JPH08311252A - 安定化されたポリオレフィン組成物 - Google Patents

安定化されたポリオレフィン組成物

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JPH08311252A
JPH08311252A JP14559195A JP14559195A JPH08311252A JP H08311252 A JPH08311252 A JP H08311252A JP 14559195 A JP14559195 A JP 14559195A JP 14559195 A JP14559195 A JP 14559195A JP H08311252 A JPH08311252 A JP H08311252A
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bis
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ethyl
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JP14559195A
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Yoichi Nakajima
洋一 中島
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品としたときの該成形品の耐熱水性又は
耐重金属性に優れた安定化されたポリオレフィン組成物
を提供する。 【構成】1.ポリオレフィン100重量部に対して、下記
〜から選ばれた1種又は2種のフェノール系化合物
及び下記一般式(1)で示されるチオエーテル系化合物を
それぞれ0.05〜5重量部配合してなる安定化されたポリ
オレフィン組成物。 ビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニ
ル)ブチリックアシッド]エチレングリコールエステル ビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベ
ンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフタレー
ト 【化1】 (ただし、式中Rは炭素数8〜28のアルキル基を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定化されたポリオレ
フィン組成物に関する。さらに詳しくは、実用時のポリ
オレフィンの酸化劣化防止性に優れた水系接触使用に対
して安定化されたポリオレフィン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリオレフィンは比較的安価でか
つ優れた機械的性質を有するので、射出成形品、中空成
形品、フィルム、シート、繊維など各種の成形品の製造
に用いられている。しかしながら、ポリオレフィンとり
わけプロピレン系重合体は、該重合体中に酸化を受けや
すい第3級炭素を有しているため、成形加工時及び実用
時に熱酸化劣化を受けやすい欠点がある。このため、従
来から熱酸化劣化を防止する目的で、各種の酸化防止剤
が広く用いられている。しかしながら、各種酸化防止剤
を配合してなるポリオレフィン組成物を成形し、得られ
た成形品を熱水と長期間接触する用途に用いた場合、該
組成物に配合した酸化防止剤が熱水によって抽出される
ため、熱水接触時の耐熱酸化劣化性(以下、耐熱水性と
いう。)が著しく低下するといった問題が起こる。ま
た、ポリオレフィン組成物を成形して得られた成形品は
銅、黄銅、鉄及びニッケルなどの重金属と接触する用途
に用いられることがある。しかしながら、ポリオレフィ
ンは上述の各種重金属に含まれる重金属イオンによって
触媒的に酸化劣化を受けることから、ポリオレフィン組
成物の重金属接触時の耐熱酸化劣化性(以下、耐重金属
性という。)が著しく低下するといった問題が起こる。
【0003】このため、従来からポリオレフィン組成物
の耐熱水性を向上する目的で、該ポリオレフィンにホス
タノックス O3 (ビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-
ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッド]エチレング
リコールエステル)若しくはイルガノックス 1063
(2,6-ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール)を
配合した組成物やこれらフェノール系酸化防止剤とチオ
系相乗作用剤とを配合した組成物(モダン プラスチッ
クス インターナショナル、14巻、9号、9月、50頁(19
84年)[Modern Plastics International,Vol.14,NO.
9,September,p.50(1984)])、上述のフェノール系
酸化防止剤と1,3,5-トリス(4-ターシャリ-ブチル-3-ヒ
ドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸との
少なくとも一種とペンタエリトリット-テトラ(β-アル
キルチオプロピオン酸エステル)とを配合した組成物
(特開昭62−256849号公報)、ヒンダードアミン系光安
定剤及びフェノール系酸化防止剤を配合した組成物(特
開昭62−257944号公報)、4-ヒドロキシベンジルイソシ
アヌレート類、チオジプロピオン酸エステル類及び金属
石ケンを配合した組成物(特開昭63−39940号公報)が
それぞれ提案されている。また、遷移金属イオン存在下
の耐熱水性を向上する目的で、該ポリオレフィンに遷移
金属イオン不活性化剤、フェノール系酸化防止剤、チオ
系相乗作用剤及びリン系酸化防止剤を配合したポリオレ
フィン組成物(特表昭58−500065号公報)、ヒンダード
アミン系光安定剤、フェノール系酸化防止剤及びキレー
ト剤を配合した組成物(特開平1−103638号公報)がそ
れぞれ提案されている。このため、本発明者は耐熱水性
及び耐重金属性を改善した組成物、すなわちポリオレフ
ィンに特定のフェノール系化合物、チオジアルカン酸エ
ステル系化合物及び特定のオキサミド系化合物を配合し
たポリオレフィン組成物を特開平2−36247号公報とし
て先に提案した。
【0004】一方、ポリオレフィン組成物の耐重金属性
を向上する目的で、該ポリオレフィンに特定のオキサミ
ド誘導体を配合してなるポリオレフィン組成物が提案さ
れている(特開昭54−90143号公報)。また、特公昭48
−8251号公報には耐熱水性の優れた相乗作用剤としてシ
クロ脂肪族スルフィドからなるポリオレフィン用安定剤
が提案され、該公報にはフェノール系酸化防止剤と併用
し得ることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記モ
ダン プラスチックス インターナショナル、14巻、9
号、9月、50頁(1984年)[Modern Plastics Internatio
nal,Vol.14,NO.9,September,p.50(1984)]、特開
昭62−256849号公報、特開昭62−257944号公報及び特開
昭63−39940号公報に提案されたポリオレフィン組成物
は耐熱水性についてかなり改善されるものの、耐重金属
