JPH06346259A - アルカリ洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】アルカリ剤０．０５〜５０（Ｎａ₂ Ｏ基準）重
量％、および一般式 Ｒ₁ −Ｏ−（ＥＯ）_m （ＰＯ）_n （ＥＯ）_p （ＰＯ）_q
−Ｒ₂ ＣＯＯＭ で表されるエーテルカルボキシレート０．０１〜１０重
量％を含有することを特徴とするアルカリ洗浄剤組成
物。 【効果】本発明のアルカリ洗浄剤組成物は、極めて優れ
た脱脂効果を有し、使用に便利な一液型アルカリ洗浄剤
組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属、ガラス、陶磁
器、プラスチック等の硬質表面の洗浄に用いられる液状
のアルカリ洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来よ
り、金属、ガラス、陶磁器、プラスチック等の硬質表面
の汚れの洗浄にアルカリ洗浄剤が効果的であることはよ
く知られている。そして、近年、より高品質の製品を作
るために、現在ある洗浄性能の数段上をいく高い洗浄性
能が要求されている。しかし、アルカリ洗浄剤には、ア
ルカリ基剤のほかに洗浄効果を高めるために種々の界面
活性剤等が添加されているが、液状の洗浄剤においてア
ルカリ基剤濃度を高くすると、これらの界面活性剤が凝
集して洗浄剤組成物から分離するため均一な洗浄剤組成
物が得られない。一方、これらのアルカリ洗浄剤の安定
性を高めるために、種々の化合物を添加することが提案
されているが、いずれもある程度まで高濃度化が可能で
あるものの、組成物の粘度が上昇したり、洗浄剤として
使用したときに発泡するため十分な洗浄力を発揮できな
いという問題があった。かかる問題は、低濃度で界面活
性作用を発揮し得る強力な界面活性剤を入手できれば大
きく改善される。

【０００３】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
一液型アルカリ洗浄剤に配合すべき強力な界面活性剤の
探索を行い、ある種のエーテルカルボキシレートが目的
の性質を具備することを見出し、さらに研究を進めて本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、
（１）アルカリ剤０．０５〜５０重量％（Ｎａ₂ Ｏ基
準、以下アルカリ剤の濃度に関しては全て同様であ
る）、および一般式 Ｒ₁ −Ｏ−（ＥＯ）_m （ＰＯ）_n （ＥＯ）_p （ＰＯ）_q
−Ｒ₂ ＣＯＯＭ で表されるエーテルカルボキシレート０．０１〜１０重
量％を含有することを特徴とするアルカリ洗浄剤組成
物、及び（式中、Ｒ₁ は直鎖または分岐の、飽和または
不飽和の炭素数６〜２６のアルキル基または直鎖または
分岐の、飽和または不飽和の炭素数６〜２６のアルキル
基を有するアルキルフェニル基を表し、Ｒ₂ は単結合ま
たは直鎖または分岐の、飽和または不飽和の炭素数１〜
１０のアルキレン基を表し、またＥＯはエチレンオキサ
イドを、ＰＯはプロピレンオキサイドをそれぞれ表し、
ｍ，ｎ，ｐ，ｑは０〜６０の整数であって、かつｍ＋ｎ
＋ｐ＋ｑは１〜６０の整数を表し、Ｍは水素、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、炭素数１〜４の脂肪族アミ
ン、アンモニアまたはアルカノールアミンを表す）
（２）使用時のアルカリ剤の濃度が０．０５〜１０重量
％であり、かつ前記（１）記載のエーテルカルボキシレ
ートの使用時の濃度が０．００１〜２重量％であること
を特徴とするアルカリ洗浄剤組成物に関する。

