JPH08338267A - 遠心式ガバナのトルクアップ装置 - Google Patents

遠心式ガバナのトルクアップ装置

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JPH08338267A
JPH08338267A JP14581495A JP14581495A JPH08338267A JP H08338267 A JPH08338267 A JP H08338267A JP 14581495 A JP14581495 A JP 14581495A JP 14581495 A JP14581495 A JP 14581495A JP H08338267 A JPH08338267 A JP H08338267A
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spring
pin
governor
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Shinkichi Iwasaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トルクピンの退入隙間とトルクスプリングの
初期バネ圧とを個別に設定し、上記退入隙間の狂いが生
じないようにし、エンジンの振動などでトルクスプリン
グの受止め位置がずれないようにし、バネ受け具のネジ
加工を不要にし、本体ケース内のネジ孔も浅くて済み、
伝動ピンの円滑な移動を確保する。 【構成】 遠心式ガバナのトルクアップ装置において、
トルクスプリング13の後端を所定位置Bで受け止めて
初期バネ圧を規定するバネ受け具14と、バネ受け具1
4の中心ガイド孔14aを貫通した状態で、トルクピン
12とピン調量具16との間にトルクピン12の退入隙
間tを設けて進退自在に介装された伝動ピン15と、バ
ネ受け具14とピン調量具16との間に介装され、ピン
調量具16を後向きに弾圧付勢する付勢バネ17とを付
加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は遠心式ガバナのトルクア
ップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、農用作業機等に搭載されるディ
ーゼルエンジンでは、過負荷運転状態で低速高トルク性
を発揮するために、低速域での燃料噴射料を、不完全燃
焼を起こさない程度に多くしてエンジンの粘り強さを発
揮させるとともに、それより低い不使用回転速度域で
は、不完全燃焼を起こさないように燃料噴射量を増大さ
せないようにしている。このためにディーゼルエンジン
の遠心式ガバナにトルクアップ装置を付設して低速域で
の燃料噴射量を制御している。
【0003】上記トルクアップ装置を備える遠心式ガバ
ナとしては、例えば実開昭61−138843号に開示
されたものが知られている。それは図6に示すように、
遠心式ガバナGのガバナレバー1をガバナスプリング8
のスプリング力SFで燃料増量側Rに付勢し、ガバナレ
バー1の入力部4をガバナ力GFで燃料減量側Lに付勢
し、ガバナレバー1の出力部5を燃料噴射ポンプ6の燃
料調量ラック9に連動連結し、当該ガバナレバー1をガ
バナ力GFとスプリング力SFとの不釣り合い力で揺動
自在に構成し、トルクアップ装置10を遠心式ガバナG
のガバナ壁25、あるいは2本レバー式ガバナにおいて
はその一方のガバナレバー(以下、被固定部という)に
固定して構成されている。
【0004】そして上記トルクアップ装置としては、図
6に示すように、上記被固定部25に進退調節自在に固
定された本体ケース11と、その基端部が上記本体ケー
ス11内に収容され、その先端部が上記本体ケース11
の先端側より進退自在に突出してガバナレバー1に形成
した受け止め部37に弾圧接当可能に臨むトルクピン1
2と、上記本体ケース11内に収容され、上記トルクピ
ン12を弾発可能に付勢するトルクスプリング13と、
上記本体ケース11内に後方より進退自在に螺合され、
上記トルクスプリング13を受け止めるとともに、上記
トルクピン12の退入隙間tを調節するピン調量具16
