダーペプチド、好ましくはLA19リーダーペプチドを具備する。加えて、本発明は、本願の図2に記述するDNA構築物に関する。本発明はまた、異種タンパク発現が可能であり、且つ本発明のベクターで形質転換した真核生物細胞、好ましくは酵母細胞に関する。
更に、本発明は、酵母における異種タンパク産生のための方法であって、形質転換した酵母株を適切な培地中で培養して、異種タンパクを発現及び分泌させること、その後にそのタンパクを培地及び/又は細胞から単離することとを具備する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
添付した図面を参照しながら更に本発明を説明する、
ここで、
図1は、本発明のN末端伸長ポリペプチドを発現する遺伝子を含有する発現プラスミドpAK729を示し、以下の記号を使用している:
TPI-プロモーター:S.セレビシアエ由来のTPI遺伝子プロモーター配列を示す。
2:シグナル/リーダーペプチド(例えば、EEAEPK N末端伸長MI3インスリン前駆体を伴ったYAP3シグナルペプチドおよびLA19リーダーペプチド由来)をコードする領域を示す。
TPI-ターミネーター:S.セレビシアエのTPI遺伝子ターミネーター配列を示す。
TPI-ポンベ:S.ポンベ由来のTPI遺伝子を示す。
オリジン:S.セレビシアエにおけるDNA複製のそのオリジンを含んだS.セレビシアエ2μプラスミド由来の配列を示す。
AMP-R:アンピシリン抵抗性遺伝子および大腸菌中のDNA複製のオリジンを含むpBR322/pUC13由来の配列。
配列認識番号1は、YAP3シグナルペプチド(アミノ酸番号2から21)、LA19リーダーペプチド(アミノ酸番号22から64)、N末端伸長EEAEPK(アミノ酸番号65から70)、MI3インスリン前駆体Bchain(1-29)-Ala-Ala-Lys-Achain(1-21)(アミノ酸番号71から123)をコードするpAK729のDNA配列及びアミノ酸配列である。
配列認識番号2は、例2のYAP3シグナルペプチド-LA19リーダーEEAEPK-MI1インスリン前駆体複合体をコードするpAK733のDNA配列及びアミノ酸配列である。
配列認識番号3は、例3のYAP3シグナルペプチド-LA19リーダーEEAEPK-MI5インスリン前駆体複合体をコードするpAK749のDNA配列及びアミノ酸配列である。
配列認識番号4は、例4のYAP3シグナルペプチド-LA19リーダーEEAEPK-X14インスリン前駆体複合体をコードするpAK866のDNA配列及びアミノ酸配列である。
配列認識番号5は、LA19リーダーDNA配列である。
発明の詳細な説明
本発明の方法により生成したN末端伸長異種タンパクは、真核生物細胞、好ましくは酵母細胞において都合よく産生され得る何れのタンパクであってもよい。その様なタンパクの例は、アプロチニン(aprotinin)、ティッシュファクターパスウェイインヒビター(tisuue factor pathway inhibitor)、又は他のプロテアーゼインヒビター、及びインスリン又はインスリン前駆体、インスリン類似物、インスリン様成長因子I、II、ヒト成長ホルモン及びウシ成長ホルモン、インターロイキン、組織型プラスミノーゲンアクチベーター、トランスフォーミンググロースファクターa又はb、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、グルカゴン様ペプチド2(GLP-2)、GRPP、第VII因子、第VIII因子、第XIII因子、血小板由来成長因子、リパーゼ等の酵素、又はこれらタンパクの何れか一つの機能的な類似物が挙げられる。本明細書に関して、「機能的な類似物」の語は、本来のタンパクと同様な機能を有するポリペプチドを意味する(これは本来のタンパクの生物学的な活性のレベルと言うよりは寧ろ、その性質に関することが理解されることを意図する)。ポリペプチドは、本来のタンパクと構造上同じであってよく、本来のタンパクに由来していてもよい(本来のタンパクのC末端およびN末端のどちらか一方または両方に、1以上のアミノ酸を付加すること、本来のアミノ酸配列における1以上の異なる部位で、1以上のアミノ酸を置換すること、本来のタンパク質のアミノ酸配列における1末端若しくは両末端、又は1以上の部位において1以上のアミノ酸が欠失していること、又は本来のアミノ酸配列の1以上の部位で1以上のアミノ酸を挿入することによる)。その様な修飾は、上記で言及したタンパクの幾つかにおいてよく知られている。