性についてはいまだ充分満足できるものではない。また
前記特表昭58−500065号公報及び特開平1−103638号公
報に提案されたポリオレフィン組成物は、耐熱水性及び
耐重金属性についてかなり改善されるものの、高度の耐
熱水性及び耐重金属性を要求される用途に使用する場
合、いまだ充分満足できるものではない。さらに前記特
開昭54−90143号公報に提案されたポリオレフィン組成
物は耐重金属性についてかなり改善されるものの、耐熱
水性についてはいまだ充分満足できるものではない。ま
た、前記特公昭48−8251号公報においてシクロ脂肪族ス
ルフィドにフェノール系酸化防止剤としてビス[3,3-ビ
ス(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチリック
アシッド]エチレングリコールエステル若しくはビス
[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベンジ
ル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフタレートを
併用することによってポリオレフィン組成物の耐熱水性
がさらに改善されることはなんら記載も示唆もない。
【0006】本発明者は、前記特開平2−36247号公報
に提案したポリオレフィン組成物に満足することなく、
さらに耐熱水性又は耐重金属性の改善されたポリオレフ
ィン組成物を得るべく鋭意研究した。その結果、本発明
者はポリオレフィンに特定のフェノール系化合物及び
チオエーテル系化合物又は、特定のフェノール系化合
物、チオエーテル系化合物及びオキサミド系化合物をそ
れぞれ特定量配合した組成物が上述のポリオレフィン組
成物の欠点を解決することができることを見い出し、こ
の知見に基づき本発明を完成した。以上の記述から明ら
かなように、本発明の目的は成形品としたときの該成形
品の耐熱水性又は耐重金属性に優れた安定化されたポリ
オレフィン組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1) ポリオレフィン100重量部に対して、下記〜か
ら選ばれた1種又は2種のフェノール系化合物(以下、
化合物Aと略記することがある。)及び下記一般式(1)
で示されるチオエーテル系化合物をそれぞれ0.05〜5重
量部配合してなる安定化されたポリオレフィン組成物。 ビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニ
ル)ブチリックアシッド]エチレングリコールエステル ビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベ
ンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフタレー
【化2】 (ただし、式中Rは炭素数8〜28のアルキル基を示
す。) (2) ポリオレフィン100重量部に対して、下記〜か
ら選ばれた1種又は2種以上のフェノール系化合物(以
下、化合物Bと略記することがある。)、化合物C及び
下記のオキサミド系化合物(以下、化合物Dと略記す
ることがある。)をそれぞれ0.05〜5重量部配合してな
る安定化されたポリオレフィン組成物。 ビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニ
ル)ブチリックアシッド]エチレングリコールエステル ビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベ
ンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフタレー
ト 1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4
-ヒドロキシベンジル)ベンゼン 1,1,3-トリス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフ
ェニル)-ブタン N,N'-ビス[2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキサミド (3) 前記第1項又は前記第2項記載の安定化されたポ
リオレフィン組成物100重量部に対して、リン系酸化防
止剤0.05〜5重量部をさらに配合してなる安定化された
ポリオレフィン組成物。
【0008】本発明で用いるポリオレフィンは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチル-ペ
ンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1などのα-オレフィ
ンの結晶性単独重合体、これら2種以上のα-オレフィ
ンの結晶性、低結晶性若しくは非晶性ランダム共重合体
又は結晶性ブロック共重合体、非晶性エチレン-プロピ
レン-非共役ジエン 3元共重合体、非晶性エチレン-環
状アルケン共重合体(たとえば、非晶性エチレン-テト
ラシクロドデセン共重合体)などのポリオレフィン、上
述のα-オレフィンと酢酸ビニル若しくはアクリル酸エ
ステルとの共重合体、該共重合体のケン化物、これらα
-オレフィンと不飽和シラン化合物との共重合体、これ
らα-オレフィンと不飽和カルボン酸若しくはその無水
物との共重合体、該共重合体と金属イオン化合物との反
応生成物、上述のポリオレフィンを不飽和カルボン酸若
しくはその誘導体で変性した変性ポリオレフィン、上述
のポリオレフィンを不飽和シラン化合物で変性したシラ
ン変性ポリオレフィンなどを例示することができ、これ
らポリオレフィンの単独使用はもちろんのこと、2種以
上のポリオレフィンを混合して用いることもできる。
【0009】また、上述のポリオレフィンに各種合成ゴ
ム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエン系ゴム、アクリ
ロニトリル-ブタジエン系ゴム、スチレン-ブタジエン-
スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチ
レンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-
スチレンブロック共重合体、スチレン-プロピレン-ブチ
レン-スチレンブロック共重合体など)又は熱可塑性合
成樹脂(たとえばポリスチレン、スチレン-アクリロニ
トリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレ
ン共重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素樹脂、石油
樹脂(たとえばC5系石油樹脂、水添C5系石油樹脂、C
9系石油樹脂、水添C9系石油樹脂、C5-C9共重合石油
樹脂、水添C5-C9共重合石油樹脂、酸変性C9系石油樹
脂などの軟化点80〜200℃の石油樹脂)、DCPD樹脂
(たとえばシクロペンタジエン系石油樹脂、水添シクロ
ペンタジエン系石油樹脂、シクロペンタジエン-C5共重
合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-C5共重合石油樹
脂、シクロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、水添シク
ロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、シクロペンタジエ
ン-C5-C9共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-
5-C9共重合石油樹脂などの軟化点80〜200℃のDCP
D樹脂)などを混合して用いることもできる。結晶性プ
ロピレン単独重合体、プロピレン成分を70重量%以上含
有する結晶性プロピレン共重合体であって、結晶性エチ
レン-プロピレンランダム共重合体、結晶性エチレン-プ
ロピレンブロック共重合体、結晶性プロピレン-ブテン-
1ランダム共重合体、結晶性エチレン-プロピレン-ブテ
ン-1 3元共重合体、結晶性プロピレン-ヘキセン-ブテ
ン-1 3元共重合体及びこれらの2種以上の混合物が特
に好ましく用いられる。
【0010】本発明で用いられる化合物Aの単独使用は
もちろんのこと、2種の化合物Aを併用することもでき
る。該化合物Aの配合割合は、ポリオレフィン100重量
部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部
である。0.05重量部未満の配合ではポリオレフィン組成
物の耐熱水性の改善効果が充分に発揮されず、また5重
量部を超えても構わないが、それ以上の耐熱水性の改善
効果が期待できず実際的でないばかりでなくまた不経済
である。
【0011】本発明で用いられる化合物Bの単独使用は
もちろんのこと、2種以上の化合物Bを併用することも
できる。該化合物Bの配合割合は、ポリオレフィン100
重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重
量部である。0.05重量部未満の配合ではポリオレフィン
組成物の耐熱水性及び耐重金属性の改善効果が充分に発
揮されず、また5重量部を超えても構わないが、それ以
上の耐熱水性及び耐重金属性の改善効果が期待できず実
際的でないばかりでなくまた不経済である。
【0012】本発明で用いられる化合物Cとしては1-
[β-(オクチルチオ)エチル]-3-(オクチルチオ)シ
クロヘキサン、1-[β-(オクチルチオ)エチル]-4-
(オクチルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(2-エチル
ヘキシルチオ)エチル]-3-(2-エチルヘキシルチオ)
シクロヘキサン、1-[β-(2-エチルヘキシルチオ)エ
チル]-4-(2-エチルヘキシルチオ)シクロヘキサン、1
-[β-(ノニルチオ)エチル]-3-(ノニルチオ)シク
ロヘキサン、1-[β-(ノニルチオ)エチル]-4-(ノニ
ルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ドデシルチオ)エ
チル]-3-(ドデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-
(ドデシルチオ)エチル]-4-(ドデシルチオ)シクロ
ヘキサン、1-[β-(テトラデシルチオ)エチル]-3-
(テトラデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(テト
ラデシルチオ)エチル]-4-(テトラデシルチオ)シク
ロヘキサン、1-[β-(ヘキサデシルチオ)エチル]-3-
(ヘキサデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ヘキ
サデシルチオ)エチル]-4-(ヘキサデシルチオ)シク
ロヘキサン、1-[β-(オクタデシルチオ)エチル]-3-
(オクタデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(オク
タデシルチオ)エチル]-4-(オクタデシルチオ)シク
ロヘキサン、1-[β-(ドコシルチオ)エチル]-3-(ド
コシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ドコシルチ
オ)エチル]-4-(ドコシルチオ)シクロヘキサン、1-
[β-(オクタコシルチオ)エチル]-3-(オクタコシル
チオ)シクロヘキサン及び1-[β-(オクタコシルチ
オ)エチル]-4-(オクタコシルチオ)シクロヘキサン
などを例示でき、特に1-[β-(オクタデシルチオ)エ
チル]-3-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン及び1-
[β-(オクタデシルチオ)エチル]-4-(オクタデシル
チオ)シクロヘキサンが好ましい。これら化合物Cの単
独使用はもちろんのこと、2種以上の化合物Cを併用す
ることもできる。該化合物Cの配合割合は、ポリオレフ
ィン100重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1
〜2重量部である。0.1重量部未満の配合ではポリオレ
フィン組成物の耐熱水性又は耐重金属性の改善効果が充
分に発揮されず、また5重量部を超えても構わないが、
それ以上の耐熱水性又は耐重金属性の改善効果が期待で
きず実際的でないばかりでなくまた不経済である。
【0013】本発明で用いられる化合物Dの配合割合
は、ポリオレフィン100重量部に対して0.05〜5重量
部、好ましくは0.1〜2重量部である。0.05重量部未満
の配合ではポリオレフィン組成物の耐重金属性の改善効
果が充分に発揮されず、また5重量部を超えても構わな
いが、それ以上の耐重金属性の改善効果が期待できず実
際的でないばかりでなくまた不経済である。
【0014】本発明の組成物にあっては、通常ポリオレ
フィンに添加される各種の添加剤たとえばフェノール系
(ただし、化合物A、化合物B及び化合物Dを除
く。)、チオエーテル系(ただし、化合物Cを除
く。)、リン系などの酸化防止剤、光安定剤、重金属不
活性化剤(銅害防止剤;ただし、化合物Dを除く。)、
透明化剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチ
ブロッキング剤、無滴剤、過酸化物の如きラジカル発生
剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、ハロゲン捕捉剤、金属石
ケン類などの分散剤若しくは中和剤、有機系や無機系の
抗菌剤、無機充填剤(たとえばタルク、マイカ、クレ
ー、ウォラストナイト、ゼオライト、カオリン、ベント
ナイト、パーライト、ケイソウ土、アスベスト、炭酸カ
ルシウム、水酸化マグネウム、水酸化アルミニウム、ハ
イドロタルサイト、塩基性アルミニウム・リチウム・ヒ
ドロキシ・カーボネート・ハイドレート、二酸化ケイ
素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マ
グネシウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス繊
維、チタン酸カリウム、炭素繊維、カーボンブラック、
グラファイト及び金属繊維など)、カップリング剤(た
とえばシラン系、チタネート系、ボロン系、アルミネー
ト系、ジルコアルミネート系など)の如き表面処理剤で
表面処理された前記無機充填剤、又は有機充填剤(たと
えば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維など)を
本発明の目的を損なわない範囲で併用することができ
る。
