JPH08504141A - 高粘性流体の均質化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 高粘性流体の均質化装置は静的ミキシングエレメント（１１，１２）及びおそらくはフィルタエレメント（６）を備える。この装置のエレメントはスリーブ軸（１５）に沿ってスリーブ（１３）に配置される。本発明に基づき、スリーブは幾つかの部分からなり、一方装置のエレメントは一体構造部材（１０，２０；６０）であり、これらの全ての構造部材又は複数の構造部材はフランジ状部分又はノーズ状部分（４；４ａ，４ｂ）を有する。構造部材はこれらの部分に係合することによってスリーブ部分間のスリーブ領域に固着すると同時にスリーブ部分を形成する。本発明に基づく装置は、例えば射出成形機のノズルにおけるミキシングヘッド（１）又は押出機のメルトミキサとして提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 高粘性流体の均質化装置 本発明は請求の範囲の請求項１の序文に基づく高粘性流体の均質化装置及び同 装置の使用方法に関する。 均質の、特に温度が均一の熱可塑性材を押出成形及び射出成形する時に、静的 ミキサを用いて融性物が生成される。特別な措置をとらないと、可塑化機におけ るプラスチック融性物はスクリューを離脱する際に大幅な温度差を示す。着色剤 及び／又は添加剤を加える時に、これらの分配が不規則になったりもする。射出 成形機において、プラスチック融性物に必要な均質性はノズルにミキシングヘッ ドを備えることにより得られる（例えば、１９８５年発行のエストライクンスト シュトッフ・ツァイトシュリフト（Oesterr.Kunststoff-Zeitschrift）、８６〜 ８９頁のゲー．シュナイダー（G.Schneider）及びエル．マウラー（R.Maurer） 著の論文を参照されたい。）。 ミキシングヘッド又はメルトミキサはスリーブを備え、この中に幾つかのミキ シングエレメントが配置される。プラスチック融性物は高粘性であるため、ミキ シングエレメント及びミキシングエレメントとスリーブとの間にも大きな力が作 用する。ミキシングヘッドの好ましい実施例において、ミキシングエレメントは 一体構造（即ち、継ぎ目のない粘着性）であり、かつこのスリーブにはんだ接合 された鋳物形状をなしている。当然ながら、この種のミキシングヘッドには極端 な条件においてははんだ接合がもたないという問題がある。稼動に障害がある時 に生じ得る、この種の極端な条件とは、例えば冷態始動（最大圧力が約２０００ バール）、急速加熱、火炎による直接的な清浄、焼ナマシ温度での水冷である。 本発明の目的は、高粘性流体を均質化し、極端な条件下においても極力破損し ない状態を維持する装置、例えばミキシングヘッド又はメルトミキサを提供する ことにある。この種の装置は充分に洗浄可能であるようにする必要もある。この 装置は静的ミキシングエレメントに加えて、リブフィルタのようなフィルタエレ メントも備える必要があると思われる。請求の範囲の請求項１において、本発明 の目的を達成する手段となる特徴を挙げている。「一体構造部材」（monolithis chem Bauteil）という用語ははんだ接合のような継手を原因とする弱点を全く有 さない構造要素を意味するとする（一方、溶接継手を備えた構造部材は一体構造 であると言える。）。請求の範囲の請求項１において記載したスリーブ部分は極 端な場合にはフランジ状部分を備えただけであって、この場合は管状になってい る。 請求の範囲の従属請求項２〜９は本発明に基づく装置の好ましい実施例に関す る。独立請求項１０はこの装置の使用方法に関する。 本発明を図面を基に更に詳細に説明する。 図１は設計方法が周知のミキシングヘッドを有する射出成形機のノズルの断面 図である。 図２は本発明に基づくミキシングヘッドである。 図３は本発明に基づく装置のミキシングエレメントである。 図４は本発明に基づくミキシングエレメントの第２実施例である。 図５は図４のミキシングエレメントの断面図である。 図６，７はミキシングエレメントの更なる変形例である。 図８は本発明に基づく装置のリブフィルタエレメントである。 図９は２つのミキシングエレメントを備えた本発明に基づく装置の一体構造部 材を示す。 図１に示すノズル２は以下の部品、即ちミキシングエレメント１１，１２及び スリーブ１３を備えたミキシングヘッド１、同ミキシングヘッド１に対するノズ ルオリフィス２２及び孔２３を備えたノズルヘッド２１、一点鎖線で示したスト リップヒータ２４並びに押出しスクリュー３を有している。図２は周知の設計の ように一体型スリーブ１３を有するのではなく部分４，５からなる複合スリーブ を有する本発明に基づくミキシングヘッド１の側面図を示す。部分４はミキシン グエレメント１１とともに一体構造部材１０を形成している。図３は第１実施例 を示す。部分４は構造部材１０のフランジ状部分であり、同構造部材１０によっ てこの部分４はスリーブ部分５の間に固着されている。部分４は輪形であり、ス リーブ軸１５に対して垂直に配置されている。図示した例において、部分４はミ キシングエレメント１１の中心部に配置されている。ミキシングエレメント１１ はプリーツ薄層の積層１０１からなり、プリーツ加工に起因し、これらの間に度 々互いに交差する流路が形成されている。一点鎖線で示す円１０２は端面の外形 を示している。 図４に示す一体構造部材１０も輪形で、ミキシングエレメント１１の中心部に 配置されたフランジ状部分４を有している。フランジ状部分４は構造部材１０が 一体型であることを示すために部分的に剥離されている。ミキシングエレメント １１は長手方向に配置された複数のウェブ１１０を備えている。