JP4451487B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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本発明は、浴室、台所廻り、床、トイレなどの硬表面の洗浄剤に関し、特に熱、光、もしくは酸化によって変質した油汚れ、浴室のスカム汚れ、又はその他硬質表面に生じる複合汚れ等に対して優れた洗浄力を有する液体洗浄剤組成物に関する。
一般に洗浄剤は、浴室、台所、床等等の硬質表面に応じた異なる汚れを除去するため、それぞれに適した組成のものが用いられている。例えば、台所まわり用洗浄剤としては、熱、日光、空気中の酸素等の作用により変質した油汚れを除去するため、界面活性剤、溶剤及びアルカリ剤等を含む洗浄剤が用いられている。また、浴室用の洗浄剤としては、皮脂、金属石鹸、特に脂肪酸のカルシウム塩の汚れを除去するため、界面活性剤、溶剤、金属イオン封鎖剤等を含む洗浄剤が用いられており、これまで多くの技術が開発されている。
アルキル又はアルキレン鎖を有するポリオール系化合物をこれら洗浄剤に含有することで優れた洗浄力を得ることも知られている。ポリオール化合物としては、アルキルグリセリルエーテル系化合物、アルキルグリコシド等の糖系化合物、(ポリ)グリセリンの脂肪酸エステル系化合物等が知られている。例えば、アルキルグリセリルエーテル系化合物に関しては、特許文献1には、炭素数が5以下のモノアルキルモノグリセリルエーテルを用いる液体洗浄剤が記載されている。特許文献2には、グリセリルエーテルの50モル%以上がジ体である、炭素数12〜18のアルコールのグリセリルエーテルを含有し、任意成分ではあるが、非界面活性剤抑泡制剤として、例えばパラフィン等の高分子量炭化水素類、脂肪酸エステル類、一価アルコール類の脂肪酸エステル類、脂肪族C18〜C40ケトン類をなどの化合物を含有してもよいことが記載されている。特許文献3には、炭素数1〜11のモノアルキルモノグリセリルエーテルにおいて、炭素数が異なるものの組合せないし異性体アルキルの組合せを混合して用いることでより優れた洗浄性を示す液体洗浄剤が記載されている。特許文献4には、炭素数が1〜12のアルキル基、アルケニル基、ベンジル基またはフェニル基の何れかを1つ有するモノグリセリルエーテル誘導体にテルペン系炭化水素、界面活性剤及びビルダーを含有する液体洗浄剤組成物が記載されている。その他グリセリルエーテル誘導体を含有する液体洗浄剤については、特許文献5には、メチル分岐のアルキル基を有するモノアルキルモノグリセリルエーテルを配合する油汚れや皮脂汚れに対して直ぐ得れた洗浄性を示す洗浄剤組成物が、特許文献6には、炭素数8〜16のモノアルキル(モノ、ジ又はトリ)グリセリルエーテルを含有する洗浄剤が記載されている。また、グリセリルエーテル誘導体を含む一般式で示されたポリオール化合物を含有する洗浄剤としては、特許文献7、特許文献8、特許文献9の洗浄剤を挙げることができる。
アルキルグリコシド系化合物を含有する洗浄剤としては、特許文献10、特許文献11、及び特許文献12には、アルキルグリコシド系界面活性剤と、モノテルペン又はセスキテルペン系炭化水素、及びその他成分を含有する液体洗浄剤が記載されている。
一方、疎水性有機溶剤を用いた液体洗浄剤に関する技術としては、前記のテルペン系炭化水素を配合する液体洗浄剤以外に、特許文献13を挙げることができ、これには、陰イオン界面活性剤0.01〜1.0重量%とテルペン又はセスキテルペン系炭化水素溶剤0.01〜1.0重量%及び水溶性2価金属0.001〜0.1重量%を含有する液体洗浄剤組成物が記載されている。なお、パラフィンなどの炭化水素類を抑泡制剤として含有することも知られており、前記特許文献2には、任意成分として配合してよいことが記載されている。
しかしながら、従来のポリオール系化合物の一部は、変質した油汚れなどに優れた洗浄力を示すものではあるが、水に対して溶解性に優れるため、水分量の多い洗浄剤の場合、洗浄効果は十分に発揮されない。また溶剤濃度を増加させる方法も考えられるが、経済上の問題は勿論、べたつき感が残るために、仕上のための水拭きが必要になる。
一方、疎水性有機溶剤を用いる従来の液体洗浄剤は、均質で安定な液体を得るために、界面活性剤のミセル内に疎水性有機溶剤を取り込むこと、すなわちo/wエマルジョンを形成することで安定化させるため、十分な洗浄力を得ることができない。これは、界面活性剤が疎水性有機溶剤の廻りを、親油基を内側に、親水基を外側にして取り囲み、疎水性有機溶剤を閉じ込めてしまうために、洗浄の際に汚れと接触するのは、界面活性剤のミセル内に閉じ込められた溶剤であり、そのため本来の溶剤の効果を十分に発揮することができないためと考えられる。
そこで、非水溶性溶剤の配合量を増やし、w/oエマルジョンとする方法も考えられる。例えばオレンジオイルを主成分とする液体洗浄剤が既に知られているが、疎水性有機溶剤の量を増加させた場合、経済上の問題のみならず、炭化水素溶剤などの引火性の疎水性有機溶剤を用いる場合、一般家庭の使用において、安全性の点で好ましくない。しかしながら、揮発性の低い疎水性有機溶剤を用いると、使用後のベタつきの原因になるだけでなく、水拭きができないため、拭き取りも困難である。
