JPH0677442A - 半導体集積回路の製造方法 - Google Patents

半導体集積回路の製造方法

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JPH0677442A
JPH0677442A JP4225767A JP22576792A JPH0677442A JP H0677442 A JPH0677442 A JP H0677442A JP 4225767 A JP4225767 A JP 4225767A JP 22576792 A JP22576792 A JP 22576792A JP H0677442 A JPH0677442 A JP H0677442A
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polysilicon
film
polysilicon film
capacitor
wiring
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Takeshi Kurasawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の場所の未使用の基本セルに対してMO
Sキャパシタを構成することが可能なゲートアレイ型の
半導体集積回路の製造方法を得ることである。 【構成】 マスタースライス上の未使用の基本セルに対
して、絶縁膜、ポリシリコンゲート電極、ゲート酸化膜
を削除し、複数のP型及びN型半導体部分を露出させ
る。次にその上面に酸化膜を形成し、そのまた上面にポ
リシリコン膜(電極膜)を形成し、ポリシリコン膜をP
MOS側とNMOS側とに分割する。PMOS側のポリ
シリコン膜は接地電位GNDに接続され、NMOS側の
ポリシリコン膜は電源電位Vcc接続される。そのた
め、上記P及びN型の半導体の間には反転層が生じ、反
転層とポリシリコン膜との間でキャパシタが構成され
る。つまり、電源線との配線以外の配線をしなくともキ
ャパシタを構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路の製造
方法に関する。特に、マスタースライス方式によって製
造されるゲートアレイ型半導体集積回路の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、開発期間が短い、開発費用が安価
である等の理由で少量多品種生産に適しているゲートア
レイ型半導体集積回路の開発が盛んとなっている。
【0003】ゲートアレイ型半導体集積回路(以下、し
ばしば単にゲートアレイとも呼ぶ)においては、論理ス
イッチングノイズを低減するために一般に電源線Vcc
と、接地線GNDとの間にバイパスコンデンサを設ける
ことが行われている。例えば、CMOSゲートアレイに
おいて、このようなバイパスコンデンサを、Pチャネル
とNチャネルのMOSトランジスタを利用して構成した
例が特開平2−241061号公報(以下、文献1と呼
ぶ)に記載されている。
【0004】一般に、論理回路の構成によっては上記ゲ
ートアレイの全ての基本セルが使用されるとは限らな
い。そこで、この未使用の基本セルのトランジスタをバ
イパスコンデンサとして電源電位Vccと接地電位GN
Dの間に接続すれば、半導体集積回路内の電源線に重畳
してくるノイズを吸収することが可能である。文献1に
記載されているバイパスコンデンサはこのような趣旨に
基づき構成されたものである。
【0005】図15に、この文献1に記載されているC
MOSゲートアレイの基本セルが示されている。図15
(a)はそのパターン図であり、図15(b)はその等
価回路図である。この基本セルは、同一基板上に形成さ
れた2個のPMOSトランジスタ10、12と、2個の
NMOSトランジスタ14、16とから構成されてい
る。
【0006】PMOS型トランジスタ10は、P+ 拡散
領域のソース18aとドレイン18bとを有している。
また、PMOS型トランジスタ12は、P+ 拡散領域の
ソース18bとドレイン18cとを有している。すなわ
ち、PMOS型トランジスタ10のドレイン18bは、
PMOS型トランジスタ12のソース18bでもあり、
二つのPMOS型トランジスタ10、12は直列に接続
されている。また、PMOS型トランジスタ10はゲー
ト20aを有し、PMOS型トランジスタ12はゲート
20bを有している。
