JPH08316415A - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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JPH08316415A
JPH08316415A JP12487595A JP12487595A JPH08316415A JP H08316415 A JPH08316415 A JP H08316415A JP 12487595 A JP12487595 A JP 12487595A JP 12487595 A JP12487595 A JP 12487595A JP H08316415 A JPH08316415 A JP H08316415A
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capacitance
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アナログ回路用容量素子の小面積化を図る半導
体集積回路を提供し、それを用いたアナログ・デジタル
混在半導体回路の高速化を図る。 【構成】容量素子を2層目の金属層からなる中央の電極
をもう一方の電極で上下および四方の全てを囲む構成と
する。これにより、容量の一方の電極に付く他の信号線
等との間の寄生容量を完全に0にすることが出来るた
め、製造プロセスを複雑化することなくアナログ回路用
容量の小面積化が出来る。また、電極直下の基板表面上
に基板と逆導電型の不純物拡散層を設け、その不純物拡
散層をフローティングまたは高抵抗でバイアスすること
により1,3層目金属からなる電極側の寄生容量(対基
板容量)を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積回路に関し、
特に、多層配線構造を有する容量素子を含む半導体集積
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体集積回路において、製造プ
ロセスを複雑化することなく形成出来る容量素子として
は図11(a),図11(b)に示すような配線層間容
量素子が周知である。図11(a)は容量素子の平面図
で、図11(b)はそのX−X′線での断面図である。
【0003】この容量素子310は通常のアルミ1層配
線のシリコンゲートCMOSプロセスで形成出来るもの
であり、LOCOS法等でシリコン基板4上に形成した
絶縁分離酸化膜10上に高濃度に不純物をドープされた
ゲートポリシリコン層1をパターンニングして一方の電
極301を形成し、層間絶縁膜11を形成した後、その
上にアルミ層2をパターンニングして他方の電極302
を形成する。電極301電極302とが重なった部分
に、層間絶縁膜11を容量絶縁膜とする容量素子310
が形成される。しかし、このように形成した容量素子3
10では近傍を通過する他のゲートポリシリコン信号配
線またはアルミ信号配線と本容量素子310の電極との
間に形成される寄生容量の大きさが容量素子310の大
きさに対して無視出来ないものとなる。そのため、アナ
ログ回路等にこの容量素子310を用いた場合、他の信
号、特にディジタル信号からの外乱を上述の寄生容量を
通して受けるため、他の信号配線を容量素子310から
大きく離すか、または電極301と電極302との重な
り部分、つまり、容量素子310の面積を大きくする必
要があり、チップ面積が大きくなるという問題があっ
た。
【0004】電源配線等の電位の安定した配線で容量素
子310の周囲をシールドすることにより解決する場合
もあるが、現在のアナデジ混在のCMOS大規模集積回
路では、内部の電源配線は必ずしも電位が安定している
わけではなく、内部回路の状態変化時に発生する過渡的
電流によって、ノイズ源と化すものであり、これも十分
ではない。また、シールド配線の外側の信号線からの影
響も無視出来ない場合がある。
【0005】容量素子310に対して、前述した寄生容
量の容量値が無視出来ないものとなる理由は、容量素子
310の容量絶縁膜が層間絶縁膜11であることによ
る。層間絶縁膜11は本来、配線層間、例えば、ゲート
ポリシリとアルミ間の電気的分離を目的とし、従って、
その間の容量をも十分小さくすることがその役目であ
る。そのためその膜厚は十分に厚く設定されている。通
常、同層の配線間隔、つまり、ゲートポリシリコン間隔
またはアルミ間隔の最小設計基準値と同程度か、また
は、それ以上の値に設定される。従って、層間絶縁膜1
1を容量絶縁膜とする容量素子310の単位面積当りの
容量値とその容量素子310の近傍の配線との間の単位
対向面積当りの容量値とはほぼ同等な大きさとなる。
【0006】このため前述したように、他の信号配線と
容量素子310を大きく離すか、または、容量素子31
0の面積を大きくする必要が生じる。従って、容量部分
の面積を小さくするためには、単位容量値を十分に大き
くして、通常の配線間容量値が無視出来るようにしなけ
ればならない。そのため従来のアナログ・デジタル混在
CMOS集積回路では、容量素子形成用の製造プロセス
工程を追加して、容量絶縁膜の薄膜化等を行っていた。
【0007】ゲート酸化膜を容量絶縁膜としたMOS容
量素子を用いれば、バイアス条件によっては、単位容量
値の大きい容量素子を、製造プロセス工程の追加をする
ことなく得られるが、バイアス依存性が大きく、通常,
アナログ回路には用いることは出来ない。
【0008】金属またはゲートポリシリ配線層を合わせ
て3層以上有するプロセスで、工程追加をすることなく
単位容量を増加させる技術は、例えば特開昭59−55
049号公報に開示されている。これを図12を参照し
て説明する。図12(a)はその平面図であり、図12
(b)は図12(a)のX−X′線での断面図である。
1はパターニングされた1層目の金属層を示し、2,3
も同様にパターニングされたそれぞれ2,3層目の金属
層を示す。10はLOCOS法等で形成された絶縁分離
酸化膜,11は1層目と2層目の金属層間の層間絶縁
膜,12も同様に2層目と3層目の金属層間の層間絶縁
膜である。420および421はそれぞれ1層目と2層
目および2層目と3層目の金属層を接続するビアホール
部分を示す。
【0009】この従来技術の容量素子は、絶縁膜11を
はさんで1層目の電極401と2層目の電極402とが
重なった部分からなる容量素子410と絶縁膜12をは
さんで2層目の電極402と3層目の電極403とが重