なお、特許文献14には、(1)トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル等の両親媒性溶剤、(2)炭化水素などの非極性溶剤ないし弱極性溶剤、及び(3)水等の極性溶剤から構成される近三臨界点組成物を洗浄剤として用いることが開示されているが、該公報技術の実施例に用いられているトリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのヒドロキシ基数が1つの化合物を多量に含有する系は、洗浄力を十分に発揮することができない。
また特許文献15には、バイコンティニュアス相を形成する液体洗浄剤が開示されている。しかしながら、使用している疎水性成分の極性が高く、十分な洗浄力を得ることができない。
特開平7−3289号公報 特表平7−500861号公報 特開平11−189796号公報 特開平11−256200号公報 特開昭57−133200号公報 USP4,430,237号公報 USP3,427,248号公報 特開昭64−67235号公報 特表平5−502687号公報 特開平2−182793号公報 特開平2−32197号公報 特開平3−269097号公報 特開平2−29498号 特開平6−306400号公報 特開2002−20791号公報
本発明の課題は、疎水性有機溶剤を含有する液体洗浄剤組成物に関し、安全性を損なうことなく、水分量が多いにも係わらず安定であり、優れた洗浄性を達成することにある。
本発明は、(a)下記一般式(1)で示される化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)20℃で液体の疎水性有機溶剤〔以下、(b)成分という〕、及び(c)水〔以下、(c)成分という〕を含有し、(b)/(c)=0.05/9.95〜4/6(質量比)、(b)+(c)=50〜99質量%である液体洗浄剤組成物に関する。
R−T−[S]m (1)
[式中、Rは炭素数3〜11のアルキル又はアルケニル基であり、
Figure 0004451487
Sは1〜10個のヒドロキシ基を有する総炭素数4〜30の基である。但し、Sは糖に由来する基ではなく、また、Sのヒドロキシ基が1個の場合、mは2であり、ヒドロキシ基が2個の場合、その少なくとも1つの基はオキシエチレン基又はポリオキシエチレン基(平均付加モル数5以下1超)に結合したヒドロキシ基である。]
<(a)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物には、(a)成分として下記一般式(1)で示される化合物を含有する。
R−T−[S]m (1)
[式中、Rは炭素数3〜11、好ましくは3〜8、より好ましくは4〜8のアルキル又はアルケニル基であり、
Figure 0004451487
Sは1〜10個のヒドロキシ基を有する総炭素数4〜30の基である。但し、Sのヒドロキシ基が1個の場合、mは2であり、ヒドロキシ基が2個の場合、その少なくとも1つの基はオキシエチレン基又はポリオキシエチレン基(平均付加モル数5以下1超)に結合したヒドロキシ基である。]
(a)成分は、一般式(1)中のRが、(i)T中の酸素原子と結合する2級炭素原子、(ii)3級炭素原子、及び(iii)4級炭素原子の少なくとも1つを有する化合物であることが好ましい。
一般式(1)の化合物は、本発明の(b)成分である疎水性有機溶剤と(c)成分の水との界面に配向しやすい性質を有する。(a)成分が一般的な界面活性剤と異なるところは、複数のヒドロキシ基を有すると共に、特定炭素数のアルキル基又はアルケニル基を有するため、(a)成分は(b)成分に対して親和性に乏しく、一方で適度の親水性を有する点であると考えられる。特にこの性質は、好ましい構造として規定される、Rのアルキル基又はアルケニル基を構成している炭素原子の少なくとも一つが、(i)T中の酸素原子と結合する2級炭素原子、(ii)3級炭素原子、及び(iii)4級炭素原子の少なくとも1つである化合物において、より強くなるものと考えられる。なお、一般式(1)中のSが糖に由来する基の場合は、(b)成分の疎水性有機溶剤を取り込み強固なo/wエマルジョンを形成しやすいため(b)成分が閉じ込められ、その結果、十分な洗浄力を得ることができない傾向がある。このため、一般式(1)の化合物は、Sが糖に由来する以外のものがより好ましい。なお、本発明において糖とは、ガラクトース、フルクトース等の単糖類、マルトース、キシロビオース等の二糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
一般式(1)で示される具体的な化合物としては、下記一般式(2)〜(5)の化合物を挙げることができる。
Figure 0004451487
[式中、R1は炭素数3〜11、好ましくは3〜8、より好ましくは4〜8のアルキル基又はアルケニル基、X、Yは、それぞれヒドロキシ基又は−O−CH2CH(V)CH2−Wであり、X及びYの両方がヒドロキシ基である場合を除く。ここでV、Wは、それぞれヒドロキシ基又は−O−CH2CH(V)CH2−Wである。但し、一般式(2)で表される化合物のヒドロキシ基の数は10以下である。]
Figure 0004451487
[式中、R1は前記と同じであり、R2及びR3はエチレン基及び/又はプロピレン基である。m、nは、それぞれが0〜10、好ましくは0〜7の数であり、両方が0である場合を除く。より好ましくはmとnの合計が1〜3である。]
Figure 0004451487