と、このピン調量具16を後向きに付勢して固定するロ
ックナット21と備えている。
【0005】このトルクアップ装置10は、ガバナレバ
ー1を上記トルクピン12で全負荷位置(4/4)に揺
動規制するとともに、トルクスプリング13でガバナレ
バー1を全負荷位置(4/4)より燃料増量側(R)の
トルクアップ位置(Tu)に揺動規制する。つまり、エ
ンジンの負荷が全負荷位置(4/4)を越えた低速域に
おける燃料噴射量を、不完全燃焼を起こさない程度に多
くしてエンジンの粘り強さを発揮させるとともに、それ
より低い不使用回転速度域では、燃料増大による不完全
燃焼を起こさないように燃料制限をしている。
【0006】しかし、上記従来技術では、ピン調量具1
6でトルクスプリング13を受け止めるとともに、当該
ピン調量具16でトルクピン12の退入隙間tを調節す
る構成であるため、退入隙間tを正確に調節しようとす
れば、トルクスプリング13の初期バネ圧が狂う。つま
り、トルクピン12の退入隙間tとトルクスプリング1
3の初期バネ圧とを個別に設定することができない。そ
こで、上記不都合を解消するために、本発明に先立って
図5に示すトルクアップ装置(特願平6−280782
号、以下先発明例という)を提案した。
【0007】この先発明例(図5)は、上記従来例(図
6)において、本体ケース11内に後方よりねじ込んで
トルクスプリング13の後端を所定位置Bで受け止めて
初期バネ圧を規定するバネ受け具14と、このバネ受け
具14の中心ガイド孔14aを貫通した状態で、トルク
ピン12とピン調量具16との間に退入隙間tを設けて
進退自在に介装された伝動ピン15とを付加して成り、
トルクピン12の退入隙間tとトルクスプリング13の
初期バネ圧とを個別に設定し得るように構成されてい
る。
【0008】この先発明例では、ピン調量具16でトル
クピン12の退入隙間tを設定し、次いでロックナット
21によりピン調量具16を後向きに付勢して固定する
が、固定した状態では当該退入隙間tが増える方向に狂
う虞れがある。何故なら、ピン調量具16が伝動ピン1
5に軽く接当した状態を起点として、ピン調量具16を
所定回転角度だけねじ戻してトルクピン12の退入隙間
tを設定するが、この設定状態では、ネジ螺合部の遊間
隙δはピン調量具16のネジ山の前後に振り分けた状態
で位置している筈である。
【0009】しかしながら、ロックナット21でピン調
量具16を後向きに付勢して固定した状態では、同図の
要部拡大図Aに示すように、当該ネジ螺合部の遊間隙δ
はピン調量具16のネジ山の前方に位置することにな
り、トルクピン12の退入隙間tが当該遊間隙δの1/
2だけ増える方向に狂うことになる。また、トルクピン
12の退入隙間tを設定した後で、後方より本体ケース
11とピン調量具16とのネジ螺合部をカシメ付けてピ
ン調量具16を固定する場合には、逆に当該退入隙間t
が遊間隙δの1/2だけ減じる方向に狂うことになる。
【0010】また、上記バネ受け具14は、本体ケース
11内に後方よりねじ込んでトルクスプリング13の後
端を所定位置Bで受け止める構成であるため、エンジン
の振動などでネジ部の緩みが生じると、トルクスプリン
グ13の受止め位置がずれるおそれがある。さらに、バ
ネ受け具14自体のネジ加工が必要で、本体ケース11
内のネジ孔も深くなるので、トルクアップ装置10がコ
スト高につく。しかも、バネ受け具14のネジ込み用溝
部14bにカエリが生じると伝動ピン15の円滑な移動
を妨げる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情を考慮してなされたもので、 トルクピンの退入隙間とトルクスプリングの初期バ
ネ圧とを個別に設定し得るようにすること、 トルクピンの退入隙間を設定した後で、ピン調量具
を固定する場合に、上記退入隙間の狂いが生じないよう
にすること、 エンジンの振動などで、トルクスプリングの受止め
位置がずれないようにすること、 バネ受け具のネジ加工を不要にし、本体ケース内の
ネジ孔も浅くて済み、伝動ピン15の円滑な移動を確保
すること、 を技術的課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は以下のように構成される。即ち、請求項1