【0015】特にリン系酸化防止剤を併用すると相乗的
に着色防止効果が発揮されるので併用することが好まし
い。リン系酸化防止剤としてはジステアリル-ペンタエ
リスリトール-ジフォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-
t-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォ
ナイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチル-5-メチルフェニ
ル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイト、ジフェ
ニル-ペンタエリスリトール-ジフォスファイト、ビス
(ノニルフェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォスフ
ァイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ペンタエリ
スリトール-ジフォスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル
-5-メチルフェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォス
ファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)
-ペンタエリスリトール-ジフォスファイト、ビス(2,6-
ジ-t-ブチル-4-n-オクタデシルオキシカルボニルエチル
-フェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファイ
ト、2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-
フルオロフォスファイト、2,2'-エチリデン-ビス(4-メ
チル-6-t-ブチルフェニル)-フルオロフォスファイト、
2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-フ
ルオロフォスファイト、カテシル-2,6-ジ-t-ブチル-4-
メチルフェニルフォスファイト、カテシル-2,4,6-トリ-
t-ブチルフェニルフォスファイト、α-ナフチルカテシ
ルフォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)-2-エチルヘキシルフォスファイト、2,
2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクタ
デシルフォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル
-6-t-ブチルフェニル)-2-ナフチルフォスファイト、4,
4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニル-ジ
-トリデシルフォスファイト)、1,1,3-トリス(2-メチ
ル-4-ジ-トリデシルフォスファイト-5-t-ブチルフェニ
ル)ブタン、
【0016】ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)]-3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキ
シエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン-ジフォスファイト、ビス[2,2'-エチリデン-ビ
ス(4,6-ジ-t-アミルフェニル)]-3,9-ビス(1,1-ジメ
チル-2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン-ジフォスファイト、トリス[2,
2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]-トリエタノー
ルアミン-トリフォスファイト、トリス[2,2'-メチレン
-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]-トリエタノール
アミン-トリフォスファイト、トリフェニルフォスファ
イト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリ
ス(2,4-ジ-ノニルフェニル)フォスファイト、トリス
(モノ,ジノニルフェニル)フォスファイト及びトリス
(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイトを例示で
き、特にジステアリル-ペンタエリスリトール-ジフォス
ファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ペンタエ
リスリトール-ジフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチ
ル-4-メチルフェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォ
スファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-
4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイト、テトラキス
(2,4-ジ-t-ブチル-5-メチルフェニル)-4,4'-ビフェニ
レン-ジ-フォスフォナイト、2,2'-エチリデン-ビス(4,
6-ジ-t-ブチルフェニル)-フルオロフォスファイト、ト
リス[2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]-トリ
エタノールアミン-トリフォスファイト及びトリス(2,4
-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイトが好ましい。
【0017】本発明の組成物はポリオレフィンに前記の
化合物A及び化合物C又は化合物B、化合物C及び化合
物Dの各化合物並びに通常ポリオレフィンに添加される
前述の各種添加剤のそれぞれ所定量を通常の混合装置た
とえばヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサ
ー、リボンブレンダー、バンバリミキサーなどを用いて
混合し、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダー
又はロールなどで、溶融混練温度150℃〜320℃、好まし
くは180℃〜290℃で溶融混練ペレタイズすることにより
得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例で用いた評価方法
は次の方法によった。 1)熱水浸漬処理:得られたペレットを用いて長さ50m
m、巾50mm、厚み2mmの試験片を射出成形法により作成
し、該試験片を用いてステンレス製水槽中に浸漬した。
水槽には130℃のスチームを導入し水温を98±2℃に保
ち、水位を一定となるように熱水をオバーフローさせ、
熱水抽出される各種配合物の飽和水溶液とならないよう
にした。 2)耐熱水性:耐熱水性は後述の各表に記載した所定の
時間熱水浸漬処理した試験片を用いて、オーブンライフ
試験により評価した。すなわち該試験片を用いて温度15