[式中、R1’は炭素数3〜10、好ましくは3〜7のアルキル又はアルケニル基であり、R5、R6は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、o及びpは、それぞれ1〜10の数である。]
Figure 0004451487
一般式(2)の化合物は、R1OHで表されるアルコール化合物とエピハロヒドリンやグリシドール等のエポキシ化合物をBF3等のルイス酸触媒を用いて反応させて製造することができる。この反応には、国際出願98/50389号公報に記載の一般式(6)で表されるアルミニウム触媒を使用することが、経済性や好ましい洗浄効果を得る目的から好適である。
Al(OSO2−R7)q(OR8)r(OR9)s (6)
(式中、R7は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R8及びR9は同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。qは1〜3、r及びsはそれぞれ0〜2の数であって、q+r+s=3である。)
ここで、R7は炭素数1〜5のアルキル基(好ましくはメチル基)、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜5のアルキル基を有していてもよいアリール基(好ましくは4−トルイル基又は4−ヒドロキシフェニル基)が好ましい。またR8及びR9は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基(例えばイソプロピル基、オクチル基)、フェニル基が好ましい。
上記触媒を用いて製造する場合において、エポキシ化合物はR1OHに対して1.5〜5モル倍過剰に用いて反応することが一般式(2)の化合物を収率よく得るために好ましいが、一般式(2)においてX及びYの両方がヒドロキシ基である化合物(以下(a’)成分という)も含まれる。本発明では(a’)成分の比率が(a)成分に対して0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%であることが、本発明の効果を得る上で好ましい。このような(a’)成分の含有量を達成するためには、蒸留などの操作を行う。
一般式(3)の化合物は、一般式(2)の化合物と同様の方法(但しR1OHとエポキシ化合物のモル比は0.8〜1.5、好ましくは0.9〜1.2である)で製造することができる化合物R1−O−CH2CH(OH)CH2−OHに、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドを通常の方法で付加させて製造できる。
一般式(4)の化合物において、−(R5O)o−H、及び−(R6O)p−Hは、異なっていてもよく、特にR5、R6がそれぞれ炭素数2又は3のアルキレン基、好ましくはエチレン基であり、o及びpは、それぞれ1〜10、好ましくは1〜3である。
一般式(4)の化合物は、例えば脂肪酸とエタノールアミンを脱水反応し、得られた化合物にアルキレンオキシドを付加させることで容易に合成することができる。
一般式(5)の化合物において、−(R5O)o−H、及び−(R6O)p−Hは、異なっていてもよく、特にR5、R6がそれぞれエチル基であり、且つo及びpがそれぞれ1〜3であることが好ましい。
一般式(5)の化合物は、例えば長鎖アルキル基を有する一級アミンにアルキレンオキシドを付加させることによって得ることができる。
本発明では洗浄効果及び組成物の安定性の点から、一般式(2)〜(5)中のR1又はR1’は、(i)T中の酸素原子と結合する2級炭素原子、(ii)3級炭素原子、及び(iii)4級炭素原子の少なくとも1つを有することが好ましい。また、一般式(2)〜(5)で示される化合物中で、より好ましくは一般式(2)の化合物及び一般式(3)の化合物から選ばれる1種以上、最も好ましくは一般式(2)の化合物である。
<(b)成分>
本発明に用いる20℃で液体の疎水性有機溶剤は、一般的によく知られている下記式より求められる溶解性パラメーター(以下sp値)が10.0〜21.0、好ましくは14.0〜21.0、より好ましくは14.0〜19.0の有機溶剤であり、20℃の水に対する溶解度が0.5質量%以下のものである。この範囲において、優れた洗浄力を得ることができる。
δ=(ΔH/V)1/2
δ;溶解性パラメーター(sp値)〔(J/cm31/2
ΔH;モル蒸発熱
V;モル体積
疎水性有機溶剤は、sp値が上記の範囲であれば、エーテル基、アミド基、エステル基等を有してもよい。(b)成分としては、例えば、全炭素数が6〜30の炭化水素、一価の脂肪族アルコール及びそのエステル、その他脂肪酸エステル、並びに脂肪族ケトン等を挙げることができる。本発明では、特に炭素数が8〜20、より好ましくは8〜15の炭化水素が好ましい。溶解性パラメーター(Solubility Parameter)は、例えば Hoy,K.L., The Hoy Tables of Solubility Parameters, Union Carbide Corporation, Solvents and Coatings Materials Division, South Charleston, WV(1985)を参照することができる。
炭化水素の具体例としてはオレフィン炭化水素、パラフィン炭化水素、芳香族炭化水素、及びテルペン系炭化水素を挙げることができる。