に記載の発明は、前記従来の遠心式ガバナのトルクアッ
プ装置において、それぞれ本体ケース11内に設けら
れ、トルクスプリング13の後端を所定位置Bで受け止
めて初期バネ圧を規定するバネ受け具14と、上記バネ
受け具14の中心ガイド孔14aを貫通した状態で、上
記トルクピン12とピン調量具16との間にトルクピン
12の退入隙間tを設けて進退自在に介装された伝動ピ
ン15と、上記バネ受け具14とピン調量具16との間
に介装され、ピン調量具16を後向きに弾圧付勢する付
勢バネ17とを具備することを特徴としている。
【0013】請求項2に記載の発明では、上記バネ受け
具14は、後方より上記本体ケース11内にスライド自
在に挿入して、上記所定位置Bに受け止め可能に設け、
上記付勢バネ17は、上記トルクスプリング13の弾発
力よりも強い押圧付勢力に設定して、上記バネ受け具1
4を前向きに押圧付勢して上記所定位置Bに位置決めす
る。
【0014】
【発明の作用】請求項1に記載の発明では、バネ受け具
14はトルクスプリング13の後端を所定位置Bで受け
止めてトルクスプリング13の初期バネ圧を規定する。
そして上記伝動ピン15は、バネ受け具14の中心ガイ
ド孔14aを貫通して進退自在に介装されており、上記
トルクピン12とピン調量具16との間に介装され状態
で、ピン調量具16を進退調節することにより独立して
トルクピン12の退入隙間tが設定される。また、バネ
受け具14とピン調量具16との間に介装された付勢バ
ネ17は、ピン調量具16を後向きに弾圧付勢する。つ
まり、調量具固定手段21でピン調量具16を後向きに
付勢して固定した場合と同じ状態を維持する。従って、
本体ケース11内のネジ螺合部の遊間隙δが、ピン調量
具16のネジ山の前後に位置することはなくなる。
【0015】請求項2に記載の発明では、上記バネ受け
具14は、後方より上記本体ケース11内にスライド自
在に挿入されるが、トルクスプリング13の弾発力より
も強い押圧付勢力に設定された付勢バネ17で前向きに
押圧付勢されるので、本体ケース11内にねじ込まなく
ても上記所定位置Bに正しく位置決めされる。しかも、
上記バネ受け具14は、本体ケース11内にねじ込まな
くてもよいので、バネ受け具14のネジ加工やネジ込み
用溝部は不要で、本体ケース11内の深いネジ孔も不要
になる。
【0016】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、上記構成に
より以下の効果を奏する。 バネ受け具でトルクスプリングの初期バネ圧を規定
し、ピン調量具で独立してトルクピンの退入隙間を設定
するので、トルクピンの退入隙間とトルクスプリングの
初期バネ圧とを個別に設定し得る。 付勢バネでピン調量具を後向きに弾圧付勢すること
により、調量具固定手段でピン調量具を後向きに付勢し
て固定した場合と同じ状態を維持すので、トルクピンの
退入隙間を設定した後で、上記退入隙間の狂いが生じな
い。
【0017】また、請求項2に記載の発明では、以下の
効果を奏する。 バネ受け具はトルクスプリングの弾発力よりも強い
押圧付勢力に設定された付勢バネで前向きに押圧付勢さ
れ、上記所定位置に正しく位置決めされるので、エンジ
ンの振動などでトルクスプリングの受止め位置にずれが
生じることもない。 上記バネ受け具は、本体ケース内にねじ込まなくて
もよいので、バネ受け具のネジ加工やネジ込み用溝部は
不要で、本体ケース内のネジ孔も浅くて済み、ネジ込み
用溝部のカエリが問題になることもなくなるので、伝動
ピンの円滑な移動を確保することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて述べ
る。図1は本発明に係る第1の実施例を示すトルクアッ
プ装置の縦断面図、図3は同トルクアップ装置の適用例
を示す遠心式ガバナの斜視図である。まず、このトルク
アップ装置の配置を図3により説明する。図3に示すよ
うに、ガバナレバー1は外腕1aと内腕1bとを枢支軸
23で一体揺動可能に枢支して、これらを燃料噴射ポン
プ室(以下、ポンプ室という)の内・外に隣接配置し、