「インスリン前駆体」又は「インスリン類似物の前駆体」により、プロインスリンを含む単鎖ポリペプチド(1以上のその後の化学的及び/又は酵素的な方法により、天然のヒトインスリンで見られるような3つのジスルフィドによる架橋の適切な確立を持つ2重鎖インスリン又はインスリン類似体分子に変換され得る)であることが理解される。このような方法で産生可能なインスリン又はインスリン類似物の例は、ヒトインスリン、好ましくはデス(B30)ヒトインスリン、ブタインスリン;及び少なくとも1Lys又はArgを有するインスリン類似物、好ましくは、PheB1を欠失したインスリン類似物、A鎖及び/又はB鎖がN末端伸長を有するインスリン類似物、及びA鎖及び/又はB鎖がC末端伸長を有するインスリン類似物である。他の好ましいインスリン類似物は、1以上のアミノ酸残基、好ましくは1、2又は3のアミノ酸残基が他のコードされ得るアミノ酸残基により置換されたようなものである。例えば、親インスリンは、A21の位置におけるAsnの代わりに、Ala、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Met、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValからなる群、詳しくはGly、Ala、Ser及びThrからなる群より選択されたアミノ酸残基を持つことが可能である。また、インスリン類似物は、上記の概略のような変更を組み合わせることにより修飾することも可能である。同様に、親インスリンは、B28の位置におけるProの代わりに、Asp、Lys等からなる群から選択したアミノ酸残基を有すること、及び親インスリンは、B29の位置におけるLysの代わりに、アミノ酸Proをもつことが出来る。ここで用いた「コードされ得るアミノ酸残基」の表現は、遺伝子コード、即ち、3ヌクレオチド(「コドン」)によりコードされ得るアミノ酸残基を表す。
最も好ましいインスリン前駆体は、MI1、B(1-29)-A(1-21);MI3、B(1-29)-Ala-Ala-Lys-A(1-21)(例えば、欧州特許第163 529号に記述される);X14、B(1-27-Asp-Lys)-Ala-Ala-Lys-A(1-21)(例えば、国際公開番号第95/00550号に記述される);B(1-27-Asp-Lys)-A(1-21);B(1-27-Asp-Lys)-Ser-Asp-Asp-Ala-Lys-A(1-21);B(1-29)-Ala-Ala-Arg-A(1-21)(例えば、国際公開番号第95/07931号に記述される);M15、B(1-29)-Ser-Asp-Asp-Ala-Lys-A(1-21);及びB(1-29)-Ser-Asp-Asp-Ala-Arg-A(1-21)である。
本発明のポリペプチドをコードする本発明のDNA構築物は、確立された標準的な方法により合成して製造することができる[例えば、ビューケージらにより記述されたホスホアミダイト法(phosphoamidite method;S.L.Beaucage and M.H.Caruthers,Tetrahedron Letters 22,1981,pp.1859-1869)、又はマテスらにより記述された方法(Matthes et al.,EMBO Journal 3,1984,pp.801-805)]。ホスホアミダイト法により、オリゴヌクレオチドを合成し(例えば、自動DNA合成装置を用いて)、精製し、二重鎖にし、結合して合成DNA構築物を形成する。DNA構築物を製造する一般的に好ましい方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、例えば、サンブルックらにより記述される(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY,1989)。
本発明のDNA構築物は、また、ゲノムオリジン又はcDNAオリジン、例えば、標準技術(Sambrood et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,1989を参照されたい)による本発明のポリペプチドの全部又は一部分をコードするDNA配列の、ゲノム又はcDNAライブラリー構築及びスクリーニングを前もって行うことにより得ることが出来る。この場合、シグナル及びリーダーペプチドをコードするゲノム又はcDNAを、異質タンパクをコードするゲノム又はcDNA配列に結合してもよく、その後にDNA配列をポリペプチドのアミノ酸配列EEAEPKに対応する部位で修飾してもよい(同種組替えのために必要なアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドを、周知の方法、又は適切なオリゴヌクレオチドを用いたPCRにより好ましく生成された必要な配列を挿入することによる)。