【0007】NMOS型トランジスタ14は、N+ 拡散
領域のソース24aとドレイン24bとを有している。
また、NMOS型トランジスタ16は、N+ 拡散領域の
ソース24bとドレイン24cとを有している。すなわ
ち、NMOS型トランジスタ14のドレイン24bは、
NMOS型トランジスタ16のソース24bでもあり、
二つのPMOS型トランジスタ14、16は直列に接続
されている。また、NMOS型トランジスタ14はゲー
ト26aを有し、PMOS型トランジスタ12はゲート
26bを有している。
【0008】すなわち、このように型の異なるトランジ
スタが2個ずつ直列に接続されているので、その等価回
路は図15(b)に示されているようになる。
【0009】文献1に記載されているバイパスコンデン
サはこのような基本セルを用いて、配線を工夫すること
によって構成されている。
【0010】図16に、上記基本セル上に配線を施して
バイパスコンデンサが構成されている様子が示されてい
る。図16(a)はその配線パターン図であり、図16
(b)はその等価回路図である。図16(a)には、配
線パターンがハッチングで示されている。
【0011】図16(a)に示されているように、電源
電位Vccからの配線は、PMOS型トランジスタ1
0、12のソース及びドレイン18a、18b、18c
に接続されると共に、NMOS型トランジスタ14、1
6のゲート26a、26bに接続されている。また、接
地電位GNDからの配線は、NMOS型トランジスタ1
4、16のソース及びドレイン24a、24b、24c
に接続されると共に、PMOS型トランジスタ10、1
2のゲート20a、20bに接続されている。
【0012】このような配線の結果、基本セルの等価回
路は、図16(b)に示されているようになる。する
と、ゲート20a、20bが接地電位GNDに接続され
ているため、二つのPMOS型トランジスタ10、12
は、ON状態である。すなわち、ソース18aとドレイ
ン18b(及びソース18bとドレイン18c)との間
に反転層が生じ、ソース18aとドレイン18b(及び
ソース18bとドレイン18c)とは導通状態になる。
その結果、薄いゲート酸化膜を挟んで、各ゲート20
a、20bと、前記各反転層との間に大きなMOS容量
が得られる。
【0013】NMOS型トランジスタ側においても、ゲ
ート26a、26bが電源電位Vccに接続されている
ため、二つのNMOS型トランジスタ14、16は、O
N状態である。すなわち、ソース24aとドレイン24
b(及びソース24bとドレイン24c)との間に反転
層が生じ、上述したPMOS側と同様にして大きなMO
S容量が各ゲート26a、28bと反転層との間に得ら
れる。
【0014】文献1に記載されているバイパスコンデン
サの構成方法は、以上のように一層の配線を用いてバイ
パスコンデンサを構成する方法である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1に記載され
ているバイパスコンデンサは大きな容量を実現できる
が、配線層を一層使用して、ゲートによって分割されて
いる各P+ 層を電源電位Vccに接続しなければならな
い。同様に、各N+ 層を接地電位GNDに接続しなけれ
ばならない、また、各ゲートも電源電位Vccか接地電
位GNDに接続しなければならなかった。
【0016】本来、ゲートアレイにおいては、未使用の
基本セルの上面は配線領域として使用可能であったが、
上述したように文献1によるバイパスコンデンサを構成
した場合には、その基本セルの上部には配線をすること
はできない。もし、多層の配線がなされるゲートアレイ
であるならば、これは大きな問題ではない。しかし、多
層の配線を行うには、その分マスクの枚数が増えてしま
うし、処理工程もそれに比例して多くなってしまう。そ
のため、ゲートアレイにおいては2層による配線が通常
行われているが、この2層配線がなされているゲートア
レイにおいて、上記文献1のようなバイパスコンデンサ
の構成方法を採用することはその基本セルの部分の配線
の自由度を大きく制限してしまう。そのため、配線に使
用されない未使用の基本セルの中で実際にバイパスコン
デンサとして使用できるのは、使用されているセル群か
ら遠く離間した場所の基本セルであることが多い。
【0017】したがって、上記文献1によるバイパスコ
ンデンサは、実際の回路から遠く離間した場所にしか設
けることができない。ところが、ノイズを除去するため