同ポンプ室の下部に遠心式ガバナGのガバナウエイト2
を配置し、このガバナウエイト2をガバナスリーブ3を
介して内腕1bの入力部に連動連結し、内腕1bのフォ
ーク状出力部5を燃料噴射ポンプの調量ラックピン9に
係合する。
【0019】上記ポンプ室の側壁で枢支軸26を中心に
調速レバー22を揺動可能に枢支し、前記ガバナレバー
1の外腕1aをガバナスプリング8を介して調速レバー
22に連結し、ガバナレバー1をガバナウエイト2のガ
バナ力GFとガバナスプリング8のスプリング力SFと
の不釣り合い力で揺動自在に構成する。図1及び図3に
示すように、前記ガバナレバー1の外腕1aに矩形平板
状の受け止め部37を形成し、上記ポンプ室の側壁(以
下、固定壁という)25にトルクアップ装置10をネジ
嵌合し、トルクピン12の先端部12aを上記受け止め
部37に後方から弾圧接当可能に臨ませ、ガバナレバー
1をトルクピン12で全負荷位置(4/4)に揺動規制
可能に構成する。なお、図1中の符号20はトルクアッ
プ装置10を上記固定壁25に位置決め保持するロック
ナットである。
【0020】図1に示すように、上記トルクアップ装置
10は、前記先発明例(図5)と同様の基本構造を具備
している。即ち、本体ケース11は被固定部である固定
壁25に進退調節自在に固定され、トルクピン12は、
その基端部12bが本体ケース11内に収容され、その
先端部12aが上記本体ケース11の先端側より進退自
在に突出してガバナレバー1に形成した受け止め部37
に弾圧接当可能に臨ませてある。つる巻形のトルクスプ
リング13は、本体ケース11内に収容され、上記トル
クピン12を前方に弾圧付勢する。
【0021】以下、実施例1に係るトルクアップ装置1
0の特徴構成について説明する。このトルクアップ装置
10は、それぞれ以下に詳述する、バネ受け具14と、
伝動ピン15と、バネ受け具14とピン調量具16との
間に介装された付勢バネ17とを具備している。上記バ
ネ受け具14は、本体ケース11内に後方よりスライド
自在に挿入され、当該バネ受け具14の挿通孔18の終
端B(以下、所定位置という)で受け止められる。つま
り、このバネ受け具14は、本体ケース11内にねじ込
まなくてもよいので、バネ受け具14のネジ加工やネジ
込み用溝部は不要で、本体ケース11内の深いネジ孔も
不要になる。
【0022】上記伝動ピン15は、上記バネ受け具14
の中心ガイド孔14aを貫通した状態で、上記トルクピ
ン12とピン調量具16との間にトルクピン12の退入
隙間tを設けて進退自在に介装され、上記退入隙間tを
前記トルクアップ位置Tuに対応させて、上記ピン調量
具16により独立して調節し得るように構成されてい
る。なお、前記のように、バネ受け具14のネジ込み用
溝部のカエリが問題になることもなくなるので、伝動ピ
ン15の円滑な移動を確保することができる。
【0023】また、バネ受け具14とピン調量具16と
の間に介装された付勢バネ17は、上記トルクスプリン
グ13の弾発力よりも強い押圧付勢力に設定され、上記
バネ受け具14を前向きに押圧付勢して、トルクスプリ
ング13の後端を上記所定位置Bで受け止めて正しく位
置決めし、トルクスプリング13の初期バネ圧を規定す
るように構成されている。これにより、エンジンの振動
などでトルクスプリング13の受止め位置にずれが生じ
るおそれはなくなる。ちなみに、本実施例ではトルクス
プリング13の初期バネ圧はゼロ(自然長のまま)に設
定するように構成されている。また、生産性の効率化の
観点より、上記付勢バネ17とトルクスプリング13と
は、同じバネを用いて使い分けてある。
【0024】上記付勢バネ17は、上記ピン調量具16
を後向きに弾圧付勢している。一方、上記ピン調量具1
6は、トルクピン12の退入隙間tを調節した後で、ロ
ックペイント等の調量具固定手段で固定される。つま
り、上記付勢バネ17でピン調量具16を後向きに弾圧
付勢することにより、調量具固定手段でピン調量具16
を後向きに付勢して固定した場合と同じ状態を維持す
る。従って、上記トルクピン13の退入隙間tを設定し
た後で、ピン調量具16を固定した場合に、上記退入隙
間tの狂いが生じることはなくなる。
【0025】図2は本発明に係る第2の実施例を示すト
