JP2002088393A

JP2002088393A - 食品及び食器用液体洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP2002088393A
Application number: JP2000279073A
Authority: JP
Inventors: Yasue Nagata; 泰江永田; Noriyuki Ban; 則幸伴
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 2000-09-14
Filing date: 2000-09-14
Publication date: 2002-03-27

Abstract

(57)【要約】【課題】安全性に優れ、油の可溶化に優れた食品及び
食器用液体洗浄剤組成物を得る。【解決手段】下記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、及び
（Ｃ）成分を含有することを特徴とする食品及び食器用
液体洗浄剤組成物。（Ａ）ポリグリセリン脂肪酸エステル３〜３０質量％（Ｂ）油分０．１〜１０質量％（Ｃ）ビルダー０．１〜１０質量％

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、安全性に優れ、油
の可溶化に優れた食品及び食器用液体洗浄剤組成物に関
し、特に、野菜、果実等の食品、乳幼児が口にするガラ
ス、プラスチック製の各種皿、ビン類等の食器及びほ乳
瓶なども安心して洗浄することができる食品及び食器用
液体洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来、各
種の食器、調理器具などの表面を洗浄する洗浄剤には、
アニオン界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩、
アルカンスルフォン酸塩等、ノニオン界面活性剤として
はポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカ
ノールアマイド等、両性界面活性剤としてはベタイン類
などを適宜組合せて使用している。

【０００３】このような洗浄剤組成物は、充分な泡性能
及び洗浄力を有し、しかも手にマイルドな洗浄剤として
市販されているが、食品及び乳幼児が口にする食器、哺
乳ビン等の洗浄には、人体に対して無毒性であること、
即ち安全性の高い洗浄剤組成物が必要である。

【０００４】このため、食品及び食器の洗浄に適した洗
浄剤組成物としては食品添加物であるショ糖脂肪酸エス
テルを主成分とし、各種ビルダーを併用した安全性の高
い洗浄剤組成物が提案されている。例えば特開昭６０−
１２８００号公報には、（１）ポリグリセリンとラウリ
ン酸のモノエステルと、（２）ショ糖とラウリン酸のモ
ノエステルとの組み合わせによる洗浄剤組成物が提案さ
れている。また、特公平３−３７５９９号公報には、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルと金属イオン封鎖能を有す
る無機ビルダー又は金属イオン封鎖能を有する有機ビル
ダーとの混合成分を含有する食品、食器等の洗浄に適し
た洗浄剤組成物が提案されている。

【０００５】しかしながら、これらの洗浄剤は、油汚れ
が大量に付着している場合、充分な洗浄力を発揮できて
おらず、低温での保存安定性が低いものであり、更なる
改良、開発が望まれていた。

【０００６】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、洗浄力に優れ、かつ、安全性が高く、食品及び食
器、特に乳幼児が口にする食器及びほ乳瓶なども安心し
て洗浄することができる食品及び食器用液体洗浄剤組成
物を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、（Ａ）ポリグリセリン脂肪酸エステルと、（Ｂ）油
分と、（Ｃ）ビルダー、好ましくは（Ｄ）脂肪酸の炭素
数が６〜１８であるモノグリセリン脂肪酸エステルとを
組み合わせることにより、これら成分が相乗的に作用し
て、油汚れが大量に付着した場合でも充分な洗浄力を有
し、起泡性、及び経日安定性に優れると共に、安全性が
高く、食品及び食器、特に乳幼児が口にする食器及びほ
乳瓶なども安心して洗浄することができる食品及び食器
用液体洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を
なすに至った。

【０００８】即ち、本発明は、下記の食品及び食器用液
体洗浄剤組成物を提供する。請求項１：下記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、及び（Ｃ）成
分を含有することを特徴とする食品及び食器用液体洗浄
剤組成物。（Ａ）ポリグリセリン脂肪酸エステル３〜３０質量％（Ｂ）油分０．１〜１０質量％（Ｃ）ビルダー０．１〜１０質量％請求項２：上記（Ａ）成分のポリグリセリン脂肪酸とし
て、脂肪酸の炭素数が１２〜１８であるポリグリセリン
脂肪酸エステルと、脂肪酸の炭素数が８〜１０のポリグ
リセリン脂肪酸エステルとの混合物を用いる請求項１記
載の食品及び食器用液体洗浄剤組成物。請求項３：更に、（Ｄ）脂肪酸の炭素数が６〜１８であ
るモノグリセリン脂肪酸エステルを０．５〜５質量％含
有する請求項１又は２記載の食品及び食器用液体洗浄剤
組成物。