にはバイパスコンデンサはなるべくその発生源である回
路の側に設けることが望ましい。そのため、上記従来の
方法によるバイパスコンデンサでは十分にノイズを抑制
することができなかった。
【0018】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、2層の配線層を有するゲー
トアレイ型の半導体集積回路の製造方法であって、任意
の場所の未使用の基本セルに対して、MOSキャパシタ
を構成することが可能な製造方法を得ることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、不純物を半導体ウェハに拡散し、複数のP
型半導体と複数のN型半導体とを形成する拡散工程と、
トランジスタのゲート電極と導電チャネルとを絶縁する
ゲート酸化膜の形成工程と、前記ゲート電極を前記ゲー
ト酸化膜上に形成する形成工程と、の処理が行われ、P
型とN型のトランジスタを含むCMOS型の基本セルが
複数個形成されたマスタースライスに対し、回路設計デ
ータにしたがって、2層の配線層による配線を行うこと
によりゲートアレイ型半導体集積回路を製造するマスタ
ースライス方式製造方法において、回路の構成に使用さ
れない未使用の前記基本セルの領域である未使用領域に
対し、前記未使用領域上の前記ゲート電極と前記ゲート
酸化膜とを削除する削除工程と、MOSキャパシタ用絶
縁膜を、前記未使用領域に形成する絶縁膜形成工程と、
ポリシリコン膜を、前記未使用領域において、前記MO
Sキャパシタ用絶縁膜の上に形成するポリシリコン膜形
成工程と、前記ポリシリコン膜形成工程にて形成された
ポリシリコン膜を、P型半導体上のP側ポリシリコン膜
と、N型半導体上のN側ポリシリコン膜との二つの部分
に分割するエッチング分割工程と、回路設計データにし
たがって、配線を行う配線工程と、を含み、前記配線工
程は、前記P側ポリシリコン膜と接地電位とを接続し、
前記N側ポリシリコン膜と電源電位とを接続するポリシ
リコン接続工程と、前記P側ポリシリコン膜の下部に位
置するP型半導体の一部と電源電位とを接続し、前記N
側ポリシリコン膜の下部に位置するN型半導体の一部と
接地電位とをそれぞれ接続する半導体接続工程と、を含
むことを特徴とする半導体集積回路の製造方法である。
【0020】
【作用】本発明における削除工程はマスタースライス上
のゲート電極と、ゲート酸化膜とを散り除く。そして、
絶縁膜形成工程において、未使用の基本セルの領域に対
し、MOSキャパシタ用絶縁膜が形成され、ポリシリコ
ン膜形成工程において、その上にポリシリコン膜が形成
される。
【0021】したがって、P側においてMOSキャパシ
タ用絶縁膜の上に設けられているP側ポリシリコン膜
は、接地電位に接続されているので、P側ポリシリコン
膜の下部には反転層が生じる。そのため、P側ポリシリ
コン膜の下部の複数のP型半導体は全て導通状態とな
る。その結果、したがって、P側ポリシリコン膜と、そ
の下部の複数のP型半導体及び反転層との間に静電容量
が形成される。
【0022】N側においてもP側と同様にして、複数の
N型半導体の間には反転層が生じることによって、全て
の複数のN型半導体は導通状態となる。そのため、N側
ポリシリコン膜と、その下部の複数のN型半導体及び反
転層との間に静電容量が形成される。
【0023】
【実施例】以下、この発明の好適な一実施例を図に基づ
いて説明する。
【0024】図1は本実施例の半導体集積回路の製造方
法の全体フローチャートである。本実施例は、いわゆる
マスタースライス方式によるゲートアレイの製造方法で
ある。本実施例において従来と比べて新規なステップ
は、ステップ1−2であり、このステップにおいては、
回路設計データによって、あらかじめ使用されないこと
が決定している基本セルに対して、バイパスコンデンサ
として使用するための所定の処理が施される。
【0025】図1において、まず、ステップ1−1にお
いて、マスタースライスが作成される。マスタースライ
スは拡散工程、ゲート酸化膜の形成工程、及びゲート電
極の形成工程等によって、複数の基本セルが基板上に形
成されている。さらに、通常はその上に絶縁膜が形成さ
れている。この絶縁膜は、SOG(Spin OnGr
ass)等が用いられる。従来は、このマスタースライ
スに対して、回路設計データにしたがってコンタクトホ
ールやアルミニウム配線を施すことによって半導体集積
