JP4664473B2

JP4664473B2 - 液体洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP4664473B2
Application number: JP2000255832A
Authority: JP
Inventors: 仁小根; 智恵子小倉
Original assignee: Adeka Corp
Current assignee: Adeka Corp
Priority date: 2000-08-25
Filing date: 2000-08-25
Publication date: 2011-04-06
Anticipated expiration: 2020-08-25
Also published as: JP2002069498A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関するものである。詳しくは、家具、床、ガラス製品等の、油脂汚れに対する優れた洗浄性を有し、壁面への付着性、起泡性による拭き取り性等の作業性に優れ、かつ拭き残り跡が少なく仕上がり性の優れた液体洗浄剤組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、家具、床、台所周り、ガラス製品等の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、汚れの種類および程度に応じて以下のものが使い分けられている。比較的汚れの程度が軽い手垢汚れや未変性油に対しては、界面活性剤・溶剤系の洗浄剤組成物が用いられており、台所周り等の熱、日光、空気中の酸素などの作用により変質した油脂汚れ等には、界面活性剤・溶剤・アルカリ剤の洗浄剤組成物が主に用いられている。
しかしながら、これらの洗浄剤組成物を使用した場合、被洗浄面に界面活性剤やアルカリ剤が残存する為、特に窓ガラス等においては洗浄後も拭き跡が残り仕上がりが不十分であり、二度拭きするか水で十分に濯ぐ必要があった。
【０００３】
このような問題を解決する試みとして特開平４−８５４００号公報では、特定のアニオン性界面活性剤および特定の両性界面活性剤から成る、高洗浄性を有し、拭き残り跡の少ない液体洗浄剤組成物が提案されている。しかしながら、この洗浄剤組成物は、垂直面にて液ダレが生じたり、拭き取り時に泡が立ちすぎて仕上げるのに時間を要したりと作業性が良好ではなかった。
【０００４】
さらに、特開平６−２２８５９１号公報では、ジフェニルエーテルジスルホン酸型アニオン性界面活性剤から成る硬質表面用洗浄剤組成物が、高洗浄性を有し、拭き残り跡の少ない洗浄剤組成物として提案されている。しかしながら、この洗浄剤組成物は、油脂汚れに対する洗浄力が十分ではなく、満足のいくものではなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、油脂汚れに対する良好な洗浄力を有し、良好な壁面への付着性、適度な起泡性による拭き取り性等の作業性に優れ、かつ拭き残り跡の少ない仕上がりも良好なスプレー用液体洗浄剤組成物を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、上記課題を解決することができた。すなわち本発明は、（Ａ）下記一般式（１）、（２）、および（３）で表される化合物から選ばれる１種または２種以上を０．２〜１重量％、
【０００７】
【化４】

【０００８】
（式中、Ｒ¹は炭素原子数８〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基を示し、Ｍ¹はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基を示す）
【０００９】
【化５】

【００１０】
（式中、Ｒ²は炭素原子数１〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基を示し、Ｍ²はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基を示す）
【００１１】
【化６】

【００１２】
（式中、Ｒ³は炭素原子数１〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基を示し、Ｍ³はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基を示す）
（Ｂ）ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはプロピレングリコールモノエチルエーテルから選択されるアルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤の１種または２種以上を１〜５重量％、および
【００１４】
（Ｃ）炭素原子数１〜１０を有するアルカノールアミンを０．１〜５重量％含有することを特徴とするスプレー用液体洗浄剤組成物を提供するものである。
【００１５】
【発明の実施の形態】
（Ａ）成分
本発明で使用される（Ａ）成分は、下記一般式（１）、（２）、および（３）で表される化合物から選ばれる１種または２種以上を含有したものである。
下記一般式（１）で示される化合物は、アルキルナフタレンスルホン酸塩である。
【００１６】
【化７】