最後に、DNA構築物は、ゲノム又はcDNAオリジンの断片(即ち、完全なDNA構築物のウイルス部分に相当する断片)をアニーリングすることにより標準技術に従って適切に調製した混合した合成オリジンとゲノムオリジン、混合した合成オリジンとcDNAオリジン、又は混合したゲノムオリジンとcDNAオリジンであってもよい。例えば、異種タンパクをコードするDNA配列が、ゲノム又はcDNAオリジンであってもよく、同時に、シグナル及びリーダーペプチドをコードする配列、並びにN末端伸長EEAEPKをコードする配列を合成により調製してもよいと認識できる。
1つの局面において、本発明は、酵母において複製が可能であり、且つ上記のポリペプチドをコードするDNA構築物を有する組替え発現ベクターに関する。該組替え発現ベクターは、酵母生物体において複製が可能である如何なるベクターでもよい。該ベクターにおいて、本発明のポリペプチドをコードするDNA配列は、適切なプロモーター配列に作動的に結合されるべきである。該プロモーターは、酵母において転写活性を示し、且つ酵母に対する同種タンパク又は異種タンパクの何れかをコードする遺伝子に由来する何れのDNA配列でもよい。プロモーターは、好ましくは酵母に対して同種のタンパクをコードする遺伝子に由来する。適切なプロモーターの例は、サッカロミセス・セレビシアエMα1、TPI、ADH又はPGKプロモーターである。
本発明のポリペプチドをコードするDNA配列は、また、適切なターミネーター[例えば、TPIターミネーター(T.Alber and G.Kawasaki,J.Mol.Appl.Genet.1,1982,pp.419-434を参照されたい)]に作動的に結合する。
本発明の組替え発現ベクターは、酵母において複製が可能なDNA配列を具備する。その様な配列の例は、酵母プラスミド2μ複製遺伝子REP1-3及び複製のオリジンである。本ベクターは、また、選択性可能なマーカー(例えば、P.R.Russell,Gene 40,1985,pp.125-130に記述されるシゾサッカロミセス・ポンペTPI遺伝子)である。
本発明のポリペプチドをコードするDNA配列(即ち、プロモーター及びターミネーター)の結合に使用される方法、酵母の複製に必要な情報を備えた適切な酵母ベクターにそれらを挿入する方法は、当業者に周知である(Sambrook et al.,の上述の引用文献を参照されたい)。該ベクターは、まず、本発明のポリペプチドをコードする完全なDNA配列を含むDNA構築物を調製し、次に、この断片を適切な発現ベクターに挿入し、又は、続いて個々の要素(シグナル、リーダー又は異種タンパク)のための遺伝子情報を含むDNA断片を挿入し、続いて結合することにより構築できることが理解されるであろう。
本発明の方法で使用される酵母生物体又は真核生物ホスト細胞は、培養系において、大量の当該異種タンパク又はポリペプチドを産生する何れの適切な酵母生物体でもよい。適切な酵母生物体の例は、以下;酵母種サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・クルイビリ(Saccharomyces Kluyveri)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、サッカロミセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・クルイベリ(Pichia Kluyveri)、ヤロウイア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)、カンジダ・sp.(Candida sp.)、カンジダ・ウチリス(Candida utilis)、カンジダ・カカオイ(Candida cacaoi)、ゲオトリクウム・sp.(Geotrichum sp.)及びゲオトリクウム・フェロメンタンス(Geotrichum fermentans);から選択された株、好ましくは酵母種サッカロミセス・セレビシアエである。当業者にとっては、ホスト生物体として、何れの他の真核生物細胞[アスペルギルス(Aspergillus)属の細胞、ストレプトミセス(Streptomyces)属の細胞、昆虫細胞又は哺乳動物細胞等]からも選択することが可能であることが明らかであると見なされるであろう。
酵母細胞の形質転換は、例えば、プロトプラスト形成により達成されて、本質的に知られる方法での形質転換が後に続く。該細胞の培養で使用される培地は、酵母又はガニスムス(ganisms)が成長するために適切な従来の何れの培地でもよい。分泌される異種タンパク(そのかなりの割合が、正確にプロセッシングされた形態で培地中に存在するであろう)は、従来の方法[遠心又は濾過による培地からの酵母細胞の分離、塩析(例えば、硫酸アンモニウム)によるタンパク類の沈澱、続くクロマトグラフィ法(例えば、イオン交換クロマトグラフィ、アフィニティクロマトグラフィ等)による精製を含む]により培地から回収されてよい。タンパクが、ペリプラズム間隙に分泌される場合は、細胞を酵素的又は機械的に粉砕しする。