回路が製造されていた。
【0026】ステップ1−2においては、回路設計デー
タにしたがって未使用の基本セルをバイパスコンデンサ
とする処理が行われる。本実施例において新規なステッ
プは本ステップ1−2であり、このステップ1−2を除
けば図1に示されているフローチャートは従来と同一の
製造方法である。なお、本ステップは、後述するように
ゲート電極及びゲート酸化膜を削除する削除工程と、M
OSキャパシタ用絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
MOSキャパシタの一方の電極となるポリシリコン膜を
形成するポリシリコン膜形成工程と、このポリシリコン
膜を二つの部分に分割するエッチング分割工程とから構
成される。本ステップの詳細な説明は、図3に示されて
いるフローチャートを用いて後述する。
【0027】ステップ1−3から、ステップ1−9まで
は、従来のゲートアレイの製造工程と同一である。ステ
ップ1−3においては、回路設計データにしたがって、
マスタースライス上の絶縁膜に第一層のアルミニウム配
線のためにコンタクトホールが開けられる。
【0028】ステップ1−4においては、このコンタク
トホールを通じて第一層のアルミニウム配線が行われ
る。
【0029】ステップ1−5においては、第一層及び第
二層のアルミニウム配線の層の絶縁を行うための絶縁層
が形成される。
【0030】ステップ1−6においては、上記絶縁層に
対して第二層のアルミニウム配線のためにコンタクトホ
ールが開けられる。
【0031】ステップ1−7においては、このコンタク
トホールを通じて第二層のアルミニウム配線が行われ
る。
【0032】ステップ1−8においては、保護のための
パッシベーション膜が設けられる。最後にステップ1−
9においては、外部に配線を引き出すために、上記パッ
シベーション膜に対し、穴が開けられる。この穴を通じ
てワイアーボンディングが行われるので、この穴は半導
体集積回路の中のボンディングパッドに対し、ワイアー
ボンディングが可能な程度の大きさで開けられる。
【0033】以上のようにして、本実施例の半導体集積
回路が製造される。図2に本実施例におけるゲートアレ
イ型半導体集積回路の基本セルの平面図が示されてい
る。図2に示されているように、本実施例における半導
体集積回路は、CMOS型のゲートアレイであり、PM
OS側及びNMOS側において、それぞれ5個の拡散層
が設けられている。これらの拡散層は、PMOS側はP
+ 拡散層50であり、NMOS側はN+ 拡散層52であ
る。また、各拡散層の間のチャネルとなる部分の上面に
は、不図示のゲート酸化膜上部に、PMOS側はポリシ
リコンゲート電極54、NMOS側はポリシリコンゲー
ト電極56がそれぞれ4個設けられている。図2の基本
セルは未使用であるので、信号のための配線は設けられ
ておらず、図1の1−7工程により作成される。つまり
横方向に一律に設けられている電源線のみが図2に示さ
れている。このうち、PMOS側を通過しているのは電
源電位Vccであり、NMOS側を通過しているのは接
地電位GNDである。なお、これら電源線の下には、図
では見えないが絶縁膜が設けられており、ポリシリコン
ゲート電極54、56等と電源線は絶縁されている。
【0034】図3に本実施例において特徴的なステップ
である上記ステップ1−2の詳細な処理を表すフローチ
ャートが示されている。
【0035】まず、図3中のステップ3−1において
は、未使用の基本セルに対し、その未使用セルの領域の
絶縁膜、ポリシリコンゲート電極54、56、及びゲー
ト酸化膜が取り除かれる。この処理によって、未使用の
基本セルの領域においては、基板上に拡散領域が露出す
る。すなわち、本ステップ3−1は請求項における削除
工程である。本ステップの処理の詳細な説明は、図4を
用いて後述する。
【0036】次に、ステップ3−2において、MOSキ
ャパシタを構成する酸化膜が形成される。すなわち、本
ステップ3−2は請求項における絶縁膜形成工程であ
る。この酸化膜の形成の詳細な説明は、図5を用いて後
述する。
【0037】ステップ3−3において、上記酸化膜の上
にポリシリコンが蒸着される。このポリシリコンは、M
OSキャパシタの一方の電極である。すなわち、本ステ
ップ3−3は請求項におけるポリシリコン膜形成工程で
ある。
【0038】ステップ3−4においては、上記ポリシリ
コンにP+ がドーピングされる。上述したように、この