なった部分からなる容量素子411とが並列接続される
構成である。また、通常絶縁膜11および12はそれぞ
れ同程度の膜厚に設定される。従って、この技術で形成
された容量素子の単位容量値は、図11に示す容量素子
310に比べ比較し、約2倍になる。しかし、この技術
では容量部の面積を十分に小さくすることが出来ないこ
とを以下で定量的に説明する。
【0010】ここでは、定量的な計算を行うために、1
層目と2層目の金属層間の絶縁膜11が厚さ0.7μm
のシリコン酸化膜,2層目と3層目の金属層間の絶縁膜
12が厚さ1μmのシリコン酸化膜,1層目金属層の配
線間隔最小値が0.4μm,2層目金属層の配線間隔最
小値が0.5μm,3層目金属層の配線間隔最小値が
0.6μm,1層目金属層の膜厚が0.3μm,2層目
金属層の膜厚が0.65μmおよび3層目金属層の膜厚
が0.8μmである現状で生産が可能なプロセスを仮定
する。また、容量値の計算には簡単化のため平行平板近
似を用いることにする。次に、各単位容量の大きさを計
算すると、まず、1層目金属層と2層目金属層の重なっ
た部分からなる容量410の単位面積当りの容量値は、 ε0 ・εs ・(1m)2 /(7×10-7m)=4.93×10-5F/m2 となる。
【0011】次に、2層目と3層目の重なった部分から
なる容量411の単位面積当りの容量値は、 ε0 ・εs ・(1m)2 /(1×10-6m)=3.45×10-5F/m2 間隔P1μmで隣接した1層目金属間同志の単位長さ当
りの容量値は、 ε0 ・εs ・(3×10-7m)/(P1×10-6m) =1.04×10-11 ×P1-1(F/m2 ) 間隔P2μmで隣接した2層目金属間同志の単位長さ当
りの容量値は、 ε0 ・εs ・(6.5×10-7m)/(P2×10-6m) =2.24×10-11 ×P2-1(F/m2 ) 最後に、間隔P3μmで隣接した3層目金属間同志の単
位長さ当りの容量値は、 ε0 ・εs ・(8×10-7m)/(P3×10-6m) =2.76×10-11 ×P3-1(F/m2 ) ここで、ε0 は真空の誘電率でその値は8.85×10
-12 (F/m)、εsはシリコン酸化膜の比誘電率でそ
の値は3.9とした。
【0012】従って、図12に示すようなサンドウィッ
チ構造の容量素子を作ると、その単位面積当りの容量値
は 4.93×10-5F/m2 +3.45×10-5F/m2 =8.38×10-5F/m2 となる。よって、図12に示すような構造で一辺qμm
の正方形の容量C3の値CSは CS=8.38×10-5(F/m2 )×(q×1×10-62 =8.38×10-17 ×q2 (F) となる。また、2層目の金属層からなる中央の電極40
2とその近接辺と平行にP2μm離れた位置に配線され
た2層目の金属配線との間の容量C4の値Clは Cl=2.24×10-11 ×P2-1(F/m2 )×q×10-6(m) =2.24×10-17 q/P2(F) で与えられる。従って、もし、中央の電極402が接続
された節点N1が電位保持状態となって節点(N2,N
3)以外と電気的に分離されている場合その等価回路は
図13で与えられる。ここで、N2は1,3層目金属層
からなる容量電極が接続される節点、N3はP2μm離
れて配線された2層目金属配線が接続される節点であ
る。中央の電極402からP2μm離れた位置に配線さ
れた2層目の金属配線の電位がVnだけ変化した時の中
央の電極402の電位変化ΔVは ΔV=Cl・Vn/(Cl+Cs)=2.24×10-17 qP2-1Vn/(2 .24×10-17 qP2-1+8.38×10-17 2 ) =2.24Vn/(2.24+8.38P・2q)……(1) で与えられる。
【0013】ところで、アナログ・デジタル混在半導体
集積回路の一例であるチョッパー方式比較器を利用した
逐次比較型A/D変換器内蔵CMOSシングルチップ・
マイコンを例にとると、その内蔵A/D変換器の分解能
は10bit以上のものが要求されている。通常参照電
圧は1Vから電源電圧程度に設定されるが、仮に1Vと
すると10bit分解能の特性を得るためには、節点N
1をチョッパー方式比較器の容量結合後の入力端子とす
ると(1)式で与えられる電位変化は、 (参照電圧)/210=1V/1024≒/mV より小さいものでなければならない。従って、ΔV<1
mVより P2・q>0.267(1000Vn−2.24)……(2) でなければならないことになる。
【0014】ここで、この制約条件がどの程度のもので
あるか見るために、2つのケースについて計算してみ
る。まず、はじめに間隔P2の値を最小値である0.5
μmとした場合について、qの値を求めると、(2)式
より Vn=3(V)のとき、q>1600 Vn=0.01(V)のとき、q>4.14 となる。容量素子410および411にP2=0.5μ
m離れて配線された配線がデジタル信号配線で、電源電
圧が3(V)の場合には上記より、容量素子(410,
411)の面積は1600μm×1600μmより大き
くしなければならなくなる。
【0015】また、容量素子の周囲を電位変化が10m
Vと安定した電源配線でシールドする場合には、その電
源配線からのノイズのみ考慮した場合には、容量素子の
大きさは4.14μm×4.14μmより大きければよ
いことになるが、そのシールド配線の外側の配線からの
影響も、シールドがない場合(1/10)程度の影響を
与えること、また、ここでは、同層配線間の影響のみを
考慮し、かつ、平行平板近似を用いていることなどか
ら、実際には、この値の数倍から10倍程度の大きさが
必要になる。
【0016】さらに、ここでは、容量素子の一辺につい
てのみ考えているが、他の三辺についても同様に考慮す
る必要がある。
【0017】また、大規模集積回路では電圧変化を10
mVより小さくすることは非常に困難である。次の試算
として、間隔P2をP2=qとした場合の電位変化Vn
について考えてみると、 Vn=3(V)のとき、P2=q>54.8 Vn=0.01(V)のとき、P2=q>1.44 となる。Vn=3(V)と考える時は、前試算と同様、
電源電圧3Vでデジタル信号配線を想定していることに
なるが、本試算では前試算よりは小面積となるが、容量
部と2層目のデジタル信号配線とは50μm以上離す必
要があり、4辺全てについて考えると、150μm×1
50μm程度以上の面積を容量のためだけに占有するこ
とになる。また、電圧変化VnをVn=0.01(V)
の配線でシールドすれば、シールド配線の配線幅、シー
ルド配線と他の信号配線との配線間隔を無視して、4.