【００１７】
上記式中のＲ¹は、炭素原子数８〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基であり、洗浄性の点から、好ましくは炭素原子数１０〜１５のアルキル基であり、特に炭素原子数１２〜１４のアルキル基が好ましい。
また、Ｍ¹はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基であり、泡立ちの点から、好ましくは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムであり、特にナトリウム、カリウムが好ましい。
上記一般式（１）の具体例としては、１−ラウリル−５−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、１−ミリスチル−５−ナフタレンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。中でも洗浄性と泡立ちの点で、１−ラウリル−５−ナフタレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【００１８】
また、下記一般式（２）で示される化合物は、α−オレフィンスルホン酸塩である。
【００１９】
【化８】

【００２０】
上記式中のＲ²は、炭素原子数１〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基であり、洗浄性の点から、炭素原子数４〜１０のアルキル基が好ましい。
また、Ｍ²はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基であり、泡立ちの点から、好ましくは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムであり、特にナトリウム、カリウムが好ましい。
【００２１】
また、下記一般式（３）で示される化合物は、下記構造式を有する。
【００２２】
【化９】

【００２３】
上記式中のＲ³は、炭素原子数１〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基であり、洗浄性の点から、炭素原子数４〜１０のアルキル基が好ましい。
また、Ｍ³はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基であり、泡立ちの点から、好ましくは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムであり、特にナトリウム、カリウムが好ましい。
これら（Ａ）成分中の一般式（１）、（２）、および（３）で表される化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、好ましくは２種以上を組み合わせて用いても良い。
【００２４】
本発明で使用される（Ａ）成分の含有量は、本発明組成物中で０．２〜１重量％であり、好ましくは０．２〜０．５重量％である。この含有量が０．０１重量％未満では油脂汚れに対する洗浄力が不十分であり、１重量％を超えると拭き取り時の作業性不良や拭き残りの原因となる。
【００２５】
（Ｂ）成分
本発明で使用される（Ｂ）成分は、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはプロピレングリコールモノエチルエーテルから選択されるアルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤の１種または２種以上を含有したものである。これら（Ｂ）成分は単独で用いても良いし、好ましくは２種以上を組み合わせて用いても良い。
【００２８】
（Ｂ）成分の含有量は、本発明組成物中で１〜５重量％であり、好ましくは３〜５重量％である。この含有量が１重量％未満では油脂汚れに対する洗浄力が不十分であり、更に垂直面に対する付着性も悪く液ダレの原因にもなる。一方、５重量％を超えると拭き残りの原因となる。
【００２９】
（Ｃ）成分
本発明においては、さらに（Ｃ）成分として炭素原子数１〜１０、好ましくは２〜５を有するアルカノールアミンを含有することが必要である。具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、Ｎ−メチルエタノールアミン、Ｎ−エチルエタノールアミン、Ｎ−ブチルモノエタノールアミン、Ｎ−ブチルジエタノールアミン、Ｎ−メチルプロパノールアミン等が挙げられる。中でも、油脂汚れに対する洗浄力、および拭き残り性の面から、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンが好ましい。これら（Ｃ）成分は、単独で用いても良いし、好ましくは２種以上を組み合わせて用いても良い。
【００３０】
（Ｃ）成分の含有量は、本発明組成物中で０．１〜５重量％であり、好ましくは１〜３重量％であり、さらに好ましくは１〜１．５重量％である。この含有量が０．１重量％未満では油脂汚れに対する洗浄力が不十分であるし、５重量％を超えると拭き残りの原因となる。
【００３１】