ポリシリコンは、MOSキャパシタの一方の電極となる
ため、なるべく低抵抗であることが望ましい。そのた
め、P+ をドーピングして、このポリシリコンの低抵抗
化を図っている。なお、この電極は、ポリシリコン型の
Alloyでもよく、また、W膜等でも好適である。要
するに低抵抗のものであればなんでもよい。
【0039】ステップ3−5においては、上記ポリシリ
コンの分割が行われる。このポリシリコンの分割は、P
MOS側とNMOS側とに分割することにより行われ
る。すなわち、本実施例においては、MOSキャパシタ
は、PMOS側のMOSキャパシタと、NMOS側のM
OSキャパシタの2種類が構成される。本ステップ3−
5は請求項におけるエッチング分割工程である。この2
種類のMOSキャパシタによって、バイパスコンデンサ
が構成されている。
【0040】ステップ3−6においては、上述したよう
にして構成されたポリシリコン膜の酸化と、その上の絶
縁膜の形成が行われる。
【0041】以上のように、未使用の基本セルに対し
て、本実施例において規新な処理が行われる。この処理
が終了した後は、図1のステップ1−3に移行し、以
後、従来と同様にコンタクトホールの形成、アルミニウ
ム配線層の作成が行われ、半導体集積回路が製造され
る。
【0042】以下、図3の各ステップの動作の詳細な説
明を図面に基づいて行う。
【0043】上述したステップ3−1の処理の様子を表
した断面図が図4に示されている。図4(a)には、ス
テップ3−1の処理が施される前のマスタースライスの
断面図が示されており、図4(c)には、本ステップ3
−1にて、上記の部分が取り除かれた状態の断面図が示
されている。また、図4(b)には、エッチングのた
め、レジストが塗布された状態の断面図が示されてい
る。
【0044】図4(a)に示されている断面図は、図2
のIV−IV線に沿ったNMOS側の断面図である。PMO
S側の処理も基本的にNMOS側と同一であり、本文で
はNMOS側について説明する。
【0045】本実施例におけるマスタースライスは、図
4(a)に示されているように、基板70にN+ 拡散層
52が設けられており、N+ 拡散層52の間には、ゲー
ト酸化膜72を介してポリシリコンゲート電極56が4
個設けられている。また、この基本セルはLOCOS7
6によって他のセルと分離されている。さらに、これら
ポリシリコンゲート電極56やLOCOS76等を覆っ
て熱酸化膜78が形成されており、最後に、マスタース
ライス全体に絶縁膜80が塗布されている。この絶縁膜
80は例えば、SOG(Spin On Grass)
等が用いられる。
【0046】さて、図4(a)で示される未使用の基本
セルに対して、レジストの塗布工程、露光工程、レジス
ト洗浄工程を施すことにより、マスタースライスは図4
(b)に示されているように、エッチングの対象となる
部分以外にレジスト82が塗布された状態になる。次
に、エッチングをして、高温の超純水で洗浄した後の状
態が図4(c)に示されている。図4(c)に示されて
いるように、未使用の基本セルのポリシリコンゲート電
極56及びゲート酸化膜72が取り除かれる。図におい
てはNMOS側だけが示されているが、PMOS側でも
同様にポリシリコンゲート電極54、及びPMOS側の
ゲート酸化膜72が取り除かれる。以上の処理の様子を
表す平面図が図5と図6に示されている。図5に示され
ている平面図は、図4(a)に対応する平面図であり、
エッチング前の状態を表す。なお、図5には絶縁膜80
及び酸化膜78は描かれておらず、ポリシリコンゲート
電極54、56、及びP+ 拡散層50、N+ 拡散層52
が表れている。また、図6に示されている平面図は図4
(c)に対応する平面図であり、エッチング後の状態を
表す。
【0047】上述したステップ3−2の処理の様子を表
した断面図が図7に示されている。図7に示されている
ように、MOSキャパシタを構成する容量用酸化膜84
が未使用の基本セルの領域全体に対して形成される。
【0048】ステップ3−3の処理の様子を表した断面
図が図8に示されている。図8に示されているように、
ポリシリコン膜86が上記容量用酸化膜84の上に形成
される。このポリシリコン膜86は、後述するように本
実施例のMOSキャパシタの一方の電極を構成する。
【0049】さらに、ステップ3−4にて、上記ポリシ
リコン膜86はP+ (As+ 等)がドーピングされ低抵