【０００４】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いられるアルカリ剤は、水溶性のアルカリ剤で
あり、具体的には、苛性ソーダ、苛性カリ等の苛性アル
カリ類、オルソ珪酸ソーダ、メタ珪酸ソーダ、一号珪酸
ソーダ、二号珪酸ソーダ、三号珪酸ソーダ等の珪酸ソー
ダ類、トリポリリン酸ソーダ、オルソリン酸ソーダ、メ
タリン酸ソーダ等のリン酸ソーダ類等が挙げられる。ア
ルカリ剤は、酸の中和作用、油脂類の鹸化作用および電
気伝導性を併せもつため、本発明の洗浄剤組成物におい
ても主役をなすものであり、その濃度は高い方がよい。
しかし、その濃度を高くすると、洗浄効果を高めるため
の配合薬剤である界面活性剤等を十分に溶解することが
できず、これらの薬剤を構成成分として含めると組成物
の均一性を保持できず、安定な一液型洗浄剤組成物を得
ることが一般に困難である。しかし、本発明において
は、以下に述べる洗浄効果の高い界面活性剤を用いるた
め、使用する界面活性剤濃度は、これまでよりも低濃度
でよく、アルカリ剤濃度を高くしても均一に溶解するこ
とができ、広い範囲のアルカリ剤の濃度を用いることが
できる。すなわち、アルカリ剤の濃度は通常０．０５〜
５０重量％の範囲で用いられる。０．０５重量％未満で
は十分な洗浄効果が得られず、５０重量％を越えると配
合薬剤を均一に溶解することが困難だからである。

【０００５】本発明に用いられるエーテルカルボキシレ
ートは、一般式 Ｒ₁ −Ｏ−（ＥＯ）_m （ＰＯ）_n （ＥＯ）_p （ＰＯ）_q
−Ｒ₂ ＣＯＯＭ で表されるものである。式中、Ｒ₁ は直鎖または分岐
の、飽和または不飽和のアルキル基または直鎖または分
岐の、飽和または不飽和の炭素数６〜２６のアルキル基
を有するアルキルフェニル基を表し、その炭素数は通常
６〜２６、好ましくは８〜２０である。アルキル部分の
炭素数が６未満では、親水性が強すぎるため界面活性作
用が小さく、十分な洗浄効果を示さないからである。炭
素数が２６を越えると親油性が強すぎるため界面活性作
用が小さく、十分な洗浄効果を示さないからである。Ｒ
₂ は直鎖または分岐の飽和または不飽和のアルキレン基
を表し、その炭素数は通常１〜１０、好ましくは１〜６
である。またＲ₂ は単結合であってもよい。ＥＯはエチ
レンオキサイドを、ＰＯはプロピレンオキサイドをそれ
ぞれ表し、ｍ，ｎ，ｐ，ｑは通常０〜６０、好ましくは
０〜１２の整数であり、かつｍ＋ｎ＋ｐ＋ｑは通常１〜
６０、好ましくは２〜１２の整数を表す。Ｍは水素、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、炭素数１〜４の脂肪族
アミン、アンモニアまたはアルカノールアミンを表す。
かかる化合物の例としては、 Ｒ₁ −Ｏ−（ＥＯ）_m −Ｒ₂ ＣＯＯＭ、 Ｒ₁ −Ｏ−（ＰＯ）_n −Ｒ₂ ＣＯＯＭ、 Ｒ₁ −Ｏ−（ＥＯ）_m （ＰＯ）_n −Ｒ₂ ＣＯＯＭ、 Ｒ₁ −Ｏ−（ＥＯ）_m （ＰＯ）_n （ＥＯ）_p −Ｒ₂ ＣＯ
ＯＭ、 Ｒ₁ −Ｏ−（ＰＯ）_n （ＥＯ）_p −Ｒ₂ ＣＯＯＭ、 Ｒ₁ −Ｏ−（ＰＯ）_n （ＥＯ）_p （ＰＯ）_q −Ｒ₂ ＣＯ
ＯＭ、 Ｒ₁ −Ｏ−（ＥＯ）_m （ＰＯ）_n （ＥＯ）_p （ＰＯ）_q
−Ｒ₂ ＣＯＯＭ 等が挙げられる。

【０００６】本発明に用いられるこれらのエーテルカル
ボキシレートは、従来用いられてきたノニオン系、アニ
オン系、カチオン系または両性界面活性剤よりも脱脂性
に優れており、本発明のアルカリ洗浄剤組成物の洗浄力
を大きく向上させる。