ルクアップ装置の縦断面図である。この実施例2では、
上記ピン調量具16は、トルクピン12の退入隙間tを
調節した後で、ロックナット21で本体ケース11の後
部に固定される。その他の点は、実施例1と同様に構成
されている。従って、この実施例2においても、実施例
1(図1)と同様に機能し、上記トルクピン13の退入
隙間tの狂いが生じることはなくなる。
【0026】上記トルクアップ装置10によれば、高負
荷運転状態において、ガバナレバー1が全負荷位置(4
/4)に移行すると(図1及び図3参照)、ガバナレバ
ー1の外腕1aの受け止め部37がトルクピン12に接
当する。過負荷運転状態でガバナ力GFが弱まり、ガバ
ナレバー1が全負荷位置(4/4)より燃料増量側
(R)に移行すると、ガバナレバー1の受け止め部37
がトルクピン12を後方に押圧付勢するため、当該トル
クピン12はトルクスプリング13の弾発力に抗して本
体ケース11内に押し込まれる。ガバナレバー1がトル
クアップ位置(Tu)まで揺動すると、伝動ピン15の
後退がピン調量具16で規制され、トルクピン12の退
入量tが規制される。これによりガバナレバー1がトル
クアップ位置(Tu)に規制される。
【0027】つまり、過負荷運転によりエンジン回転数
が低下するに従って、ガバナレバー1が全負荷位置(4
/4)より燃料増量側(R)に揺動し、ガバナレバー1
の受け止め部37がトルクピン12に接当した後、トル
クピン12が伝動ピン15を介してピン調量具16で規
制されるまでは、トルクピン12をトルクスプリング1
3の弾発力に抗して本体ケース11内に押し込める。全
負荷位置(4/4)とトルクアップ位置(Tu)との間
では低速高トルク特性を発揮し、エンジンは粘り強さを
発揮する。一方、ガバナレバー1は当該トルクアップ位
置(Tu)に揺動規制されるので、当該トルクアップ位
置(Tu)を越えて燃料が過剰に噴射されることはなく
なる。
【0028】図4は本発明に係るトルクアップ装置10
を2本レバー式ガバナGに適用した別の実施例を示す。
この実施例では、上記トルクアップ装置10の本体ケー
ス11は、被固定部である第1ガバナレバー1aに進退
調節自在に固定され、トルクピン12の先端部12aが
第2ガバナレバー1bに形成した受け止め部37に弾圧
接当可能に臨ませてある。また、固定壁25よりストッ
パ32が突設され、第2ガバナレバー1bに形成した第
2受け止め部38に接当可能に臨ませてある。
【0029】上記トルクアップ装置10のトルクスプリ
ング13の弾発力はガバナスプリング8よりも弱い値に
設定され、エンジンの無負荷運転状態(0/4)〜全負
荷運転状態(4/4)においては、第2ガバナレバー1
bの受け止め部37が燃料トルクピン10のトルクピン
12を目一杯押し込んだ状態で、ガバナスプリング8及
びスタートスプリング33の張力とガバナ力GFとの釣
り合い力で第1ガバナレバー1aと第2ガバナレバー1
bとが一体になって揺動する。
【0030】第1ガバナレバー1aが全負荷位置(4/
4)に移行すると、第2ガバナレバー1bの第2受け止
め部38がストッパ32に接当する。エンジンが過負荷
運転状態となってガバナ力GFがさらに弱まると、燃料
トルクピン10のトルクスプリング13がトルクピン1
2を前方に押し出すため、その反作用として第1ガバナ
レバー1aが全負荷位置(4/4)よりも燃料増量側
(R)に移行し、トルクピン12が最大突出量tに達し
たとき、第1ガバナレバー1aはトルクアップ位置(T
u)まで揺動する。つまり、過負荷運転により、エンジ
ン回転数が低下するにつれて、第1ガバナレバー1aが
全負荷位置(4/4)より燃料増量側(R)に揺動し、
全負荷位置(4/4)とトルクアップ位置(Tu)の間
では低速高トルク特性を発揮し、エンジンは粘り強さを
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示すトルクアップ装置の要部縦断
面図である。
【図2】第2実施例を示す図1相当図である。
【図3】本発明に係るトルクアップ装置の適用例を示す
遠心式ガバナの斜視図である。
【図4】本発明に係るトルクアップ装置の適用例を示す