抗化が図られる。これによって高周波特性を改善し、高
周波ノイズを吸収する能力を向上させることができる。
【0050】ステップ3−5の処理の様子を表した断面
図が図9に示されている。図9に示されているように、
上記ポリシリコン膜86は低抵抗化された後エッチング
されて2つのポリシリコン膜86aと86bとに分割さ
れる。ポリシリコン膜86aはPMOS側の電極を構成
し、ポリシリコン膜86bはNMOS側の電極を構成す
る。以下、ポリシリコン膜86aを、しばしばポリシリ
コン電極86aと呼び、ポリシリコン膜86bを、しば
しばポリシリコン電極86bと呼ぶ。図10にこの様子
を示す平面図が示されている。図10に示されているよ
うに、PMOS側の電極を構成するポリシリコン膜86
aは、その一部がNMOS側にまで伸びており、一方、
NMOS側の電極を構成するポリシリコン膜86bは、
その一部がPMOS側にまで伸びている。これは、それ
ぞれポリシリコン膜86aは接地電位GNDと、ポリシ
リコン膜86bは電源電位Vccと接続されやすくする
ためである。この接続は後述するようにコンタクトホー
ルを通じて行われる。
【0051】ステップ3−6の処理の様子を表した断面
図が図11に示されている。図11に示されているよう
に、未使用の基本セルの領域全体に熱酸化膜88が形成
される。さらに、熱酸化膜88を覆って絶縁膜90が形
成される。この絶縁膜90は、PSG膜(燐硅素ガラス
膜)が用いられる。PSG膜としてはSOG(Spin
On Grass)等が利用される。
【0052】以上述べたようにして、本実施例において
は、未使用セルの領域にMOSキャパシタを構成した。
MOSキャパシタを構成した後は、前述したように従来
と同様の処理工程が施される。すなわち、コンタクトホ
ールが開けられ、第一層及び第二層のアルミニウム配線
が行われる。また、各アルミニウム配線の間には所定の
絶縁層が設けられる。
【0053】上述したようにして設けられたMOSキャ
パシタは、これらのコンタクトホールと電源線によって
実際の回路内でVDD,GNDと接続され、バイパスコ
ンデンサとして利用され得る。以下、この利用の様子を
説明する。
【0054】図12には、ステップ1−3にて未使用の
基本セルの領域に対して設けられるコンタクトホールを
表した図が示されている。図に示されているように、P
及びNウェルに接続するウェルコンタクト92と、ポリ
シリコン電極86a、86bに接続するゲートコンタク
ト94a、94bとがNMOS側とPMOS側とにそれ
ぞれ設けられる。さらに、PMOS側にはP+ 拡散層に
接続するP+ コンタクト96aと、NMOS側にはN+
拡散層に接続するN+ コンタクト96bとがそれぞれ設
けられている。これらのコンタクトホールは、上記絶縁
膜90及び熱酸化膜88に開口を開けることにより設け
られている。
【0055】図13には、上記コンタクトホール上に電
源線を設置した様子を表す平面図である。本実施例にお
いては、電源電位Vccはアルミニウム第一層により、
接地電位GNDはアルミニウム第二層によりそれぞれ配
線されている。なお、両配線層の間及びポリシリコン電
極86a、86bの上には絶縁層が存在するが、図13
においてはそれらは示されていない。
【0056】図13に示されているように、PMOS側
においてはウェルコンタクト92とP+ コンタクト96
aとが電源電位Vccに接続されている。このため、P
MOS側のnウェルとP+ 拡散層50とが、電源電位V
ccに接続されている。P+拡散層50は図に示されて
いるように5個存在し、そのうち中央の1個のみが電源
電位Vccに接続されている。しかしながら、後述する
ように、PMOS側のポリシリコン電極86aが接地電
位GNDに接続されているため、各P+ 拡散層50の間
には反転層が形成され、それによって全てのP+ 拡散層
50が互いに導通状態となる。したがって、1個のP+
拡散層50のみを電源電位Vccに接続しただけで、全
てのP+ 拡散層50が電源電位Vccに接続されたこと
になる。さらに、NMOS側に設けられているポリシリ
コン電極86bの一端がPMOS側にまで伸びており、
その先端に設けられているゲートコンタクト94bによ
って、ポリシリコン電極86bが電源電位Vccと接続
されている。
【0057】また、NMOS側においては(PMOS側
と同様に)ウェルコンタクト92とN+ コンタクト96
bとが接地電位GNDに接続されている。このため、N