【０００７】しかし本発明のアルカリ洗浄剤組成物に
は、洗浄力をさらに高めるため、その他の界面活性剤や
キレート剤を配合することができ、さらにアルコール等
の消泡剤や脂肪酸などを添加することもできる。

【０００８】かかる界面活性剤の例としては、ノニオン
系の場合、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリ
オキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレン
デシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル、ポリオキ
シエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンス
テアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレントリルエーテル、ポリオキシエ
チレンキシレニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポ
リオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンデシルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンドデ
シルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンオクチル
フェニルエーテル、ポリオキシプロピレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシプロピレンデシルフェニルエー
テル、ポリオキシプロピレンドデシルフェニルエーテ
ル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレン−２−エチルヘキシルエ
ーテル、ポリオキシプロピレン−２−エチルヘキシルエ
ーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−２
−エチル−３−メチルノニルエーテル、ポリオキシプロ
ピレン−２−エチル−３−メチルノニルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレン−１−ブチルオク
チルエーテル、ポリオキシプロピレン−１−ブチルオク
チルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ン−１−ペンチルヘプチルエーテル、ポリオキシプロピ
レン−１−ペンチルヘプチルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン−１−メチルウンデシルエー
テル、ポリオキシプロピレン−１−メチルウンデシルエ
ーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−１
−エチルデシルエーテル、ポリオキシプロピレン−１−
エチルデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレン−１−プロピルノニルエーテル、ポリオキシ
プロピレン−１−プロピルノニルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレン−１−ブチルノニルエー
テル、ポリオキシプロピレン−１−ブチルノニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−１−ペ
ンチルオクチルエーテル、ポリオキシプロピレン−１−
ペンチルオクチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレン−１−メチルドデシルエーテル、ポリオ
キシプロピレン−１−メチルドデシルエーテル、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレン−１−エチルウンデ
シルエーテル、ポリオキシプロピレン−１−エチルウン
デシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レン−１−プロピルデシルエーテル、ポリオキシプロピ
レン−１−プロピルデシルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレン−１−ヘキシルヘプチルエーテ
ル、ポリオキシプロピレン−１−ヘキシルヘプチルエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−１−
ブチルデシルエーテル、ポリオキシプロピレン−１−ブ
チルデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレン−１−ペンチルノニルエーテル、ポリオキシプ
ロピレン−１−ペンチルノニルエーテル、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレン−１−メチルトリデシルエ
ーテル、ポリオキシプロピレン−１−メチルトリデシル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−
１−エチルドデシルエーテル、ポリオキシプロピレン−
１−エチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレン−１−プロピルウンデシルエーテル、
ポリオキシプロピレン−１−プロピルウンデシルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−１−ヘ
キシルオクチルエーテル、ポリオキシプロピレン−１−
ヘキシルオクチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンイソノニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンイソララウリルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンイソパルミチルエ
ーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソ
ステアリルエーテル等が挙げられる。

【０００９】アニオン系界面活性剤の具体例としては、
高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタ
ノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルナフタレンス
ルフォン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリ
エタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。カチオン系界
面活性剤の具体例としては、アルキルアミンアセテー
ト、アルキルアミン塩酸塩、第４級アンモニウム塩等が
挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチ
ルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリル
ベタイン、ステアリルベタイン、オクチルベタイン、ラ
ウリルベタインアミンオキサイド、ラウリルカルボキシ
メチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等が挙
げられる。これらの界面活性剤は単一でも２以上の組み
合わせとしても配合できる。本発明のアルカリ洗浄剤組
成物における界面活性剤の配合割合は、通常０．０１〜
３０重量％であり、より好ましくは０．１〜２０重量％
である。