2本レバー式ガバナの概要図である。
【図5】先発明例を示す図1相当図である。
【図6】従来技術を示すトルクアップ装置の要部縦断面
図である。
【符号の説明】
1…ガバナレバー、2…ガバナウエイト、4…ガバナレ
バーの入力部、5…ガバナレバーの出力部、6…燃料噴
射ポンプ、8…ガバナスプリング、9…燃料噴射ポンプ
の燃料調量具、10…トルクアップ装置、11…本体ケ
ース、12…トルクピン、12a…トルクピンの先端
部、12b…トルクピンの基端部、13…トルクスプリ
ング、14…バネ受け具、14a…バネ受け具の中心ガ
イド孔、15…伝動ピン、16…ピン調量具、17…付
勢バネ、1a・25…遠心式ガバナの被固定部、21
…、37…ガバナレバーの受け止め部、B…所定位置、
t…トルクピンの退入隙間、G…遠心式ガバナ、GF…
ガバナ力、SF…スプリング力、4/4…全負荷位置、
Tu…トルクアップ位置、R…燃料増量側、L…燃料減
量側。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心式ガバナ(G)のガバナレバー
    (1)をガバナスプリング(8)のスプリング力(S
    F)で燃料増量側(R)に付勢し、ガバナレバー(1)
    の入力部(4)をガバナ力(GF)で燃料減量側(L)
    に付勢し、ガバナレバー(1)の出力部(5)を燃料噴
    射ポンプの燃料調量具(9)に連動連結し、当該ガバナ
    レバー(1)をガバナ力(GF)とスプリング力(S
    F)との不釣り合い力で揺動自在に構成し、トルクアッ
    プ装置(10)を遠心式ガバナ(G)の被固定部(25
    ・1a)に固定し、 上記トルクアップ装置(10)は、上記被固定部(25
    ・1a)に進退調節自在に固定された本体ケース(1
    1)と、 その基端部(12b)が上記本体ケース(11)内に収
    容され、その先端部(12a)が上記本体ケース(1
    1)の先端側より進退自在に突出してガバナレバー
    (1)に形成した受け止め部(37)に弾圧接当可能に
    臨むトルクピン(12)と、 上記本体ケース(11)内に収容され、上記トルクピン
    (12)を弾発可能に付勢するトルクスプリング(1
    3)と、 上記本体ケース(11)内に後方より進退自在に螺合さ
    れ、上記トルクピン(12)の退入隙間(t)を調量可
    能に規制するピン調量具(16)と、 上記ピン調量具(16)を固定する調量具固定手段(2
    1)と、を具備して成り、 上記ガバナレバー(1)を上記トルクピン(12)で全
    負荷位置(4/4)に揺動規制可能に構成するととも
    に、上記トルクスプリング(13)でガバナレバー
    (1)を全負荷位置(4/4)より燃料増量側(R)の
    トルクアップ位置(Tu)に揺動規制可能に構成した遠
    心式ガバナのトルクアップ装置において、 それぞれ上記本体ケース(11)内に設けられ、 上記トルクスプリング(13)の後端を所定位置(B)
    で受け止めて初期バネ圧を規定するバネ受け具(14)
    と、 上記バネ受け具(14)の中心ガイド孔(14a)を貫
    通した状態で、上記トルクピン(12)とピン調量具
    (16)との間に上記退入隙間(t)を設けて進退自在
    に介装された伝動ピン(15)と、 上記バネ受け具(14)とピン調量具(16)との間に
    介装され、ピン調量具(16)を後向きに弾圧付勢する
    付勢バネ(17)と、を具備することを特徴とする遠心
    式ガバナのトルクアップ装置。
  2. 【請求項2】 上記バネ受け具(14)は、後方より上
    記本体ケース(11)内にスライド自在に挿入して、上
    記所定位置(B)に受け止め可能に設け、 上記付勢バネ(17)は、上記トルクスプリング(1
    3)の弾発力よりも強い押圧付勢力に設定して、上記バ
    ネ受け具(14)を前向きに押圧付勢して上記所定位置
    (B)に位置決めし、た請求項1に記載の遠心式ガバナ
    のトルクアップ装置。
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