MOS側のpウェルとN+ 拡散層52とが、接地電位G
NDに接続されている。N+拡散層52は図に示されて
いるように5個存在し、そのうち中央の1個のみが接地
電位GNDに接続されている。しかしながら、前述した
ように、NMOS側のポリシリコン電極86bが電源電
位Vccに接続されているため、各N+ 拡散層52の間
には反転層が形成され、それによって全てのN+ 拡散層
52が互いに導通状態となる。したがって、PMOS側
と同様に1個のN+ 拡散層52のみを接地電位GNDに
接続しただけで、全てのN+ 拡散層52が接地電位GN
Dに接続されたことになる。さらに、前述したようにP
MOS側に設けられているポリシリコン電極86aの一
端がNMOS側にまで伸びており、その先端に設けられ
ているゲートコンタクト94aによって、ポリシリコン
電極86aが接地電位GNDと接続されている。
【0058】このような接続によるこの未使用セルの擬
似的な等価回路が、図14に示されている。上述したよ
うに、本実施例においてはポリシリコンゲート電極5
4、56を除去し、代わりにポリシリコン膜86a、8
6bを広い面積で設けたので、いわゆる反転層とゲート
電極(ゲートの位置にあるポリシリコン膜86a、86
b)との間のMOSキャパシタだけでなく、その他の部
分のポリシリコン膜86a、86bと両拡散層(P+
散層、N+ 拡散層)50、52との間にもキャパシタが
構成されるのでより大きな容量を実現することが可能で
ある。図14においては、この両拡散層50、52と、
ポリシリコン膜86a、86bとの間のキャパシタが点
線で擬似的に示されている。
【0059】以上述べたように、本実施例によれば、ゲ
ートアレイ型の半導体集積回路の製造方法において、ス
テップ3−1から3−6までのわずか6工程を付加する
だけで、未使用の基本セルの領域をバイパスコンデンサ
として用いることが可能である。また、本実施例によっ
て構成されたバイパスコンデンサはその上面に電源線以
外の特別な配線を有しないため、通常の回路を構成する
ための配線の引き回しに何ら障害となることがない。し
たがって、通常の回路のごく近傍にバイパスコンデンサ
を設けることができ、電源線に重畳するノイズをより効
果的に除去することが可能である。さらに、反転層を一
方の電極とするMOSキャパシタ部分だけでなく、基本
セルに本来設けられているP+ 及びN+ 拡散層50、5
2(上述したように反転層と導通状態である)も一方の
電極となるため、より大きな容量のバイパスコンデンサ
を構成することができるという効果を有する。
【0060】MOSキャパシタ用ポリシリコン膜は低抵
抗膜であればポリシリコンに限定しない。
【0061】
【発明の効果】以上述べたように、本発明にかかる半導
体集積器回路の製造方法によれば、ゲートアレイの未使
用の基本セルに対し、キャパシタを構成することが可能
である。また、ここで構成したキャパシタは、電源線と
接続するための配線以外の配線を必要としないので、こ
のキャパシタが構成された領域の上面は通常の信号用回
路の配線のための領域とすることが可能である。したが
って、本発明の製造方法によって構成されたキャパシタ
は通常の信号用回路の極めて近傍に配置することが可能
である。
【0062】P型半導体側においては、さらに絶縁膜を
誘電体とするキャパシタが、P側ポリシリコン膜とP型
半導体との間に構成される。そして、P側ポリシリコン
膜は接地電位に接続されているので、複数のP型半導体
間には反転層が形成され、この反転層とP側ポリシリコ
ン膜との間にMOSキャパシタが形成される。したがっ
て、文献1に示されているようなMOSキャパシタのみ
を有するバイパスコンデンサに比べて、より大きな容量
を有するバイパスコンデンサを構成することが可能であ
る。このことは、N型半導体側においてもまったく同様
である。
【0063】その結果、より大きな容量を有するバイパ
スコンデンサを、通常の信号用回路のより近傍に配置す
ることが可能であるので、電源に重畳するノイズを効果
的に抑制することが可能な半導体集積回路が得られると
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である半導体集積回路
の製造方法の全体フローチャートである。
【図2】本実施例におけるゲートアレイ型半導体集積回
路の未使用の基本セルの平面図である。
【図3】図1のステップ1−2の詳細な処理を表すフロ
ーチャートである。