0℃に調節した循環熱風オーブンに入れ、試験片が完全
劣化するまでの時間(引張強度が0になるまでの時間)
を測定(JIS K 7212に準拠)することにより耐熱水
性を評価した。
【0019】3)耐重金属性:耐重金属性は後述の表に
記載した所定の時間熱水浸漬処理した試験片を用いて、
耐銅性試験により評価した。すなわち該試験片を用いて
長さ25mm、巾25mm、厚み0.3mmの銅板と接触させクリッ
プで固定して温度150℃に調節した循環熱風オーブンに
入れ、試験片の銅板接触部分が完全劣化するまでの時間
(劣化が貫通するまでの時間)を測定(JIS K 7212
に準拠)することにより耐重金属性を評価した。 4)耐重金属塩溶液性(耐熱水性及び耐重金属性の両者
の同時評価試験):得られたペレットを用いて長さ50m
m、巾25mm、厚み1mmの試験片を射出成形法により作成
した。テストチューブ(内径34mm、外径45mm、長さ350m
m)に以下の各メッキ浴200ml及び試験片を1枚入れ、該
試験片をメッキ浴中に浸漬した。試験片をメッキ浴浸漬
したテストチューブは、温度80℃に調節したテストチュ
ーブ老化試験器を用いてメッキ浴浸漬処理を行った。な
お、メッキ浴は500時間毎に取り替えた。耐重金属塩溶
液性は後述の表に記載した所定の時間メッキ浴浸漬処理
した試験片を用いて、オーブンライフ試験により評価し
た。すなわち該試験片を用いて温度150℃に調節した循
環熱風オーブンに入れ、試験片が完全劣化するまでの時
間(引張強度が0になるまでの時間)を測定(JIS
K 7212に準拠)することにより耐重金属塩溶液性を評
価した。 銅メッキ浴:硫酸銅五水塩(CuSO4・5H2O)200g
/l及び硫酸80g/lからなる銅メッキ浴 クロムメッキ浴:無水クロム酸(CrO3)250g/l及
び硫酸2.5g/lからなるクロムメッキ浴
【0020】実施例1〜6、比較例1〜13 ポリオレフィンとしてメルトフローレート(230℃にお
ける荷重21.18Nを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量;以下MFRと略記する。)4.0g/10分の安定化さ
れていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量
部に、化合物Aとしてビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'
-ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッド]エチレン
グリコールエステル又はビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メ
チル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフ
ェニル]テレフタレート、化合物Cとして1-[β-(オ
クチルチオ)エチル]-3-(オクチルチオ)シクロヘキ
サン、1-[β-(オクチルチオ)エチル]-4-(オクチル
チオ)シクロヘキサン、1-[β-(ドデシルチオ)エチ
ル]-3-(ドデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ド
デシルチオ)エチル]-4-(ドデシルチオ)シクロヘキ
サン、1-[β-(オクタデシルチオ)エチル]-3-(オク
タデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(オクタデシ
ルチオ)エチル]-4-(オクタデシルチオ)シクロヘキ
サン、1-[β-(オクタコシルチオ)エチル]-3-(オク
タコシルチオ)シクロヘキサン又は1-[β-(オクタコ
シルチオ)エチル]-4-(オクタコシルチオ)シクロヘ
キサン及び他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の表1に
記載した配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入
れ、3分間攪拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で
200℃にて溶融混練処理してペレット化した。また比較
例1〜13としてMFRが4.0g/10分の安定化されていな
い粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量部に後述
の表1に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施
例1〜6に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。
耐熱水性の評価に用いる試験片は、得られたペレットを
樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により調製し
た。得られた試験片を用いて前記の試験方法により耐熱
水性の評価を行った。これらの結果を表1に示した。
【0021】実施例7〜12、比較例14〜26 ポリオレフィンとしてMFR6.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量部
に、化合物Aとしてビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-
ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッド]エチレング
リコールエステル又はビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチ
ル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェ
ニル]テレフタレート、化合物Cとして1-[β-(オク
チルチオ)エチル]-3-(オクチルチオ)シクロヘキサ
ン、1-[β-(オクチルチオ)エチル]-4-(オクチルチ
オ)シクロヘキサン、1-[β-(ドデシルチオ)エチ
ル]-3-(ドデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ド
デシルチオ)エチル]-4-(ドデシルチオ)シクロヘキ
サン、1-[β-(オクタデシルチオ)エチル]-3-(オク
タデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(オクタデシ
ルチオ)エチル]-4-(オクタデシルチオ)シクロヘキ
サン、1-[β-(オクタコシルチオ)エチル]-3-(オク
タコシルチオ)シクロヘキサン又は1-[β-(オクタコ
シルチオ)エチル]-4-(オクタコシルチオ)シクロヘ
キサン及び他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の表2に
記載した配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入
れ、3分間攪拌混合したのち、口径30mmの2軸押出機で
200℃にて溶融混練処理してペレット化した。また比較
例14〜26としてMFRが6.0g/10分の安定化されていな
い粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量部に後述