オレフィン炭化水素としては、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、テトラデセンなどの直鎖オレフィン化合物、ジイソブチレン、トリイソブチレンなどの分岐鎖オレフィン化合物、及びシクロヘキセン、ジシクロペンテンなどの環状オレフィン化合物を用いることができる。
パラフィン炭化水素としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカンなどの直鎖パラフィン化合物や、イソオクタン、イソヘキサン、イソドデカンなどの分岐鎖パラフィン化合物、及びシクロヘキサンなどの環状パラフィン化合物を用いることができる。
芳香族炭化水素としてはトルエン、キシレン、クメンを挙げることができる。
テルペン系化合物としてはイソプレンの2量体であるモノテルペン化合物、3量体であるセスキテルペン化合物、及び4量体であるジテルペン化合物を用いることができる。具体的なテルペン化合物としてはα-ピネン、β-ピネン、カンフェン、リモネン、ジペンテン、テルピノーレン、ミルセン、β-カリオフィレン、セドレンが好適であり、特にリモネン、ジペンテン、テルピノーレンが好ましい。
本発明では特に直鎖パラフィン化合物、分岐鎖パラフィン化合物、モノテルペン化合物及びセスキテルペン化合物から選ばれる1種以上が好ましく、特にウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、イソドデカン、リモネン、ジペンテン、テルピノーレンから選ばれる1種以上が洗浄効果の点から好適である。
<(c)成分>
本発明に用いる水は、一般的に液体洗浄剤に用いられている水を用いることができるが、硬度の高い水は安定性に影響するため注意を有する。本発明ではイオン交換水が好ましい。
<液体洗浄剤組成物>
本発明は(a)、(b)及び(c)成分を含有する液体洗浄剤組成物である。本発明の液体洗浄剤において、十分洗浄力を得ることができ、処理後の表面の残存を抑制する上で、(b)/(c)=0.5/99.5〜40/60、好ましくは1/99〜30/70、より好ましくは2/98〜10/90(質量比)で且つ、(b)+(c)=50〜99質量%、好ましくは55〜98質量%、より好ましくは70〜98質量%である。
具体的な各成分濃度の好ましくは(a)成分0.1〜30質量%、特には0.5〜20質量%、(b)成分0.05〜20質量%、特には0.5〜15質量%、及び(c)成分50〜98.5質量%、特には65〜97質量%である。
特に安定性の上で、(a)成分と(c)成分の比率が、好ましくは(a)/(c)=0.1/9.9〜5/5、より好ましくは0.3/9.7〜5/5、最も好ましくは0.5/9.5〜3/7(質量比)で配合される。
本発明の液体洗浄剤組成物には、その他成分として、洗浄力を向上させる目的から本発明の効果を妨げない程度に界面活性剤(以下(d)成分という)を含有することが好ましい。(d)成分としては(a)成分以外の陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤を挙げることができる。
陰イオン界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はα−スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩である。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、洗剤用界面活性剤市場に一般に流通しているものの中で、アルキル鎖の平均炭素数が8〜16のものであればいずれも用いることができ、例えば花王(株)製のネオペレックスF25、Shell社製のDobs102等を用いることができる。また、工業的には、洗剤用原料として広く流通しているアルキルベンゼンをクロルスルホン酸、亜硫酸ガス等の酸化剤を用いてスルホン化して得ることもできる。アルキル基の平均炭素数は10〜14が好ましい。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、平均炭素数10〜18の直鎖もしくは分岐鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコールに、EOを1分子当たり平均0.5〜5モル付加させ、これを例えば特開平9−137188号記載の方法を用いて硫酸化して得ることができる。アルキル基の平均炭素数は10〜16が好ましい。アルキル硫酸エステル塩としては炭素数10〜16、好ましくは10〜14の直鎖もしくは分岐鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコールをSO3又はクロルスルホン酸でスルホン化し、中和して得ることができる。α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数8〜18のα−アルケンをSO3でスルホン化し、水和/中和を経て成することができ、炭化水素基中にヒドロキシ基が存在する化合物と不飽和結合が存在する化合物の混合物である。また、α−スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩としてはアルキル基の炭素数は10〜16が好ましく、メチルエステル又はエチルエステルが洗浄効果の点から好ましい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩が好適であり、洗浄効果の点からナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好ましい。