5μm×4.5μm程度を容量のために最低必要とする
ことになるが、シールド配線のさらに外側のデジタル信
号配線との間隔などを考えると、実際には、10〜20
μm四方程度を容量のためだけに必要とすることにな
る。
【0018】尚、さらに加えて注意しなければならない
のは、(1)式がClとCl+Csの比から成り立って
いることである。つまり、これは上記の試算で算出した
容量素子のためだけに必要とされる面積は、半導体集積
回路の製造技術が進歩して微細化が進んでも、アナログ
回路用の容量の面積は小さく出来ないということであ
る。
【0019】以上で、特開昭59−55049号公報に
開示される技術では十分に容量の面積を小さく出来ない
ことを述べたが、この従来例では高速性及び基板ノイズ
に関しても問題があることを次に述べる。
【0020】それは図12における1層目の金属層40
1と分離酸化膜10をはさんだ基板との間の寄生容量4
12が存在していることである。前述した様な設計ルー
ルの製造プロセスの場合、酸化膜膜厚10は300〜4
00nmに設定されるため寄生容量412は電極(40
1,403)側につく主要な寄生容量となる。このた
め、容量素子を含んだ回路の動作速度が制限されたり、
他の回路で発生したノイズの影響を基板を通じて受けた
りした。
【0021】これに関しては、特開昭63−10876
3号公報に開示される技術による対策が考えられる。こ
れを図14を参照して説明する。ここではP型基板を用
いたCMOSプロセスの場合で説明する。4はP型基
板,5はP型基板4上に通常PMOSFETを形成する
ために形成されるNウェル,6は2層目の金属配線層2
とNウェル5とのオーミック接続を行うためにNウェル
5中に設けられた高濃度N型拡散層22は金属配線2と
拡散層6を接続する為のビアホール部分であり、その他
は図12に示す容量素子と同様に、1は1層目金属配線
層であるゲートポリシリコン層,3は3層目金属配線
層,11は1層目と2層目金属配線層間の層間絶縁膜,
12は2層目と3層目金属配線層間の層間絶縁膜,10
は絶縁分離酸化膜,420は1層目と2層目の金属配線
層接続のためのビアホール部分,421は2層目と3層
目の金属配線層接続のためのビアホール部分である。
【0022】この第2の従来技術の容量素子は、1層目
金属からなる容量電極部分501と基板4との間に2層
目金属からなる他方の容量電極502と接続されたNウ
ェル拡散層5が存在するため、1層目金属からなる容量
電極501と基板4との間に寄生容量は存在しないこと
になる。さらにNウェル5と1層目金属からなる容量電
極501との間にも新たに容量(501,511)と並
列接続された容量512が形成されるため、単位容量を
さらに増加させることが出来る。しかし、この場合もN
ウェル5と基板4の間の接合容量が存在することと、N
ウェル5と1層目金属を電極とし酸化膜10を容量絶縁
膜とする容量がMOS容量であるためにバイアス依存性
が存在することが問題となる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の容量素子では、10bit程度の分解能のA/D
変換器等のアナログ回路をデジタル回路と混在させて集
積化を行う場合、周辺の信号線等からの容量的結合によ
る干渉防止のためプロセス工程を追加して単位容量を増
加させたり、容量の面積を大きくするか又は他の信号線
との距離を大きく離す為に容量部分の面積を大きくしな
ければならないという問題点があった。また、単位容量
を十分に大きく出来ない場合には、基板と容量電極との
間の容量のために、基板を通じてのノイズが問題となっ
たり高速動作が出来ないという問題点があった。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体集積回路
は、第1導電型の半導体基板と、この半導体基板上に形
成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成された導体層
と、この導体層の下方の前記第1導電型の半導体基板表
面に形成された第2導電型の不純物拡散層を有し、前記
第2導電型の不純物拡散層が電気的に非接続の構成であ
る。
【0025】また本発明の半導体集積回路は、第1導電
型の半導体基板と、この半導体基板上に形成された絶縁
膜と、この絶縁膜上に形成された導体層と、この導体層
の下方の前記第1導電型の半導体基板表面に形成された
第2導電型の不純物拡散層を有し、前記第2導電型の不
純物拡散層が高抵抗で定電圧源に接続される構成とする
こともできる。
【0026】さらにまた、本発明の前記高抵抗がオフ状
態のMOSFETである構成とすることもできる。
【0027】さらに、本発明の複数に積層された導体層
を有し、前記導体層の奇数番目の層が同電位となる様に
接続された容量素子を持つ半導体集積回路において、前
記導体層の少なくとも1辺に平行配置したビアホールに
より、前記容量素子となる前記導体層の最下層とこの最
下層以外の奇数番目の層を接続する構成とすることもで
きる。
【0028】またさらに、本発明の半導体集積回路の前
記容量素子を第1導電型の半導体基板表面に形成された
電気的に非接続の第2導電型の不純物拡散層上に絶縁膜
を介して形成した構成とすることもできる。
【0029】さらに、本発明の前記容量素子を第1導電
型の半導体基板表面に形成された高抵抗で定電圧源に接
続される第2導電型の不純物拡散層上に絶縁膜を介して
形成した構成とすることもでき、さらにまた、本発明の
半導体集積回路の前記容量素子を、第1導電型の半導体
基板表面に形成されたオフ状態のMOSFETで定電圧
源に接続される第2導電型の不純物拡散層上に絶縁膜を