培養用培地又はペリプラズム間隙への分泌の後、タンパクを様々な手段に処して、配列EEAEPKを取り除いてよい。
伸長は、発酵の間、DPAP等の酵母プロテアーゼのタンパク分解活性に対して異種タンパクのN末端を保護しているので、伸長部分は異種タンパクに安定して結合していることは明らかである。また、異種タンパクにおけるN末端伸長は、該タンパクの化学的なプロセッシング中に、異種タンパクのN末端のアミノ酸基を保護するために用いてもよい(即ち、BOC又は同様な保護基の置換基として用いてもよい)。その様な場合、アミノ酸配列EEAEPKを、回収した異種タンパクから、蛋白分解酵素(塩基性アミノ酸に特異的、即ちK(Lys))を用いた手段により取り除いてもよく、その結果、末端伸長部分は、Kの位置で切除される。その様な蛋白分解酵素の例は、トリプシン、又はアクロモバクター・リチクス・プロテアーゼIである。
本発明を、以下の例において更に詳しく説明するが、何れにしても以下の記述により本発明の範囲が制限されることはない。
例1.EEAPK-MI3インスリン前駆体を発現する酵母株yAK729の構築
N末端伸長インスリン前駆体EEAEPK-MI3のN末端伸長部をコードする合成遺伝子を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築した。
以下の2オリゴヌクレオチドが合成された:
Figure 0004180112
オリゴヌクレトチドは、自動DNA合成装置(アプライド・バイオシステムズ・モデル380A)を用いて、ホスホアミダイト・ケミストリー(phosphoamidite chemistry)及び商業的に入手可能な試薬(Beaucage,S.L.and Caruthers,M.H.,Tetrahedron Letters 22(1981)1859-1869)を用いて合成した。
以下のPCRは、PwoDNAポリメラーゼ(ベーリンガー・マンハイム・GmbH,Sandhoefter Strasse 116,Mannheim,Germany)を用いて、製造業者の使用説明書に従って行った。PCR mixには、100μlの鉱油を被せた(シグマ・ケミカル・Co.,St.Louis MO,USA)。
PCR
5μl オリゴヌクレオチド#672(50pmol)
5μl オリゴヌクレオチド#2785(50pmol)
10μl 10X PCR緩衝液
8μl dNTP mix
0.5μl Pwo酵素
テンプレートとして0.5μl pAK680プラスミド(0.2μgDNA)
71μl蒸留水
全12サイクル行い、1サイクルは94C、45se.;40C、1min;72C、1.5minで行った。次にPCR混合物を2.5%アガロースゲル上に位置し、電気泳動を標準技術(Sambrook J,Fritsch El and Maniatis T,Molecular cloning,Cold Spring harbour laboratory press,1989)を用いて行った。得られたDNA断片は、アガロースゲルから切り抜き、ジーン・クリーン・キット(gene clean Kit;Bio 101 inc.,PO BOX 2284,La Jolla,CA 92038,USA)により製造業者の説明書に従って単離した。
精製したPCR DNA断片を14μlの水及び制限エンドヌクレアーゼ緩衝液に溶解し、制限エンドヌクレアーゼNcol及びXbalを用いて標準技術(Sambrook J,Fritsch EF and Maniatis T,Molecular cloning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)に従い切断した。209ヌクレオチド塩基対におけるNcol-Xbal DNA断片を、アガロース電気泳動に供し、上述のジーン・クリーン・キットを用いて精製した。
プラスミドpAK721(図1を参照されたい)を制限エンドヌクレアーゼであるBgIII及びXbalにより切断し、10849ヌクレオチド塩基対のベクター断片を、上述のジーン・クリーン・キットを用いて単離した。プラスミドpAK721は、制限エンドヌクレアーゼBgIII及びNcolで切断し、160ヌクレオチド塩基対のDNA断片を上記のジーン・クリーン・キットを用いて単離した。3つのDNA断片をT4 DNAリガーゼと標準条件(Sambrook J,Fritsch EF and Maniatis T,Molecular cloning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)を用いて互いに結合した。次にリゲーションミックス(ligation mix)を適合する大腸菌株(E.coli strain;R-,M+)中にトランスフォームし、続いて、アンピシリン抵抗性により選択した。