本発明では、洗浄効果の点から炭素数10〜14、エチレンオキシド平均付加モル数1〜3のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、及び炭素数11〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩が特に良好である。
非イオン界面活性剤としては下記一般式(7)の化合物が好ましい。
10-O(EO)a(PO)b-OH (7)
[式中、R10は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示す。aは平均付加モル数0〜20の数、bは平均付加モル数0〜20の数を示し、a及びbの両者が0の場合を除く。]
両性界面活性剤としては下記一般式(8)又は一般式(9)から選ばれる化合物を含有することが洗浄効果の点から好ましい。
Figure 0004451487
[式中、R11は炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14の直鎖アルキル基又はアルケニル基であり、R13、R14は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基である。R12は炭素数1〜5、好ましくは2又は3のアルキレン基である。Aは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、cは0又は1の数である。]
Figure 0004451487
[式中、R15は炭素数9〜23、好ましくは9〜17、特に好ましくは9〜15のアルキル基又はアルケニル基であり、R16は炭素数1〜6、好ましくは2又は3のアルキレン基である。Bは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、bは0又は1の数である。R17、R18は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R19はヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基である。Dは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -から選ばれる基である。]
陽イオン界面活性剤としては、下記一般式(10)〜(12)の化合物を用いることが好適である。
Figure 0004451487
[式中R20及びR25は、それぞれ炭素数5〜16、好ましくは6〜14のアルキル基、又はアルケニル基、好ましくはアルキル基であり、R22、R23は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。T’は−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、
Figure 0004451487
である。gは0又は1の数である。R21は、炭素数1〜6のアルキレン基、又は−(O−R30)e−である。ここでR30はエチレン基もしくはプロピレン基、好ましくはエチレン基でありであり、eは1〜10、好ましくは1〜5の数である。R24は炭素数1〜5、好ましくは2又は3のアルキレン基である。また、R26、R27、R28、R29はこれらの内2つ以上(好ましくは2つ)は炭素数8〜12のアルキル基であり、残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。さらにZ-は陰イオン基、好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンである。]
本発明の最も好ましい陽イオン界面活性剤としては下記のものを挙げることができる。
Figure 0004451487
本発明では(d)成分として一般式(7)の非イオン界面活性剤及び一般式(10)又は一般式(12)の陽イオン界面活性剤が好ましく、特に一般式(10)の非イオン界面活性剤が洗浄力の点から最も好ましい。本発明の組成物は(d)成分を好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜7質量%含有する。
本発明では洗浄力をさらに向上させる目的から金属封鎖剤(以下(e)成分という)を含有することが好ましい。本発明に用いられる金属イオン封鎖剤としては、
(1)フィチン酸などのリン酸系化合物またはこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸などのホスホン酸またはこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(3)2-ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1-ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸などのホスホノカルボン酸またはこれのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンなどのアミノ酸またはこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸。ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン−N,N−ジ酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリン−N,N−ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸またはこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩
(6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸などの有機酸またはこれらのアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩
(7)ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩またはアルカノールアミン塩
(8)アミノポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、またはポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)もしくはアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
を挙げることができる。
これらの中で、上記(2)、(5)、(6)及び(7)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、上記(5)、及び(6)からなる群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。本発明の組成物は(e)成分を好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜7重量%含有する。
本発明ではアルカリ剤(以下(f)成分という)を含有することが洗浄力の点から好ましい。アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び下記一般式(13)〜一般式(16)のアミン化合物が好適である。
Figure 0004451487
〔式中、R29、R30、R31、R32、R33、R35、R36a、R36b、R37、R38、R41、R42、R43、R44は、それぞれ水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示し、R34、R39、R40は、それぞれヒドロキシ基で置換していても良い炭素数1〜6のアルキレン基である。〕
一般式(13)で表わされる化合物としては、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。一般式(14)で表わされる化合物としては、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン等が挙げられる。一般式(15)で表わされる化合物としては、ジエチレントリアミン等が挙げられる。また、一般式(16)で表わされる化合物としては、モルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。本発明で用いるアルカリ剤は拭きすじを残さず優れた仕上がり性を得るために一般式(13)の化合物又は一般式(16)から選ばれる化合物が好ましく、特にモノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール及びモルホリンが良好である。本発明の組成物は(f)成分を好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜8重量%含有することが、洗浄効果の点から好適である。
本発明の液体洗浄剤組成物は、20℃におけるpHが2〜12、更に3〜11であることが、洗浄効果の点から好ましい。pH調整剤としては塩酸や硫酸など無機酸や、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸などの酸剤や、上記アルカリ剤を、単独もしくは複合して用いることが好ましく、特に塩酸、硫酸、クエン酸から選ばれる酸と水酸化ナトリウムや水酸化カリウムあるいは一般式(13)〜一般式(16)のアミン化合物から選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましい。また、使い勝手の点から本発明の組成物は20℃における粘度は1〜100mPa・s、好ましくは1〜50mPa・sが良好である。ここで本発明でいう粘度は20℃の恒温槽で試料を30分間熟成させた後、TOKIMEC.INC製B型粘度計モデルBMを用いて測定したものである。
本発明では貯蔵安定性を向上させる目的でハイドロトロープ剤を含有することが好ましく、具体的に好ましい化合物としては炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換したベンゼンスルホン酸又はその塩を挙げることができる。より具体的に好ましい例としては、p−トルエンスルホン酸、m−キシレンスルホン酸、p−クメンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸であり、塩を用いる場合にはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が良好である。