介して形成した構成とすることもできる。
【0030】
【作用】本発明の半導体集積回路の容量素子は一方の電
極が他方の電極により、その上下四方の全てあるいは、
その上下の全て及び四方の大部分を囲む構成であり、ま
た、電極の直下の基板表面に、フローティングあるいは
高抵抗で定電圧源に接続された基板と逆導電型の不純物
拡散層を備え、容量素子の電極はこの容量素子の周囲の
信号配線からのノイズの影響を受けず所望の容量値を有
する。
【0031】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の第1の実施例の半導体集積回路の容
量素子の平面図および断面図である。図1(a)はその
平面配置図、図1(b)は図1(b)中のX−X′線で
の断面図で、図1(c)はY−Y′線での断面図であ
る。
【0032】この実施例は、シリコン基板4をLOCO
S法等で酸化形成された素子間絶縁分離シリコン酸化膜
10と、1層目金属1と2層目金属2との間の層間絶縁
膜11と、2層目金属2と3層目金属3との間の層間絶
縁膜12と、容量電極直下のシリコン基板4上に形成さ
れたシリコン基板4とは逆導電型のフローティング状態
のウェル拡散層5とを備え、MOS技術では高濃度に不
純物をドープされたポリシリコンまたはポリサイドから
なる1層目金属層1をパターニングして形成した最下層
電極101とパターニングされた2層目金属層2からな
るもう一方の電極102とを有し電極101と電極10
2とが重なった部分に容量110が形成され、3層目金
属層3をパターニングして形成された電極103と電極
102とが重なった部分に容量111が形成される構成
である。
【0033】この実施例は、通常のCMOSプロセス工
程追加することなく形成される。
【0034】さらに、本実施例は、2層目金属層2から
なる容量の一方の電極102が1層目金属および3層目
金属からなるもう一方の電極101および103のそれ
ぞれによって、電極102の引き出し部分を除き上下・
四方の全てを完全に囲まれる構成である。従って、この
中央の電極102は他方の容量電極以外との容量的結合
が、引き出し部分を除き、完全に0となっている。
【0035】さらに、それぞれ1層目金属1と2層目金
属2と3層目金属3を接続するためのビアホール部分
(20,21)を有し、このビアホール20および21
は、本実施例では1層目金属電極101と3層目電極1
03を接続する役目を果している。これには1層目金属
と3層目金属を直接接続する技術があればそれを用いて
もよい。本容量素子は、容量素子110と容量素子11
1とが並列接続される。
【0036】1層目金属層1および3層目金属層3のそ
れぞれからなる上下の電極101,103は従来例と同
様に他の信号線と容量的結合を持つことになるが、容量
の一方の電極の他の信号線との結合を0にすることが出
来る本発明の第1の利点が技術的に重要となる場合があ
ることを次に説明する。
【0037】図2はA/D変換器等でしばしば用いられ
チョッパー型比較器の回路例と動作図を示したものであ
る。図2(a)が回路図であり、図2(b)が動作波形
図である。図2(a)中で容量C1およびC2のそれぞ
れは図1に示す容量素子に対応し、PMOSFET(M
1,M2)およびNMOSFET(M3,M4,M5)
で差動アンプを構成している。NMOSFET(M
6),PMOSFET(M7)およびNMOSFET
(M8),PMOSFET(M9)はそれぞれアナログ
スイッチを構成しており、このアナログスイッチは、そ
のオン/オフを制御する信号(207,208)と第1
のアナログ入力節点210と、第2のアナログ入力節点
211を有し、NMOSFET(M10)とPMOSF
ET(M11)およびNMOSFET(M12)とPM
OSFET(M13)からなる2つのアナログスイッチ
により、容量C1への接続を切り換える。さらに、その
2つのアナログスイッチのオン/オフを制御する信号
(212,213)で節点(202,206,209)
はそれぞれ定電圧源に接続される。特に節点206は差
動アンプの回路電流を決めるものであり、また、節点2
09は差動アンプの同相入力レベルを決めるプリチャー
ジ源である。尚、信号208は信号207の逆相信号で
あり、また、信号213も信号212の逆相信号であ
る。
【0038】次に動作を図2(b)を参照して説明す
る。まず、信号207がハイとなり、トランジスタ(M
6〜M9)からなる2つのアナログスイッチがオンし
て、差動アンプ入力(204,205)は定電圧源20
9(図示してない)の電位にプリチャージされる。この
時信号212はローであり、トランジスタM10とトラ
ンジスタM11からなるアナログスイッチがオンし、ト
ランジスタM12とトランジスタM13からなるアナロ
グスイッチはオフしており、信号201は第1のアナロ
グ入力210に接続される。信号201の電位は信号2
07がハイの間に信号210の電位に変化し、従って、
信号207がローに変化する直前で容量C1には第1の
アナログ入力210とプリチャージ源209との電位差
分が充電されていることになる。この時、容量C2には
節点202と節点209の電位差分が充電されている。
次に、信号207がローに変化するとトランジスタM6
とトランジスタM7およびトランジスタM8とトランジ
スタM9からなる2つのアナログスイッチがオフし、節
点204と節点205は直流的な接続を断たれ、高イン
ピーダンス状態となる。この後、信号212がハイとな
り、トランジスタM10とトランジスタM11からなる
アナログスイッチがオフし、トランジスタM12とトラ
ンジスタM13からなるアナログスイッチがオンして、
節点201の接続が第1のアナログ入力210から第2