【図4】図3のステップ3−1の処理の様子を表す断面
図である。
【図5】図4(a)の断面図に対応する平面図である。
【図6】図4(c)の断面図に対応する平面図である。
【図7】図3のステップ3−2の処理の様子を表す断面
図である。
【図8】図3のステップ3−3の処理の様子を表す断面
図である。
【図9】図3のステップ3−5の処理の様子を表す断面
図である。
【図10】図3のステップ3−5の処理の様子を表す平
面図である。
【図11】図3のステップ3−6の処理の様子を表す断
面図である。
【図12】図1のステップ1−3において、未使用の基
本セルの領域に対してコンタクトホールが設けられる様
子を表す平面図である。
【図13】図12のコンタクトホール上に電源線を配置
して、本実施例によるバイパスコンデンサが電源線に接
続される様子を表す平面図である。
【図14】図13に示されている接続によって未使用の
基本セルに構成される回路の擬似的な等価回路図であ
る。
【図15】従来のゲートアレイの基本セルの構造を示す
説明図である。
【図16】従来のゲートアレイの基本セルの領域の上面
に配線を施すことによりバイパスコンデンサを構成する
様子を示す説明図である。
【符号の説明】
50 P+ 拡散層 52 N+ 拡散層 54、56 ポリシリコンゲート電極 70 基板 72 ゲート酸化膜 76 LOCOS 78 熱酸化膜 80 絶縁膜 82 レジスト 84 容量用酸化膜 86 ポリシリコン膜 86a、86b ポリシリコン電極、(分割された)ポ
リシリコン膜 88 熱酸化膜 90 絶縁膜 92 ウェルコンタクト 94a、94b ゲートコンタクト 96a P+ コンタクト 96b N+ コンタクト

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物を半導体ウェハに拡散し、複数の
    P型半導体と複数のN型半導体とを形成する拡散工程
    と、 トランジスタのゲート電極と導電チャネルとを絶縁する
    ゲート酸化膜の形成工程と、 前記ゲート電極を前記ゲート酸化膜上に形成する形成工
    程と、 の処理が行われ、P型とN型のトランジスタを含むCM
    OS型の基本セルが複数個形成されたマスタースライス
    に対し、回路設計データにしたがって、2層の配線層に
    よる配線を行うことによりゲートアレイ型半導体集積回
    路を製造するマスタースライス方式製造方法において、 回路の構成に使用されない未使用の前記基本セルの領域
    である未使用領域に対し、前記未使用領域上の前記ゲー
    ト電極と前記ゲート酸化膜とを削除する削除工程と、 MOSキャパシタ用絶縁膜を、前記未使用領域に形成す
    る絶縁膜形成工程と、 ポリシリコン膜を、前記未使用領域において、前記MO
    Sキャパシタ用絶縁膜の上に形成するポリシリコン膜形
    成工程と、 前記ポリシリコン膜形成工程にて形成されたポリシリコ
    ン膜を、P型半導体上のP側ポリシリコン膜と、N型半
    導体上のN側ポリシリコン膜との二つの部分に分割する
    エッチング分割工程と、 回路設計データにしたがって、配線を行う配線工程と、 を含み、 前記配線工程は、 前記P側ポリシリコン膜と接地電位とを接続し、前記N
    側ポリシリコン膜と電源電位とを接続するポリシリコン
    接続工程と、 前記P側ポリシリコン膜の下部に位置するP型半導体の
    一部と電源電位とを接続し、前記N側ポリシリコン膜の
    下部に位置するN型半導体の一部と接地電位とをそれぞ
    れ接続する半導体接続工程と、 を含むことを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08172175A (ja) * 1994-12-19 1996-07-02 Fujitsu Ten Ltd 半導体集積回路
CN100355059C (zh) * 2001-11-21 2007-12-12 松下电器产业株式会社 半导体器件及制造方法、生成器件用图形的方法和装置
US7473624B2 (en) 2004-03-16 2009-01-06 Nec Electronics Corporation Method for manufacturing semiconductor device

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