の表2に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施
例7〜12に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。
耐熱水性の評価に用いる試験片は、得られたペレットを
樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により調製し
た。得られた試験片を用いて前記の試験方法により耐熱
水性の評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0022】実施例13〜20、比較例27〜37 ポリオレフィンとしてMFR4.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性エチレン-プロピレンブロック共重
合体(エチレン含有量8.5重量%)100重量部に、化合物
Bとしてビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシ
フェニル)ブチリックアシッド]エチレングリコールエ
ステル、ビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロ
キシベンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフ
タレート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン又は1,1,3-ト
リス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-
ブタン、化合物Cとして1-[β-(オクチルチオ)エチ
ル]-3-(オクチルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(オ
クチルチオ)エチル]-4-(オクチルチオ)シクロヘキ
サン、1-[β-(ドデシルチオ)エチル]-3-(ドデシル
チオ)シクロヘキサン、1-[β-(ドデシルチオ)エチ
ル]-4-(ドデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(オ
クタデシルチオ)エチル]-3-(オクタデシルチオ)シ
クロヘキサン、1-[β-(オクタデシルチオ)エチル]-
4-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(オ
クタコシルチオ)エチル]-3-(オクタコシルチオ)シ
クロヘキサン又は1-[β-(オクタコシルチオ)エチ
ル]-4-(オクタコシルチオ)シクロヘキサン、化合物
DとしてN,N'-ビス[2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキ
サミド及び他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の表3に
記載した配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入
れ、3分間攪拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で
200℃にて溶融混練処理してペレット化した。また比較
例27〜37としてMFRが4.0g/10分の安定化されていな
い粉末状結晶性エチレン-プロピレンブロック共重合体
(エチレン含有量8.5重量%)100重量部に後述の表3に
記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例13〜20
に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。耐熱水性
及び耐重金属性の評価に用いる試験片は、得られたペレ
ットを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により
調製した。得られた試験片を用いて前記の試験方法によ
り耐熱水性及び耐重金属性の評価を行った。これらの結
果を表3に示した。
【0023】実施例21〜28、比較例38〜48 ポリオレフィンとしてMFR6.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性プロピレン単独重合体70重量%、M
FR7.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エチ
レン-プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量2.5
重量%)5重量%、メルトインデックス(190℃におけ
る荷重21.18Nを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出
量;以下MIと略記する。)5.0g/10分の安定化されて
いない粉末状チーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独
重合体10重量%及びムーニー粘度ML1+4(100℃)25の安
定化されていない粉末状非晶性エチレン-プロピレンラ
ンダム共重合体(プロピレン含有量25重量%)15重量%
とからなる合計100重量部に、化合物Bとしてビス[3,3
-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチリッ
クアシッド]エチレングリコールエステル、ビス[2-
(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-
メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフタレート、1,3,5-
トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン又は1,1,3-トリス(5-t-ブチル
-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-ブタン、化合物C
として1-[β-(オクチルチオ)エチル]-3-(オクチル
チオ)シクロヘキサン、1-[β-(オクチルチオ)エチ
ル]-4-(オクチルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ド
デシルチオ)エチル]-3-(ドデシルチオ)シクロヘキ
サン、1-[β-(ドデシルチオ)エチル]-4-(ドデシル
チオ)シクロヘキサン、1-[β-(オクタデシルチオ)
エチル]-3-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン、1-
[β-(オクタデシルチオ)エチル]-4-(オクタデシル
チオ)シクロヘキサン、1-[β-(オクタコシルチオ)
エチル]-3-(オクタコシルチオ)シクロヘキサン又は1
-[β-(オクタコシルチオ)エチル]-4-(オクタコシ
ルチオ)シクロヘキサン、化合物DとしてN,N'-ビス
[2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニルオキシ〕エチル]オキサミド及び他の添加剤
のそれぞれ所定量を後述の表4に記載した配合割合でヘ
ンシェルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合し