のアナログ入力211へ切り換えられる。よって、節点
201は第1のアナログ入力の電位から第2のアナログ
入力の電位へ変化する。この時、節点204は電荷の充
放電通路がないため、容量C1の存在によって節点20
1と同じ方向に電位が変化することになる。節点205
は、節点202が定電圧源で変化しないので、そのまま
の電位を保ったままである。従って、節点204と節点
205の間に電位差が発生し、それがトランジスタ(M
1〜M5)からなる差動アンプによって増幅され、出力
節点203の変化となる。通常は図2(a)に示される
回路では電圧ゲインが不十分なため出力節点203にさ
らにアンプを接続するが、ここでは省略して説明した。
【0039】また、節点205を容量C2を通して節点
202と接続することおよびトランジスタM8とトラン
ジスタM9からなるアナログスイッチを通してプリチャ
ージする理由は、トランジスタM6とトランジスタM7
からなるアナログスイッチがオン状態からオフ状態に変
化する時に発生する誤差電圧を相殺するためである。こ
の例で注意すべきことは、容量C1およびC2の一方の
電極である節点201と節点202とは直接またはアナ
ログスイッチを通して常に低インピーダンス源に接続さ
れているのに対し、節点204と節点205とは節点2
07がローとなった後は高インピーダンス状態となるの
で他の信号線等からのノイズに対して非常に弱いという
ことである。このような場合、容量(C1,C2)の一
方の電極だけでも他の信号線等から完全に分離すること
が出来れば、その一方を高インピーダンス状態となる節
点204および節点205のそれぞれに接続することに
よって、他の信号線の配線を容量(C1,C2)から大
きく離したり、または、容量C1,C2の容量値を大き
くする、すなわち面積を大きくする必要がなくなる。
【0040】次に、本実施例の第2の利点について説明
する。それは、図1に示される容量電極直下に存在する
基板4と逆導電型のフローティング状態にされたウェル
拡散層5の存在によって得られるものである。
【0041】これを等価回路図である図3を参照して説
明する。前述したようにこの容量素子は、1層目金属1
と2層目金属2との重なり部分に形成される容量110
と、2層目と3層目金属の重なり部分に形成される容量
111と、1層目金属とウェル拡散層5との重なり部分
に形成される分離酸化膜10を容量絶縁膜とする寄生M
OS容量112と、ウェル拡散層5と基板4との間の寄
生接合容量113とを有する。容量113,容量11
2,容量110および容量111が直列接続され、さら
に、容量111の他の端子が容量110と容量112の
接続部に接続される。ここで、ウェル5を電極とする容
量112と容量113の接続部はフローティング状態に
なっているので、寄生容量112と113が直列接続さ
れたものが容量110および111の一方の電極と基板
4との間に接続されていることになる。従って、図12
の従来例に比べて、容量110および111の一方の電
極と基板4との間の容量値が小さくなる。図12に示す
従来例では、容量100,101の一方の電極と基板4
との間の容量値は容量絶縁膜10とするMOS容量の容
量値そのものになってしまう。
【0042】このことを定量的に見るために試算をして
みる。ここでは、膜厚10を300nmとし、また、ウ
ェル5は基板4との間の接合リーク電流により基板4と
同電位になっており、その時、つまり0Vバイアス時の
基板4とウェル5との間の単位面積当りの空乏容量の値
を1×10-4F/m2 とする。これらの値は前述した従
来例での試算時に考えた設計ルールのプロセスに対して
妥当なものである。膜厚10は300nmであるので、
電極1とウェル5との間の単位面積当りの容量は平行平
板近似を用いて ε0 ・εs ・(1m)2 /(3×10-7m)≒1.15×10-4F/m2 となる。ここでε0 ,εs は前述したそれぞれ真空の誘
電率,シリコン酸化膜の比誘電率である。よって、電極
101と基板4間の単位面積当りの容量値、つまり、電
極101とウェル5間の容量とウェル5と基板4間の容
量が直列接続された時の単位面積当りの容量値は、ウェ
ル5と基板4間のバイアス電圧が0Vの時、[(1×1
-4F/m)-1+(1.15×10-4F/m)-1-1
5.35×10-5F/m となる。これはウェル5が存在しない場合の(1/2)
以下の値である。
【0043】電極101および103側につく寄生容量
は通常基板5との間のものが大半をしめるので、本実施
例の容量を図2に示す回路に適用した場合、信号212
がハイとなって節点201の電位が第2のアナログ入力
211の電位に到達する速度は約2倍となることにな
る。容量C1自体はトランジスタM6とトランジスタM
7からなるアナログスイッチがオフとなっているのでア
ナログ入力211から見て負荷容量とはならない。
【0044】本実施例ではウェル5はフローティング状
態となっているが、空乏層容量は接合に逆バイアスを強
くかけるほど小さくなることを利用すると、電極101
と基板4との間の容量は上記試算よりもさらに小さくす
ることが出来る。つまり、ウェル5を高抵抗で、ウェル
5と基板4の接合が逆バイアスとするような定電圧源に
接続する。この定電圧源は、例えば、周知の電源でもよ
い。また、ここで言う高抵抗とは、例えば、図2に示す
チョッパ型比較器で考えた場合、比較に要する時間より
も、この抵抗とウェル5を電極とする容量つまりウェル
5と基板4との間の空乏層容量とウェル5と電極101
との間の容量112の和とで発生する時定数を十分に大
きくするような抵抗を意味する。
【0045】すなわち、電極101から見て、容量11
