JPH08502993A - ２−プロピルヘプタノールのアルコキシラートの用途 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この発明は、一般式（Ｉ）：Ｃ₅Ｈ₁₁ＣＨ（Ｃ₃Ｈ₇）ＣＨ₂Ｏ（Ａ）_nＨを持つアルコキシラートの、硬質な表面の油を除去するための洗剤組成物における用途に関するものであり、式中、Ａは２−４個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、かつｎは２−１６、好ましくは３−１２である。

Description

【発明の詳細な説明】 ２−プロピルヘプタノールのアルコキシラートの用途 本発明は、硬質な表面を洗浄するための組成物における２−プロピルヘプタノ ールのアルコキシラートの用途に関する。アルコキシラートは、同様のサイズの 疎水基を持つ類似の化合物と比べて、起泡性が低い。アルコキシラートは、洗剤 組成物において、界面活性成分として都合よく利用されると考えられる。 非イオン性の界面活性化合物を得るためにアルコールをアルコキシラートにす ることは、長く知られてきた。これらの化合物は、その濡れや分散の特性から、 たとえば、洗剤の構成物として用いられている。しかし、数々の応用がなされた が、炭素数が８−１１のアルコールのアルコキシラートは起泡性が高すぎ、さら に／または、所望の洗浄力を備えていないことが見いだされてきた。たとえば、 炭素数８の枝分かれしたアルコールをベースとするエトキシラートは、しばしば 起泡性については満足できるものであるが、洗浄力が低すぎる。一方、より長い 炭化水素鎖を持つ直鎖または分枝鎖アルコールをベースとしたエトキシラートは 、界面活性については満足できるものであるが、起泡性が高すぎる。したがって 、起泡性と洗浄力の比率が改善された、新たなアルキレンオキシドの付加物が必 要とされる。 本発明では、２−プロピルヘプタノールをベースとしたアルコキシラートが、 実質的に同じ鎖長を持つ他のアルコ ールと比較して、優れた洗浄力と濡れ特性をもつことから、硬質な表面を洗浄す るための組成物において、洗剤として使用するのに適しているということが見い だされてきた。製剤においても、このアルコキシラートは所望の増粘作用を備え ている。それに加えて、このアルコキシラートは、簡単に分解しやすく、かつ、 驚くほど生物に対する毒性が低いことが見いだされてきた。試験においても、皮 膚への刺激性は検出されていない。 本発明に従う用途のためのアルコキシラートは、次式で表わすことができる。 Ｃ₅Ｈ₁₁ＣＨ(Ｃ₃Ｈ₇)ＣＨ₂Ｏ(Ａ)_nＨ (Ｉ) 式中、Ａは炭素原子を２−４個有するアルキレンオキシ基であり、かつｎは２− １６であり、好ましくは、３−１２てある。好ましくは、すべてのアルキレンオ キシ基の５０−１００％が、エチレンオキシ基である。同じ化合物中に、異なる アルキレンオキシ基が存在する場合、それらはランダムに付加されてもよいし、 またはブロックで付加されてもよい。 通常、アルコキシラートは、３−７、好ましくは４−６のエチレンオキシ基を 有するエトキシラートである。 実施の有利な態様において、第１段階でエチレンオキシドを付加し、次に、３ −４個の炭素原子を持つアルキレンオキシドを付加することができる。 これらの化合物は次式で表わすことができる。 Ｃ₅Ｈ₁₁ＣＨ(Ｃ₃Ｈ₇)ＣＨ₂Ｏ(Ｃ₂Ｈ₄Ｏ)_p(Ｂ)_rＨ (II) 式中、Ｂは３−４個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、ｐは１−１ ０であり、かつｒは１−６である。好ましくは、ｐは２−８であり、かつｒは１ −４である。これらの化合物の起泡性は、３−４個の炭素原子を有するアルキレ ンオキシ基を持たない対応する化合物より低い。 上述の本発明に従って使用されるアルコキシラートは、通常の方法において、 水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムなどの通常のアルカリ触媒存在下で、上 述の量のアルキレンオキシドを、いわゆる“Guebert alcohol”である２−プロ ピルヘプタノールに付加することによって得られる。実施の好ましい態様による と、エチレンオキシドの付加は、ＮａＯＨまたはＫＯＨのようなアルカリ触媒よ りも付加されるエチレンオキシドの分布が狭くなるような、既存の触媒を用いて 行なわれる。本発明に従い、このように調製されたアルコキシラートの起泡性は 、非常に低い。付加されるアルキレンオキシドの分布を狭くするような既存の触 媒の例としては、Ｃａ（ＯＨ）₂、Ｂａ（ＯＨ）₂、Ｓｒ（ＯＨ）₂およびマナセ アイト（hydrotalcite）がある。