本発明の液体洗浄剤組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意成分として殺菌剤、ビルダー、香料、色素、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、可溶化剤、その他の添加剤を配合することができる。
【００３２】
本発明の液体洗浄剤組成物は、常法により、上記（Ａ）〜（Ｃ）成分、任意成分、および水を混合し、水溶液として調製する。水の含有量は、各成分の種類および配合量によって異なるが、泡状にスプレーして使用する場合に壁面への付着性を良好にするには、７０〜９９重量％であり、好ましくは８５〜９５重量％である。また、水溶液のｐＨは、１０以上が好ましい。
【００３３】
本発明の液体洗浄剤組成物は、家具、床、ガラス製品等の広範な用途に使用でき、とくにそれらの壁面の洗浄に適している。また、液体洗浄剤組成物をスプレー後、乾拭きするタイプにも好適である。
【００３４】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表１の実施例１〜４、および比較例５〜１１に示す配合組成の液体洗浄剤組成物を調製した。各成分の配合量は、重量％で示した。得られた液体洗浄剤組成物について、次に示す方法によって洗浄性、壁面への付着性、拭き取り性、拭き残り性を評価した。その結果を表１に示した。
【００３５】
（液体洗浄剤組成物の調製）
実施例１
水に、ジエタノールアミン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、１−ラウリル−５−ナフタレンスルホン酸ナトリウムを順に加え、常温下でマグネットスターラーを用い攪拌しながら液体洗浄剤組成物を調製した。
実施例２〜４および比較例５〜１１も上記と同様に、水に、表１に示す配合成分を加え、常温下で攪拌しながら各液体洗浄剤組成物を調製した。
【００３６】
＜洗浄性試験方法＞
大豆油０．１グラムをステンレス板に塗布し、１８０℃で９０分の焼付けを行った。このステンレス板を表１に示す種々の液体洗浄剤組成物１０ｍｌに浸漬し、１０分間放置した。この洗浄の前後の洗浄率をステンレス板の重量変化により算出した。その結果を次の尺度で表１に示した。重量変化が大きい方が洗浄性に優れる。
（重量変化）
◎：１００〜８０％
○：７９〜６０％
×：５９〜０％
【００３７】
＜壁面への付着性試験方法＞
表１に示す種々の液体洗浄剤組成物を垂直壁面へ約１ｍｌスプレーした後、３０ｃｍ流れ落ちるまでの時間を計測した。その結果を次の尺度で表１に示した。時間の長い方が壁面への付着性に優れる。
◎：３０秒以上
○：２９〜２０秒
×：１９秒以下
【００３８】
＜拭き取り性試験方法＞
表１に示す種々の液体洗浄剤組成物を窓ガラスへ約１ｍｌスプレーした後、乾いたタオルで拭き取りを行った。この時泡が完全に消泡するまでの時間を計測した。その結果を次の尺度で表１に示した。時間が短い方が拭き取り性に優れる。
◎：５秒未満
○：５〜１０秒
×：１１秒以上
【００３９】
＜拭き残り性試験方法＞
表１に示す種々の液体洗浄剤組成物を窓ガラスへ約１ｍｌスプレーした後、乾いたタオルで拭き取りを行い、その仕上がり具合を次の尺度で評価し、表１に示した。
◎：拭き残りが全くない
○：拭き残りがほとんどない
×：拭き残りがある
【００４０】
【表１】

【００４１】
【発明の効果】
本発明によれば、良好な洗浄力、特に油脂汚れに対する優れた洗浄効果を有し、泡状にスプレーして使用する場合に良好な壁面への付着性と適度な起泡性による優れた拭き取り性を有し、かつ拭き残り跡が少なく仕上がりも良好である液体洗浄剤組成物が提供される。

Claims

（Ａ）下記一般式（１）、（２）、および（３）で表される化合物から選ばれる１種または２種以上を０．２〜１重量％、

（式中、Ｒ¹は炭素原子数８〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基を示し、Ｍ¹はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基を示す）

（式中、Ｒ²は炭素原子数１〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基を示し、Ｍ²はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基を示す）

（式中、Ｒ³は炭素原子数１〜１８の直鎖または分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基を示し、Ｍ³はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または炭素原子数１〜５のアルカノールアミン基を示す）
（Ｂ）ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはプロピレングリコールモノエチルエーテルから選択されるアルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤の１種または２種以上を１〜５重量％、および
（Ｃ）炭素原子数１〜１０を有するアルカノールアミンを０．１〜５重量％含有することを特徴とするスプレー用液体洗浄剤組成物。