【０００９】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明の食品及び食器用液体洗浄剤組成物は、
（Ａ）ポリグリセリン脂肪酸エステルと、（Ｂ）油分
と、（Ｃ）ビルダーとを含有するものである。

【００１０】本発明の食品及び食器用液体洗浄剤組成物
の（Ａ）成分のポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリ
セリンを重合させたポリグリセリンと脂肪酸とのエステ
ル化物である。

【００１１】上記（Ａ）成分のポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを構成するポリグリセリンとしては、重合度が２
〜１２のポリグリセリンが好ましく、例えばジグリセリ
ン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセ
リン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグ
リセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、又はこれ
らの混合物などが挙げられる。

【００１２】また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構
成する脂肪酸は炭素数が６〜２２の飽和物又は不飽和物
であり、好ましくは炭素数６〜１２の直鎖飽和脂肪酸、
又は炭素数１６〜１８の直鎖不飽和脂肪酸が好適であ
る。例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトオレ
イン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノ
レイン酸などが挙げられ、これらの１種を単独で又は２
種以上を組合せて用いることができる。また、ポリグリ
セリン脂肪酸エステルはＨＬＢが５〜１８であることが
液性の面から好ましい。

【００１３】このような（Ａ）成分のポリグリセリン脂
肪酸エステルとしては、例えばデカグリセリンラウリン
酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デ
カグリセリンオレイン酸エステル、デカグリセリンカプ
リン酸エステル、ヘキサグリセリンラウリン酸エステ
ル、テトラグリセリンラウリン酸エステル、テトラグリ
セリンステアリン酸エステルなどが挙げられ、これらの
１種を単独で又は２種以上を組合せて用いることができ
る。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステルと
しては、モノエステル、ジエステル、トリエステルを４
０〜９５質量％含むものが好ましく、特にモノエステル
を２０〜８０質量％含むものが好ましい。

【００１４】本発明においては、上記（Ａ）成分とし
て、（Ａ’）成分の脂肪酸の炭素数が１２〜１８のポリ
グリセリン脂肪酸エステルと、（Ａ’’）成分の脂肪酸
の炭素数が８〜１０のポリグリセリン脂肪酸エステルと
の混合物を用いることが、起泡力、及び液体洗浄剤組成
物の経日安定性をより一層向上させる点から好ましい。
この場合、（Ａ’）成分／（Ａ’’）成分の混合比は重
量比で９５／５〜５／９５、好ましくは８０／２０〜２
０／８０である。

【００１５】更に、（Ａ）成分として、脂肪酸の炭素数
が８〜１４であるジグリセリン脂肪酸エステルを０．１
〜５質量％配合することが、洗浄力の向上を一層はかる
点から好ましい。このようなジグリセリン脂肪酸エステ
ルとしては、例えばジグリセリンカプリレート、ジグリ
セリンラウレートなどが挙げられる。

【００１６】この場合、（Ａ）成分のポリグリセリン脂
肪酸エステルの配合量は３〜３０質量％であり、好まし
くは３〜２０質量％である。（Ａ）成分のポリグリセリ
ン脂肪酸エステルの配合量が少なすぎると泡高さが劣
り、一方、多すぎると性能よりも経済性の面から好まし
くない。

【００１７】本発明の食品及び食器用液体洗浄剤組成物
の（Ｂ）成分の油分とは、本発明においては常温で実質
的に水不溶性であり、かつ常温で液状（オイル状）のも
のを意味する。

【００１８】上記（Ｂ）成分の油分としては、安全性の
観点から、天然物乃至は食品添加物として認可されてい
るものが好ましい。具体的には、アボガド油、ヒマワリ
油、オリーブ油、山茶花油、杏仁油、椿油、ひまし油等
の植物性油、ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノ
レン、テルビネン、フェランドレン、シルベストレン、
サビネン、カレン、ビエン、カンフェン、トリシクレ
ン、フェンチェン、ビサピレン、ジンギベレン、クルク
メン、カジネン、セキスベニヘン、サンタレン、カリオ
レフィン、セドレン、ロンギホレン、カンホレン、ミレ
ン等のテルペン炭化水素、シトレネロール、ゲラニオー
ル、ネロール、リナノール、メントール、テルピネオー
ル、ファルネソール、ネロリドール、グアヨール、カロ
トール、フィトール、マノール、ヒノキオール等のテル
ペンアルコール、炭化水素系のワセリン、流動パラフィ
ン、イソパラフィン、スクワランなどが挙げられ、これ
らの１種を単独で又は２種以上を組合せて用いることが
できる。これらの中でも、ヒマワリ油、オリーブ油、リ
モネン、シトレネロール、リナノール、テルピネオー
ル、流動パラフィンが好適である。