隣接層のウェブ １１０は互いに交差し、スリーブ軸１５に対して４５度の角度をなしている（１ ０〜７０度の角度をなすことも可能）。 図５は図４の構造部材１０、管状スリーブ部分５の一部及び構造部材１０に隣 接し、かつミキシングエレメント１２を備えた構造部材２０の断面図を示してい る。スリーブ部分５とウェブ１１０との間に間隙５１が存在し得る。周知の事柄 とは対照的に、スリーブ部分５の外径及びリング４の外径は勿論同径を有し得る 。リング４上にボス４５が設けられ、スリーブ部分５にこれに対応する凹部５４ が設けられて、構造部材１０と隣接する構造部材２０との緊密な整合を予め設定 することができる。 構造部材１０とスリーブ部分５とは互いにはめ込まれただけである（部分５間 の連結ははめ合せ形状によるものである。）。従って、部分５は容易に分離可能 であり、これは本発明に基づく装置の洗浄が容易であらねばならないという要件 にも適っている。 図６は構造部材１０の変形例を示し、一点鎖線で示すミキシングエレメント１ １′は立方形又は立方形に近い形状である。図３及び図４に示すミキシングエレ メント型に加え、周知の別のタイプのものも原理的に利用可能である（例えば、 １９８０年発行の化学工学技術誌（Chem.-Ing.-Tech.）第５２巻２８５〜２９１ 頁、エム．ハー．パール（M.H.Pahl）及びエー．ムッシェルクナウツ（E.Musche lknautz）著の論文、特に図１ｄを参照されたい。）。 図７に示す構造部材１０において、２つのリブ４ａ，４ｂがスリーブにおける 固着を行っている。端面４０は（スリーブ軸１５を中心として）中心角α内に存 在する環状部分である。この角度の大きさは、例えば６０度である。構造部材１ ０に対して、薄肉チューブ５０及びリブ４ａ，４ｂ間の空間を補うような形状の ２部分５１ａ，５１ｂを備えたスリーブ部分５が組み合わせられる。 均質化される融性物が粒子形状の不純物からなるとすると、本発明に基づく装 置にはフィルタエレメントを付加したほうがよい。この種のフィルタエレメント の例、即ちリブフィルタ６を図８に示す。融性物は供給流路６１を介して軸方向 に沿った分配流路６２に達し、リブ６４を超えて収集流路６３に流入する。リブ ６４はスリーブ部分（図示せず）とともに狭路をなし、この狭路により不純物の 粒子が分配流路６２に保持される。流路６２の端部はリング６５により閉鎖され る。一方、流路６３の一部は融性物が更に流れて、例えば下流のミキシングエレ メントに流入するように解放される。この場合でも、フィルタエレメント６及び リング４は一体構造部材６０を形成している。 図９は隣接する２つのミキシングエレメント１１及び１２が常に合体されて一 体構造部材３０をなすことを示す。この一対のエレメントはスリーブ部分間にて 確実に固着するための共通フランジ状部分４を有している。ミキシングヘッド又 はメルトミキサとして使用するには、好ましくは一体構造部材１０，２０，３０ ，６０は精密鋳造（好適には）又は焼結射出成形により金属合金から製造される 。他の用途では、これら一体構造部材をセラミック材、更にはプラスチックから 製造してもよい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．スリーブ軸（１５）に沿ってスリーブ（１３）に配置された静的ミキシング エレメント（１１，１２）及びフィルタエレメント（６）を備えた高粘性流体の 均質化装置において、 前記スリーブは複数の部分からなり、前記装置のエレメントは一体構造部材（ １０，２０；６０）であり、これらの全ての構造部材及び複数の構造部材のいず れかはフランジ状部分及びノーズ状部分（４；４ａ，４ｂ）のいずれかを有し、 かつ同部分に係合することによってスリーブ部分（４，５；４ａ，４ｂ，５）間 のスリーブ領域に固着すると同時にスリーブ部分を形成することを特徴とする装 置。 ２．前記フランジ状部分（４）は輪形であってスリーブ軸（１５）に対して垂直 に延びていることを特徴とする請求項１に記載の装置。 ３．前記フランジ状部分（４）は全ての一体構造部材及び幾つかの一体構造部材 （１０，２０；６０）のいずれかの中心部に配置されていることを特徴とする請 求項２に記載の装置。 ４．前記リブ（４ａ，４ｂ）は全ての一体構造部材及び幾つかの一体構造部材（ １０）のいずれかにおいてノーズ状部分をなすとともに、スリーブ軸（１５）に 対して並行に延びていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載 の装置。 ５．前記ミキシングエレメント（１１，１２）は長手方向に配置された複数のウ ェブ（１１０）を備え、隣接する層のウェブは互いに交差し、これらウェブはス リーブ軸（１５）に対して１０〜７０度、好ましくは４５度の単一角度をなすこ とを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の装置。 ６．前記装置のエレメントの１つはリブフィルタ（６０）であることを特徴とす る請求項１乃至５のいずれか１項に記載の装置。 ７．前記一体構造部材（１０，２０；６０）は金属合金製であり、精密鋳造及び 焼結射出成形のいずれかによって製造されることを特徴とする請求項１乃至６の いずれか１項に記載の装置。 ８．前記一体構造部材（１０，２０；６０）はセラミック製であることを特徴と する請求項１乃至６のいずれか１項に記載の装置。 ９．前記一体構造部材（１０，２０；６０）はプラスチック製であることを特徴 とする請求項１乃至６のいずれか１項に記載の装置。 １０．射出成形機のノズルにおけるミキシングヘッド（１）及び押出機のスクリ ューの下流におけるメルトミキサのいずれかとしての請求項１乃至７のいずれか １項に記載の装置の使用方法。