たのち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処
理してペレット化した。また比較例38〜48としてMFR
が6.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性プロピ
レン単独重合体70重量%、MFRが7.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性エチレン-プロピレンランダ
ム共重合体(エチレン含有量2.5重量%)5重量%、M
Iが5.0g/10分の安定化されていない粉末状チーグラー
・ナッタ系高密度エチレン単独重合体10重量%及びムー
ニー粘度ML1+4(100℃)が25の安定化されていない粉末
状非晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体(プロ
ピレン含有量25重量%)15重量%とからなる合計100重
量部に後述の表4に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配
合し、実施例21〜28に準拠して溶融混練処理してペレッ
トを得た。耐重金属塩溶液性の評価に用いる試験片は、
得られたペレットを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射
出成形により調製した。得られた試験片を用いて前記の
試験方法により耐重金属塩溶液性の評価を行った。これ
らの結果を表4に示した。
【0024】表1〜表4に示される本発明にかかわる化
合物及び添加剤は下記の通りである。 化合物A[1]:ビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒ
ドロキシフェニル)ブチリックアシッド]エチレングリ
コールエステル 化合物A[2]:ビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'
-ヒドロキシベンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニ
ル]テレフタレート 化合物B[1]:ビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒ
ドロキシフェニル)ブチリックアシッド]エチレングリ
コールエステル 化合物B[2]:ビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'
-ヒドロキシベンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニ
ル]テレフタレート 化合物B[3]:1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5
-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン 化合物B[4]:1,1,3-トリス(5-t-ブチル-4-ヒドロ
キシ-2-メチルフェニル)-ブタン 化合物C[1]:1-[β-(オクチルチオ)エチル]-3-
(オクチルチオ)シクロヘキサン 化合物C[2]:1-[β-(オクチルチオ)エチル]-4-
(オクチルチオ)シクロヘキサン 化合物C[3]:1-[β-(ドデシルチオ)エチル]-3-
(ドデシルチオ)シクロヘキサン 化合物C[4]:1-[β-(ドデシルチオ)エチル]-4-
(ドデシルチオ)シクロヘキサン 化合物C[5]:1-[β-(オクタデシルチオ)エチ
ル]-3-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン 化合物C[6]:1-[β-(オクタデシルチオ)エチ
ル]-4-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン 化合物C[7]:1-[β-(オクタコシルチオ)エチ
ル]-3-(オクタコシルチオ)シクロヘキサン 化合物C[8]:1-[β-(オクタコシルチオ)エチ
ル]-4-(オクタコシルチオ)シクロヘキサン 化合物D:N,N'-ビス[2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オ
キサミド
【0025】リン系酸化防止剤1:ジステアリル-ペン
タエリスリトール-ジフォスファイト リン系酸化防止剤2:ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファイト リン系酸化防止剤3:ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファイト リン系酸化防止剤4:テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフ
ェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイト リン系酸化防止剤5:テトラキス(2,4-ジ-t-ブチル-5-
メチルフェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナ
イト リン系酸化防止剤6:2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t
-ブチルフェニル)-フルオロフォスファイト リン系酸化防止剤7:トリス[2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)]-トリエタノールアミン-トリフォスフ
ァイト リン系酸化防止剤8:トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスファイト
【0026】フェノール系酸化防止剤1:3,9-ビス[1,
1-ジメチル-2-{β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]-2,4,8,10-
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン フェノール系酸化防止剤2:1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート フェノール系酸化防止剤3:テトラキス[メチレン-3-
(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン チオエーテル系酸化防止剤1:ジミリスチルチオジプロ
ピオネート チオエーテル系酸化防止剤2:ペンタエリスリトール-
テトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート) 重金属不活性化剤1:N,N'-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン 重金属不活性化剤2:オキサリックアシッド-ビス(ベ
ンジリデンヒドラジド) 重金属不活性化剤3:2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリア
ジン Ca−St:ステアリン酸カルシウム 無機充填剤1:タルク(平均粒径2〜3μm) 無機充填剤2:硫酸バリウム(平均粒径0.4〜0.6μm)
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表1に記載の実施例及び比較例は、ポリオ