【００１９】この場合、（Ｂ）成分の油分の配合量は
０．１〜１０質量％であり、好ましくは０．５〜５質量
％である。この油分を配合することにより、油に対する
洗浄力が一層向上するものである。（Ｂ）成分の油分の
配合量が少なすぎると、油に対する洗浄力が一層向上す
るという効果が低くなり、本発明の目的及び作用効果を
達成することができない。一方、多すぎると油分自体が
汚垢となり、液体洗浄剤組成物が不均一となり好ましく
ない。

【００２０】本発明の食品及び食器用液体洗浄剤組成物
の（Ｃ）成分のビルダーとしては、無機ビルダー及び有
機ビルダーを特に制限なく用いることができるが、水可
溶性ビルダーを用いることが好ましい。このようなビル
ダーとしては、多価カルボン酸、アミノカルボン酸、オ
キシカルボン酸又はこれらの塩、炭酸、重炭酸、ケイ酸
並びに結晶及び非晶質アルミノケイ酸の水溶性塩、ピロ
リン酸、オルトリン酸、ポリリン酸及びホスホン酸の塩
などが挙げられるが、特に安全性、及びカルシウム補足
能の高いクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸又はこれらの
塩（ナトリウム塩、カリウム塩）が好ましい。また、グ
ルタミン酸、グリシン、アラニン等のアミノ酸、又はこ
れらの塩（ナトリウム塩、カリウム塩）も安全性の面か
ら好ましい。

【００２１】この場合、（Ｃ）成分のビルダーの配合量
は０．１〜１０質量％であり、好ましくは１〜６質量％
である。（Ｃ）成分のビルダーの配合量が少なすぎると
洗浄力に劣り、一方、多すぎると液体洗浄剤組成物の経
日安定性に劣るため、好ましくない。

【００２２】本発明の食品及び食器用液体洗浄剤組成物
は、上記（Ａ）〜（Ｃ）成分以外にも、更に、（Ｄ）成
分の脂肪酸の炭素数が６〜１８であるモノグリセリン脂
肪酸エステルを０．５〜５質量％含有させることが、起
泡性、及び洗浄力をより一層向上させる点から好まし
い。

【００２３】上記（Ｄ）成分のモノグリセリン脂肪酸エ
ステルは、グリセリンと炭素数６〜１８の脂肪酸のエス
テル化物である。モノグリセリン脂肪酸エステルを構成
する脂肪酸としては、炭素数６〜１８の飽和又は不飽和
の脂肪酸が好ましく、特に炭素数６〜１４の直鎖飽和脂
肪酸が好適である。例えばカプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸などが挙げられる。この場合、モノエステルの
含有量が５０質量％以上であることが好ましい。また、
（Ｄ）成分のモノグリセリン脂肪酸エステルのＨＬＢは
４〜８のものが液性の面から好ましい。

【００２４】このような（Ｄ）成分のモノグリセリン脂
肪酸エステルとしては、例えばグリセリンモノカプリル
酸エステル、グリセリンモノカプリン酸エステル、グリ
セリンモノラウリル酸エステル、グリセリンモノミリス
チン酸エステルなどが挙げられ、これらの１種を単独で
又は２種以上を組合せて用いることができる。

【００２５】この場合、（Ｄ）成分のモノグリセリン脂
肪酸エステルの配合量は０．５〜５質量％である。０．
５質量％未満では油の可溶化力に劣り、従って、洗浄力
が低下する場合がある。一方、５質量％を超えると液体
洗浄剤組成物としての低温での経日安定性に劣る場合が
ある。また、（Ａ）成分と（Ｄ）成分の配合比は、重量
比で（Ａ）／（Ｄ）＝１０／１〜１０／５であることが
好ましい。

【００２６】本発明の食品及び食器用液体洗浄剤組成物
には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に通常の液
体洗浄剤に用いられる種々の添加剤を用いることができ
る。例えば、エタノール等の低級アルコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、ソルビトール等の多価アル
コール、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸
塩、ポリエチレングリコール等のハイドロトロープ剤な
どを適宜配合することができる。また、抗菌剤、制菌
剤、色素、香料、乳白剤、増粘剤、ｐＨ調整剤等を使用
することができるが、高安全性とするためには、これら
の添加剤は、できる限り、天然のもの、或いは食品添加
物認可品を選定することが望ましい。