また、本発明の組成物には、ゲル化防止のためのポリアルキレングリコールを配合してもよい。その配合量は、使い勝手の良い粘度に調整する目的に、組成物中、0〜1.0重量%が好ましく、より好ましくは0〜0.5重量%である。ゲル化防止としてのポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチングリコールを標準としたときのゲルクロマトグラフィーによって求められた重量平均分子量が500〜20000のポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、水溶性溶剤を含有することができる。水溶性溶剤は、本発明では20℃で前記のsp値が21.0を超え、30.0以下の有機溶剤であり、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレン(平均付加モル数1〜5)モノメチルエーテル、ポリオキシプロピレン(平均付加モル数1〜5)モノエチルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数1〜5)モノフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数1〜5)モノベンジルエーテル、及びアルキル基の炭素数が3〜8のモノアルキルグリセリルエーテルから選ばれる水溶性溶剤が好ましい。
本発明では洗浄効果を向上させると共に、(b)成分が分離するなどの貯蔵安定性上の問題を引き起こさないという観点から、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数1〜5)モノフェニルエーテルから選ばれる水溶性溶剤を併用することが好ましく、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルを併用することが最も好適である。含有量は好ましくは1〜30質量%、好ましくは5〜25質量%が好適であり、(a)成分/水溶性溶剤の質量比は好ましくは1/20〜20/1、より好ましくは1/20〜10/1、特に好ましくは1/10〜5/1が洗浄効果及び貯蔵安定性の点から好適である。
本発明の液体洗浄剤組成物は、上記成分の他、更に必要に応じて、通常の分散剤、キレート剤、香料、染料、顔料、防腐剤等を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
本発明の液体洗浄剤が優れた洗浄性を示す理由としては、(a)成分の化合物の性質によるところが大きい。本発明者らは、先に説明したように(a)成分の化合物が(b)成分と(c)成分との界面に配向する性質を示すが、強固に(b)成分を(a)成分の分子間内に閉じ込めない性質を持つこと、更にはアルキル鎖もしくはアルケニル鎖(式(1)中のR)の炭素数が一般的な界面活性剤と比べて短いために(a)成分が(b)成分に溶解することが殆どなく、その結果剥き出しの(b)成分本来の洗浄力が得られるのではないかと推測している。
更に(a)成分の性質は、(b)成分を水の多い系内で連続状態を形成した状態で安定化させることを可能とする。これは(a)成分の化合物が構造上、球状ミセルを作りにくいためと推測される。本発明では特に、25℃で、(b)成分の相と(c)成分の相の双方が連続相を形成しているいわゆるバイコンティニュアス状態を形成しているものが最も好ましい。(c)成分と共に(b)成分が連続相を形成することで、従来の界面活性剤を用いたo/w型のエマルジョンによる洗浄剤よりも、優れた洗浄性を得ることができる。
なお、バイコンティニュアス状態とは、油相と水相が共に連続相であることを特長とする相状態であり、「日本油化学会誌 第45巻 第10号(1996)非イオン界面活性剤系の相平衡の制御」(國枝博信、長谷川新浩)、「界面活性の化学と応用」(妹尾学、辻井薫、1993年発行、大日本図書(株))に記載されているものであり、例えば図1のように、水と疎水性有機溶剤がそれぞれ連続相を形成しているものである。
(b)成分が連続した相を形成しているかどうかは、例えば、本発明の液体洗浄剤組成物を急速に凍結し、割断面を電子顕微鏡により観察することにより、確認することができる。
以下の実施例及び比較例で用いた化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)及び(H)は、下記式で示される化合物である。
Figure 0004451487
Figure 0004451487
実施例1
表1の液体洗浄剤組成物を調製し、下記の方法により洗浄力及び安定性を調べた。表1の組成はレンジや換気扇の台所廻りの洗浄剤を想定したものであり、表1の洗浄剤に関しては、油汚れに対する洗浄力を調べた。
<評価方法>
1−1.安定性
○:室温(10℃〜30℃)で1ヶ月以上静置しても相分離や白濁をおこすことなく、安定な透明溶液である。
×:同条件において相分離、白濁、沈殿をおこす。
1−2.洗浄力(変性油汚れ洗浄力)