2とウェル5と基板4間の空乏層容量が等価的に直列接
続と見なせることを意味する。
【0046】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。図4は本発明の第2の実施例の半導体集積回路の容
量素子の平面配置図および断面図である。図4(a)が
平面図で、図4(b)が図4(a)のX−X′線での断
面図で、図4(c)がY−Y′線での断面図である。
【0047】この第2の実施例は、2層目の金属2と3
層目の電極103とを接続するビアホール121が、1
層目の電極101と2層目の金属2とを接続するビアホ
ール20の配置される位置とは異る位置に配置形成され
る以外は第1の実施例と同じ構成で同一の構成要素には
同一参照番号を付して図示するに留め詳細な説明は省略
する。
【0048】本実施例でも中央の2層目金属2からなる
電極102は引き出し部分以外の全面、つまり、上下・
四方を他方の電極で完全に囲まれている。また、電極直
下の基板表面に基板と逆導電型の拡散層5が形成されて
おり、容量電極101の一方をなす1層目金属1と基板
4間の寄生容量112が小さくなるので、第1の実施例
と同様に本実施例の容量を用いた回路は従来より高速化
出来ると同時に基板ノイズに対する感度を下げることが
出来る。この実施例は第1の実施例のように1,2層目
金属を接続するビアホール20と2,3層目金属を接続
するビアホール121を重ねて形成することが出来ない
製造技術を用いる場合に有効である。
【0049】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図5は本発明の第3の実施例の半導体集積回路の
容量素子の平面配置図および断面図である。図5(a)
はその平面配置図で、図5(b)は図5(a)中のX−
X′線での断面図で、図5(c)はY−Y′線での断面
図である。
【0050】本実施例は同じ寸法を有する矩形のビアホ
ール(130,131)を設計基準の最小値になるよう
近接させて2層目金属2からなる中央の電極102の周
囲を取り囲むように配置形成する以外は第1の実施例と
同じ構成で同一構成要素には同一参照を付してある。本
実施例では図12に示す従来例のように2層目金属2か
らなる中央の電極の四方に対して何も対策を施さなかっ
た場合に比べると周囲の信号線等との間の寄生容量は著
しく小さくなるため、容量部分の小面積化および低ノイ
ズ化が出来る。また、第1の実施例と同様容量電極直下
の基板4の表面上に基板4と逆導電型のウェル拡散層5
を形成するため、従来例に比べ高速化、低ノイズ化が出
来る。
【0051】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。図6は本発明の第4の実施例の半導体集積回路の
容量素子の平面配置図および断面図である。図6(a)
はその平面配置図で、図6(b)は図6(a)のX−
X′線での断面図で、図6(c)はY−Y′線での断面
図である。
【0052】本実施例は1層目の金属配線からなる電極
101と2層目の金属配線2とを接続する矩形形状のビ
アホール140と2層目の金属配線2と3層目の金属配
線3からなる電極103とを接続する矩形形状のビアホ
ール141とが互い違いに平面配置されてる以外は第1
の実施例と同じ構成で同一構成要素には同一参照符号を
付して図示するに留め、その詳細な説明は省略する。
【0053】本実施例は、図5に示す第3の実施例の場
合よりもさらに製造技術的な制約が強く、ビアホールは
大きさの決まった矩形形状のもののみが許され、かつ、
1,2層目の金属配線を接続するビアホールと2,3層
目を接続するビアホールを上下に重ねて形成出来ない場
合に有効である。
【0054】この実施例の2層目金属2からなる中央の
電極102は他方の電極101,103で完全に囲まれ
ているわけではないが、この実施例においても従来の容
量に比べ図5に示す第3の実施例と同程度の小面積化,
低ノイズ化が出来る。また、電極直下に基板4と逆導電
型のウェル拡散層5を形成した効果も第3の実施例と同
様である。
【0055】次に、本発明の第5の実施例の半導体集積
回路の容量素子について説明する。図7は本発明の第5
の実施例の容量素子の平面配置図および断面図である。
図7(a)はその平面配置図で、図7(b)は図7
(a)図中のX−X′線での断面図で、図7(c)は図
7(a)図中のY−Y′線での断面図である。
【0056】この実施例は配線金属配線層を5層以上有
する製造プロセスに適応され、シリコン基板4をLOC
OS法で酸化形成された素子間絶縁分離シリコン酸化膜
10と、1層目金属層1と2層目金属層2との層間絶縁
膜11と、2層目金属層2と3層目金属層3との層間絶
縁膜12と、シリコ基板4上に形成されシリコン基板4
とは逆導電型のフローティング状態のウェル拡散層5と
を備え、高濃度に不純物をドープされたポリシリコンま
たはポリサイドからなる1層目金属層1をパターニング
して形成した最下層電極701と、パターニングされ2
層目金属層2からなるもう一方の電極702とを有し電
極701と電極702とが重なった部分に容量素子17
0が形成され、3層目金属層3をパターニングして形成
された電極703と電極702とが重なった部分に容量
素子171が形成され、下層から数えて4層目の金属層
7と、5層目の金属層8と、3層目の金属層3と4層目
の金属層7との間の層間絶縁膜173と、金属層7と金
属層との間の層間絶縁膜174と、金属層3と金属層7
とを接続するビアホール723と、金属層7と金属層8
とを接続するビアホール724とを備えて、金属層3と
金属層7とが重なった部分に容量素子173が形成さ
れ、金属層7と金属層8とが重なった部分に容量素子1