反応は、副生成物の量を減らすために、遊離水 が存在しない状態で、通常７０−１８０℃の温度下で行なわれるのが好ましい。 アルコキシラート、特にエトキシラートおよび式ＩＩのアルコキシラートは、 硬質な表面の洗浄、たとえば潤滑油などの油の除去、または食器洗いのための組 成物に適切に含まれる。特に、ラッカー仕上げされているか、またはラッカー仕 上げされていない金属表面の油の除去において良い結果が得られている。アルコ キシラートに加えて、組成物は、アニオン性界面活性化合物のような他の洗剤も 含んでよい。ここでの例としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、およびアルキル グリセリルスルホン酸塩がある。また、組成物は、可溶化剤（solutising addit ive）、錯化剤、ならびに／または、ｐＨ調整剤、酵素、他の界面活性成分、殺 菌剤および香料を含んでよい。組成物は、通常水溶性であり、かつ、エマルショ ン、マイクロエマルション、または溶液の形態である。 本発明は、後述の例により、より詳細に説明される。 例１ 本発明によるアルコキシラートは、触媒としての水酸化カリウムまたはＣａ（ ＯＨ）₂の存在下で、以下の表に示される量のアルキレンオキシドを用いて、２ −プロピルエタノールをアルコキシラートにすることにより調製される。生成し た化合物は、ガスクロマトグラフィーおよびマススペクトロメトリーによって分 析され、構造決定された。濁り度が、水またはモノブチルエーテルジエチレング リコー ル中で測定された。以下に結果を示す。 例２ 次の表に挙げられているアルコキシラートの起泡特性は、Ross-Miles ASTM D 1173-53に従って測定された。以下に結果を示す。 これらの結果から、本発明に従った化合物は、最も密接に関連する対照物質よ り起泡性が低いことが明らかとなった。つまり、化合物２は、化合物Ａ，Ｂ，Ｃ ，ＤおよびＥより起泡性が低く、化合物４，５および６はすべての対照物質より 起泡性が低い。 例３ 鉱油、煤、塩および粘土を塗りつけられた、ラッカー仕上げがなされ垂直に置 かれた鉄板に、次の成分で構成された洗剤組成物が２０ｍｌ適用された。 得られた結果は、洗浄された表面の面積（すなわち湿潤性）と、洗浄された表 面の清潔さ（cleanness）の双方に対して評価された。清潔さは、１−１０と高 くなる尺度に従って評価され、１は清潔さの向上が全く見られないことを示し、 １０は表面が完全に清浄にされたことを示す。 これらの結果から、本発明に従った化合物の調剤によっ て、清潔さはより向上し、かつ、洗浄された面積はより大きいという双方の効果 が得られたことがわかる。 例４ マイクロトキシシティ（microtoxicity）（水生生物に対する毒性の尺度）が 、下記の化合物に対して、発光細菌が５分間発光する能力が５０％まで減少する ときの濃度として決定された。以下に結果を示す。 これらの結果より、本発明に従った化合物は、対照化合物に比べて、実質的に マイクロトキシティが低いことが明らかとなった。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．次の一般式を有するアルコキシラートの硬質な表面のための洗剤組成物にお ける用途。 Ｃ₅Ｈ₁₁ＣＨ(Ｃ₃Ｈ₇)ＣＨ₂Ｏ(Ａ)_nＨ (Ｉ) 式中、Ａは２−４個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、かつ、ｎは ２−１６、好ましくは３−１２である。 ２．全アルキレンオキシ基の５０−１００％はエチレンオキシ基であることを特 徴とする、請求項１に記載の用途。 ３．Ａはエチレンオキシ基であり、かつ、ｎは３−７であることを特徴とする、 請求項１に記載の用途。 ４．次式の化学式を有することを特徴とする、請求項１または２に記載の用途。 Ｃ₅Ｈ₁₁ＣＨ(Ｃ₃Ｈ₇)ＣＨ₂Ｏ(Ｃ₂Ｈ₄Ｏ)_p(Ｂ)_rＨ (II) 式中、Ｂは３−４個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、ｐは１−１ ０であり、かつ、ｒは１−６であり、好ましくは、ｐが２−８であり、かつ、ｒ が１−４である。 ５．洗剤組成物は、ラッカー仕上げされていない、またはラッカー仕上げされて いる金属の表面の油を落とすための組成物であることを特徴とする、請求項１− ４のいずれかに記載の用途。 ６．次式で表わされることを特徴とするアルコキシラート。 Ｃ₅Ｈ₁₁ＣＨ(Ｃ₃Ｈ₇)ＣＨ₂Ｏ(Ｃ₂Ｈ₄Ｏ)_p(Ｂ)_rＨ (II) 式中、Ｂは３−４個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、ｐは１−１ ０であり、かつ、ｒは１−６であり、好ましくは、ｐが２−８であり、かつ、ｒ が１−４である。