【００２７】本発明の液体洗浄剤組成物は、通常の方法
により、これら各種成分を配合して、これを水希釈する
ことにより調製することができる。得られる液体洗浄剤
組成物のｐＨは中性〜弱酸性に適宜調整することが安全
性、肌荒れ性の見地から好ましい。

【００２８】

【発明の効果】本発明の食品及び食器用液体洗浄剤組成
物は高安全性であり、かつ、洗浄力、起泡力、経日安定
性に優れると共に、刺激の少ない非イオン界面活性剤を
主成分とするので、手肌にもマイルドなものである。

【００２９】従って、本発明液体洗浄剤組成物は、野
菜、果実等の食品の洗浄用、ガラス、プラスチック製の
各種皿、ビン類等の食器などの洗浄用として好適であ
り、特に、高い安全性を有するので、乳幼児が口にする
食器及びほ乳瓶の洗浄剤として最適なものである。

【００３０】

【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定
されるものではない。

【００３１】〔実施例１〜１０、比較例１〜４〕表１，
２に示した各成分を配合し、所定量のイオン交換水を添
加して、２５℃で３０分間攪拌することにより、実施例
１〜１０及び比較例１〜４の洗浄剤組成物を調製した。

【００３２】得られた各洗浄剤組成物について、下記方
法により洗浄性、泡立ち性、及び経日安定性を評価し
た。結果を表１，２に示す。

【００３３】<洗浄性>プラスチック製の皿にサラダ油を
１枚あたり０．５ｇ程度塗布した。この皿を、調製した
各洗浄剤組成物を含ませたスポンジで洗い、流水で十分
すすいだ。洗浄後の皿表面のサラダ油の残り具合を目視
により、下記基準で評価した。 ◎：油残りがまったくなし ○：油残りがほとんどなし △：油残りがややある ×：油を除去できない

【００３４】<泡立ち性>各洗浄剤組成物を０．２５質量
％の濃度に調製し、これに汚れ成分として市販の粉ミル
クを０．０１質量％添加したときの起泡力を評価した。
具体的には、起泡力は５００ｍｌのメスシリンダーに前
述の洗浄液１００ｍｌを入れ、２０回ブラシで攪拌し、
直後の泡高さ（ｃｍ）で評価した。

【００３５】<経日安定性>調製した各洗浄剤組成物を透
明なガラスビンに入れ、５℃で２週間放置後の状態を下
記基準により、目視判定した。 ◎：均一透明 ○：わずかに沈殿物、にごりがあるが品質には問題なし △：少しの沈殿物、にごりがある ×：多量の沈殿物、にごりがある

【００３６】

【表１】

【００３７】

【表２】＊１：太陽化学（株）製サンソフトＭ−１２Ｊ＊２：太陽化学（株）製サンソフトＱ−１２Ｆ＊３：太陽化学（株）製サンソフトＱ−１０Ｓ＊４：理研ビタミン（株）製リケマールＬ−７１−Ｄ＊５：太陽化学（株）製サンソフトＮｏ．７６０＊６：太陽化学（株）製サンソフトＮｏ．７００Ｐ−
２

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ１１Ｄ 17/08 Ｃ１１Ｄ 17/08 Ｆターム(参考） 4H003 AC03 BA12 DA17 EB04 EB07 EB08 EB09 ED02 ED03 ED28 FA01 FA16 FA18 4J002 AE05X CH05W DE178 DH028 EA017 EF068 EG058 EH059 EH156 EN108 EN118 EW128 GB00 GC00

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、及び
（Ｃ）成分を含有することを特徴とする食品及び食器用
液体洗浄剤組成物。（Ａ）ポリグリセリン脂肪酸エステル３〜３０質量％（Ｂ）油分０．１〜１０質量％（Ｃ）ビルダー０．１〜１０質量％
【請求項２】上記（Ａ）成分のポリグリセリン脂肪酸
として、脂肪酸の炭素数が１２〜１８であるポリグリセ
リン脂肪酸エステルと、脂肪酸の炭素数が８〜１０のポ
リグリセリン脂肪酸エステルとの混合物を用いる請求項
１記載の食品及び食器用液体洗浄剤組成物。
【請求項３】更に、（Ｄ）脂肪酸の炭素数が６〜１８
であるモノグリセリン脂肪酸エステルを０．５〜５質量
％含有する請求項１又は２記載の食品及び食器用液体洗
浄剤組成物。