74が形成される構成である。さらに本実施例は、2層
目の電極702と4層目の電極704とがビアホール7
21および金属層3およびビアホール723のそれぞれ
で接続され1層目の電極701と3層目の電極703と
5層目の電極705とがビアホール720、金属層2、
ビアホール721、ビアホール723、金属層7および
ビアホール724のそれぞれで接続されているため、容
量素子170、容量素子171、容量素子173および
容量素子174のそれぞれが全て並列接続される。すな
わち、金属層(2,7)からなる容量素子の一方の電極
702,704のそれぞれが引き出し部分を除きもう一
方の電極701、電極703および電極705のそれぞ
れで完全に囲まれる。
【0057】従って、第1の実施例に比べ単位面積当り
の容量が大きく出来る。
【0058】次に、本発明の第6の実施例の半導体集積
回路の容量素子について説明する。図8はこの実施例の
容量素子の平面配置図およびその断面図であり、図8
(a)はその平面配置図で、図8(b)は図8(a)中
のX−X′線での断面図で、図8(c)は図8(a)中
のY−Y′線での断面図である。
【0059】本実施例は、電極702と電極704とを
ビアホール821、金属配線3およびビアホール823
のそれぞれで接続し、ビアホール821およびビアホー
ル823のそれぞれを電極702のほぼ中央に配置する
構成以外は第5の実施例と同じ構成であり同一構成には
同じ参照符号を付してある。すなわち、本実施例は第5
の実施例と同様に5層以上の金属層を有する半導体集積
回路の場合に有効であり、第5の実施例と比較すると電
極の引き出し部分の露出面積が小さくでき周囲の信号配
線の影響を少くなる。
【0060】次に、本発明の第7の実施例の半導体集積
回路について図9を参照して説明する。
【0061】図9(a)乃至図9(a)を参照すると、
本実施例は電極(101,103)で周囲を囲まれた電
極102の引き出し部分を1層目の金属層920および
3層目の金属層921のそれぞれで被った構成以外は第
1の実施例と同一構成で同一構成要素には同じ参照符号
を付し、その詳細な説明は省略する。
【0062】本実施例は第1の実施例に比較して、電極
(101,103)で周囲を囲まれた中央の電極102
の引き出し部分をも、金属層920および921で被っ
たことにより、周囲の信号線から電極102への影響を
完全に無くしている。
【0063】最後に、本発明の第8の実施例について説
明する。図10は本発明の第8の実施例を示す図であ
る。図10(a)は平面配置図で、図10(b)は図1
0(a)中のX−X′線での断面図で、図10(c)は
図10(a)中のY−Y′線での断面図である。
【0064】本実施例は、不純物拡散層5中の表面に形
成された不純物拡散層5と同一導電型の高濃度不純物拡
散層50と、不純物拡散層5中の表面に形成された不純
物拡散層5と逆導電型の高濃度不純物拡散層51とを有
し、拡散層51をソース53および54をドレイン54
としゲート電極52を具備するMOSFET57を有す
る構成以外は第1の実施例と同一構成である。MOSF
ET57は、ビアホール55で不純物拡散層50,51
と金属層1を接続しゲート酸化膜56を有し拡散層50
とソース53は金属層1により接続されている。
【0065】通常、MOSFETのオフリーク電流はソ
ースまたはドレイン接合のリーク電流に比べると大き
い。従って、本実施例では、MOSFET57のゲート
電極52を拡散層50およびソース53のそれぞれを電
気的にショートすることにより、MOSFET57を、
いわゆるオフ状態にしたまま拡散層5をドレイン54と
ほぼ同電位にすることが出来る。
【0066】また、その接続抵抗値はMOSFETのオ
フ抵抗という非常に高抵抗値なものとすることが出来
る。従って、ドレイン54を拡散層5と基板4が逆バイ
アスとなるような電源に接続することにより、拡散層5
と基板4との間の接合を逆バイアスにしてその容量を小
さくしつつ、かつ、拡散層5をフローティングに近い状
態にすることが出来る。本実施例では、ゲート電極52
をソース53とショートしたが、ゲート電極52は、M
OSFET57がその抵抗値がオン状態のそれよりも十
分大きくなるような状態にバイアスされるような電圧源
に接続されれば同様な効果が得られる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、一方の電
極で他方の電極の上下・四方を囲むことにより、プロセ
ス工程を複雑化することなく容量の小面積化が出来ると
いう効果を有する。また、容量電極直下の基板表面に基
板と逆導電型の不純物拡散層を形成し、それをフローテ
ィングもしくは高抵抗でバイアスすることにより、上下
・四方を他方の電極で囲まれていない側の主要な寄生容
量である対基板容量を1/2程度以下に出来るため、基
板で発生するノイズの影響を1/2程度以下に出来ると
同時に、従来より2倍程度以上の高速化が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の半導体集積回路の容量
素子の構成を示す図で、分図(a)は平面図であり、分
図(b)は分図(a)中のX−X′線での断面図であ
り、分図(c)は分図(a)中のY−Y′線での断面図
である。
【図2】本発明の実施例の応用回路例であり、分図
(a)はその回路図で、分図(b)はその動作波形図で
ある。
【図3】図1に示す本発明の第1の実施例の容量素子の
等価回路図である。
【図4】本発明の第2の実施例の容量素子の構成を示す
図で、分図(a)は平面図であり、分図(b)は分図
(a)中のX−X′線での断面図であり、分図(c)は