【００１０】キレート剤も、本発明のアルカリ洗浄剤組
成物に配合することができる。キレート剤は汚れ中の金
属原子と結合してこれを除去することにより洗浄効果を
高めるからである。本発明のアルカリ洗浄剤組成物に配
合し得るキレート剤としては、例えば、グリシン、ニト
リロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、エチレンジアミン二酢酸、イミノ二酢
酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、メタフェニレンジ
アミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢
酸、ノルロイシンアミノ酢酸等のアルカリ金属塩もしく
は低級アミン塩などのアミノカルボン酸類、リンゴ酸、
クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、粘液酸等の
アルカリ金属塩もしくは低級アミン塩などのオキシカル
ボン酸型キレートビルダーが挙げられる。これらは、単
一または２以上の組み合わせで用いられる。本発明のア
ルカリ洗浄剤組成物におけるこれらのキレート剤の配合
割合は、通常０．０１〜３０重量％であり、より好まし
くは０．１〜２０重量％である。

【００１１】本発明に配合し得るアルコールとしては、
例えば、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコ
ール、トリデシルアルコール、パルミチルアルコール、
ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニ
ルアルコールもしくは、４−オクタノール、２−トリデ
カノール、２−ノナノール等の炭素数８〜２２の飽和の
直鎖アルコール、２−エチルヘキシルアルコール、３，
５，５−トリメチルヘキサノール、イソトリデシルアル
コール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルア
ルコール等のブチレンもしくはプロピレンの重合体をオ
キソ法によりヒドロキシル化した飽和の分岐鎖アルコー
ル、オレイルアルコール、リノレイルアルコール等の不
飽和の直鎖または分岐鎖アルコール、およびノニルフェ
ノール、オクチルフェノール、ビスフェノール等の芳香
族アルコールからなる群より選ばれる１以上のアルコー
ルが挙げられる。中でも、オクチルアルコール、２−エ
チルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルア
ルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコー
ル、イソトリデシルアルコール、イソステアリルアルコ
ール等が特に有利に配合される。本発明のアルカリ洗浄
剤組成物におけるこれらのアルコールの配合割合は、通
常０．０１〜３０重量％であり、より好ましくは０．１
〜２０重量％である。

【００１２】脂肪酸も配合薬剤として本発明のアルカリ
洗浄剤組成物に用いられる。脂肪酸は、アルカリ中で界
面活性効果を示すのみでなく、一部ノニオン系界面活性
剤をアルカリ中に溶解させる可溶化効果をも有している
からである。本発明のアルカリ洗浄剤組成物に配合され
る脂肪酸としては、例えば２，３−ジメチルノナン酸、
４，４−ジメチルデカン酸、２−エチル−３−メチルノ
ナン酸、２−メチルドコサン酸、２−プロピル−３−メ
チルノナン酸、４，１０−ジメチルドデカン酸、２−メ
チル−２−ドデセン酸、２−エチルヘキサン酸、イソノ
ナン酸、イソデカン酸、イソパルミチン酸、イソラウリ
ン酸、イソミリスチン酸、イソステアリン酸、イソドコ
サン酸、２−１’−メチル−３’，３’−ジメチルブチ
ル−５−メチル−７，７−ジメチルオクタン酸、２−
１’，１’，３’，３−テトラメチルブチル−３−メチ
ル−５，５−ジメチルヘキサン酸等が挙げられる。本発
明のアルカリ洗浄剤組成物におけるこれらの脂肪酸の配
合割合は、通常０．０１〜３０重量％であり、より好ま
しくは０．０５〜２０重量％である。

【００１３】本発明の洗浄剤組成物の調製は、常法に従
って次のように行うことができる。すなわち、特に配合
に順序はなく、すべての組成を混合することにより、調
製できるが、アルカリ剤を除く他成分をすべて水に溶解
した後、アルカリ剤を配合する方が望ましい。

【００１４】本発明の洗浄剤組成物の使用時におけるア
ルカリ剤の濃度は、被洗浄物や汚れの種類・程度によっ
て異なるが、通常０．０５〜１０重量％であり、エーテ
ルカルボキシレートの濃度は通常０．００１〜２重量％
である。