レフィンとして結晶性プロピレン単独重合体を用いた場
合である。表1からわかるように、実施例1〜6は本発
明にかかわる化合物A及び化合物Cを配合したものであ
り、実施例1〜6と比較例1〜4(化合物A及び化合物
C以外のチオエーテル系酸化防止剤1〜2をそれぞれ配
合したもの)とをくらべてみると、実施例1〜6は耐熱
水性が著しく優れていることがわかる。また、化合物A
以外のフェノール系酸化防止剤1〜3及びチオエーテル
系酸化防止剤1〜2をそれぞれ配合した比較例5〜10と
実施例1〜6をくらべてみると、比較例5〜10の耐熱水
性は比較例1〜4と同程度であり実施例1〜6が著しく
優れていることがわかる。さらに、フェノール系酸化防
止剤1〜3及び化合物Cをそれぞれ配合した比較例11〜
13と実施例1〜6をくらべてみると、比較例11〜13の耐
熱水性は比較例5〜10よりも改善されるもののいまだ充
分ではなく実施例1〜6が著しく優れていることがわか
る。従って本発明にかかわる化合物A及び化合物Cの2
成分の配合を同時に満たさない比較各例は、本発明の効
果を奏さないことが明らかである。すなわち、本発明で
得られる耐熱水性は、本発明において化合物A及び化合
物Cを併用したときにはじめてみられる特有の効果であ
るといえる。
【0032】表2は、ポリオレフィンとして結晶性プロ
ピレン単独重合体を用いたものであり、これらについて
も上述と同様の効果が確認された。
【0033】表3に記載の実施例及び比較例は、ポリオ
レフィンとして結晶性エチレン-プロピレンブロック共
重合体を用いた場合である。表3からわかるように、実
施例13〜20は本発明にかかわる化合物B、化合物C及び
化合物Dを配合したものであり、実施例13〜20と比較例
27〜30(化合物B、化合物C以外のチオエーテル系酸化
防止剤1及び化合物Dを配合したもの;比較例27〜29は
本発明者が先に特開平2−36247号として提案した組成
物)とをくらべてみると、実施例13〜23は耐熱水性及び
耐重金属性のいずれも著しく優れていることがわかる。
また、化合物B以外のフェノール系酸化防止剤1〜3、
化合物C及び化合物Dをそれぞれ配合した比較例31〜33
と実施例13〜20をくらべてみると、比較例31〜33の耐熱
水性及び耐重金属性は比較例27〜30よりも改善されるも
のの実施例13〜20が著しく優れていることがわかる。さ
らに、化合物B、化合物C及び化合物D以外の重金属不
活性化剤1〜3をそれぞれ配合した比較例34〜37と実施
例13〜20をくらべてみると、比較例34〜37の耐熱水性は
実施例13〜20と同程度であるものの耐重金属性は実施例
13〜20が著しく優れていることがわかる。従って本発明
にかかわる化合物B、化合物C及び化合物Dの3成分の
配合を同時に満たさない比較各例は、本発明の効果を奏
さないことが明らかである。すなわち、本発明で得られ
る耐熱水性及び耐重金属性は、本発明において化合物
B、化合物C及び化合物Dを併用したときにはじめてみ
られる特有の効果であるといえる。
【0034】表4に記載の実施例及び比較例は、ポリオ
レフィンとして結晶性プロピレン単独重合体、結晶性エ
チレン-プロピレンランダム共重合体、チーグラー・ナ
ッタ系高密度エチレン単独重合体及び非晶性エチレン-
プロピレンランダム共重合体の混合物を用いて耐重金属
塩溶液性を評価したものであり、これらについても上述
と同様の効果が確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明の組成物は、従来公知の耐熱水性
又は耐重金属性を改善したポリオレフィン組成物に比較
して、(1)成形品としたときの該成形品の耐熱水性又は
耐重金属性が著しく優れている。(2)耐熱水性又は耐重
金属性が著しく優れていることから、各種成形分野の耐
熱水性又は耐重金属性を要求される用途(たとえば電気
ポット、電気炊飯器及び給湯設備などの家電用品や床暖
房パイプなどの水廻り用部品並びに重金属塩溶液用の薬
品壜やタンク及びメッキ槽などの重金属イオン含有溶液
用容器)に好適に使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に対して、下
    記〜から選ばれた1種又は2種のフェノール系化合
    物及び下記一般式(1)で示されるチオエーテル系化合物
    (以下、化合物Cと略記することがある。)をそれぞれ
    0.05〜5重量部配合してなる安定化されたポリオレフィ
    ン組成物。 ビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニ
    ル)ブチリックアシッド]エチレングリコールエステル ビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベ
    ンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフタレー
    ト 【化1】 (ただし、式中Rは炭素数8〜28のアルキル基を示
    す。)
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン100重量部に対して、下
    記〜から選ばれた1種又は2種以上のフェノール系
    化合物、化合物C及び下記のオキサミド系化合物をそ
    れぞれ0.05〜5重量部配合してなる安定化されたポリオ
    レフィン組成物。 ビス[3,3-ビス(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニ
    ル)ブチリックアシッド]エチレングリコールエステル ビス[2-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベ
    ンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフタレー
    ト 1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4
    -ヒドロキシベンジル)ベンゼン 1,1,3-トリス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフ
    ェニル)-ブタン N,N'-ビス[2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
    シフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキサミド
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の安定化され
    たポリオレフィン組成物100重量部に対して、リン系酸
    化防止剤0.05〜5重量部をさらに配合してなる安定化さ
    れたポリオレフィン組成物。
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JP6205032B1 (ja) * 2016-08-09 2017-09-27 株式会社Nuc 直流電力ケーブル用絶縁性樹脂組成物、樹脂架橋体、直流電力ケーブル、直流電力ケーブル接続部の補強絶縁層形成用部材および直流電力ケーブル接続部

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