分図(a)のY−Y′線での断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例の容量素子の構成を示す
図で、分図(a)は平面図であり、分図(b)は分図
(a)中のX−X′線での断面図であり、分図(c)は
分図(a)のY−Y′線での断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例の容量素子の構成を示す
図で、分図(a)は平面図であり、分図(b)は分図
(a)中のX−X′線での断面図であり、分図(c)は
分図(a)のY−Y′線での断面図である。
【図7】本発明の第5の実施例の容量素子の構成を示す
図で、分図(a)は平面図であり、分図(b)は分図
(a)中のX−X′線での断面図であり、分図(c)は
分図(a)のY−Y′線での断面図である。
【図8】本発明の第6の実施例の容量素子の構成を示す
図で、分図(a)は平面図であり、分図(b)は分図
(a)中のX−X′線での断面図であり、分図(c)は
分図(a)のY−Y′線での断面図である。
【図9】本発明の第7の実施例の容量素子の構成を示す
図で、分図(a)は平面図であり、分図(b)は分図
(a)中のX−X′線での断面図であり、分図(c)は
分図(a)のY−Y′線での断面図である。
【図10】本発明の第8の実施例の容量素子の構成を示
す図で、分図(a)は平面図であり、分図(b)は分図
(a)中のX−X′線での断面図であり、分図(c)は
分図(a)のY−Y′線での断面図である。
【図11】従来の容量素子の構成を示す図で、分図
(a)は平面図であり、分図(b)は分図(a)中X−
X′線での断面図である。
【図12】他の従来の容量素子の構成を示す図で、分図
(a)は平面図であり、分図(b)は分図(a)中のX
−X′線での断面図である。
【図13】容量素子の等価回路図である。
【図14】さらに他の従来の容量素子の構成を示す図
で、分図(a)は平面図であり、分図(b)は分図
(a)中のX−X′線での断面図である。
【符号の説明】
1 1層目金属層 2 2層目金属層 3 3層目金属層 4 基板 5 基板と逆導電型の不純物 7 4層目金属層 8 5層目金属層 10 シリコン曲 11,12,13,14 層間絶縁膜 20,21,121,131,140,141,42
0,421,522,720,721,723,72
4,821,823 ビアホール 50,51 拡散層 52 ゲート電極 53 ソース 54 ドレイン 55 ビアホール 56 ゲート酸化膜 57 MOSFET 301,302,401,402,403,501,1
01,102,103,701,702,703,70
4,705,803 電極 110,111,112,170,171,172,1
73,174,181,183,310,410,41
1,412,510,511,512 容量素子 201〜209 節点 C1,C2 容量 M1〜M13 MOSFET VDD 高電位電源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と、この半導体
    基板上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成され
    た導体層と、この導体層の下方の前記第1導電型の半導
    体基板表面に形成された第2導電型の不純物拡散層を有
    し、前記第2導電型の不純物拡散層が電気的に非接続で
    あることを特徴とする半導体集積回路。
  2. 【請求項2】 第1導電型の半導体基板と、この半導体
    基板上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成され
    た導体層と、この導体層の下方の前記第1導電型の半導
    体基板表面に形成された第2導電型の不純物拡散層を有
    し、前記第2導電型の不純物拡散層が高抵抗で定電圧源
    に接続されていることを特徴とする半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 前記高抵抗がオフ状態のMOSFETで
    あることを特徴とする請求項2記載の半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 複数に積層された導体層を有し、前記導
    体層の奇数番目の層が同電位となる様に接続された容量
    素子を持つ半導体集積回路において、前記導体層の少な
    くとも1辺に平行配置したビアホールにより、前記容量
    素子となる前記導体層の最下層とこの最下層以外の奇数
    番目の層を接続することを特徴とする半導体集積回路。
  5. 【請求項5】 前記容量素子を第1導電型の半導体基板
    表面に形成された電気的に非接続の第2導電型の不純物
    拡散層上に絶縁膜を介して形成したことを特徴とする請
    求項4に記載の半導体集積回路。
  6. 【請求項6】 前記容量素子を第1導電型の半導体基板
    表面に形成された高抵抗で定電圧源に接続される第2導
    電型の不純物拡散層上に絶縁膜を介して形成したことを
    特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路。
  7. 【請求項7】 前記容量素子を、第1導電型の半導体基
    板表面に形成されたオフ状態のMOSFETで定電圧源
    に接続される第2導電型の不純物拡散層上に絶縁膜を介
    して形成したことを特徴とする請求項4に記載の半導体
    集積回路。
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