【００１５】

【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。

【００１６】実施例１ 試験に供した洗浄剤組成物は、苛性ソーダ２．４重量
％、キレート剤としてグルコン酸ソーダ０．４重量％、
エーテルカルボキシレート０．１重量％を添加して調製
した。比較のためエマルゲン９０９を従来から使用され
ている界面活性剤の代表例として選び、界面活性剤無添
加の場合も実験に加えた。被洗浄物は、牛脂系圧延油で
圧延した冷延鋼板（５ｃｍ×１５ｃｍ）を使用した。洗
浄条件は、被洗浄物を８０℃で１秒間上記の洗浄剤組成
物に浸漬し、ついで８０℃で＋流、−流各１秒間電気分
解（１０Ａ／ｄｍ² ）した。最後に６５℃の温水でリン
スした。供試洗浄液の洗浄力（脱脂効果）の評価方法
は、洗浄、リンス後の鋼板表面の水濡れ面積を目視で判
定するウォーターブレイク法を用いた。

【００１７】その結果を表１から表４に示す。表１は、
界面活性剤として、Ｒ₁ をＣ₁₂Ｈ₂₅基、Ｒ₂ をＣＨ
₂ 基、ｎ＝ｐ＝ｑ＝０とし、ｍを１から６５まで変化さ
せた各種化合物を用い、その洗浄効果を調べた結果を示
す。表１から明らかなように、ｍが１〜６０の範囲でエ
マルゲン９０９よりも遙かに優れた洗浄効果を示すこと
が分かる。しかし、ｍ＝６０を越えると洗浄効果は低下
する。

【００１８】

【表１】

【００１９】表２の上段は、Ｒ₂ をＣＨ₂ 基、ｍ＝１
０、ｎ＝ｐ＝ｑ＝０とし、Ｒ₁ をＣ₄Ｈ₉ 基からＣ₂₈Ｈ
₅₇基まで変化させた各種化合物を用いて、それらの洗浄
効果を調べた結果を示す。Ｒ₁ の炭素数が６より小また
は２６より大であるときはその洗浄効果は劣るが、Ｒ₁
の炭素数が６〜２６の場合には、すべてエマルゲン９０
９よりも遙かに優れた洗浄効果を示した。表２の中段
は、Ｒ₁ をＣ₁₂Ｈ₂₅基、ｍ＝１０、ｎ＝ｐ＝ｑ＝０と
し、Ｒ₂ の炭素数を１〜１２の範囲で変化させた各種化
合物を用いて、それらの洗浄効果を調べた結果を示す。
Ｒ₂ の炭素数が１２の化合物ではその洗浄効果は劣る
が、１〜１０の範囲の化合物ではエマルゲン９０９より
も遙かに優れた洗浄効果を示した。また、表２の下段
は、Ｒ₁ をＣ₁₈Ｈ₃₇基、Ｒ₂ をＣＨ₂ 基、ｎ＝ｐ＝ｑ＝
０とし、ｍを１〜１５の範囲で変化させた各種化合物を
用いて、それらの洗浄効果を調べた結果を示す。これら
の化合物はすべてエマルゲン９０９よりも優れた洗浄効
果を示した。

【００２０】

【表２】

【００２１】表３の上段は、Ｒ₁ をＣ₁₂Ｈ₂₅基、Ｒ₂ を
ＣＨ₂ 基、ｍ＝ｐ＝ｑ＝０とし、ｎを２〜２５の範囲で
変化させた各種化合物を用いて、それらの洗浄効果を調
べた結果を示す。これらの化合物はすべて従来の標準品
であるエマルゲン９０９よりも遙かに優れた洗浄効果を
示した。表３の中段は、Ｒ₁ をＣ₁₂Ｈ₂₅基、Ｒ₂ をＣＨ
₂ 基、ｐ＝ｑ＝０とし、ｍ＋ｎを２〜４０の範囲で変化
させた各種化合物を用い、また表３の下段は、Ｒ₁ をＣ
₁₂Ｈ₂₅基、Ｒ₂ をＣＨ₂ 基、ｍ＝ｑ＝０とし、ｎ＋ｐを
２〜２５の範囲で変化させた各種化合物を用い、それぞ
れそれらの洗浄効果を調べた結果を示す。これらの化合
物はすべて従来の標準品であるエマルゲン９０９よりも
遙かに優れた洗浄効果を示した。