得られた大腸菌由来のプラスミドを標準技術(Sambrook J,Fritsch EF and Maniatis T,Molecular colning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)を用いて単離し、適切な制限エンドヌクレアーゼ(即ち、Nco I及びXbal)を用いて挿入を確認した。選択されたプラスミドが、EEAEPK-MI3インスリン前駆体DNAのための正確なDNA配列をコードしていることと、合成LA19リーダーDNAをコードするDNAの後に挿入されていることとが、DNA配列分析(Sequenase,U.S.Biochemica Corp.,USA)により示された。該プラスミドはpAK729と命名された。
YAP3シグナルペプチド-LA19リーダーEEAEPK-MI3インスリン前駆体複合体をコードするDNA配列は、配列認識番号1に示した。
プラスミドpAK721を、国際出願番号PCT/DK95/00250に記述の通りにS.セレビシアエ株MT663中にトランスフォームし、得られた株をyAK721と命名した。
酵母発現プラスミドpAK729は、C-POT型(図1を参照されたし)であり、国際公開番号第WO EP 171 142号に記述されたものと同じであり、プラスミド選択、及びS.セレビシアエでの安定化のために、シゾサッカロミセス・ポンベりん酸トリオースイソメラーゼ遺伝子(POT)を含んでいる。pAK729はまた、S.セレビシアエりん酸トリオースイソメラーゼプロモーター及びターミネーターも含んでいる。プロモーター及びターミネーターは、YAP3シグナルペプチド−LA19リーダーペプチド−EEAEPK-MI3インスリン前駆体をコードするEcoRIXbal断片の間の配列を除いたプラスミドの全配列である時に、プラスミドpKFN1003(国際公開番号WO90/100075号に記述される)に記述されたものと同じとなる。
例2.EEAEPK-MI3インスリン前駆体を発現している酵母株yAK733の構築
N末端が伸長されたインスリン前駆体であるEEAEPK-MI1のN末端伸長部分をコードする合成遺伝子をリーダー及び伸長及びインスリン前駆体を、コードする種々のDNA断片を組み合わせることにより構築した。
プラスミドpAK721(図1を参照されたい)を制限エンドヌクレアーゼBgIII及びXbalを用いて切断し、10849ヌクレオチド塩基対のベクター断片を上述のジーン・クリーン・キットを使用して単離した。
プラスミドpAK730を、制限エンドヌクレアーゼHindIII及びXbaIを用いて切断し、131ヌクレオチド塩基対のDNA断片を上述のジーン・クリーン・キットを使用して単離した。
プラスミドpAK729を制限エンドヌクレアーゼBgIII及びHindIIIを用いて切断し、229ヌクレオチドのDNA断片を上述のように単離した。
3つのDNA断片を、T4 DNAリガーゼと標準条件(Sambrook J,Fritsch EF and Maniatis T,Molecular cloning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)を使用して互いに結合した。次に、リゲーションミックスを適合する大腸菌株(R-,M+)にトランスフォームし、続いて、アンピシリン抵抗性を用いて選択した。得られた大腸菌由来からプラスミドを標準技術(Sambrook J,Fritsch EL and Maniatis T,Molecular cloning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)を使用して単離し、適切な制限エンドヌクレアーゼを用いて挿入物を確認した。選択したプラスミドは、DNA配列分析(Sequenase,U.S. Biochemical Corp.,USA)により、EEAEPK-MI1インスリン前駆体DNAに対して正確なDNA配列をコードしていること、及び合成LA19リーダー及び伸長DNAをコードするDNAの後ろに挿入されていることが示された。このプラスミドはpAK733と命名された。
YAP3シグナルペプチド-LA19-リーダーEEAEPK-MI1インスリン前駆体複合体をコードするDNA配列を配列認識番号2に示した。
プラスミドpAK733を国際出願番号第PCT/DK95/00250号に記述されるのように、S.セレビシアエ株MT633にトランスフォームし、得られた株をyAK733と命名した。酵母発現プラスミドpAK733はC-POT型(図1を参照されたい)であり、国際公開番号第WOEP 171 142号に記述されたものと同じであり、プラスミドの選択、及びS.セレビシアエにおける安定化のためにシゾサッカロミセス・ポンベりん酸トリオースイソメラーゼ遺伝子(POT)を含んでいる。pAK733は、また、S.セレビシアエりん酸トリオースイソメラーゼプロモーター及びターミネーターを含んでいる。プロモーター及びターミネーターは、YAP3シグナルペプチド-LA19リーダー-EEAEPK-MI1インスリン前駆体をコードするEcoRI-Xbal断片の間の配列を除いたプラスミドの全配列であるときに、プラスミドpKFN1003(国際公開番号W90/10075に記述される)で記述されるものと同じとなる。