天ぷら油10gを鉄板に均一に塗布し、180℃の温度で30分間焼き付けたのち、さらに室温で3ヶ月間放置することにより殆ど乾いた膜を形成してモデル汚染板とした。液体洗浄剤組成物約0.5mlを、水平に固定したモデル汚染板に滴下し、1分間放置した。その後、浮き上がった汚れを脱脂綿で軽く除去した。この操作を計20回行い、それぞれの洗浄の程度を目視により観察して下記の基準により評価し、20回の平均値で表示した。
5:完全な汚れ落ち
4:60%から80%程度の汚れ落ち
3:50%から60%程度の汚れ落ち
2:30%から50%程度の汚れ落ち
1:30%程度までの汚れ落ち
0:まったく汚れが落ちない。
<相状態の確認>
配合例1−12の液体洗浄剤組成物を急激に凍結させたものを、電子顕微鏡にて相状態を確認したところ、明らかにウンデカン相と水相がそれぞれ連続相を形成している、バイコンティニュアス状態を形成していることが確認された。その様子を図1に示す。
Figure 0004451487
実施例2
表2は浴室・浴槽用の液体洗浄剤組成物の例である。これらの安定性を実施例1と同様に、また石鹸カスに対する洗浄力を以下の方法で評価した。
2−1.洗浄力(石鹸カス洗浄力)
3ヶ月間、実際に使用して石鹸かすが固着している洗面器(ポリプロピレン製)を、評価用の液体洗浄剤組成物を含ませたポリウレタン製のスポンジに約500gの荷重をかけて5往復こすった。この操作を計20回行い、それぞれの洗浄の程度を目視により観察して下記の基準により評価し、20回の平均値で表示した。
5:汚れ落ちが非常に良好
4:汚れ落ちが良好
3:汚れ落ちにムラがある
2:若干汚れが落ちる程度
1:殆ど汚れが落ちない。
Figure 0004451487
比較例1
表3に示す液体洗浄剤組成物を調製し、実施例1、2と同様に安定性、油汚れに対する洗浄力及び石鹸カスに対する洗浄力を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004451487
実施例3
表4に、本発明の効果を有する好適な配合例を示す。これら組成物は優れた洗浄効果及び貯蔵安定性を有するものである。
Figure 0004451487
配合例1−12の液体洗浄剤組成物の相状態を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. (a)下記一般式(1)で示される化合物0.1〜30質量%、(b)20℃で液体の疎水性有機溶剤0.05〜20質量%、及び(c)水50〜98質量%を含有し、(b)/(c)=0.05/9.95〜4/6(質量比)、(b)+(c)=55〜99質量%である液体洗浄剤組成物。
    R−T−[S]m (1)
    [式中、Rは炭素数3〜11のアルキル又はアルケニル基であり、
    Figure 0004451487

    Sは1〜10個のヒドロキシ基を有する総炭素数4〜30の基である。但し、Sは糖に由来する基ではなく、また、Sのヒドロキシ基が1個の場合、mは2であり、ヒドロキシ基が2個の場合、その少なくとも1つの基はオキシエチレン基又はポリオキシエチレン基(平均付加モル数5以下1超)に結合したヒドロキシ基である。]
  2. (a)が下記一般式(2)〜(5)の化合物から選ばれる化合物である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
    Figure 0004451487

    [式中、R1は炭素数3〜11のアルキル基又はアルケニル基、m、nは0又は1の数であり、m+n=1である。]
    Figure 0004451487

    [式中、R1は前記と同じであり、R2及びR3はエチレン基及び/又はプロピレン基である。m、nは、それぞれが0〜10の数であり、両方が0である場合を除く。]
    Figure 0004451487

    [式中、R1’は炭素数3〜10のアルキル又はアルケニル基であり、R5、R6は、それぞれ炭素数1〜3のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基であり、o及びpは、それぞれ1〜10の数である。]
    Figure 0004451487
  3. (a)が下記一般式(2)で示される化合物である請求項1又は2記載の液体洗浄剤組成物。
    Figure 0004451487

    [式中、R1は炭素数3〜11のアルキル基又はアルケニル基、m、nは0又は1の数であり、m+n=1である。]
  4. 一般式(1)中のR又は一般式(2)〜(5)中のR1もしくはR1’が、(i)T中の酸素原子と結合する2級炭素原子、(ii)3級炭素原子、及び(iii)4級炭素原子の少なく
    とも1つを有する請求項1〜3の何れか1項記載の液体洗浄剤組成物。
  5. (b)が炭素数6〜20の炭化水素である請求項1〜4何れか1項記載の液体洗浄剤組成物。
  6. (a)/(c)が質量比で0.1/9.9〜3/7である請求項1〜5何れか1項記載の液体洗浄剤組成物。
  7. 液体洗浄剤組成物中、(b)が連続相を形成している請求項1〜6何れか1項記載の液体洗浄剤組成物。
  8. さらにジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数1〜5)モノフェニルエーテルから選ばれる有機溶剤を含有する請求項1〜7いずれか記載の液体洗浄剤組成物。
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