【００２２】

【表３】

【００２３】表４の第１段は、Ｒ₁ をＣ₁₂Ｈ₂₅基、Ｒ₂
をＣＨ₂ 基、ｑ＝０とし、ｍ＋ｎ＋ｐを３〜５０の範囲
で変化させた各種化合物を用いて、それらの洗浄効果を
調べた結果を示す。これらの化合物はすべて従来の標準
品であるエマルゲン９０９よりも遙かに優れた洗浄効果
を示した。表４の第２段は、Ｒ₁ をＣ₁₂Ｈ₂₅基、Ｒ₂ を
ＣＨ₂ 基、ｍ＝０とし、ｎ＋ｐ＋ｑを１２〜１４の範囲
で変化させた化合物を用い、それぞれそれらの洗浄効果
を調べた結果を示す。これらの化合物はすべて従来の標
準品であるエマルゲン９０９よりも遙かに優れた洗浄効
果を示した。表４の第３段は、Ｒ₁ をＣ₁₂Ｈ₂₅基、Ｒ₂
をＣＨ₂ 基とし、ｍ＋ｎ＋ｐ＋ｑを４〜８０の範囲で変
化させた化合物を用い、それぞれそれらの洗浄効果を調
べた結果を示す。ｍ＋ｎ＋ｐ＋ｑ＝８０の化合物を除
き、これらの化合物の洗浄効果はすべて従来の標準品で
あるエマルゲン９０９よりも遙かに優れていた。表４の
第４段は、Ｒ₂ をＣＨ₂ 基、ｍ＝１０、ｎ＋ｐ＋ｑ＝
０、Ｒ₁ をアルキルフェニル基とし、そのアルキル部分
をＣ₆ Ｈ₁₃〜Ｃ₁₁Ｈ₂₃の範囲で変化させた化合物を用
い、それぞれそれらの洗浄効果を調べた結果を示す。こ
れらの化合物の洗浄効果はすべて従来の標準品であるエ
マルゲン９０９よりも遙かに優れていた。

【００２４】

【表４】

【００２５】

【発明の効果】本発明のアルカリ洗浄剤組成物は、極め
て優れた脱脂効果を有し、使用に便利な一液型アルカリ
洗浄剤組成物を提供する。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルカリ剤０．０５〜５０（Ｎａ₂ Ｏ基
   準）重量％、および一般式 Ｒ₁ −Ｏ−（ＥＯ）_m （ＰＯ）_n （ＥＯ）_p （ＰＯ）_q
   −Ｒ₂ ＣＯＯＭ で表されるエーテルカルボキシレート０．０１〜１０重
   量％を含有することを特徴とするアルカリ洗浄剤組成
   物。（式中、Ｒ₁ は直鎖または分岐の、飽和または不飽
   和の炭素数６〜２６のアルキル基または直鎖または分岐
   の、飽和または不飽和の炭素数６〜２６のアルキル基を
   有するアルキルフェニル基を表し、Ｒ₂ は単結合または
   直鎖または分岐の、飽和または不飽和の炭素数１〜１０
   のアルキレン基を表し、またＥＯはエチレンオキサイド
   を、ＰＯはプロピレンオキサイドをそれぞれ表し、ｍ，
   ｎ，ｐ，ｑは０〜６０の整数であって、かつｍ＋ｎ＋ｐ
   ＋ｑは１〜６０の整数を表し、Ｍは水素、アルカリ金
   属、アルカリ土類金属、炭素数１〜４の脂肪族アミン、
   アンモニアまたはアルカノールアミンを表す）
2. 【請求項２】 使用時のアルカリ剤の濃度が０．０５〜
   １０（Ｎａ₂ Ｏ基準）重量％であり、かつ請求項１記載
   のエーテルカルボキシレートの使用時の濃度が０．００
   １〜２重量％であることを特徴とするアルカリ洗浄剤組
   成物。