例3.EEAEPK-MI5インスリン前駆体を発現する酵母株yAK749の構築
N末端を伸長されたインスリン前駆体EEAEPK-MI5のN末端の伸長部分をコードする合成遺伝子を、リーダー及び伸長部分並びにインスリン前駆体をコードする種々のDNA断片を組み合わせることにより構築した。
プラスミドpAK743を、制限エンドヌクレアーゼBgIII及びNhelを用いて切断し、10757ヌクレオチド塩基対のベクター断片を上述のジーン・クリーン・キットを使用して単離した。
プラスミドpAK405を、制限エンドヌクレアーゼHindIII及びNhelを用いて切断し、238ヌクレオチド塩基対のDNA断片をジーン・クリーン・キットを使用して単離した。
プラスミドpAK729を、制限エンドヌクレアーゼBgIII及びHindIIIを用いて切断し、229ヌクレオチドのDNA断片を上記のように単離した。
3つのDNA断片を、T4 DNAリガーゼと標準条件(Sambrook J,Fritsch EF and Maniatis T,Molecular cloning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)を使用して互いに結合した。次に、リゲーションミックスを、適合する大腸菌株(R-,M+)にトランスフォーミングし、アンピシリン抵抗性を用いて選択した。得られた大腸菌由来のプラスミドを標準技術(Sambrook J,Fritsch EL and Maniatis T,Molecular cloning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)を用いて単離し、適切な制限エンドヌクレアーゼを用いて挿入物を確認した。選択したプラスミドを、DNA配列分析(Sequenase,U.S. Biochemical Corp.,USA)により、EEAEPK-MI5インスリン前駆体DNAのための正しいDNA配列をコードしていること、及び合成LA19リーダー及び伸長DNAをコードするDNAの後に挿入されていることを示した。
YAP3シグナルペプチド-LA19リーダーEEAEPK-MI5インスリン前駆体複合体をコードするDNA配列を配列認識番号3に示す。
プラスミドpAK749を、国際出願番号第PCT/DK95/00250号に記述されるようなS.セレビシアエ株MT663にトランスフォームし、得られた株をyAK749と命名した。酵母発現プラスミドpAK749は、C-POT型(図1を参照されたい)であり、国際公開番号WO EP 171 142号に記述されるものと同じであり、pAK749は、プラスミドの選択、及びS.セレビシアエでの安定化のために、シゾサッカロミセス・ポンベりん酸トリオースイソメラーゼ遺伝子(POT)を含む。また、pAK749は、S.セレビシアエりん酸トリオースイソメラーゼプロモーター及びターミネーターも含んでいる。プロモーター及びターミネーターは、YAP3シグナルペプチド-LA19リーダー-EEAEPK-MI5インスリン前駆体をコードするEcoRI-Xbal断片の間の配列を除いたプラスミドの全配列であるときに、プラスミドpKFN1003(国際公開番号第WO 90/100075号に記述される)に記述されるものと同じとなる。
例4.EEAEPK-X14インスリン前駆体を発現する酵母株yAK866の構築
N末端を伸長されたインスリン前駆体EEAEPK-X14のN末端延長部分をコードする合成遺伝子を、リーダー及び伸長部及びX14インスリン前駆体をコードする様々なDNA断片を組み合わせることにより構築した。
プラスミドpAK743は、制限エンドヌクレアーゼBgIII及びNhelを用いて切断し、10757ヌクレオチド塩基対のベクター断片を上述のジーン・クリーン・キットを使用して単離した。
プラスミドpAK602は、制限エンドヌクレアーゼHindIII及びNhelを用いて切断し、232ヌクレオチド塩基対のDNA断片を上述のジーン・クリーン・キットを使用し単離した。
プラスミドpAK729を制限エンドヌクレアーゼBgIII及びHindIIIを用いて切断し、229ヌクレオチドのDNA断片を上述のように単離した。
3つのDNA断片を、T4 DNAリガーゼ及び標準条件(Sambrook J,Fritsch EF and Maniatis T,Moleular cloning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)を使用して互いに結合した。次に、リゲーションミックスを適合する大腸菌(R-,M+)にトランスフォームし、アンピシリン抵抗性を用いて選択した。得られた大腸菌由来のプラスミドを標準技術(Sambrook J,Fritsch EL and Maniatis T, Molecular cloning,Cold spring Harbour laboratory press,1989)を使用して単離し、適切な制限エンドヌクレアーゼを用いて挿入物を確認した。選択されたプラスミドは、DNA配列分析(Sequenase,U.S.Biochemical Corp.,USA)により、EEAEPK-X14インスリン前駆体DNAの正確なDNA配列をコードしていること、及び合成LA19リーダー及び伸長DNAをコードするDNAの後に挿入されていることが示された。このプラスミドをpAK866と命名した。
YAP3シグナルペプチドLA19リーダーEEAEPK-X14インスリン前駆体複合体をコードするDNA配列を配列認識番号4に示す。
プラスミドpAK866を、国際出願番号第PCT/DK95/00250号に記述されるようなS.セレビシアエ株MT663にトランスフォームし、得られた株をyAK866と命名した。酵母発現プラスミドpAK866は、C-POT型(図1を参照されたい)であり、国際公開番号第WO EP 171 142号に記述されるものと同じであり、シゾサッカロミセス・ポンベりん酸トリオースイソメラーゼ遺伝子(POT)を、プラスミド選択のため及びS.セレビシアエおける安定化のために含んでいる。pAK866は、また、S.セレビシアエりん酸トリオースイソメラーゼプロモーター及びターミネーターを含む。プロモーター及びターミネーターは、YAP3シグナルペプチド-LA19リーダー-EEAEPK-X14インスリン前駆体をコードするEcoRI-Xbal断片の間の配列を除いたプラスミドの全配列であるときに、プラスミドpKFN1003(国際公開番号第WO 90/100075号に記述される)に記述されるものと同じとなる。
配列認識番号 1
Figure 0004180112
配列認識番号 2
Figure 0004180112
配列認識番号 3
Figure 0004180112
配列認識番号 4
Figure 0004180112
配列認識番号 5,LA19リーダー
配列認識番号:5の情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:43アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列の記載:配列認識番号:67:
Figure 0004180112
Figure 0004180112
Figure 0004180112
Figure 0004180112
Figure 0004180112

Claims (9)

  1. シグナルペプチド−リーダーペプチド−EEAEPK−異種タンパクの構造を有するポリペプチドをコードするDNA構築物であって、前記シグナルペプチドはYAP3シグナルペプチドであり、前記リーダーペプチドは配列認識番号5のLA19リーダーペプチドであるDNA構築物。
  2. 請求項に記載のDNA構築物であって、異種タンパクが、インスリン又はインスリン前駆体、又はそれらの類似物である構築物。
  3. 本明細書にある配列認識番号1、2、3又は4に記述のDNA構築物。
  4. 酵母において複製が可能であり、且つ請求項1からの何れか1項に記載のDNA構築物を有する組替え発現ベクター。
  5. 異種タンパクを発現することが可能であり、且つ請求項に記載のベクターを用いてトランスフォームされた酵母細胞。
  6. サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)種から選択された請求項に記載の酵母細胞。
  7. 異種タンパクを産生するための方法であって、請求項又はの何れか1項に記載の酵母細胞を適切な培地中で培養して、異種タンパクを発現及び分泌させることと、その後、前記タンパクを培養用培地から単離することとを具備した方法。
  8. 請求項に記載の方法であって、塩基性アミノ酸に特異的な蛋白分解酵素での処理を伴う方法により回収した異種タンパクから、アミノ酸配列EEAEPKを取り除く方法。
  9. 請求項に記載の方法であって、前記蛋白分解酵素がトリプシンとアクロモバクテロ・リチクス・プロテアーゼI(Achromobacter lyticus protease I)とからなる群より選択される方法。
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